JPH08302669A - 大深度対応の地盤改良工法及び地盤改良装置 - Google Patents

大深度対応の地盤改良工法及び地盤改良装置

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JPH08302669A
JPH08302669A JP7105457A JP10545795A JPH08302669A JP H08302669 A JPH08302669 A JP H08302669A JP 7105457 A JP7105457 A JP 7105457A JP 10545795 A JP10545795 A JP 10545795A JP H08302669 A JPH08302669 A JP H08302669A
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kelly bar
kelly
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JP7105457A
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Yoshio Suzuki
善雄 鈴木
Akio Suzuki
昭夫 鈴木
吉夫 鈴木
Satoshi Saito
聰 斉藤
Yoshikazu Hojo
善和 北條
Yoshitomo Oota
惠智 太田
Heizo Kojima
平三 小嶋
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Takenaka Komuten Co Ltd
Takenaka Doboku Co Ltd
Original Assignee
Takenaka Komuten Co Ltd
Takenaka Doboku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大深度の地盤改良工法と伸縮軸方式の地盤改
良装置を提供する。 【構成】 ケリーバーは複数のケリーバー単位体を伸縮
自在な多重管構造とし、各単位体の相互間で回転力を伝
達する。ケリーバー先端の拘束部材に垂直精度制御用ロ
ープの先端を止着し、該ロープは地上のウインチに巻き
込む。ケリーバーの中間位置に泥水供給管を設置し、攪
拌軸先端部の注出口及び前記攪拌翼の少し上方位置に設
けた注出口と接続している。拘束部材にケリーバーの垂
直精度を計測する傾斜計を設置する。傾斜計の計測値に
基づいて垂直精度制御用ロープをウインチで個別に操作
しケリーバーの垂直精度を確保する。引き上げ工程は前
記の各垂直精度制御用ロープを巻き上げることにより行
う。 【効果】 70m〜100m前後の大深度施工を、ケリ
ーバーの継ぎ足しや切り離し作業を一切必要としない伸
縮軸方式で効率よく短工期で行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、特には地下70m前
後の大深度の軟弱地盤を、地耐力を有する地盤に改良す
るための地盤改良工法、及び同工法の実施に使用される
伸縮軸方式の地盤改良装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、軟弱地盤を掘削すると共に原位置
の掘削土壌中へ安定材、硬化材、固結材等々と称される
改良材(以下、地盤安定材と云う。)を注入し攪拌、混
合して安定化させる地盤改良工法及び地盤改良装置は、
昭和50年度頃より以降に種々開発され実施されて多く
の実績を残している。例えば実公昭58−10750
号、特開昭63−300110号公報などが参照され
る。
【0003】例えば原子力発電所を高い安全性を期して
建設する方策として、従来から大深度の地盤改良を可能
にする地盤改良工法及び装置の開発が進められている。
たとえば地下60m付近に軟弱地盤があるような場合、
これを確実に改良しなければならない。従来の技術的傾
向は、連続した1本の回転軸(ケリーバー)で大深度の
改良を達成する単軸方式と、取扱に容易な単位長さの複
数本の軸を順次継ぎ足して大深度の改良を達成する継ぎ
足し方式、及び回転軸がテレスコピックに伸縮する伸縮
軸方式(例えば特公昭58−32245号公報参照)の
3通りに大別される。その何れであるにせよ、従来地盤
