JPH08310071A - インクリボンを使用する記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 リボンストックローラとリボン巻取ローラに
巻きがけられたインクリボンを使用する記録装置におい
て、いずれかのリボンローラを取り出してインクリボン
を展開する位置まで移動させるとともにもとの位置に返
すリボンローラ交換機構を有するものについて交換を容
易にさせるとともに交換されたリボンローラに所定の回
転摩擦力を付与する。 【構成】 リボンローラの交換及び展開のために移動部
を設け、該移動部に設けられたローラ保持部に、交換時
に開放されるローラ押さえを設け、さらに、記録開始に
際して展開位置に位置づけられたリボンローラに回転摩
擦力を付与する摩擦力付与部を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、複数のインクリボン
を交換使用して例えば多色の記録を行なう記録装置に関
するもので、特に、インクリボンとしてリボンストック
ローラとリボン巻取ローラに架け渡されたものを使用す
る装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の記録装置は、一般に、リボンス
トックローラとリボン巻取ローラ（以下、これらのロー
ラを総称してローラ対という）との間にインクリボンを
架け渡したインクリボンを使用する。そして、この種の
インクリボンを使用するため、このような記録装置で
は、上記ローラ対を保持するリボン保持部が複数設けら
れたリボン格納部と、このリボン格納部と相対的に運動
して該リボン格納部に保持された所望のローラ対の例え
ばリボンストックローラを取り出したり、また元に返す
リボン展開部を有している。

【０００３】リボン展開部はリボンストックローラを取
り出したのち、所定の経路を移動する。これにより、リ
ボンストックローラとリボン巻取ローラとの間に架け渡
されたインクリボンが展開される。また、この記録装置
には、上記展開されたインクリボンの下側に記録紙を保
持するプラテンが設けられ、またその上側に該展開され
たインクリボンに作用する記録手段（例えばサーマルヘ
ッド）が上下動可能に支持されている。したがって、プ
ラテンに保持された記録紙を移送させながら記録手段を
インクリボンに作用させることにより記録を行なうこと
ができる。また、必要に応じてインクリボンを交換する
ことにより多色の記録を行なうことができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の記録装置では、リボン格納部に保持されるローラ
対のうちの交換に関わる一方のローラは溝状の保持部に
出し入れ可能に保持される。また、リボン展開部にも上
記交換に関わるローラを取り出すための溝状の保持部が
設けられている。そして、例えば、リボン展開部の溝状
保持部をリボン格納部に保持された交換に関わるローラ
の取り出し位置に位置づけ、リボン格納部の当該ローラ
を保持する溝状保持部をこの取り出し位置に移動した
時、該溝状保持部の開口方向がリボン展開部のローラ取
り出し方向に一致するよう構成していた。このように構
成することで、両溝状保持部間で所望のローラの交換を
可能にしていた。

【０００５】この場合、特にリボン展開部の溝状保持部
に取り出されたローラは、リボン展開部のそれに確実に
保持されることが望ましい。ガタ等が生じていた場合、
展開されるインクリボンにたるみ等が生じしわ等が発生
し、描画品質が悪化する恐れがあるからである。このた
め、従来では、ローラを保持する溝状保持部の寸法を精
密に管理し、ローラとこの保持部との間に隙間等が生じ
ないようにしていた。これは、部品精度を高度に維持す
ることになり製造コストの上昇をまねくとともにリボン
交換動作を正確に行なうため精密な調整が必要となる欠
点があった。

【０００６】さらに、従来のこの種の装置では、インク
リボンのテンションを一定にするためクラッチ等のテン
ション部品をローラ内に組み込んでいた。そのため、ロ
ーラの交換を行なう際にもリボンにテンションがかけら
れている状態であったのでローラの交換動作が正常に行
なえない場合があった。本発明は、これらの点を改善す
るためになされたものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】このため、この発明にお
いては、第１発明ではリボン展開部のインクリボンロー
ラの交換の際に開放されるローラ押さえを設け、第２発
明では同じくインクリボンローラの交換の際に開放され
るインクリボンローラに対する摩擦力付与部を設けた。

