JPH08308234A - 交直変換器の制御装置 - Google Patents

交直変換器の制御装置

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JPH08308234A
JPH08308234A JP11326795A JP11326795A JPH08308234A JP H08308234 A JPH08308234 A JP H08308234A JP 11326795 A JP11326795 A JP 11326795A JP 11326795 A JP11326795 A JP 11326795A JP H08308234 A JPH08308234 A JP H08308234A
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JP11326795A
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English (en)
Inventor
Masamori Nohayashi
正盛 野林
Akito Kawahara
昭人 川原
Takatsugu Okabe
孝継 岡部
Yosuke Fujisawa
洋介 藤澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Electric Power Development Co Ltd
Toshiba Corp
Kansai Electric Power Co Inc
Shikoku Electric Power Co Inc
Original Assignee
Electric Power Development Co Ltd
Toshiba Corp
Kansai Electric Power Co Inc
Shikoku Electric Power Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、交流系統異常による転流失敗の再
発、継続を確実に防止することを最も主要な目的として
いる。 【構成】直流定電圧制御/定余裕角制御出力により逆変
換器として運転される交直変換器が接続されている交流
系統の異常による転流失敗の再発や継続を生じない制御
角を得るための出力(β進め制御角)を発生するβ進め
制御手段と、交直変換器の各相バルブ電圧から余裕角を
検出する余裕角検出手段と、転流失敗の再発や継続を生
じないために必要な基準値となる余裕角を検出余裕角と
比較する比較手段と、検出余裕角が基準余裕角よりも小
さい場合、β進め制御角をさらに所定位相だけ進める出
力を発生するβ進め制御補償手段と、β進め制御出力と
β進め制御補償出力とを合成する合成手段と、直流定電
圧制御/定余裕角制御出力、合成出力のうちの最小のも
のを選択し、交直変換器を位相制御する手段とを備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2つの交流系統にそれ
ぞれ個別に接続された2つの交直変換器と、各交直変換
器を連結する直流回路とから構成される交直変換システ
ムに適用される交直変換器の制御装置に係り、特に交流
系統異常による転流失敗の再発、継続を確実に防止でき
るようにした交直変換器の制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図5は、この種の交直変換システムの一
つである直流2端子送電系統の構成例を示す概要図であ
る。図5において、2つの交流系統101,111に
は、それぞれ個別に変圧器102,112を介して、交
直変換器103,113が接続されている。また、これ
らの各交直変換器103,113は、直流リアクトル1
04,114と直流線路105,115からなる直流回
路により、図示のように連結されている。
【0003】一方、図6は、上記交直変換器103,1
13の制御装置の構成例を示すブロック図である。な
お、各交直変換器103,113の制御装置の構成は同
一である。
【0004】図6において、検出直流電流Id 、基準直
流電流Idp、および電流マージンスイッチ121を介し
て与えられる電流マージンΔIdpは、図示極性で加算器
122により加算され、その加算出力が直流定電流制御
回路123に入力され、直流定電流制御の出力が得られ
る。
【0005】また、検出直流電圧Vd 、および基準直流
電圧Vdpは、図示極性で加算器124により加算され、
