JPH0830412B2 - 内燃機関の沸騰冷却装置 - Google Patents
内燃機関の沸騰冷却装置Info
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- JPH0830412B2 JPH0830412B2 JP59164213A JP16421384A JPH0830412B2 JP H0830412 B2 JPH0830412 B2 JP H0830412B2 JP 59164213 A JP59164213 A JP 59164213A JP 16421384 A JP16421384 A JP 16421384A JP H0830412 B2 JPH0830412 B2 JP H0830412B2
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- refrigerant
- liquid
- phase refrigerant
- cooling jacket
- cooling
- Prior art date
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01P—COOLING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; COOLING OF INTERNAL-COMBUSTION ENGINES
- F01P3/00—Liquid cooling
- F01P3/22—Liquid cooling characterised by evaporation and condensation of coolant in closed cycles; characterised by the coolant reaching higher temperatures than normal atmospheric boiling-point
- F01P3/2271—Closed cycles with separator and liquid return
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01P—COOLING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; COOLING OF INTERNAL-COMBUSTION ENGINES
- F01P2025/00—Measuring
- F01P2025/60—Operating parameters
- F01P2025/62—Load
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、冷却ジャケット、コンデンサ等からなる
冷媒循環系内に所定量の冷媒を封入し、冷却ジャケット
内で、貯留した液相冷媒を沸騰気化させて内燃機関の冷
却を行うようにした内燃機関の沸騰冷却装置に関し、詳
しくはコンデンサの放熱効率の改良に関する。
冷媒循環系内に所定量の冷媒を封入し、冷却ジャケット
内で、貯留した液相冷媒を沸騰気化させて内燃機関の冷
却を行うようにした内燃機関の沸騰冷却装置に関し、詳
しくはコンデンサの放熱効率の改良に関する。
〈従来の技術〉 自動車用内燃機関に用いられている周知の水冷式冷却
装置にあっては、冷却ジャケットの水入口部と水出口部
との間などで相当な温度差を生じ、均一な冷却を実現す
ることが難しいとともに、ラジエータにおける熱交換効
率に自ら限界があることからラジエータや冷却ファンが
大型にならざるを得ない。
装置にあっては、冷却ジャケットの水入口部と水出口部
との間などで相当な温度差を生じ、均一な冷却を実現す
ることが難しいとともに、ラジエータにおける熱交換効
率に自ら限界があることからラジエータや冷却ファンが
大型にならざるを得ない。
このような点から、近年、冷却水の沸騰気化潜熱を利
用した冷却装置が注目されている(例えば特公昭57−57
608号公報,特開昭57−62912号公報等参照)。これは基
本的には、冷却ジャケット内で液相冷媒(冷却水)を沸
騰気化させ、その発生蒸気を外部のコンデンサ(ラジエ
ータ)に導いて放熱凝縮させた後に、再度冷却ジャケッ
ト内に循環供給する構成である。この冷媒の相変化を利
用した冷却装置によれば、冷却水の単純な顕熱を利用し
た水冷式のものに比べて気化潜熱を利用できるため、極
めて少量の冷却水の循環で要求放熱量を満足でき、かつ
コンデンサを従来のラジエータよりも大巾に小型化で
き、しかも機関各部の温度分布の均一化が図れる等の利
点が指摘されている。
用した冷却装置が注目されている(例えば特公昭57−57
608号公報,特開昭57−62912号公報等参照)。これは基
本的には、冷却ジャケット内で液相冷媒(冷却水)を沸
騰気化させ、その発生蒸気を外部のコンデンサ(ラジエ
ータ)に導いて放熱凝縮させた後に、再度冷却ジャケッ
ト内に循環供給する構成である。この冷媒の相変化を利
用した冷却装置によれば、冷却水の単純な顕熱を利用し
た水冷式のものに比べて気化潜熱を利用できるため、極
めて少量の冷却水の循環で要求放熱量を満足でき、かつ
コンデンサを従来のラジエータよりも大巾に小型化で
き、しかも機関各部の温度分布の均一化が図れる等の利
点が指摘されている。
しかしながら、このように種々の利点を有すると考え
られている沸騰冷却式の冷却装置も実際には実用化され
るに至っていない。すなわち上記特公昭57−57608号公
報や特開昭57−62912号公報等に記載のものは、冷媒循
環系が一部で大気に開放された非密閉構造となってお
り、蒸気化した冷媒の損失が実用上無視できない程度に
大きく、しかも系内から不凝縮気体である空気を完全に
除去することが困難であるため、残留空気によって冷却
性能が著しく低下する等の問題を有していた。
られている沸騰冷却式の冷却装置も実際には実用化され
るに至っていない。すなわち上記特公昭57−57608号公
報や特開昭57−62912号公報等に記載のものは、冷媒循
環系が一部で大気に開放された非密閉構造となってお
り、蒸気化した冷媒の損失が実用上無視できない程度に
大きく、しかも系内から不凝縮気体である空気を完全に
除去することが困難であるため、残留空気によって冷却
性能が著しく低下する等の問題を有していた。
本出願人は上記のような実情に鑑み、密閉した冷媒循
環系内に所定量の冷媒を封入して沸騰・凝縮のサイクル
を行わせるようにした沸騰冷却装置を先に提案している
