JPH08301802A - 含フッ素ヒドロキシ化合物の製造方法 - Google Patents

含フッ素ヒドロキシ化合物の製造方法

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JPH08301802A
JPH08301802A JP22684695A JP22684695A JPH08301802A JP H08301802 A JPH08301802 A JP H08301802A JP 22684695 A JP22684695 A JP 22684695A JP 22684695 A JP22684695 A JP 22684695A JP H08301802 A JPH08301802 A JP H08301802A
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JP
Japan
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compound
fluorine
carbon atoms
alcohol
group
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JP22684695A
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English (en)
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Toshihiko Fujima
俊彦 藤間
Kazuya Oharu
一也 大春
Seisaku Kumai
清作 熊井
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】工業的に有利な条件で効率的に含フッ素ヒドロ
キシ化合物(Rf −Q−CH2 CH2 CH2 OH)を製
造する方法を提供する。 【解決手段】Rf −Q−CH=CH2 (Rf は炭素数1
〜20の含フッ素有機基であり、Qは単結合または2価
の有機基)をメタノールと反応させる際に、炭素数2以
上の第1アルコールまたは炭素数3以上の第2アルコー
ル、および、該アルコール化合物からラジカルを発生さ
せうる化合物を存在させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撥水撥油剤、界面
活性剤、離型剤等の中間体として有用な含フッ素ヒドロ
キシ化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、含フッ素不飽和化合物を原料とし
て含フッ素ヒドロキシ化合物を製造する方法としては、
(1)Rf'CH=CH2 (ただし、Rf'は、炭素数5〜
13のパーフルオロアルキル基を示す。)とメタノール
とをジ−tert−ブチルパーオキシドの存在下で反応
させて、Rf'(CH23 OHを製造する方法(米国特
許3,532,659号)、(2)まず、アルコール化
合物を仕込み、遊離基開始剤の1分間の半減温度より5
0℃低い温度〜10℃高い温度に加熱し、Rf"CH=C
2 (ただし、Rf"は、炭素数1〜20のパーフルオロ
アルキル基を示す。)と遊離基開始剤の混合物を連続的
に添加してRf"(CH23 OHとする方法(特開平5
−201900号)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、(1)の方法
は収率が低い問題がある。例えば、Rf'がC817であ
る場合には、収率は50%である。また(2)の方法で
は、アルコール化合物としてメタノールを用いると、内
部の圧力が21〜22バールの高圧になり、危険であ
る。また、工業的なスケールで実施する場合には、安全
性や設備の点から問題が多い。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、後述する一
般式(1)で表される含フッ素不飽和化合物とメタノー
ルから含フッ素ヒドロキシ化合物を製造する方法につい
て検討した。その結果、炭素数2以上の第1アルコール
および炭素数3以上の第2アルコールから選ばれる少な
くとも1種のアルコール化合物、および、該アルコール
化合物からラジカルを発生させうる化合物を存在させる
ことにより、高収率かつ安全に反応が進行することを見
