JPH08306070A - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

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JPH08306070A
JPH08306070A JP7105676A JP10567695A JPH08306070A JP H08306070 A JPH08306070 A JP H08306070A JP 7105676 A JP7105676 A JP 7105676A JP 10567695 A JP10567695 A JP 10567695A JP H08306070 A JPH08306070 A JP H08306070A
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light
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information recording
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JP7105676A
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English (en)
Inventor
Shoichi Kawai
川井  正一
Toshiki Ito
伊藤  俊樹
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 760nm以上の単一波長の光による光学情
報の記録、消去および再生と、CDプレーヤーによる再
生とを実現する。 【構成】 基板1上には波長が780nmおよび830
nmの光に対して透明で屈折率の異なる複数の光干渉膜
2a〜2dが積層されており、光干渉膜2dの上には下
層保護膜3、記録膜4、上層保護膜5および反射膜6が
順次積層形成されている。そして上記830nmの光の
ときに上記記録膜4の結晶部分および非晶質部分に対応
する両部分の反射率が共に低くかつその両部分に反射率
差を有するため光情報の記録および消去の他、再生を行
うこともできる。しかも、780nmの波長のときに上
記両部分のうち、いずれか一方の部分で反射率が高くか
つ他方の部分で反射率が低いためCDプレーヤーによる
再生も行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光を用いて情報の再
生、消去および記録をすることができる書換え可能な光
情報記録媒体であって、好適には記録媒体の結晶相を結
晶質−非晶質間で相変化させ、それに伴って生じる反射
率の変化を利用する相変化型の光情報記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、上記光情報記録媒体にあって、単
一波長で光情報の記録、消去および再生を行うことがで
きるとともに、CD(コンパクトディスク)プレーヤー
でも再生を行うことができるものが提案されている(特
開平6−231487号公報)。
【0003】上記のものは、CDプレーヤーの再生波長
である780nmの光を照射した場合の反射率は、CD
規格である65%以上を満足し、振幅変調度も0.6以
上の同規格を満足しており、CDプレーヤーによる再生
が可能となっている。また、780nmより短い波長の
光を照射した場合の記録膜の未記録部分(結晶部分)に
おける光吸収率が780nmの波長の光の場合よりも大
きくなっているため、光情報の消去および記録が可能と
なっており、また、その波長の光を照射した場合の未記
録部分(結晶部分)と記録部分(非晶質部分)とに反射
率差があるためその波長の光による光情報の再生が可能
となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、周知のよう
に半導体レーザから出射される光の波長は、半導体レー
ザを形成する材料で定まり、出射される光のパワーはそ
の材料の特性によって制限を受ける。そのため、光の波
長が短波長になるほど出射される光のパワーは低くな
り、波長が780nm以下の短波長では、数mW〜10
mWの低い光パワーしか得ることができない。
【0005】したがって、上記短波長の光で光情報の記
録、消去および再生を行う上記従来のものは、光パワー
が小さいために記録膜の相変化が不完全で、光情報の消
去を行う場合に消去されない光情報が残ったり、光情報
の記録を行う場合に記録されない光情報が発生したりす
るなどのエラーが発生するという問題がある。そこで、
本発明は、高出力の光パワーで出射することができる長
波長(780nm以上)の単一波長の光によって、光情