改良が可能な最大深度は約40m程度であった。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】従来の地盤改良工法
及び地盤改良装置は、地盤改良可能な最大深度が約40
m程度であったため、前述したように地下60m付近に
深い軟弱地盤が存在する場合には対処できないという問
題点があり、そうした場所は建設不適地とするほかなか
った。
【0005】また、従来の単軸方式の地盤改良装置は、
地盤改良の深度が深くなるのに比例して回転軸(ケリー
バー)が長大となり、地上でこれを支持する地盤改良機
のベースマシンも必然的に大規模なものになってしま
い、機械設備の費用が莫大になった。のみならず、回転
軸を長くするにも限度があるため、陸上工事には適用不
可能な場合が多い。
【0006】この点、継ぎ足し方式の場合は、長さに制
限がなく、ベースマシンもそこそこの大きさにできる
が、回転軸の継ぎ足しや切り離しの作業に多大な時間と
労力が必要である。しかも、掘削、攪拌の鉛直精度の確
保が困難であった。従来の伸縮軸方式は、テレスコピッ
クに伸縮する回転軸が伸長した状態で必ず発生する上下
の軸単位体間の屈曲に起因する誤差に対して、掘削の垂
直精度を高める制御、そして、予定深度まで掘削した後
の引き上げ工程をどう行うかに未解決の問題を含んでい
る。
【0007】従って、本発明の目的は、地下70〜10
0m前後の大深度の地盤改良を伸縮軸方式によって有効
的に可能ならしめると共に施工時の作業時間の短縮、及
び掘削、攪拌の垂直精度の確保と制御が容易であり、ま
た、掘削工程から引き上げ工程への移行を円滑に行え、
施工の機械設備のコストを低減できる大深度対応の地盤
改良工法と同工法を実施する地盤改良装置を提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めの手段として、請求項1に記載した発明は、地盤を掘
削し、原位置の掘削土壌中へ地盤安定材を注入し攪拌混
合して安定化させる地盤改良工法において、先端にカッ
ター及び攪拌翼を備えベースマシンのマストに沿って昇
降する回転駆動装置により回転されるケリーバーを必要
な基本長さに形成すると共に該ケリーバーは複数の管状
をなすケリーバー単位体をテレスコピックに伸縮自在な
多重管構造に組合せ各単位体の相互間で回転力を伝達可
能に構成すること、ケリーバー先端の拘束部材に、複数
本の垂直精度制御用ロープの先端を水平な2次元方向の
配置で止着し、該ロープは地上のベースマシンに設けた
ウインチに巻き込むこと、2軸又は4軸の配置とされた
ケリーバーの中間位置に、先端が前記拘束部材にまで届
く泥水供給管を設置し、攪拌軸先端部の注出口及び前記
攪拌翼の少し上方位置に設けた注出口とそれぞれ接続し
てあり、該泥水供給管は地上の地盤安定材供給装置とホ
ースで接続すること、拘束部材にケリーバーの垂直精度
を計測する傾斜計を設置し、前記各傾斜計の計測値は地
上の制御装置へ入力させること、カッターによる地盤掘
削の進捗と共にケリーバーは順次段階的に伸長させ、前
記傾斜計の計測値に基づいて前記の各垂直精度制御用ロ
ープをウインチの駆動制御を通じて個別に操作しケリー
バーの垂直精度を確保すること、カッター等の引き上げ
工程は前記の各垂直精度制御用ロープを巻き上げること
により、ケリーバー単位体を順次段階的に収縮させるこ
とによって行うことをそれぞれ特徴とする。
【0009】前記請求項1の発明における地盤の掘削
は、ケリーバーを吊る垂直精度制御用ロープを緩めて下
ろすことにより又はジャッキによりケリーバーを押し込
むことにより行われる。前記請求項1の発明において、
ケリーバーを順次段階的に伸長させる方法は、管状体を
なすケリーバー単位体の内周面及び外周面に相対応する
スプライン機構を形成すると共にその一部分に回転方向
に互いに係脱する凹凸部を形成し、ケリーバーの回転方
向を正逆に変える操作により前記凹部と凸部を係脱させ
て行い、ケリーバー単位体が伸長又は収縮する順序はカ
ンザシピンの抜き差しにより行う。
【0010】次に、請求項4の発明は、地盤を掘削し、
原位置の掘削土壌中へ地盤安定材を注入し攪拌混合して
安定化させる地盤改良装置において、カッター及び攪拌
翼を備えた攪拌軸が先端に取付けられ、ベースマシンの
マストに沿って昇降する回転駆動装置で回転されるケリ
