JPH08302185A - 芳香族ポリアミドと溶解性ポリアミドからなるポリマーブレンド - Google Patents

芳香族ポリアミドと溶解性ポリアミドからなるポリマーブレンド

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JPH08302185A
JPH08302185A JP8105884A JP10588496A JPH08302185A JP H08302185 A JPH08302185 A JP H08302185A JP 8105884 A JP8105884 A JP 8105884A JP 10588496 A JP10588496 A JP 10588496A JP H08302185 A JPH08302185 A JP H08302185A
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polyamide
aromatic polyamide
aromatic
solvent
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Jack Preston
ジャック・プレストン
Satoshi Idemura
智 出村
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Research Triangle Institute
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強酸ではない汎用溶媒を使用して、芳香族ポ
リアミドを溶解性ポリアミドのマトリックス中に均一に
分散せしめて、各種形状の材料へ加工された後でも芳香
族ポリアミド分子の分散性が良好で、透明性、耐薬品性
に優れたポリマーブレンドを提供する。 【解決手段】 溶解性ポリアミドの存在下で芳香族ポリ
アミドを合成して、該溶解性ポリアミドのマトリックス
中に芳香族ポリアミドが均一に分散されている透明なゲ
ル状態のポリマーブレンド。上記芳香族ポリアミドの合
成は、(a)溶媒と、該溶媒に溶解した溶解性ポリアミ
ドと、芳香族ポリアミドのモノマーと、金属塩を含む反
応媒体を調製し、(b)次いで、得られた反応媒体への
ホスファイト化合物の添加により、フォスフォリレーシ
ョン反応による芳香族ポリアミドの合成をその場で行
い、透明なゲルを生じせしめる工程を経て行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、剛直芳香族ポリア
ミドに代表される芳香族ポリアミドの分散性、透明性及
び耐薬品性に優れる、ポリマーブレンド及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ある種の芳香族ポリアミドに代表される
剛直ポリマーを屈曲ポリマーに分散してなるポリマーブ
レンドが、新素材として注目されている。このポリマー
ブレンドにおいては、分子状に分散した剛直ポリマーに
より、ホストたるマトリックスポリマーが分子レベルで
修飾される。この種のポリマーブレンドは、剛直ポリマ
ーのもつ機械特性、熱安定性、耐薬品性と言う長所と、
同時に屈曲ポリマーの成形性といった長所が生かされる
ことが期待されている。
【0003】例えば、剛直ポリマーのブレンドによる屈
曲ポリマーの引張り特性の向上が報告されている。ここ
でいう「剛直」の定義は特開昭52−131436号公
報、及び米国特許4228218号公報に述べられてい
る。剛直でないポリマーは、屈曲ポリマーとして類別さ
れる。顕微鏡レベルで剛直ポリマー分子が微細分散して
なるポリマーブレンドは、新素材として大いに期待され
ている。
【0004】しかしながら、あるポリマーを他種ポリマ
ーに分散させることは一般に困難であり、これはポリマ
ーの相分離や凝集が熱力学的に避けられないことによ
る。剛直ポリマーと屈曲ポリマーとのブレンド化を達成
せんとする幾つかの方法が検討されている。なかでも共
凝固法は剛直ポリマーのブレンドに汎用されている方法
である。この方法では、剛直ポリマーと屈曲ポリマーを
含む均一溶液を、速やかに貧溶媒に注いで、両者のブレ
ンドされた沈澱を得ることを特徴とする。
【0005】しかしながら、この共凝固法は、剛直ポリ
マーの微分散が得られない不十分な方法である。なぜな
ら非平衡状態での固化が期待できても、やはりエントロ
ピー的に有利なポリマーの分離が生じてしまうからであ
る。
【0006】本発明はポリ(p−フェニレンテレフタラ
ミド)[以下PPD−T略記]とナイロンからなるポリ
マーブレンドを対象に含めるものであるが、このブレン
ドを共凝固法により得ると、直径30nmのPPD−T
のミクロフィブリルが生じてしまうことが知られている
[J.Macromol.Sci.Phys.,B17
巻(4)、591頁、1980年]。
【0007】さらに、共凝固法は他にも欠点を有してい
る。PPD−Tの様な剛直ポリマーは、溶解性に乏し
く、溶媒として強酸を必要とし、均一溶液を得るに当た
って、多量の硫酸やメタンスルホン酸等の強酸溶媒を用
いなければならない。この様な強酸の使用は、ポリマー
の分解を引き起こし、また特に工業プロセスにおいては
多量のポリマーブレンドを製造するのに不都合である。
【0008】共凝固法とは別の、比較的新しい剛直ポリ
マーのマトリックスポリマーへのブレンド化方法とし
て、剛直ポリマーをマトリックスポリマーの存在下で
その場で(in situ)合成する方法が知られている。こ
の方法では、溶解もしくは溶融した屈曲ポリマーのマト
リックス中において、剛直ポリマーの合成を行なう。
【0009】例えば、緒方らは、Polym. J. 22巻(2)、8
5頁、1990年、や Chem. Mater. 4巻、1123頁、1992年
や、 J. Polym. Sci. Part A: Polym. Chem., 31巻, 59
7頁、1993年に、含塩素炭化水素等に溶解したポリアリ
レートやエラストマーといったマトリックスポリマーの
存在下で、PPD−T、PBA[ポリ(p−ベンズアミ
ド)]といった剛直ポリアミドや、PHB[ポリ(p−
ヒドロキシベンゾエート)]といった剛直ポリエステル
を合成した例を報告している。
【0010】しかしながら、彼らの方法によれば、剛直
ポリマーの懸濁液が生成してしまい、最終的に500n
mもしくはそれ以上の大きな凝集体を有する不透明なフ
ィルムしか得られない。また、レッシュは、Polym. Pre
pr.33巻(1), 370頁、1992年に、ナイロンマトリックス
中でPBAとPABC[ポリ(p−アミノベンゾイルカ
プロラクタム)]との混成物の合成をしても、ナイロン
6とPBA/PABCとの相分離構造が得られることを
報告している。
【0011】これらの方法は、汎用溶媒を用いる系もし
