JPH0830696B2 - 金属体弁別センサ - Google Patents

金属体弁別センサ

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JPH0830696B2
JPH0830696B2 JP3461891A JP3461891A JPH0830696B2 JP H0830696 B2 JPH0830696 B2 JP H0830696B2 JP 3461891 A JP3461891 A JP 3461891A JP 3461891 A JP3461891 A JP 3461891A JP H0830696 B2 JPH0830696 B2 JP H0830696B2
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coil
coin
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昌一 徳村
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Takamisawa Cybernetics Co Ltd
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Takamisawa Cybernetics Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属製品、金属部品や
硬貨等の金属体の材質、形状、大きさ等を磁気的な原理
によって弁別する金属体弁別センサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、このような金属体弁別センサは、
例えば電子検銭装置の硬貨判別に使用される場合が知ら
れており、特開昭59−178592号、特開昭57−
98089号、特公平1−25030号、国際公開WO
86/00410、USP4462513、USP44
93411、USP4845994、USP46013
80等に開示されている。
【0003】これら従来の電子検銭装置の一典型例を図
8〜図12と共に説明する。まず、図8において、硬貨
投入口から投入された硬貨1は、前方Aに傾斜したガイ
ドレール2に沿って電子検銭装置内を転がり移動する。
このガイドレール2は検銭対象の硬貨の厚さを考慮した
幅に形成され、又、硬貨が滑らかに転動するように前方
の傾斜角を調整したり、転動面を平坦にする等の処置が
なされている。又、ガイドレール2の面に対して立設す
る側壁3とこの側壁3に対向する側板(点線にて示す)
4によって硬貨1の横方向への移動を規制して、硬貨1
をガイドレール2から脱落しないように転動させてい
る。
【0004】更に、硬貨1がガイドレール2に沿って転
動する際に、硬貨1が自重によって常に側壁3の面を摺
動するように、側壁3が背面側へ若干傾斜している。側
壁3の途中には検出コイル5,6が埋設され、側板4に
は検出コイル5に対向する位置に検出コイル7が埋設さ
れている。尚、検出コイル5,7は硬貨1が通過すると
その略中心部に相対向するような位置関係で設けられ、
検出コイル6は硬貨1の周縁部分に対向する位置関係で
設けられている。
【0005】ここで、検出コイル5〜7が従来の金属体
弁別センサに該当し、夫々が図9に示すように、キャッ
プ状のフェライトコア(ポットコア)8の内側の突起部
9に銅線10を惓装した構造をしており、突起部9を硬
貨1の通路側に向けて側壁3と側板4に埋設されてい
る。更に、各検出コイル5〜7は、例えば図10に示す
ようなブリッジ回路と組み合わせた検出回路で硬貨1を
検出する。即ち、所定周波数の発振回路11に対して予
め決められた値の抵抗r1,r2と、各硬貨に適合した
適宜の値に設定した調整用抵抗R1と調整用コイルL1
が接続すると共に、ブリッジ回路の一辺に検出コイルL
0(検出コイル5〜7に相当する)が接続され、所定の
出力接点から検出信号Sを出力させる。
【0006】したがって、図11に示すように、発振回
路11によって駆動された検出コイル5,6,7は、硬
