JPH08301824A - グリオキザールのシッフ塩基を経由した生分解性キレート剤、l,l−エチレンジアミンジコハク酸とそのアルカリ金属塩の製造方法 - Google Patents

グリオキザールのシッフ塩基を経由した生分解性キレート剤、l,l−エチレンジアミンジコハク酸とそのアルカリ金属塩の製造方法

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JPH08301824A
JPH08301824A JP7134690A JP13469095A JPH08301824A JP H08301824 A JPH08301824 A JP H08301824A JP 7134690 A JP7134690 A JP 7134690A JP 13469095 A JP13469095 A JP 13469095A JP H08301824 A JPH08301824 A JP H08301824A
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edds
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Hiroshi Yamamoto
浩 山本
Satoshi Koide
聡 小出
Yasuyuki Takayanagi
恭之 高柳
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Nitto Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 工業的に入手容易なグリオキザールとL−ア
スパラギン酸を原料とし、生分解性に優れたL,L−エ
チレンジアミンジコハク酸(EDDS)を、再現性の良
い易工程で高収率、高純度で製造する。 【構成】 1分子のグリオキザールに2分子のL−アス
パラギン酸を中性からアルカリ性条件下で縮合させてシ
ッフ塩基を生成させた後、シッフ塩基を触媒存在下で接
触水素添加により還元するL,L−EDDSのアルカリ
金属塩の製造方法。また同様にシッフ塩基を生成させた
後、シッフ塩基を触媒存在下で接触水素添加により還元
し、次いで鉱酸で酸析結晶化するか、またはシッフ塩基
を生成させた後、シッフ塩基を金属水素化物により還元
し、次いで鉱酸で酸析結晶化するL,L−EDDSの製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グリオキザールとL−
アスパラギン酸から、L,L−エチレンジアミンジコハ
ク酸(EDDS)およびそのアルカリ金属塩を製造する
方法に関する。
【0002】L,L−EDDSおよびそのアルカリ金属
塩は、生分解性キレート剤として、洗浄剤組成物、洗剤
ビルダー、重金属封鎖剤、過酸化物安定剤などに広く用
いられる。
【0003】
【従来の技術】L,L−EDDSを製造する方法は、従
来から幾つか知られている。例えば、1分子のジブロモ
エタンに2分子のL−アスパラギン酸を付加する方法
(Inorganic Chemistry, 1968年, 7 巻, 2405ページ)
、あるいは、1分子のジクロロエタンに2分子のL−
アスパラギン酸を付加する方法(Chem. Zvesti, 1966
年, 20巻, 414 ページ) などがある。また、EDDSの
立体異性体混合物を製造する従来技術としては、1分子
のエチレンジアミンに2分子のマレイン酸を付加する方
法(Zhurnal Obschei Khimii, 1978年, 49巻, 659 ペー
ジ) が知られている。これら従来技術の問題点について
以下に述べる。
【0004】ジブロモエタンを用いる従来技術は、L,
L−EDDS以外にも副生成物を伴うため、目的物を実
用的な反応収率で得るには至っていない。また、反応収
率が反応液のpH、反応温度、ジブロモエタン滴下速度
等の微細な変動によって大きく左右されるため、再現性
のある易工程とは成り難い。しかも、反応後に多量のブ
ロム化合物が排出されるため、その廃液処理の点で重大
な課題を残す。更には、ジブロモエタンは、その不安定
性および毒性のため、入手の容易な原料とは言い難く、
近年は発癌性の疑いのため工業原料としての生産は更に
縮小されている。一方、ジクロロエタンを用いる従来技
術では、反応性の低下により、L,L−EDDSの収率
は、ジブロモエタンを用いた場合よりも更に低下する。
【0005】また、EDDSの立体異性体混合物を製造
する従来技術は、EDDSのD,D−体とD,L−体と
を、目的とするL,L−EDDS以上の生成比で与える
ため、EDDSの生分解性キレート剤としての実用性に
