JPH08304036A - 塗膜の塗布ムラ検査方法及びその装置 - Google Patents

塗膜の塗布ムラ検査方法及びその装置

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JPH08304036A
JPH08304036A JP7136041A JP13604195A JPH08304036A JP H08304036 A JPH08304036 A JP H08304036A JP 7136041 A JP7136041 A JP 7136041A JP 13604195 A JP13604195 A JP 13604195A JP H08304036 A JPH08304036 A JP H08304036A
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coating
temperature
coating film
coating unevenness
substrate
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Tomoji Sato
友治 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多種類の塗膜に関して適用でき、その塗膜の
塗布ムラを高精度に測定できる塗膜の塗布ムラ検査方法
を提供する。 【構成】 パン1内に貯留された塗膜材料を塗布ロール
2によって長尺の基材5の表面に塗布する。赤外線カメ
ラ6の測温点は、塗膜が形成された基材5の表面を矢印
Bのように線状に往復走査移動する。この線状走査によ
り、基材5の塗膜面の温度が線状の温度分布として検出
される。基材上に塗布された塗膜面の温度は溶剤の蒸発
によって次第に低下するが、基材上における塗膜の塗布
量が部分的に変化すると、基材表面の温度の低下の大き
さも変化し、よって、基材表面の温度が塗布量に応じて
部分的に変化する。この温度変化を赤外線カメラ6の線
状の走査によって検出することにより、塗膜の塗布ムラ
を高精密に検査する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基材に塗布された塗膜
の塗布ムラを検査する塗膜の塗布ムラ検査方法及びその
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、EVOH(エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ケン化物)を含む基材のそのEVOH面にL
DPE(低密度ポリエチレン)を押し出しラミネートす
る場合には、基材上にLDPEをラミネートする前に接
着補助剤、いわゆるアンカーコート剤を基材上に塗布す
ることが多い。LDPEを基材上の全面にわたって強固
に接着するためには、アンカーコート剤を基材の全面に
わたって一様な厚さで均一に塗布しなければならない。
【0003】アンカーコート剤等といった塗膜が均一な
厚さに形成されているかどうかを検査するため、従来よ
り、種々の検査装置が提案されている。例えば、赤外吸
光を利用した検査方法が知られている。この検査方法
は、塗膜に照射した赤外線の強度と塗膜を透過した赤外
線の強度との割合を求め、その割合から塗膜の塗布ム
ラ、すなわち膜厚の変動を求めるという検査方法であ
る。しかしながら、基材の吸光周波数とアンカーコート
剤等の吸光周波数とが重なる場合はこの検査方法は使用
できない。また、基材に前もって印刷が施されている場
合にはインキの存在に影響されて正確な塗膜測定ができ
ないことがあった。さらに、基材及びアンカーコート剤
が数種類有る場合には、それぞれの組み合わせの検量線
をとる必要があり、その作業が大変であった。
【0004】塗膜の塗布ムラを検査するための他の従来
方法として、重量法を用いた方法も知られている。この
重量法というのは、塗膜を塗布してあるフィルムの重量
と、有機溶剤等で塗布膜を除去した後のフィルムの重量
とを比較することにより、塗膜の重量、すなわち膜厚を