ーバーは、必要な基本長さに形成されると共に複数の管
状をなすケリーバー単位体がテレスコピックに伸縮自在
な多重管構造に組合わされ、各単位体の相互間で回転力
を伝達可能に構成されていること、ケリーバー先端部の
拘束部材に、複数本の垂直精度制御用ロープの先端が水
平な2次元方向の配置で止着され、該ロープは地上のベ
ースマシンに設けたウインチに巻き込まれ個別に操作可
能とされていること、2軸又は4軸の配置とされたケリ
ーバーの中間位置に、先端が前記拘束部材に届く泥水供
給管が設置され、この泥水供給管は前記攪拌軸先端の注
出口及び前記攪拌翼の少し上方位置に設けた注出口とそ
れぞれ接続され、該泥水供給管は地上の地盤安定材供給
装置とホースで接続されていること、拘束部材に各ケリ
ーバーの垂直精度を計測する傾斜計が設置され、前記各
傾斜計は地上の制御装置と接続されていること、をそれ
ぞれ特徴とする。
【0011】前記請求項4の発明において、垂直精度制
御用ロープのウインチは、傾斜計の計測値が入力される
制御装置により垂直度が零度となるように自動制御され
る。
【0012】
【作用】ケリーバーは、ベースマシンで支持することに
適した基本長さに形成することができ、ベースマシンは
通常規模の大きさにできる。ケリーバーはまた、複数の
多重管構造のケリーバー単位体がテレスコピックに伸縮
するので、伸縮の段数を地盤改良の深度に応じて調整す
ることにより、地盤改良可能な深度は地下70m〜10
0mを達成出来る。ケリーバーは各ケリーバー単位体を
順に段階的に伸縮させるだけであるから、継ぎ足しの作
業、切り離しの作業は一切無用であり、そうした作業時
間は全て省ける。テレスコピックに伸縮するケリーバー
に起こりがちな上下のケリーバー単位体間の曲がり(各
ケリーバー単位体相互の繋ぎ部の屈曲)及び前記曲がり
に起因する掘削、攪拌の垂直精度の低下は、傾斜計の計
測値に基づいて垂直精度制御用ロープをウインチにより
上下に操作する方法で随時適正に修正し、垂直精度の維
持、確保ができる。
【0013】掘削時に伸長されたケリーバーは、引き上
げ工程時には、垂直精度制御用ロープをウインチで巻き
上げることにより各ケリーバー単位体を順次段階的に収
縮(短縮化)させる。ケリーバー単位体を段階的に伸長
させ又は収縮させる順序はカンザシピンの抜き差しによ
って行う。
【0014】
【実施例】次に、図示した本発明の実施例を説明する。
図1と図2は伸縮軸方式で2軸型の地盤改良装置の施工
直前の姿勢を示している。図1中の符号1がベースマシ
ンで、その前部にマスト(リーダー)2が垂直に建てら
れ、該マストは調整用ジャッキ3で支持されている。マ
スト2に沿って昇降する回転駆動装置(ロータリドライ
ブ)4は、上端をマスト頂部にピン連結された垂直下向
きの押し引きジャッキ5で上下に昇降される。回転駆動
装置4により回転される2本のケリーバー6,6の下端
は、スイベルジョイントを備えた拘束部材(軸間隔保持
部材)9によって拘束支持され軸間距離が確定されてい
る。先端にカッター10を備え、その上方に複数の攪拌
翼11を備えた攪拌軸12は、前記拘束部材9のスイベ
ルジョイントを介して各ケリーバーの先端部へ取り付け
られている。前記攪拌軸11のカッター10及び攪拌翼
11は、各々の回転時に隣接のものと干渉を起こさない
程度に上下に位置をずらした配置とされている(図2参
照)。
【0015】ケリーバー6は、基本的な長さを20mぐ
らいに形成されている。そして、同様な単位長さで管状
をなす5本(但し、本数はこの限りでない。)のケリー
バー単位体6A、6B…を、小径のものを内側にし、大
径のものを外側にして嵌め合わせた内外多重管の構造で
テレスコピックに伸縮自在に組合わされている。しかも
内外に隣接するケリーバー単位体の相互間では、伸縮の
自在性を確保しつつ掘削のための回転力及び押し込み力
を伝達可能であるように、図3A,Bと図4に示したよ
うにケリーバー単位体6Bの外周面の軸方向に連続する
雄スプライン8を周方向に等間隔で複数本設け(図3
A)、これと相対応する内周面には前記2本の雄スプラ
イン8,8の間を軸方向へ滑動可能な短い凸条7が軸方
向に共通な直線上に一定の間隔で複数個設けられ(図3
B)、もってスプライン機構(雄スプラインと雌スプラ
インの組合せ)が構成されている。前記雄スプライン8
