JP2000001857A

JP2000001857A - 緑化パネルを用いた緑化工法

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Publication number: JP2000001857A
Application number: JP20574898A
Authority: JP
Inventors: Ryoji Tatewana; 了二立和名
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1998-06-16
Filing date: 1998-06-16
Publication date: 2000-01-07

Abstract

(57)【要約】【課題】モルタルコンクリート吹付け面や、コンクリー
トブロックなどで被包した擁壁面のように、表土が皆無
な、のり面においても緑化を可能にし、緑化基盤材をパ
ネル版内で永続的に収容確保ができ、アースアンカー併
用で斜面安定を合わせ持つことができる擁壁面の緑化パ
ネル及びこれを用いた緑化工法を提供する。【解決手段】緑化パネルを撓み性のない骨格体と、骨
格体に張設されるフィルター（網体）とによって形成さ
れた箱状枠体（パネル版）Ａと、箱状枠体Ａ内に収容さ
れた、土壌および各種肥料、保水剤などを混合した、植
生基盤材とから構成する。またこの箱状枠体Ａ内に、
水分を貯留する保水層（タンク）が布設されており、
収容された植生基盤材の保水力を高めることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は、モルタルコンクリ
ート吹付のり面、ブロック積のり面などのコンクリート
擁壁面および表土の無い壁面、無土壌のり面の緑化工事
に使用される緑化パネルおよびその緑化方法に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来よりモルタル、コンクリート吹付
面、およびコンクリート擁壁面は、何十年たっても、そ
のままの状態か、モルタルには緑化できないため、モル
タルに着色材を混合してを吹付けてある。また、モルタ
ル吹付法面に、従来の厚層基材吹付と称し、吹きつけ厚
みのみを厚くしているが、モルタル面の保水不足で、基
盤材が風化し、のり面の金網面から、緑化基盤材がモル
タル面との活着がないため、剥離欠落して緑化の目的に
達していないのが現状である。

【０００３】

【本案が解決しようとする手段】本案は、このモルタル
のり面は、何十年たっても、モルタルの状態であるとい
う、この点と、従来と変わらぬ、厚層基材吹付をモルタ
ル法面に、施してモルタル面の基盤材が風化している欠
点、また景観を良好にするため、ペンキなどで塗装する
ような方法、および疑石コンクリートが採用されている
にすぎないまたコンクリート擁壁、積ブロックなどの擁壁面も、こ
こ何十年とかわっていない、さらに環境保護の観点か
ら、照り返しの強いコンクリート、モルタル吹き付けの
り面は気温も上昇させる。真夏などコンクリート面前に
は、立っておれない程の暑さである、これらコンクリー
ト面が多ければ、地球の気温上昇の一要因でも、あるの
ではないかと思われる。本発明は、上記問題点に鑑み、
土面をモルタルコンクリートやブロックで被包した擁壁
面においても緑化を可能にし、種子の高い発芽率を確保
して低コストで緑化を行うことができる擁壁面の緑化工
法を提供すること、さらにコンクリート面は、日光があ
たり、風雨があたることから、基盤材を直接表に出すこ
となく、パネル版の中に収容することにより、風化、欠
落防止を図ろうとするものである。また緑化パネル版の
取り付けアンカーボルトと、永久アンカーを併用するこ
とで、斜面安定と緑化工法を兼ね備えたものを提供する
ことを目的とするものであり、さらにはコンクリートの
り面を緑化することで、気温上昇に歯止めができ、地球
温暖化防止の一つとすることが目的である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】このため本発明では、擁
壁面の緑化工法を目的に、擁壁面に緑化基盤材を収容す
る箱状枠体のパネル版を順次アンカーボルトで設置す
る。設置した緑化パネル版に緑化基盤材を収容し、収
容した緑化基盤材の表層部に植物の種子を播種、あるい
は苗を植栽する。また緑化パネル版を設置後、緑化基盤
材、種子、肥料など混合したものを、吹付け機により吹
付けるものである。また、植物が大きくになるにつれ、
パネル版にかかる重みも増すものであるがそのために、
パネル版を個々にアンカー止めしている、さらに擁壁面
に穴を開け（グリーンポット工法）この穴の表面にパネ
ル版を設置し、植物の生育をうながし、生育するにつれ
植物の根も長くなる。この長くなる植物の根が、グリー
ンポットにより、擁壁面に開けた穴の中に張ることにな
り、この根がパネル版にかかる荷重を、軽減させようと
するものである。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施例に基づい
て本発明の実施の形態を説明する。図１は本発明に係る
箱状枠体（パネル版）の分解斜視図、図２は緑化パネル
をコンクリーのり面に設置した状態を示す断面図、図３
は本発明の緑化工法を示す断面図である。

