JPH083039A - 抗ウイルス剤 - Google Patents

抗ウイルス剤

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JPH083039A
JPH083039A JP13854594A JP13854594A JPH083039A JP H083039 A JPH083039 A JP H083039A JP 13854594 A JP13854594 A JP 13854594A JP 13854594 A JP13854594 A JP 13854594A JP H083039 A JPH083039 A JP H083039A
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Japan
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substituent
virus
naphtho
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JP13854594A
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English (en)
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Kiyoshi Satou
瀏 佐藤
Tsuyoshi Kajiyashiki
強 鍛冶屋敷
Tomoyuki Yokota
智之 横田
Kenji Shudo
健治 周藤
Wataru Watanabe
渡 渡辺
Shiro Shigeta
士郎 茂田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SOYAKU GIJUTSU KENKYUSHO KK
Original Assignee
SOYAKU GIJUTSU KENKYUSHO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式 【化1】 で示されるナフト[1,8−cd]−1,2−ジチオー
ル誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分
として含有する抗ウイルス剤。 【効果】 優れた抗ウイルス活性を有し、RSウイルス
に代表されるウイルス性疾患の予防的または治療的処置
に有効な抗ウイルス剤が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ナフト[1,8−c
d]−1,2−ジチオール誘導体またはその薬理学的に
許容される塩を有効成分として含有する抗ウイルス剤に
関する。本発明により提供される抗ウイルス剤は、RS
ウイルス(Respiratory syncytial virus )が関与する
上気道炎、下気道炎、気管支炎、毛細気管支炎、クルー
プなどの呼吸器系疾患に代表される、ウイルス性疾患の
予防的または治療的処置に有効である。
【0002】
【従来の技術】従来、ウイルス性疾患の治療に用いられ
る薬剤としては、抗ヘルペス剤としてアシクロビル(グ
アニン誘導体)、ガンシクロビル(グアニン誘導体)、
イドクスウリジン(2′−デオキシ−5−ヨードウリジ
ン)、ビダラビン(アデニン誘導体)などが知られてお
り、また抗インフルエンザ剤としてアマンタジン(1−
アミノ−トリシクロ[3.3.1.13,7 ]デカン)な
どが知られている。一方、乳幼児に重篤な呼吸器系疾患
を引き起こすRSウイルスに対する抗ウイルス剤として
は、核酸類似化合物であるリバビリン(Ribavirin )が
用いられているにすぎない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ウイル
ス性疾患に対して十分な治療効果を有し、毒性や副作用
の少ない薬剤はまだなく、例えば、リバビリンはRSウ
イルスに対する有効性は認められるものの、毒性が高い
ために経口投与では用いることができず、吸入法による
局所投与で用いられているのみである。また、リバビリ
ンには、催奇形性、発癌性、変異原性があることが認め
られており、臨床における使用上の難しさが指摘されて
いる。したがって、臨床上十分な治療効果を有し、かつ
毒性や副作用の少ない抗ウイルス剤が望まれているのが
現状である。
【0004】しかして、本発明の目的は、優れた抗ウイ
ルス活性を有し、しかも毒性や副作用が少ない抗ウイル
ス剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、下記一般式(I)
【0006】
【化2】
【0007】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5
よびR6 はそれぞれ水素原子、置換基を有していてもよ
い低級アルキル基、置換基を有していてもよい低級アル
ケニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換
基を有していてもよいアラルキル基、ニトロ基、シアノ
基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、低級ア
ルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、低級
アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルフ
ァモイル基、カルバモイル基、アシル基、ヒドラジノ
基、ハロゲン原子、式OR7 で示される基、式SR7
示される基または式NR8 9 で示される基を表し、R
7 は水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル
基、置換基を有していてもよい低級アルケニル基または
置換基を有していてもよいアリール基を表し、R8 およ
びR9 はそれぞれ水素原子、置換基を有していてもよい
低級アルキル基、置換基を有していてもよい低級アルケ
ニル基または置換基を有していてもよいアリール基を表
す。)で示されるナフト[1,8−cd]−1,2−ジ
チオール誘導体(以下、これをナフト[1,8−cd]
−1,2−ジチオール誘導体(I)と略記する。)また
はその薬理学的に許容される塩(以下、単に塩と略記す
る。)を有効成分として含有する抗ウイルス剤を提供す
ることにより達成される。
【0008】前記一般式(I)において、R1 、R2
3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 およびR9 がそれ
ぞれ表す置換基を有していてもよい低級アルキル基の低
級アルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であっても
よく、該低級アルキル基としては、例えば、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イ
ソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基などが挙げられ
る。これらの基は、置換基を有していてもよいシクロア
ルキル基;置換基を有していてもよい複素環基;メチル
アミノ基、ジメチルアミノ基、イソプロピルアミノ基、
t−ブチルアミノ基などの低級アルキルアミノ基;メト
キシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基などの低級
アルコキシル基;水酸基;カルボキシル基;メトキシカ
ルボニル基、プロポキシカルボニル基、t−ブトキシカ
ルボニル基などのアルコキシカルボニル基;シアノ基な
どの基を、置換基として有していてもよい。
【0009】ここで、置換基を有していてもよいシクロ
アルキル基のシクロアルキル基としては、シクロヘキシ
ル基、シクロペンチル基などを挙げることができる。こ
れらの基は、メチル基、イソプロピル基、ペンチル基な
どの低級アルキル基;水酸基;メトキシ基、イソプロポ
キシ基、t−ブトキシ基などの低級アルコキシル基;フ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;メ
チルアミノ基、ジメチルアミノ基、イソプロピルアミノ
基、t−ブチルアミノ基などの低級アルキルアミノ基;
メチルチオ基、エチルチオ基、イソプロピルチオ基、ネ
オペンチルチオ基などの低級アルキルチオ基;フェニル
チオ基、トルイルチオ基、1−ナフチルチオ基などのア
リールチオ基;アセチル基、プロピオニル基、t−ブト
キシ基などのアシル基;アセチルオキシ基、イソプロピ
オニルオキシ基、t−ブチリルオキシ基などの低級アル
キルカルボニルオキシ基などの基を、置換基として有し
ていてもよい。また、置換基を有していてもよい複素環
基の複素環基としては、ピリジル基、ピラジル基、キノ
リル基、チエニル基、テトラゾリル基、フラニル基、ピ
ロリジル基、ピペラジル基、モルホリル基などを挙げる
ことができる。これらの基は、上記の置換基を有してい
てもよいシクロアルキル基の定義に用いたのと同様の基
を、置換基として有していてもよい。
【0010】前記一般式(I)において、R1 、R2
3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 およびR9 がそれ
ぞれ表す置換基を有していてもよい低級アルケニル基の
低級アルケニル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であっ
てもよく、かかる低級アルケニル基としては、例えば、
ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、プレニル
基などを挙げることができる。これらの基は、前記の置
換基を有していてもよい低級アルキル基の定義に用いた
のと同様の基を、置換基として有していてもよい。
