JPH0786505B2 - 金属体弁別センサ - Google Patents

金属体弁別センサ

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JPH0786505B2
JPH0786505B2 JP3461991A JP3461991A JPH0786505B2 JP H0786505 B2 JPH0786505 B2 JP H0786505B2 JP 3461991 A JP3461991 A JP 3461991A JP 3461991 A JP3461991 A JP 3461991A JP H0786505 B2 JPH0786505 B2 JP H0786505B2
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JP
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coils
coin
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JP3461991A
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Inventor
昌一 徳村
Original Assignee
株式会社高見沢サイバネティックス
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属製品、金属部品や
硬貨等の金属体の材質、形状、大きさ等を磁気的な原理
によって弁別する金属体弁別センサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、このような金属体弁別センサは、
例えば電子検銭装置の硬貨判別に使用される場合が知ら
れており、特開昭59−178592号、特開昭57−
98089号、特公平1−25030号、国際公開WO
86/00410、USP4462513、USP44
93411、USP4845994、USP46013
80等に開示されている。
【0003】これら従来の電子検銭装置の一典型例を図
8〜図12と共に説明する。まず、図8において、硬貨
投入口から投入された硬貨1は、前方Aに傾斜したガイ
ドレール2に沿って電子検銭装置内を転がり移動する。
このガイドレール2は検銭対象の硬貨の厚さを考慮した
幅に形成され、又、硬貨が滑らかに転動するように前方
の傾斜角を調整したり、転動面を平坦にする等の処置が
なされている。又、ガイドレール2の面に対して立設す
る側壁3とこの側壁3に対向する側板(点線にて示す)
4によって硬貨1の横方向への移動を規制して、硬貨1
をガイドレール2から脱落しないように転動させてい
る。
【0004】更に、硬貨1がガイドレール2に沿って転
動する際に、硬貨1が自重によって常に側壁3の面を摺
動するように、側壁3が背面側へ若干傾斜している。側
壁3の途中には検出コイル5,6が埋設され、側板4に
は検出コイル5に対向する位置に検出コイル7が埋設さ
れている。尚、検出コイル5,7は硬貨1が通過すると
その略中心部に相対向するような位置関係で設けられ、
検出コイル6は硬貨1の周縁部分に対向する位置関係で
設けられている。
【0005】ここで、検出コイル5〜7が従来の金属体
弁別センサに該当し、夫々が図9に示すように、キャッ
プ状のフェライトコア(Pコア)8の内側の突起部9に
銅線10を惓装した構造をしており、突起部9を硬貨1
の通路側に向けて側壁3と側板4に埋設されている。更
に、各検出コイル5〜7は、例えば図10に示すような
ブリッジ回路と組み合わせた検出回路で硬貨1を検出す
る。即ち、所定周波数の発振回路11に対して予め決め
られた値の抵抗r1,r2と、各硬貨に適合した適宜の
値に設定した調整用抵抗R1と調整用コイルL1が接続
すると共に、ブリッジ回路の一辺に検出コイルL0(検
出コイル5〜7に相当する)が接続され、所定の出力接
点から検出信号Sを出力させる。
【0006】したがって、図11に示すように、発振回
路11によって駆動された検出コイル5,6,7は、硬
貨1の通路側に所定の磁束密度の磁力線(図11中、点
線で示す)を発生し、これらの磁力線中を硬貨1が横切
るときに硬貨1中に生じるうず電流の影響によって生じ
る検出コイル5,6,7のインダクタンス及びインピー
ダスの変化で、ブリッジ回路が平衡状態となることによ
り、硬貨1の特徴を示す検出信号Sを発生する。尚、検