くは無溶媒の系である点で意義があるが、結果的にナノ
メーターレベルでの剛直ポリマーの微分散を実現するに
は至っておらず、良好な透明性は得られなかった。これ
らの その場(in situ)合成法を含む従来公知の方法で
は、どうしてもエントロピー的に有利なポリマー間の分
離がある程度生じてしまい、剛直ポリマーを含有するポ
リマーブレンドを、強酸を使用せずに、且つ剛直ポリマ
ーを均一に分散させた形で製造する方法はいまだ確立さ
れておらず、その実現が強く望まれていた。
【0012】本発明は、溶解したポリアミドの存在下
で、剛直ポリアミドの その場(in situ)合成をフォス
フォリレーション縮合反応を用いて行なうものである
が、このフォスフォリレーション縮合反応を、溶解した
他種ポリマーの存在下で行う方法は、次の如く知られて
いる。ポリ(4−ビニルピリジン)のマトリックスとポ
リ(エチレンオキシド)のマトリックスでの合成が、各
々、J. Polym. Sci.Polym. Chem. Ed., 18巻, 851頁、
1980年と、J. Polym. Sci.,Polym. Chem. Ed., 18巻,
1099頁、1980年に報告されている。
【0013】また、ポリ(ビニルピロリジノン)、ポリ
(4−ビニルピリジン)、及びポリ(エチレンオキシ
ド)のマトリックス中での合成が、J. Polym. Sci.,Po
lym. Chem. Ed., 18巻, 2875頁、1980年に報告されてい
る。しかしながら、これらのフォスフォリレーション重
縮合反応を適用した報告は、マトリックスポリマーとし
てポリアミドを使用せずに、マトリックスポリマーを単
に高分子量の芳香族ポリアミドを得る為の反応促進剤と
して用いているにすぎず、水溶性のマトリックスポリマ
ーは洗浄により除去されてしまい最終生成物中に存在し
ない。また従来の技術には、本発明のその場(in sit
u)合成による透明なゲル状のポリマーブレンドの生成
や、芳香族ポリアミドのマトリックスポリマー中での優
れた分散性は何等述べられておらず、当然のことながら
マトリックスポリマーの透明性や耐薬品性の向上に関し
てはなんら言及されていない。
【0014】上記のフォスフォリレーション重縮合反応
では、N−メチル−2−ピロリジノン(N−メチル−2
−ピロリドン)を溶媒として使用しており、この溶媒は
前述のマトリックスポリマーを溶解する。ナイロン6の
様なポリアミドが、N−メチル−2−ピロリジノンとい
ったアミド型の溶媒の沸騰状態にて溶解することは、米
国特許2958677号公報に記載されているものの、
ナイロン6の様なポリアミドをマトリックスとして、フ
ォスフォリレーション縮合反応によるポリマーブレンド
の製造を目的とするその場(in situ)合成を試みた報
告はなかった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決しようと
する課題は、有機溶媒に溶解性の乏しい芳香族ポリアミ
ドのポリマーブレンドに、強酸ではない汎用溶媒を使用
することができ、合成された芳香族ポリアミド分子は、
各種形状の材料へ加工された後でも、溶解性ポリマーマ
トリックスにナノメーターレベルで均一に微分散してお
り、透明性に優れるポリマーブレンドを与え、且つ、優
れた耐薬品性を有する、相分離の抑制された剛直ポリア
ミドを含むポリマーブレンドを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、課題を解
決するために鋭意検討を重ねた結果、脂肪族ポリアミド
の様な溶解性ポリアミドを溶媒に溶解してなるマトリッ
クス中にてフォスフォリレーション重縮合反応によりP
PD−TやPBA等の剛直ポリアミドをはじめとする芳
香族ポリアミドをその場(in situ)合成することによ
り、当該芳香族ポリアミドが均一に微分散した透明なゲ
ル生成物を得た。このゲル中のポリマー鎖は運動が束縛
されものと考えられ、従来の共凝固法やその場(in sit
u)合成法で問題となっていた相分離、即ち凝集による
分離を生じせしめないことを見いだし、本発明を完成す
るに至った。
【0017】尚、本発明は、剛直芳香族ポリアミドと屈
曲脂肪族ポリアミドからなるポリマーブレンドを主眼と
するものであるが、剛直でない芳香族ポリアミドと単に
溶媒に溶解性のポリアミドからなるポリマーブレンドに
も有効である。従って、本発明は発明の名称が示すごと
く、芳香族ポリアミドと溶解性ポリアミドからなるポリ
マーブレンドに関するものである。
【0018】即ち、本発明は、溶解性ポリアミドの存在
下で合成された芳香族ポリアミドが、該溶解性ポリアミ
ドのマトリックス中に均一に分散されている透明なゲル
状態のポリマーブレンドであって、前記芳香族ポリアミ
ドの合成が、(a)溶媒と、該溶媒に溶解した溶解性ポ
リアミドと、芳香族ポリアミドのモノマーと、金属塩を
含む反応媒体を調製し、(b)次いで、得られた反応媒
体へホスファイト化合物を添加することにより、フォス
フォリレーション反応による芳香族ポリアミドの合成を
その場で行い、透明なゲルを生じせしめる工程を経て行
われたことを特徴とするものである。
【0019】本発明のポリマーブレンドは、上述の透明
なゲルから溶媒を除去したことを特徴とするポリマーブ
レンドや、溶媒を除去して得られるポリマーブレンド
が、溶解性ポリアミドよりも透明性に優れ、かつ成形性
を有することを特徴とするポリマーブレンドや、溶媒を
除去した後のポリマーブレンド中の芳香族ポリアミドの
含有率が80重量%以下であることを特徴とするポリマ
ーブレンドを含む。
【0020】更に、本発明のポリマーブレンドは、芳香
族ポリアミドのモノマーが、テレフタル酸、イソフタル
酸、及びそれらの芳香族環に置換基を有するものからな
る群から選ばれる少なくとも一つの芳香族ジカルボン酸
と、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミ
ン、1,5’−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノ
ナフタレン、2,3−ジアミノナフタレン、3,4’−
ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’
−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフ
ェニルメタン、及びそれらの芳香族環及び/又は窒素に
置換基を有するものからなる群から選ばれる、少なくと
も一つの芳香族ジアミンとの組み合わせであることを特
徴とするポリマーブレンドを含み、
【0021】また、芳香族ポリアミドのモノマーが、p
−アミノ安息香酸、m−アミノ安息香酸、及びそれらの
芳香族環及び/又は窒素に置換基を有するものからなる