致命的な課題を残している。すなわち、D,D−EDD
Sは、本質的な生分解性を有さないため、環境中に放出
された際、深刻な事態が懸念される。また、D,L−E
DDSは、本質的な生分解性は有するものの、分解速度
はL,L−EDDSに大きく劣り、易分解性とは言い難
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら従来
技術の問題点を解決すべくなされたもので、L,L−E
DDSおよびそのアルカリ金属塩の工業的に有利な製造
方法を提供することを目的としており、具体的には、工
業的に入手が極めて容易なグリオキザールとL−アスパ
ラギン酸を原料とし、生分解性に極めて優れたL,L−
EDDSを、再現性の良い易工程にて、高収率、高純度
で提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究の結果、1分子のグリオキザール
に2分子のL−アスパラギン酸を反応させると、縮合脱
水反応によりグリオキザールのビス−アスパラギン酸シ
ッフ塩基が容易に生成することを見いだした。そして、
このシッフ塩基を接触水素添加あるいは金属水素化物に
よる還元反応に供すると、目的とするL,L−EDDS
が高収率、高純度で,ラセミ化を伴わずに得られること
を見いだした。
【0008】すなわち、本発明は、1分子のグリオキザ
ールに2分子のL−アスパラギン酸を中性からアルカリ
性条件下で縮合させてシッフ塩基を生成させた後、触媒
存在下で接触水素添加により還元することを特徴とす
る、L,L−EDDSのアルカリ金属塩の製造方法に関
する。
【0009】また、本発明は、1分子のグリオキザール
に2分子のL−アスパラギン酸を中性からアルカリ性条
件下で縮合させてシッフ塩基を生成させた後、触媒存在
下で接触水素添加により還元し、次いで鉱酸で酸析結晶
化することを特徴とする、L,L−EDDSの製造方法
に関する。
【0010】さらに、本発明は、1分子のグリオキザー
ルに2分子のL−アスパラギン酸を中性からアルカリ性
条件下で縮合させてシッフ塩基を生成させた後、金属水
素化物により還元し、次いで鉱酸で酸析結晶化すること
を特徴とする、L,L−EDDSの製造方法に関する。
【0011】以下に本発明を詳細に報告する。本発明の
方法は、1分子のグリオキザールに2分子のL−アスパ
ラギン酸を中性からアルカリ性条件下で縮合させるシッ
フ塩基生成工程と、その反応生成物を接触水素添加する
シッフ塩基還元工程、更に、その反応生成物を濃縮して
目的とするL,L−EDDSのアルカリ金属塩を単離す
る蒸発乾固工程からなる。あるいは、1分子のグリオキ
ザールに2分子のL−アスパラギン酸を中性からアルカ
リ性条件下で縮合させるシッフ塩基生成工程と、その反
応生成物を接触水素添加あるいは金属水素化物によって
水素化するシッフ塩基還元工程、更に、その反応生成物
に鉱酸を添加して目的とするL,L−EDDSを単離す
る酸析結晶化工程からなる。
【0012】本発明に用いられるグリオキザールは、有
機合成原料、消臭剤、鋳型硬化剤、土壌硬化剤、紙加工
剤、架橋剤などに広く用いられており、工業用原料とし
て極めて容易に入手できる。また、濃度40%以下の水
溶液は引火性の危険性が全くない上、生分解性の良好な
物質として公表されているなど(通産省公報、昭和57
年12月28日)、安全性に優れた工業原料であると言
える。
【0013】本発明におけるシッフ塩基生成工程にて用
いられるグリオキザールは、重量濃度20〜50%、好
ましくは35〜40%の水溶液品が一般に用いられ、重
量濃度5%以下の酢酸によってpH1〜4、好ましくは
2〜3に調製されて安定化しているものが望ましい。
【0014】シッフ塩基生成工程において用いられるア
スパラギン酸は、D−体、L−体、およびラセミ体のい
ずれを選択しても化学反応的には同様であるが、生分解
性に極めて優れたL,L−EDDSを得ようとする目的
からL−体のみが好ましく選択される。その際、L−ア
スパラギン酸は、工業的に入手できる純度70%以上、
好ましくは85%以上の固体が使用できるが、その製造
途中で得られるアルカリ金属塩またはそのアルカリ金属
塩の水溶液を直接用いることもできる。
【0015】シッフ塩基生成工程において用いられるL
−アスパラギン酸の使用量は、グリオキザールに対し、
1.8〜2.6倍モル、好ましくは1.9〜2.2倍モ
ルの範囲で適宜選択される。
【0016】シッフ塩基生成工程におけるpH条件は、
アルカリ金属水酸化物、またはその水溶液の添加によっ
て中性〜弱アルカリ性に設定される。アルカリ金属とし
ては、Li、Na,K,好ましくは、K、Naが用いら
