JPH08305746A - 景観を考慮したコンクリート製品の選択システム - Google Patents

景観を考慮したコンクリート製品の選択システム

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JPH08305746A
JPH08305746A JP7127260A JP12726095A JPH08305746A JP H08305746 A JPH08305746 A JP H08305746A JP 7127260 A JP7127260 A JP 7127260A JP 12726095 A JP12726095 A JP 12726095A JP H08305746 A JPH08305746 A JP H08305746A
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landscape
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concrete
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JP7127260A
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Kouichi Toriinami
康一 鳥居南
Hiromi Fujiwara
浩巳 藤原
Hidenori Endo
秀紀 遠藤
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Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Nihon Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 景観と調和したコンクリート製品を迅速かつ
的確に選択することのできるシステムを提供すること。 【構成】 各種コンクリート製品の静止画像、及びその
各々のコンクリート製品の景観構成要素の物理量を記憶
したデーターベース2と、コンクリート構造物を構築す
る場所の背景の静止画像、及びその背景の景観構成要素
の物理量、更にはコンクリート構造物を構築した場合に
おける要求する景観の心理量とを入力する入力手段1
と、前記入力手段1により入力された背景の景観構成要
素の物理量及び要求される景観の心理量、更には上記デ
ーターベース2に記憶された各コンクリート製品の景観
構成要素の物理量とから、要求される景観の心理量を満
たすコンクリート製品を特定するデーター処理手段3
と、前記データー処理手段3により特定されたコンクリ
ート製品に対応する上記データーベース2に記憶された
コンクリート製品の静止画像、及び/又は特定された上
記コンクリート製品の静止画像と背景の静止画像とを合
成した静止画像を出力する出力手段4とを備えている選
択システムとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート構造物を
設計・施工する際に、顧客の要求する景観イメージに合
ったコンクリート製品を、客観的要素を加味して選定
し、そのコンクリート製品の静止画像、或いはそのコン
クリート製品の施工後の背景を含めた景観を静止画像と
して顧客に提示することのできる、景観を考慮したコン
クリート製品の選択システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリート構造物を設計・施工する場
合には、その構造物が所要の強度、耐久性及び水密性な
どの機能を有した上で、構築した構造物が周囲の景観と
調和していることが重要な要素となる。そのため、コン
クリート構造物を設計・施工する際のコンクリート製品
の選択は、要求される強度、耐久性及び機能性を有した
多数のコンクリート製品の写真、及び施工事例等が掲載
されたカタログ等から、設計者や施工主がその構造物を
施工場所に構築した場合の景観をイメージしながら、そ
の景観のイメージが顧客の要求する景観イメージに合っ
ているか否かを各々のコンクリート製品について判断
し、コンクリート製品を選択するという方法が取られて
きた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たようなコンクリート製品の選択方法では、写真或いは
カタログ等に掲載された多数のコンクリート製品に対し
て検討を加えるのに時間がかかる上に、その選択は設計
者や施工主の主観に依存する部分が大きくなり、構造物
周辺の人々など第三者のコンセンサスを十分に反映した
ものとはならず、必ずしも周囲の景観と調和したコンク
リート製品を選択できないという課題が存在した。
【0004】ここで、近年においては、コンクリート構
造物の更なる周囲の景観との調和が重要視されるように
なり、景観・美観を客観的に考慮したコンクリート構造
物の設計・施工が強く望まれるようになってきた。
【0005】このような背景から、構造物を構築するコ
ンクリート製品の表面性状等の景観構成要素の物理量
が、景観のイメージに及ぼす影響について調査され、コ
ンクリート製品の景観構成要素の物理量と、該コンクリ
ート製品を使用した場合の景観の心理量との客観的な関
係を求めるための研究が盛んに行われるようになってき
た。例えば、セメント・コンクリート論文集(1993,No.