い出した。
【0005】すなわち、本発明は、一般式(1)で表さ
れる含フッ素不飽和化合物をメタノールと反応させて一
般式(2)で表される含フッ素ヒドロキシ化合物を製造
する方法において、炭素数2以上の第1アルコールおよ
び炭素数3以上の第2アルコールから選ばれる少なくと
も1種のアルコール化合物、および、該アルコール化合
物からラジカルを発生させうる化合物の存在下に反応さ
せることを特徴とする含フッ素ヒドロキシ化合物の製造
方法を提供する。
【0006】ただし、下式において、Rf は炭素数1〜
20の含フッ素有機基を示し、Qは単結合または2価の
有機基を示す。
【0007】
【化2】Rf −Q−CH=CH2 (1) Rf −Q−(CH23 OH (2)
【0008】一般式(1)で表される含フッ素不飽和化
合物において、Rf は炭素数1〜20の含フッ素有機基
を示す。本明細書における「含フッ素有機基」とは、フ
ッ素原子を1個以上含む有機基を意味する。含フッ素有
機基としては、炭化水素基の水素原子の1個以上がフッ
素原子に置換された基である「含フッ素炭化水素基」が
好ましい。
【0009】さらに、含フッ素炭化水素基は、芳香族炭
化水素基の水素原子の1個以上がフッ素原子に置換され
た「含フッ素芳香族炭化水素基」、または、脂肪族炭化
水素基の水素原子の1個以上がフッ素原子に置換された
「含フッ素脂肪族炭化水素基」のいずれでもよく、含フ
ッ素脂肪族炭化水素基が好ましい。含フッ素脂肪族炭化
水素基の炭素数は、1〜18程度が好ましく、特に、1
〜12が好ましい。また、含フッ素芳香族炭化水素基
は、水素原子の1個以上がアルキル基などの炭化水素基
に置換されていてもよい。含フッ素芳香族炭化水素基の
炭素数は6〜12程度が好ましく、特に6〜8が好まし
い。
【0010】また、本発明の含フッ素炭化水素基は、上
記の含フッ素脂肪族炭化水素基の炭素−炭素結合間に1
個以上のエーテル性の酸素原子、またはチオエーテル性
の硫黄原子が挿入されていてもよい。
【0011】Rf が1価の含フッ素脂肪族炭化水素基で
ある場合、アルキル基の水素原子の1個以上がフッ素原
子に置換された「含フッ素アルキル基」が好ましく、特
にアルキル基の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換
された「ポリフルオロアルキル基」が好ましい。また、
含フッ素脂肪族炭化水素基のQと結合する末端側の炭素
には、1〜3個のフッ素原子が結合しているのが好まし
い。
【0012】ポリフルオロアルキル基の炭素数は、1〜
20程度が好ましく、特に、1〜15が好ましく、さら
に6〜12が好ましい。また、該ポリフルオロアルキル
基は、アルキル基の炭素−炭素結合間に1個以上のエー
テル性の酸素原子、またはチオエーテル性の硫黄原子が
挿入されていてもよい。
【0013】Rf がポリフルオロアルキル基である場
合、ポリフルオロアルキル基中のフッ素原子の割合、す
なわち、[(ポリフルオロアルキル基中のフッ素原子
数)/(ポリフルオロアルキル基に対応する同一炭素数
のアルキル基の水素原子数)]×100(%)は、60
%以上が好ましく、特に80%以上が好ましく、さらに
実質的に100%である場合のパーフルオロアルキル基
が好ましい。
【0014】ポリフルオロアルキル基は、直鎖の構造で
も分岐の構造でもよく、直鎖の構造が好ましい。分岐の
構造である場合には、分岐部分が炭素数1〜3程度の短
鎖である場合が好ましい。
【0015】また、Rf が1価の含フッ素芳香族炭化水
素基である場合、フェニル基などのアリール基、ベンジ
ル基などのアルアルキル基、またはこれらの基に低級ア
ルキル基が置換した基、における水素原子の1個以上が
フッ素原子に置換した基が好ましい。
【0016】Rf の具体例としては、以下の構造が挙げ
られるがこれらに限定されない。なお、以下の例におい
ては、同一分子式を有する構造の異なる基である「構造
異性の基」を含むものとする。
【0017】C25 −、C37 −[CF3 (CF
22 −、および(CF32 CF−の両者を含
む。]、C49 −[CF3 (CF23 −、(CF
32 CFCF2 −、(CF33 C−、CF3 CF2
CF(CF3 )−を含む]、C511−[CF3 (CF
24 −、(CF32 CF(CF22 −、(CF
