JPH08308605A - ゲートボールシューズ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 部分底出あるゴム底を装着し、本底用の発泡
ポリウレタン樹脂を射出し成形靴底に於いて、ゴム底の
意匠面に本底用の樹脂の流れ込みを防止すると共に、ゴ
ム底と本底の小口の接着離れを防止することを目的とす
る。 【構成】 ゴムの部分底の左右の両端にバリ片を設け、
該部分底の意匠と背面側のバリ片上に適宜数の突起を施
すと同時に、前後方向の両端に４５度の傾斜を施した上
で、エッジ片を設ける。該ゴムの部分底を射出成形靴の
底型の上に載置し本底を成形する。その際、底型にエッ
ジ片に対応した溝を加工し、エッジ片を該溝に嵌め込み
本底を成形する。バリ片上に設けた突起は横型と底型の
間に挟まれ隙間を生じさせるものであり、これは成形上
の効果をもたらす為に態々設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ゲートボールシューズ
に関するものであり、ゲートボールシューズの踏付部の
ゴム底と底本体の発泡ポリウレタンの接着に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】ゲートボールシューズは年寄りの健康維
持、親睦等を兼ねた競技として人気がある。この競技に
用いられるシューズは、当然に軽くなくてはならない。
従って、底材としては発泡ポリウレタン樹脂が使用され
ている。然しながら発泡ポリウレタン樹脂の靴底はゴム
底に比較して滑り易い。最近は滑りを防止し、ボールの
保持を確実にする目的から踏み付け部にゴム底を装着し
た底が多い。

【０００３】上記構造のシューズの成形は、先ず、靴甲
被を甲被と中底布とを合掌状態に縫着して袋状に成形す
る。別工程にてゴム底を成形金型により所定の形状に成
形して接着剤を刷毛にて塗布する。ゴム底はポリウレタ
ン樹脂が意匠面に流入することのないように、周囲は全
て意匠の凸部（17）で繋いでいる（図５参照）。又は、
底型のゴム底を載置する境界に、凸部の土手を設けてい
る。さらに両サイドにはバリ片を取り付けている。

【０００４】前記、靴甲被を靴型に吊り込み、ゴム底を
底型の踏み付け部に載置する（図６の（ニ）参照）。底
型のゴム底を載置する部分は意匠が施されておらず、ゴ
ム底を載置した際の浮き上がりを防止する為に、ピンが
適宜数セットされており、ゴム底を載置の上、ゴム底に
施されているピン穴とによって止める。これらの靴型、
底型と横型を型組みして出来た空隙に本底用の発泡ポリ
ウレタン樹脂を射出することによって、靴甲被と靴底と
を一体に成形する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来技術のゴム底の意
匠面は周囲を意匠として凸部（17）によって繋いでいる
為に厚みが厚くなって固くなる。故に履用中に踏み付け
部の屈曲性が悪く歩行し難い。さらに、ゴム底の裏面及
び凸部のサイド（19）に糊を塗布するが、凸部のサイド
（19）に塗布する際に糊が意匠面まで塗布（ハミ出し）
されて汚れを生じる。従って、凸部のサイド（19）には
糊を塗布しない。

【０００６】しかしながら、凸部のサイド（19）は靴底
となる発泡ウレタンとの接着面であり、糊が塗布されて
いないと接着が悪く履用中の屈曲等によって、該部分か
ら離れを生じるという欠点がある。又、ゴム底に凸部を
設けることは底意匠にデザイン上の制約を受ける。その
上、発泡ポリウレタン樹脂を射出し本底を成形する際
に、どうしても本底材が底型に載置されているゴム底と
底型の隙間の意匠面（接地面）に流れ込んでしまうこと
がある（図６の（ニ）参照）。成形後に意匠の凹部にの
み流れ込んだ本底用の発泡ポリウレタン樹脂を取り除く
ことは容易ではなく、外観の見栄えが悪く商品価値を著
しく阻害する。