貨1の通路側に所定の磁束密度の磁力線(図11中、点
線で示す)を発生し、これらの磁力線中を硬貨1が横切
るときに硬貨1中に生じるうず電流の影響によって生じ
る検出コイル5,6,7のインダクタンス及びインピー
ダスの変化で、ブリッジ回路が平衡状態となることによ
り、検出信号Sは最小値を示す。尚、検出コイル5と7
は相対向することによって一組の磁気回路(図10のイ
ンダクタンスL0に相当する)を構成して、硬貨1の通
路を垂直に横切る磁力線を発生させ、この磁力線内を硬
貨1が通過することによって検出する。一方、検出コイ
ル6は図11に示すように、硬貨1の通路の一方側に磁
力線を発生し、硬貨1は一側から磁力線の影響を受ける
ようになっている。 次に、この装置の検銭動作を図1
2に基づいて説明する。尚、図12はガイドレール2に
対して所定位置に配置された一対の検出センサ5,7に
対して硬貨1がガイドレール2に沿って前方向Aに向け
て転動したときに、検出回路から出力される検出信号S
が硬貨1と検出センサ5,7との相対位置の変化に応じ
て変化することを示している。
【0007】ある時点t1のように、硬貨1がこれらの
検出センサから離れているときは、図10のブリッジ回
路は平衡状態にないので、発振器11の出力信号と等し
い周波数f且つ等しい振幅Hの検出信号S〔同図(a)
参照〕が発生する。次に、時点t2に示すように、硬貨
1の先端部分が検出コイル5,7の間に進入すると、磁
力線の影響によってその進入部分にうず電流が発生する
ことによるブリッジ回路のインダクタンスL0の変化に
伴って、検出信号Sの振幅が変化する〔同図(b)参
照〕。そして、硬貨1が更に検出コイル5,7の間に進
入していくと、うず電流の発生も次第に大きくなり、そ
の変化に応じて検出信号Sの振幅も変化していく。
【0008】次に、時点t3に示すように、硬貨1の中
心部分が検出コイル5,7の中心部分に一致すると、硬
貨1中に発生するうず電流が最大となり、調整用抵抗R
1とコイルL1に一致して検出信号Sの振幅は最小にな
る〔同図(c)参照〕。そして、逆に硬貨1が検出コイ
ル5,7から外れていくと、同図(b)に示すのと同様
に、検出信号Sの振幅が大きくなっていき、更に、硬貨
1が検出コイル5,7から完全に離れた時点t4の以後
は、検出コイル5,7による磁力線が硬貨1による影響
も徐々に受けなくなって、最終的には検出信号Sの振幅
は同図(a)に示すのと同様に、発振回路11の出力信
号と等しくなる。
【0009】一方、検出コイル6に係わる検出回路もこ
れと同様に、検出コイル6と硬貨1のオーバーラップす
る面積に応じて変化する検出信号sを出力する。そし
て、これらの検出信号S,sを信号解析して、検出信号
S,sの変化パターンや最小振幅の値から、貨幣の直
径、厚さ、材質及び変形状態等を判断して、金種や疑似
硬貨等を判定する。
【0010】尚、検出コイル5,7に係わる検出回路か
ら出力される検出信号Sは硬貨の大きさや材質、厚さを
判断するのに有効な信号であり、検出コイル6に係わる
検出回路から出力される検出信号sは硬貨の厚さや直径
を判断するのに有効である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな検出コイルから成る金属体弁別センサ及びそれを使
用した検銭装置等の金属体弁別装置にあっては、次のよ
うな問題点があった。硬貨等の金属体は、ガイドレール
を転がりながら検出コイルの前面を移動する構造となっ
ているが、装置の設置環境や時間経過に伴ってガイドレ
ールに塵や埃が付着し、金属体がガイドレール上を滑ら
かに転動せず、飛び跳ねながら移動した場合には、金属
体と検出コイルの対向位置関係が正規の状態からずれ、
検出信号が歪むこととなり、判定に誤差を生ずる問題が
あった。即ち、ガイドレールは、硬貨等の金属体を移動
させるための基準面であり、この基準面から金属体が位
置ずれを起こすと、精度の良い測定を行う事ができない
という原理的な欠点があった。
【0012】したがって、例えば定期的に装置内を清掃
する等の保守管理が煩雑となり、又、清浄装置等を別途
設ける必要があった。更に、硬貨等をガイドレールに沿