出コイル5と7は相対向することによって一組の磁気回
路(図10のインダクタンスL0に相当する)を構成し
て、硬貨1の通路を垂直に横切る磁力線を発生させ、こ
の磁力線内を硬貨1が通過することによって検出する。
一方、検出コイル6は図11に示すように、硬貨1の通
路の一方側に磁力線を発生し、硬貨1は一側から磁力線
の影響を受ける様になっている。
【0007】次に、この装置の検銭動作を図12に基づ
いて説明する。尚、図12はガイドレール2に対して所
定位置に配置された一対の検出センサ5,7に対して硬
貨1がガイドレール2に沿って前方向Aに向けて転動し
たときに、検出回路から出力される検出信号Sが硬貨1
と検出センサ5,7との相対位置の変化に応じて変化す
ることを示している。
【0008】ある時点t1のように、硬貨1がこれらの
検出センサから離れているときは、図10のブリッジ回
路は平衡状態にないので、発振器11の出力信号と等し
い周波数f且つ等しい振幅Hの検出信号S〔同図(a)
参照〕が発生する。次に、時点t2に示すように、硬貨
1の先端部分が検出コイル5,7の間に進入すると、磁
力線の影響によってその進入部分にうず電流が発生する
ことによるブリッジ回路のインダクタンスL0の変化に
伴って、検出信号Sの振幅が変化する〔同図(b)参
照〕。そして、硬貨1が更に検出コイル5,7の間に進
入していくと、うず電流の発生も次第に大きくなり、そ
の変化に応じて検出信号Sの振幅も変化していく。
【0009】次に、時点t3に示すように、硬貨1の中
心部分が検出コイル5,7の中心部分に一致すると、硬
貨1中に発生するうず電流が最大となり、調整用抵抗R
1とコイルL1に一致して検出信号Sの振幅は最小にな
る〔同図(c)参照〕。そして、逆に硬貨1が検出コイ
ル5,7から外れていくと、同図(b)に示すのと同様
に、検出信号Sの振幅が大きくなっていき、更に、硬貨
1が検出コイル5,7から完全に離れた時点t4の以後
は、検出コイル5,7による磁力線が硬貨1による影響
を徐々に受けなくなって、最終的には検出信号Sの振幅
は、同図(a)に示すのと同様に、発振回路11の出力
信号と等しくなる。
【0010】一方、検出コイル6に係わる検出回路もこ
れと同様に、検出コイル6と硬貨1の対向面積に応じて
変化する検出信号sを出力する。そして、これらの検出
信号S,sを信号解析して、検出信号S,sの変化パタ
ーンや最小振幅の値から、貨幣の直径、厚さ、材質及び
変形状態等を判断して、金種や疑似硬貨等を判定する。
【0011】尚、検出コイル5,7に係わる検出回路か
ら出力される検出信号Sは硬貨の大きさや材質、厚さを
判断するのに有効な信号であり、検出コイル6に係わる
検出回路から出力される検出信号sは硬貨の厚さや直径
を判断するのに有効である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな検出コイルから成る金属体弁別センサ及びそれを使
用した検銭装置等の金属体弁別装置にあっては、次のよ
うな問題点があった。硬貨等の金属体は、ガイドレール
を転がりながら検出コイルの前面を移動する構造となっ
ているが、装置の設置環境や時間経過に伴ってガイドレ
ールに塵や埃が付着し、金属体がガイドレール上を滑ら
かに転動せず、飛び跳ねながら移動した場合には、金属
体と検出コイルの対向位置関係が正規の状態からずれ、
検出信号が歪むこととなり、判定に誤差を生ずる問題が
あった。即ち、ガイドレールは、硬貨等の金属体を移動
させるための基準面であり、この基準面から金属体が位
置ずれを起こすと、精度の良い測定を行う事ができない
という原理的な欠点があった。
【0013】したがって、例えば定期的に装置内を清掃
する等の保守管理が煩雑となり、又、清浄装置等を別途
設ける必要があった。更に、硬貨等をガイドレールに沿
って滑らかに移動させ且つ、硬貨等が検出コイルを通過
するときに両者間の距離に関し一定条件とするために一
定の隙間に保ちながら側壁3に摺動させる必要あるが、
このためには、ガイドレール2の前方への傾斜角と側壁
3の背面側への傾斜角を微妙に調整する必要があり、
又、ガイドレール2や側壁3の材質の違いによっても硬
貨等の移動特性が変化するので、調整が必要となる。
【0014】又、各検出コイルが発生する磁力線の強度
は、図11に示す相対向する検出コイル5,7では対向
間隔の違いで差が出るので、側壁3と側板4の組み付け
精度を一定に保つ必要があり、又、側壁3と側板4への
検出コイル5,7の埋設精度を向上させるという機械的
精度の向上が要求される。しかし、このような機械的精