33 CCF2 −、CF3 CF2 CF(CF3 )CF2
−などの構造異性の基を含む]、C613−[CF3
(CF22 C(CF32 −などの構造異性の基を含
む]、C817−、C1021−、C1225−、C1531
−、HCt2t−(ここで、tは1〜18の整数であ
る。)、(CF32 CFCs2s−(ここで、sは1
〜15の整数である。)など。
【0018】CF3 (CF24 OCF(CF3 )−、
F[CF(CF3 )CF2 O]s CF(CF3 )CF2
CF2 −、F[CF(CF3 )CF2 O]t CF(CF
3 )−、F[CF(CF3 )CF2 O]u CF2 CF2
−、F(CF2 CF2 CF2O)v CF2 CF2 −、F
(CF2 CF2 O)w CF2 CF2 −、C65 −、C
65 CF=CF−、CH2 =CHC612−(ただ
し、s、tは1〜10の整数、uは2〜6の整数、vは
1〜11の整数、wは1〜11の整数である。)など。
【0019】一般式(1)で表される含フッ素不飽和化
合物におけるQは、単結合または2価の有機基を示し、
単結合が好ましい。Qが単結合である場合、一般式
(1)におけるRf とCH=CH2 は直接結合している
ことを示す。また、一般式(2)においても、同様にR
f と(CH23 OHは直接結合していることを示す。
【0020】Qが2価の有機基である場合、Qはフッ素
原子を含まないのが好ましい。また、Qは炭素数1〜8
の2価の炭化水素基、または、本発明の反応において不
活性な原子を含む2価の炭化水素基が好ましい。さらに
Qは、炭素数1〜8のアルキレン基が好ましく、特に炭
素数1〜5のアルキレン基が好ましい。また、アルキレ
ン基は、直鎖のアルキレン基、または分岐を有するアル
キレン基のいずれでもよく、直鎖のアルキレン基が好ま
しく、分岐部分を有する場合には、分岐部分が炭素数1
〜3程度の短鎖である場合が好ましい。また、Qが不活
性な原子を含む2価の炭化水素基である場合、エーテル
性の酸素原子、チオエーテル性の硫黄原子、または水素
原子が結合しない窒素原子を含む2価の炭化水素基等が
挙げられる。たとえば、−(CH22 O(CH23
−、−CH2 O(CH23 −、−(CH22 S(C
23 −、−SO2 NR−(ただしRは、炭素数1〜
3のアルキル基を示す。)などが挙げられる。
【0021】一般式(1)で表される含フッ素不飽和化
合物としては、以下の例が挙げられる。
【0022】CF3 CF2 CH=CH2 、CF3 (CF
23 CH=CH2 、CF3 (CF25 CH=CH
2 、CF3 (CF27 CH=CH2 、CF3 (CF
29 CH=CH2 、CF3 (CF211CH=CH
2 、H(CF24 CH=CH2 、H(CF26 CH
=CH2 、H(CF28 CH=CH2 、H(CF2
10CH=CH2 、H(CF212CH=CH2 、(CF
32 CF(CF22 CH=CH2 、(CF32
F(CF24 CH=CH2 、(CF22 CF(CF
26 CH=CH2 、(CF32 CF(CF28
H=CH2 、(CF32 CF(CF210CH=CH
2 、(CF32 CF(CF212CH=CH2 等。
【0023】一般式(1)で表される含フッ素不飽和化
合物としては、1種を用いてもよく、Rf 基の異なる2
種以上を用いてもよく、原料入手時の組成および生成物
の使用目的に応じて適宜変更すればよい。一般式(1)
で表される含フッ素不飽和化合物は公知の化合物であ
り、容易に入手できる。
【0024】本発明の反応は、上記の一般式(1)で表
される含フッ素不飽和化合物とメタノールとを反応させ
る。メタノールの量は、含フッ素不飽和化合物の1モル
に対して、20〜100モルが好ましく、特に20〜6
0モルが好ましい。
【0025】本発明は、一般式(1)で表される含フッ
素不飽和化合物をメタノールと反応させて一般式(2)
で表される含フッ素ヒドロキシ化合物を製造するにあた
り、炭素数2以上の第1アルコールおよび炭素数3以上
の第2アルコールから選ばれる少なくとも1種のアルコ
ール化合物を存在させる。アルコール化合物としては、
炭素数3以上の第2アルコールを存在させるのが好まし
い。
【0026】本発明における炭素数2以上の第1アルコ
ールは、炭素数2以上の1価の有機基、および、1級水
酸基をともに1個ずつ有する化合物をいう。また、炭素