群から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする
ポリマーブレンドを含む。本発明のポリマーブレンド
は、芳香族ポリアミドが、特に、ポリ(p−フェニレン
テレフタラミド)、ポリ(p−ベンズアミド)及びそれ
らの共重合体からなる群から選ばれる一つであることを
特徴とするポリマーブレンドや、溶解性ポリアミドが、
少なくとも一つの脂肪族ポリアミド、又はその共重合体
であることを特徴とするポリマーブレンドを含む。
【0022】更に、本発明のポリマーブレンドは、溶媒
がN−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルア
セトアミド、及びN,N,N’,N’−テトラメチル尿
素からなる群から選ばれる、一種以上であることを特徴
とするポリマーブレンドや、ホスファイト化合物が一個
以上のアリール基を有するものであることを特徴とする
ポリマーブレンドを含む。
【0023】また、本発明のポリマーブレンドは、ポリ
マーブレンド中の溶解性ポリアミドの一部もしくは全部
が蟻酸又はクレゾールに不溶となっていることを特徴と
するポリマーブレンドを含み、特に、ポリマーブレンド
中の蟻酸もしくはクレゾール中での不溶分が、該ポリマ
ーブレンド中の芳香族ポリアミドの重量の2倍以上であ
ることを特徴とするポリマーブレンドを含むものであ
る。
【0024】更に、本発明のポリマーブレンドは、芳香
族ポリアミドが、特に、p−ニトロテレフタロイルもし
くは5−ニトロイソフタロイル基を有することを特徴と
するポリマーブレンドや、芳香族ポリアミドが、アミド
結合1モル当たり0.1モルのp−ニトロテレフタロイ
ル又は5−ニトロイソフタロイル基を有することを特徴
とするポリマーブレンドや、
【0025】該芳香族ポリアミドが、ポリ(p−フェニ
レンニトロテレフタラミド)、ポリ(p−フェニレン−
5−ニトロイソフタラミド)、ポリ(m−フェニレンニ
トロテレフタラミド)、ポリ(m−フェニレン−5−ニ
トロイソフタラミド)及びそれらの共重合体からなる群
から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とするポ
リマーブレンドを含むものである。
【0026】また本発明のポリマーブレンドは、得られ
たポリマーブレンドを更に180℃以上で加熱処理して
なることを特徴とするポリマーブレンドや、加熱処理し
たポリマーブレンド中の溶解性ポリアミドの一部もしく
は全部が硫酸に不溶となっていることを特徴とするポリ
マーブレンドや、ポリマーブレンド中の硫酸中での不溶
分が、該ポリマーブレンド中の芳香族ポリアミドの重量
の2倍以上であることを特徴とするポリマーブレンドを
含むものである。
【0027】更に、本発明は、(a)溶媒と、該溶媒に
溶解した溶解性ポリアミドと、芳香族ポリアミドのモノ
マーと、金属塩を含む反応媒体を調製し、(b)次い
で、得られた反応媒体へのホスファイト化合物の添加に
より、フォスフォリレーション反応による芳香族ポリア
ミドの合成をその場でおこない、透明なゲルを生じせし
める工程を有することを特徴とするポリマーブレンドの
製造方法であり、該透明なゲルから、更に溶媒を除去す
る工程を有することを特徴とするポリマーブレンドの製
造方法を含む。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明では、溶解性ポリアミドの
存在下で合成された芳香族ポリアミドが溶解性ポリアミ
ドのマトリックス中に均一に分散した透明なゲルの状態
でのポリマーブレンドを得るに当たり、(a)溶媒と、
それに溶解した溶解性ポリアミドと、芳香族ポリアミド
のモノマーと、金属塩を含む反応媒体を調製し、(b)
次いで、得られた反応媒体へのホスファイト化合物の添
加にてフォスフォリレーション反応による当該芳香族ポ
リアミドの合成をその場で行い、透明なゲルを生じせし
める。また該透明なゲルから溶媒を除去してポリマーブ
レンドを得ることもできる。
【0029】ここにおける芳香族ポリアミドの合成は、
溶解性の良好なモノマーからのその場(in situ)合成
により、ホスファイトを縮合剤とするフォスフォリレー
ション重縮合反応を通じておこなう。本発明の3つの大
きな特長をまとめると、第一に、PPD−Tの如く有機
溶媒に溶解性の乏しい芳香族ポリアミドのブレンドに、
強酸ではなく汎用の水素を放出しない溶媒を使用するこ
とが出来ること、第二に、その場(in situ)合成され
た芳香族ポリアミド分子は、各種形状を有する材料への
加工を経た段階においても、溶解性ポリマーマトリック
スにナノメーターレベルで均一に分散しており、驚くべ
きことに、出発物質である溶解性ポリアミド単体よりも
一層、透明性に優れるポリマーブレンドを与えること、
第三に、得られたポリマーブレンドには、通常ポリアミ
ドを溶解させてしまう酸をはじめとする薬品に対する優
れた耐性が付与されることである。
【0030】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明で言うフォスフォリレーション重縮合反応とは、ヤマ
ザキ反応もしくはヒガシ反応として知られるものであ
る。これまでに、この重縮合反応をポリマーブレンドを
得る目的で、溶解性ポリマーのマトリックス中の芳香族
ポリアミドのモノマーに適用した例は無い。
【0031】フォスフォリレーション反応では、酸モノ
マーをアシル化せずに、そのまま使用できる。芳香族ポ
リマーは、モノマーとしては、芳香族ジカルボン酸と芳
香族ジアミンの組み合わせ、もしくは芳香族アミノ酸か
ら合成される。
【0032】本発明における芳香族ジカルボン酸と芳香
族ジアミンの組み合わせの例としては、テレフタル酸、
イソフタル酸、及びそれらの芳香族環に置換基を有する
ものからなる群から選ばれる一種以上の芳香族カルボン
酸と、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミ
ン、1,5’−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノ
ナフタレン、2,3−ジアミノナフタレン、3,4’−
ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’
−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフ
ェニルメタン、及びそれらの芳香族環及び/または窒素
に置換基を有するものからなる群から選ばれる一種以上
の芳香族ジアミンとの組み合わせを挙げることができ
る。
【0033】例えば、テレフタル酸とp−フェニレンジ
アミンの組み合わせからは、ポリ(p−フェニレンテレ