【０００８】

【作用】インクリボンローラを交換したのちに取り出し
たローラを押さえるローラ押さえを設けたので、溝状保
持部の寸法に余裕を持たせることができる。また、展開
されたインクリボンに一定のテンションを与える摩擦力
付与部はインクリボンローラの交換の際に開放されるの
で、インクリボンローラの交換は無負荷の状態で行なわ
れ交換の失敗を防止する。さらに、この場合の開放機構
は交換機構の移動に連動して動作するよう構成でき、特
別の駆動装置を必要としない。

【０００９】

【実施例】以下、本発明を図面の１実施例装置を参照し
て説明する。ここで、図１〜図４は本発明に関わる記録
装置の第１実施例、図５は本発明の第２実施例、図６は
本発明の記録紙送り機構をそれぞれ示すものである。各
図において、１０はリボン格納部、２０はインクリボ
ン、３０はリボン巻取機構、４０はリボン展開部、５０
はプラテン、６０はロール記録紙、７０はサーマルヘッ
ドである。

【００１０】まず、図１〜図４を参照して、第１実施例
装置について説明する。図１はこの発明に関わる記録装
置の要部構成斜視図である。リボン格納部１０はドラム
状に形成されている。そして、その周囲に等間隔でリボ
ン保持部１１が設けられている。このリボン保持部１１
は、リボン巻取ローラ保持部１１１とリボンストックロ
ーラ保持部１１２とからなる。これらの各保持部１１
１、１１２はそれぞれ溝状に形成され、それぞれリボン
巻取ローラ２１とリボンストックローラ２２を保持す
る。そして、これらの各保持部１１１、１１２には、図
２にその一部を示すように、それぞれストッパ１１３が
設けられており、保持された各リボンローラの抜け落ち
を防止している。さらに、このリボン格納部１０は、図
示しないモータにより回転可能に構成されており、交換
すべきリボンストックローラ２２の保持部１１２を交換
位置に位置づけることが可能に構成されている。

【００１１】インクリボン２０は、リボン巻取ローラ２
１とリボンストックローラ２２の間に巻きがけられてい
る。そして、後述するように、リボンストックローラ２
２が交換されてリボン展開部４０に保持されて移動され
た時プラテン５０上に展開される。リボンストックロー
ラ２２から引き出されたインクリボン２０が消費された
後リボン巻取ローラ２１に巻き取られる構成を有してい
る。

【００１２】リボン巻取機構３０は、リボン展開部４０
により取り出されたリボンストックローラ２２と対をな
すリボン巻取ローラ２１の巻取歯車２１１に噛み合う歯
車を有している。そして、このリボン巻取機構３０は、
記録に際して順次消費されていくインクリボン２０を巻
き取っていくため図示しないモータにより回転する。し
たがって、順次消費されるインクリボン２０はリボン巻
取ローラ２１に巻き取られていく。

【００１３】リボン展開部４０は、図３にも示されてい
るように、ガイドレール４１と、このガイドレール４１
に沿って移動する移動部４２と、交換されるべきリボン
ローラを保持するローラ保持部４３と、ローラ押さえ４
４、係合具４５（図１ガイドレール４１に近接して設け
られる。）、突出部４６及び摩擦力付与部４７を有して
いる。なお、図１においては、このリボン展開部４０と
して右側のみを描いているが、実際は対称的に左右一対
存在している。

【００１４】図３に詳細に示されているように、移動部
４２のローラ保持部４３は上向きに開口されておりリボ
ンストックローラ２２の軸２２３を受け止める。ローラ
押さえ４４は移動部４２に回転可能に取り付けられてお
り、図示しないコイルバネにより常時時計方向すなわち
保持したローラを押さえる方向に付勢している。ガイド
レール４１の支持部に取り付けられた係合具４５（図
１）は、移動部４２がリボンローラを交換するときその
ローラ保持部４３を交換位置に位置づけた際に、この係
合具４５がローラ押さえ４４を相対的に押しあける（図
２）。これにより、交換位置では、ローラ押さえ４４は
開放された状態となるので、リボンローラの交換を滞り
なく行なうことができる。