47及び1994,No.48)、コンクリート構造物の緑化に関す
るシンポジウム論文報告集(1993)等には、コンクリー
ト製品の景観構成要素の物理量(例えば、緑化面積率、
表面凹凸度、色彩等)と心理量(例えば、やすらぎの感
覚度合い、自然らしさの感覚度合い等)との客観的な関
係が示されている。
【0006】そこで、本発明者らは、上記コンクリート
製品の景観構成要素の物理量と、景観の心理量との間に
客観的な関係があることに着目し、コンクリート構造物
を設計・施工するにあたって、施工場所の景観をも考慮
した客観性のあるコンクリート製品の選択システムの可
能性について鋭意研究した結果、コンクリート製品の景
観構成要素の物理量と施工場所の背景の景観構成要素の
物理量、及びこれらと心理量との関係を示す式を得、こ
れを組み込んだ装置と画像処理装置などの従来から存在
する装置を組み合わせることで、前記選択システムが得
られることを見いだし本発明を完成させるに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(1) 各種コンクリート製品の静止画像、及びその各々
のコンクリート製品の景観構成要素の物理量を記憶した
データーベースと、(2) コンクリート構造物を構築す
る場所の背景の景観構成要素の物理量、及びコンクリー
ト構造物を構築した場合における要求する景観の心理量
とを入力する入力手段と、(3) 前記入力手段により入
力された背景の景観構成要素の物理量及び要求される景
観の心理量、更には上記データーベースに記憶された各
コンクリート製品の景観構成要素の物理量とから、要求
される景観の心理量を満たすコンクリート製品を特定す
るデーター処理手段と、(4) 前記データー処理手段に
より特定されたコンクリート製品に対応する上記データ
ーベースに記憶されたコンクリート製品の静止画像を出
力する出力手段とを備えた、景観を考慮したコンクリー
ト製品の選択システムである。
【0008】上記した本発明にかかる景観を考慮したコ
ンクリート製品の選択システムによれば、コンクリート
構造物を設計・施工するにあたり、コンクリート構造物
を構築する場所の背景の景観構成要素の物理量、及びコ
ンクリート構造物を構築した場合における要求する景観
の心理量とを、上記選択システムの入力手段により入力
すれば、その要求される景観の心理量に合ったコンクリ
ート製品がデーター処理手段により特定でき、該特定さ
れたコンクリート製品に対応するコンクリート製品の静
止画像が該選択システムの出力手段より出力されるた
め、コンクリート製品の選択が迅速かつ的確に行える作
用が生じる。
【0009】ここで、上記本発明における入力手段を、
背景の景観構成要素の物理量及び要求される景観の心理
量に加えて、更にコンクリート構造物を構築する場所の
背景の静止画像をも入力し得る手段とすると共に、上記
本発明における出力手段を、データーベースに記憶され
た特定のコンクリート製品の静止画像と、前記入力手段
により入力されたコンクリート構造物を構築する場所の
背景の静止画像とを合成して出力する手段とすれば、コ
ンクリート製品の選択が更に迅速かつ的確に行えるシス
テムとなる。
【0010】なお、上記本発明におけるデーター処理手
段は、コンクリート製品の景観構成要素の物理量と背景
の景観構成要素の物理量と景観の心理量との関係式が組
み込まれ、該式に、上記入力手段により入力された背景
の景観構成要素の物理量及び要求される景観の心理量を
あてはめると共に、上記データーベースに記憶された各
コンクリート製品毎の景観構成要素の物理量を順次あて
はめ、該式が成立するコンクリート製品を選択すること
により、上記データーベースに記憶されたコンクリート
製品を特定するものである。
【0011】また、上記本発明におけるコンクリート製
品の景観構成要素の物理量は、コンクリート製品の表面
テクスチャ(2次モーメント)、表面凹凸度、色(明
度,彩度)、緑化面積率等である。ここで、上記表面テ
クスチャ(2次モーメント)は、画像の特徴を数値化し
たもので、例えばコンクリート製品の写真をサンプルと
して市販の画像解析装置(例えば川崎製鉄株式会社製:
画像博士)で測定される。また、表面凹凸度は、例えば
コンクリート製品の表面に適当な間隔でノギスを垂直に
押し当て、その数値の最大値と最小値の差から測定され
る。更に、色(明度,彩度)は、コンクリート製品の写
真をサンプルとして市販の色彩色差計(例えばミノルタ
株式会社製:CR−300)で測定される。さらにま