フタラミド)[PPD−T]が得られる。なお、本発明
においては、芳香族ポリアミドに代えて芳香族ポリヒド
ラジドを、例えばテレフタル酸とp−アミノベンズヒド
ラジドといったモノマーの組み合わせからポリ(p−フ
ェニレンアミノベンズヒドラジド)を、イソフタル酸と
p−アミノベンズヒドラジドといったモノマーの組み合
わせからポリ(m−フェニレンアミノベンズヒドラジ
ド)を得ることも可能である。
【0034】本発明では、芳香族アミノ酸を、上述の芳
香族ジカルボン酸と芳香族ジアミンと組み合わせて使用
しても良い。芳香族アミノ酸としては、p−アミノ安息
香酸、m−アミノ安息香酸、及びそれらの芳香族環及び
/または窒素に置換基を有するものからなる群から選ば
れる一種以上のものを挙げることができる。例えば、p
−アミノ安息香酸モノマーからはポリ(p−ベンズアミ
ド)[PBA]得られる。
【0035】これらのモノマーの重縮合反応の開始前
に、溶媒と、そこに完全に溶解せしめた溶解性ポリアミ
ドと、モノマーと、金属塩で構成される反応媒体を調製
する必要がある。ここで用いる溶媒としては、アミド型
の溶媒が特に好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロ
リジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N,
N’,N’−テトラメチル尿素を挙げることが出来る。
【0036】反応を促進させる為に、溶媒に3級アミン
を添加しても良い。3級アミンの例として、ピリジン、
イミダゾール、ピコリン、ルチジンを挙げることができ
る。これらの3級アミンは、添加量としては前記溶媒の
50重量%以下で、単独もしくは2種以上の組み合わせ
で用いても良い。
【0037】溶媒への金属塩の添加は、溶媒の溶解力を
向上させると同時に、おそらくは金属塩が反応自体に直
接関与するといった要因により反応を促進させるので好
ましい。ここで言う金属塩としては、塩化リチウム、塩
化カルシウム、塩化マグネシウム、及び塩化亜鉛を挙げ
ることができ、単独もしくは2種以上の組み合わせの形
で使用しても良い。これら金属塩は通常アミド型溶媒の
1〜25重量%、好ましくは4〜15重量%加えられ
る。
【0038】本発明で言う溶解性ポリアミドとは、それ
ぞれ上述の重量%の金属塩を含有する、N−メチル−2
−ピロリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,
N.N’,N’−テトラメチル尿素からなる群から選ば
れる1種以上の溶媒に180℃以下の温度にて溶解可能
なものを指す。溶解性ポリアミドの代表的な例として、
ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン4
6、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン610、ナ
イロン612、及びこれらの共重合体からなる群から選
ばれる一種以上の脂肪族鎖族ポリアミドが挙げられ、な
かでもナイロン6とナイロン66が好ましい。
【0039】これらポリアミドの共重合体も用いてよい
が、共重合体の形態としては、溶解性ポリアミド間もし
くは溶解性ポリアミドと他ポリマー間の、ランダム、ブ
ロック及び/またはグラフト共重合体が挙げられる。厳
密な意味において、本発明でいう溶解性ポリアミドと
は、その化学構造ではなく、当該溶媒への溶解性から分
類されるものである。従って、ポリアミドやその共重合
体が、例え、剛直ポリアミド及び/または芳香族ポリア
ミドであっても、前述の溶媒に溶解性であるならば、本
発明でいう溶解性ポリアミドとみなせる。
【0040】溶解性ポリアミドの、溶媒中の濃度は1〜
25重量%であることが好ましく、この濃度範囲とする
ことによって、溶媒除去後のポリマーブレンド中に存在
するその場(in situ)合成で得た芳香族ポリアミドの
重量分率を80%にまですることが可能である。
【0041】溶解性ポリアミドのアミド型溶媒への溶解
は80℃〜170℃の温度で、撹拌しながら金属塩の存
在下で操作することが効果的である。酸化防止の観点か
ら、この溶解操作は窒素の様な不活性雰囲気下でおこな
うことが好ましい。モノマーの添加は、溶解性ポリアミ
ドの溶媒への溶解の前もしくは後のいずれに行っても良
い。3級アミンを使用する場合も、3級アミンの添加は
溶解性ポリアミドの溶媒への溶解の前もしくは後のいず
れに行っても良い。
【0042】溶解性ポリアミドが完全に溶解した後は、
80〜180℃の所定の反応温度に保つとともに、得ら
れた反応媒体中に溶解性ポリアミドが完全に溶解した状
態にしておく。上記方法にて、芳香族ポリアミドのその
場(in situ)合成のための反応媒体が得られる。ここ
でいう反応媒体は、芳香族ポリアミドのモノマーの添加
前に当該溶媒中で溶解性ポリアミドを合成することによ
り得たものでも差し支えない。
【0043】反応媒体中のモノマーは、必ずしも完全に
溶解させておく必要はない。なぜなら、縮合剤であるホ
スファイト化合物の添加によりその場(in situ)合成
が開始された後は、直ちに重縮合が段階的に進行し、モ
ノマーが、恐らくは活性化、もしくはオリゴマー化した
状態で、反応媒体中に自然と溶解して行くからである。
【0044】上述の如く、反応温度に保たれた反応媒体
へのホスファイト化合物の添加により、アミノ基とカル
ボキシル基とのフォスフォリレーション重縮合反応が進
行することになる。ここで言うホスファイト化合物とし
ては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルホスファ
イト、トリ-o-トリルホスファイト、ジ-o-トリルホスフ
ァイト、トリ-m-トリルホスファイト、ジ-m-トリルホス
ファイト、トリ-p-トリルホスファイト、ジ-p-トリルホ
スファイト、トリ-o-クロロフェニルホスファイト、ジ-
o-クロロフェニルホスファイト、トリ-m-クロロフェニ
ルホスファイト、ジ-m-クロロフェニルホスファイト、
トリ-p-クロロフェニルホスファイト、及びジ-p-クロロ
フェニルホスファイトからなる群から選ばれる一種以上
のアリールホスファイトを指す。
【0045】これらのホスファイト化合物の添加量は、
合成しようとする芳香族ポリアミドのモノマーのカルボ
キシル基と等モル量〜その10モル%過剰量とすること
が好ましい。ホスファイト化合物は、その全量を一度
に、または滴下によって、反応媒体に添加して良い。
【0046】ホスファイト化合物の添加後に反応が進行
し、反応混合物は増粘し、通常150分以内に透明な外
観のままゲル化が起こる。ゲル化後もフォスフォリレー
ション縮合反応は、ある程度進行し、最終的には弾性を
有する透明なゲル生成物が得られる。この様な方法によ