【０００７】この成形方法は、靴甲被を吊り込んだ靴型
とゴム底を載置した底型及び横型の各金型を型組みし、
靴甲被と靴底とを一体に成形する際に、型組みして出来
た空隙にポリウレタン樹脂を射出し、射出後にさらに底
型が靴底の所定の厚みまで上昇させ本底を成形する方法
である。この際、底型に載置したゴム底上に射出樹脂が
万遍なく流れない間に、横型にゴム底の両サイドに設け
たバリ片が挟まれる。該バリ片が挟まれると、横型には
脱型を良くする目的から離型剤が塗布されており、該離
型剤がゴム底の小口（18）へ接触して流入し本底の発泡
ポリウレタン樹脂との接着を阻害し接着不良の原因とな
る（図４の右半分参照）。本発明は上記欠点を解決する
目的でなされたものである。

【０００８】

【問題を解決する為の手段】ゲートボールシューズの踏
付部に装着するゴム底を成形する際に、ゴム底のバリ片
に適宜数の突起を施すと共に、前後の両端に４５度の傾
斜をつけて境界部の厚みを薄くした上でエッジ片を設け
る。

【０００９】

【作用】部分底であるゴム底の左右のバリ片に突起を施
すことによって、ゴム底に離型剤が接触し浸入するのを
防止する。さらに、ゴム底の前後の両端にエッジ片を設
けたことによって、本底成形時の本底用の樹脂がゴム底
の上面に流れ込むのを防止する。ゴム底の前後両端に４
５度の傾斜を施し境界部の厚みを薄くすることによって
踏付部の屈曲が良く、しかも糊を塗布し易くゴム底と発
泡ポリウレタン樹脂の接着も良い。

【００１０】

【実施例】本発明の実施例について図面に基づいて説明
する。最初に本実施例の、ゲートボールシューズ（２）
の踏付部に装着したゴム底（１）に就いて説明する。図
１はそのゴム底（１）の意匠面の平面図であり、図２は
ゴム底（１）の背面図である。該、ゴム底（１）は成形
金型を用いてプレス加硫によって成形する。その際、ゴ
ム底（１）の左右に厚み０．５ＭＭ、幅７ＭＭのバリ片
（３）を設け（図１及び図３の（イ）図参照）、このバ
リ片（３）の背面側には、バリ片（３）幅の中心線上に
片側３個の直径３ＭＭ×高さ２ＭＭの半球状の突起
（４）を設ける（図２参照）。本来半球状の突起（４）
の位置は、出来る限りバリ片（３）と製品との境界上に
施すことが最も効果的であるが、成形後にバリ片（３）
を取り除く際、バリ片（３）をカットすると半球状の突
起（４）が中心からカットされ、半分が製品側に残りサ
イドの外観に現れて外観が悪い。従って、バリ片（３）
の中心に施したのである。

【００１１】又、ゴム底（１）の前後両端には、幅１Ｍ
Ｍ×高さ２．５ＭＭのエッジ片（５）を施している（図
３の（ロ）図参照）。接地側には防滑意匠を施すと共
に、射出成形用の底型（14）に載置する際、底型（14）
に取付けられているピン（６）にセット可能なピン穴を
意匠を兼ねて８個程施している。さらに、踏み付け部の
内側部位に開口する球保持用穴（７）を設けている（図
１及び図３の（イ）図参照）。次に靴甲被（８）は、年
寄りが履用することを考慮して、足甲部の緊締を靴紐に
せずに、着脱容易に面ファスナーの３本のバンド式の甲
被（９）とし、該甲被（９）と中底布（１０）とを合掌
状態の袋状に縫着して成形する。

【００１２】上記、靴甲被（８）とゴム底（１）とを一
体にして成形する靴底（11）用の射出成形金型である
が、靴型（12）及び横型（13）は通常の成形金型用に加
工すれば良い。底型（14）の加工は、ゴム底（１）を載
置する踏み付け部には意匠を施さず、その他の部分には
防滑に適した意匠を施す。ゴム底（１）を載置し固定せ
しめるために、ゴム底（１）のピン穴に対応させて８個
のピン（６）をセットする（図４の左半分参照）。ピン
（６）の直径はゴム底（１）に施されている穴径より僅
かに大きくしており、ゴム底（１）のセットをより確実
にしてゴム底（１）の浮き上がりを防止している。さら
に、ゴム底（１）のエッジ片（５）を嵌まり込ませる為
に、これに対応した幅１．５ＭＭ×深さ３．０ＭＭの溝
（15）を加工している（図６の（ハ）図参照）。