って滑らかに移動させ且つ、硬貨等が検出コイルを通過
するときに両者間の距離について一定条件とするため側
壁3に摺動させる必要あるが、このためには、ガイドレ
ール2の前方への傾斜角と側壁3の背面側への傾斜角を
微妙に調整する必要があり、又、ガイドレール2や側壁
3の材質の違いによっても硬貨等の移動特性が変化する
ので、調整が必要となる。
【0013】又、各検出コイルが発生する磁力線の強度
は、図11に示す相対向する検出コイル5,7では対向
間隔の違いで差が出るので、側壁3と側板4の組み付け
精度を一定に保つ必要があり、又、側壁3と側板4への
検出コイル5,7の埋設精度を向上させるという機械的
精度の向上が要求される。しかし、このような機械的精
度を一定に保つことは困難であり、頻繁に調整を行う必
要があった。特に、変形硬貨等が途中で詰まりを生じた
場合には、側板4を外してからその貨幣等を除去する等
の処置を行う構造となっているので、側壁3と側板4の
組み付け精度は次第に低下する傾向を示し、このような
機械的精度の低下が検出信号の特性に直接影響すること
から、絶対的な測定精度が低かった。例えば、日本の硬
貨を弁別する検銭装置では一般的に4種類程度、最大で
6種類程度の金種を弁別するに止まっている。
【0014】このように、従来の金属体弁別センサを使
用して検銭装置等の金属体弁別装置を実現した場合、検
出精度を向上するためには、装置の機械的精度の向上が
極めて重要となり、各装置について個々に調整したり、
保守管理が煩雑である等の解決すべき問題点が数多くあ
った。本発明はこのような従来の課題に鑑みて成された
ものであり、このような金属体弁別装置に適用すると、
飛躍的な検出精度の向上を図ることができ、且つ構造が
簡素で安価、しかも機械的な保守を殆ど不要にすること
ができる新規な金属体弁別センサを提供することを目的
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために本発明は、測定すべき金属体を磁気的に弁別す
る金属体弁別センサにおいて、環状に巻装したコイルに
交流電流を印加することによって磁力線を発生させ、該
コイルの中空内に前記金属体を相対的に移動させること
により、該磁力線によって該金属体に発生するうず電流
の作用で該コイルのインピーダンス及びインダクタンス
を変化させ、これらのインピーダンス及びインダクタン
スの変化に対応する交流信号の最小エンベロープの振幅
と最大エンベロープの振幅の差により前記金属体の断面
積を検出すると共に、交流信号の最小振幅時の周波数に
より前記金属体の透磁率を検出することにより前記金属
体を弁別することを特徴とする。
【0016】
【作用】このような構造を有する金属体弁別センサは、
前記コイルの中空内に発生する磁力線の磁束密度は均一
となり、その均一な磁力線中に被測定物である金属体を
挿入或いは貫通等により移動させるので、コイルと金属
体の相対的な位置ずれがあっても測定精度に影響を与え
ず、安定的に高い測定精度が得られる。更に、交流信号
の最小エンベロープの振幅と最大エンベロープの振幅の
差により前記金属体の断面積を検出すると共に、交流信
号の最小振幅時の周波数により前記金属体の透磁率を検
出し、断面積と透磁率の組み合わせにより金属体を弁別
するので高い測定精度が得られる。
【0017】したがって、従来の検出コイルを使用した
場合のように、金属体と該検出コイルの相対的な位置関
係が測定精度に直接影響するような欠点がなく、単に、
本発明の金属体弁別センサの前記コイルの中空内に測定
すべき金属体を移動するだけで高い測定精度が得られ
る。例えば、コイルの中空内に測定すべき金属体を落下
させるだけで高い測定精度が得られる。
【0018】即ち、従来例で述べた検銭装置のガイドレ
ール等のような、金属体と検出センサの相対位置関係を
一定にするための手段や、金属体を常に一定条件下で移
動させるためにガイドレールの傾斜を微妙に調整する等
の手段は全く不要となる。そして、この金属体センサは
構造が極めて簡素且つ安価、更に機械的調整部分が無
く、環境の相違等にも影響されないのでメインテナンス