その加算出力が直流定電圧制御回路125に入力され、
直流定電圧制御の出力が得られる。
【0006】さらに、検出直流電流Id 、および上記変
圧器102,112の2次側線間電圧Vacは、定余裕角
制御回路126に入力され、定余裕角制御の出力が得ら
れる。
【0007】さらにまた、図示しない他の制御装置から
与えられるβ進め指令信号がβ進め制御回路127に入
力され、交流系統111の異常(電圧低下、波形歪の発
生)による転流失敗の再発や継続を生じない制御角αを
得るための、例えば図7に示すようなパターンの出力
(β進め制御角)が得られる。
【0008】一方、直流定電流制御回路123、直流定
電圧制御回路125、定余裕角制御回路126、および
β進め制御回路127からのそれぞれの出力は最小値選
択回路128に入力され、これらの出力のうちの最小の
ものが選択出力される。
【0009】また、最小値選択回路128からの選択出
力は位相制御回路129に入力され、これに基づく点弧
信号により交直変換器113が位相制御される。以上の
ような直流2端子送電系統において、いま交直変換器1
03が順変換運転を行ない、交直変換器113が逆変換
運転を行なう場合を考えると、交直変換器103は直流
定電流制御回路123からの出力により運転を行ない、
交直変換器113は直流定電圧制御回路125、または
定余裕角制御回路126からの出力による運転を行なっ
て、直流線路105,115の直流電圧Vd が決定され
る。
【0010】すなわち、この直流電圧Vd は、一般に、 Vd =1.35Vac・cosα−[(Xt ・Id )/2] で与えられ、交直変換器103,113の点弧のタイミ
ングを決める制御角αに依存する。ここで、Xt は転流
リアクタンスである。そして、制御角αが0°<α<9
0°で順変換器として運転され、90°<α<180°
で逆変換器として運転される。
【0011】さて、いま交直変換器113が接続されて
いる交流系統111で、地絡事故が発生したことを想定
する。この場合、変圧器112の2次側線間電圧Vac
低下、あるいは波形歪を生じるため、交直変換器113
は転流動作に必要な余裕角γを十分に確保することがで
きず、転流失敗を生じてしまう。
【0012】そこで、この場合には、他の制御装置から
与えられるβ進め指令信号により、β進め制御回路12
7では、交直変換器113が、それが接続されている交
流系統111に電圧低下、波形歪が生じた場合にも、転
流失敗を生じない制御角αを得るための、例えば図7に
示すようなパターンの出力を発生する。そして、このよ
うな制御角αは、交直変換器113が、直流定電圧制御
回路125、または定余裕角制御回路126からの出力
により制御されている定常状態での制御角αよりも小さ
い値である。
【0013】従って、この場合には、最小値選択回路1
28において、β進め制御回路127からの出力が選択
され、その選択出力を位相制御回路129に入力して、
これに基づく点弧信号で交直変換器113が位相制御さ
れ、転流失敗を防止することができる。
【0014】しかしながら、上記のような直流2端子送
電系統における交直変換器の制御装置においては、次の
ような問題がある。すなわち、β進め制御回路127の
出力は、あらかじめ想定された交流電圧の低下、波形歪
の大きさを考慮して、転流失敗しないように算出された
固定値であるため、例えば系統構成の変化等によって、
想定以上の電圧低下、波形歪が発生したような場合に
は、交直変換器113がいったん転流失敗から回復して
も、再び転流失敗に至るか、あるいは転流失敗を継続し
てしまう恐れがある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
交直変換器の制御装置においては、交流系統異常によっ
て転流失敗が再発、継続するという問題があった。本発
明の目的は、交流系統異常による転流失敗の再発、継続
を確実に防止することが可能な交直変換器の制御装置を
提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、2つの交流系統にそれぞれ個別に接続された2つ
の交直変換器と、これら各交直変換器を連結する直流回
路とから構成される交直変換システムにおける交直変換
器の制御装置において、まず、請求項1に係る発明で
は、直流定電圧制御手段または定余裕角制御手段により
逆変換器として運転される交直変換器が、それが接続さ
れている交流系統の異常による転流失敗の再発や継続を