【０００６】

【実施例】図１においては撓み性のない強化プラスチッ
クあるいは、メッキされた軽金属の骨材によって、一辺
約１ｍ、厚さ約１５ｃｍ程度の方形箱状に形成した骨格
体であり、天然あるいは科学繊維を以て網目を有するフ
ィルター（網目）がその箱状の前面、上方を除く三側
面に施されて、箱状枠体（パネル）を形成している。こ
の箱状枠体（パネル版）内に緑化基材、各種肥料、保水
剤などを混合し、充填収容することにより、緑化パネル
が構成される。そして、図２乃し図３に示す緑化しよう
とするモルタルのり面、コンクリート面などに対し、箱
状枠体（パネル版）をアンカーピンでもってモルタル
層を貫通する程度まで強固に打ち付けて固定する。この
際、表土、およびコンクリート擁壁の場合、アンカーピ
ンの深さを現場に応じて安定な深さを決めることにな
る。また、保水槽（タンク）は、上方に開目された
断面三角形状また逆ピラミッド形状であり、取り付けは
アンカーピンに取り付けるか、コンクリートビスでコン
クリート面に取り付けてもよい。現時代において、リサ
イクル運動のさなか、ペットボトルをそのまま底を切断
し、蓋を締め逆さに並べ使用することも、保水槽（タン
ク）の本質にそうものである。

【０００７】次に本発明に係る緑化パネルを使用して、
モルタルコンクリート吹き付けのり面およびコンクリー
ト面上に、植生基盤層を施工する方法について説明す
る。図１に示すように、箱状枠体（パネル版）Ａを、の
り面と平行に配置し、アンカーピンおよびアンカーボ
ルトでもって強固に固定し、のり面全体基盤目状に展
開して配置し、予めて作成した植生基盤材を収容す
る。本実施例では、この植生基盤材として、植物の種子
とハイテクソイルと緩効性肥料および保水剤を混合した
ものを使用している。

【０００８】具体的に説明すれば、箱状枠体（パネル
版）Ａを一段ずつ設置しながら水を加え泥状にした植生
基盤材をのり面に固定されている箱状枠体（パネル
版）Ａの上端開口部ａより順次ポンプ圧送により充填収
容する方法、あるいはのり面全体を箱状枠体（パネル
版）Ａで覆った後、泥状の植生基盤材を動力吹付け機
により吹き付け、フィルター（メッシュ）の網目から
浸透させる方法により、箱状枠体（パネル版）Ａ内部に
植生基盤材を収容させるものである。このとき、余分
な水分はフィルターを構成する網目よりしみでて、保
水剤の効果、保水槽（タンク）の効果により、必要水
分のみ残留することになる。このようにして、植生基盤
層Ｇをモルタル層Ｍおよびコンクリート面の上に形成す
るものである。

【０００９】以上のごとく布設された植生基盤層Ｇは、
植物の生育に必要な養分も充分にふくまれるほか、発
芽、活着や生育に必要な水分も保水剤などにより効果的
に確保され、根茎の発育に不可欠の土壌の厚さについて
も、充分な厚層を確保し得る。また相当な強風あるいは
降雨においても植生基盤は箱状枠体（パネル版）Ａに
より保護され流失することはない。なお、実施例では四
角型の箱状枠体（パネル版）のもを設置しているが、箱
状枠体が四角型に限定されるものでもなく、三角、丸型
でもよく、また材質がプラスチックに限定されるもので
もなく、金属製、コンクリート製でもよい。さらに混合
した緑化基盤材の収容方法においても、手作業の方法お
よび動力により吹付ける方法に限るものでもない。ま
た、箱状枠体（パネル版）を使用する方法も、のり面ば
かりではなく一般家庭の軽量ブロックに設置して、ある
いは軽量ブロックの代わりに、パネル布設後基盤材を収
容し、つる植物を植えたり、花などを植える縦型花壇し
ても利用できる。