って、溶解性ポリアミドの存在下でその場(in situ)
合成された芳香族ポリアミドが、該溶解性ポリアミドの
マトリックスに均一に微分散してなるポリマーブレンド
が得られる。
【0047】PPD−TやPBAといった剛直な芳香族
ポリアミドを合成する場合、剛直鎖の形成は得られたポ
リマーブレンドのインヘレント粘度の上昇により判断す
ることが可能である。このことは、剛直ポリアミドは一
般に溶解性の(すなわち屈曲性の)ポリアミドに比し、
高いインヘレント粘度を与えることに基づく。インヘレ
ント粘度の値は従来公知の方法により得られる。
【0048】本発明では、透明なゲル生成物の形成は不
可欠であり、運動性のないゲルの網目が、均一に混合さ
れているポリマーのエントロピー的に有利な相分離を抑
止することになる。 このゲル生成物は溶媒を含む。こ
のゲル生成物は、例えば繊維、粉体、フィルムもしく
は、立体成形品に加工することが可能である。
【0049】ここでいう加工は、ゲルから溶媒を除去す
る前または後、もしくは溶媒を除去しながら行われてよ
い。例えば、ゲル生成物を粉体に加工する場合、ゲルを
細かく裁断した後に、アルコールや水の中で洗浄し、次
いで50℃から100℃で乾燥させることにより当該溶
媒を除去すれば良い。
【0050】該溶媒の除去に際して、その場(in sit
u)合成された芳香族ポリアミドと溶解性ポリアミド以
外の成分及び副生成物は除去される。かくして得られた
粉体状のポリマーブレンドは、価値ある形状のものに逐
次加工することが可能である。例えば、得られた粉体
を、用いた溶解性ポリアミドの融点以上の適切な温度に
て圧縮成形し、フィルム化することが出来る。
【0051】本発明では、その場(in situ)合成され
た芳香族ポリアミドの分散性及び得られたポリマーブレ
ンドの優れた耐酸性を開示する。その場(in situ)合
成された芳香族ポリアミドの分散性は、フィルムの透明
度の目視による観察、より正確にはフィルム破断面の走
査型電子顕微鏡観察により行なわれる。言うまでもな
く、より均一な微分散がより透明な外観を与える。
【0052】本発明により得られるポリマーブレンド
は、前述の共凝固法にて得られるものよりも透明性に優
れるが、驚くべきことに、溶解性ポリアミドの原体に比
してもより透明なものとなる。電子顕微鏡観察からは、
その場(in situ)合成された芳香族ポリアミドは、共
凝固法のそれに比し、遥かに均一に分散している。電子
顕微鏡による30000倍での観察によれば、共凝固法
にて得たポリマーブレンドには20nm〜50nmの凝
集粒子の存在が確認されるが、本発明のその場(in sit
u)合成法にて得たポリマーブレンドには、直径10n
m以上の凝集粒子は全く認められない。
【0053】本発明の意図するところの一つは、その場
(in situ)合成により芳香族ポリアミドを混合するこ
とによって、溶解性ポリアミドの耐薬品性を向上させる
ことにある。特に、僅か3〜10重量%の芳香族ポリア
ミドの混合により、溶解性の脂肪族鎖ポリアミドの耐酸
性が大幅に向上される。耐酸性の向上は、原料ポリアミ
ドを容易に溶解する、蟻酸やクレゾール等の酸の中での
重量保持率を測定することにより評価できる。
【0054】芳香族ポリアミド、とりわけ剛直な構造を
有するものは、伸びきり鎖構造により、極めて耐薬品性
に優れる。本発明では、芳香族ポリアミドを均一に組み
入れることにより、芳香族ポリアミドのこうした特長
が、溶解性ポリアミドの耐薬品性強化に効果的に作用す
る。
【0055】本発明においては、かかる芳香族ポリアミ
ドのなかでも、特にフタロイル部位にニトロ基を置換基
として有するものが、優れた耐酸性を与える。即ち、本
発明によれば、これらの芳香族ポリアミドの僅か3〜1
0重量%を溶解性ポリアミドに複合させて得られたポリ
マーブレンドを加熱処理することによって、硫酸といっ
た強酸に対してさえも、特段にすぐれた耐性を有する材
料が得られる。
【0056】ここでいう耐酸性の向上は、95重量%以
上の濃硫酸へ接触させた後の重量保持率の測定にて評価
出来る。かかる芳香族ポリアミドにおいては、ニトロ基
はテレフタロイル基、もしくはイソフタロイル基のメタ
位にあること、即ち、ニトロテレフタロイル基、もしく
は5−ニトロイソフタロイル基の形で存在することが好
ましい。更に強酸への十分な耐性を得る為には、ニトロ
トレフタロイル基、もしくは、5−ニトロイソフタロイ
ル基は、芳香族ポリアミドのアミド結合1モル当たり
0.1モル以上とすることが好ましく、更に好ましくは
0.25モル以上である。
【0057】具体的には、ポリ(p−フェニレンニトロ
テレフタラミド)[PPD−NTと略記]、ポリ(p−
フェニレン−m−ニトロイソフタラミド)、ポリ(m−
フェニレンニトロテレフタラミド)、ポリ(p−フェニ
レン−5−ニトロイソフタラミド)もしくはこれらの共
重合体を、ニトロ基を有する芳香族ポリアミドの代表的
な例として挙げることが出来る。
【0058】これらのポリアミドは、ニトロテレフタル
酸や、5−ニトロイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸
と、p−フェニレンジアミンや、m−フェニレンジアミ
ン等の芳香族ジアミンとのモノマーの組み合わせを用
い、本発明のその場(in situ)合成法により合成する
ことが出来る。ここで得られるニトロ基を有する芳香族
ポリアミドを含有するポリマーブレンドには、強酸への
十分な耐性を得るために加熱処理を施すことが重要であ
る。
【0059】ここでいう加熱処理とは、通常、繊維やフ
ィルム等の加工後の状態で、180℃以上の温度、好ま
しくは200℃〜原料の溶解性ポリアミドの融点の温度
範囲にて行う。
【0060】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、これらは本発明の代表的態様を例示するも
のであり、本発明の範囲をこれらに限定するものではな
い。
【0061】(実施例1) (ナイロン6の存在下におけるPPD−Tのその場(in
situ)合成)冷却器及び窒素導入口を有し、乾燥状態
のフラスコ中で50mlのN−メチル−2−ピロリジノ
ン(NMP)、10mlのピリジン、1.0gの塩化リ
チウム、3.0gの塩化カルシウム、0.436g
(0.067 mol/l)のテレフタル酸(TP
A)、0.669g(0.067 mol/l)のp−
フェニレンジアミン(PPD)を混合した。
【0062】次いで、得られた混合物に8.64gのナ
イロン6(インヘレント粘度=1.0dl/g)を添加
し、165℃で60分以上撹拌してナイロン6が完全に
溶解してなる溶液を得た。次いで、得られた混合物を反
応温度である115℃まで冷却した。得られた混合物
は、濁った黄色の外観を有するものであった。続いて、