生じない制御角を得るための出力(β進め制御角)を発
生するβ進め制御手段と、逆変換器として運転される交
直変換器の各相バルブの電圧から余裕角を検出する余裕
角検出手段と、転流失敗の再発や継続を生じないために
必要な余裕角を基準値として、余裕角検出手段により検
出された余裕角とを比較する比較手段と、比較手段によ
る比較の結果、余裕角検出手段により検出された余裕角
が基準値となる余裕角よりも小さい場合に、当該余裕角
の不足分を補償するようにβ進め制御角をさらに所定位
相だけ進めるための出力(Δβ)を発生するβ進め制御
補償手段と、β進め制御手段からの出力と、β進め制御
補償手段からの出力とを合成する合成手段と、直流定電
圧制御手段または定余裕角制御手段からの出力、および
合成手段からの出力のうちの最小のものを選択し、当該
選択された出力に基づいて逆変換器として運転される交
直変換器を位相制御する手段とを備えて成る。
【0017】また、請求項2に係る発明では、直流定電
圧制御手段または定余裕角制御手段からの出力により逆
変換器として運転される交直変換器が、それが接続され
ている交流系統の異常による転流失敗の再発や継続を生
じない制御角を得るための出力(β進め制御角)を発生
するβ進め制御手段と、逆変換器として運転される交直
変換器の各相バルブの電圧から余裕角を検出する余裕角
検出手段と、転流失敗の再発や継続を生じないために必
要な余裕角を基準値として、余裕角検出手段により検出
された余裕角とを比較する比較手段と、比較手段による
比較の結果、余裕角検出手段により検出された余裕角が
基準値となる余裕角よりも小さい場合に、当該余裕角の
不足分を補償するようにβ進め制御角をさらに所定位相
だけ進めるための出力(Δβ)を発生するβ進め制御補
償手段と、β進め制御手段からの出力と、β進め制御補
償手段からの出力とを合成する合成手段と、合成手段か
らの出力を直流定電圧制御手段の出力上限値として与え
る手段と、直流定電圧制御手段または定余裕角制御手段
からの出力のうちの最小のものを選択し、当該選択され
た出力に基づいて逆変換器として運転される交直変換器
を位相制御する手段とを備えて成る。
【0018】さらに、請求項3に係る発明では、上記請
求項1または請求項2に記載の交直変換器の制御装置に
おいて、上記β進め制御補償手段からの出力を、比較手
段による比較結果に基づいて可変する手段を付加して成
る。
【0019】
【作用】従って、まず、請求項1に係る発明の交直変換
器の制御装置においては、逆変換器として運転される交
直変換器の各相バルブの電圧から余裕角を検出して、こ
れと転流失敗の再発や継続を生じないために必要な基準
の余裕角とを比較し、その結果、検出余裕角が基準の余
裕角よりも小さい場合には、この余裕角の不足分を補償
するようにβ進め制御角をさらに所定位相(Δβ)だけ
進めることにより、転流失敗を生じないために必要な余
裕角を確保できる制御角を与えることが可能となるた
め、交流系統異常による転流失敗の再発、継続を確実に
防止することができる。
【0020】また、請求項2に係る発明の交直変換器の
制御装置においては、β進め制御手段からの出力(β進
め制御角)とβ進め制御補償手段からの出力とを合成し
たものを、直流定電圧制御手段の出力上限値として与え
ることにより、直流定電圧制御手段の出力の制御角上限
リミッタへのはりつきと、直流電圧のオーバーシュート
を防止することができる。
【0021】さらに、請求項3に係る発明の交直変換器
の制御装置においては、β進め制御補償手段の出力を、
検出余裕角と基準の余裕角との比較結果に応じて可変す
ることにより、余裕角の不足分に応じた制御角を交直変
換器に与えることが可能となるため、事故時における可
能な限りの電力を融通することができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て詳細に説明する。 (第1の実施例)図1は、本発明の第1の実施例による
交直変換器の制御装置の構成例を示す概要図であり、図
5および図6と同一または対応する要素には同一符号を
付してその説明を省略し、ここでは異なる部分について
のみ述べる。
【0023】すなわち、本実施例の交直変換器の制御装
置は、図1に示すように、図5および図6に加えて、余
裕角検出回路1と、比較手段であるオンディレイ回路2
と、β進め制御補償手段であるオフディレイ回路3およ
びΔβ進め制御回路4と、合成手段である加算器5とを
備えた構成としている。
【0024】ここで、余裕角検出回路1は、前記交直変
