JPH08310879A - 真空気密容器用封着材および真空気密容器 - Google Patents

真空気密容器用封着材および真空気密容器

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JPH08310879A
JPH08310879A JP7118705A JP11870595A JPH08310879A JP H08310879 A JPH08310879 A JP H08310879A JP 7118705 A JP7118705 A JP 7118705A JP 11870595 A JP11870595 A JP 11870595A JP H08310879 A JPH08310879 A JP H08310879A
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昌子 中橋
Hiromitsu Takeda
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 活性金属法を用いた簡便な真空気密容器の封
着において、封止金具からろう材中への元素拡散を防止
することによって、信頼性の高い封着部を再現性よく形
成することを可能にした真空気密容器用封着材、および
それを用いた真空気密容器を提供する。 【構成】 金属部材からなる封止金具4側に配置される
金属ろう材1と、セラミックス部材からなる絶縁容器5
側に配置される活性金属ろう材3と、これらろう材1、
3間に配置され、金属部材の構成元素の拡散を防止する
中間層2とを有する真空気密容器用封着材である。真空
気密容器は、セラミックス部材からなる絶縁容器5の開
口部を、上記真空気密容器用封着材を用いて金属部材か
らなる封止金具4で封止したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空遮断器、真空バル
ブ、サイリスタ等に用いられる真空気密容器作製用の封
着材、およびそれを用いて作製した真空気密容器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】真空遮断器、真空バルブ、サイリスタ等
に用いられる真空気密容器は、セラミックス部材等から
なる絶縁容器の開口部端に、その内部を真空気密状態に
保持しながら、ステンレス材等の金属部材からなる封止
金具を封着(接合)したものである。このようなセラミ
ックス製の絶縁容器に封止金具を封着する際には、従
来、 Mo-Mn法を用いた封着が行われてきたが、 Mo-Mn法
はメタライズ工程、めっき工程、ろう付け工程と多くの
工程が必要で、封着工程が複雑になると共に、高温の熱
処理を必要とする等の問題を有していた。
【0003】そこで、 Mo-Mn法に代わる封着方法とし
て、活性金属法を適用した封着が検討されている(特開
平3-254030号公報等参照)。これは、 Ag-Cu合金等の金
属ろう材にTi、Zr等の活性金属を加えた活性金属含有ろ
う材(活性金属ろう材)を有機バインダと混合したペー
スト状態で、あるいは板状のろう材として用いる方法で
ある。
【0004】ところで、上述したような活性金属法で真
空気密容器を製造する際に用いられる真空炉は、炉内の
均一加熱が必ずしも達成されていないのが実状である。
このため、多数の真空気密容器を同一バッチで製造しよ
うとした場合に、炉内のある部分では昇温が早く、他の
部分では昇温が遅れるというような問題が発生してしま
う。従って、炉内の全ての箇所を所定の温度にするため
に、熱処理時間を長時間化する必要がある。また、真空
気密容器を製造する際には、気密容器内部の真空引きを
加熱しつつ行うことからも、熱処理時間の長時間化が避
けられない。
【0005】しかし、上述したように熱処理時間を長時
間化すると、接合時にステンレス材等からなる封止金具
からその構成元素、例えばNiがろう材内に溶出し、特に
活性金属ろう材に悪影響を及ぼして、健全な接合を不可
能にしてしまうという問題を招いていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、現状
の真空気密容器の製造工程においては、熱処理時間の長
時間化が避けられず、この熱処理時間の長時間化によっ
て、接合時に封止金具からNi等の構成元素がろう材内に
溶出し、特に活性金属ろう材に悪影響を及ぼすことによ