報の消去、記録および再生を可能とすることにより、光
情報の記録および消去におけるエラーの減少を目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するため、請求項1に記載の発明では、単一波長を照
射して光情報の消去、記録および再生を行う装置に用い
る書換え可能な光情報記録媒体であって、基板(1)上
に、光干渉膜(2)、下層保護膜(3)、光の照射によ
り相変化を生じて光学定数が変化する記録膜(4)、上
層保護膜(5)および反射膜(6)が順次積層形成され
ており、前記光干渉膜(2)は、波長が760nm以上
の複数の光に対して透明で屈折率の異なる複数の膜(2
a〜2d)から成り、前記複数の光のうち、前記光情報
の消去、記録および再生を行う単一波長(830nm)
の記録消去再生光のときに前記記録膜(4)の結晶部分
および非晶質部分に対応する両部分の反射率が共に低く
(結晶部分が40.7%、非晶質部分が30.5%)、
かつ、前記両部分に反射率差(10.2%)を有してお
り、前記複数の光のうち、光情報の再生を専用に行う再
生専用光の波長(780nm)のときに前記両部分のう
ち、いずれか一方の部分で反射率が高く(73.5
%)、かつ、他方の部分で反射率が低く(29.3%)
なるように前記各膜(2〜6)の膜厚が設定されている
という技術的手段を採用する。
【0007】請求項2に記載の発明では、前記請求項1
に記載の光情報記録媒体において、前記記録消去再生光
を照射した場合の前記両部分の結晶部分の反射率と非晶
質部分の反射率との大小関係(結晶部分の反射率>非晶
質部分の反射率)と、前記再生専用光を照射した場合の
前記両部分の結晶部分の反射率と非晶質部分の反射率と
の大小関係(結晶部分の反射率>非晶質部分の反射率)
とが同じであるという技術的手段を採用する。
【0008】請求項3に記載の発明では、前記請求項1
または2に記載の光情報記録媒体において、前記記録消
去再生光が照射された場合の前記記録膜(4)の両部分
の反射率が、50%以下であるという技術的手段を採用
する。請求項4に記載の発明では、前記請求項1ないし
3のいずれか1つに記載の光情報記録媒体において、前
記再生専用光が照射された場合の前記記録膜(4)の両
部分のうち、結晶部分の反射率が65%以上であり、か
つ、振幅変調度が0.6以上であるという技術的手段を
採用する。
【0009】請求項5に記載の発明では、前記請求項1
ないし4のいずれか1つに記載の光情報記録媒体におい
て、前記再生専用光の波長が、760〜800nmであ
るという技術的手段を採用する。請求項6に記載の発明
では、前記請求項1ないし5のいずれか1つに記載の光
情報記録媒体において、コンパクトディスクと同等の記
録フォーマットで光情報を記録することができるという
技術的手段を採用する。
【0010】請求項7に記載の発明では、前記請求項1
ないし6のいずれか1つに記載の光情報記録媒体におい
て、前記記録膜(4)は、結晶−非晶質相変化により反
射率が変化する材料で形成されているという技術的手段
を採用する。請求項8に記載の発明では、前記請求項1
ないし6のいずれか1つに記載の光情報記録媒体におい
て、前記記録膜(4)は、Ge−Sb−Te、Ge−T
e、Ge−Te−Sn、Te−Ge−Sn−Au、Ge
−Sb−Te−Pd、Sb−Se、Sb−Te、Sb−
Se−Te、In−Te、In−Se、In−Se−T
l、In−Sb、In−Sb−Se、In−Se−T
e、In−Sb−TeおよびIn−Sb−Te−Agの
うちの少なくとも1つを主成分として含む材料で形成さ
れているという技術的手段を採用する。
【0011】請求項9に記載の発明では、前記請求項1
ないし6のいずれか1つに記載の光情報記録媒体におい
て、前記記録膜(4)は、結晶−結晶相変化によって反
射率が変化する材料で形成されているという技術的手段
を採用する。請求項10に記載の発明では、前記請求項
1ないし9のいずれか1つに記載の光情報記録媒体にお
いて、前記光干渉膜(2)、下層保護膜(3)および上
層保護膜(5)は、前記記録消去光および再生専用光に
対して透明であるとともに、前記記録膜(4)よりも融
点が高く、かつ、前記記録膜(4)と反応しないもので
あるという技術的手段を採用する。
【0012】請求項11に記載の発明では、前記請求項
1ないし10のいずれか1つに記載の光情報記録媒体に
おいて、前記反射膜(6)は、単元素金属材料または合
金材料で形成されているという技術的手段を採用する。
請求項12に記載の発明では、前記請求項1ないし10
のいずれか1つに記載の光情報記録媒体において、前記
反射膜(6)は、前記記録消去光および再生専用光を反
射する無機透明多層反射膜(61、62)から成るとい
う技術的手段を採用する。