フリーであることから、極めて広範囲の金属体弁別手段
への利用が可能である。
【0019】尚、コイルの巻装によって該コイルの中空
内にできる中空部分の形状は、被測定物である金属体の
形状等によって必要に応じて適宜に変更されるものであ
り、この中空部分の全ての形状については本発明に含ま
れるものである。但し、中空部分は、金属体がその中空
部分を通過するのに必要な最小限の面積且つ形状にする
ことが、測定精度の向上を図る上で好ましい。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面と共に説明す
る。まず、図1に基づいて、実施例の金属体弁別センサ
の構造を説明する。20は硬貨等の金属体21を貫通さ
せる中空孔22を有し、プラスチック等で成型された筒
体である。筒体20の外側壁には、一対のフランジ部2
3,24が所定間隔W1で対向するように一体形成され
ている。
【0021】25はコイルであり、フランジ部23,2
4に挟まれた筒体20の外側壁に、絶縁被覆された比較
的細い銅線を所定の巻数Tだけ巻装することによって形
成され、銅線の両端26,27が外部に延びている。2
8はフェライト等で形成されたコ字状のコアであり、凹
部がフランジ部23,24の外側壁に嵌合することによ
って組み付けられている。又、同図には、分解した状態
で示してあるが、コア28と同一材質且つ形状のコア2
9が、コア28と同様にフランジ部23,24の外側壁
に嵌合することによって、コア28,29が相互に対向
して組み付けられている。
【0022】ここで、中空孔22の形状は、被測定物で
ある金属体1の径方向の断面AR(図中、斜線で示す)
より若干大きい相似形に設計されている。したがって、
図2に示すように、金属体21は若干の隙間を開けて中
空孔22を通過することができるようになっている。但
し、この中空孔22は、金属体21をコイル25の内側
に通過させるために設けられたものであり、金属体21
が中空孔22内を通過する際に、コイル25に対する金
属体21の通過位置を高い機械精度で規定するために設
けられたものではなく、単に金属体21を案内するため
に設けられている。
【0023】そして、この金属体弁別センサは、コイル
25の両端26,27間に予め所定周波数の交流信号を
供給し、図3の原理図に示すように、コイル25に予め
所定の磁束密度の磁力線25aを発生させ、金属体21
を中空孔22内に通過させることで磁力線25aの作用
を受けるように使用する。このように使用するための一
例を図4と共に説明する。図4は一般的な4端子発振器
にコイル25を組み合わせたものであり、コイル25の
両端26,27を利得Gの比較器や増幅器(以下、増幅
器という)30の入力接点に供給し、増幅器30の出力
に発生する出力信号e2を帰還係数βの回路31を介し
て再び増幅器30の入力接点へ帰還させる。
【0024】即ち、この回路は正帰還の増幅器であり、
所定の発振条件を設定すると所定周波数で発振動作を継
続し、コイル25にはその周波数の交流信号e1が供給
されることとなる。したがって、図3に示したように、
コイル25には一定の交流電力が供給され、更に中空孔
22内には、該周波数に対応した一定の磁束密度の磁力
線が発生する。
【0025】尚、図4の符号Rは中空孔22に金属体2
1が挿入した時に、その挿入量に応じて金属体21に発
生するうず電流の影響によりコイル25に発生するイン
ピーダンスの変化分を等価回路的に示したものである。
又、コイル25のインダクタンス(L)も理論的に次式
の関係に従って変化する。
【0026】
【数1】
【0027】そして、貨幣等の金属体21を中空孔22
に通過させると、インダクタンス及びインピーダスRが
変化し、その影響で4端子発振器の信号e1,e2の発
振周波数及び振幅が変化し、この周波数の変化と振幅の
変化を金属体21の特徴パラメータとして検出する。例
えば、出力信号e2の振幅変化の包絡線を検波する検波
回路32を設け、その出力信号e3から金属体21の直
径や断面積、材質等を判定する。
【0028】次に、図4に示す回路を適用した場合の動
作を図5に基づいて説明する。尚、図5は、図5(a)
