JPH08302712A - 緑化用擁壁 - Google Patents

緑化用擁壁

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Publication number
JPH08302712A
JPH08302712A JP13717795A JP13717795A JPH08302712A JP H08302712 A JPH08302712 A JP H08302712A JP 13717795 A JP13717795 A JP 13717795A JP 13717795 A JP13717795 A JP 13717795A JP H08302712 A JPH08302712 A JP H08302712A
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JP
Japan
Prior art keywords
retaining wall
vegetation base
base material
vegetation
slope
Prior art date
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Pending
Application number
JP13717795A
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English (en)
Inventor
Takeshi Yamazaki
剛 山崎
Makoto Katagiri
誠 片桐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chichibu Onoda Cement Corp
Original Assignee
Chichibu Onoda Cement Corp
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Publication date
Application filed by Chichibu Onoda Cement Corp filed Critical Chichibu Onoda Cement Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 降水量の少ない地域や乾燥しやすい環境下で
も水分不足による枯死を防ぎ、自然水のみで安定した植
生が得られる緑化用擁壁を提供する。 【構成】 斜面に敷設した擁壁を構築している井桁の間
隙、若しくは擁壁板の空洞から成る植生基材設置部に方
形の升状若しくは皿状の容器形状の受水部を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、降水量の少ない地域や
乾燥しやすい環境下においても、安定した植生が得られ
る緑化用擁壁に関する。
【0002】
【従来の技術】土質が軟弱な場所や山間部等における地
盤の土留壁として広く用いられいる擁壁部材は主にコン
クリート製のものが使用されているが、擁壁周辺の自然
環境との景観上の調和が得られず、その改善が望まれて
いる。
【0003】そこで、このような擁壁面に苗植物や芝草
を用いた植栽を行うことによって擁壁を緑化することが
検討されてきた。その具体例としては、植物体を設置可
能な空洞部分を有する擁壁板や井桁を斜面に敷設し、土
嚢袋に土壌を詰めた植生土嚢をこの擁壁板の空洞や井桁
間隙等に充填した上で芝草などの種を播種することで緑
化を行う方法、或いは芝草や苗植物の種子や土壌、更に
必要に応じて肥料等を予め含んだブロック状の植生基材
などを擁壁板の空洞や井桁間隙に充填して緑化を行う方
法等が知られている。
【0004】緑化に対し植生基材を用いた場合は、直接
地面に植栽を施した場合に比べて植物生育に利用できる
基材容積、即ち土壌体積が限定されるので、保有可能な
水分の絶対量も限られたものとなる為、水分不足を来た
し易く、頻繁な散水や供水を行う必要が生じる。この
為、該基材中に粘土鉱物などの無機系保水材や合成高分
子などの有機系吸水材を含有させて保水性を高めた人工
植生基材が開発されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの保水
材または吸水材の類を用いても、降水量の少ない地域や
時期などの水分供給源が乏しい場合、或いは日当たりや
通風の良い場所、高温期などの水分蒸発が進み易い場合
では、植物生育に必要な水分量を保持し続けることは難
しい。その結果、常時散水や供水を行わない限り植物が
枯死してしまう場合が多々ある。しかし、頻繁な散水や
供水は多大な労力や多額の設備を要する為、このような
処置を極力要せずに安定した植生を得る緑化策が望まれ
ている。本発明は斜面に敷設された擁壁を植生基材を用
いて緑化する際に、労力や動力を極力必要とせずに該基
材の乾燥を防ぎ植物が枯死せず安定した植物生育ができ