度を一定に保つことは困難であり、頻繁に調整を行う必
要があった。特に、硬貨等がその変形等が理由で途中で
詰まりを生じた場合には、側板4を外してからその貨幣
等を除去する等の処置を行う構造となっているので、側
壁3と側板4の組み付け精度は次第に低下する傾向を示
し、こうした機械的精度の低下が検出信号の特性に直接
影響することから、絶対的な測定精度が低かった。例え
ば、日本の硬貨を弁別する検銭装置では一般的に4種類
程度、最大で6種類程度の金種を弁別するに止まってい
る。
【0015】このように、従来の金属体弁別センサを使
用して検銭装置等の金属体弁別装置を実現した場合、検
出精度を向上するためには、装置の機械的精度の向上が
極めて重要となり、各装置について個々に調整したり、
保守管理が煩雑である等の解決すべき問題点が数多くあ
った。本発明はこのような従来の課題に鑑みて成された
ものであり、このような金属体弁別装置に適用すると、
飛躍的な検出精度の向上を図ることができ、且つ構造が
簡素で安価、しかも機械的な保守を殆ど不要にすること
ができる新規な金属体弁別センサを提供することを目的
とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために本発明は、測定すべき金属体を磁気的に弁別す
る金属体弁別センサにおいて、この金属体弁別センサ
は、環状に巻装した少なくとも2以上のコイルを、相互
に隣合う2つのコイル同士の間隔が前記金属体の直径よ
り小さくなるように配置して、夫々のコイルに交流電流
を印加することによって磁力線を発生させ、該コイルの
中空内に前記金属体を相対的に移動させることにより、
該磁力線によって該金属体に発生するうず電流の作用で
該コイルのインピーダンス及びインダクタンスを変化さ
せ、これらのインピーダンス及びインダクタンスの変化
に対応する夫々のコイルにおける交流信号の最小エンベ
ロープの振幅と最大エンベロープの振幅の差により前記
金属体の断面積を検出すると共に、交流信号の最小振幅
時の周波数により前記金属体の透磁率を検出し、更に、
隣合う2つのコイルにおける各交流信号のエンベロープ
の振幅が等しい時の振幅により前記金属体の直径を検出
することにより前記金属体を弁別することを特徴とす
る。
【0017】
【作用】このような構造を有する金属体弁別センサは、
前記コイルの中空内に発生する磁力線の磁束密度は均一
となり、その均一な磁力線中に被測定物である金属体を
挿入或いは貫通等により移動させるので、コイルと金属
体の相対的な位置ずれがあっても測定精度に影響を与え
ず、安定的に高い測定精度が得られる。更に、交流信号
の最小エンベロープの振幅と最大エンベロープの振幅の
差により前記金属体の断面積を検出すると共に、交流信
号の最小振幅時の周波数により前記金属体の透磁率を検
出し、更に、隣合う2つのコイルにおける各交流信号の
エンベロープの振幅が等しい時の振幅により前記金属体
の直径を検出し、断面積と透磁率と直径の組み合わせに
より金属体を弁別するので高い測定精度が得られる。
【0018】したがって、従来の検出コイルを使用した
場合のように、金属体と該検出コイルの相対的な位置関
係が測定精度に直接影響するような欠点がなく、単に、
本発明の金属体弁別センサの前記コイルの中空内に測定
すべき金属体を移動するだけで高い測定精度が得られ
る。例えば、コイルの中空内に測定すべき金属体を落下
させるだけで高い測定精度が得られる。
【0019】即ち、従来例で述べた検銭装置のガイドレ
ール等のような、金属体と検出センサの相対位置関係を
一定にするための手段や、金属体を安定に移動させるた
めにガイドレールの傾斜を微妙に調整する等の手段は全
く不要となる。更に、前記相互に隣合うコイル同士の間
隔を被測定物である金属体の直径等の大きさに対して所
定の間隔に設定して測定を行うと、夫々のコイル内を金
属体が通過すると、夫々のコイルのインダクタンス及び
インピーダンスの変化による検出信号の変化が時間的に
位相のずれをもって発生することとなり、これらの検出
信号のずれから金属体の直径等の大きさを識別すること
ができる。
【0020】そして、この金属体弁別センサは構造が極
めて簡素且つ安価、更に機械的調整部分が殆ど無く、環
境の相違等にも影響されないのでメインテナンスフリー
であることから極めて広範囲の金属体弁別手段への利用
が可能であり、又、直径、厚さ材質の違う多数種類の金
属体を高精度で弁別することができる。尚、コイルの巻
装によって該コイルの中空内にできる中空部分の形状