に示すように弁別センサのコイル25の中空部22内を
硬貨等の金属体21が矢印Aに沿って貫通する場合に、
増幅器30の出力信号e2と検波回路32の出力信号e
3が変化することを示す。ある時点t1以前のように、
金属体21がコイル25から離れているときは、磁力線
の影響を受けないので、発振器に予め設定された周波数
及び振幅と等しい波形の出力信号e2〔同図(b)参
照〕が発生し、検波出力e3〔同図(c)参照〕も所定
の振幅のままとなる。
【0029】そして、ある時点t2に示すように、金属
体21の先端部分がコイル25の中空部分に進入する
と、磁力線の影響によってその先端部分にうず電流が発
生し、同時にコイル25のインダクタンス及びインピー
ダスが変化して、出力信号e2の周波数及び振幅が変化
する。特に、周波数の変化は金属体21の透磁率に影響
され、振幅は金属体21の先端部分とコイル25の重な
り部分の断面積に影響される特性がある。
【0030】更に、金属体21がコイル25の中空部内
に進入していくと、うず電流の発生も次第に大きくな
り、その変化に応じて出力信号e2の周波数及び振幅の
変化も大きくなっていく。次に、時点t3に示すよう
に、金属体21の中心部分がコイル25の中心部分に一
致すると、金属体21中に発生するうず電流が最大とな
り、出力信号e2の振幅は最小に成る〔同図(b)
(c)参照〕。
【0031】そして、時点t3ないしt5に示すよう
に、逆に金属体21がコイル25から外れていくと、出
力信号e2の周波数及び振幅も次第に元に戻るように変
化し、金属体21がコイル25から完全に離れると、出
力信号e2は予め設定された元の周波数及び振幅に復帰
する。そして、これらの出力信号e2や検波信号e3の
振幅の変化や周波数の変化として、金属体21の特徴パ
ラメータを抽出することができ、検銭装置などに適用す
ることができる。特に、出力信号e2又はe3の振幅
は、図6に示すように、金属体21の断面積が大きいほ
ど小さくなり、又、金属体21の透磁率が大きい程周波
数が下降する特性を示す。したがって、図5(c)に示
すように、検出信号e3の最小振幅H1と最大振幅H2
の差は、硬貨の直径や厚さに対して高い精度で比例して
おり、硬貨の選別を形状の面から実現することができ
る。又、図5(b)に示す出力信号e2の振幅が最小値
となった時の周波数は、硬貨の透磁率に対して高い相関
関係があるので、この周波数を調べることにより、材質
面から硬貨を選別することができる。又、これらの検出
データを複合的に処理することにより、更に精度の高い
弁別処理を実現することができる。
【0032】このように、この実施例による金属体弁別
センサは、極めて簡素な構成であるが、交流信号によっ
て発生する磁力線の磁束密度が最も安定化している中空
部分内に測定すべき金属体を通過させ、金属体に発生す
るうず電流の変化に起因するコイルのインダクンス及び
インピーダスの変化から金属体の形状及び材質を識別す
るようにしたので、従来の検出センサによって金属体を
識別するよりも飛躍的に測定精度が向上する。
【0033】又、この磁束密度が均一なコイルの中空部
分に金属体を通過させる場合に、中空部分におけるコイ
ルと金属体の位置関係の機械的精度は、測定精度に影響
を与えない。単に、コイルの中空部分内に金属体を通過
させるだけでよく、従来のようなガイドレールを基準面
として設ける等の必要が無い。したがって、検銭装置そ
の他の金属体弁別装置を構成する場合に、装置全体を簡
素化して軽量化や小型化を実現することができ、更に、
調整箇所が殆ど無いので、修理や調整等を大幅に低減す
ることができる。
【0034】尚、この実施例では、図1に示すように、
コア28,29を設けたが、これのコア28,29は、
外部磁界の影響を受けないようにするために設けられた
ものであり、外部からの磁界の影響を受けない装置に使
用する場合には、これらのコアを省略してもよい。
【0035】
【発明の効果】このように本発明の金属体弁別センサに
あっては、環状に巻装したコイルに交流電流を印加する
ことによって磁力線を発生させ、該コイルの中空内に金