る緑化用擁壁を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは植生基材の
乾燥を防止する手段として、自然環境下において得られ
る雨水または湧水等を水分供給源として利用するために
雨水または湧水用の受水器となり、この受水器が同時に
貯水器にもなるような受水部を擁壁に設けることで本発
明を完成した。即ち、本発明は、斜面に井桁を敷設した
井桁の間隙に植生基材を設置するか、斜面に敷設した擁
壁板の空洞に植生基材を設置することによる擁壁緑化に
おいて、該井桁若しくは該擁壁板の植生基材設置部に受
水部が設けられていることを特徴とする緑化用擁壁であ
る。
【0007】このような受水部は、井桁間隙や擁壁板空
洞から形成される該基材設置箇所に受水のみならず貯水
も可能なように、間隙を構成する下枠井桁、又は空洞下
部の擁壁板が例えばトレーのような方形の升状若しくは
皿状の容器形状になっているものであって、かつその部
分に植生基材を設置可能な寸法を有する井桁又は擁壁板
を用いる。
【0008】また、前記のような受水部としての形状を
成していない井桁や擁壁板を用いて擁壁を構築する場合
は、合成樹脂製、金属製、陶器製、コンクリート製、及
び耐水紙製の何れかの材質からなる方形の升状若しくは
皿状容器を植生基材と一緒に擁壁板の空洞又は井桁間隙
に設置する。即ち、該容器に植生基材を載せて、これを
井桁間隙又は擁壁板の空洞にそのまま設置すれば良い。
これらの容器材質は何れもそれ自体耐水性がありかつ漏
水しない構造のものであって、その大きさは該基材を積
載できかつ該基材を積載した状態で井桁間隙又は擁壁板
の空洞に殆ど隙間無く収納設置可能となるような寸法の
ものを用いる。また、このような容器は井桁、若しくは
擁壁板の該基材を設置しようとする部分に固定されてい
ても良く、その場合は固定されている該容器に植生基材
を後から設置することになる。
【0009】更に、これらの受水部はより効率的に多く
の雨水を捕らえることができるように、受水部が、擁壁
面及び井桁の間隙に設置された植生基材の露出面、若し
くは擁壁面及び擁壁板の空洞に設置された植生基材の露
出面よりも外部に突き出ている部分を有するものからな
ることが好ましい。
【0010】
【作用】本発明による受水部を設けた緑化用擁壁は、擁
壁表面を流下する雨水や湧水等を確実に捕らえ、かつ降
り注ぐ雨水も直接受水できる受水及び捕水作用に加え、
受水部全体を方形の升状若しくは皿状の容器形とするこ
とで受水した水を貯留する貯留作用がある。更にこの受
水部に植生基材を直接設置することができるので該基材
に貯留水を常時供給することができる供水作用も有す
る。即ち、短時間の降水でも、雨水が直接基材に降り注
いで吸水される量よりも遙かに多くの量の水を無人で、
かつ人工的な動力等を必要とせずに該基材に十分供給す
ることができる。又、該基材が一度に吸水し得る最大量
よりも多い量の水を貯留させることができる為、乾燥環
境がある程度続いても基材へ供給する必要水分量を確保
することができる。これらの作用により植物の乾燥によ
る枯死を十分防ぐことができる。
【0011】
【実施例】
[実施例1] 斜面に対する擁壁としてコンクリート製
井桁を用い、縦200mm×横1200mm×高さ20
0mmの井桁間隙を設けた傾斜角約70度の井桁擁壁を
図1の如く敷設する。このうち間隙下枠部分の井桁材に
ついては、その上部が深さ30mmで縦250mm×横
1200mmの皿形状になったコンクリート製井桁を用
いた。尚、擁壁面は南向きに配置し、裏面には直径が概
ね10cmの石塊を充填して通風の良い状態とした。次
いで芝草(品種名ジェームスタウン)の種子を予め播種
した縦400mm×横200mm×高さ150mmのブ
ロック形状の土壌および土質改良剤と肥料を含んだもの
からなる植生基材(特開平6−299152)をこの井
桁間隙に設置した。
【0012】
【図1】
【0013】[実施例2] 斜面に対する擁壁としてコ
ンクリート製井桁を用い、縦200mm×横1200m
m×高さ200mmの井桁間隙を設けた傾斜角約70度
のコンクリート製井桁擁壁を図2の如く敷設した。擁壁
面は南向きに配置し、裏面には寸法が概ね10cmの石
塊を充填して通風の良い状態とした。次いで前記実施例
1と同様の芝草の種子を予め播種した縦400mm×横
200mm×高さ150mmのブロック形状の植生基材
を縦450mm×横200mm×深さ30mmのポリプ
ロピレン製トレー上に載せたものを井桁間隙に設置し
た。
【0014】
【図2】
【0015】[比較例] 次に参考の為、本発明の範囲
から外れる場合について比較例として示す。傾斜面に対
する擁壁としてコンクリート製井桁を用い、縦200m
m×横1200mm×高さ200mmの井桁間隙を設け
た傾斜角約70度のコンクリート製井桁擁壁を図3の如
く敷設した。擁壁面は南向きに配置し、裏面には寸法が
概ね10cmの石塊のみを充填して通風の良い状態とし
た。この井桁間隙に前記実施例1と同様の芝草の種子を