って、健全な接合を阻害するという問題を招いていた。
【0007】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、活性金属法を用いた簡便な真空気密
容器の封着において、封止金具からろう材中への元素拡
散を防止することによって、信頼性の高い封着部を再現
性よく形成することを可能にした真空気密容器用封着
材、およびそれを用いた真空気密容器を提供することを
目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段と作用】本発明の真空気密
容器用封着材は、請求項1に記載したように、セラミッ
クス部材からなる絶縁容器に、金属部材からなる封止金
具を接合する際に用いられる真空気密容器用封着材であ
って、前記金属部材側に配置される金属ろう材成分と、
前記セラミックス部材側に配置される活性金属ろう材成
分と、前記金属ろう材成分と活性金属ろう材成分との間
に配置され、前記金属部材の構成元素の拡散を防止する
中間層とを有することを特徴としている。また特に、請
求項2に記載したように、上記真空気密容器用封着材に
おいて、前記中間層は前記封止金具に前記金属ろう材成
分を介して当接される部分が両端部より厚い形状を有す
ることを特徴としている。
【0009】また、本発明の真空気密容器は、請求項3
に記載したように、セラミックス部材からなる絶縁容器
と、前記絶縁容器の開口部を封止する金属部材からなる
封止金具とを具備する真空気密容器であって、前記絶縁
容器に前記封止金具を、請求項1または請求項2記載の
真空気密容器用封着材を用いて封着してなることを特徴
としている。
【0010】本発明の真空気密容器用封着材は、上述し
たように、金属部材側に配置される金属ろう材成分と、
セラミックス部材側に配置される活性金属ろう材成分
と、これらの間に配置される中間層とから構成されてい
る。
【0011】上述した金属ろう材成分としては、 Ag-C
u、Ag-Cu-In、Ag-Cu-Sn、 Ag-Pd等の金属ろう材が挙げ
られる。また、活性金属ろう材成分としては、上記金属
ろう材に活性金属を合金化したもの、あるいは金属ろう
材と活性金属との積層体や混合物等が例示される。用い
る活性金属としては、Ti、Zr、Hf、Al、Cr、Nb、 Vおよ
びこれらを含む合金が挙げられる。なお、金属ろう材成
分および活性金属ろう材成分は、上記した金属ろう材や
活性金属ろう材の構成成分の一部を配置することもでき
る。
【0012】活性金属の量は、上記金属ろう材に対して
0.1〜30重量% の割合で配合されるように設定すること
が好ましい。活性金属量が 0.1重量% 未満であると、セ
ラミックス部材からなる絶縁容器に対して十分なぬれ性
が得られないおそれがあり、一方30重量% を超えると必
要以上の融点上昇を招くおそれがある。さらに、接合に
不都合な化合物相の生成を抑制するためには、活性金属
量を 0.5〜15重量% とすることが望ましい。
【0013】金属ろう材および活性金属ろう材の厚さ
は、いずれもろう材量が接合がなされる最小限の量とな
るように設定することが望ましく、例えば 5μm 〜 2mm
程度とすることが好ましい。また、気密容器内の真空引
きを促進するために、金属ろう材および活性金属ろう材
の少なくとも一方を、波型ろう材や多孔質ろう材とする
ことも効果的である。
【0014】本発明の真空気密容器用封着材における中
間層は、接合のための熱処理時に封止金具を構成する金
属部材の構成元素が活性金属ろう材中に拡散することを
防止する拡散バリア層である。例えば、ステンレス製の
封止金具を用いた場合、ステンレスの構成元素の一種で
あるNiがろう材中に溶出することが問題となるが、中間
層をNiの拡散バリア層として機能させることによって、
Niのろう材中への溶出を防止することができる。
【0015】このような中間層には、熱処理時における
上記金属部材の構成元素の拡散速度が遅く、金属部材の
構成元素が活性金属ろう材に到達することを防止し得る
固相材料例えば金属材料を用い、また熱処理時に中間層
自体がろう材中に溶け込んだとしても、拡散バリア層と
しての役割が達成できる厚さを選択する。中間層の厚さ
は、ろう材量や熱処理時間によっても異なるが、25μm
〜 1mm程度とすることが好ましい。中間層の厚さが25μ
m より薄い場合には、接合時にろう材中に固溶し、拡散
バリア層としての機能を十分に果たせないおそれがあ