【００１５】さらに、このリボン展開部４０には、その
移動部４２の突出部４６に係合して作用する摩擦力付与
部４７が設けられている。この摩擦力付与部４７は、カ
ギ状部材を有しており、その曲折部が、常時は反時計方
向すなわち開放する方向に付勢されるようコイルバネ
（図示せず）が取り付けられて、支軸４７１に回転可能
に取り付けられている。このカギ状部材の一端には弾性
部材４７２が取り付けられ、他の一端は係合部材４７３
となっている。一端に設けられた弾性部材４７２は、そ
れが閉じられた時、ローラ保持部４３に保持されたリボ
ンローラ軸２２３を所定の力で圧接する。また、他の一
端の係合部材４７３は、移動部４２がリボン展開位置に
位置づけられた時、その突出部４６に係合する位置に設
けられている。従って、このリボン展開部４０が必要な
リボンストックローラ２２を取り出しリボン展開位置ま
で退いた際に、該リボンストックローラ２２の軸２２３
に弾性部材４７２が当接され所定の摩擦力が付与される
（図４）。

【００１６】さらに、この記録装置は、図６に示すよう
に、プラテン５０と、第１ガイドローラ５１と、上記プ
ラテン５０に接して回転する第２ガイドローラ５２と、
上記第１ガイドローラ５１に接するエンコーダ５３を有
している。そして、ロール記録紙６０から引き出された
記録紙６１は、第１ガイドローラ５１の外側、プラテン
５０の上面及びこのプラテン５０と第２ガイドローラ５
２の間を通過するよう構成されている。なお、このプラ
テン５０の上面には上下動可能に支持されたサーマルヘ
ッド７０が圧接する構造となっている。従って、この記
録紙６１は、サーマルヘッド７０がプラテン５０に圧接
しているとき、プラテン５０が記録紙繰り出し方向に回
転することにより記録紙６１を移送することができる。

【００１７】なお、エンコーダ５３は、アイドラーとし
て作用する第１ガイドローラ５１に接触して移送される
記録紙６１により回転されるもので、記録紙６１の移送
量を検出するものである。記録紙６１が引き出されるロ
ール記録紙６０とプラテン５０との間にこの第１ガイド
ローラ５１を設け、さらにこの第１ガイドローラ５１に
記録紙６１が１／４〜１／２周程度巻き付けられるよう
構成されている。そして、この第１ガイドローラ５１に
巻き付けられた記録紙６１の頂部にエンコーダ５３が接
触するよう配置されている。これにより、エンコーダ５
３による記録紙６１の移送量検出は、記録紙６１の移送
による乱れがほとんど影響しない部分で測定することが
できるので、正確な移送量の測定が可能になる利点があ
る。

【００１８】次に、以上のような構成を有する第１実施
例装置の動作を説明する。リボン展開動作は、サーマル
ヘッド７０を、図１の破線で示す上位置に位置づけた段
階で開始する。そして、リボン格納部１０を回転させ所
望のリボンストックローラ２２が保持されたリボンスト
ックローラ保持部１１２を交換位置より若干上方の交換
待機位置に位置づける。この状態で、リボン展開部４０
の移動部４２をガイドレール４１に沿って交換位置まで
移動する。図２に示されているように、移動部４２が交
換位置に接近すると、ガイドレール４１に近接して設け
られている係合具４５が、この移動部４２のローラ押さ
え４４に係合する。この状態で、さらにこの移動部４２
を移動し交換位置に位置づけた際にはローラ押さえ４４
が開放され、リボンストックローラ２２を受入れ可能な
状態となる（図２）。

【００１９】この段階で、リボン格納部１０が所定量回
転し所望のリボンストックローラ保持部１１２を交換待
機位置から交換位置に位置づける。この際、図２に示す
ように、リボンストックローラ２２の落下を防止するス
トッパ１１３に突出形成された係合部材がローラ保持部
４３の後方の立ち上がり部に形成された落とし込み部４
３１に当接しストッパ１１３を若干開放する。このよう
にして、この所望のリボンストックローラ保持部１１２
が交換位置に位置づけられた状態では、リボンストック
ローラ２２の軸２２３は、若干開放されたストッパ１１
３に軽く係止される状態でリボン格納部１０のリボンス
トックローラ保持部１１２と移動部４２のローラ保持部
４３に共通に保持されるよう構成されている。また、こ
の状態においては、リボンストックローラ保持部１１２
の保持溝の開口方向が移動部４２の後方移動方向に一致
するよう、また移動部４２のローラ保持部４３の保持溝
の開口方向が所望のリボンストックローラ保持部１１２
の戻り移動方向（交換待機位置への移動方向）に一致す
るよう構成されている。