数3以上の第2アルコールは、炭素数3以上の1価の有
機基、および、2級水酸基を、ともに1個ずつ有する化
合物をいう。
【0027】炭素数2以上の1価の有機基は、炭素数2
〜10が好ましく、特に、2〜6が好ましい。また、炭
素数3以上の1価の有機基は、炭素数3〜10が好まし
く、特に、3〜6が好ましい。有機基は、いずれも、直
鎖または分岐の構造が好ましい。有機基としては、飽和
の有機基が好ましく、特にアルキル基またはフルオロア
ルキル基が好ましい。さらに該アルキル基は、炭素原子
と水素原子からなるアルキル基が好ましく、フルオロア
ルキル基は、炭素原子と水素原子からなるアルキル基の
水素原子の1個以上がフッ素原子に置換された基が好ま
しい。
【0028】本発明の炭素数2以上の第1アルコールと
しては、一般式(3)で表される化合物が好ましい。た
だし、R1 は、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数
1〜6のフルオロアルキル基を示す。
【0029】
【化3】R1 CH2 OH (3)
【0030】炭素数2以上の第1アルコールとしては、
エタノール、プロパノール、n−ブタノール、i−ブタ
ノール、n−ペンタノール、2−メチル−ペンタノー
ル、3−メチル−ペンタノール、n−ヘキサノール、
2,2−ジメチル−1−プロパノール、n−ヘプタノー
ル、2,2,2−トリフルオロエタノール(以下、TE
と略す。)、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1
−プロパノール(以下、PFPと略す。)、2,2,
3,3,−テトラフルオロ−1−プロパノール、2,
2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブタノ
ール等が挙げられ、TEまたはPFPが好ましい。
【0031】また、本発明の炭素数3以上の第2アルコ
ールとしては、一般式(4)で表される化合物が好まし
い。ただし、R2 は、炭素数1〜6のアルキル基または
炭素数1〜6のフルオロアルキル基を示し、炭素数1〜
3のフルオロアルキル基が好ましい。R3 は、炭素数1
〜6のアルキル基、または炭素数1〜6のフルオロアル
キル基を示し、炭素数1〜3のフルオロアルキル基が好
ましい。特に、R2 、R3 は、ともにフルオロアルキル
基である場合が好ましい。
【0032】
【化4】(R2 )(R3 )CH−OH (4)
【0033】炭素数3以上の第2アルコールとしては、
2−ブタノール、i−プロパノール、3−メチル−2−
ブタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、
1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール、1,3
−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1−トリフ
ルオロ−2−ブタノール、1,1,1,3,3,3−ヘ
キサフルオロ−2−プロパノール(以下、HFIPと略
す。)、4−メチル−2−ペンタノール(以下、4MP
と略す。)等が挙げられ、HFIPまたは4MPが好ま
しく、特にHFIPが好ましい。
【0034】アルコール化合物の量は、含フッ素不飽和
化合物の1モルに対して、0.01〜0.4モルが好ま
しく、特に0.03〜0.35モルが好ましい。
【0035】また、上記のアルコール化合物からラジカ
ルを発生させうる化合物としては、無機の化合物であっ
ても有機の化合物であってもよい。例えば、通常のラジ
カル発生剤として用いられるパーオキシ化合物、アゾイ
ソブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。これ
らのうち、本発明の反応においては、無機または有機の
パーオキシ化合物が好ましく、特に有機のパーオキシ化
合物が好ましい。
【0036】無機のパーオキシ化合物しては、パーオキ
シ硫酸塩、パーオキシリン酸塩、パーオキシ炭酸塩、ま
たはパーオキシホウ酸塩等が好ましく、特にパーオキシ
硫酸塩が好ましく、例えば、パーオキシ硫酸アンモニウ
ム、パーオキシ硫酸カリウム、またはパーオキシ硫酸ナ
トリウムが好ましい。
【0037】また、有機のパーオキシ化合物としては、
アルキルヒドロパーオキシ化合物、ジアルキルパーオキ