り、一方 1mmより厚いと残留応力によりセラミックス部
材が破壊されるおそれがある。
【0016】中間層は、基本的には上述した条件さえ満
たしていればどのような金属材料で構成してもよいが、
熱応力による封着部の信頼性低下を抑制する上で、低膨
脹率金属や低ヤング率金属を用いることが好ましい。具
体的には、上述したNiの拡散バリア層としては、 W、M
o、Fe、Ta等の低膨脹率金属やAg、Cu等の低ヤング率金
属を用いることが好ましい。特に、金属ろう材として A
g-Cuろう材を用いる場合には中間層の材質としてろう材
となじみのよいAgやCuを用いることが好ましい。本発明
の真空気密容器用封着材は、上述したように金属ろう材
成分と中間層と活性金属ろう材成分の 3種類からなるも
のである。その具体的な構成としては、例えば図1に示
すように、 Ag-Cuろう材等からなる金属ろう材1、中間
層2およびAg-Cu-Zrろう材等からなる活性金属ろう材3
の箔や板材の積層体や、中間層の両主面に金属ろう材お
よび活性金属ろう材をそれぞれ膜形成した積層体等が挙
げられる。図1において、4は封止金具、5は絶縁容器
である。この際、ろう材1、3は構成元素単位の層の積
層体であってもよい。あるいは、図2に示すように、絶
縁容器5側の中間層2の主面に活性金属膜6を形成する
と共に、中間層2の両面に沿って金属ろう材1、1をそ
れぞれ配置し、絶縁容器4側では金属ろう材1と活性金
属膜6とが熱処理時に活性金属ろう材7となるような構
成とすることもできる。
【0017】また、中間層としてAgやCuを用いる場合に
は、金属ろう材成分としてのAg層/中間層としてのCu層
/活性金属成分としてのAgおよび活性金属層、あるいは
金属ろう材成分としてのCu層/中間層としてのAg層/活
性金属成分としてのCuおよび活性金属層というような構
成とし、中間層の一部をろう材として利用することもで
きる。すなわち、図3に示すように、例えばCuからなる
中間層2の両主面に金属ろう材成分および活性金属ろう
材成分としてAg膜8、8をそれぞれ形成すると共に、絶
縁容器側のAg膜8上にさらに活性金属膜6を形成する。
このような構成においては、封止金具側のAg膜8とCuか
らなる中間層2の一部とが熱処理時に金属ろう材9とな
り、また絶縁容器側のAg膜8と活性金属膜6とCuからな
る中間層2の一部とが熱処理時に活性金属ろう材7とな
る。この際、Cuからなる中間層2の厚さは、その一部を
熱処理時にろう材として使用しても、拡散バリア層とな
る固相部分が残存するように設定する。
【0018】上述したような封着材を製造する際には、
箔や板材の積層、あるいはメッキ法や蒸着法のようなP
VD法による成膜等、種々の方法を適用することができ
る。中間層の形状は単純な平板でもよいが、熱処理条件
や材質によっては中間層とセラミックス部材との熱膨張
差等により残留応力が発生し、セラミックス製絶縁容器
にクラック発生や破壊等の悪影響を及ぼすおそれがある
ため、接合端部を薄くすると共に、封止金具に金属ろう
材を介して当接される部分を厚くした形状、すなわち封
止金具に金属ろう材を介して当接される部分がその両端
部より厚い形状とすることが好ましい。
【0019】すなわち、残留応力の影響を排除するため
に中間層全体を薄くすると、熱処理時に中間層の変形が
生じ、中間層が封止金具側の金属ろう材と接する部分で
ろう材中に溶け込む等して拡散バリア層としての役割を
果さず、封着部の信頼性が低下するおそれがある。これ
は熱処理時間が長時間化した際に、炉内の一部の領域に
おいてはろう材の溶融時間が長くなりすぎるためと考え
られる。
【0020】これに対して、図4に示すように、封止金
具に金属ろう材を介して当接される部分10aを厚く
し、かつその両端部10bを薄くした形状を有する中間
層10を用いることによって、中間層10の部分的を防
ぐことができる。具体的な形状としては、図4(a)お
よび(b)に示すように、中間層10の端部10bを傾
斜(湾曲傾斜を含む)させた形状、図4(c)に示すよ
うに中間層10の端部10bに階段状のステップを設け
た形状等、種々の形状を適用することができる。上述し
たような形状の中間層10を用いる場合には、例えば図
5に示すように、中間層10の封止金具4側に金属ろう
材1を配置すると共に、中間層10の絶縁容器5側に活
性金属ろう材3を配置した構成や、図6に示すように、
中間層10の周囲に金属ろう材1の膜を形成すると共