の長手方向の3箇所(但し、個数はこの例の限りではな
い。)に、下面が水平面による段部で、上面は正の回転
方向へ80°ぐらいの急勾配の傾斜面に形成された凹部
19が形成され、該凹部19へ前記凸条7が回転方向に
係脱する、云わばバヨネット継手に類似の係脱機構が形
成されている(図3Aの点線図示参照)。従って、内外
に隣接するケリーバー単位体の相互間では、伸縮動作す
る全長にわたり前記雄スプライン8と凸条7とがスプラ
イン機構の働きにより回転力を伝達する。また、前記押
し引きジャッキ5により強制的に与えられる掘削に必要
な軸力(押し込み力)の伝達は、前記凸条7を正転方向
に回して凹部19へ図3Aに点線で図示したように進入
させることによって行われる。逆転方向に回して凸条7
を凹部19から離脱させることにより前記噛み合わせを
解除することができる。
【0016】2本のケリーバー6,6の下端部を支持す
る拘束部材9には、図1と図2を総合して明らかなよう
に、水平な2次元方向(4方向)に姿勢制御バー13が
片持ち支持状態に水平に突き出され、各姿勢制御バー1
3にそれぞれ1本ずつ4本の垂直精度制御用ロープ14
の先端が止着されている。このロープはマスト頂部のガ
イドシーブ15及び中継位置のテンションシーブ16を
経由してベースマシン1に搭載されたウインチ25へ巻
き込まれている。テンションシーブ16は、微調整用ジ
ャッキ16aの働きによって各垂直精度制御用ロープ1
4を一定大きさの張力状態に自動制御する。拘束部材9
にはまた、ケリーバーの垂直精度を計測する傾斜計26
が設置され、その計測値は地上の制御装置へリアルタイ
ムに入力される。
【0017】次に、図2に示したように、2本のケリー
バー6,6の中間位置に、ケリーバーと平行な垂直配置
で地盤安定材等の泥水供給管18が設置されている。泥
水供給管18の下端は、拘束部材9に設けた横方向への
通路を通じて前記スイベルジョイント22と接続され、
更には同スイベルジョイントを介してケリーバーの下端
へ取付けた管構造の攪拌軸12の中空部と接続されてい
る。攪拌軸12にはカッター10より先側に貫入吐出用
の注出口が設けられ、地盤の掘削に必要な潤滑用のベン
トナイト泥水又は地盤安定材を土中へ注出可能に構成さ
れている。また、同じ攪拌軸12の攪拌翼11よりも少
し上方の位置に引抜き吐出用の注出口30が設けられて
いる。引抜き吐出用の注出口は拘束部材9に直接垂直下
向きに貫通させて設けることも可能であり、これらの注
出口を通じて原位置の掘削土壌中に地盤安定材を注入し
攪拌翼11による攪拌、混合に供される。前記貫入用及
び引抜き用の注出口に関しては、泥水の流れを切り換え
る公知の切り換え機構が採用されている。泥水供給管1
8の上端に泥水供給ホース20が接続され、この泥水供
給ホース20はマスト頂部のガイドシーブ21で折り返
され、ベースマシン1に設けられたホースリール17を
経て地上に据付けた公知の地盤安定材等の供給装置(図
示は省略)と接続されている。
【0018】従って、図1、図2に示した2軸型の地盤
改良装置を使用して大深度の軟弱地盤を改良処理するに
際しては、従来工法と同様、図5Aに示したように地盤
改良装置を施工対象地盤の位置に据え付け、回転駆動装
置4で各ケリーバー6を正転方向に回転させ、同ケリー
バー6を押し引きジャッキ5で下向きに適度に押し進め
ながらカッター10による地盤の回転掘削を行う。この
貫入時には地盤の掘削が容易になる潤滑効果を奏する程
度に各攪拌軸12の先端の注出口からベントナイト泥
水、又は地盤安定材などを必要最少限度に注出させる
(貫入吐出)。
【0019】地盤掘削の進行に従い押し引きジャッキ5
がケリーバー6を下降させる。そして、同ケリーバー6
が回転駆動装置12で回転駆動可能な限界点(図5Bを
参照)まで下降した段階で、押し引きジャッキ5により
ケリーバー6を元の高さ位置まで引き上げる。すると、
予めロック用のカンザシピンを抜いておいた第1段目の
ケリーバー単位体6A(最小径の単位体)及び攪拌軸1
2(カッター10、攪拌軸11)を土中にそのまま残し
てケリーバー6(他のケリーバー単位体)が上昇する
(図5C)。そこで第2段目のケリーバー単位体をロッ
クしているカンザシピンを抜いた後に、再び押し引きジ
ャッキ5の押し込み作用による地盤の掘削を開始する。
なお、押し引きジャッキ5によるケリーバー5の押し込