(特願昭58−145470号等)。これは、例えば始動時に系
内を一旦液相冷媒で満たした後に空気の侵入を防止しつ
つ余剰冷媒をリザーバタンクに排出することによって密
閉系内に所定量の冷媒を封入するようにしたものであ
り、機関運転中は、冷媒供給ポンプにより冷却ジャケッ
トに発生蒸気相当分の液相冷媒を循環供給し、常に所定
レベル以上に液相冷媒の液面を保って燃焼室壁等の確実
な冷却を図っている。
環系内に所定量の冷媒を封入して沸騰・凝縮のサイクル
を行わせるようにした沸騰冷却装置を先に提案している
(特願昭58−145470号等)。これは、例えば始動時に系
内を一旦液相冷媒で満たした後に空気の侵入を防止しつ
つ余剰冷媒をリザーバタンクに排出することによって密
閉系内に所定量の冷媒を封入するようにしたものであ
り、機関運転中は、冷媒供給ポンプにより冷却ジャケッ
トに発生蒸気相当分の液相冷媒を循環供給し、常に所定
レベル以上に液相冷媒の液面を保って燃焼室壁等の確実
な冷却を図っている。
〈発明が解決しようとする問題点〉 ところでこのような本出願人の提案した或いはこれよ
りも先行する前記従来の沸騰冷却装置にあっては、冷却
ジャケットにおいて冷媒が液相から気相へ相変化する際
の体積変化は極めて大であるため、冷却ジャケットから
コンデンサへ向かう気相冷媒の流速が著しく速いのに対
しコンデンサから冷却ジャケットに向かう凝縮冷媒の流
速は著しく遅いか又は間欠的となる。そのため冷却ジャ
ケット内の液相冷媒は滞留状態にあって冷却ジャケット
内空間を大きく占めるものである。然も車載レイアウト
上から冷却ジャケット内の上部空間、及びこれに連通す
る蒸気取出口、蒸気マニホルドの蒸気空間を大きくとれ
ない。その結果冷却ジャケット内で冷媒が沸騰すると十
分に気液分離がなされないまま気相冷媒通路を通って気
液混交状態の冷媒がコンデンサに導入されることとなり
易い(これを冷却ジャケットより液相冷媒を持ち出す現
象と称している)。
りも先行する前記従来の沸騰冷却装置にあっては、冷却
ジャケットにおいて冷媒が液相から気相へ相変化する際
の体積変化は極めて大であるため、冷却ジャケットから
コンデンサへ向かう気相冷媒の流速が著しく速いのに対
しコンデンサから冷却ジャケットに向かう凝縮冷媒の流
速は著しく遅いか又は間欠的となる。そのため冷却ジャ
ケット内の液相冷媒は滞留状態にあって冷却ジャケット
内空間を大きく占めるものである。然も車載レイアウト
上から冷却ジャケット内の上部空間、及びこれに連通す
る蒸気取出口、蒸気マニホルドの蒸気空間を大きくとれ
ない。その結果冷却ジャケット内で冷媒が沸騰すると十
分に気液分離がなされないまま気相冷媒通路を通って気
液混交状態の冷媒がコンデンサに導入されることとなり
易い(これを冷却ジャケットより液相冷媒を持ち出す現
象と称している)。
かかる現象が発生すると、コンデンサにおいては単に
顕熱放熱しか行わない液相冷媒からの放熱がまじって放
熱効果が著しく低下してしまう。
顕熱放熱しか行わない液相冷媒からの放熱がまじって放
熱効果が著しく低下してしまう。
これを防止するには気相冷媒通路のレイアウト上許容
される部位に別個の気液分離装置を設けるのが有効な手
段といえる。
される部位に別個の気液分離装置を設けるのが有効な手
段といえる。
しかし、上記したように気相冷媒通路を流通する気相
冷媒流速は極めて高速例えば20〜40m/secであるから一
旦分離した液相冷媒がまた気相冷媒流に引き込まれ易
く、このため結局気液分離が困難となる。この傾向は特
に機関高速高負荷等の減圧沸騰下で等しい。
冷媒流速は極めて高速例えば20〜40m/secであるから一
旦分離した液相冷媒がまた気相冷媒流に引き込まれ易
く、このため結局気液分離が困難となる。この傾向は特
に機関高速高負荷等の減圧沸騰下で等しい。
勿論冷媒流速を低下すべく処置すれば上記不都合は回
避されるが、これは冷媒流の抵抗を大にするから好まし
くはない。
避されるが、これは冷媒流の抵抗を大にするから好まし
くはない。
本発明は上記に鑑みなされたもので、気相冷媒通路に
気液分離装置を設け、該装置における気液分離を確実に
行なえるようにすると共に、該分離された液相冷媒を機
関の高温部に向けて供給するように直接冷却ジャケット
内に還流させるようにして、機関の高温部の熱負荷を効
果的に低減することを目的とする。
気液分離装置を設け、該装置における気液分離を確実に
行なえるようにすると共に、該分離された液相冷媒を機
関の高温部に向けて供給するように直接冷却ジャケット
内に還流させるようにして、機関の高温部の熱負荷を効
果的に低減することを目的とする。
〈問題点を解決するための手段〉 そのために本発明では、所定量の液相冷媒が満たされ
る内燃機関の冷却ジャケットと、気相冷媒凝縮用のコン
デンサと、液相冷媒循環用の冷媒供給ポンプと、を介装
した環状の冷媒循環回路を備え、冷却ジャケット内で吸
熱し蒸発した気相冷媒の潜熱をコンデンサにおいて放熱
する内燃機関の沸騰冷却装置において、前記冷却ジャケ
ットとコンデンサとを接続する冷媒循環回路の気相冷媒
通路に気液分離装置を介装すると共に、該気液分離装置
で分離され滞留する分離液相冷媒を機関の高温部に向け
て供給するように冷却ジャケットに直接還流すべく前記
冷媒循環回路に並列に設けた還流通路と、該還流通路に
介装されて機関高負荷運転時に前記分離液相冷媒を還流
させるように駆動制御される還流ポンプと、を含んで構
成した分離液相冷媒の還流装置を設けた。
る内燃機関の冷却ジャケットと、気相冷媒凝縮用のコン
デンサと、液相冷媒循環用の冷媒供給ポンプと、を介装
した環状の冷媒循環回路を備え、冷却ジャケット内で吸
熱し蒸発した気相冷媒の潜熱をコンデンサにおいて放熱
する内燃機関の沸騰冷却装置において、前記冷却ジャケ
ットとコンデンサとを接続する冷媒循環回路の気相冷媒
通路に気液分離装置を介装すると共に、該気液分離装置
で分離され滞留する分離液相冷媒を機関の高温部に向け
て供給するように冷却ジャケットに直接還流すべく前記
冷媒循環回路に並列に設けた還流通路と、該還流通路に
介装されて機関高負荷運転時に前記分離液相冷媒を還流
させるように駆動制御される還流ポンプと、を含んで構
成した分離液相冷媒の還流装置を設けた。
〈作用〉 これにより、気液分離装置で分離された液相冷媒を高
速で流れる気相冷媒の引き込み力に抗して還流ポンプに
より強制的に冷却ジャケットに還流させ、液相冷媒のコ
ンデンサへの持ち込みを防止して、コンデンサの放熱特
性を向上させると共に、前記分離された液相冷媒を機関