た、上記緑化面積率は、緑化(植栽)された面積をコン
クリート製品の全面積で割った値で、例えば緑化(植
栽)されたコンクリート製品の写真をサンプルとして市
販の画像解析装置(例えば川崎製鉄株式会社製:画像博
士)で測定される。なお、上記コンクリート製品の景観
構成要素の物理量以外にも、例えば植栽された樹木の高
さ、コンクリート製品の目地間隔なども、コンクリート
製品の景観構成要素の物理量となり得る。
【0012】さらに、上記本発明における背景の景観構
成要素の物理量は、背景に占める樹木の割合、背景に占
める建築物の割合、背景の建築物の複雑度等である。こ
こで、上記背景に占める樹木の割合及び背景に占める建
築物の割合は、背景の写真をサンプルとして市販の画像
解析装置(例えば川崎製鉄株式会社製:画像博士)で測
定される。また、背景の建築物の複雑度は、写真に写っ
た背景の建築物の周辺長の2乗をその面積で割ったもの
であり、この数値も背景の写真をサンプルとして市販の
画像解析装置(例えば川崎製鉄株式会社製:画像博士)
で測定される。なお、上記背景の景観構成要素の物理量
以外にも、例えば建築物と樹木を合わせた面積に占める
樹木の割合、背景に占める広告物の割合、更には建築物
或いは樹木の色(明度,彩度)なども、背景の景観構成
要素の物理量となり得る。
【0013】さらにまた、上記本発明における景観の心
理量は、やすらぎの感覚度合いを示す値、自然らしさの
感覚度合いを示す値、形状の複雑さの感覚度合いを示す
値等、例えば表1に示すものである。ここで、例えばや
すらぎの感覚度合いを示す値とは、「やすらぎのある」
と「落ちつきのない」の形容詞対を、−2(=非常に落
ちつきのない)〜+2(=非常にやすらぎのある)で数
値化したものである。
【0014】上記したコンクリート製品の景観構成要素
の物理量と背景の景観構成要素の物理量と景観の心理量
との関係式は、例えば下式で表される。
【式1】
【0015】ここで、上記式1は、SD(Semantic Diff
erential) 法による官能検査により得られたもので、こ
の式を用いることにより客観性が加味できる。なお、S
D法とは、様々な形容詞対(例えば表1に示すもの)で
構成された評価尺度を用いて、ある刺激に対する評価を
複数の被験者に行ってもらい、平均評定を求めて刺激間
の類似性を調べるものである。
【表1】
【0016】また、上記した本発明にかかる選択システ
ムのブロック図は、例えば図1のようになる。ここで、
図1中1は、入力手段で、該入力手段1を用いてコンク
リート構造物を構築する場所の背景の静止画像、及びそ
の背景の景観構成要素の物理量、更にはコンクリート構
造物を構築した場合における要求する景観の心理量とを
入力する。2は、データーベースであり、該データーベ
ース2には、各種コンクリート製品の静止画像、及びそ
の各々のコンクリート製品の景観構成要素の物理量が記
憶されている。さらに3は、データー処理手段であっ
て、該データー処理手段3には、例えば上記式1に示し
たコンクリート製品の景観構成要素の物理量と背景の景
観構成要素の物理量と景観の心理量との関係式が組み込
まれ、該式に、上記入力手段1により入力された背景の
景観構成要素の物理量及び要求される景観の心理量をあ
てはめると共に、上記データーベース2に記憶された各
コンクリート製品毎の景観構成要素の物理量を順次あて
はめ、該式が成立するコンクリート製品を選択すること
により、上記データーベース2に記憶されたコンクリー
ト製品を特定する。なお、入力する景観の心理量が複数
の場合は、その各々の景観の心理量に対応した関係式を
用いてデーター処理し、共通して式を満たすコンクリー
ト製品を特定すれば良い。4は出力手段であり、該出力
手段4からは、上記データー処理手段3により特定され
たコンクリート製品に対応する上記データーベース2に
記憶されたコンクリート製品の静止画像、及び/又は上
記データー処理手段3により特定されたコンクリート製
品に対応する上記データーベース2に記憶されたコンク
リート製品の静止画像と、上記入力手段1により入力さ
れたコンクリート構造物を構築する場所の背景の静止画
像とを合成した静止画像が出力される。
【0017】
【実施例】以下、上記した本発明にかかる景観を考慮し
たコンクリート製品の選択システムを、実施例に基づき
具体的に説明する。
【0018】−実施例1− 図2に示す現在の護岸は、打放しのコンクリートで周囲
より明度が高いため、目立ち過ぎて違和感を与える。こ
れを「やすらぎのある」護岸にかえるコンクリート製品
