JPH08301759A - マロチラートのリンパ指向性製剤 - Google Patents

マロチラートのリンパ指向性製剤

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JPH08301759A
JPH08301759A JP12948695A JP12948695A JPH08301759A JP H08301759 A JPH08301759 A JP H08301759A JP 12948695 A JP12948695 A JP 12948695A JP 12948695 A JP12948695 A JP 12948695A JP H08301759 A JPH08301759 A JP H08301759A
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JP
Japan
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malotilate
concentration
oil
lymph
preparation
Prior art date
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Application number
JP12948695A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Konno
勉 今野
Masao Tsubokawa
政雄 坪川
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Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Nihon Nohyaku Co Ltd
Original Assignee
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Nihon Nohyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 マロチラートを大豆油、オリーブ油などの医
学的に許容し得る油脂に溶解せしめて成るマロチラート
のリンパ指向性製剤。 【効果】 マロチラートを大豆油、オリーブ油などの油
脂に溶解させた薬剤またはこれらのエマルジョン製剤
が、マロチラートのリンパ指向性を顕著に増大させ、か
つ肝臓における代謝反応を回避させることによりマロチ
ラートの大部分を未変化体としてリンパ管液中に存在さ
せることができ、癌転移の抑制等に効果がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジイソプロピル 1,
3−ジチオール−2−イリデンマロネート(以下、マロ
チラートという)のリンパ指向性製剤、特にリンパ管系
組織におけるマロチラートの高濃度維持を可能ならしめ
るマロチラート含有製剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マロチラートは本来肝疾患治療剤として
医療上有用な化合物である。近年、マロチラートが動物
実験において癌転移を抑制するという報告(第51回日
本癌学会,1992.9.29-10.1)がなされた。癌転移の主要
な経路はリンパ系であるとされていることから、リンパ
系に多くマロチラートを移行させれば薬効の増強が期待
できる。ところで、マロチラートは水にほとんど溶解し
ないという物理化学的性質を持っている。この性質より
マロチラートを固体状態あるいは水懸濁液として患者あ
るいは動物に経口投与したときの生物学的利用率が低い
ことが明らかになっている。また、通常の経口投与の場
合、肝臓による初期通過効果により肝移行量が高く、し
かも多くは代謝されてしまうため、リンパ系を含めた全
身のマロチラートの存在は低い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】マロチラートの生物学
的利用率を向上させる目的で非晶質のマロチラートが有
用であることはすでに特開昭59−16820号に示さ
れている。しかし、非晶質のマロチラートは消化管から
の吸収率を上げることが目的で、リンパ管系組織におけ
るマロチラートの濃度を選択的に高めるものではない。
また、マロチラートの経口投与後肝臓において代謝反応
を受けることにより、その多くは主要代謝産物であるイ
ソプロピルハイドロゲン 1,3−ジチオール−2−イ
リデンマロネート(以下M−1という)として体内で存
在する。実際の癌治療の正否の鍵をにぎるのはリンパ管
系における未変化体マロチラートの濃度である。これま
でに、薬物を製剤的に工夫して選択的にリンパ系に移行
させる技術がサイクロスポリン類(特開昭61−280
435号)あるいはプロブコール〔J.Pharma.Pharmaco
l.,36,641(1984)〕で報告されている。しかし、用いる
製剤添加物の種類あるいは製剤により達成されるリンパ
系への選択性(例えば、薬物のリンパ濃度と血中濃度の