シ化合物、パーオキシケタール、ジアシルパーオキシ化
合物、パーオキシカルボン酸エステル、パーオキシカル
ボン酸またはパーオキシカーボネート等が好ましい。具
体的には、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1
−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサ
ン、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネ
ート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、t
ert−ブチルパーオキシピバレート、ジ−tert−
ブチルパーオキシド、およびtert−ブチルヒドロパ
ーオキシド等が挙げられる。
【0038】アルコール化合物からラジカルを発生させ
うる化合物の量は、含フッ素不飽和化合物の1モルに対
して、0.01〜0.2モルが好ましく、特に0.01
〜0.15モルが好ましい。
【0039】本発明の反応において、含フッ素不飽和化
合物、メタノール、アルコール化合物、および該アルコ
ール化合物からラジカルを発生させうる化合物を仕込む
順序に特に制限はない。また、反応温度は、50〜20
0℃程度が好ましく、特に工業的に実施する場合には、
80〜130℃程度が好ましい。反応温度はアルコール
化合物からラジカルを発生させうる化合物の半減分解温
度程度に調節するのが好ましい。また、反応時間は1〜
40時間が好ましく、特に2〜8時間が好ましい。ま
た、反応圧力は、10kg/cm2 以下が好ましく、特
に工業的に実施する場合には、安全性や効率の点からも
該圧力以下が好ましい。
【0040】本発明の反応によって、生成する含フッ素
ヒドロキシ化合物としては、以下の化合物が挙げられる
がこれらに限定されない。
【0041】CF3 (CF23 (CH23 OH、C
3 (CF25 (CH23 OH、CF3 (CF2
7 (CH23 OH、CF3 (CF29 (CH23
OH、CF3 (CF211(CH23 OH、H(CF
24 (CH23 OH、H(CF26 (CH23
OH、H(CF28 (CH23 OH、H(CF2
10(CH23 OH、H(CF212(CH23
H、(CF32 CF(CF22 (CH23 OH、
(CF32 CF(CF24 (CH23 OH、(C
22 CF(CF26 (CH23 OH、(CF
32 CF(CF28 (CH23 OH、(CF3
2 CF(CF210(CH23 OH、(CF32
F(CF212(CH23 OH等。
【0042】本発明の反応のメカニズムは必ずしも明ら
かではないが、下式(5)〜(9)のように進行するも
のと推測できる。
【0043】
【化5】(5):ラジカル発生剤→(ラジカル・) (6):(ラジカル・)+(アルコール化合物)→(ア
ルコール化合物・) (7):(アルコール化合物・)+CH3OH →・CH2OH (8):・CH2OH+RfCH=CH2 →(RfCH(CH2)2OH・ ) (9):(RfCH(CH2)2OH・ )+(アルコール化合物)→
Rf(CH2)3OH+(アルコール化合物・)
【0044】すなわち、アルコール化合物からラジカル
を発生させうる化合物(ラジカル発生剤)は、熱、光、
または放射線等の作用によって分解して[(5)式]、
アルコール化合物ラジカルを発生させ[(6)式]、つ
ぎに発生したアルコール化合物ラジカルはメタノールと
反応して、メタノールラジカルを発生させ[(7)
式]、メタノールラジカルが含フッ素不飽和化合物と反
応してRfCH(CH2)2OH・を形成させ[(8)式]、RfCH(C
H2)2OH・に、アルコール化合物が水素原子供給源として
作用することによって、目的物が得られる[(9)式]
ものと推測できる。
【0045】アルコール化合物は、ラジカル発生剤の作
用によって容易にラジカルを発生するとともに、目的物
の水素原子供給源としてもはたらき、連鎖反応を促進さ
せる効果を持つと推測できる。したがって、該アルコー
ル化合物を存在させることによって、温和な条件、か
つ、高収率で含フッ素ヒドロキシ化合物を得られる。
【0046】
【実施例】本発明を実施例(例1〜15)および参考例
(例16)によって詳述するが、本発明はこれらに限定
されない。