を選択する。
【0019】1) 背景の景観構成要素の物理量を測定す
る。図2に示す護岸は、背景が樹木のみであるため、背
景の景観構成要素の物理量は背景に占める樹木の割合と
なる。この物理量は、図2に示す護岸の写真をサンプル
として画像解析装置(例えば川崎製鉄株式会社製:画像
博士)を用いて測定でき、その値は51.5%であった。 2) 要求する景観の心理量を特定する。本実施例の場合
は、護岸を「やすらぎのある」ものにかえたいのである
ため、要求する景観の心理量は、「やすらぎのある:レ
ベル1」となる。ここで、「やすらぎのある:レベル
1」とは、コンクリート製品の景観構成要素の物理量と
背景の景観構成要素の物理量と景観の心理量との関係式
中、景観の心理量として「やすらぎの感覚度合いを示す
値」を算出し得る式を使用し、その数値が0.5以上に
なるものをいう。 3) 測定した背景の景観構成要素の物理量、及び特定し
た要求する景観の心理量を本発明にかかる選択システム
の入力手段を用いて入力する。この場合の入力は、「5
1.5%」(背景の景観構成要素の物理量)と、「やすら
ぎのある:レベル1」(景観の心理量)となる。 4) 本発明にかかる選択システムのデーター処理手段
が、該手段に組み込まれたコンクリート製品の景観構成
要素の物理量と背景の景観構成要素の物理量と景観の心
理量との関係式に、上記入力手段により入力された背景
の景観構成要素の物理量及び要求される景観の心理量を
あてはめると共に、データーベースに予め記憶された各
コンクリートの景観構成要素の物理量(表面テクスチ
ャ、明度、彩度及び緑化面積率)を製品毎に順次あては
め、該式が成立するコンクリート製品を選択することに
より、上記データーベースに記憶されたコンクリート製
品を特定する。本実施例の場合においてデーター処理手
段で使用される具体的な関係式は、式2に示すものとな
る。
【式2】 5) 上記データー処理手段により特定されたコンクリー
ト製品に対応するコンクリート製品の静止画像が、本発
明にかかる選択システムの出力手段より出力される。本
実施例においては、上記式2に当てはまるような表面テ
クスチャ、色、緑化面積率を持ったコンクリート製品の
静止画像が出力手段より出力される。この場合、複数の
植栽ブロックが式2に当てはまれば、例えば図3のよう
に表示される。 6) 入力手段によりコンクリート構造物を構築する場所
の背景の静止画像を本発明にかかる選択システムに入力
し、選択した上記コンクリート製品(植栽ブロック)の
静止画像と入力した背景の静止画像とを合成して各々出
力させ、これら合成画像及び/又は図3のような製品画
像を、設計者、施工主或いは顧客に提示する。本実施例
においては、背景の静止画像として図2に示した護岸の
写真を入力し、一例として図2と図3中に示した植栽ブ
ロックAとが合成された図4に示したような静止画像が
本発明にかかる選択システムより出力された。また、図
2と図3中に示した他の植栽ブロックB及びCとが合成
された各々の静止画像も同様に本発明にかかる選択シス
テムより出力され、これらの静止画像を顧客に提示し
た。
【0020】−実施例2− 図5に示す現在の護岸は、打放しのコンクリートで汚れ
が目立つため、汚い感じを与える。これを「自然的な」
護岸にかえるコンクリート製品を選択する。
【0021】1) 背景の景観構成要素の物理量を測定す
る。図5に示す護岸は、背景が建築物のみであるため、
背景の景観構成要素の物理量は、背景に占める建築物の
割合及び該建築物の複雑度となる。この物理量は、図5
に示す護岸の写真をサンプルとして画像解析装置(例え
ば川崎製鉄株式会社製:画像博士)を用いて各々測定で
き、その値は83.7%(背景に占める建築物の割合)、及
び52.4(建築物の複雑度)であった。 2) 要求する景観の心理量を特定する。本実施例の場合
は、護岸を「自然的な」ものにかえたいのであるため、
要求する景観の心理量は、「自然的な:レベル1」とな
る。ここで、「自然的な:レベル1」とは、コンクリー
ト製品の景観構成要素の物理量と背景の景観構成要素の
物理量と景観の心理量との関係式中、景観の心理量とし
て「自然らしさの感覚度合いを示す値」を算出し得る式
を使用し、その数値が0.5以上になるものをいう。 3) 測定した背景の景観構成要素の物理量、及び特定し
た要求する景観の心理量を本発明にかかる選択システム
の入力手段を用いて入力する。この場合の入力は、「8
3.7」及び「52.4」(背景の景観構成要素の物理量)