の高温部に向けて供給することにより、効果的に熱負荷
の低減を図る。
速で流れる気相冷媒の引き込み力に抗して還流ポンプに
より強制的に冷却ジャケットに還流させ、液相冷媒のコ
ンデンサへの持ち込みを防止して、コンデンサの放熱特
性を向上させると共に、前記分離された液相冷媒を機関
の高温部に向けて供給することにより、効果的に熱負荷
の低減を図る。
〈実施例〉 以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本発明の1実施例の構成を示し、内燃機関1
は運転中所定量の液相冷媒で満たされる冷却ジャケット
2を備えて該冷却ジャケット2と気相冷媒を凝縮するた
めのコンデンサ3と、電動式の冷媒供給ポンプ4とを接
続して冷媒循環回路を構成している。
は運転中所定量の液相冷媒で満たされる冷却ジャケット
2を備えて該冷却ジャケット2と気相冷媒を凝縮するた
めのコンデンサ3と、電動式の冷媒供給ポンプ4とを接
続して冷媒循環回路を構成している。
冷却ジャケット2は、内燃機関1のシリンダ及び燃焼
室の外周部を包囲するようにシリンダブロック5及びシ
リンダヘッド6の両者に亘って形成されたもので、通常
気相空間となる上部が各気筒を通じて連通していると共
に、その上部の適宜な位置に蒸気出口7が設けられてい
る。蒸気出口7は、接続管8及び気相冷媒通路9a,9bを
介してコンデンサ3の上部入口3aに連通している。
室の外周部を包囲するようにシリンダブロック5及びシ
リンダヘッド6の両者に亘って形成されたもので、通常
気相空間となる上部が各気筒を通じて連通していると共
に、その上部の適宜な位置に蒸気出口7が設けられてい
る。蒸気出口7は、接続管8及び気相冷媒通路9a,9bを
介してコンデンサ3の上部入口3aに連通している。
気相冷媒通路9a,9b間には内部にバッフルプレート10a
を垂直に配したタンクからなり冷媒循環回路の最高位に
位置する気液分離装置10が介装されていて、その底部に
分離した液相冷媒が貯留する一方、上端開口をキャップ
10bが密閉している。
を垂直に配したタンクからなり冷媒循環回路の最高位に
位置する気液分離装置10が介装されていて、その底部に
分離した液相冷媒が貯留する一方、上端開口をキャップ
10bが密閉している。
コンデンサ3は、前記入口3aを有するアッパタンク11
と、上下方向の微細なチューブを主体としたコア部12
と、このコア部12で凝縮された液化冷媒を一時貯留する
ロアタンク13とから構成されたもので、例えば車両前部
など車両走行風を受け得る位置に設置され、更にその前
面或いは背面に、強制冷却用の電動式冷却ファン14を備
えている。また、上記ロアタンク13は、その比較的下部
に冷媒循環通路15の一端が接続されていると共に、これ
より上部に第1補助冷媒通路16の一端が接続されてい
る。上記冷媒循環通路15は、その他端が冷却ジャケット
2の下部の冷媒入口2aに接続されたもので、中間部に前
記冷媒供給ポンプ4が介装されている。
と、上下方向の微細なチューブを主体としたコア部12
と、このコア部12で凝縮された液化冷媒を一時貯留する
ロアタンク13とから構成されたもので、例えば車両前部
など車両走行風を受け得る位置に設置され、更にその前
面或いは背面に、強制冷却用の電動式冷却ファン14を備
えている。また、上記ロアタンク13は、その比較的下部
に冷媒循環通路15の一端が接続されていると共に、これ
より上部に第1補助冷媒通路16の一端が接続されてい
る。上記冷媒循環通路15は、その他端が冷却ジャケット
2の下部の冷媒入口2aに接続されたもので、中間部に前
記冷媒供給ポンプ4が介装されている。
以上の冷却ジャケット2,コンデンサ3,冷媒供給タンク
4,冷却ジャケット2の経路によって構成された冷媒循環
回路により、通常運転時には、例えば水に若干の添加物
を加えた冷媒ば沸騰・凝縮を繰り返しながら循環するこ
とになる。
4,冷却ジャケット2の経路によって構成された冷媒循環
回路により、通常運転時には、例えば水に若干の添加物
を加えた冷媒ば沸騰・凝縮を繰り返しながら循環するこ
とになる。
この循環回路の系外に設けられて予備液相冷媒を貯留
するリザーバタンク21は、通気機能を有するキャップ22
を介して大気に開放されているとともに、上記循環回路
の最上端つまり気液分離装置10の排出管取付部10cより
も高位置に液面を確保し得るように車両の比較的高所に
設置され、かつその底部に前記第1補助冷媒通路16と第
2補助冷媒通路23とが接続されている。そして、第1補
助冷媒通路16の通路中には常開型の第3電磁弁24が介装
されている。また、上記第2補助冷媒通路23は三方弁で
ある第2電磁弁25を介して上述した冷媒循環通路15の冷
媒供給ポンプ4上流側(吸入側)に接続されている。第
2電磁弁25は、非通電時には冷媒循環通路15を遮断して
第2補助冷媒通路23と冷媒供給ポンプ4とを連通し(流
路A)、通電時には上記第2補助冷媒通路23を遮断して
冷媒循環通路15を連通状態(流路B)に維持するもので
ある。
するリザーバタンク21は、通気機能を有するキャップ22
を介して大気に開放されているとともに、上記循環回路
の最上端つまり気液分離装置10の排出管取付部10cより
も高位置に液面を確保し得るように車両の比較的高所に
設置され、かつその底部に前記第1補助冷媒通路16と第
2補助冷媒通路23とが接続されている。そして、第1補
助冷媒通路16の通路中には常開型の第3電磁弁24が介装
されている。また、上記第2補助冷媒通路23は三方弁で
ある第2電磁弁25を介して上述した冷媒循環通路15の冷
媒供給ポンプ4上流側(吸入側)に接続されている。第
2電磁弁25は、非通電時には冷媒循環通路15を遮断して
第2補助冷媒通路23と冷媒供給ポンプ4とを連通し(流
路A)、通電時には上記第2補助冷媒通路23を遮断して
冷媒循環通路15を連通状態(流路B)に維持するもので
ある。
一方、上述した循環系の最上部である気液分離装置10
の排出管取付部10cには、系内の空気を排出するための
空気排出通路26が接続されており、かつ空気排出時に同
時に溢れ出た液相冷媒を回収するために、上記空気排出
通路26の先端部がリザーバタンク21内に挿入され、その
比較的上部に開口している。そして、この空気排出通路
26には、常閉型の第1電磁弁27が介装されている。
の排出管取付部10cには、系内の空気を排出するための
空気排出通路26が接続されており、かつ空気排出時に同
時に溢れ出た液相冷媒を回収するために、上記空気排出