115℃で激しく撹拌しながら、この混合物に2.11
ml(0.134mol/l)のトリフェニルホスファ
イト(TPP)を添加した。
【0063】TPPの添加後、直ちに、濁った混合物は
透明で黄色の溶液となり、37分後に透明で黄色の高粘
度のゲルとなった。得られたゲル生成物は、最終的には
非常に高粘度となり撹拌の継続が不能となった。得られ
た生成物を、メタノール入りのブレンダー容器中で細か
く裁断し、次いでろ過により分離し、さらに沸騰メタノ
ール中で繰り返し洗浄したものを、真空下80℃で一晩
乾燥させた。
【0064】かくして、その場(in situ)法にて形成
された、PPD−Tとナイロン6のポリマーブレンド
[PPD−T/ナイロン6(10/90)と略記]を粉
体として得た。このポリマーブレンドのインヘレント粘
度は1.7dl/gであった。なお、本発明では、括弧
内の分率は芳香族ポリアミドとナイロンの重量比を示
す。また、本発明で言うインヘレント粘度とは、キャノ
ン−ウベローデ粘度計にて、30℃で0.1g/dの濃
硫酸溶液を用いて求めた値である。
【0065】(芳香族ポリアミドの分散性評価)芳香族
ポリアミドの分散性は、フィルム状試料の透明性による
評価、及び走査型電子顕微鏡観察による芳香族ポリアミ
ドの粒径の大きさにより行った。得られたポリマーブレ
ンドの粉体を290℃で30秒間、加熱加圧成形し、フ
ィルムとした。得られたPPD−T/ナイロン6のフィ
ルムは、原料に使用したナイロン6そのもののフィルム
に比して優れた透明性を有していた。
【0066】得られたフィルムを液体窒素中にて破断せ
しめ、得られた破断面にプラチナを蒸着してなる試料を
日立S−400走査型電子顕微鏡を用い30000倍の
倍率で観察した。電子顕微鏡観察によれば、直径10n
mより大きな粒径を有するPPD−Tの凝集粒子は認め
られなかった。
【0067】(ポリマーブレンドの耐酸性評価)得られ
たポリマーブレンドの不溶性を、以下に述べるナイロン
を溶解し得る蟻酸中での重量保持率にて評価した。1.
0gのポリマーブレンドの粉体を、200mlの蟻酸中
に撹拌しながら25℃で3日間浸せきし、ものの溶解が
平衡に達したポリマーブレンドの重量保持率は64%で
あった。(なお、ナイロン単独では、この実験操作にて
完全に溶解する)
【0068】(実施例2)実施例1において、ナイロン
6の使用量を1.44g(24g/l)とした以外は、
実施例1と同様の操作を行い、実施例1と同様な透明な
ゲルを得た。かくして、その場(in situ)法にて形成
されたポリマーブレンドであるPPD−T/ナイロン6
(10/90)を粉体として得た。得られたポリマーブ
レンドのインヘレント粘度は2.6dl/gであった。
本ポリマーブレンドは、PPD−Tの分率が高いために
流動性が低く、加熱加圧成形を行なうことはできなかっ
た。
【0069】(実施例3)実施例1のナイロン6の使用
量を0.3244g(5.3g/l)とした以外は、実
施例1と同様の操作を行い、実施例1と同様な透明なゲ
ルを得た。かくして、その場(in situ)合成法にて形
成されたポリマーブレンドであるPPD−T/ナイロン
6(75/25)を粉体として得た。得られたポリマー
ブレンドのインヘレント粘度は3.3dl/gであっ
た。本ポリマーブレンドにおいては、PPD−Tの分率
が高いために流動性が低く、加熱加圧成形を行なうこと
はできなかった。
【0070】(実施例4) (ナイロン6の存在下におけるPPD−NTのその場
(in situ)合成)実施例1に記載の方法に準じて、
8.64g(144g/l)のナイロン6を50mlの
NMP、10mlのピリジン、1.0gの塩化リチウ
ム、3.0gの塩化カルシウム、0.716g(0.0
57mol/l)のニトロテレフタル酸、及び0.36
7g(0.057mol/l)のp−フェニレンジアミ
ンからなる混合物に、165℃で撹拌しながら溶解せし
め、60分以内に、完全に溶解したナイロン6を含む溶
液を得た。
【0071】次いで、得られた混合物を冷却し、反応温
度である115℃まで冷却した。得られた混合物は透明
でオレンジ色の外観を有するものであった。続いて、1
15℃で激しく撹拌しながら、この混合物に1.78m
l(0.113mol/l)のTPPを添加した。44
分後に透明で濃黄色の高粘度のゲルが得られた。このゲ
ル生成物は、最終的には非常に高粘度となり撹拌の継続
が不能となった。
【0072】得られた生成物を、実施例1と同様の方法
で洗浄、乾燥した。かくして、その場(in situ)合成
法にて形成された、ポリマーブレンドであるPPD−N
T/ナイロン6(10/90)を粉体として得た。この
ポリマーブレンドのインヘレント粘度は1.7dl/g
であった。
【0073】(芳香族ポリアミドの分散性評価)得られ
たポリマーブレンドの粉体を275℃で30秒間、加熱
加圧成形しフィルムとした。得られたフィルムは、原料
に使用したナイロン6そのもののフィルムに比して優れ
た透明性を有していた。また、得られたフィルムの破断
面を、走査型電子顕微鏡にて実施例1と同様の方法で観
察したが、直径10nmより大きな粒径を有するPPD
−NTの凝集粒子は認められなかった。
【0074】(ポリマーブレンドの耐酸性評価)得られ
たポリマーブレンドの不溶性を、以下に述べる、後述の
加熱処理を施す以前のPPD−NT、及びナイロンを共
に溶解させ得る濃硫酸中での重量保持率にて評価した。
得られたポリマーブレンドのフィルムを真空下210℃
で24時間加熱処理した。次いで、0.01gのフィル
ムを5mlの濃硫酸(96%)中に、25℃で3日間浸
せきさせた。フィルムの重量保持率は63%であった。
(ナイロン単独のフィルムは、この操作にて完全に溶解
する)
【0075】(実施例5) (ナイロン6の存在下におけるPBAのその場(in sit
u)合成)実施例1に記載の方法に準じて、8.09g
(134g/l)のナイロン6を50mlのNMP、1
0mlのピリジン、1.0gの塩化リチウム、3.0g
の塩化カルシウム、1.035g(0.126mol/
l)のp−アミノ安息香酸からなる混合物に165℃で
撹拌しながら溶解せしめ、60分以内に完全に溶解した
ナイロン6を含む溶液を得た。得られた混合物は透明で
黄色の外観を有するものであった。
【0076】続いて、165℃で激しく撹拌しながら、
この混合物に1.98ml(0.126mol/l)の
TPPを添加した。5分後に透明で濃黄色の高粘度のゲ
ルが得られた。このゲル生成物は、直ちに非常に高粘度
となり撹拌の継続が不能となった。得られた生成物を、
実施例1と同様の方法で洗浄、乾燥した。かくして、そ
の場(in situ)法にて形成された、ポリマーブレンド
であるPBA/ナイロン6(10/90)を粉体として
得た。このポリマーブレンドのインヘレント粘度は1.