測定する方法である。また、その他の重量法として、ア
ンカーコート剤の使用量、すなわち減少量をロードセル
によって測定し、一方、塗布面積を他の情報から入手す
ることによって、塗布量を算出する方法がある。しかし
ながらこれらの重量法では、塗膜の塗布量が少ない場合
にそれに応じて塗膜の重量の変化量も少なくなるので、
正確な塗布ムラ測定ができないという問題があった。
【0005】また、特開平2−309205号公報によ
れば、粘着テープを前もって加熱し、その後、その粘着
テープから放射される赤外線エネルギを赤外線センサに
よってスリット幅ごとに検出し、その検出した赤外線エ
ネルギに基づいて蓄熱量を求め、その蓄熱量に基づいて
粘着テープの粘着剤層の厚さを測定する。しかしながら
この方法では、測定対象の基材及び塗布剤に関して予め
加熱量と蓄熱量との関係を検査しておき、測定された蓄
熱量を基準となる蓄熱量といちいち比較しなければなら
ず、測定作業が非常に面倒であった。また、測定対象の
基材及び塗布剤が複数種類ある場合には、それらの個々
について基準蓄熱量を検査しておき、さらにそれらを測
定された蓄熱量と個別に比較しなければならないので、
測定作業がより一層面倒になる。
【0006】さらに、特開平2−90008号公報によ
れば、基板上に塗布したレジスト膜の膜厚を赤外線検出
器を用いて測定するようにした装置が開示されている。
この装置では、レジストが塗布された基板の全体を前も
って加熱し、その後、赤外線検出器によって基板の全面
の温度分布を測定することにより、基板全面の内部蓄積
エネルギのエネルギ分布を求め、このエネルギ分布に基
づいてレジストの膜厚を測定する。しかしながらこの従
来装置では、基板の内部に蓄積されるエネルギの分布を
基板の全面にわたって相対的に求めるようにしたので、
やはり、高精度の膜厚測定ができなかった。
【0007】また、特開平2−309205号公報に開
示された方法と同様に、測定対象物を前もって加熱して
から測定を行う方式なので、基準となる蓄熱量を予め検
査しておかなければならず、それに伴う作業の困難性が
あった。さらに、測定対象の全体を前もって加熱しなけ
ればならないので、迅速な測定が困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の塗布
ムラ検査方法における上記の問題点を解消するためにな
されたものであって、塗膜の塗布ムラを高精度に測定で
き、測定対象の基材及び塗膜が多種類にわたる場合にも
容易に対応でき、さらに塗布ムラの測定を迅速に行うこ
とができる塗膜の塗布ムラ検査方法及びその装置を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る塗膜の塗布ムラ検査方法は、塗膜を線
状に走査して温度分布を測定し、その温度分布範囲内の
温度差に基づいて塗膜の塗布ムラを求めることを特徴と
する。塗膜に関する温度分布の具体的な測定方法は種々
考えられるが、例えば、塗膜を基材上に塗布して形成さ
れた積層材をその長手方向に搬送し、赤外線カメラによ
る測温点を積層材の幅方向へ線状に走査移動させ、赤外
線カメラによって検出される赤外線エネルギに基づいて
塗膜に関する線状の温度分布を測定するという方法を採
用できる。測定対象となる塗膜の材質は、特定のものに
限定されないが、溶剤を含む材料によって形成される塗
膜であることが望ましい。その理由は、溶剤の蒸発によ
る気化熱が発生する際、塗膜の塗布量に相違があるとそ
の相違に応じて比較的大きな温度変化が生じるので、小
さな塗布量の変化をも確実に検出できるようになるから
である。
【0010】また、本発明に係る塗膜の塗布ムラ検査装
置は、基材の塗膜面を線状に走査して温度を検出する温
度検出手段と、温度検出手段の出力信号に基づいて温度
分布を演算しその温度分布範囲内の温度差に基づいて塗
膜の塗布ムラを検出する塗布ムラ演算部とを有すること
を特徴とする。温度検出手段は、例えば、赤外線カメラ
を有する検出系によって構成できる。また、塗膜の塗布
ムラが許容限界を外れるときに警報を発する警報手段を
設けることもできる。
【0011】