に、絶縁容器5側に活性金属膜6を形成した構成等、平
板状の中間層を用いる場合と同様に種々の構成を採用す
ることができる。
【0021】本発明の真空気密容器は、上述したような
真空気密容器用封着材を用いて、真空中で真空容器を構
成するセラミックス製絶縁容器と、この絶縁容器の開口
部を封止する金属製封止金具とを封着(接合)したもの
である。具体的な封着材の配置位置は図1〜図6に示し
た通りである。
【0022】ここで、上記絶縁容器5の材質は特に限定
されるものではないが、アルミナ、マグネシア、シリカ
等の熱的に安定な酸化物系セラミックス材料が好まし
い。なぜなら、真空気密容器製造時の高温プロセス中に
おいて、安定に存在することが必要となるからである。
また、封止金具4の材質は特に限定されず、42アロイや
銅、あるいは一般的なステンレス材等を用いることがで
きる。
【0023】本発明の真空気密容器を製造する際には、
図1〜図6に示したように各部品を設置した後、真空中
でセラミックス製絶縁容器5と封止金具4とで構成され
る真空容器内の排気を行いつつ、封着のための熱処理を
行う。真空度は高ければ高いほどよく、0.01Paオーダよ
りも高い方が好ましく、これにより真空容器内部を十分
に真空引きすることが可能となる。熱処理は金属ろう材
および活性金属ろう材の溶融温度以上で当該温度より10
0K高い温度以下程度の温度範囲で行えばよい。保持時間
は各ろう材が完全に溶け得る条件であれば短い方が好ま
しいが、各ろう材が完全に溶融するように 1分以上とす
ると共に、各ろう材の構成元素の蒸発を防ぐために 1時
間以内とすることが好ましい。
【0024】なお、真空容器を炉内に設置する際に傾い
ていた場合には、溶融した金属が低い方へと流れて偏り
を起こす可能性があるが、中間層を用いることによっ
て、傾きが数度程度であれば毛細管現象により溶融金属
を保持し、良好な封着を行うことができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0026】実施例1 まず、外径49mm、内径41mm、厚さ 0.2mmのCuからなるリ
ングの各環状部11を、図7に示すように、封止金具に
金属ろう材を介して当接される部分11aを幅2mm×厚
さ 0.2mmの形状とすると共に、その両側部11b、11
bを 3mmづつ厚さ 0.1mmで傾斜させた断面形状に加工し
た。
【0027】上述したような断面形状のCuリングを中間
層として用い、その両面に厚さ約40μm のAg膜をメッキ
法で形成すると共に、セラミックス製絶縁容器と接する
面に厚さ約 3μm のTi膜を蒸着法で形成して、真空気密
容器用封着材とした。
【0028】上記真空気密容器用封着材において、封止
金具と接する面に形成したAg膜は金属ろう材成分であ
り、このAg膜とCuリングの一部とが熱処理時に金属ろう
材となる。また、セラミックス製絶縁容器と接する面側
に形成したTi膜およびAg膜は活性金属ろう材成分であ
り、これらTi膜およびAg膜とCuリングの一部とが熱処理
時に活性金属ろう材となる。
【0029】一方、外径50mm、内径40mm、高さ60mmのア
ルミナ製円筒容器を準備し、その開放部両端の接合部
に、上記封着材をTi膜がアルミナ製円筒容器と接するよ
うにそれぞれ配置し、さらにその上に SUS304L製の封止
金具をそれぞれ配置した。
【0030】上記封止金具を配置したアルミナ製円筒容
器を真空炉内に配置し、 2.7×10-4Paの真空中にて、昇
温速度 10K/minで 1043Kまで昇温し、この温度で炉内の
均熱をとるために 120分間保持した後、昇温速度 10K/m
inで1083K まで加熱し、この温度で10分間保持して封着
を行った。
【0031】このようにして得た真空気密容器の封着部
を観察したところ、Cuリングは中間層としてのCu固相部
分を厚さ約 0.1mm有しており、封着のための熱処理中封
止金具の構成材料である SUS304LからのNiの拡散バリア
層としての機能を十分に果たしていたことを確認した。
また、封着部のろう流れは良好で、十分な脚長が形成さ
れており、リークは認められなかった。さらに、封止金
具の引張り試験を行ったところ、 1000kgfと良好な強度
を示した。
【0032】また、本発明との比較例として、厚さ 100
μm の平板状の72%Ag-Cu合金箔と厚さ 6μm のTi箔とを