5dl/gであった。
【0077】(芳香族ポリアミドの分散性評価)得られ
たポリマーブレンドの粉体を255℃で30秒間、加熱
加圧成形してフィルムとした。得られたフィルムは、原
料に使用したナイロン6そのもののフィルムに比して優
れた透明性を有していた。また、得られたフィルムの破
断面を、走査型電子顕微鏡にて実施例1と同様の方法で
観察したが、直径10nmより大きな粒径を有するPB
Aの凝集粒子は認められなかった。
【0078】(実施例6) (ナイロン66の存在下におけるPPD−Tのその場
(in situ)合成)実施例1に記載の方法に準じて、
6.00g(100g/l)のナイロン66(インヘレ
ント粘度=1.3dl/g)を50mlのNMP、10
mlのピリジン、1.0gの塩化リチウム、3.0gの
塩化カルシウム、0.220g(0.011mol/
l)のテレフタル酸と0.143g(0.011mol
/l)のp−フェニレンジアミンからなる混合物に16
5℃で撹拌しながら溶解せしめ、60分以内に完全に溶
解したナイロン66を含む溶液を得た。得られた混合物
は透明で黄色の外観を有するものであった。
【0079】続いて、165℃で激しく撹拌しながら、
この混合物に0.70ml(0.022mol/l)の
TPPを添加した。5分後に透明で琥珀色の高粘度のゲ
ルが得られた。このゲル生成物は、直ちに非常に高粘度
となり撹拌の継続が不能となった。得られた生成物を、
実施例1と同様の方法で洗浄、乾燥した。かくして、そ
の場(in situ)法にて形成されたポリマーブレンドで
あるPPD−T/ナイロン66(5/95)を粉体とし
て得た。このポリマーブレンドのインヘレント粘度は
2.4dl/gであった。
【0080】(芳香族ポリアミドの分散性評価)得られ
たポリマーブレンドの粉体を300℃で30秒間、加熱
加圧成形しフィルムとした。得られたフィルムは、原料
に使用したナイロン66そのもののフィルムに比して優
れた透明性を有していた。また、得られたフィルムの破
断面を、走査型電子顕微鏡にて実施例1と同様の方法で
観察したが、直径10nmより大きな粒径を有するPP
D−Tの凝集粒子は認められなかった。
【0081】(比較例1) (共凝固法によるPPD−T/ナイロン6のポリマーブ
レンドの調製)テレフタル酸とp−フェニレンジアミン
からフォスフォリレーション反応(ヒガシ法による)に
て得られた0.444gのPPD−T(インヘレント粘
度=3.1dl/g)と4.0gのナイロン6(インヘ
レント粘度=1.0dl/g)を80mlの濃硫酸に2
5℃で溶解した。
【0082】得られた均一な溶液を脱イオン水に注ぎこ
み、沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、ブレンダー容
器中で細かく裁断し、硫酸を完全に除去するために脱イ
オン水にて25℃で1週間繰り返し洗浄した。次いで、
沈殿を真空下80℃で一晩乾燥させた。かくして共凝固
法によって、ポリマーブレンドであるPPD−T/ナイ
ロン6(10/90)を粉体として得た。
【0083】(芳香族ポリアミドの分散性評価)得られ
たポリマーブレンドの粉体を290℃で30秒間、加熱
加圧成形してフィルムとした。得られたフィルムは、原
料に使用したナイロン6そのもののフィルムに比して透
明性に劣っていた。また、得られたフィルムの破断面
を、走査型電子顕微鏡にて実施例1と同様の方法で観察
したところ、直径50nmの粒径を有するPPD−Tの
凝集粒子が認められた。
【0084】(ポリマーブレンドの耐酸性評価)実施例
1に記載の方法と同様の方法にて、1.0gのポリマー
ブレンドの粉体を200mlの蟻酸中に撹拌しながら2
5℃で3日間浸せきさせた。ポリマーブレンドの重量保
持率は僅か10%であった。
【0085】(比較例2) (共凝固法によるPPD−NT/ナイロン6のポリマー
ブレンドの調製)ニトロテレフタル酸とp−フェニレン
ジアミンからフォスフォリレーション反応にて得られた
1.112gのPPD−NT(インヘレント粘度=3.