は、被測定物である金属体の形状等によって必要に応じ
て適宜に変更されるものであり、この中空部分の全ての
形状については本発明に含まれるものである。
【0021】但し、中空部分は、金属体がその中空部分
を通過するのに必要な最小限の面積且つ形状にすること
が、測定精度の向上を図る上で好ましい。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面と共に説明す
る。まず、図1に基づいて、実施例の金属体弁別センサ
の構造を説明する。20は硬貨等の金属体21を貫通さ
せる中空孔22を有し、プラスチック等で成型された筒
体である。
【0023】筒体20の外側壁には、一対のフランジ部
23,24が所定間隔W1で対向するように一体形成さ
れ、これらフランジ部23,24に挟まれた筒体20の
外側壁に、絶縁被覆された比較的細い銅線を所定の巻数
Tだけ巻装することによって第1のコイル25が形成さ
れ、その銅線の両端26,27が外部に延びている。更
に、第1のコイル25と等しい構造を有する第2のコイ
ル30が所定の間隔を隔てて筒体20に設けられてい
る。即ち、フランジ部24から所定の間隔W2を隔てて
フランジ部28が設けられ、更に、所定間隔W1隔てて
フランジ部29が形成され、これら一対のフランジ部2
8,29に挟まれた筒体20の外側壁に、絶縁被覆され
た比較的細い銅線を所定の巻数Tだけ巻装することによ
って第2のコイル30が形成され、そして銅線の両端3
1,32が外部に延びている。
【0024】33,34は夫々別体であるが同一形状を
したはフェライト等で形成されたコ字状のコアであり、
コア33の凹部がフランジ部23,24の外側壁に嵌合
することによって組み付けられ、コア34の凹部がフラ
ンジ部28,29の外側壁に嵌合することによって組み
付けられている。又、同図には、分解した状態で示して
あるが、コア33と同一材質且つ形状のコア35が、コ
ア33と同様にフランジ部23,24の外側壁に嵌合
し、コア34と同一材質且つ形状のコア36が、コア3
4と同様にフランジ部28,29の外側壁に嵌合してい
る。
【0025】ここで、間隔W2は、検銭装置のように直
径の異なる各種の金属体を弁別するための装置に使用す
る場合には、最も直径の小さな金属体のその直径とほぼ
等しい間隔に設定する。例えば日本国内向けの検銭装置
では、日本国内で使用される1円玉、5円玉、10円
玉、50円玉、100円玉そして500円玉の内、最も
直径の小さな1円玉の直径とほぼ等しい間隔に設定す
る。
【0026】又、中空孔22の形状は、被測定物である
金属体1の径方向の断面AR(図中、斜線で示す)より
若干大きい相似形に設計されている。したがって、図2
に示すように、金属体1は若干の隙間を開けて中空孔2
2を通過することができるようになっている。但し、こ
の中空孔22は、金属体21をコイル25及びコイル3
0の内側に通過させるために設けられたものであり、金
属体21が中空孔22内を通過する際に、コイル25及
びモイル300に対する金属体21の通過位置を高い機
械精度で規定するために設けられたものではなく、単に
金属体21を案内するために設けられている。
【0027】そして、この金属体弁別センサは、コイル
25の両端26,27間と、コイル30の両端31,3
2間とに予め所定周波数の交流信号を供給し、図3の原
理図に示すように、コイル25に予め所定の磁束密度の
磁力線25a、コイル30に予め所定の磁束密度の磁力
線30aを発生させ、金属体21を中空孔22内に通過
させることで磁力線25aと30aの作用を受けるよう
に使用する。
【0028】このように使用するための一例を図4と共
に説明する。尚、コイル25に対して付加される回路
と、コイル30に対して付加される回路は同じであり、
回路定数も等しく設定されるので、コイル25に対応す
る回路を代表して示す。図4は一般的な4端子発振器に
コイル25を組み合わせたものであり、コイル25の両
端26,27を利得Gの増幅器37の入力接点に供給
し、増幅器37の出力に発生する出力信号e2を帰還係
数βの回路38を介して再び増幅器37の入力接点へ帰
還させる。
【0029】即ち、この回路は正帰還の増幅器であり、
所定の発振条件を設定すると所定周波数で発振動作を継
続し、コイル25にはその周波数の交流信号e1が供給
されることとなる。したがって、図3に示したように、
コイル25には一定の磁束密度の磁力線25aを発生さ
せ、更に中空孔22内には、該周波数に対応した一定の