み(掘削作業)は、前記したスプライン機構に設けた凹
部19へ凸条7を進入させ噛み合わせるロック手段を段
階的に利用して進める。図5Dのように第2段目の押し
込み限界に到ると、第1段及び第2段目のケリーバー単
位体6A,6Bをそのまま土中に残し、再びケリーバー
6を図5Eのように引き上げる。以下、同様の工程をく
り返して所望深度まで掘削を進める。従って、ケリーバ
ーは内側のものから外側への順序で段階的に各ケリーバ
ー単位体6A〜6Nが次々に伸長してゆき、カッター1
0による地盤の大深度掘削を可能ならしめる。勿論、ケ
リーバーは途中での継ぎ足し作業は一切無用であるか
ら、極めて効率の良い掘削作業を短工期で達成できる。
従って、施工の準備段階で、到達させるべき施工深度に
照らして予めケリーバーの基本長さ及びテレスコピック
に伸縮する段数(単位体の本数)を適正に用意すること
により、地下70m〜100m前後の大深度の地盤改良
をケリーバーのテレスコピックに伸長する動作により継
ぎ足し無しで一気に施工することが可能である。
【0020】次に、地盤の掘削における垂直精度に関し
ては、拘束部材9に設置した傾斜計26により終始連続
的に鉛直度を計測して、例えば地上の制御装置のディス
プレーに計測結果をリアルタイムに画像表示し、監視員
の目視による監視に供せしめると共に記録を行う。傾斜
計26は、ケリーバー6の垂直精度を計測するように設
置されている。仮に、垂直精度に狂いが発生したことを
傾斜計26が計測したときは、監視員が垂直精度制御用
ロープ14のウインチ25を手動操作し、又は制御装置
を通じてウインチ25を自動制御する方法などにより、
垂直精度を零点に戻す操作で垂直精度の確保又は修正を
随時リアルタイムに行う。
【0021】上述のようにして地盤の掘削が所望深度に
到達すると、続いて引き上げ工程に移る。なお、引き上
げ工程に移る直前の掘削工程は、最終の数m程度を攪拌
軸12の先端の貫入吐出用の注出口からセメントミルク
等の地盤安定材を適量注入して改良地盤の最下層の安定
化を確実に行う。カッター10などの引き上げ工程は、
例えば攪拌軸12を逆転させつつ引抜き吐出用の注出口
30又は拘束部材9に設けた注出口から攪拌翼11の直
上部位へ地盤安定材を適量注出させ、それを攪拌翼11
で掘削土壌との攪拌、混合の処理を十分に行わしめる。
攪拌軸12の引き上げ操作は、拘束部材9に止着した上
述の垂直精度制御用ロープ14をウインチ25で巻き上
げる操作により、掘削時に伸長した順序とは正反対に、
まず最先端の最小径のケリーバー単位体6Aを次上位の
単位体6Bの中空部内へ引っ込め、続いて次上位のケリ
ーバー単位体を更にその上方の単位体の中空部内へ引っ
込めて収縮させる順序と要領で行う。従って、引き上げ
工程を完了すると、再び図1又は図5Aの姿勢に復元す
るのである。
【0022】次に、図6〜図8に示した第2実施例を説
明する。第2実施例は4軸型の地盤改良装置を示したも
ので、ケリーバー6の本数及び配置以外の構成はほとん
ど上記第1実施例と共通する。従って、符号も共通に使
用する。図6は地盤の掘削が所望深度近くまで進行し、
ケリーバーは6A〜6NまでN本のケリーバー単位体で
テレスコピックに伸縮自在に構成されていることを示し
ている。ケリーバーの伸縮自在な構造は上記第1実施例
と同じである。図7と図8に示したように、4本のケリ
ーバーは攪拌軸12の攪拌翼11及びカッター10それ
ぞれの回転円軌跡が各々適当なラップ代で一部分重なり
合うが、中心部には泥水供給管を設置可能なスペースだ
けを非ラップ域として残すように正方形の各頂点の位置
に配置されている。前記4本のケリーバーの先端部は、
拘束部材9により相互に拘束され支持され各軸の軸間距
離が一定に固定されている。また4本の攪拌軸12も拘
束部材9’で支持されている。拘束部材9及び9’は平
面形状を正方形の枠体に形成され、対角線方向に配置し
た補助部材により中心部に泥水供給管18の先端を支持
する構成とされている。泥水供給管18は、攪拌軸の拘
束部材9’に設けた流路及びスイベルジョイント22を
通じて貫入吐出用の注出口と接続されその注出口から地
盤安定材又はベントナイト泥水を注出する経路と、ケリ
ーバーの拘束部材9に設けた流路及びスイベルジョイン
ト22を通じて管状の攪拌軸12における攪拌翼11よ