通路26の先端部がリザーバタンク21内に挿入され、その
比較的上部に開口している。そして、この空気排出通路
26には、常閉型の第1電磁弁27が介装されている。
前記各電磁弁24,25,27と冷媒供給ポンプ4及び冷却フ
ァン14は、いわゆるマイクロコンピュータシステムを用
いた制御装置31によって駆動制御されるもので、具体的
には、冷却ジャケット2に設けた第1液面センサ32,温
度センサ33,ロアタンク13に設けた第2液面センサ34,及
び循環回路最上部に設けた負圧スイッチ35の各検出信号
に基づいて後述する制御が行われる。
ァン14は、いわゆるマイクロコンピュータシステムを用
いた制御装置31によって駆動制御されるもので、具体的
には、冷却ジャケット2に設けた第1液面センサ32,温
度センサ33,ロアタンク13に設けた第2液面センサ34,及
び循環回路最上部に設けた負圧スイッチ35の各検出信号
に基づいて後述する制御が行われる。
ここで上記第1,第2液面センサ32,34は例えばリード
スイッチを利用したフロート式センサ等が用いられ、冷
媒液面が設定レベルに達しているか否かをオン・オフ的
に検出するものであって、第1液面センサ32はその検出
レベルがシリンダヘッド6の略中間程度の高さ位置に設
定され、かつ第2液面センサ34はその検出レベルが第1
補助冷媒通路16の開口よりも僅かに上方の高さ位置に設
定されている。また温度センサ33は例えばサーミスタか
らなり、上記第1液面センサ32の若干下方位置つまり通
常液相冷媒内に没入する位置に設けられて、冷却ジャケ
ット2内の冷媒温度を検出している。また負圧スイッチ
35は、大気圧と系内圧力との差圧に応動するダイヤフラ
ムを用いたもので、高地,低地等に拘わらず使用環境下
における大気圧に対し系内が負圧であるか否かを検出し
ており、具体的には−30mmHg〜−50mmHg程度に作動圧を
設定してある。
スイッチを利用したフロート式センサ等が用いられ、冷
媒液面が設定レベルに達しているか否かをオン・オフ的
に検出するものであって、第1液面センサ32はその検出
レベルがシリンダヘッド6の略中間程度の高さ位置に設
定され、かつ第2液面センサ34はその検出レベルが第1
補助冷媒通路16の開口よりも僅かに上方の高さ位置に設
定されている。また温度センサ33は例えばサーミスタか
らなり、上記第1液面センサ32の若干下方位置つまり通
常液相冷媒内に没入する位置に設けられて、冷却ジャケ
ット2内の冷媒温度を検出している。また負圧スイッチ
35は、大気圧と系内圧力との差圧に応動するダイヤフラ
ムを用いたもので、高地,低地等に拘わらず使用環境下
における大気圧に対し系内が負圧であるか否かを検出し
ており、具体的には−30mmHg〜−50mmHg程度に作動圧を
設定してある。
一方、前記気液分離装置10の底部には還流通路41が接
続しており、該還流通路41は冷却ジャケット2の下部に
連通する還流通路42と合流して還流ポンプ43を介し冷媒
ギャラリ44に接続し、該冷媒ギャラリ44から分岐通路45
を通じてシリンダヘッド6内の冷却ジャケット2内に連
通している。分岐通路45の冷却ジャケット2への開口方
向は夫々の気筒の高温化傾向にある部分例えば排気バル
ブシート近傍等(以下ホットスポットという)に向けら
れる。このように高温化傾向にある部分は冷媒の蒸発が
活発に行われるから冷却ジャケット壁面(燃焼室壁面)
に冷媒が行きわたらなくなり易く、気化潜熱による冷却
効果が劣るため、この部分に液相冷媒を集中的に供給す
るのである。
続しており、該還流通路41は冷却ジャケット2の下部に
連通する還流通路42と合流して還流ポンプ43を介し冷媒
ギャラリ44に接続し、該冷媒ギャラリ44から分岐通路45
を通じてシリンダヘッド6内の冷却ジャケット2内に連
通している。分岐通路45の冷却ジャケット2への開口方
向は夫々の気筒の高温化傾向にある部分例えば排気バル
ブシート近傍等(以下ホットスポットという)に向けら
れる。このように高温化傾向にある部分は冷媒の蒸発が
活発に行われるから冷却ジャケット壁面(燃焼室壁面)
に冷媒が行きわたらなくなり易く、気化潜熱による冷却
効果が劣るため、この部分に液相冷媒を集中的に供給す
るのである。
還流ポンプ43は、内燃機関1の吸気通路46に介装した
スロットル弁47が所定値以上に開いたときにオンとなる
スロットルスイッチ48により常開のリレー49を閉成し、
励磁される電動ポンプである。従って還流ポンプ43は機
関が所定値以上の出力を出す領域で回転駆動される。
スロットル弁47が所定値以上に開いたときにオンとなる
スロットルスイッチ48により常開のリレー49を閉成し、
励磁される電動ポンプである。従って還流ポンプ43は機
関が所定値以上の出力を出す領域で回転駆動される。
上記のように構成された冷却装置の基本的な冷却メカ
ニズムを説明すると、通常運転中冷却ジャケット2内に
は所定レベルつまり第1液面センサ32の設定レベルまで
液相冷媒が貯留されているのであるが、この液相冷媒
は、機関の燃焼熱によって加熱されると、そのときの系
内の圧力に応じた沸点に達したところで沸騰を開始し、
気化潜熱を奪って蒸発気化する。このとき、冷媒は冷却
ジャケット2内の高温部で特に活発に沸騰して多量の熱
を奪うので、燃焼室近傍など通常高温化し易いヒートス
ポット部位も均一な温度に保たれ、つまり温度差の少な
い効果的な冷却を行えることになる。
ニズムを説明すると、通常運転中冷却ジャケット2内に
は所定レベルつまり第1液面センサ32の設定レベルまで
液相冷媒が貯留されているのであるが、この液相冷媒
は、機関の燃焼熱によって加熱されると、そのときの系
内の圧力に応じた沸点に達したところで沸騰を開始し、
気化潜熱を奪って蒸発気化する。このとき、冷媒は冷却
ジャケット2内の高温部で特に活発に沸騰して多量の熱
を奪うので、燃焼室近傍など通常高温化し易いヒートス
ポット部位も均一な温度に保たれ、つまり温度差の少な
い効果的な冷却を行えることになる。
そして、冷却ジャケット2内で発生した冷媒蒸気は、
気相冷媒通路9a,9bを介してコンデンサ3に導かれ、こ
こで外気との熱交換により冷却されて凝縮液化する。コ
ンデンサ3においては、高温蒸気と外気との間で良好な
熱交換が行われ、凝縮潜熱を放出して、通常の水冷式冷
却装置のラジエータに比較し遥かに放熱効率が優れたも
のとなる。
気相冷媒通路9a,9bを介してコンデンサ3に導かれ、こ
こで外気との熱交換により冷却されて凝縮液化する。コ
ンデンサ3においては、高温蒸気と外気との間で良好な