磁束密度の磁力線が発生する。尚、図4の符号Rは中空
孔22に金属体21が挿入した時に、その挿入量に応じ
て金属体21に発生するうず電流の影響によりコイル2
5に発生するインピーダスの変化分を等価回路的に示し
たものである。
【0030】又、金属体21の挿入量に応じてコイル2
5のインダクタンス(L)も理論的に次式の関係に従っ
て変化する
【0031】
【数1】
【0032】又、増幅器37の出力信号e2の振幅変化
を検出するための包絡線検波回路39が設けられてい
る。又、上述したように、この実施例ではコイル30に
ついても同一の回路が付加されるので、図3に示すコイ
ル30の磁力線30aも磁力線25aと等しい磁束密度
となる。次に、図4に示す回路を適用した場合の動作を
図5に基づいて説明する。尚、図5は、図5(a)に示
すように弁別センサのコイル25,30の中空部内を硬
貨等の金属体21が矢印Aに沿って貫通する場合に、増
幅器37の出力信号e2と検波回路39の出力信号e3
が変化することを示す。尚、信号e21とe31はコイ
ル30に付随した回路に発生する信号であり、信号e2
1は信号e2に相応し、信号e31は信号e3に相当す
るものとする。
【0033】ある時点t1以前のように、金属体21が
コイル30,25のいずれからも離れているときは、金
属体1はいずれの磁力線の影響も受けないので、発振器
に予め設定された周波数及び振幅と等しい波形の出力信
号e21,e2〔同図(b)(c)参照〕が発生し、検
波出力e31,e3〔同図(d)参照〕も所定の振幅の
ままとなる。
【0034】そして、ある時点t2に示すように、金属
体21の先端部分がコイル30の中空部分に進入する
と、磁力線の影響によってその先端部分にうず電流が発
生し、同時にコイル30のインダクタンス及びインピー
ダスが変化して、出力信号e21の周波数及び振幅が変
化し始める。特に、周波数の変化は金属体21の透磁率
に影響され、振幅は金属体21の先端部分とコイル30
の重なり部分の断面積に影響される特性がある。
【0035】但し、この時点t2では、コイル25には
金属体21が影響しないので、信号e2,e3は変化し
ない。更に、金属体21がコイル30の中空部内に挿入
していくと、うず電流の発生も次第に大きくなり、その
変化に応じて出力信号e21の周波数及び振幅の変化と
検波出力e31の包絡線振幅の変化も大きくなってい
く。
【0036】次に、時点t3に示すように、金属体21
の中心部分がコイル30の中心部分に一致すると、金属
体21中に発生するうず電流が最大となり、出力信号e
21と検波出力e31の振幅は最小に成る〔同図(b)
(d)参照〕。そして、時点t3以後は、金属体21が
次第にコイル30から外れることにより信号e21及び
信号e31の振幅と周波数が次第に元に信号に復帰して
いく。
【0037】次に、金属体21が移動して、金属体21
の先端部分がコイル25に重なり合うと、コイル25に
係わる回路の出力信号e2とe3が変化し始める。そし
て、時点t5に示すように、金属体21の先端部分とコ
イル25の重なり部分と、その後端部分とコイル30の
重なり部分の面積が等しくなると、検波出力e31,e
3の包絡線振幅が等しく成り(ΔHで示す)、同図
(d)に示すように、時間軸を一致させて夫々の信号e
31,e3を重ね合わせた状態で観察すると、この振幅
ΔHが金属体21の直径に比例する。
【0038】更に、時点t6のように、金属体21がコ
イル30から完全に離れた時点から以後は、信号e2が
予め設定された周波数及び振幅の信号に復帰して変化し
なくなる。一方、金属体21がコイル25内に次第に進
行していき、時点t7に示すように、金属体21とコイ
ル25の重なる部分が最大となると、信号e2の振幅が
最小値となり、同時に信号e3の振幅も最小値H1とな
る。
【0039】そして、時点t7以後は、金属体21がコ
イル25から次第に外れていくので、信号e2とe3の
振幅が伸長していき、信号e2の周波数も元の信号の周
波数に復帰していき、時点t8で金属体21がコイル2
5から完全に外れた後は、信号e2とe3は予め設定さ
れた周波数及び振幅の信号に復帰することとなる。この
ように、これらの出力信号e2,e21や検波信号e
3,e31の振幅の変化や周波数の変化は、金属体21
の特徴を示しており、これらの信号を解析することによ
って、検銭装置その他の金属体弁別装置にに適用するこ
とができる。
【0040】特に、これらの信号e2,e1,e3,e
31の振幅は、金属体21の断面積ARが大きいほど小