【0011】R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R
7 、R8 およびR9 がそれぞれ表す置換基を有していて
もよいアリール基のアリール基としては、例えば、フェ
ニル基、ナフチル基などを挙げることができる。これら
の基は、前記の置換基を有していてもよいシクロアルキ
ル基の定義に用いたのと同様の基を、置換基として有し
ていてもよい。
【0012】R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6
がそれぞれ表す置換基を有していてもよいアラルキル基
のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネ
チル基、フェニルプロピル基、ナフチルエチル基などを
挙げることができる。これらの基は、前記の置換基を有
していてもよいシクロアルキル基の定義に用いたのと同
様の基を、置換基として有していてもよい。
【0013】R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6
がそれぞれ表すアルコキシカルボニル基としては、メト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポ
キシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基などを挙
げることができる。
【0014】R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6
がそれぞれ表す低級アルキルスルフィニル基としては、
メチルスルフィニル基、イソピロピルスルフィニル基な
どを挙げることができ、アリールスルフィニル基として
は、フェニルスルフィニル基、p−メトキシフェニルス
ルフィニル基などを挙げることができる。また、R1
2 、R3 、R4 、R5 およびR6 がそれぞれ表す低級ア
ルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基、イ
ソピロピルスルホニル基などを挙げることができ、アリ
ールスルホニル基としては、フェニルスルホニル基、p
−メトキシフェニルスルホニル基などを挙げることがで
きる。
【0015】R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6
がそれぞれ表すアシル基としては、アセチル基、プロピ
オニル基、イソブチリル基、ピバロイル基などを挙げる
ことができる。
【0016】R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6
がそれぞれ表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩
素原子、臭素原子などが挙げられる。
【0017】ナフト[1,8−cd]−1,2−ジチオ
ール誘導体(I)の塩としては、例えば、塩酸、硫酸、
臭化水素酸、リン酸などの無機酸との酸付加塩;または
フマル酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、メタンスルホ
ン酸などの有機酸との酸付加塩などが挙げられる。
【0018】ナフト[1,8−cd]−1,2−ジチオ
ール誘導体(I)は、例えば、次の反応工程にしたがっ
て製造することができる。
【0019】
【化3】
【0020】(上記反応工程中、R1 、R2 、R3 、R
4 、R5 およびR6 は前記定義のとおりである。)
【0021】上記反応工程を次に説明する。塩酸存在
下、一般式(II)で示される1,8−ジシアノナフタレ
ン誘導体に、亜硝酸ナトリウムを作用させ、次いで塩化
第一銅を作用させることにより、一般式(III )で示さ
れる1,8−ジクロロナフタレン誘導体を得る。
【0022】ヘキサメチルホスホルアミドに単体硫黄お
よびナトリウムを加えることにより得られる懸濁液を、
一般式(III )で示される1,8−ジクロロナフタレン
誘導体に作用させることにより、ナフト[1,8−c
d]−1,2−ジチオール誘導体(I)を得ることがで
きる。
【0023】このようにして得られるナフト[1,8−
cd]−1,2−ジチオール誘導体(I)の反応混合物
からの単離・精製は、一般に有機化合物を反応混合物か
ら単離・精製するに際して用いられている方法と同様の
方法により行われる。例えば、反応混合物を水にあけ、
ジエチルエーテル、酢酸エチルなどの有機溶媒で抽出
し、抽出液を冷希塩酸、重曹水、食塩水などで順次洗浄
し、乾燥後、濃縮して粗生成物を得、該粗生成物を必要
に応じて再結晶、クロマトグラフィーなどにより精製
し、ナフト[1,8−cd]−1,2−ジチオール誘導
体(I)を得る。
【0024】ナフト[1,8−cd]−1,2−ジチオ
ール誘導体(I)の塩は、通常の塩形成反応によって製
造することができる。
【0025】また、原料となる一般式(II)で示される
1,8−ジシアノナフタレン誘導体は、ジャーナル オ