り少し上方の位置に設けた引抜き吐出用の注出口30か
ら土中へ注出する2系統を持つことは上記第1実施例と
同じである。
【0023】本実施例の場合は、ケリーバーの拘束部材
9における補助部材と共通な対角線方向に姿勢制御バー
13が水平に突設され、各姿勢制御バーに1本ずつ垂直
精度制御用ロープ14の先端が止着されている。また、
前記4本の補助部材が集合した中心部の前記泥水供給管
18と拘束部材9との結合点の近傍位置に各ケリーバー
の垂直精度を計測する傾斜計26が設置されている。
【0024】従って、本実施例の地盤改良装置で軟弱地
盤等を改良施工する要領と工程は上記第1実施例と同じ
であり、特にケリーバーは各単位体が細径のものから順
に段階的に伸長されてゆき、継ぎ足し無しの大深度施工
が行われる。また、引き上げ時には垂直精度制御用ロー
プ14をウインチ25で巻き上げることにより、各ケリ
ーバー単位体が先端側(細径)のものから順に段階的に
収縮されるのであり、勿論、切り離し作業は一切無用で
ある。
【0025】
【本発明が奏する効果】本発明に係る地盤改良工法及び
地盤改良装置によれば、ケリーバーの基本長さ及びテレ
スコピックに伸縮するケリーバー単位体の本数を予め適
正に設計、製作しておくことにより、70m〜100m
前後の大深度施工を、ケリーバーの継ぎ足しや切り離し
作業を一切必要としない伸縮軸方式で効率よく短工期で
行える。しかもテレスコピックに伸縮するケリーバーに
起こりがちな垂直精度の狂いは、傾斜計による計測値に
基づいてリアルタイムに垂直精度制御用ロープを操作し
て修正(補正)でき高い垂直精度を確保できる。垂直精
度制御用ロープはまた、掘削工程により伸びきったケリ
ーバーを引き上げる際にも利用され、ケリーバーを段階
的に収縮させるから、施工精度の維持と効率的な引き上
げ工程を実現せしめる。
【0026】また、ケリーバーを伸縮自在に構成してい
るので、大深度対応であるにもかかわらず、ベースマシ
ンの規模は比較的小さくて済み、機械設備にかかる費用
を低減可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の地盤改良装置を示した側
面図である。
【図2】本発明の第1実施例の地盤改良装置の前部を示
した正面図である。
【図3】Aはケリーバー単位体の外周面のスプラインの
構成を示した立面図、Bはケリーバー単位体の内周面の
スプラインの構成を示した立面図である。
【図4】ケリーバー単位体の平面図である。
【図5】A〜Eは伸縮自在なケリーバーによる施工の進
捗段階を示した説明図である。
【図6】本発明の第2実施例の地盤改良装置を示した側
面図である。
【図7】攪拌軸部分の詳細図である。
【図8】図7のK−K線矢視図である。
【符号の説明】
10 カッター 11 攪拌翼 1 ベースマシン 2 マスト 4 回転駆動装置 6 ケリーバー 6A〜6N ケリーバー単位体 9 拘束部材 14 垂直精度制御用ロープ 25 ウインチ 18 泥水供給管 20 泥水供給ホース 26 傾斜計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 吉夫 千葉県印旛郡印西町大塚一丁目5番 株式 会社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 斉藤 聰 千葉県印旛郡印西町大塚一丁目5番 株式 会社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 北條 善和 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中土木内 (72)発明者 太田 惠智 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中土木内 (72)発明者 小嶋 平三 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中土木内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤を掘削し、原位置の掘削土壌中へ地
    盤安定材を注入し攪拌混合して安定化させる地盤改良工
    法において、 先端にカッター及び攪拌翼を備えベースマシンのマスト