予め播種した縦400mm×横200mm×高さ150
mmのブロック形状の植生基材を直接設置した。
【0016】
【図3】
【0017】前記実施例1、2及び比較例について、人
為的な散水等を全く行わず屋外自然環境下に30日間放
置した場合のそれぞれ芝の発芽率及び発芽後に生長した
草丈の長さを測定した。尚、前記実施例1、2及び比較
例とも同時期に殆ど同じ場所に敷設した。この期間に於
ける降雨による30日間の総降水量は23mm、平均気
温は17℃であった。その結果、本実施例1及び2とも
芝の発芽率は90%以上になったのに対し、比較例では
当初から基材が乾燥気味で芝の発芽率は30%程度であ
った。又、草丈は本実施例1、2ではほぼ全ての発芽体
が生長を続け平均草丈が10cm以上となったのに対
し、比較例では発芽体の大部分が枯死し、最も生育した
ものでも草丈が3cm程度であった。
【0018】
【発明の効果】本発明の緑化用擁壁構築材を用いた擁壁
は、植生基材の乾燥し易い立地条件に於いても、生育期
間中に殆ど或いは全く労力をかけることなく植物の枯死
を防止でき、植物が安定にかつ良好に生長することがで
きる。このように植生が安定することによって擁壁周辺
の自然環境との調和がとれた緑化擁壁を創出でき、擁壁
景観は飛躍的に改善されたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】受水部が井桁材の一部からなる井桁擁壁に植生
基材を設置した概略側面説明図である。
【図2】受水部が合成樹脂製容器であって、該容器に植
生基材を積載したものを井桁擁壁に設置した概略側面説
明図である。
【図3】本発明を使用しない従来技術による井桁擁壁に
植生基材を設置した概略側面説明図である。
【符号の説明】
1 斜面 2 石塊 3 井桁 4 植生基材 5 井桁間隙 6 擁壁土台 7 井桁材の一部からなる受水部 8 合成樹脂容器からなる受水部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 斜面に井桁を敷設した井桁の間隙に植生
    基材を設置するか、斜面に敷設した擁壁板の空洞に植生
    基材を設置することによる擁壁緑化において、該井桁も
    しくは該擁壁板の植生基材設置部に受水部が設けられて
    いることを特徴とする緑化用擁壁。
  2. 【請求項2】 受水部が、井桁、若しくは擁壁板の一部
    からなり、その部分が方形の升状若しくは皿状の容器形
    状であることを特徴とする請求項1記載の緑化用擁壁。
  3. 【請求項3】 受水部が、合成樹脂製、金属製、陶器
    製、コンクリート製、または耐水紙製の何れかの材質か
    らなる方形の升状若しくは皿状容器を、井桁間隙、若し
    くは擁壁板空洞に設置したものであることを特徴とする
    請求項1記載の緑化用擁壁。
  4. 【請求項4】 受水部が、擁壁面及び井桁の間隙に設置
    された植生基材の露出面、若しくは擁壁面及び擁壁板の
    空洞に設置された植生基材の露出面よりも外部に突き出
    ている部分を有するものからなることを特徴とする請求
    項1〜3記載の緑化用擁壁。
JP13717795A 1995-05-11 1995-05-11 緑化用擁壁 Pending JPH08302712A (ja)

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JP13717795A JPH08302712A (ja) 1995-05-11 1995-05-11 緑化用擁壁

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JPH08302712A true JPH08302712A (ja) 1996-11-19

Family

ID=15192620

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JP13717795A Pending JPH08302712A (ja) 1995-05-11 1995-05-11 緑化用擁壁

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2210475A2 (en) 2007-05-25 2010-07-28 Tecology S.R.L. Seedling tray for making a vegetated surface

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2210475A2 (en) 2007-05-25 2010-07-28 Tecology S.R.L. Seedling tray for making a vegetated surface

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