れる。アルカリ金属水酸化物の代わりに、L−アスパラ
ギン酸アルカリ金属塩、またはその水溶液を直接用いて
もよい。
【0017】シッフ塩基生成工程における設定pHは、
5〜13、好ましくは9〜12の範囲で適宜選択され
る。pH13以上では、グリオキザールの分解に由来す
る着色が著しく、また一方、pH5以下では、L−アス
パラギン酸の溶解度低下のためシッフ塩基の生成が円滑
に進行しない。また、本法の有利な点は、反応液中に高
濃度で存在するL−アスパラギン酸の強力な緩衝作用の
ため、一旦設定されたpH値が工程中ほとんど一定に保
持されることである。
【0018】シッフ塩基生成工程における混合方法とし
ては、L−アスパラギン酸の中性からアルカリ性水溶液
にグリオキザールを滴下する方法、グリオキザールにL
−アスパラギン酸の中性からアルカリ性水溶液を滴下す
る方法が採用されるが、いずれの場合にも滴下の際に発
熱が生じる。滴下時の反応液の温度は、0〜50℃、好
ましくは0〜30℃、更に好ましくは0〜10℃の範囲
に制御されることが望ましい。滴下時の急激な温度上昇
は、反応液の著しい着色を引き起こし、後の目的物の取
得において深刻な収率低下の原因となる。
【0019】シッフ塩基生成工程における熟成温度は、
0〜50℃、好ましくは0〜30℃の範囲で適宜選択さ
れる。また、熟成時間は、1〜24時間、好ましくは1
〜4時間の範囲で適宜選択される。
【0020】本発明におけるシッフ塩基還元工程におい
て実施される水素化反応は、触媒を用いた接触水素添加
反応、または金属水素化物による還元反応によって達成
される。
【0021】シッフ塩基還元工程の接触水素添加反応に
おいて用いられる触媒としては、ニッケル、パラジウ
ム、ロジウム、ルテニウム、プラチナなどの重金属系の
不均一触媒が用いられる。この内、反応性および原料の
入手性に最も優れるニッケル系触媒が好ましく、ラネー
ニッケル、還元ニッケルなどが用いられる。また、その
他の重金属も使用可能であるが原料の入手性の見地か
ら、Pd−C、Rh−C、Rh−Al2 3 、PtO2
などが好ましい。これらの触媒は、回収再利用すること
ができる。
【0022】シッフ塩基還元工程の接触水素添加反応に
おいて用いられる触媒の使用量は、、シッフ塩基生成工
程において用いたグリオキザ−ルに対し、1〜30モル
%、好ましくは5〜10モル%用いられる。
【0023】シッフ塩基還元工程の接触水素添加反応
は、シッフ塩基生成工程後の反応生成物に直接触媒を添
加し、水素雰囲気下にて激しく攪拌することによって開
始される。水素圧は、0〜100気圧、好ましくは20
〜50気圧の範囲で適宜選択される。
【0024】シッフ塩基還元工程の接触水素添加反応に
おける反応温度は、20〜100℃、好ましくは40〜
70℃の範囲で適宜選択される。また、熟成時間は、1
〜24時間、好ましくは2〜5時間の範囲で適宜選択さ
れる。反応後、使用した触媒は、静置沈降後の傾斜濾
過、あるいは、セライト等の濾過助剤を用いた濾過によ
って速やかに濾別される。濾別された触媒は、洗浄およ
び活性化の後、再生利用される。
【0025】得られる濾液は、無色または微褐色の、や
や粘性を帯びた、透明な液体であり、次工程の蒸発乾固
工程、あるいは、酸析結晶化工程に直接用いられる。
【0026】本発明における蒸発乾固工程は、シッフ塩
基還元工程において接触水素添加反応を実施し、しか
も、反応収率が高い場合に、目的とするL,L−EDD
Sのアルカリ金属塩を直接取得することを目的とする。
【0027】本発明の蒸発乾固工程では、シッフ塩基の
接触水素添加反応による還元工程後の反応生成物を加熱
濃縮して得られるスラリーを、スプレードライ方式によ
り粉末結晶化する。その際、加熱濃縮に先立ち、シッフ
塩基還元工程後の反応生成物にアルカリ金属水酸化物の
水溶液を加え、pHを適宜調節することにより、L,L
−EDDSの2〜4アルカリ金属塩が生成可能である。
【0028】次に、本発明のシッフ塩基還元工程におい
て、金属水素化物による還元反応を実施する場合につい
て述べる。
【0029】シッフ塩基還元工程において用いられる金
属水素化物としては、NaBH3 CN、NaBH4 、N
aH2 PO2 等が用いられるが、反応の際の設定pHは
それぞれ異なる。NaBH3 CNを用いる場合は、設定
pH5〜12、好ましくは、5〜7がよい。NaBH4
を用いる場合は、設定pH9〜13、好ましくは、10
〜12がよい。また、NaH2 PO2 を用いる場合は、
設定pH8〜13、好ましくは、10〜12がよい。い
ずれの金属水素化物を用いた場合でも、高アルカリ性側