と、「自然的な:レベル1」(景観の心理量)となる。 4) 本発明にかかる選択システムのデーター処理手段
が、該手段に組み込まれたコンクリート製品の景観構成
要素の物理量と背景の景観構成要素の物理量と景観の心
理量との関係式に、上記入力手段により入力された背景
の景観構成要素の物理量及び要求される景観の心理量を
あてはめると共に、データーベースに予め記憶された各
コンクリートの景観構成要素の物理量(表面テクスチ
ャ、表面凹凸度、明度及び彩度)を製品毎に順次あては
め、該式が成立するコンクリート製品を選択することに
より、上記データーベースに記憶されたコンクリート製
品を特定する。本実施例の場合においてデーター処理手
段で使用される具体的な関係式は、式3に示すものとな
る。
【式3】 5) 上記データー処理手段により特定されたコンクリー
ト製品に対応するコンクリート製品の静止画像が、本発
明にかかる選択システムの出力手段より出力される。本
実施例においては、上記式3に当てはまるような表面テ
クスチャ、表面凹凸度、色を持ったコンクリート製品の
静止画像が出力手段より出力される。この場合、複数の
石積みモルタルが式3に当てはまれば、例えば図6のよ
うに表示される。 6) 入力手段によりコンクリート構造物を構築する場所
の背景の静止画像を本発明にかかる選択システムに入力
し、選択した上記コンクリート製品(石積みモルタル)
の静止画像と入力した背景の静止画像とを合成して各々
出力させ、これら合成画像及び/又は図6のような製品
画像を、設計者、施工主或いは顧客に提示する。本実施
例においては、背景の静止画像として図5に示した護岸
の写真を入力し、一例として図5と図6中に示した石積
みモルタルAとが合成された図7に示したような静止画
像が本発明にかかる選択システムより出力された。ま
た、図5と図6中に示した石積みモルタルBとが合成さ
れた静止画像も同様に本発明にかかる選択システムより
出力され、これらの静止画像を施工主に提示した。
【0022】−実施例3− 図2に示す護岸を、「やすらぎのある」護岸であると共
に、「暖かい」護岸にかえるコンクリート製品を選択す
る。
【0023】1) 背景の景観構成要素の物理量を測定す
る。背景の景観構成要素の物理量は、実施例1と同様に
背景に占める樹木の割合となり、その値は51.5%であっ
た。 2) 要求する景観の心理量を特定する。要求する景観の
心理量は、「やすらぎのある:レベル1」、及び「暖か
い:レベル1」となる。この場合の景観の心理量を表す
数値は、共に0.5以上になるものをいう。 3) 測定した背景の景観構成要素の物理量、及び特定し
た要求する景観の心理量を本発明にかかる選択システム
の入力手段を用いて入力する。この場合の入力は、「5
1.5%」(背景の景観構成要素の物理量)と、「やすら
ぎのある:レベル1」、及び「暖かい:レベル1」(景
観の心理量)となる。 4) 本発明にかかる選択システムのデーター処理手段
が、該手段に組み込まれたコンクリート製品の景観構成
要素の物理量と背景の景観構成要素の物理量と景観の心
理量との関係式に、上記入力手段により入力された背景
の景観構成要素の物理量及び要求される景観の心理量を
あてはめると共に、データーベースに予め記憶された各
コンクリートの景観構成要素の物理量(表面テクスチ
ャ、表面凹凸度、明度、彩度及び緑化面積率)を製品毎
に順次あてはめ、該式が成立するコンクリート製品を選
択することにより、上記データーベースに記憶されたコ
ンクリート製品を特定する。本実施例の場合においてデ
ーター処理手段で使用される具体的な関係式は、上記式
2、及び下記する式4となる。
【式4】 5) 上記データー処理手段により特定されたコンクリー
ト製品に対応するコンクリート製品の静止画像が、本発
明にかかる選択システムの出力手段より出力される。本
実施例においては、上記式2、及び式4の両方を満足す
る表面テクスチャ、表面凹凸度、色、緑化面積率を持っ
たコンクリート製品が存在せず、出力手段よりコンクリ
ート製品の静止画像が出力されなかった。 6) 再度、要求する景観の心理量を特定する。設計者や
施工主の判断で、上記2)において特定した「やすらぎの
ある:レベル1」を「やすらぎのある:レベル2」に変
える。ここで、「やすらぎのある:レベル2」とは、コ
ンクリート製品の景観構成要素の物理量と背景の景観構
成要素の物理量と景観の心理量との関係式中、景観の心
理量として「やすらぎの感覚度合いを示す値」を算出し
得る式を使用し、その数値が−0.5より大きく+0.