さくなり、又、金属体21の透磁率が大きい程周波数が
上昇する特性を示す。したがって、図5(d)に示すよ
うに、検出信号e3又はe31の最小振幅H1と最大振
幅H2の差は、金属体21の断面積に対して高い精度で
比例しており、金属体21の選別を形状の面から実現す
ることができる。
【0041】更に、図5(a)(d)の時点t5に示す
ように、金属体21の両端がコイル30と25の間に等
しく重り合った時に、信号e3とe31が交差するの
で、これらの信号e3,e31の交差時点の振幅ΔHか
ら金属体21の直径を正確に検出することができる。
又、図5(b)又は図5(c)に示す出力信号e21又
はe2の振幅が最小値となった時(時点t3又はt7)
の周波数は、金属体21の透磁率に対して高い相関関係
があるので、この周波数を調べることにより、材質面か
ら金属体21を選別することができる。又、これらの検
出データを複合的に処理することにより、更に精度の高
い弁別処理を実現することができる。
【0042】このように、この実施例による金属体弁別
センサは、極めて簡素な構成であるが、交流信号によっ
て発生する磁力線の磁束密度が最も安定化している中空
部分内に測定すべき金属体を通過させ、金属体に発生す
るうず電流の変化に起因するコイルのインダクンス及び
インピーダスの変化から金属体の形状及び材質を識別す
るようにしたので、従来の検出センサによって金属体を
識別するよりも飛躍的に測定精度が向上する。
【0043】又、この磁束密度が均一なコイルの中空部
分に金属体を通過させる場合に、中空部分におけるコイ
ルと金属体の位置関係の機械的精度は、測定精度に影響
を与えない。単に、コイルの中空部分内に金属体を通過
させるだけでよく、従来のようなガイドレールを基準面
として設ける等の必要が無い。したがって、検銭装置そ
の他の金属体弁別装置を構成する場合に、装置全体を簡
素化して軽量化や小型化を実現することができ、更に、
調整箇所が殆ど無いので、修理や調整等を大幅に低減す
ることができる。
【0044】更に、一対のコイルの配置間隔を、弁別す
べき複数種類の金属媒体の内の最小直径のものと等しく
設定し、これらのコイルに接続する夫々の検出回路から
の検波信号の交差するときの振幅を検出するようにした
ことにより、金属体の直径を高い精度で検出することが
できる。このことは、種類の多い硬貨を選別するための
検銭装置に適用することにより、極めて精度の良い検銭
装置を実現する事ができる。
【0045】尚、この実施例では、図1に示すように、
コア33,34,35,36を設けたが、これらのコア
は、外部磁界の影響や、コイル25,30相互間の磁力
線の影響を受けないようにするために設けられたもので
あり、外部からの磁界及びコイル25,30相互間の磁
力線の影響を受けない装置に使用する場合には、これら
のコアを省略してもよい。
【0046】又、この実施例では、一対のコイル25,
30で構成した場合を示したが、2個に限定するもので
はなく、複数個のコイルを金属体の大きさとの関係で所
定間隔に設け、夫々のコイルを金属体が通過するときの
検出信号の変化を複合的に処理することにより、更に複
雑で精度の高い弁別センサを実現することができる。よ
って、本発明の技術は2以上のコイルを備える場合を全
て包含する。
【0047】
【発明の効果】このように本発明の金属体弁別センサに
あっては、環状に巻装した少なくとも2以上のコイル
を、相互に隣合うコイル同士の間隔が金属体の直径より
小さくなるように配置して、夫々のコイルに交流電流を
印加することによって磁力線を発生させ、これらコイル
の中空内に被測定物である金属体を相対的に移動させる
ことにより、これらの磁力線によって金属体に発生する
うず電流の作用でコイルのインピーダンス及びインダク
タンスを変化させ、これらのインピーダンス及びインダ
クタンスの変化に対応する交流信号の最小エンベロープ
の振幅と最大エンベロープの振幅の差により前記金属体
の断面積を検出すると共に、交流信号の最小振幅時の周
波数により前記金属体の透磁率を検出し、更に、隣合う
2つのコイルにおける各交流信号のエンベロープの振幅
が等しい時の振幅により金属体の直径を検出することに
より前記金属体を弁別するようにしたので、構造が極め
て簡素且つ安価、更に機械的調整部分が殆どなく、環境
の相違等にも影響されないのでメンテナンスフリーで
り、また、極めて広範囲の金属体を弁別することができ
る。
【0048】又、相互に隣合うコイル同士の間隔を被測