ブ オーガニック ケミストリー(Journal of Organic
Chemistry)、48巻、1号、60-65 頁(1983年)または
シンセシック コミュニケーションズ(Synthetic Comm
unications)、12巻、9号、673-680 頁(1982年)に記
載されている方法によって製造することができる。
【0026】ナフト[1,8−cd]−1,2−ジチオ
ール誘導体(I)またはその塩は、有用な薬理学的性
質、特に抗ウイルス作用を有しており、ウイルスに感染
した、または感染する恐れのある人間の予防的または治
療的処置に有用である。該ウイルスとしては、例えば、
DNA型ウイルスでは、ヘルペスウイルス科(Herpesvi
ridae )の単純ヘルペスウイルス1型(Herpes simplex
virus type 1 )、単純ヘルペスウイルス2型(Herpes
simplex virus type 2 )、ヒトサイトメガロウイルス
(Human cytomegalovirus )、エプスタイン−バールウ
イルス(Epstein-Barr virus)、水痘帯状疱疹ウイルス
(Varicella Zoster virus)、ヘルペスウイルス6型
(Human herpes virus type 6 );アデノウイルス科の
ヒトアデノウイルス(Human adenovirus);ヘパドナウ
イルス科(Hepadnaviruridae)のB型肝炎ウイルス(He
patitis B virus );パポーバウイルス科(Papovaviri
dae )のヒトパピローマウイルス(Human papilloma vi
rus )などが挙げられる。
【0027】また、RNA型ウイルスとしては、トガウ
イルス科(Togaviridae )の風疹ウイルス(Rubella vi
rus )、日本脳炎ウイルス(Japanese encephalitis vi
rus)、C型肝炎ウイルス(Hepatitis C virus );パ
ラミクソウイルス科(Paramyxoviridae )の麻疹ウイル
ス(Measles virus )、パラインフルエンザウイルス
(Parainfluenza virus )、RSウイルス(Respirator
y syncytial virus )、おたふくかぜウイルス(Mumps
virus );オルソミクソウイルス科(Orthomyxovirida
e)のインフルエンザウイルス(Influenza virus );
レトロウイルス科(Retroviridae)のT細胞白血病ウイ
ルス(Human T-lymphotropic virus);ラブドウイルス
科(Rhabdoviridae )の狂犬病ウイルス(Rabies viru
s);ピコルナウイルス科(Picornaviridae)のヒトポ
リオウイルス(Human polio virus )、A型肝炎ウイル
ス(Hepatitis A virus )などを挙げることができる。
【0028】ナフト[1,8−cd]−1,2−ジチオ
ール誘導体(I)またはその塩が、優れた抗RSウイル
ス作用を有していることは、後述の試験例から明らかで
ある。さらに、ナフト[1,8−cd]−1,2−ジチ
オール誘導体(I)またはその塩は、低毒性であり、副
作用が少ないことが確認されている。
【0029】ナフト[1,8−cd]−1,2−ジチオ
ール誘導体(I)またはその塩の投与量は、疾病、患者
の重篤度、薬物に対する忍容性などにより異なるが、通
常成人1日あたり、10〜1000mg、好ましくは1
00〜500mgの量であり、これを1回または分割し
て投与することができる。投与に際しては、投与ルート
に適した任意の形態を取ることができる。
【0030】ナフト[1,8−cd]−1,2−ジチオ
ール誘導体(I)またはその塩は、任意慣用の製剤方法
を用いて投与用に調製することができる。従って、本発
明の抗ウイルス剤は、ナフト[1,8−cd]−1,2
−ジチオール誘導体(I)またはその塩を含有する医薬
組成物をも包含するものである。このような組成物は、
任意所要の製薬用担体、賦形剤などの医薬上許容される
添加剤などを使用して慣用の手段によって調製される。
【0031】この組成物が経口用製剤である場合には、
該製剤は消化管からの吸収に好適な形態で提供されるの
が望ましい。経口投与の錠剤およびカプセルは単位量投
与形態であり、結合剤、例えばシロップ、アラビアゴ
ム、ゼラチン、ソルビット、トラガカント、ポリビニル
ピロリドンなど;賦形剤、例えば乳糖、とうもろこし澱
粉、リン酸カルシウム、ソルビット、グリシンなど;潤
滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリ
エチレングリコール、シリカなど;崩壊剤、例えば馬鈴
薯澱粉など;または許容し得る湿潤剤、例えばラウリル
硫酸ナトリウムなどを含有していてもよい。錠剤は当業
界において周知の方法でコーティングしてもよい。経口
用液体製剤は水性または油性懸濁液、溶液、シロップ、