【0013】請求項13に記載の発明では、前記請求項
1ないし11のいずれか1つに記載の光情報記録媒体に
おいて、前記反射膜(6)には、オーバーコート(8)
が施されているという技術的手段を採用する。請求項1
4に記載の発明では、請求項1ないし13のいずれか1
つに記載の光情報記録媒体(10〜12)に波長が76
0nm以上の単一波長の光を照射して、前記光情報記録
媒体(10〜12)に対して光情報の記録、消去および
再生を行うという技術的手段を採用する。
【0014】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施例に記載の具体的手段との対応関係を示すもの
である。
【0015】
【発明の作用効果】請求項1ないし14に記載の発明に
よれば、光干渉膜が、波長が760nm以上の複数の光
に対して透明で屈折率の異なる複数の膜から成り、その
複数の光のうち、記録または消去を行う記録消去光のと
きに記録膜の結晶部分および非晶質部分に対応する両部
分の反射率が共に低くなるように各膜厚が設定されてい
るため、大きい光パワーで光情報の記録および消去を行
うことができる。
【0016】したがって、消去されない光情報が残った
り、記録されない光情報が発生したりするなどのエラー
の発生を減少することができる。しかも、上記両部分に
反射率差を有するため、非晶質部分に記録消去光と同じ
波長の光を照射して光学情報の再生を行うこともでき
る。さらに、上記複数の光のうち、光学情報の再生を専
用に行う再生専用光の波長のときに上記両部分のうち、
いずれか一方の部分で反射率が高く、かつ、他方の部分
で反射率が低いため、上記再生専用光によって再生を行
うこともできる。
【0017】特に、請求項2に記載の発明によれば、上
記記録消去光を照射した場合の上記両部分の結晶部分の
反射率と非晶質部分の反射率との大小関係と、上記再生
専用光を照射した場合の上記両部分の結晶部分の反射率
と非晶質部分の反射率との大小関係とが同じであるた
め、記録消去装置、または、再生装置に信号反転回路を
設ける必要がない。
【0018】また、請求項3に記載の発明によれば、上
記記録消去光が照射された場合の上記両部分の反射率が
50%以下であり、上記記録消去光の吸収率が高いた
め、小さい光エネルギーで光学情報の記録および消去を
行うことができる。さらに、請求項4または5に記載の
発明によれば、CD(コンパクトディスク)を再生する
ために必要な条件を満足することができるため、CDプ
レーヤーによって再生をすることができる。
【0019】そしてさらに、請求項10に記載の発明に
よれば、光干渉膜、下層保護膜および上層保護膜が、上
記記録消去光および再生専用光に対して透明であるた
め、C/N(キャリヤ信号レベル/ノイズレベル)比を
高めることができる。しかも、それらの膜が記録膜より
も融点が高いため、記録消去光を記録膜に照射して照射
部分が溶融した場合であっても、その溶融熱が伝導して
溶融することがない。また、それらの膜が記録膜と反応
しないため、記録膜の相変化が妨げられることがない。
【0020】また、請求項12に記載の発明によれば、
上記反射膜が、上記記録消去光および再生専用光を反射
する無機透明多層反射膜から成るため、つまり不要な光
を反射しないため、C/N比を高めることができる。さ
らに、請求項13に記載の発明によれば、上記反射膜に
オーバーコートが施されているため、反射膜の保護を強
化することができる。
【0021】そしてさらに、請求項14に記載の発明に
よれば、上記請求項1ないし13のいずれか1つに記載
の光情報記録媒体に波長が760nm以上の単一波長の
光を照射して、上記光情報記録媒体に対して光情報の記
録、消去および再生を行うことができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を図1に基づいて
説明する。図1は、本実施例の光情報記録媒体の部分断
面構造を示す模式図である。光情報記録媒体10は、ポ
リカーボネイト(屈折率1.58)の材料にて透明な円
盤状に形成された基板1上に、後述する膜が順次積層形
成されて構成されており、光情報の記録、消去、再生の
ためのレーザ光は、基板1から入射する。基板1の基板
平面7には、レーザ光を導くためにスパイラルまたは同
心円状の案内溝(トラック)71(あるいはピット列)
が形成されている。
【0023】基板1の上には4層の光干渉膜2が形成さ
れている。この光干渉膜2は、光情報の記録および消去
を行う記録消去光(たとえば波長830nm)と、光情
報の再生を行う再生光(たとえば波長780nm)との
2つの光の波長に対して透明であり、以下に述べるよう
に屈折率の異なる2種類以上の光干渉膜を交互に積層す