3dl/g)と10.0gのナイロン6(インヘレント
粘度=1.0dl/g)を4重量%の塩化リチウムを含
むNMPに115℃で溶解した。
【0086】得られた均一な溶液を脱イオン水に注ぎこ
み、沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、ブレンダー容
器中で細かく裁断し、脱イオン水にて25℃で数時間繰
り返し洗浄した後、真空下80℃で一晩乾燥させた。か
くして共凝固法によって、ポリマーブレンドであるPP
D−NT/ナイロン6(10/90)を粉体として得
た。
【0087】(芳香族ポリアミドの分散性評価)得られ
たポリマーブレンドの粉体を275℃で30秒間、加熱
加圧成形してフィルムとした。得られたフィルムは、原
料に使用したナイロン6そのもののフィルムに比して透
明性に劣っていた。また、得られたフィルムの破断面
を、走査型電子顕微鏡にて実施例1と同様の方法で観察
したところ、直径50nmの粒径を有するPPD−NT
の凝集粒子が認められた。
【0088】(ポリマーブレンドの耐酸性評価)実施例
4に記載の方法と同様の方法にてポリマーブレンドのフ
ィルムの加熱処理を行い、実施例4に記載の方法と同様
の方法にて濃硫酸中への浸せき試験を行った。フィルム
の重量保持率は、僅か16%であった。
【0089】(比較例3)実施例4において、210℃
での加熱処理を省いた以外は、実施例4と同様の方法に
てポリマーブレンドのフィルムの濃硫酸への浸せき試験
をおこなった。フィルムの重量保持率は0%であった。
【0090】(比較例4)実施例1で得たポリマーブレ
ンドであるPPD−T/ナイロン6(10/90)のフ
ィルムを用いて、実施例4と同様の加熱処理ならびに濃
硫酸への浸せき試験を行った。フィルムの重量保持率は
0%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジャック・プレストン アメリカ合衆国・ノースカロライナ・ 27612・ローリー・レンバート・ドライ ブ・4914 (72)発明者 出村 智 千葉県佐倉市大崎台3−5−1−1−203

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶解性ポリアミドの存在下で合成された
    芳香族ポリアミドが、該溶解性ポリアミドのマトリック
    ス中に均一に分散されている透明なゲル状態のポリマー
    ブレンドであって、前記芳香族ポリアミドの合成が下記
    工程(a)および(b)を経て行われたことを特徴とす
    るポリマーブレンド。 (a)溶媒と、該溶媒に溶解した溶解性ポリアミドと、
    芳香族ポリアミドのモノマーと、金属塩を含む反応媒体
    を調製し、(b)次いで、得られた反応媒体へホスファ
    イト化合物を添加することにより、フォスフォリレーシ
    ョン反応による芳香族ポリアミドの合成をその場で行
    い、透明なゲルを生じせしめる。
  2. 【請求項2】 透明なゲルから溶媒を除去してなること
    を特徴とする請求項1に記載のポリマーブレンド。
  3. 【請求項3】 溶解性ポリアミドよりも透明性に優れ、
    かつ成形性を有することを特徴とする請求項2に記載の
    ポリマーブレンド。
  4. 【請求項4】 溶媒を除去した後のポリマーブレンド中
    の前記芳香族ポリアミドの含有率が80重量%以下であ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリマーブ
    レンド。
  5. 【請求項5】 芳香族ポリアミドのモノマーが、テレフ
    タル酸、イソフタル酸、及びそれらの芳香族環に置換基
    を有するものからなる群から選ばれる少なくとも一つの
    芳香族ジカルボン酸と、p−フェニレンジアミン、m−
    フェニレンジアミン、1,5’−ジアミノナフタレン、
    1,8−ジアミノナフタレン、2,3−ジアミノナフタ
    レン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,
    4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミ
    ノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニル
    スルホン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,
    4’−ジアミノジフェニルメタン、及びそれらの芳香族
    環及び/又は窒素に置換基を有するものからなる群から
    選ばれる、少なくとも一つの芳香族ジアミンとの組み合
    わせであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポ
    リマーブレンド。
  6. 【請求項6】 芳香族ポリアミドのモノマーが、p−ア
    ミノ安息香酸、m−アミノ安息香酸、及びそれらの芳香
    族環及び/又は窒素に置換基を有するものからなる群か
    ら選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求
    項1又は2に記載のポリマーブレンド。
  7. 【請求項7】 芳香族ポリアミドが、ポリ(p−フェニ
    レンテレフタラミド)、ポリ(p−ベンズアミド)及び
    それらの共重合体からなる群から選ばれる一つであるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載のポリマーブレン
    ド。
  8. 【請求項8】 溶解性ポリアミドが、少なくとも一つの
    脂肪族ポリアミド、又はその共重合体であることを特徴
    とする請求項1又は2に記載のポリマーブレンド。
  9. 【請求項9】 溶媒がN−メチル−2−ピロリジノン、
    N,N−ジメチルアセトアミド、及びN,N,N’,
    N’−テトラメチル尿素からなる群から選ばれる一種以
    上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリ
    マーブレンド。
  10. 【請求項10】 ホスファイト化合物が一個以上のアリ
    ール基を有するものであることを特徴とする請求項1又
    は2に記載のポリマーブレンド。
  11. 【請求項11】 ポリマーブレンド中の溶解性ポリアミ
    ドの一部もしくは全部が蟻酸又はクレゾールに不溶とな
    っていることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリ
    マーブレンド。
  12. 【請求項12】 蟻酸もしくはクレゾール中での不溶分
    が、芳香族ポリアミドの重量の2倍以上であることを特
    徴とする請求項11に記載のポリマーブレンド。
  13. 【請求項13】 芳香族ポリアミドが、p−ニトロテレ
    フタロイルもしくは5−ニトロイソフタロイル基を有す
    ることを特徴とする請求項1もしくは2記載のポリマー
    ブレンド。
  14. 【請求項14】 芳香族ポリアミドが、アミド結合1モ
    ル当たり0.1モル以上のp−ニトロテレフタロイル又
    は5−ニトロイソフタロイル基を有することを特徴とす
    る請求項13に記載のポリマーブレンド。
  15. 【請求項15】 前記芳香族ポリアミドが、ポリ(p−
    フェニレンニトロテレフタラミド)、ポリ(p−フェニ
    レン−5−ニトロイソフタラミド)、ポリ(m−フェニ
    レンニトロテレフタラミド)、ポリ(m−フェニレン−
    5−ニトロイソフタラミド)、及びそれらの共重合体か
    らなる群から選ばれる少なくとも一つであることを特徴
    とする請求項14に記載のポリマーブレンド。
  16. 【請求項16】 得られたポリマーブレンドを更に18
    0℃以上で加熱処理してなることを特徴とする請求項1
    4又は15に記載のポリマーブレンド。
  17. 【請求項17】 ポリマーブレンド中の溶解性ポリアミ
    ドの一部もしくは全部が硫酸に不溶となっていることを
    特徴とする請求項16に記載のポリマーブレンド。
  18. 【請求項18】 硫酸中での不溶分が、芳香族ポリアミ
    ドの重量の2倍以上であることを特徴とする請求項17
    に記載のポリマーブレンド。
  19. 【請求項19】 下記工程(a)および(b)を有する
    ことを特徴とするポリマーブレンドの製造方法。 (a)溶媒と、該溶媒に溶解した溶解性ポリアミドと、
    芳香族ポリアミドのモノマーと、金属塩を含む反応媒体
    を調製し、(b)次いで、得られた反応媒体へのホスフ
    ァイト化合物の添加により、フォスフォリレーション反
    応による芳香族ポリアミドの合成をその場でおこない、
    透明なゲルを生じせしめる。
  20. 【請求項20】 透明なゲルから、さらに溶媒を除去す
    る工程を有することを特徴とする請求項19に記載のポ
    リマーブレンドの製造方法。
JP8105884A 1995-05-02 1996-04-25 芳香族ポリアミドと溶解性ポリアミドからなるポリマーブレンド Withdrawn JPH08302185A (ja)

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