定物である金属体の直径等の大きさに対して所定の間隔
に設定して測定を行い、夫々のコイル内を金属体が通過
するときの夫々のコイルのインダクタンス及びインピー
ダンスの変化による検出信号の変化が得られ、これらの
検出信号の変化から金属体の直径等の大きさを識別する
ことができる。
【0049】更に、本発明によれば、コイル中心部の極
めて均一且つ安定した磁束密度の領域を利用して高度な
測定精度を維持することが可能であるため、その取付け
方向や金属体の流動速度に関して自由度が高く、縦・横
・斜面等の様々な角度で適宜に取付け可能な金属体弁別
装置等を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属体弁別センサの一実施例の構造を
示す斜視図である。
【図2】一実施例の金属体弁別センサのコイルと金属体
の位置関係を示す説明図である。
【図3】一実施例の金属体弁別センサのコイルと金属体
の位置関係を更に示す説明図である。
【図4】一実施例の金属体弁別センサを使用した金属体
弁別装置の一例を示すブロック図である。
【図5】図4の金属体弁別装置の動作を説明するための
説明図である。
【図6】図4の金属体弁別装置で検出した検出信号の特
性を示す説明図である。
【図7】図4の金属体弁別装置で検出した検出信号の特
性を更に示す説明図である。
【図8】従来の検銭装置の構造を概略的に示す図であ
る。
【図9】従来の検出センサの構造を示す斜視図である。
【図10】従来の検出センサを使用した検出回路を示す
回路図である。
【図11】図8の検銭装置の構造を上側から示した構成
説明図である。
【図12】従来の検銭装置の動作を説明するための説明
図である。
【符号の説明】
20;筒体 21;金属体 22;中空孔 23,24,28,29;フランジ部 25,30;コイル 25a,30a;磁力線 26,27,31,32;コイルの巻線の端部 33,34,35,36;コア 37;増幅器 38;帰還回路 39;検波回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】測定すべき金属体を磁気的に弁別する金属
    体弁別センサにおいて、 前記金属体弁別センサは、環状に巻装した少なくとも2
    以上のコイルを、相互に隣合う2つのコイル同士の間隔
    が前記金属体の直径より小さくなるように配置して、夫
    々のコイルに交流電流を印加することによって磁力線を
    発生させ、該コイルの中空内に前記金属体を相対的に移
    動させることにより、該磁力線によって該金属体に発生
    するうず電流の作用で該コイルのインピーダンス及びイ
    ンダクタンスを変化させ、これらのインピーダンス及び
    インダクタンスの変化に対応する夫々のコイルにおける
    交流信号の最小エンベロープの振幅と最大エンベロープ
    の振幅の差により前記金属体の断面積を検出すると共
    に、交流信号の最小振幅時の周波数により前記金属体の
    透磁率を検出し、更に、隣合う2つのコイルにおける各
    交流信号のエンベロープの振幅が等しい時の振幅により
    前記金属体の直径を検出することにより前記金属体を弁
    別することを特徴とする金属体弁別センサ。
  2. 【請求項2】金属の硬貨を磁気的に弁別する金属体弁別
    センサにおいて、 環状に巻装した少なくとも2以上のコイルを、相互に隣
    合う2つのコイル同士の間隔が前記硬貨の直径より小さ
    くなるように配置して、夫々のコイルに交流電流を印加
    することによって磁力線を発生させ、該コイルの中空内
    に前記金属体を相対的に移動させることにより、該磁力
    線によって該硬貨に発生するうず電流の作用で該コイル
    のインピーダンス及びインダクタンスを変化させ、これ
    らのインピーダンス及びインダクタンスの変化に対応す
    る夫々のコイルにおける交流信号の最小エンベロープの
    振幅と最大エンベロープの振幅の差により前記硬貨の断
    面積を検出すると共に、交流信号の最小振幅時の周波数
    により前記硬貨の透磁率を検出し、更に、隣合う2つの
    コイルにおける各交流信号のエンベロープの振幅が等し
    い時の振幅により前記硬貨の直径を検出することにより
    前記硬貨を弁別することを特徴とする硬貨弁別用の金属
    体弁別センサ。
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