ることにより形成されている(2aないし2d)。
【0024】基板1の上にはTiO2 (屈折率2.3)
の材料から成る光干渉膜2aが膜厚80nmで成膜され
ており、その光干渉膜2aの上にはSiO2 (屈折率
1.46)の材料から成る光干渉膜2bが膜厚160n
mで成膜されている。上記光干渉膜2bの上には、Ti
2 (屈折率2.3)の材料から成る光干渉膜2cが膜
厚220nmで成膜されており、その光干渉膜2cの上
には、SiO2 (屈折率1.46)の材料から成る光干
渉膜2dが膜厚140nmで成膜されている。
【0025】上記光干渉膜2dの上にはZnS−SiO
2 (屈折率2.0)の材料から成る下層保護膜3が膜厚
160nmで成膜されており、その下層保護膜3の上に
はGe−Sb−Teの材料から成る記録膜4が膜厚30
nmで成膜されている。その記録膜4の上にはZnS−
SiO2 (屈折率2.0)の材料から成る上層保護膜5
が膜厚40nmで成膜されており、その上層保護膜5の
上にはAuの材料から成る反射膜6が膜厚100nmで
成膜されている。
【0026】次に、上記構成の光情報記録媒体10の作
用を図2に基づいて説明する。図2は、上記光情報記録
媒体10における未記録部分(結晶質部分)と記録部分
(非晶質部分)との光の波長に対する反射率の依存性を
示す特性図である。図2に示すように、光の波長がCD
の再生に用いる再生波長の780nmである場合の上記
光情報記録媒体10の未記録部分の反射率は、70.0
%であり、CD規格の65%以上を満足する。また、記
録部分の反射率は、23.5%であるため、振幅変調度
(=(未記録部分の反射率−記録部分の反射率)/未記
録部分の反射率)は約0.66であり、CD規格の0.
6以上を満足する。さらに、基板平面7に形成された案
内溝による反射率の低下による余裕度(案内溝以外のラ
ンド部の反射率に対する案内溝の反射率の低下分)が
5.0%であり、CD規格の3.4%以上を満足する。
【0027】したがって、本実施例の光情報記録媒体
は、CDプレーヤーで再生することができる。また、音
楽情報などをCDエンコーダを用いて公知のCDフォー
マットとなるように記録することもできる。一方、光情
報の記録または消去に用いる記録消去波長の830nm
である場合の上記光情報記録媒体10の未記録部分(結
晶)の反射率は、42.0%であり、記録部分(非晶
質)の反射率は、17.8%となった。
【0028】また、上記反射率より、記録消去波長の8
30nmにおける光吸収率は、未記録部分では(100
−42.0)%=58.0%となり、記録部分では(1
00−17.8)%=82.2%となる。つまり、長波
長の830nmの光に対する未記録部分および記録部分
の両部分の光吸収率が共に大きいので、波長が830n
mの光を大きい出力(たとえば、50mW程度)の半導
体レーザによって照射すれば、光パワーが小さいことに
起因する消去されない部分や記録されない部分の発生を
防止することができる。
【0029】しかも、上記両部分の光吸収率に大きな差
がないため(82.2%−58.0%=24.2%)、
記録部分を一旦消去状態としないで記録部分の上から再
記録する、いわゆるオーバーライトを行うこともでき
る。さらに、未記録部と記録部との反射率に十分な差
(24.2%)を有するため、未記録部に照射して反射
した光と記録部に照射して反射した光との識別が可能と
なる。したがって、記録消去光を再生光として記録部に
照射することによって再生を行うため、再生用の光学ヘ
ッドを余分に設ける必要がなく、それに伴うリニアモー
タ、制御回路なども必要でない。
【0030】また、波長が780nmの光を照射した場
合の未記録部と記録部における反射率の関係は、未記録
部の反射率>記録部の反射率であり、波長が830nm
の光を反射した場合の上記関係も同じく未記録部の反射
率>記録部の反射率であり、未記録部と記録部における
反射率の大小関係が反転していないため、記録消去ドラ
イブ装置、または、CDプレーヤーに信号反転回路を設
ける必要がない。
【0031】なお、上記光干渉膜2aないし2d、下層
保護膜3および上層保護膜5に用いる材料の条件は、光
学情報の記録および再生時のC/N比を高めるために、
(1)上述の波長(780nm、830nm)の各光に
対して透明であること、という条件を満足することが望
ましい。また、光情報記録媒体の耐久性を向上させるた
めに、(2)記録膜4よりも融点が高いこと、(3)記
録膜4と反応(化合)しないこと、という両条件を満足
することが望ましい。
【0032】ここで、上記透明とは、膜が構成されてい
る媒質(バルク)を通して物体を見るとき、その形と色
が変化せずに見ることができる上記膜の性質をいう。ま
た、上記融点とは、記録膜4がGe−Sb−Teで形成