【作用】本発明に係る塗膜の塗布ムラ検査方法及び検査
装置によれば、測定対象である基材を線状に走査してそ
の温度分布を求める。例えば、赤外線カメラによる測温
点を基材の幅方向へ線状に走査移動させて基材から放射
される赤外線エネルギをその赤外線カメラによって検出
する。周知の通り、物体から放射される赤外線エネルギ
の量は物体の温度と相関関係があるので、検出された赤
外線エネルギから走査線方向に沿った塗膜の温度分布が
得られる。塗膜材料は、一般に、主たる材料を溶剤に溶
かした状態で基材に塗布される。この溶剤は、基材に塗
布された後にその基材から蒸発し、その際、気化熱の影
響により基材に温度変化が生じる。
【0012】基材上に塗布された塗膜に塗布ムラが無く
てその塗布量が均一であれば、基材の温度変化も全面に
わたって均一である。他方、塗膜の塗布量が部分的に変
化するときには、その部分における基材の温度変化量が
他の部分の変化量に比べて異なってくる。従って、基材
に関する温度分布を測定すれば塗膜の塗布ムラを検査す
ることができる。特に、本発明では、広い範囲内での温
度分布を測定するのではなくて、線状の走査軌跡に沿っ
た温度分布を測定しその温度分布範囲内での温度差に基
づいて塗布量の変動、すなわち塗布ムラを検出するよう
にしたので、基材に発生する微小な温度変化、従って塗
布ムラを高精度に検出できる。
【0013】
【実施例】図1は、本発明に係る塗膜の塗布ムラ検査装
置をアンカーコート剤の塗布装置に設置した場合の一実
施例を示している。ここに示したアンカーコート剤の塗
布装置は、アンカーコート剤を貯留したパン1と、パン
1内に回転可能に配置された塗布ロール、例えばグラビ
アロール2と、そのロール2に圧力下で接触する加圧ロ
ール3と、そして乾燥ボックス4とを有している。長尺
の基材5は、加圧ロール3とグラビアロール2との間を
通して矢印Aのように搬送され、その際、グラビアロー
ル2に接触するときにその表面上にアンカーコート剤が
塗布される。塗布されたアンカーコート剤は乾燥ボック
ス4の中へ送り込まれ、その乾燥ボックスの中で乾燥さ
れることによって基材上に定着される。
【0014】本発明に係る塗布ムラ検査装置は、図2に
示すように、赤外線エネルギを検出する赤外線カメラ6
と、その赤外線カメラ6による測温点の走査移動を制御
するカメラ駆動系10と、コンピュータによって構成さ
れた制御装置7と、CRT8と、そしてプリンタ9とを
有している。赤外線カメラ6は、図1に示すように、グ
ラビアロール2から出て乾燥ボックス4へ送り込まれる
部分の基材5に対向して配設される。赤外線カメラ6
は、その内部に高速回転ミラー等といった走査系を備え
ており、この走査系の働きにより、カメラ6の測温点は
矢印Bに示すように基材5の上を幅方向へ線状に走査移
動する。図2において、制御装置7は中央処理装置(C
PU)11及びメインメモリ12を有している。CPU
11内の演算処理部は、赤外線カメラ6の出力信号に基
づいて塗膜の塗布ムラを検出する塗布ムラ演算部を含ん
でいる。CPU11は、メモリ12内に格納された所定
のプログラムに従って塗布ムラ検査のためのプロセスを
演算し、その演算結果をCRT8上に映像として表示し
たり、あるいはプリンタ9によってハードコピーする。
また、CPU11の出力ポートには、警告を報じるため
の警報装置13が接続される。警報としては、音声によ
る警報、視覚的表示による警報、その他任意の警報を採
用できる。
【0015】以上のように構成された塗布ムラ検査装置
では、図1において、基材5がグラビアロール2から乾
燥ボックス4へ搬送される間に、赤外線カメラ6によっ
て基材5の塗膜面が矢印Bのように線状に走査される。
基材5は長手方向、すなわち矢印A方向へ搬送されるの
で、結果的にカメラ6は、図4に符号Cで示すように基
材5を斜め方向へ連続的に往復走査移動する。この走査
移動の間、アンカーコート剤が塗布された基材5から放
射される赤外線エネルギが赤外線カメラ6によって検出
されそのエネルギ量に対応した電気信号がCPU11
(図2)へ送られる。
【0016】CPU11は、送られたエネルギ信号を参