属体を相対的に移動させることにより、該磁力線によっ
て金属体に発生するうず電流の作用でコイルのインピー
ダンス及びインダクタンスを変化させ、これらのインピ
ーダンス及びインダクタンスの変化に対応する交流信号
最小エンベロープの振幅と最大エンベロープの振幅の
差により前記金属体の断面積を検出すると共に、交流信
号の最小振幅時の周波数により前記金属体の透磁率を検
出することにより前記金属体を弁別するようにしたの
で、構造が極めて簡素且つ安価、更に機械的調整部分が
殆どなく、環境の相違等にも影響されないのでメンテナ
ンスフリーであり、また、極めて広範囲の金属体を弁別
することができる。
【0036】更に、本発明によれば、コイル中心部の極
めて均一且つ安定した磁束密度の領域を利用して高度な
測定精度を維持することが可能であるため、その取付け
方向や金属体の流動速度に関して自由度が高く、縦・横
・斜面等の様々な角度で適宜に取付け可能な金属体弁別
装置等を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属体弁別センサの一実施例の構造を
示す斜視図である。
【図2】一実施例の金属体弁別センサのコイルと金属体
の位置関係を示す説明図である。
【図3】一実施例の金属体弁別センサのコイルと金属体
の位置関係を更に示す説明図である。
【図4】一実施例の金属体弁別センサを使用した金属体
弁別装置の一例を示すブロック図である。
【図5】図4の金属体弁別装置の動作を説明するための
説明図である。
【図6】図4の金属体弁別装置で検出した検出信号の特
性を示す説明図である。
【図7】図4の金属体弁別装置で検出した検出信号の特
性を更に示す説明図である。
【図8】従来の検銭装置の構造を概略的に示す図であ
る。
【図9】従来の検出センサの構造を示す斜視図である。
【図10】従来の検出センサを使用した検出回路を示す
回路図である。
【図11】図8の検銭装置の構造を上側から示した構成
説明図である。
【図12】従来の検銭装置の動作を説明するための説明
図である。
【符号の説明】
20;筒体 21;金属体 22;中空孔 23,24;フランジ部 25;コイル 25a;磁力線 26,27;コイルの巻線端部 28,29,コア 30;増幅器 31;帰還回路 32;検波回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】測定すべき金属体を磁気的に弁別する金属
    体弁別センサにおいて、環状に巻装した1箇所のコイル
    に交流電流を印加することによって磁力線を発生させ、
    該コイルの中空内に前記金属体を相対的に移動させるこ
    とにより、該磁力線によって該金属体に発生するうず電
    流の作用で該コイルのインピーダンス及びインダクタン
    スを変化させ、これらのインピーダンス及びインダクタ
    ンスの変化に対応する交流信号の最小エンベロープの振
    幅と最大エンベロープの振幅の差により前記金属体の断
    面積を検出すると共に、交流信号の最小振幅時の周波数
    により前記金属体の透磁率を検出することにより前記金
    属体を弁別することを特徴とする金属体弁別センサ。
  2. 【請求項2】金属の硬貨を磁気的に弁別する金属体弁別
    センサにおいて、環状に巻装した1箇所のコイルに交流
    電流を印加することによって磁力線を発生させ、該コイ
    ルの中空内に前記金属体を相対的に移動させることによ
    り、該磁力線によって該金属体に発生するうず電流の作
    用で該コイルのインピーダンス及びインダクタンスを変
    化させ、これらのインピーダンス及びインダクタンスの
    変化に対応する交流信号の最小エンベロープの振幅と最
    大エンベロープの振幅の差により前記金属体の断面積を
    検出すると共に、交流信号の最小振幅時の周波数により
    前記金属体の透磁率を検出することにより前記硬貨を弁
    別することを特徴とする貨幣弁別用の金属体弁別セン
    サ。
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