されているときの融点が600°Cである場合は、本例
では900°C以上である。さらに、上記反応(化合)
とは、記録膜4と化学反応して記録膜4が相変化できな
くなることをいう。
【0033】たとえば、下層保護膜3に酸素が含まれて
おり、記録膜が記録消去光を受けて溶融したときに、そ
の溶融部分と下層保護膜3とが化学反応して記録膜4に
酸化化合物が形成され、記録膜4が相変化できなくなる
ことをいう。また、上記(1)〜(3)の条件を満たす
材料としては、上記TiO2 、SiO2 、ZnS−Si
2 の他に、Al2 3 、SiOX 、Ta2 5 、Mo
3、WO3 、ZrO2 、ZnS、AlNX 、BN、S
iNX 、TiN、ZrN、PbF2 、MgF2 などの誘
電体材料、あるいはこれらを適宜組み合わたものが用い
られる。なお、上層保護膜5と下層保護膜3は、異なる
材料で形成してもよい。
【0034】記録膜4の材料には、上記Ge−Sb−T
e系を主成分とするものの他に、Ge−Te、Ge−T
e−Sn、Te−Ge−Sn−Au、Ge−Sb−Te
−Pd、Sb−Se、Sb−Te、Sb−Se−Te、
In−Te、In−Se、In−Se−Tl、In−S
b、In−Sb−Se、In−Se−Te、In−Sb
−Te、In−Sb−Te−Agなどのうちの少なくと
も1つを主成分とする材料を用いてもよい。
【0035】また、Ag−Zn、Cu−Al−Niなど
の合金のように、結晶−結晶相変化により反射率が変化
する(非晶質状態にはならない)材料を用いてもよい。
反射膜6の材料には、上記Auの他に、Al、Ag、C
u、Ni、Fe、Cr、Ti、Ta、Mo、W、Ptな
どの単元素金属、あるいはこれらを適当に組み合わせた
合金でも使用可能である。
【0036】なお、上述の各膜は、スパッタリング法、
電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、CVD
法、レーザスパッタリング法などの手法により形成され
る。また、基板1は、PMMA、ガラスなどで形成して
もよい。次に、本発明の第2実施例を図3に基づいて説
明する。本実施例の光情報記録媒体は、上層保護膜5の
上に特定の波長領域(780nm〜830nm)の光を
反射する無機透明多層反射膜を積層形成することによ
り、C/N比を高めることができることを特徴とする。
【0037】図3に示すように、上層保護膜5上に膜厚
130nmでSiO2 からなる無機透明膜61と膜厚8
0nmでTiO2 からなる無機透明膜62とが交互に積
層された4層の無機透明多層反射膜が形成されている。
上層保護膜5上に無機透明多層反射膜を形成した以外
は、上記第1実施例の光情報記録媒体10(図1参照)
と同様の構成であるため、共通の構成の説明は省略す
る。
【0038】そして、上記構成の光情報記録媒体11
は、上記構成により、CD再生波長の780nmの光お
よび記録消去波長の830nmの光を実質的に損失なく
して反射することができる。したがって、不要な光が記
録膜4に入射することを防止することができるためC/
N比を高めることができる。
【0039】次に、本発明の第3実施例を図4に基づい
て説明する。本実施例の光情報記録媒体は、上記第1実
施例の光情報記録媒体10(図1参照)の反射膜6の上
にオーバーコートを施して光情報記録媒体の耐久性を高
めることができることを特徴とする。図4に示すよう
に、反射膜6の上には膜厚1〜100μmの樹脂製保護
膜8がコーティングされている。樹脂製保護膜8の材料
としては、本例ではアクリル系紫外線硬化樹脂が用いら
れる。
【0040】上述のように、反射膜6の上に樹脂製保護
膜8をコーティングすることによって反射膜6を外傷か
ら保護することができるため、光情報記録媒体の耐久性
を高めることができる。なお、反射膜6の上に樹脂製保
護膜8をコーティングした上に、さらに、保護板(光情
報記録媒体と同形状のディスク)を積層すれば、より一
層、耐久性を高めることができる。また、上記光情報記
録媒体12と同様のもの(たとえば、ROM型CD、D
VD(デジタルビデオディスク)など)を接着剤などで
樹脂製保護膜8上に背中合わせに貼り合わせて、両面を
使用することができるようにしてもよい。
【0041】次に、本発明の光情報の記録消去再生方法
を図6に示す光情報記録消去再生装置に基づいて説明す
る。レーザダイオードを内蔵した光学ヘッド15は、レ
ーザ駆動回路17により作動され、単一波長(830n
m)のレーザ光を光情報記録媒体10へ照射する。光学
ヘッド15は、リニアモータ14の駆動によって光情報
記録媒体10の半径方向へ移動されるようになってお
り、リニアモータ14は制御回路16により駆動され
る。制御回路16は、光学ヘッド15のフォーカス制
御、リニアモータ14による上記光学ヘッド15のトラ