エリキシル剤、その他であってもよい。このような液体
製剤は普通に用いられる添加剤、例えば懸濁化剤、例え
ばソルビットシロップ、メチルセルロース、グルコース
/糖シロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミ
ニウムゲル、水素化食用脂など;乳化剤、例えばレシチ
ン、モノオレイン酸ソルビタン、アラビアゴムなど;非
水性ビヒクル、例えばアーモンド油、分別ココナット
油、油性エステル、プロピレングリコール、エタノール
など;防腐剤、例えばp−ヒドロキシ安息香酸メチル、
p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、ソルビン酸などを含
有してもよい。また経口用製剤は、使用する前に水また
は他の適当なビヒクルで溶解させる固形製剤であっても
よい。
【0032】この組成物が注射剤である場合には、ナフ
ト[1,8−cd]−1,2−ジチオール誘導体(I)
またはその塩に必要に応じてpH調整剤、緩衝剤、安定
化剤、保存剤、可溶化剤などを添加し、常法により皮
下、筋肉内または静脈内注射剤とすることができる。ま
た、この組成物がエアロゾル剤である場合には、例え
ば、クロロフルオロ炭化水素などの噴射基剤を含ませる
ことができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例によりさらに詳しく本発明を説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0034】参考例1 1,8−ジクロロナフタレンの合成 1,8−ジシアノナフタレン14.9g(94mmo
l)、氷50gおよびベンゼン50mlを順に濃塩酸8
0mlに加えた。得られた溶液を、−40℃のメタノー
ル浴で冷却し、冷却下、7.8M亜硝酸ナトリウム水溶
液30ml(235mmol)を加え、室温で1時間攪
拌した。得られた反応液を、塩化第一銅の2M濃塩酸溶
液300mlに室温で加えた後、80℃まで加熱し、ベ
ンゼンを除去した。この混合物を熱時濾過し、濾液を室
温まで冷却した後、濾隗および濾液を塩化メチレンで抽
出した。この有機抽出液を5%炭酸水素ナトリウム水溶
液により中性となるまで洗浄した後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。次いで濾過、濃縮した後、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー[展開液:ヘキサン]で分離
し、1,8−ジクロロナフタレンを8.65g得た(収
率35%)。
【0035】実施例1 ナフト[1,8−cd]−1,2−ジチオール(化合物
1)の合成 窒素雰囲気下、室温で、単体硫黄2.88gおよびナト
リウム2.07g(90mmol)をヘキサメチルホス
ホルアミド100mlに加えることにより得られた懸濁
液を、120℃で45分間加熱攪拌した。得られた反応
液に、参考例1で得られた1,8−ジクロロナフタレン
5.9g(30mmol)を加え、160℃で1時間加
熱攪拌した。反応液を室温まで放冷した後、飽和食塩水
500mlに注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。得ら
れた有機抽出液を水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。次いで濾過、濃縮した後、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー[展開液:四塩化炭素とヘキサン
の混合溶媒(容量比:1対1)]で分離し、下記物性を
示すナフト[1,8−cd]−1,2−ジチオール(化
合物1)を2.15g得た(収率38%)。 m.p. 121〜122℃ NMRスペクトル(270MHz,CDCl3 ,トリメチルシラ
ン)δ(ppm ) 7.36−6.96(m,6H)
【0036】試験例1 MTT法によるRSウイルス抑制作用 96穴丸底マイクロプレート中に、各種濃度の化合物
1、またはリバビリン(対照薬)を含む維持培地(2%
牛血清アルブミンを含むイーグルMEM培地)、ならび
に予めトリプシン消化により調製したHeLa細胞懸濁
液およびRSウイルスLong株を含む維持培地を添加
し、室温で5分間低速遠心(700×g)した。遠心終
了後、35℃の炭酸ガスインキュベーター中で5日間培
養した。培養終了4時間前にMTT法(MTT:3−
(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−
ジフェニルテトラゾリウム ブロマイド)を実施し、生
細胞の割合をマイクロプレートリーダーにより比色定量
した。RSウイルス感染による細胞破壊を50%抑制す
る化合物濃度を抗ウイルス活性(EC50)として示し
た。また、同時に行ったRSウイルスを接種しない試験
によって化合物の50%細胞毒性値(CC50)を算出し
た。CC50とEC50の比をS.I.(selectivityindex