5に満たないものをいう。 7) 再度、測定した背景の景観構成要素の物理量、及び
6)において特定した要求する景観の心理量とを、本発明
にかかる選択システムの入力手段を用いて入力する。こ
の場合の入力は、「51.5%」(背景の景観構成要素の物
理量)と、「やすらぎのある:レベル2」、及び「暖か
い:レベル1」(景観の心理量)となる。 8) 再度、本発明にかかる選択システムのデーター処理
手段が、該手段に組み込まれたコンクリート製品の景観
構成要素の物理量と背景の景観構成要素の物理量と景観
の心理量との関係式に、上記入力手段により入力された
背景の景観構成要素の物理量及び要求される景観の心理
量をあてはめると共に、データーベースに予め記憶され
た各コンクリートの景観構成要素の物理量(表面テクス
チャ、表面凹凸度、明度、彩度及び緑化面積率)を製品
毎に順次あてはめ、該式が成立するコンクリート製品を
選択することにより、上記データーベースに記憶された
コンクリート製品を特定する。本実施例の場合において
データー処理手段で使用される具体的な関係式は、上記
式4、及び下記する式5となる。
【式5】 9) 再度、上記データー処理手段により特定されたコン
クリート製品に対応するコンクリート製品の静止画像
が、本発明にかかる選択システムの出力手段より出力さ
れる。上記式4、及び式5の両方を満足する表面テクス
チャ、表面凹凸度、色、緑化面積率を持ったコンクリー
ト製品の静止画像が出力手段より出力される。この場
合、例えば複数の石積みモルタルと植栽ブロックが上記
式4、及び式5の両方に当てはまれば、例えば図8のよ
うに表示される。 10) 入力手段によりコンクリート構造物を構築する場所
の背景の静止画像を本発明にかかる選択システムに入力
し、選択した上記コンクリート製品(石積みモルタル、
植栽ブロック)の静止画像と入力した背景の静止画像と
を合成して各々出力させ、これら合成画像及び/又は図
8のような製品画像を、設計者、施工主或いは顧客に提
示する。本実施例においては、背景の静止画像として図
2に示した護岸の写真を入力し、一例として図2と図8
中に示した石積みモルタルとが合成された図7に示した
ような静止画像が本発明にかかる選択システムより出力
された。また、図2と図8中に示した植栽ブロックとが
合成された静止画像も同様に本発明にかかる選択システ
ムより出力され、これらの静止画像を顧客に提示した。
【0024】
【発明の効果】以上、説明した本発明にかかる景観を考
慮したコンクリート製品の選択システムによれば、コン
クリート構造物を設計・施工する際、顧客の要求する景
観イメージに即し、しかも施工場所の景観との調和が図
られたコンクリート製品を客観的かつ迅速に選択するこ
とが可能となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる選択システムのブロック図であ
る。
【図2】実施例1及び3において使用したコンクリート
構造物を構築する場所の背景の写真を示した図である。
【図3】実施例1において本発明にかかる選択システム
から出力されたコンクリート製品の静止画像を示した図
である。
【図4】実施例1において本発明にかかる選択システム
から出力されたコンクリート製品の静止画像と背景の静
止画像とを合成した静止画像を示した図である。
【図5】実施例2において使用したコンクリート構造物
を構築する場所の背景の写真を示した図である。
【図6】実施例2において本発明にかかる選択システム
から出力されたコンクリート製品の静止画像を示した図
である。
【図7】実施例2において本発明にかかる選択システム
から出力されたコンクリート製品の静止画像と背景の静
止画像とを合成した静止画像を示した図である。
【図8】実施例3において本発明にかかる選択システム
から出力されたコンクリート製品の静止画像を示した図
である。
【図9】実施例3において本発明にかかる選択システム
から出力されたコンクリート製品の静止画像と背景の静
止画像とを合成した静止画像を示した図である。
【符号の説明】
1 入力手段 2 データーベース 3 データー処理手段 4 出力手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 景観と調和したコンクリート製品を客観
    的要素を加味して選択する景観を考慮したコンクリート
    製品の選択システムであって、該選択システムは、 (1) 各種コンクリート製品の静止画像、及びその各々
    のコンクリート製品の景観構成要素の物理量を記憶した
    データーベースと、 (2) コンクリート構造物を構築する場所の背景の景観
    構成要素の物理量、及びコンクリート構造物を構築した