程、還元電位が増大するため反応性は上昇するが、アル
カリ性条件が強すぎると副生生物の増大と着色が増大す
るので、反応を設定pH範囲外で実施することは、後の
目的物取得の際、深刻な収率低下につながるので避ける
べきである。
【0030】シッフ塩基還元工程において金属水素化物
を用いた場合の反応温度は、0〜100℃、好ましくは
20〜50℃の範囲で適宜選択される。また、熟成時間
は、1〜36時間、好ましくは4〜8時間の範囲で適宜
選択される。得られる反応液は、黄褐色または茶褐色の
液体であり、次工程の酸析結晶化工程に直接用いられ
る。
【0031】本発明における酸析結晶化工程は、シッフ
塩基還元工程後得られた反応液に、鉱酸を加えることに
よって達成される。用いられる鉱酸としては、硫酸、塩
酸、硝酸等があげられるが、特に硫酸が好ましく用いら
れる。硫酸は、工業的に入手可能な純度60〜98%の
ものから選択され、加水分解工程によって得られた反応
液をpH1.0〜3.0、好ましくは、1.5〜2.5
に調節するための必要量が用いられる。硫酸滴下時の温
度は、10〜100℃、好ましくは40〜80℃の範囲
で実施するのが良く、滴下時間は、0.5〜3時間、好
ましくは1〜2時間の範囲が良い。
【0032】目的物であるL,L−EDDSは、硫酸添
加後の反応物を0〜50℃、好ましくは10〜40℃に
て、0〜72時間、好ましくは1〜5時間熟成した後、
析出する結晶を、吸引濾過または遠心濾過することによ
って得られる。
【0033】得られる目的物の結晶は、通常、結晶表面
に付着した微量の硫酸根を含む母液を少量の水を用いて
洗浄する以外、再結晶化を行わなくとも充分高純度であ
る。
【0034】シッフ塩基還元工程に接触水素添加反応を
用いた場合、特に有利なことは、酸析結晶化工程におい
て、中和反応によって生成した硫酸ナトリウム以外の副
生成物が生じないことであり、工業生産における廃液処
理を考えた場合、極めて有利なプロセスである。
【0035】
【実施例】次に、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0036】実施例1 攪拌機、温度計、滴下漏斗および蒸留装置を付したオー
トクレーブ型反応器に、水(1,079kg )を仕込み、48重
量%NaOH水溶液(1,254kg 、15.1kmol) 、次いでL
−アスパラギン酸 (1,000kg 、7.52kmol) を攪拌下に連
続して溶解した。このようにして調製した酸換算30重量
% のL−アスパラギン酸二ナトリウム水溶液に、40重量
%グリオキザ−ル水溶液 (533kg 、3.67kmol) を、反応
液温度0〜10℃の冷却下、および攪拌下に、1.5 時間か
けて滴下した。滴下終了後、反応液温度5 〜10℃で、更
に2.0 時間、攪拌を継続した。この反応液にラネーニッ
ケルの50重量%水懸濁液 (W6、42.0kg、0.37kmol) を加
え、反応装置内の空気を水素ガスで充分置換した後、装
置を密閉し水素圧を50気圧まで上昇させ、次いで、激し
い攪拌下にて、反応液温度を25℃から50℃まで1 時間か
けて徐々に昇温させた後、50℃にて5.5 時間、激しい攪
拌を続けた。この間、水素圧が35気圧まで低下する毎
に、水素の補給を行い50気圧とした。反応液を室温まで
放冷静置後、上清を吸引濾過装置上にあけ、次いで残査
も吸引濾過装置上にあけ、水 (150kg)で洗浄し、薄い褐
色の濾液 (4,010 kg) を得た。この濾液を、加熱濃縮し
て得られるスラリ− (3,450 kg) を、スプレ−ドライ方
式によって、120 ℃で粉末乾燥し、L,L−EDDSの
4ナトリウム塩(1,715 kg、4.51kmol、粗収率 123%)を
薄い褐色粉末結晶 (融点 200℃) として得た。キラルカ
ラムを用いたHPLC分析の結果、生成したL,L−E
DDSの光学純度は、99%以上であった。また、この粗
結晶中の成分は、酸換算重量%で、L,L−EDDS 9
5.0 %、L−アスパラギン酸 4.2%、酢酸 0.8%である
ことが判明した。
【0037】実施例2 実施例1と同様に触媒としてラネーニッケルを用いた水
素添加反応を行い、薄い褐色の濾液 (4,023kg)を得た。
この濾液に、98重量%硫酸 (880kg 、8.80kmol) を1.5
時間かけて滴下した。この間、反応液の温度は80℃に昇
温した。反応液を再び33℃まで放冷し、析出したL,L
−EDDSの結晶を遠心分離にて濾過した。更に、20℃
の水 (40kg) で二回洗浄して湿結晶 (1,192g) を得た。
送風乾燥後のL,L−EDDS(1,019kg 、3.49kmol、
収率95%)は、均一な白色結晶であり、HPLC分析の