照しつつ、所定の演算式に基づいて基材5の上に塗布さ
れたアンカーコート剤の温度を演算する。演算式として
は、例えば下式を用いることができる。 W=εσT4 ‥‥ (1) 但し、W:赤外線エネルギ T:基材温度 ε:放射率(≦1) σ:定数 以上の演算結果は、例えば図3に示すように、赤外線カ
メラ6による走査線方向に沿った温度分布としてCRT
8に表示されたり、あるいは、プリンタ9によってプリ
ントされる。
【0017】グラビアロール2によってアンカーコート
剤が基材5の表面上に塗布された後、それが乾燥ボック
ス4へ入るまでの間、アンカーコート剤に含まれる溶剤
の蒸発によりアンカーコート剤層を含めた基材5の温度
が変化、具体的には、低下する。塗布されたアンカーコ
ート剤の層厚が均一である場合は、温度変化の大きさも
均一であるから、赤外線カメラ6によって測定される温
度分布は一定のレベル(図3の符号L2)を表示する。
今、アンカーコート剤の層厚が部分的に薄く形成される
と、その部分の溶剤の蒸発量は小さいので気化熱に起因
する温度低下も小さく、よってその部分の温度は、図3
に符号Dで示すように他の部分よりも高くなる。本実施
例では、赤外線カメラの線状走査によって温度分布を測
定するので、微小領域内での温度変化であってもそれを
確実に検出できる。
【0018】図3において、測定された温度が所定の基
準値Rよりも高いときには、塗布されたアンカーコート
剤の量が許容限界量よりも少ないものと判定できる。よ
ってこのときには、警報装置13を作動させてアンカー
コート剤の塗布状態が不良であることを表示する。な
お、このときの基準値Rの値としては、基材5及びアン
カーコート剤の材質に応じた適切な値、あるいは図1に
示したアンカーコート剤の塗布装置を配設した環境に応
じた適切な値を選択する。具体的には、経験的に選択さ
れる一定の値を基準値Rとして決めることができる。ま
た、図3における走査線方向に沿った適宜の範囲内にお
ける温度の平均値を算出してその平均値を基準値Rとし
て決めることができる。また、連続して得られる平均値
を順次集計して平均値を更新するようにしても良い。
【0019】基準値Rを一定値とした場合には、演算の
ためのプロセスを簡単にすることができるが、図1に示
す塗布装置が置かれた環境温度が変化すると、測定され
る温度変化がその都度変動して正確な測定ができなくな
るおそれもある。これに対し、測定された温度から平均
値を求め、その平均値を基準として温度変化を見るよう
にすれば、環境温度が様々に変化する場合にもアンカー
コート剤の塗布ムラを正確に測定できる。例えば、冬場
に室外に置いておいた原反に対してすぐに塗膜を塗布す
る場合と、その原反を室内にしばらく置いた後に塗膜を
塗布する場合とを考えるとき、基準値Rが常に一定であ
ると、それぞれの場合で温度差が変動するが、測定温度
の平均値をもって基準値Rとすれば、そのような環境温
度変化がある場合でも温度差の変動を小さく抑えること
ができる。
【0020】図1及び図2に示す塗膜の塗布ムラ検査装
置を用いて実験を行ったところ以下のような結果を得
た。
【0021】(実験条件) 1.使用機器:日本アビオニクス(株)製の赤外線熱画
像装置(商品名:ハンディサーモTVS−100シリー
ズ(但し、この装置において赤外線カメラをラインスキ
ャンモードで走査移動させて測定を行った。) 2.基材:OPP(延伸ポリプロピレン)/インキ 3.アンカーコート剤:ポリエステル系アンカーコート
剤(酢酸エチル/トルエン混合溶剤) 4.アンカーコート剤の塗布量: 3.5g/m2 ウエット(ウエット=溶剤分を含んだ塗
布量) 5.図1において、基材5から赤外線カメラ6までの距
離D1を500〜900mm、グラビアロール2から出
て乾燥ボックス4へ至るまでの基材の長さD2を300
mmとした。
【0022】(実験結果) 1.アンカーコート剤の塗布前の基材温度は25.0℃
であった。但し、上式(1)において放射率ε=1とし
て測定した。
【0023】2.アンカーコート剤を基材上に希望する
厚さで均一に塗布したところ、その塗布後の基材温度は