比)は個々の薬物によって異なる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、リンパ管
系におけるマロチラートの高濃度維持を可能ならしめる
方法につき鋭意検討した結果、従来マロチラートを水懸
濁液あるいは粉末をカプセル剤や錠剤として使用してき
たものを、大豆油、オリーブ油などの油脂に溶解させた
薬剤またはこれらのエマルジョン製剤が、マロチラート
のリンパ指向性を顕著に増大させ、かつ肝臓における代
謝反応を回避させることによりマロチラートの大部分を
未変化体としてリンパ管液中に存在させることを見出
し、本発明を完成させるに到った。
【0005】本発明の要旨は、マロチラートを医学的に
許容し得る油脂に溶解せしめて成るマロチラートのリン
パ指向性製剤に存する。油脂としては、医学的に許容し
得るものであれば特に制限はないが、大豆油、ピーナッ
ツ油、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油、トウモロコ
シ油など、さらに油脂を構成する成分であるリノール
酸、オレイン酸、リノレン酸、パルミチン酸などのグリ
セリンエステルが挙げられる。
【0006】上記必須成分に加え、本発明製剤は界面活
性剤を含んでもよい。界面活性剤の例としては、グリセ
リン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタ
ン脂肪酸エステルなどの多価アルコールの脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレン硬化マシン油、リン脂質、タウ
ロコール酸、グリココール酸、デオキシコール酸等の胆
汁酸類が挙げられる。また、製剤の性状は溶液の他、エ
マルジョン、あるいはこれらに他の添加剤を加えたり乾
燥させることにより固体状に製したものでもよい。その
他、本発明製剤は適宜に防腐剤、安定剤等を含んでもよ
い。上記必須成分の配合割合は、均一な溶液あるいは分
散状態が得られる限り、格別な制限はない。たとえば、
マロチラート1重量部に対して1〜5000重量部が使
用されてよい。
【0007】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらのみに限定されるものではない。 実施例1 マロチラート 100mgに大豆油23g(25ml)を加え、25℃
にて攪拌しながら溶解させた。この溶液中におけるマロ
チラートの濃度は4mg/mlであった。 実施例2 マロチラート25mgにリノール酸5.75g(6.25ml)を加え
攪拌しながら溶解させた。この溶液中におけるマロチラ
ートの濃度は4mg/mlであった。
【0008】実施例3 マロチラート 100mgにオリーブ油23g(25ml)を加え攪
拌しながら溶解させた。この溶液中におけるマロチラー
トの濃度は4mg/mlであった。 実施例4 マロチラート 100mgに大豆油 4.6gおよびポリオキシエ
チレン硬化マシン油0.125gを加え、この溶液を80℃加
温下に、ときどき攪拌しながら約5分間放置した後、水
を加え正確に25mlとした。この液をホモゲナイザーにて
よく分散させ、製剤とした。このエマルジョン中におけ
るマロチラートの濃度は4mg/mlであった。
【0009】比較例1 マロチラート40mg/mlに 0.5%カルボキシメチルセルロ
ースナトリウム 100mlを加え、ホモジェナイザーにてよ
く分散させた。この懸濁液中におけるマロチラートの濃
度は4mg/mlであった。
【0010】試験例 体重 280〜350 gのWistar系雄性ラットに胸管リンパカ
ニュレーションを施した後、Bollman ケージにて固定
し、生理食塩水を飲めるようにして一夜放置した。翌朝
20mg/kgの用量で実施例及び比較例の製剤をゾンデを用
いて経口投与した。胸管リンパ液は少量のヘパリンを入
れた試験管中に採取するとともに、血液は尾静脈より経
時的に採取(約 100mg)した。各製剤の投与は1群3匹
とした。血液およびリンパ液のそれぞれにつき、未変化
体であるマロチラートを液体クロマトグラフ法にて定量
した。尚、実施例1の油剤と比較例の水懸濁製剤につい
ては未変化体マロチラートの他に主要代謝産物であるM
−1についても定量した。
【0011】図1および図2は、Wistar系雄性ラットに
20mg/kgの用量でマロチラートの比較例1の製剤を投与
したときの、血液中およびリンパ液中の薬物濃度推移を
示したものである。未変化体とその主要代謝産物である
M−1ともに、リンパ液中濃度と血中濃度はほぼ等し
く、懸濁液で投与したときにはマロチラート自身にリン
パ指向性を認めることはできなかった。未変化体とM−
1の存在比率は、リンパ液、血液ともに、投与後4時間
以降においてやや代謝産物であるM−1濃度が高いこと
を認めた。いずれの分子種も濃度は 0.1μg /mlと極め
て低い値であった。
【0012】実施例1〜4の製剤につき、同一条件でラ
ットに投与したときの血液中およびリンパ液中の濃度推
移をそれぞれ図3、図5、図7、図9および図4、図
6、図8、図10に示した。実施例1の製剤について
は、図3に示した様に、血液中の未変化体およびM−1