換器113の各相バルブの電圧aから余裕角γを検出
し、信号bとして出力するものである。また、オンディ
レイ回路2は、転流失敗の再発や継続を生じないために
必要な余裕角(オンディレイ回路2のディレイタイム)
γoを基準値として、余裕角検出回路1により検出され
た余裕角γとを比較し、γ≧γoである場合にγ−γo
のパルス信号cを“1”として出力するものである。
【0025】さらに、オフディレイ回路3は、オンディ
レイ回路2からのパルス信号cを1サイクル以上引き延
ばし、パルスcが1サイクル毎に立ち上がれば信号dを
“1”として出力するものである。
【0026】また、Δβ進め制御回路4は、β進め指令
信号eの入力が入力されていることを条件に、オフディ
レイ回路3からの信号dの立ち下がりと同時に、余裕角
γの不足分を補償するように前記β進め制御回路127
の出力信号(β進め制御角)gをさらに所定位相だけ進
めるための出力信号(Δβ)fを発生するものである。
【0027】さらに、加算器5は、β進め制御回路12
7の出力信号gから、Δβ進め制御回路4の出力信号f
(Δβ位相)を差し引き、その出力値hを前記最小値選
択回路128に出力するものである。
【0028】次に、以上のように構成した本実施例の交
直変換器の制御装置の作用について、図2に示す制御信
号応答図を用いて説明する。図1において、交直変換器
113からモニタした各相バルブ電圧aは、余裕角検出
回路1に取り込まれて、余裕角γが検出される。そし
て、この検出した余裕角γは、オンディレイ回路2で基
準値の余裕角γoと比較される。
【0029】この結果、γ≧γoのならば、γ−γoの
パルス信号cが立ち上がり、転流余裕角γが足りている
ことを示す。これに対して、γ<γoならば、検出余裕
角γの値がオンディレイ回路2のディレイタイムである
基準の余裕角γo以下であるので、パルス信号cは立ち
上がらず、余裕角γが不足していることを示す。
【0030】次に、オフディレイ回路3で、上述のパル
ス信号cが1サイクル以上引き延ばされ、パルス信号c
が1サイクル毎に立ち上がれば、その出力信号dは
“1”、またパルス信号cが立ち上がらないと、その出
力信号dは“0”となる。
【0031】そして、このオフディレイ回路3からの信
号dは、Δβ進め信号としてΔβ進め制御回路4に取り
込まれ、信号dの立ち下がりと同時に、β進め制御回路
5の出力信号gからΔβ位相fだけ加算器5にて差し引
いた出力値hが、最小値選択回路128に入力される。
この出力値hは、交直変換器113が、直流定電圧制御
回路15または定余裕角制御回路16からの出力で制御
される定常状態での制御角αよりも小さいため、最小値
選択回路128の出力iとしては出力値hが選択され、
これが位相制御回路129を介して点弧信号を出力する
ことにより、交直変換器113の位相が制御される。
【0032】これにより、余裕角γの不足分を補償する
ように、β進め制御角がさらに所定位相(Δβ)だけ進
められることになり、転流失敗を生じないために必要な
余裕角を確保できる制御角αを与えることが可能とな
る。その結果、交流系統111異常による転流失敗の再
発、継続を確実に防止することができる。
【0033】上述したように、本実施例の交直変換器の
制御装置は、逆変換器として運転される交直変換器11
3の各相バルブの電圧aから余裕角γを検出して、これ
と転流失敗の再発や継続を生じないために必要な基準の
余裕角γoとを比較し、その結果、検出余裕角γが基準
の余裕角γoよりも小さい場合、すなわち転流動作に必
要な転流余裕角γが不足している場合(β進め制御回路
127によりβ進め制御を行なっているにもかかわらず
余裕角γが不足する場合)には、この余裕角の不足分を
補償するようにβ進め制御角をさらに所定位相Δβだけ
進めるようにしているので、転流失敗を生じないために
必要な余裕角を確保できる制御角αを与えることができ
る。
【0034】これにより、逆変換器として運転される交
直変換器113が接続されている交流系統111異常に
よる転流失敗の再発、継続を確実に防止することが可能
となる。
【0035】(第2の実施例)図3は、本発明の第2の
実施例による交直変換器の制御装置の構成例を示す概要
図であり、図1と同一または対応する要素には同一符号
を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分につい
てのみ述べる。
【0036】すなわち、本実施例の交直変換器の制御装