23.0℃であった。但し、放射率ε=1とした。
【0024】3.図6に示すように、加圧ロール3を片
圧状態に設定した。この片圧状態というのは、片側(P
側)を正常な圧力に設定し、片側(Q側)を低圧力に設
定した状態である。この状態では、図5に示すように、
基材5のP側の所定範囲の領域Eにアンカーコート剤1
4が正常な厚さで塗布され、一方、Q側の所定範囲の領
域Fに塗布されたアンカーコート剤14の塗布厚さは薄
くなった。こうして得られた基材に対して温度分布を測
定したところ、塗布量の少ない領域Fの温度は塗布量が
正常である領域Eの温度に比べて0.5〜1.0℃高か
った。従って、この温度差を測定することにより、アン
カーコート剤の膜厚変化を検出できる。
【0025】4.図8に示すように、加圧ロール3の片
側(Q側)の所定領域の圧力を0(ゼロ)に設定した。
この状態では、図7に示すように、基材5のQ側の一部
分Gにアンカーコート剤が塗布されない部分が形成され
た。こうして得られた基材に対して温度分布を測定した
ところ、塗布されていない領域Gの温度は塗布量が正常
である領域Eの温度に比べて1.5〜2.0℃高かっ
た。
【0026】5.なお、赤外線カメラは1ラインを1/
15秒で走査するように設定し、また、基材の搬送速度
を120m/minとした。この結果、図4において、
1本の走査ラインの基材の長手方向成分の長さは133
mmになった。この程度の走査線間隔でも正確な測定が
できた。
【0027】6.アンカーコート剤の塗布から赤外線カ
メラによる測定が行われるまでの距離は200mm程度
であった。その結果、アンカーコート剤の塗布から赤外
線カメラによる測定が行われるまでの時間は0.1秒程
度であった。
【0028】以上の実験結果より、赤外線カメラを用い
て基材を線状に走査して基材の線状の温度分布を測定す
ることにより、基材上のアンカーコート剤の塗布量の変
化、すなわち塗布ムラを微小領域の単位で精密に検出で
きることが判明した。
【0029】また、本実施例は気化熱に起因する基材の
温度変化に基づいて塗膜の塗布ムラを測定するので、吸
光法や重量法を用いた測定方法に比べて、より多種類の
基材及び塗膜に対して正確な測定を行うことができる。
例えば、水性アンカーコート剤、溶剤系アンカーコート
剤、接着剤、ホットメルト系(すなわち、加熱すること
により接着性が発現する)接着剤及び薬剤等といった各
種の塗膜の塗布ムラを検出できる。また、気化熱に起因
する基材の温度変化に基づいて塗膜の塗布ムラを測定す
るので、塗布量の多少に関わらずその塗布ムラを正確に
検出できる。なお以上の説明では、主に、塗膜の塗布量
が正常の場合に比べて少なくなる場合を例に挙げて説明
したが、塗膜の塗布量が正常の場合に比べて多くなる場
合も同様にして測定できる。
【0030】
【発明の効果】請求項1記載の塗膜の塗布ムラ検査方法
及び請求項5記載の塗布ムラ検査装置によれば、温度検
出手段によって塗膜を線状に走査してその走査線に沿っ
た温度分布を検出するようにしたので、塗膜に対して広
い範囲の温度分布を測定してその温度分布に基づいて塗
布ムラを検出するようにした従来方法及び装置に比べ
て、狭い領域の塗布ムラをも正確に測定できるようにな
った。
【0031】また、測定対象物を前もって加熱してから
測定を行う必要がないので、高速の測定、例えば120
m/minの高速測定が実現できる。また、温度分布範
囲内の温度差に基づいて塗布ムラを検出するので、測定
対象の基材及び塗膜が多種類にわたる場合でも、問題な
く測定を行うことができる。
【0032】請求項2記載の塗布ムラ検査方法及び請求
項6記載の塗布ムラ検査装置によれば、簡単で確実な方
法により、しかも基材や塗膜に非接触の状態で塗膜の温
度分布を正確に検出できる。
【0033】請求項3記載の塗布ムラ検査方法によれ
ば、塗膜の塗布量の違いが大きな温度変化になって現れ
るので、塗布ムラをより一層確実に検出できる。
【0034】請求項4記載の塗布ムラ検査方法によれ
ば、基材及び塗膜を取り囲む環境温度が種々に変化する
場合でも、誤差を生じることなく正確に、塗膜の塗布ム