積層した封着材を用いる以外は、上記実施例と同一条件
下でアルミナ製円筒容器に SUS304L製封止金具を封着し
た。
【0033】このようにして得た真空気密容器の封着部
を観察したところ、封止金具の構成材料である SUS304L
からNiが活性金属ろう材中に溶出したことによって、活
性金属ろう材による接合が不完全となり、明らかにリー
クが認められ、引っ張り試験に供せなかった。また、活
性金属ろう材はアルミナ製円筒容器側には流れず、封止
金具にのみ濡れ広がっていた。
【0034】実施例2 まず、外径49mm、内径41mm、厚さ 0.2mmのCuからなるリ
ングの各環状部12を、図8に示すように、封止金具に
金属ろう材を介して当接される部分12aを幅2mm×高
さ 0.1mmの凸部とすると共に、その両側部12b、12
bを厚さ 0.1mmとした断面形状に加工した。
【0035】上述したような断面形状のCuリングを中間
層として用い、その封止金具側の凸部上に厚さ 200μm
の Ag-Cuろう材を配置すると共に、セラミックス製絶縁
容器側にTiを 1.5重量% 含む厚さ50μm のAg-Cu-Tiろう
材を配置して、真空気密容器用封着材とした。
【0036】一方、外径50mm、内径40mm、高さ60mmのア
ルミナ製円筒容器を準備し、その開放部両端の接合部
に、上記封着材を凸部が封止金具側となるようにそれぞ
れ配置し、さらにその上に42アロイ製の封止金具をそれ
ぞれ配置した。
【0037】上記封止金具を配置したアルミナ製円筒容
器を真空炉内に配置し、 2.7×10-4Paの真空中にて、昇
温速度 15K/minで 1043Kまで昇温し、この温度で炉内の
均熱をとるために60分間保持した後、昇温速度 15K/min
で1083K まで加熱し、この温度で10分間保持して封着を
行った。
【0038】このようにして得た真空気密容器の封着部
を観察したところ、Cuリングからなる中間層が溶融した
形跡は認められず、封着処理中に封止金具の構成材料で
ある42アロイからのNiの拡散バリア層としての機能を十
分に果たしていたことを確認した。また、封着部のろう
流れは良好で、十分な脚長が形成されており、リークは
認められなかった。さらに、封止金具の引張り試験を行
ったところ、 1000kgfと良好な強度を示した。
【0039】また、本発明との比較例として、厚さ 100
μm の平板状の72%Ag-Cu合金箔と厚さ 6μm のTi箔とを
積層した封着材を用いる以外は、上記実施例と同一条件
下でアルミナ製円筒容器に42アロイ製封止金具を封着し
た。
【0040】このようにして得た真空気密容器の封着部
を観察したところ、封止金具の構成材料である42アロイ
からNiが活性金属ろう材中に溶出したことによって、活
性金属ろう材による接合が不完全となり、明らかにリー
クが認められ、引っ張り試験に供せなかった。また、活
性金属ろう材はアルミナ製円筒容器側には流れず、封止
金具にのみ濡れ広がっていた。
【0041】実施例3 まず、外径89mm、内径85mm、厚さ 0.2mmのCuからなるリ
ングを、実施例1と同様に、図7に示した断面形状に加
工した。このCuリングを中間層として用い、その両面に
厚さ約40μm のAg膜をメッキ法で形成すると共に、セラ
ミックス製絶縁容器と接する面に厚さ約 3μm のTi膜を
蒸着法で形成して、真空気密容器用封着材とした。
【0042】上記真空気密容器用封着材において、封止
金具と接する面は実施例1と同様に熱処理時に金属ろう
材となり、またセラミックス製絶縁容器と接する面は熱
処理時に活性金属ろう材となる。
【0043】一方、外径90mm、内径84mm、高さ 180mmの
アルミナ製円筒容器を準備し、その開放部両端の接合部
に、上記封着材をTi膜がアルミナ製円筒容器と接するよ
うにそれぞれ配置し、さらにその上に42アロイ製の封止
金具をそれぞれ配置した。
【0044】上記封止金具を配置したアルミナ製円筒容
器を真空炉内に配置し、 2.7×10-4Paの真空中にて、昇
温速度 10K/minで 1013Kまで昇温し、この温度で炉内の
均熱をとるために 120分間保持した後、昇温速度 10K/m
inで1093K まで加熱し、この温度で20分間保持して封着
を行った。
【0045】このようにして得た真空気密容器の封着部
を断面観察したところ、Cuリングは中間層としてのCu固
相部分を約 0.1mmの厚さで有しており、封着のための熱