【００２０】さて、このような状態で移動部４２が後方
すなわちリボン展開位置方向に移動すると、リボン格納
部１０に取り付けられているストッパ１１３の係合部材
がローラ保持部４３の前方の立ち上がり部に係合して上
昇されリボンストックローラ２２をフリーの状態にす
る。従って、所望のリボンストックローラ２２は移動部
４２のローラ保持部４３に保持され展開位置まで移動さ
れる。なお、この際において（返すべきリボンストック
ローラ保持部１１２を交換位置に位置づけた状態におい
て）、この移動部４２を交換位置に位置づけた後、リボ
ン格納部１０を回転させ返すべきリボンストックローラ
保持部１１２を交換待機位置に移動させることにより、
当該リボンストックローラ２２を元に戻すことができ
る。

【００２１】さて、交換された所望のリボンストックロ
ーラ２２が移動部４２により展開位置に位置づけられる
と、このリボンストックローラ２２に摩擦力付与部４７
が作用する。図３及び図４に示すように、展開位置で
は、移動部４２の突出部４６が摩擦力付与部４７の係合
部材４７３を押し、その弾性部材４７２をリボンストッ
クローラ２２の軸２２３に押しつける。これにより、リ
ボンストックローラ２２に所定の回転摩擦力を付与する
ことができる。

【００２２】図５は、摩擦力付与部の異なる実施例を示
すものである。記録手段を支持するヘッド支持部材７１
を、回転軸７２を所定量回転させることにより上下動さ
せるものにおいて、この回転軸７２に摩擦力付与部４７
を設けたものである。記録を実行するために記録手段を
ダウンした際にリボンストックローラ２２に所定の摩擦
力を付与することができる。

【００２３】

【発明の効果】以上、この発明によれば、比較的簡単な
構成で、所望のリボンローラの交換を滞りなく行なうこ
とができ、交換に関わるリボンローラに必要な回転摩擦
力を付与することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明の第１実施例に関わる記録装置
の要部構成斜視図である。

【図２】図２は、第１実施例のリボン交換動作を説明す
るための状態図である。

【図３】図３は、第１実施例の摩擦力付与部の動作を説
明するための状態図である。

【図４】図４は、第１実施例の展開位置に達した状態を
示す構成説明図である。

【図５】図５は、摩擦力付与部の第２実施例を示す構成
斜視図である。

【図６】図６は、本発明記録装置の記録紙移送機構の模
式図である。

【符号の説明】 １０：リボン格納部 ２０：インクリボン ３０：リボ
ン巻取機構 ４０：リボン展開部 ５０：プラテン ６０：ロール記
録紙 ７０：サーマルヘッド

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】インクリボンが架け渡されたリボンストッ
   クローラとリボン巻取ローラを対（以下、ローラ対とい
   う）として保持するリボン保持部を複数有したリボン格
   納部と、このリボン格納部と相対的に運動して該リボン
   格納部に保持された所望のローラ対の一方のローラを取
   り出し当該リボンストックローラとリボン巻取ローラと
   の間に架け渡されたインクリボンをプラテン上に展開
   し、また該取り出した一方のローラを当該リボン保持部
   に格納するリボン展開部と、このリボン展開部により展
   開されたインクリボンに作用する記録手段とを有したイ
   ンクリボンを使用する記録装置において、 上記リボン展開部は上記リボン保持部から取り出した一
   方のローラを保持するローラ保持部を有し、さらにこの
   ローラを取り出す時及び該ローラを当該リボン保持部に
   格納する時開放するローラ押さえとを有したことを特徴
   とするインクリボンを使用する記録装置。
2. 【請求項２】インクリボンが架け渡されたリボンストッ
   クローラとリボン巻取ローラを対として保持するリボン
   保持部を複数有したリボン格納部と、このリボン格納部
   と相対的に運動して該リボン格納部に保持された所望の
   ローラ対の一方のローラを取り出し当該リボンストック
   ローラとリボン巻取ローラとの間に架け渡されたインク
   リボンをプラテン上に展開し、また該取り出した一方の
   ローラを当該リボン保持部に格納するリボン展開部と、
   このリボン展開部により展開されたインクリボンに作用
   する記録手段とを有したインクリボンを使用する記録装
   置において、 上記リボン展開部は上記リボン保持部から取り出した一
   方のローラに回転摩擦力を付与する摩擦力付与部を有し
   たことを特徴とするインクリボンを使用する記録装置。