【0047】[例1]メタノール903g(28.1モ
ル)、HFIP26.0g(0.155モル)、CF3
(CF27 CH=CH2 225g(0.5モル)、お
よび1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン10.0g
(0.033モル)を撹拌器を備えた2リットルのオー
トクレーブに仕込み、窒素フラッシュにより掃気した
後、封じて、120℃まで加熱した。反応圧力は6.7
kg/cm2 となった。120℃を4時間保持し、その
後、室温まで冷却した。過剰の原料および副生物を留去
し、3−パーフルオロオクチル−1−プロパノールを無
色のパラフィン状固体として得た。パラフィン状固体を
ガスクロマトグラフィーによって分析した結果、反応選
択率は96%であった。得られた固体を減圧蒸留により
精製し、CF3 (CF27 CH2 CH2 CH2 OHを
無色結晶として得た。b.p.110℃(10mmH
g)、収率93%。
【0048】[例2]メタノール903g(28.1モ
ル)、TE15.5g(0.155モル)、CF3 (C
27 CH=CH2 225g(0.5モル)、および
1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン10.0g(0.0
33モル)を撹拌器を備えた2リットルのオートクレー
ブに仕込み、窒素フラッシュにより掃気した後、封じ
て、120℃まで加熱した。反応圧力は7.0kg/c
2 となった。120℃を4時間保持し、その後、室温
まで冷却した。過剰の原料および副生物を留去し、CF
3 (CF27 CH2 CH2CH2 OHを無色のパラフ
ィン状固体として得た。反応選択率は90%(ガスクロ
マトグラフィー分析による)であった。得られた固体を
減圧蒸留により精製し、CF3 (CF27 CH2 CH
2 CH2 OHを無色結晶として得た。収率84%。
【0049】[例3]メタノール903g(28.1モ
ル)、IPA9.3g(0.155モル)、CF3 (C
27 CH=CH2 225g(0.5モル)および
1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン10.0g(0.0
33モル)を撹拌器を備えた2リットルのオートクレー
ブに仕込み、窒素フラッシュにより掃気した後、封じ1
20℃まで加熱した、反応圧力は6.9kg/cm2
なった。120℃を4時間保持し、その後、室温まで冷
却した。過剰の原料および副生物を留去し、CF3 (C
27 CH2 CH2 CH2OHを無色のパラフィン状
固体として得た。反応選択率は90%(ガスクロマトグ
ラフィー分析による)であった。得られた固体を減圧蒸
留により精製し、CF3 (CF27 CH2 CH2 CH
2 OHを無色結晶として得た。収率87%。
【0050】[例4〜13]ヒドロキシ化合物、遊離基
開始剤、それらの量、および反応温度を変化させた以外
は例1と同様の操作で反応を行った。結果を表1に記
す。ただし、表中の略号は、以下の意味を示す。 A:1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン。 B:1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シク
ロヘキサン。 C:tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネ
ート。 D:tert−ブチルパーオキシイソブチレート。 E:tert−ブチルパーオキシピバレート。
【0051】
【表1】
【0052】[例14]メタノール900g(28.1
モル)、HFIP8.4g(0.05モル)、CF3
2 CH=CH2 73g(0.5モル)およびジ−te
rt−ブチルパーオキシド7.3g(0.05モル)を
撹拌器を備えた2リットルのオートクレーブに仕込み、
窒素フラッシュにより掃気した後、封じて120℃まで
加熱した。反応圧力は6.2kg/cm2 となった。1
20℃を6時間保持し、その後、室温まで冷却した。原
料であるポリフルオロオレフィン、メタノールを含む低
沸留分を留去した後、得られた液体を減圧蒸留により精
製し、無色透明のCF3 CF2 CH2 CH2 CH2 OH
を得た。b.p.84℃(100mmHg)。ガスクロ
マトグラフィー分析による反応転化率は99%、反応選