ラを測定できる。
【0035】請求項7記載の塗布ムラ検査装置によれ
ば、オペレータは塗膜の塗布ムラの異常を自動的に知る
ことができる。
【0036】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る塗膜の塗布ムラ検査方法を説明す
るための塗膜塗布装置の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る塗膜の塗布ムラ検査装置の一実施
例を示す回路ブロック図である。
【図3】図2に示す塗布ムラ検査装置によって得られた
検査結果の一例を示す図である。
【図4】図2に示す塗布ムラ検査装置によって実行され
る温度分布の測定のための測温点の走査移動軌跡の一例
を模式的に示す図である。
【図5】塗膜に塗布ムラが生じている場合の一例を示す
断面図である。
【図6】図5に示す塗布ムラを生じさせるロール配置を
示す図である。
【図7】塗膜に塗布ムラが生じている場合の他の一例を
示す断面図である。
【図8】図7に示す塗布ムラを生じさせるロール配置を
示す図である。
【符号の説明】
1 塗膜材料を貯留するパン 2 グラビアロール 3 加圧ロール 4 乾燥ボックス 5 基材 6 赤外線カメラ 7 制御装置 14 アンカーコート剤(塗膜)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材に塗布された塗膜の塗布ムラを検査
    する塗膜の塗布ムラ検査方法において、塗膜を線状に走
    査して温度分布を測定し、その温度分布範囲内の温度差
    に基づいて塗膜の塗布ムラを求めることを特徴とする塗
    膜の塗布ムラ検査方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の塗膜の塗布ムラ検査方法
    において、塗膜が塗布された基材をその長手方向に搬送
    し、赤外線カメラによる測温点を基材の塗膜面の幅方向
    へ線状に走査移動させ、赤外線カメラによって検出され
    る赤外線エネルギーに基づいて基材の塗膜面に関する線
    状の温度分布を測定することを特徴とする塗膜の塗布ム
    ラ検査方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の塗膜の塗布
    ムラ検査方法において、塗膜は溶剤を含む材料によって
    形成され、そして上記温度分布は気化熱に起因する塗膜
    の温度変化を含むことを特徴とする塗膜の塗布ムラ検査
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のうちのいずれか
    1つに記載の塗膜の塗布ムラ検査方法において、上記温
    度分布範囲内の平均値を算出し、その平均値からの温度
    差に基づいて塗布ムラを判定することを特徴とする塗膜
    の塗布ムラ検査方法。
  5. 【請求項5】 基材に塗布された塗膜の塗布ムラを検査
    する塗膜の塗布ムラ検査装置において、基材の塗膜面を
    線状に走査して温度を検出する温度検出手段と、温度検
    出手段の出力信号に基づいて温度分布を演算しその温度
    分布範囲内の温度差に基づいて塗膜の塗布ムラを検出す
    る塗布ムラ演算部とを有することを特徴とする塗膜の塗
    布ムラ検査装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の塗膜の塗布ムラ検査装置
    において、温度検出手段は赤外線カメラを有することを
    特徴とする塗膜の塗布ムラ検査装置。
  7. 【請求項7】 請求項5又は請求項6記載の塗膜の塗布
    ムラ検査装置において、塗膜の塗布ムラが許容限界を外
    れるときに警報を発する警報手段を設けたことを特徴と
    する塗膜の塗布ムラ検査装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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