処理中、封止金具の構成材料である42アロイからのNiの
拡散バリア層としての機能を十分に果たしていたことを
確認した。また、封着部のろう流れは良好で、十分な脚
長が形成されており、リークは認められなかった。さら
に、封止金具の引張り試験を行ったところ、 1000kgfと
良好な強度を示した。
【0046】また比較として、封止金具側から厚さ0.05
mmの Ag-Cuろう材、厚さ 0.2mmの平板状のCuリング、厚
さ 3μm のTi箔、厚さ0.05mmの Ag-Cuろう材を順に積層
した封着材を用いる以外は、上記実施例と同一条件下で
アルミナ製円筒容器に42アロイ製封止金具を封着した。
この真空気密容器の封着部を断面観察したところ、Cuリ
ングはろう材と接している部分ではろう材への溶け込み
のために厚さが平均して 0.1mm程度となり、ろう材と接
していない部分では約 0.2mmの厚さを有していた。封止
金具の引張り試験を行ったところ、700kgfと前述した実
施例の真空気密容器と比較して低い値を示した。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の真空気密
容器用封着材によれば、封止金具から活性金属ろう材中
への元素拡散を中間層により防止することができるた
め、信頼性の高い封着部を再現性よく形成することが可
能となる。そして、このような真空気密容器用封着材を
用いた本発明の真空気密容器によれば、高い接合強度と
優れた封着部信頼性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の真空気密容器用封着材の一構成例を
封止金具およびセラミックス製絶縁容器に対する配置を
含めて示す断面図である。
【図2】 本発明の真空気密容器用封着材の他の構成例
を封止金具およびセラミックス製絶縁容器に対する配置
を含めて示す断面図である。
【図3】 本発明の真空気密容器用封着材のさらに他の
構成例を示す断面図である。
【図4】 本発明の真空気密容器用封着材における中間
層の部分形状の例を示す断面図である。
【図5】 図4に示す中間層を用いた真空気密容器用封
着材の構成例を封止金具およびセラミックス製絶縁容器
に対する配置を含めて示す断面図である。
【図6】 図4に示す中間層を用いた真空気密容器用封
着材の他の構成例を封止金具およびセラミックス製絶縁
容器に対する配置を含めて示す断面図である。
【図7】 本発明の実施例1で用いた中間層の部分形状
を示す断面図である。
【図8】 本発明の実施例2で用いた中間層の部分形状
を示す断面図である。
【符号の説明】
1、9……金属ろう材 2……中間層 3、7……活性金属ろう材 4……封止金具 5……セラミックス容器 6……活性金属膜 10…封止金具に金属ろう材成分を介して当接される部
分を厚くした中間層
フロントページの続き (72)発明者 中橋 昌子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 竹田 博光 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス部材からなる絶縁容器に、
    金属部材からなる封止金具を接合する際に用いられる真
    空気密容器用封着材であって、 前記金属部材側に配置される金属ろう材成分と、前記セ
    ラミックス部材側に配置される活性金属ろう材成分と、
    前記金属ろう材成分と活性金属ろう材成分との間に配置
    され、前記金属部材の構成元素の拡散を防止する中間層
    とを有することを特徴とする真空気密容器用封着材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の真空気密容器用封着材に
    おいて、 前記中間層は、前記封止金具に前記金属ろう材成分を介
    して当接される部分が両端部より厚い形状を有すること
    を特徴とする真空気密容器用封着材。
  3. 【請求項3】 セラミックス部材からなる絶縁容器と、
    前記絶縁容器の開口部を封止する金属部材からなる封止
    金具とを具備する真空気密容器であって、 前記絶縁容器に前記封止金具を、請求項1または請求項
    2記載の真空気密容器用封着材を用いて封着してなるこ
    とを特徴とする真空気密容器。
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