【００１３】本底（16）の射出成形であるが、射出成形
用の金型の靴型（12）には上述の靴甲被（８）を吊り込
み、底型（14）と横型（13）にシリコン離型剤をスプレ
ー塗布し、底型（14）にはゴム底（１）をセットし、こ
れらの型と横型（13）を型組みすることによって出来る
空隙に本底（16）成形用のポリウレタン樹脂を射出し靴
甲被（８）、ゴム底（１）を一体に成形する。底材を射
出後に底型（14）を上昇させて所定の底厚みに成形する
が、その際、図４の左半分に示す如く、ゴム底（１）の
バリ片（３）上に設けている半球状の突起（４）が横型
（13）に挟まれ隙間が出来る。隙間を作ることによって
本底（16）材をゴム底（１）のバリ片（３）と同様にバ
リとして露出させる。これは後記する効果をもたらす為
のものである。以上詳述した如くしてゲードボールシュ
ーズ（２）を成形したのである。

【００１４】

【効果】本発明の効果としては、ゴム底の周囲を全て意
匠の凸部によって繋ぐことなく、ゴム底の両サイドにバ
リ片を設けているので、履用中の踏み付け部の屈曲性が
従来に比して改善された。ゴム底の前後の両端にエッジ
片を施し、該エッジ片を底型の溝に嵌め込み本底用の樹
脂を射出成形する為に、ゴム底と底型に隙間があっても
意匠面（接地面）に樹脂が流れ込まない。従って、流れ
込んだ樹脂を成形後に取り除く必要がなく、外観の美し
い靴が成形出来る。

【００１５】さらに、半球状の突起を設けたことによっ
て、離型剤を塗布した横型とゴム底が直接触れることが
なく、接触部を通して離型材がゴム底の小口へ流入しな
い。従って、本底との接着を阻害することがなく、ゴム
底と本底の小口部分の接着不良が発生しない。さらに、
バリ片が底型にピッタリとシールし、本底用の樹脂が両
サイドの意匠凹部への流れ込みを防止している。これら
のことによって、品質の向上、成形後の修正不要による
生産性の向上等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のゴム底の意匠面の図。

【図２】本発明のゴム底の背面図。

【図３】（イ）図１のＡ矢視図。 （ロ）図１のＢ矢視図。

【図４】本発明のゴム底を用いて本底を成形する図（左
半分）と従来のゴム底を用いて本底を成形する図（右半
分）。

【図５】従来のゴム底の意匠面の図。

【図６】（ハ）本発明のゴム底を底型に載置した図（エ
ッジ片を底型の溝に嵌めた図）。 （ニ）従来のゴム底を底型に載置した図（凸部のサイド
（19）から意匠面に本底用樹脂が流入した図）。

【符号の説明】

１ ゴム底 ２ ゲートボールシューズ ３ バリ片 ４ 半球状の突起 ５ エッジ片 ６ ピン ７ 球保持用穴 ８ 靴甲被 ９ 甲被 10 中底布 11 靴底 12 靴型 13 横型 14 底型 15 溝 16 本底 17 凸部 18 小口 19 凸部のサイド

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 発泡ポリウレタン底のゲートボールシュ
   ーズ（２）の踏付部に装着するゴム底（１）に於いて、
   該ゴム底（１）の左右にバリ片（３）を設け、バリ片
   （３）に適宜数の半球状の突起（４）を施すと共に、前
   後の両端に４５度の傾斜を施した上で、エッジ片（５）
   を設けたことを特徴とするゲートボールシューズ（２）
   の踏付部用のゴム底（１）。