熱交換が行われ、凝縮潜熱を放出して、通常の水冷式冷
却装置のラジエータに比較し遥かに放熱効率が優れたも
のとなる。
液化した冷媒は、コンデンサ3下部のロアタンク13に
一時貯留されると共に、ここから冷媒供給ポンプ4によ
って、冷却ジャケット2内の液面を第1液面センサ32で
モニターしつつ所定レベル以上に保つように再び冷却ジ
ャケット2へ循環供給される。かかる冷媒循環サイクル
は第1電磁弁27を閉、第2電磁弁25をB位置、第3電磁
弁24を閉として冷媒供給ポンプ4の作動により行われ
る。
一時貯留されると共に、ここから冷媒供給ポンプ4によ
って、冷却ジャケット2内の液面を第1液面センサ32で
モニターしつつ所定レベル以上に保つように再び冷却ジ
ャケット2へ循環供給される。かかる冷媒循環サイクル
は第1電磁弁27を閉、第2電磁弁25をB位置、第3電磁
弁24を閉として冷媒供給ポンプ4の作動により行われ
る。
このように、基本的には空気を除去した密閉循環回路
内に所定量の冷媒が封入され、この冷媒が沸騰・凝縮の
サイクルを繰り返しつつ循環して、効率の良い沸騰冷却
が行われる。
内に所定量の冷媒が封入され、この冷媒が沸騰・凝縮の
サイクルを繰り返しつつ循環して、効率の良い沸騰冷却
が行われる。
一方、循環系外に設けられたリザーバタンク21には、
循環回路内全体を十分に満水にし得る量の予備液相冷媒
が貯留されるようになっており、始動時に第1電磁弁27
を開、第2電磁弁25を流路A位置、第3電磁弁24を閉と
して冷媒供給ポンプ4を作動することにより、予備液相
冷媒を一旦循環回路内に導入して空気排出通路26から空
気を排出し、余剰冷媒をリザーバタンク21に戻して系外
への空気抜きを行う。
循環回路内全体を十分に満水にし得る量の予備液相冷媒
が貯留されるようになっており、始動時に第1電磁弁27
を開、第2電磁弁25を流路A位置、第3電磁弁24を閉と
して冷媒供給ポンプ4を作動することにより、予備液相
冷媒を一旦循環回路内に導入して空気排出通路26から空
気を排出し、余剰冷媒をリザーバタンク21に戻して系外
への空気抜きを行う。
そして空気排出が完了した時点で第1電磁弁27を閉
じ、機関の運転により、冷媒が設定温度に達するのを待
つ。所定温度以上になって冷却ジャケット2内の液相冷
媒が沸騰すると蒸気圧により空気排出通路26から余剰の
液相冷媒がリザーバタンク21に押し出されて、上述した
封入冷媒量を所定量に規定し通常運転を行う。
じ、機関の運転により、冷媒が設定温度に達するのを待
つ。所定温度以上になって冷却ジャケット2内の液相冷
媒が沸騰すると蒸気圧により空気排出通路26から余剰の
液相冷媒がリザーバタンク21に押し出されて、上述した
封入冷媒量を所定量に規定し通常運転を行う。
運転中は冷却ジャケット2及びロアタンク13内の冷媒
液面が所定レベルに保たれるよう第1及び第2液面セン
サ32,34がモニターしつつ制御装置31が冷媒供給ポンプ
4及び第2,第3電磁弁25,24を作動して制御する。冷却
ジャケット2内の液面レベルが所定値より低下した場合
は、冷媒供給ポンプ4を駆動してロアタンク13内の冷媒
を冷却ジャケット2内に補給し、ロアタンク13内の液面
レベルが設定値より低下した場合は、第3電磁弁24を閉
じて蒸気の系外排出を防止しつつ冷却ジャケット2から
蒸発される気相冷媒がコンデンサ3内で凝縮しロアタン
ク13内に貯留されるのを待つ。冷却ジャケット2及びロ
アタンク13の液面が共に設定値より上昇した場合には第
3電磁弁24を開いてロアタンク13から系外のリザーバタ
ンク21へ余剰液相冷媒を排出する。このときの循環系内
は正圧である。
液面が所定レベルに保たれるよう第1及び第2液面セン
サ32,34がモニターしつつ制御装置31が冷媒供給ポンプ
4及び第2,第3電磁弁25,24を作動して制御する。冷却
ジャケット2内の液面レベルが所定値より低下した場合
は、冷媒供給ポンプ4を駆動してロアタンク13内の冷媒
を冷却ジャケット2内に補給し、ロアタンク13内の液面
レベルが設定値より低下した場合は、第3電磁弁24を閉
じて蒸気の系外排出を防止しつつ冷却ジャケット2から
蒸発される気相冷媒がコンデンサ3内で凝縮しロアタン
ク13内に貯留されるのを待つ。冷却ジャケット2及びロ
アタンク13の液面が共に設定値より上昇した場合には第
3電磁弁24を開いてロアタンク13から系外のリザーバタ
ンク21へ余剰液相冷媒を排出する。このときの循環系内
は正圧である。
尚走行風等を受けて系内が過冷になり負圧状態になる
と、負圧スイッチ35がこれを検出して第3電磁弁24を開
き、圧力差により逆にリザーバタンク21から液相冷媒を
ロアタンク13内に導入し、コンデンサ3の放熱面積を狭
める制御が行われて放熱効率を低下させ、系内圧力を回
復する。
と、負圧スイッチ35がこれを検出して第3電磁弁24を開
き、圧力差により逆にリザーバタンク21から液相冷媒を
ロアタンク13内に導入し、コンデンサ3の放熱面積を狭
める制御が行われて放熱効率を低下させ、系内圧力を回
復する。
制御装置31は、冷媒温度を検出する温度センサ33と、
機関回転速度、アクセルペダル開度、燃料供給量等を検
出する図示しない各センサからの信号に基づいて、前記
冷却ファン14を駆動制御し、機関の冷却温度を運転条件
に応じて最適値に設定する。
機関回転速度、アクセルペダル開度、燃料供給量等を検
出する図示しない各センサからの信号に基づいて、前記
冷却ファン14を駆動制御し、機関の冷却温度を運転条件
に応じて最適値に設定する。
つまり、冷却系内は閉回路となっているため、系内の
圧力を変化させると冷媒の沸点を上下変化させることが
できるが、この圧力は冷媒の温度制御により可能とな
る。例えば機関の発熱量が比較的少ない低負荷時には、
冷却ファン14の風量を減らしてコンデンサ3での放熱、
凝縮をある程度抑制し、冷却系内の圧力を大気圧以上に
高めることにより、冷媒の沸点を高める。これにより、
機関の冷媒温度を高めに維持して冷却損失の軽減を図
る。
圧力を変化させると冷媒の沸点を上下変化させることが
できるが、この圧力は冷媒の温度制御により可能とな
る。例えば機関の発熱量が比較的少ない低負荷時には、
冷却ファン14の風量を減らしてコンデンサ3での放熱、
凝縮をある程度抑制し、冷却系内の圧力を大気圧以上に
高めることにより、冷媒の沸点を高める。これにより、
機関の冷媒温度を高めに維持して冷却損失の軽減を図
る。
これに対して、エンジンの発熱量が多い高負荷時に
は、冷却ファン14の風量を増やしてコンデンサ3での放