置は、図3に示すように、図1における加算器5の出力
値hを最小値選択回路128に出力せず、これに代え
て、加算器5の出力値hを前記直流定電圧制御回路12
5の出力上限値として与える構成としている。
【0037】次に、以上のように構成した本実施例の交
直変換器の制御装置の作用について説明する。図3にお
いて、交直変換器113が逆変換運転を行なっている時
には、通常、直流定電圧制御回路125からの出力が、
最小値選択回路128で選択される。いま、交流系統1
11の電圧が低下したことを想定する。この場合、交流
電圧の低下およびβ進めにより、交直変換器113側の
出力が低下し、直流電圧が低下する。
【0038】一方、交直変換器113側の直流定電圧制
御回路125では、直流電圧を高く保とうとするので、
その出力は180°方向に大きくなり、制御角αの上限
にはりついてしまう。この場合、β進め制御回路12
7、Δβ進め制御回路4の動作が終了して、直流電圧が
回復しても、直流定電圧制御回路125の出力は、制御
角αの上限にはりついたままの状態がしばらく続く。そ
して、直流電圧が定格値を越えてオーバーシュートした
後に、はじめてその出力が小さくなり、制御角αの上限
にはりついていた状態から元の状態へと復旧する。
【0039】従って、加算器5からの出力値hを直流定
電圧制御回路125の出力上限値として与えることによ
り、直流定電圧制御回路125の出力の制御角上限リミ
ッタへのはりつきと、直流電圧のオーバーシュートを防
止することができる。
【0040】すなわち、交流系統111の電圧が低下す
ると、転流失敗が発生し、β進め制御回路127、場合
によってはΔβ進め制御回路4が動作して、加算器5の
出力値hが90°方向に小さくなる。この出力値hによ
り、直流定電圧制御回路125の出力にリミットがかか
る。そして、β進め制御回路127およびΔβ進め制御
回路4の動作が終了し、加算器5の出力値hが180°
方向に大きくなり始める。
【0041】しかし、この場合、直流定電圧制御回路1
25の出力は、加算器5の出力値hと共に徐々に180
°方向に大きくなっていく。そして、直流電圧が定格値
に達した時、直流定電圧制御回路125の出力は元の状
態に戻っており、この時点から、直流定電圧制御回路1
25の出力が最小値選択回路128で選択される。従っ
て、直流電圧がオーバーシュートするようなことはな
い。
【0042】上述したように、本実施例の交直変換器の
制御装置は、逆変換器として運転される交直変換器11
3の各相バルブの電圧aから余裕角γを検出して、これ
と転流失敗の再発や継続を生じないために必要な基準の
余裕角γoとを比較し、その結果、検出余裕角γが基準
の余裕角γoよりも小さい場合、すなわち転流動作に必
要な転流余裕角が不足している場合には、この余裕角の
不足分を補償するようにβ進め制御角をさらに所定位相
Δβだけ進め、この進めたβ進め制御角を直流定電圧制
御回路125の出力上限値として与えるようにしている
ので、転流失敗を生じないために必要な余裕角を確保で
きる制御角αを与えることができると共に、直流定電圧
制御回路125の出力の制御角上限リミッタへのはりつ
きを防止することができる。
【0043】これにより、逆変換器として運転される交
直変換器113が接続されている交流系統111異常に
よる転流失敗の再発、継続を確実に防止することが可能
となり、さらに直流電圧のオーバーシュートを防止する
ことが可能となる。
【0044】(第3の実施例)図4は、本発明の第3の
実施例による交直変換器の制御装置の構成例を示す概要
図であり、図1と同一または対応する要素には同一符号
を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分につい
てのみ述べる。
【0045】すなわち、本実施例の交直変換器の制御装
置は、図4に示すように、図1に加えて、演算器6を備
えた構成としている。ここで、演算器6は、オンディレ
イ回路2からのパルス信号cである比較結果、すなわち
検出余裕角γと基準の余裕角γoとの差に所定のゲイン
kを乗じ、信号jとして前記Δβ進め制御回路4に出力
することにより、Δβ進め制御回路4からの出力fを、
パルス信号cに応じて可変するものである。
【0046】すなわち、図1の実施例では、β進め制御
回路127の効果不足を補償する手段として、β進め制
御角に追加する位相Δβを固定値として与えるようにし
ているのに対して、本実施例では、β進め制御角に追加
する位相Δβを、パルス信号cに応じた可変値として与