ッキング制御およびモータ13の回転数制御を行う。
【0042】そして、制御回路16によってモータ13
が駆動され、光情報記録媒体10が回転し、光学ヘッド
15から上記単一波長(830nm)のレーザ光が照射
される。このとき、光情報記録媒体10は、上記第1実
施例で述べた特性(図2参照)を有するため、上記単一
波長(830nm)のレーザ光によって光情報の記録、
消去および再生を行うことができる。
【0043】また、上記光情報記録媒体10は、波長7
80nmのレーザ光によっても再生することができるた
め、光情報記録媒体10をそのまま市販のCDプレーヤ
ーによって再生することができる。次に、上記光情報記
録媒体10ないし12を光情報が高密度に記録されたも
のにするためには、基板1の案内溝71のピッチを従来
のものより狭くすればよい。
【0044】そこで問題となるのは、狭くなった案内溝
71に対応するために光の波長を短くした場合でも、上
記光情報記録媒体10ないし12のように、単一波長で
光情報の記録、消去および再生を行うことができるか否
かであるが、上記光情報記録媒体10ないし12の短波
長側における特性は、図5に示すように、680nm付
近の波長において、未記録部の反射率が40%であり、
記録部の反射率が12%である特性を有する。
【0045】つまり、記録膜4の結晶部分および非晶質
部分に対応する両部分の反射率が共に低く、しかも両部
分に反射率差がある。したがって、短波長の場合であっ
ても、光情報の記録、消去および再生を行うことができ
るため、光情報の高密度化に対応することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施例の光情報記録媒体の断面構造
を示した模式図である。
【図2】本発明第1実施例の光情報記録媒体における記
録状態部分(非晶質部分)と消去状態部分(結晶質部
分)との光の波長(nm)に対する反射率(%)の依存
性のシミュレーション結果を示した特性図である。
【図3】本発明第2実施例の光情報記録媒体の断面構造
を示した模式図である。
【図4】本発明第3実施例の光情報記録媒体の断面構造
を示した模式図である。
【図5】本発明第1実施例の光情報記録媒体における記
録状態部分(非晶質部分)と消去状態部分(結晶質部
分)との光の波長(nm)に対する反射率(%)の依存
性のシミュレーション結果を示した特性図である。
【図6】本発明の光情報の記録消去再生方法を用いる装
置の説明図である。
【符号の説明】 1・・基板、2a〜2d・・光干渉膜、3・・下層保護
膜、4・・記録膜、5・・上層保護膜、6・・反射膜、
7・・基板平面、8・・樹脂製保護膜、10〜12・・
光情報記録媒体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 7/00 7416−2H B41M 5/26 X

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一波長を照射して光情報の消去、記録
    および再生を行う装置に用いる書換え可能な光情報記録
    媒体であって、 基板上に、光干渉膜、下層保護膜、光の照射により相変
    化を生じて光学定数が変化する記録膜、上層保護膜およ
    び反射膜が順次積層形成されており、 前記光干渉膜は、波長が760nm以上の複数の光に対
    して透明で屈折率の異なる複数の膜から成り、 前記複数の光のうち、前記光情報の消去、記録および再
    生を行う単一波長の記録消去再生光のときに前記記録膜
    の結晶部分および非晶質部分に対応する両部分の反射率
    が共に低く、かつ、前記両部分に反射率差を有してお
    り、前記複数の光のうち、光情報の再生を専用に行う再
    生専用光の波長のときに前記両部分のうち、いずれか一
    方の部分で反射率が高く、かつ、他方の部分で反射率が
    低くなるように前記各膜の膜厚が設定されていることを
    特徴とする光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記記録消去再生光を照射した場合の前
    記両部分の結晶部分の反射率と非晶質部分の反射率との
    大小関係と、前記再生専用光を照射した場合の前記両部
    分の結晶部分の反射率と非晶質部分の反射率との大小関
    係とが同じであることを特徴とする請求項1に記載の光
    情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記記録消去再生光が照射された場合の
    前記記録膜の両部分の反射率が、50%以下であること