、CC50/EC50)として求めた。結果を表1に示し
た。
【0037】
【表1】
【0038】試験例2 プラーク減少法によるRSウイルス抑制作用 24穴平底マルチトレイ中で単層化状態に培養したHe
La細胞に、維持培地(2%牛胎児血清を含むイーグル
MEM培地)で調製したRSウイルスLong株を接種
して、35℃の炭酸ガスインキュベーター中で1時間イ
ンキュベートした。培養液を捨て、維持培地で洗浄後、
各種濃度の化合物1、またはリバビリン(対照薬)を含
む維持培地(0.6%メチルセルロース添加)を添加
し、35℃の炭酸ガスインキュベーター中で4日間培養
した。培養終了後、5%ホルマリン水溶液で6時間固定
し、水道水で洗浄した。次いで0.025%のクリスタ
ルバイオレッド水溶液で細胞を染色した。クリスタルバ
イオレッドにより染まらない感染細胞巣(プラーク)の
数を顕微鏡下で計測した。各濃度の化合物群のプラーク
数と化合物を加えない対照群のプラーク数を比較し、プ
ラーク数が50%に抑えられる化合物濃度を抗ウイルス
活性(EC50)として示した。また、化合物の50%細
胞毒性値(CC50)をMTT法により算出した。CC50
とEC50の比をS.I.(selectivity index 、CC50
/EC50)として求めた。結果を表2に示した。
【0039】
【表2】
【0040】実施例2 カプセル剤 化合物1 20g 微結晶セルロース 65g トウモロコシ澱粉 20g 乳糖 22g ポリビニルピロリドン 3g 全量 130g 上記成分を常法により顆粒化した後、ゼラチン硬カプセ
ル1000カプセルに充填した。1カプセルは化合物1
を20mg含有する。
【0041】実施例3 散剤 化合物1 50g 微結晶セルロース 400g トウモロコシ澱粉 550g 全量 1000g 化合物1をアセトンに溶解し、得られた溶液を微結晶セ
ルロースに吸着させた後、乾燥させた。乾燥物をトウモ
ロコシ澱粉と混合し、常法により散剤として化合物1の
20倍散を調製した。
【0042】実施例4 錠剤 化合物1 10g 微結晶セルロース 35g トウモロコシ澱粉 10g 乳糖 20g カルボキシメチルセルロースカルシウム 10g ポリビニルピロリドン 5g タルク 10g 全量 100g 化合物1をアセトンに溶解し、得られた溶液を微結晶セ
ルロースに吸着させた後、乾燥させた。乾燥物をトウモ
ロコシ澱粉、乳糖およびカルボキシメチルセルロースカ
ルシウムと混合し、次いでポリビニルピロリドンの水溶
液を結合剤として加えて混合した後、1錠100mgの
錠剤に打錠した。1錠は化合物1を10mg含有する。
【0043】
【発明の効果】優れた抗ウイルス活性を有し、RSウイ
ルスに代表されるウイルス性疾患の予防的または治療的
処置に有効な抗ウイルス剤が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 渡 福島県福島市東浜町16−6 (72)発明者 茂田 士郎 福島県福島市大森字久保内147−28

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6 はそ
    れぞれ水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキ
    ル基、置換基を有していてもよい低級アルケニル基、置
    換基を有していてもよいアリール基、置換基を有してい
    てもよいアラルキル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキ
    シル基、アルコキシカルボニル基、低級アルキルスルフ
    ィニル基、アリールスルフィニル基、低級アルキルスル
    ホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、
    カルバモイル基、アシル基、ヒドラジノ基、ハロゲン原
    子、式OR7 で示される基、式SR7 で示される基また
    は式NR8 9 で示される基を表し、R7 は水素原子、
    置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有
    していてもよい低級アルケニル基または置換基を有して
    いてもよいアリール基を表し、R8 およびR9 はそれぞ
    れ水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル
    基、置換基を有していてもよい低級アルケニル基または
    置換基を有していてもよいアリール基を表す。)で示さ
    れるナフト[1,8−cd]−1,2−ジチオール誘導
    体またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として
    含有する抗ウイルス剤。
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