    場合における要求する景観の心理量とを入力する入力手
    段と、 (3) 前記入力手段により入力された背景の景観構成要
    素の物理量及び要求される景観の心理量、更には上記デ
    ーターベースに記憶された各コンクリート製品の景観構
    成要素の物理量とから、要求される景観の心理量を満た
    すコンクリート製品を特定するデーター処理手段と、 (4) 前記データー処理手段により特定されたコンクリ
    ート製品に対応する上記データーベースに記憶されたコ
    ンクリート製品の静止画像を出力する出力手段とを備え
    ていることを特徴とする、景観を考慮したコンクリート
    製品の選択システム。
  2. 【請求項2】 景観と調和したコンクリート製品を客観
    的要素を加味して選択する景観を考慮したコンクリート
    製品の選択システムであって、該選択システムは、 (1) 各種コンクリート製品の静止画像、及びその各々
    のコンクリート製品の景観構成要素の物理量を記憶した
    データーベースと、 (2) コンクリート構造物を構築する場所の背景の静止
    画像、及びその背景の景観構成要素の物理量、更にはコ
    ンクリート構造物を構築した場合における要求する景観
    の心理量とを入力する入力手段と、 (3) 前記入力手段により入力された背景の景観構成要
    素の物理量及び要求される景観の心理量、更には上記デ
    ーターベースに記憶された各コンクリート製品の景観構
    成要素の物理量とから、要求される景観の心理量を満た
    すコンクリート製品を特定するデーター処理手段と、 (4) 前記データー処理手段により特定されたコンクリ
    ート製品に対応する上記データーベースに記憶されたコ
    ンクリート製品の静止画像と、上記入力手段により入力
    されたコンクリート構造物を構築する場所の背景の静止
    画像とを合成して出力する出力手段とを備えていること
    を特徴とする、景観を考慮したコンクリート製品の選択
    システム。
  3. 【請求項3】 上記データー処理手段が、コンクリート
    製品の景観構成要素の物理量と背景の景観構成要素の物
    理量と景観の心理量との関係式が組み込まれ、該式に、
    上記入力手段により入力された背景の景観構成要素の物
    理量及び要求される景観の心理量をあてはめると共に、
    上記データーベースに記憶された各コンクリート製品毎
    の景観構成要素の物理量を順次あてはめ、該式が成立す
    るコンクリート製品を選択することにより、上記データ
    ーベースに記憶されたコンクリート製品を特定するもの
    であることを特徴とする、請求項1又は2記載の景観を
    考慮したコンクリート製品の選択システム。
  4. 【請求項4】 上記コンクリート製品の景観構成要素の
    物理量が、表面テクスチャ(2次モーメント)、表面凹
    凸度、色(明度,彩度)、緑化面積率等であることを特
    徴とする、請求項1、2又は3記載の景観を考慮したコ
    ンクリート製品の選択システム。
  5. 【請求項5】 上記背景の景観構成要素の物理量が、背
    景に占める樹木の割合、背景に占める建築物の割合、背
    景の建築物の複雑度等であることを特徴とする、請求項
    1、2、3又は4記載の景観を考慮したコンクリート製
    品の選択システム。
  6. 【請求項6】 上記景観の心理量が、やすらぎの感覚度
    合いを示す値、自然らしさの感覚度合いを示す値、形状
    の複雑さの感覚度合いを示す値等であることを特徴とす
    る、請求項1、2、3、4又は5記載の景観を考慮した
    コンクリート製品の選択システム。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11172928A (ja) * 1997-12-11 1999-06-29 Inax Corp エクステリアデザインの提供システム
JP2002324102A (ja) * 2001-04-25 2002-11-08 Kurabo Ind Ltd 画像シミュレーションシステム、画像シミュレーション装置及び画像シミュレーション方法
JP2015045940A (ja) * 2013-08-27 2015-03-12 株式会社ジオクリエイツ 感情抽出方法、感情抽出プログラム、感情抽出装置、及び建築物設計方法
JP2018165936A (ja) * 2017-03-28 2018-10-25 大和ハウス工業株式会社 設計支援システム及び設計支援プログラム

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