    を特徴とする請求項1または2に記載の光情報記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 前記再生専用光が照射された場合の前記
    記録膜の両部分のうち、結晶部分の反射率が65%以上
    であり、かつ、振幅変調度が0.6以上であることを特
    徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の光情
    報記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記再生専用光の波長が、760〜80
    0nmであることを特徴とする請求項1ないし4のいず
    れか1つに記載の光情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 コンパクトディスクと同等の記録フォー
    マットで光情報を記録することができることを特徴とす
    る請求項1ないし5のいずれか1つに記載の光情報記録
    媒体。
  7. 【請求項7】 前記記録膜は、結晶−非晶質相変化によ
    り反射率が変化する材料で形成されていることを特徴と
    する請求項1ないし6のいずれか1つに記載の光情報記
    録媒体。
  8. 【請求項8】 前記記録膜は、Ge−Sb−Te、Ge
    −Te、Ge−Te−Sn、Te−Ge−Sn−Au、
    Ge−Sb−Te−Pd、Sb−Se、Sb−Te、S
    b−Se−Te、In−Te、In−Se、In−Se
    −Tl、In−Sb、In−Sb−Se、In−Se−
    Te、In−Sb−TeおよびIn−Sb−Te−Ag
    のうちの少なくとも1つを主成分として含む材料で形成
    されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれ
    か1つに記載の光情報記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記記録膜は、結晶−結晶相変化によっ
    て反射率が変化する材料で形成されていることを特徴と
    する請求項1ないし6のいずれか1つに記載の光情報記
    録媒体。
  10. 【請求項10】 前記光干渉膜、下層保護膜および上層
    保護膜は、前記記録消去光および再生専用光に対して透
    明であるとともに、前記記録膜よりも融点が高く、か
    つ、前記記録膜と反応しないものであることを特徴とす
    る請求項1ないし9のいずれか1つに記載の光情報記録
    媒体。
  11. 【請求項11】 前記反射膜は、単元素金属材料または
    合金材料で形成されていることを特徴とする請求項1な
    いし10のいずれか1つに記載の光情報記録媒体。
  12. 【請求項12】 前記反射膜は、前記記録消去光および
    再生専用光を反射する無機透明多層反射膜から成ること
    を特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載
    の光情報記録媒体。
  13. 【請求項13】 前記反射膜には、オーバーコートが施
    されていることを特徴とする請求項1ないし11のいず
    れか1つに記載の光情報記録媒体。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし13のいずれか1つに
    記載の光情報記録媒体に波長が760nm以上の単一波
    長の光を照射して、前記光情報記録媒体に対して光情報
    の記録、消去および再生を行うことを特徴とする光情報
    の記録消去再生方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6606293B1 (en) 1999-01-11 2003-08-12 Nec Corporation Optical information recording medium and methods for recording, reading, and erasing information thereupon

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6606293B1 (en) 1999-01-11 2003-08-12 Nec Corporation Optical information recording medium and methods for recording, reading, and erasing information thereupon

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