えるようにしている。
【0047】次に、以上のように構成した本実施例の交
直変換器の制御装置の作用について説明する。図4にお
いて、交直変換器113の各相バルブの電圧aから余裕
角検出回路1により検出した余裕角γと、転流動作に必
要な基準の余裕角γoとを、オンディレイ回路2で比較
してその差がとられ、この差であるパルス信号cに、演
算器6にて所定のゲインkを乗じて、Δβ進め制御回路
4にΔβ位相として取り込まれる。
【0048】これにより、検出余裕角γが基準の余裕角
γoよりもかなり小さい時には、より大きくΔβ進めを
行ない、また検出余裕角γがある程度基準の余裕角γo
に近い時には、小さくΔβ進めを行なうことができる。
すなわち、余裕角γの不足分に応じた制御角αを交直変
換器113に与えることができ、事故時における可能な
限りの電力を融通することができる。
【0049】上述したように、本実施例の交直変換器の
制御装置は、逆変換器として運転される交直変換器11
3の各相バルブの電圧aから余裕角γを検出して、これ
と転流失敗の再発や継続を生じないために必要な基準の
余裕角γoとを比較し、その結果、検出余裕角γが基準
の余裕角γoよりも小さい場合、すなわち転流動作に必
要な転流余裕角が不足している場合には、この余裕角の
不足分を補償するようにβ進め制御角を、さらに検出余
裕角γと基準余裕角γoとの差(余裕角γの不足分)に
応じた位相Δβだけ進めるようにしているので、転流失
敗を生じないために必要な余裕角を確保できる制御角α
を、図1の実施例の場合よりもより効果的に与えること
ができる。
【0050】これにより、逆変換器として運転される交
直変換器113が接続されている交流系統111異常に
よる転流失敗の再発、継続を確実に防止することが可能
となると共に、事故時における可能な限りの電力を融通
することが可能となる。
【0051】尚、本発明は上記各実施例に限定されるも
のではなく、次のようにしても同様に実施できるもので
ある。上記第3の実施例では、β進め制御角を、検出余
裕角γと基準余裕角γoとの差(余裕角γの不足分)に
応じた位相Δβだけ進める構成を、上記第1の実施例に
適用した場合について説明したが、何らこれに限定され
るものではなく、β進め制御角を、検出余裕角γと基準
余裕角γoとの差(余裕角γの不足分)に応じた位相Δ
βだけ進める構成を、上記第2の実施例の場合について
も同様に適用することが可能であり、前述の場合と同様
の作用効果が得られることは言うまでもない。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、2
つの交流系統にそれぞれ個別に接続された2つの交直変
換器と、これら各交直変換器を連結する直流回路とから
構成される交直変換システムにおける交直変換器の制御
装置において、直流定電圧制御手段または定余裕角制御
手段により逆変換器として運転される交直変換器が、そ
れが接続されている交流系統の異常による転流失敗の再
発や継続を生じない制御角を得るためのβ進め制御角に
よるβ進め制御を行なっているにもかかわらず、転流余
裕角が不足する場合に、この余裕角の不足分を補償する
ようにβ進め制御角に対してさらに所定位相Δβだけ進
めるようにしたので、交流系統異常による転流失敗の再
発、継続を確実に防止することが可能な交直変換器の制
御装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による交直変換器の制御装置の第1の実
施例を示すブロック図。
【図2】同第1の実施例の交直変換器の制御装置におけ
る作用を説明するための制御信号応答図。
【図3】本発明による交直変換器の制御装置の第2の実
施例を示すブロック図。
【図4】本発明による交直変換器の制御装置の第3の実
施例を示すブロック図。
【図5】交直変換システムの一つである直流2端子送電
系統の構成例を示す概要図。
【図6】従来の交直変換器の制御装置の構成例を示すブ
ロック図。
【図7】同従来の交直変換器の制御装置におけるβ進め
制御出力の一例を示すパターン図。
【符号の説明】
1…余裕角検出回路、2…オンディレイ回路、3…オフ
ディレイ回路、4…Δβ進め制御回路、5…加算器、6
…演算器、121…電流マージンスイッチ、122,1
24…加算器、123…直流定電流制御回路、125…
直流定電圧制御回路、126…定余裕角制御回路、12
7…β進め制御回路、128…最小値選択回路、129
…位相制御回路、101,111…交流系統、102,