結果、生成したL,L−EDDSの化学純度および光学
純度は、いずれも99%以上であった。
【0038】実施例3 実施例2と同様にシッフ塩基生成反応を行った。この反
応液に、NaBH4 (71kg 、1.86kmol) を水 (425 kg)
にあらかじめ溶解して作成しておいた懸濁液を、反応液
温度10℃、攪拌下、0.5 時間にて加えた。その後、反応
液温度を45℃まで昇温させ、更に5.5 時間、攪拌を続け
た。この反応液に、98重量%硫酸 (1,310kg 、13.1kmo
l) を1.5 時間かけて滴下した。この間、反応液の温度
は80℃に昇温した。反応液を再び33℃まで放冷し、析出
したL,L−EDDSの結晶を遠心分離にて濾過した。
更に、20℃の水 (40kg) で二回洗浄して湿結晶 (907g)
を得た。送風乾燥後のL,L−EDDS(890kg 、3.05
kmol、収率83%)は、均一な白色結晶であり、HPLC
分析の結果、生成したL,L−EDDSの化学純度およ
び光学純度は、いずれも99%以上であった。
【0039】本発明の方法によれば、工業的に入手が極
めて容易なグリオキザールとL−アスパラギン酸を原料
とし、生分解性に極めて優れたL,L−EDDSおよび
そのアルカリ金属塩を、高収率、高純度で得ることがで
きる。また、本発明は次のような利点もある。 (1)グリオキザールは、重量濃度40%程度の水溶液
が使用可能であり、引火性の危険性が全くない。また、
良好な生分解性が公表されているなど、安全性に優れた
工業原料であり、L,L−EDDSの大量工業生産の原
料として適切である。 (2)プロセス上、シッフ塩基生成工程とシッフ塩基還
元工程のいずれもが、温和な条件にて進行するため、反
応の制御が容易である。特に、原料として高濃度で使用
するL−アスパラギン酸の緩衝効果によってpHの変動
が小さく保持されるため、煩雑なpH調整が不要であ
る。 (3)シッフ塩基還元工程にて、特に接触水素添加反応
を用いた場合、酸析結晶化工程での主な副生成物は硫酸
ナトリウムのみである。このため、L,L−EDDSの
大量工業生産における廃液処理を考えた場合、極めて有
利なプロセスである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子のグリオキザールに2分子のL−
    アスパラギン酸を、中性からアルカリ性条件下で縮合さ
    せてシッフ塩基を生成させた後、触媒存在下で接触水素
    添加により還元することを特徴とする、L,L−エチレ
    ンジアミンジコハク酸のアルカリ金属塩の製造方法。
  2. 【請求項2】 1分子のグリオキザールに2分子のL−
    アスパラギン酸を、中性からアルカリ性条件下で縮合さ
    せてシッフ塩基を生成させた後、触媒存在下で接触水素
    添加により還元し、次いで鉱酸で酸析結晶化することを
    特徴とする、L,L−エチレンジアミンジコハク酸の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 1分子のグリオキザールに2分子のL−
    アスパラギン酸を、中性からアルカリ性条件下で縮合さ
    せてシッフ塩基を生成させた後、金属水素化物により還
    元し、次いで鉱酸で酸析結晶化することを特徴とする、
    L,L−エチレンジアミンジコハク酸の製造方法。
JP7134690A 1995-05-09 1995-05-09 グリオキザールのシッフ塩基を経由した生分解性キレート剤、l,l−エチレンジアミンジコハク酸とそのアルカリ金属塩の製造方法 Pending JPH08301824A (ja)

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JP7134690A Pending JPH08301824A (ja) 1995-05-09 1995-05-09 グリオキザールのシッフ塩基を経由した生分解性キレート剤、l,l−エチレンジアミンジコハク酸とそのアルカリ金属塩の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113929923A (zh) * 2021-11-29 2022-01-14 湖北大学 纳米球形共价有机框架及其粒径可控的制备方法与应用
CN114437252A (zh) * 2020-10-16 2022-05-06 中国石油化工股份有限公司 一种苯乙烯-共轭二烯共聚物催化加氢胶液中残余镍的脱除方法

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