の濃度は極めて低く、懸濁液(比較例1)を投与した場
合と比較して大きな差は認められなかった。一方、図4
に示す様にリンパ液中では未変化体であるマロチラート
の濃度は著しく高く、薬物が消化管から選択的にリンパ
へ移行したことが判明した。主要代謝産物であるM−1
のリンパ液中濃度は懸濁液と比較して差が認められず、
極めて低かった。
【0013】実施例2の製剤については、図5に示した
様に、血液中の未変化体の濃度は極めて低く、懸濁液を
投与した場合と比較して大きな差は認められなかった。
一方リンパ液中では図6に示すとおり、未変化体である
マロチラートの濃度は著しく高く、薬物が消化管から選
択的にリンパへ移行したことが判明した。実施例3の製
剤については、図7に示した様に、血液中の未変化体の
濃度は極めて低く、これに対してリンパ液中の未変化体
であるマロチラートの濃度は図8に示すとおり著しく高
く、特にマロチラートのリンパ液中濃度は最終のサンプ
リング時間( 9.5時間)にて最高値を示した。これはオ
リーブ油溶液投与後の胃排泄時間が遅延したためと考え
られる。
【0014】実施例4の製剤については、図10に示す
とおり、リンパ液中でのマロチラートの濃度は実施例1
〜3の製剤に比べると高いが、図9に示すとおり、血液
中の濃度も実施例1〜3の製剤に比て高いため、リンパ
液と血液中の選択性は実施例1〜3の製剤に比べて低下
している。
【0015】表1および表2は、速度論的パラメーター
をまとめたものである。マロチラートを実施例1〜4の
製剤として経口投与した場合、リンパ液中の未変化体濃
度が極めて高く、リンパ/血液中の比率は最高濃度Cmax
で 9.2〜74.5倍、曲線下面積AUC で 6.7〜72.0倍を示し
た。比較例1の製剤を投与した場合は、リンパ液中と血
液中で大きな差を認めなかった。表1はマロチラートの
各製剤を経口投与した場合のマロチラートの薬物速度論
的パラメータを示し、表2はマロチラートの大豆油製剤
及び水懸濁製剤を経口投与した場合のM−1の薬物速度
論的パラメータを示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【発明の効果】本発明の製剤は、マロチラートをその作
用部位であるリンパ管系へ選択的に移行させかつ肝臓に
おける代謝反応を回避させることにより、リンパ管系組
織におけるマロチラートの濃度を高めたものである。
【図面の簡単な説明】
図面はいずれもマロチラートの経口投与後の経過時間に
伴うリンパ液中または血液中濃度を示す。
【図1】マロチラートの水懸濁液(比較例1)を経口投
与した場合のマロチラートおよびM−1の血中濃度推移
を示すグラフである。
【図2】マロチラートの水懸濁液(比較例1)を経口投
与した場合のマロチラートおよびM−1のリンパ液中濃
度推移を示すグラフである。
【図3】マロチラートの大豆油溶液(実施例1)を経口
投与した場合のマロチラートおよびM−1の血中濃度推
移を示すグラフである。
【図4】マロチラートの大豆油溶液(実施例1)を経口
投与した場合のマロチラートおよびM−1のリンパ液中
濃度推移を示すグラフである。
【図5】マロチラートのリノール酸溶液(実施例2)を
経口投与した場合のマロチラートの血中濃度推移を示す
グラフである。
【図6】マロチラートのリノール酸溶液(実施例2)を
経口投与した場合のマロチラートのリンパ液中濃度推移
を示すグラフである。
【図7】マロチラートのオリーブ油溶液(実施例3)を
経口投与した場合のマロチラートの血中濃度推移を示す
グラフである。
【図8】マロチラートのオリーブ油溶液(実施例3)を
経口投与した場合のマロチラートのリンパ液中濃度推移
を示すグラフである。
【図9】マロチラートのエマルジョン製剤(実施例4)
を経口投与した場合のマロチラートの血中濃度推移を示
すグラフである。
【図10】マロチラートのエマルジョン製剤(実施例
4)を経口投与した場合のマロチラートのリンパ液中濃
度推移を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マロチラートを医学的に許容し得る油脂
    に溶解せしめて成るマロチラートのリンパ指向性製剤。
JP12948695A 1995-04-28 1995-04-28 マロチラートのリンパ指向性製剤 Pending JPH08301759A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021524490A (ja) * 2018-07-11 2021-09-13 ベータ・イノブ 7ベータ−ヒドロキシコレステロール及び脂質ビヒクルを含む組成物、並びに腫瘍性病態の処置におけるその使用

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021524490A (ja) * 2018-07-11 2021-09-13 ベータ・イノブ 7ベータ−ヒドロキシコレステロール及び脂質ビヒクルを含む組成物、並びに腫瘍性病態の処置におけるその使用

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