熱、凝縮を促進する。すると系内の圧力が大気圧以下と
なり冷媒の沸点が下げられる。このようにして機関の冷
媒温度を低めに保ち、良好な冷却状態を確保する。
は、冷却ファン14の風量を増やしてコンデンサ3での放
熱、凝縮を促進する。すると系内の圧力が大気圧以下と
なり冷媒の沸点が下げられる。このようにして機関の冷
媒温度を低めに保ち、良好な冷却状態を確保する。
キーオフ時は循環系内の温度が所定値に低下するまで
は前記した冷媒液面制御等を行うが、所定値以下に達す
ると電源を切って制御を停止する。
は前記した冷媒液面制御等を行うが、所定値以下に達す
ると電源を切って制御を停止する。
尚、上記装置では、少量の冷却液でエンジンの冷却を
行えるから、冷却ジャケット2は勿論、コンデンサ3、
冷媒供給ポンプ4等も小さくてすみ、冷却系の小型軽量
化を図れる。また、エンジンの暖機時間を短縮すること
が可能になると共に、コンデンサ3での放熱効率が良好
になることから、冷却ファン14の駆動動力を低減でき、
騒音ならびに燃費の改善が図れるという利点がある。
行えるから、冷却ジャケット2は勿論、コンデンサ3、
冷媒供給ポンプ4等も小さくてすみ、冷却系の小型軽量
化を図れる。また、エンジンの暖機時間を短縮すること
が可能になると共に、コンデンサ3での放熱効率が良好
になることから、冷却ファン14の駆動動力を低減でき、
騒音ならびに燃費の改善が図れるという利点がある。
ところで冷却ジャケット2から送り出される蒸気(気
相冷媒)は、冷媒沸騰が激しくなると、冷却ジャケット
2内の気相空間が小さいため、気液混交の状態で気相冷
媒通路9aに流れ易く、これがそのままコンデンサ3に導
かれると液相冷媒が単に顕熱を利用した放熱であるので
放熱効率が悪くなる。このとき気液分離装置10において
気液混交冷媒がバッフルプレート10aに衝突して液相冷
媒を分離タンク底部に落下貯留し、気相冷媒のみがコン
デンサ3に導かれるため、放熱効率の低下を招かない。
相冷媒)は、冷媒沸騰が激しくなると、冷却ジャケット
2内の気相空間が小さいため、気液混交の状態で気相冷
媒通路9aに流れ易く、これがそのままコンデンサ3に導
かれると液相冷媒が単に顕熱を利用した放熱であるので
放熱効率が悪くなる。このとき気液分離装置10において
気液混交冷媒がバッフルプレート10aに衝突して液相冷
媒を分離タンク底部に落下貯留し、気相冷媒のみがコン
デンサ3に導かれるため、放熱効率の低下を招かない。
特にスロットル弁47が所定開度以上の高出力運転領域
に入ると冷却ジャケット2内における冷媒の沸騰が著し
くなり、液相冷媒の持ち出しが激しくなると共に、気相
冷媒通路9a,9bを流れる冷媒流速が速くなり、気液分離
装置10で一旦分離された液相冷媒が流速に引かれて下流
の気相冷媒通路9bに引き込まれ、結局気液分離が困難に
なる傾向となる。このときスロットルスイッチ48が閉成
しリレー49を閉じて還流ポンプ43を作動させ、気液分離
装置10内に貯留する液相冷媒を積極的に吸引し、気液分
離を確実に行う。そして分離した液相冷媒をシリンダブ
ロック5下部の蒸発率の低い即ち液相率の高い冷媒と共
に、冷媒ギャラリ44、分岐通路45を通じてシリンダヘッ
ド6内のヒートスポット例えば燃焼室壁の排気バルブシ
ート付近に集中的に供給する。
に入ると冷却ジャケット2内における冷媒の沸騰が著し
くなり、液相冷媒の持ち出しが激しくなると共に、気相
冷媒通路9a,9bを流れる冷媒流速が速くなり、気液分離
装置10で一旦分離された液相冷媒が流速に引かれて下流
の気相冷媒通路9bに引き込まれ、結局気液分離が困難に
なる傾向となる。このときスロットルスイッチ48が閉成
しリレー49を閉じて還流ポンプ43を作動させ、気液分離
装置10内に貯留する液相冷媒を積極的に吸引し、気液分
離を確実に行う。そして分離した液相冷媒をシリンダブ
ロック5下部の蒸発率の低い即ち液相率の高い冷媒と共
に、冷媒ギャラリ44、分岐通路45を通じてシリンダヘッ
ド6内のヒートスポット例えば燃焼室壁の排気バルブシ
ート付近に集中的に供給する。
その結果高出力運転時においても前記ヒートスポット
部表面は乾焼することなく絶えず冷媒が供給されるか
ら、核沸騰が維持されて気化潜熱による冷却作用が効率
良く行われるシリンダヘッド6内壁面温度の均一化が図
れると共にコンデンサ3への液相冷媒の持ち出しが防止
されてコンデンサ3の放熱機能を充分発揮できコンデン
サ3の縮小化を図ることができる。
部表面は乾焼することなく絶えず冷媒が供給されるか
ら、核沸騰が維持されて気化潜熱による冷却作用が効率
良く行われるシリンダヘッド6内壁面温度の均一化が図
れると共にコンデンサ3への液相冷媒の持ち出しが防止
されてコンデンサ3の放熱機能を充分発揮できコンデン
サ3の縮小化を図ることができる。
このようすると、分離した液相冷媒は温度が高いため
冷却ジャケット2内に還流した段階で直ちに気化し易い
状態にあり、これにより有効に気化潜熱を利用できるの
である。
冷却ジャケット2内に還流した段階で直ちに気化し易い
状態にあり、これにより有効に気化潜熱を利用できるの
である。
還流ポンプ43の駆動領域は、コンデンサ3における要
求放熱量が馬力におおよそ比例すると考えられるので、
実施例の如くスロットル弁開度を検出するだけでなく機
関回転速度をもあわせて考慮すると非常に有効である。
上記実施例の如く高出力領域でのみ還流ポンプ43を作動
させる場合には、暖機運転時等において冷媒が冷却ジャ
ケット2内でむしろ溜まり水であった方が暖機が早期に
なされるという利点を温存することができる。
求放熱量が馬力におおよそ比例すると考えられるので、
実施例の如くスロットル弁開度を検出するだけでなく機
関回転速度をもあわせて考慮すると非常に有効である。
上記実施例の如く高出力領域でのみ還流ポンプ43を作動
させる場合には、暖機運転時等において冷媒が冷却ジャ
ケット2内でむしろ溜まり水であった方が暖機が早期に
なされるという利点を温存することができる。
第2図には第2の実施例を示す。このものは先の実施
例において還流ポンプ43を消費電力の少ない電動ポンプ
としたのに対し、機関駆動による還流ポンプ43Aを採用
している。即ち機関のクランクシャフトに連動させ機関
回転速度に応じて回転駆動されるようにしたもので、還
流冷媒量は機関回転速度に対応するものである。
例において還流ポンプ43を消費電力の少ない電動ポンプ
としたのに対し、機関駆動による還流ポンプ43Aを採用
している。即ち機関のクランクシャフトに連動させ機関