【００１０】

【発明の効果】本発明は、以上のように構成されたもの
で、以下の優れた効果がある。（１）土面をモルタルコンクリートやブロックで被包し
た擁壁面においても緑化が可能になり良好な景観が期待
できる。（２）緑化基盤材をパネル版の中に収容していて、風化
欠落が防止できるので永続的な基盤材の確保ができる。（３）パネル版の構造においても、パネル版本体をコン
クリート製品にした場合は、残存型型枠としても活用で
きる。（４）アンカーボルトと永久アンカーとの併用すること
で、パネル版本体とアンカープレートとの組み合わせ
で、斜面安定型緑化工法となる。（５）パネル版内に施された保水槽（タンク）が、分離
独立しており基盤材の保水性を高める。なおリサイクル
の現時代、ペットボトルなどを保水槽（タンク）の代用
としており、環境問題、リサイクル問題の解決の一つと
なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明工法に係る箱状枠体（緑化パネル版）の
分解斜視図

【図２】本発明工法に係る緑化パネル版をコンクリート
面に設置した断面図

【図３】本発明工法に係る緑化工法を示す断面図

【図４】本発明工法に係る緑化工法の吹付状態の一例を
示す斜視図

【符号の説明】

１，アンカーボトル２，アンカーピン３，フィルター（網目）４，植生基材５，保水槽（タンク）６，骨格体（補強枠）Ａ，箱状枠体（パネル版）Ｅ，砂質および岩盤Ｇ，植生基盤層Ｍ，モルタル層

【パネル版を設置した場合の接点】ＢはＢ′にＣはＣ′にＤはＤ′に

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】次の工程からなることを特徴とする壁面の
緑化工法（イ）壁面に保水タンクを設置する工程。（ロ）壁面にドリルで穴をあけ、コンクリートアンカー
ボルトを付設する工程（ハ）付設したアンカーボルトを、箱状枠体（緑化パネ
ル版）の網目に通しながら、箱状枠体（緑化パネル版）
が保水タンク全体を覆うように被せ、ボルトを介してナ
ット締めする工程。（ニ）設置した箱状枠体（緑化パネル版）に、緑化基盤
材を収容する工程。（ハ）収容した箱状枠体（緑化パネル版）の表層部分に
種子を、吹付け機によって播種するか、あるいは吹き付
け後、苗を植栽する工程。（ホ）設置した箱状枠体（緑化パネル版）に、緑化基盤
材、種子、肥料など混合して吹き付ける工程。以上のごとく構成された、緑化工法である。
【請求項２】次の構造からなることを特徴とする請求項
１の工法記載の緑化パネル版緑化パネル版は、保水タン
クと本体とからなるパネル版であり、（イ）パネル版本体は、補強部分の枠と、メッシュ（網
目）の部分からなり、表面および側面も枠が補強されそ
の他はメッシュ（網目）である。（ロ）保水タンクは、円錐状または逆ピラミッド状のも
のである。（ニ）パネル版の型としては、四角型で逆台形型となっ
ている。以上のごとく構成された、緑化パネル版本体および保水
タンクである。
【請求項３】請求工１〜２における、緑化基盤材（ハイ
テクソイル）、種子、肥料、保水剤などを、モルタルミ
キサーにて混合撹拌し、さらに適量に水を加え、混練す
る。混合撹拌した基盤材などを、モルタルポンプにて圧
送、先端ノズルの空気弁より、空気の圧力にて保水タン
ク内、パネル版内、およびパネル版表面に吹き付ける工
程。以上のごとく構成された、緑化パネル工法およびの
り面緑化（土壌マット工法）工法である。