112…変圧器、106…103,113…交直変換
器、104,114…直流リアクトル、105,115
…直流線路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野林 正盛 大阪府大阪市北区中之島三丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 川原 昭人 香川県高松市丸の内2番5号 四国電力株 式会社内 (72)発明者 岡部 孝継 東京都中央区銀座六丁目15番1号 電源開 発株式会社内 (72)発明者 藤澤 洋介 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの交流系統にそれぞれ個別に接続さ
    れた2つの交直変換器と、これら各交直変換器を連結す
    る直流回路とから構成される交直変換システムにおける
    交直変換器の制御装置において、 直流定電圧制御手段または定余裕角制御手段により逆変
    換器として運転される前記交直変換器が、それが接続さ
    れている交流系統の異常による転流失敗の再発や継続を
    生じない制御角を得るための出力(β進め制御角)を発
    生するβ進め制御手段と、 前記逆変換器として運転される交直変換器の各相バルブ
    の電圧から余裕角を検出する余裕角検出手段と、 前記転流失敗の再発や継続を生じないために必要な余裕
    角を基準値として、前記余裕角検出手段により検出され
    た余裕角とを比較する比較手段と、 前記比較手段による比較の結果、前記余裕角検出手段に
    より検出された余裕角が前記基準値となる余裕角よりも
    小さい場合に、当該余裕角の不足分を補償するように前
    記β進め制御角をさらに所定位相だけ進めるための出力
    (Δβ)を発生するβ進め制御補償手段と、 前記β進め制御手段からの出力と、前記β進め制御補償
    手段からの出力とを合成する合成手段と、 前記直流定電圧制御手段または定余裕角制御手段からの
    出力、および前記合成手段からの出力のうちの最小のも
    のを選択し、当該選択された出力に基づいて前記逆変換
    器として運転される交直変換器を位相制御する手段と、 を備えて成ることを特徴とする交直変換器の制御装置。
  2. 【請求項2】 2つの交流系統にそれぞれ個別に接続さ
    れた2つの交直変換器と、これら各交直変換器を連結す
    る直流回路とから構成される交直変換システムにおける
    交直変換器の制御装置において、 直流定電圧制御手段または定余裕角制御手段からの出力
    により逆変換器として運転される前記交直変換器が、そ
    れが接続されている交流系統の異常による転流失敗の再
    発や継続を生じない制御角を得るための出力(β進め制
    御角)を発生するβ進め制御手段と、 前記逆変換器として運転される交直変換器の各相バルブ
    の電圧から余裕角を検出する余裕角検出手段と、 前記転流失敗の再発や継続を生じないために必要な余裕
    角を基準値として、前記余裕角検出手段により検出され
    た余裕角とを比較する比較手段と、 前記比較手段による比較の結果、前記余裕角検出手段に
    より検出された余裕角が前記基準値となる余裕角よりも
    小さい場合に、当該余裕角の不足分を補償するように前
    記β進め制御角をさらに所定位相だけ進めるための出力
    (Δβ)を発生するβ進め制御補償手段と、 前記β進め制御手段からの出力と、前記β進め制御補償
    手段からの出力とを合成する合成手段と、 前記合成手段からの出力を前記直流定電圧制御手段の出
    力上限値として与える手段と、 前記直流定電圧制御手段または定余裕角制御手段からの
    出力のうちの最小のものを選択し、当該選択された出力
    に基づいて前記逆変換器として運転される交直変換器を
    位相制御する手段と、 を備えて成ることを特徴とする交直変換器の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記請求項1または請求項2に記載の交
    直変換器の制御装置において、 前記β進め制御補償手段からの出力を、前記比較手段に
    よる比較結果に基づいて可変する手段を付加して成るこ
    とを特徴とする交直変換装置の制御装置。
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