回転速度に応じて回転駆動されるようにしたもので、還
流冷媒量は機関回転速度に対応するものである。
このものによると冷却ジャケット2内で沸騰率が大き
い機関高速回転領域で気液分離装置10の気液分離効果が
向上する。尚分岐通路45から冷媒をホットスポットに向
け導く最低還流量は、例えば1500rpmの登板時等の燃焼
室壁発熱量に対応させるのが望ましく、また低負荷領域
は気液分離装置10における気液分離効果もよくまた燃焼
室壁の発熱量も小さいため、クランクシャフトと還流ポ
ンプ43Aとの間に電磁クラッチ等を介装して低負荷時に
これを切断し、高負荷時にこれを接続するようにしてい
る。
い機関高速回転領域で気液分離装置10の気液分離効果が
向上する。尚分岐通路45から冷媒をホットスポットに向
け導く最低還流量は、例えば1500rpmの登板時等の燃焼
室壁発熱量に対応させるのが望ましく、また低負荷領域
は気液分離装置10における気液分離効果もよくまた燃焼
室壁の発熱量も小さいため、クランクシャフトと還流ポ
ンプ43Aとの間に電磁クラッチ等を介装して低負荷時に
これを切断し、高負荷時にこれを接続するようにしてい
る。
尚上記各実施例における還流ポンプ43,43Aの回転駆動
は冷媒供給ポンプ4の作動には何ら悪影響を及ぼさない
ものである。
は冷媒供給ポンプ4の作動には何ら悪影響を及ぼさない
ものである。
〈発明の効果〉 以上述べたように本発明に係る内燃機関の沸騰冷却装
置においては、冷却ジャケットからコンデンサに至る気
相冷媒通路の途中に気液分離装置を設けると共に、気液
分離装置に滞留する分離液相冷媒を還流ポンプにより冷
却ジャケット内に強制的に還流するようにしたので、液
相冷媒が気液分離装置により効果的に分離され、還流ポ
ンプで強制的に吸引される。このため機関が高速高負荷
運転状態であってもコンデンサには気相冷媒のみが導か
れることとなり、放熱効果が向上してコンデンサ容量を
小さくすることができる。
置においては、冷却ジャケットからコンデンサに至る気
相冷媒通路の途中に気液分離装置を設けると共に、気液
分離装置に滞留する分離液相冷媒を還流ポンプにより冷
却ジャケット内に強制的に還流するようにしたので、液
相冷媒が気液分離装置により効果的に分離され、還流ポ
ンプで強制的に吸引される。このため機関が高速高負荷
運転状態であってもコンデンサには気相冷媒のみが導か
れることとなり、放熱効果が向上してコンデンサ容量を
小さくすることができる。
さらに、前記気液分離装置で分離された液相冷媒を機
関の高温部に向けて供給するようになしたので、機関の
熱負荷の低減を効果的に図ることができ、延いては機関
の長寿命化を図ることができる。
関の高温部に向けて供給するようになしたので、機関の
熱負荷の低減を効果的に図ることができ、延いては機関
の長寿命化を図ることができる。
第1図は本発明の一実施例を示す概略構成図、第2図は
本発明の他の実施例を示す要部断面図である。 1…内燃機関、2…冷却ジャケット、3…コンデンサ、
4…冷媒供給ポンプ、9a,9b…気相冷媒通路、10…気液
分離装置、41…還流通路、43,43A…還流ポンプ、44…冷
媒ギャラリ、45…分岐通路
本発明の他の実施例を示す要部断面図である。 1…内燃機関、2…冷却ジャケット、3…コンデンサ、
4…冷媒供給ポンプ、9a,9b…気相冷媒通路、10…気液
分離装置、41…還流通路、43,43A…還流ポンプ、44…冷
媒ギャラリ、45…分岐通路
Claims (1)
- 【請求項1】所定量の液相冷媒が満たされる内燃機関の
冷却ジャケットと、 気相冷媒凝縮用のコンデンサと、 液相冷媒循環用の冷媒供給ポンプと、 を介装した環状の冷媒循環回路を備え、 冷却ジャケット内で吸熱し蒸発した気相冷媒の潜熱をコ
ンデンサにおいて放熱する内燃機関の沸騰冷却装置にお
いて、 前記冷却ジャケットとコンデンサとを接続する冷媒循環
回路の気相冷媒通路に気液分離装置を介装すると共に、 該気液分離装置で分離され滞留する分離液相冷媒を機関
の高温部に向けて供給するように冷却ジャケットに直接
還流すべく前記冷媒循環回路に並列に設けた還流通路
と、 該還流通路に介装されて機関高負荷運転時に前記分離液
相冷媒を還流させるように駆動制御される還流ポンプ
と、 を含んで構成した分離液相冷媒の還流装置を設けたこと
を特徴とする内燃機関の沸騰冷却装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59164213A JPH0830412B2 (ja) | 1984-08-07 | 1984-08-07 | 内燃機関の沸騰冷却装置 |
US06/762,394 US4622925A (en) | 1984-08-07 | 1985-08-05 | Cooling system for automotive engine or the like |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59164213A JPH0830412B2 (ja) | 1984-08-07 | 1984-08-07 | 内燃機関の沸騰冷却装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6143213A JPS6143213A (ja) | 1986-03-01 |
JPH0830412B2 true JPH0830412B2 (ja) | 1996-03-27 |
Family
ID=15788814
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59164213A Expired - Lifetime JPH0830412B2 (ja) | 1984-08-07 | 1984-08-07 | 内燃機関の沸騰冷却装置 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US4622925A (ja) |
JP (1) | JPH0830412B2 (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62154228U (ja) * | 1986-03-25 | 1987-09-30 | ||
US5092282A (en) * | 1990-06-21 | 1992-03-03 | Volkswagen Ag | Evaporation cooling system for an internal combustion engine |