    に沿って昇降する回転駆動装置により回転されるケリー
    バーを必要な基本長さに形成すると共に該ケリーバーは
    複数の管状をなすケリーバー単位体をテレスコピックに
    伸縮自在な多重管構造に組合せ各単位体の相互間で回転
    力を伝達可能に構成すること、 ケリーバー先端の拘束部材に、複数本の垂直精度制御用
    ロープの先端を水平な2次元方向の配置で止着し、該ロ
    ープは地上のベースマシンに設けたウインチに巻き込む
    こと、 2軸又は4軸の配置とされたケリーバーの中間位置に、
    先端が前記拘束部材にまで届く泥水供給管を設置し、攪
    拌軸先端部の注出口及び前記攪拌翼の少し上方位置に設
    けた注出口とそれぞれ接続してあり、該泥水供給管は地
    上の地盤安定材供給装置とホースで接続すること、 拘束部材にケリーバーの垂直精度を計測する傾斜計を設
    置し、前記各傾斜計の計測値は地上の制御装置へ入力さ
    せること、 カッターによる地盤掘削の進捗と共にケリーバーを順次
    段階的に伸長させ、前記傾斜計の計測値に基づいて前記
    の各垂直精度制御用ロープをウインチの駆動制御を通じ
    て個別に操作しケリーバーの垂直精度を確保すること、 カッター等の引き上げ工程は前記の各垂直精度制御用ロ
    ープを巻き上げることによりケリーバー単位体を順次段
    階的に収縮させることによって行うこと、をそれぞれ特
    徴とする、大深度対応の地盤改良工法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した地盤の掘削は、ケリ
    ーバーを吊る垂直精度制御用ロープを緩めて下ろすこと
    により又はジャッキでケリーバーを押し込むことにより
    行うことを特徴とする、大深度対応の地盤改良工法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載したケリーバーを順次段
    階的に伸長させる方法は、管状体をなすケリーバー単位
    体の内周面及び外周面に相対応するスプライン機構を形
    成すると共にその一部分に回転方向に互いに係脱する凹
    凸部を形成し、ケリーバーの回転方向を正逆に変える操
    作により前記凹部と凸部を係脱させて行い、ケリーバー
    単位体が伸長又は収縮する順序はカンザシピンの抜き差
    しにより行うことを特徴とする、大深度対応の地盤改良
    工法。
  4. 【請求項4】 地盤を掘削し、原位置の掘削土壌中へ地
    盤安定材を注入し攪拌混合して安定化させる地盤改良装
    置において、 カッター及び攪拌翼を備えた攪拌軸が先端に取付けら
    れ、ベースマシンのマストに沿って昇降する回転駆動装
    置で回転されるケリーバーは、必要な基本長さに形成さ
    れると共に複数の管状をなすケリーバー単位体がテレス
    コピックに伸縮自在な多重管構造に組合され、各単位体
    の相互間で回転力を伝達可能に構成されていること、 ケリーバー先端部の拘束部材に、複数本の垂直精度制御
    用ロープの先端が水平な2次元方向の配置で止着され、
    該ロープは地上のベースマシンに設けたウインチに巻き
    込まれ個別に操作可能とされていること、 2軸又は4軸の配置とされたケリーバーの中間位置に、
    先端が前記拘束部材に届く泥水供給管が設置され、この
    泥水供給管は前記攪拌軸先端の注出口及び前記攪拌翼の
    少し上方位置に設けた注出口とそれぞれ接続され、該泥
    水供給管は地上の地盤安定材供給装置とホースで接続さ
    れていること、 拘束部材に各ケリーバーの垂直精度を計測する傾斜計が
    設置され、前記各傾斜計は地上の制御装置と接続されて
    いること、をそれぞれ特徴とする、大深度対応の地盤改
    良装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載した垂直精度制御用ロー
    プのウインチは、傾斜計の計測値が入力される制御装置
    により垂直度が零度となるように自動制御されることを
    特徴とする、大深度対応の地盤改良装置。
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