択率は89%であった。収率88%。
【0053】[例15]メタノール94.9g(3.0
モル)、HFIP 0.84g(0.005モル)、C
3 (CF23 CH=CH2 29.9g(0.121
モル)およびtert−ブチルパーオキシイソプロピル
カーボネート1.16g(0.0066モル)を撹拌器
を備えた2リットルのオートクレーブに仕込み、窒素フ
ラッシュにより掃気した後、封じて120℃まで加熱し
た。反応圧力は5.8kg/cm2 となった。120℃
を3時間保持し、その後、室温まで冷却した。原料であ
るポリフルオロオレフィン、メタノールを含む低沸留分
を留去した後、得られた液体を減圧蒸留により精製し、
無色透明のCF3 (CF23 CH2 CH2 CH2OH
を得た。b.p.85℃(10mmHg)。ガスクロマ
トグラフィー分析による反応転化率は92%、反応選択
率は85%であった。収率78%。
【0054】[例16]メタノール903g(28.1
モル)、CF3 (CF27 CH=CH2 225g
(0.5モル)および1,1−ビス(tert−ブチル
パーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
10.0g(0.033モル)を撹拌器を備えた2リッ
トルのオートクレーブに仕込み、窒素フラッシュにより
掃気した後、封じて120℃まで加熱した。反応圧力は
6.6kg/cm2 となった。120℃を4時間保持
し、その後、室温まで冷却した。過剰の原料および副生
物を留去し、CF3 (CF27 CH2 CH2 CH2
Hを無色のパラフィン状固体として得た。反応選択率は
76%(ガスクロマトグラフィー分析による)であっ
た。得られた固体を減圧蒸留により精製し、CF3 (C
27 CH2 CH2 CH2OHを無色結晶として得
た。収率66%。
【0055】
【発明の効果】本発明の方法によれば、反応系に特定の
アルコール化合物を存在させることによって、温和な条
件で、かつ収率よく含フッ素ヒドロキシ化合物が製造で
きる。本発明の方法は、危険な試薬や特別な反応条件を
必要としない方法であることから大量に製造する場合の
方法にも適しており、工業的な製造方法として採用でき
る利点もある。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)で表される含フッ素不飽和化
    合物をメタノールと反応させて一般式(2)で表される
    含フッ素ヒドロキシ化合物を製造する方法において、炭
    素数2以上の第1アルコールおよび炭素数3以上の第2
    アルコールから選ばれる少なくとも1種のアルコール化
    合物、および、該アルコール化合物からラジカルを発生
    させうる化合物の存在下に反応させることを特徴とする
    含フッ素ヒドロキシ化合物の製造方法。ただし、下式に
    おいて、Rf は炭素数1〜20の含フッ素有機基を示
    し、Qは単結合または2価の有機基を示す。 【化1】Rf −Q−CH=CH2 (1) Rf −Q−(CH23 OH (2)
  2. 【請求項2】Rf が、炭素数1〜20のポリフルオロア
    ルキル基である請求項1の製造方法。
  3. 【請求項3】Qが単結合である請求項1または2の製造
    方法。
  4. 【請求項4】アルコール化合物が、炭素数2〜6の第1
    アルコールまたは炭素数3〜6の第2アルコールである
    請求項1〜3のいずれかの製造方法。
  5. 【請求項5】アルコール化合物が、フッ素原子を有する
    第1アルコールまたは第2アルコールである請求項1〜
    4のいずれかの製造方法。
  6. 【請求項6】アルコール化合物が、炭素数3以上の第2
    アルコールである請求項1〜5のいずれかの製造方法。
  7. 【請求項7】炭素数3以上の第2アルコールが、1,
    1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノー
    ルである請求項6の製造方法。
  8. 【請求項8】アルコール化合物からラジカルを発生させ
    うる化合物が、パーオキシ化合物である請求項1〜7の
    いずれかの製造方法。
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