FR2669962B1 (fr) * | 1990-11-30 | 1994-09-16 | Renault | Procede de refroidissement par evaporation pour moteur a combustion interne et dispositif de mise en óoeuvre. |
US5582138A (en) * | 1995-03-17 | 1996-12-10 | Standard-Thomson Corporation | Electronically controlled engine cooling apparatus |
US8661817B2 (en) * | 2007-03-07 | 2014-03-04 | Thermal Power Recovery Llc | High efficiency dual cycle internal combustion steam engine and method |
US8109097B2 (en) * | 2007-03-07 | 2012-02-07 | Thermal Power Recovery, Llc | High efficiency dual cycle internal combustion engine with steam power recovered from waste heat |
US8857385B2 (en) * | 2011-06-13 | 2014-10-14 | Ford Global Technologies, Llc | Integrated exhaust cylinder head |
US9719409B2 (en) | 2014-12-26 | 2017-08-01 | Ford Global Technologies, Llc | Method and system for engine cooling system control |
DE102017204824B3 (de) * | 2017-03-22 | 2018-06-14 | Ford Global Technologies, Llc | Kühlsystem einer Fahrzeugkraftmaschine aufweisend eine Separationseinheit |
KR102452554B1 (ko) * | 2018-04-06 | 2022-10-07 | 현대자동차주식회사 | 엔진 냉각수 기체 분리장치 및 이를 포함하는 엔진 냉각시스템 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3312204A (en) | 1966-07-28 | 1967-04-04 | Barlow Vapor Cooling Company | Internal combustion process and apparatus permitting the use of faster burning fuelsthan are normally used in high-compression automotive gasoline engines |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US1812899A (en) * | 1926-10-09 | 1931-07-07 | Waukesha Motor Co | Steam cooling system |
US2389789A (en) * | 1943-02-10 | 1945-11-27 | Little Inc A | Distillation method and apparatus |
US2443518A (en) * | 1945-10-10 | 1948-06-15 | Samuel W Rushmore | Cooling system for internal-combustion engines |
US2766740A (en) * | 1955-03-07 | 1956-10-16 | Adolph A Tacchella | Cooling system for internal combustion engines |
US2804860A (en) * | 1956-09-17 | 1957-09-03 | Adolph A Tacchella | Uniform temperature cooling system for engines |
US3223075A (en) * | 1964-05-13 | 1965-12-14 | Barlow Vapor Cooling Company | Ebullient cooling system |
US4367699A (en) * | 1981-01-27 | 1983-01-11 | Evc Associates Limited Partnership | Boiling liquid engine cooling system |
-
1984
- 1984-08-07 JP JP59164213A patent/JPH0830412B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1985
- 1985-08-05 US US06/762,394 patent/US4622925A/en not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3312204A (en) | 1966-07-28 | 1967-04-04 | Barlow Vapor Cooling Company | Internal combustion process and apparatus permitting the use of faster burning fuelsthan are normally used in high-compression automotive gasoline engines |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6143213A (ja) | 1986-03-01 |
US4622925A (en) | 1986-11-18 |
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