JPH08300704A - サーマルプリントヘッド - Google Patents

サーマルプリントヘッド

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JPH08300704A
JPH08300704A JP11563795A JP11563795A JPH08300704A JP H08300704 A JPH08300704 A JP H08300704A JP 11563795 A JP11563795 A JP 11563795A JP 11563795 A JP11563795 A JP 11563795A JP H08300704 A JPH08300704 A JP H08300704A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サーマルプリントヘッドの印字用基板と放熱
板との熱膨張差による反り曲がりを抑え且つ均一な放熱
を可能とする。 【構成】 サーマルプリントヘッド2は、ライン状に配
列された複数の発熱抵抗体3を有する印字用基板6と、
放熱板4と、その放熱板に固定された制御用基板8とか
らなり、印字用基板と放熱板との接触面には、熱の伝導
性が良好なオイルコンパウンド34が介在されるととも
に、印字用基板6の長手方向各端部の接続ピン18,1
9が、制御用基板8に半田付けされることによって、印
字用基板の放熱板に対する面方向の移動が規制される。
その結果、印字用基板と放熱板と間には、接着性を持た
ないオイルコンパウンドのみが介在されるため、発熱抵
抗体から発生する熱を効率よく放熱板に伝達することが
できるとともに、印字用基板と放熱板との熱膨張差によ
る反り曲がりが発生しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファクシミリ、プリン
タ等の画像形成装置において、特に、感熱方式を用いた
画像形成装置の印字機構に搭載されるサーマルプリント
ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のサーマルプリントヘッド
は、ライン状に配列された複数の発熱抵抗体を有する印
字用基板(セラミック等からなる絶縁基板)と、発熱抵
抗体から発生する熱を必要以上に印字用基板に蓄積させ
ないための放熱板(アルミニウムや鉄等からなる金属
板)とから構成されており、通常、それら印字用基板と
放熱板とは、ネジあるいは接着剤等によって固定されて
いた。
【0003】このとき、たとえば、両面テープや接着剤
を用いる場合には、両面テープや接着剤の厚みが断熱層
として働き、放熱板の放熱効率を悪くするため、できる
だけ熱伝導性の良い両面テープや接着剤が用いられてい
た。また、ネジ等の締結部材によって固定する場合に
は、放熱板への熱の伝導を良くするために、シリコーン
ゴムのような熱伝導性の良い材料を間に挟んで固定する
ことが多かった。
【0004】しかしながら、これらの対策を行った場合
であっても、たとえば、連続印字を行ったり、印字率の
高い記録を行う際には、印字用基板に発生した熱を充分
に放熱することができなかった。このため、放熱しきれ
なかった熱が蓄積されて各部の温度が上昇すると、印字
用基板と放熱板との熱膨張係数に相違があるため、いわ
ゆるバイメタル効果によって反り曲がりが発生する。そ
の結果、プラテンからプリントヘッドが浮いた部分に印
字掠れ等の印字不良が発生したり、あるいは、インクリ
ボンを用いた熱転写記録装置に適用する場合において
は、反り曲がりによりプリントヘッドのプラテンへの押
圧バランスが崩れることによって、インクリボンにシワ
が発生して印字不良を起こすという欠点もあった。
【0005】また、印字用基板の全面を放熱板に接着す
る場合、接着剤の厚みにムラがあると、放熱板の放熱効
率にムラが生じ、結果として、印字ムラが発生するた
め、接着剤を全面に塗布するにあたっては、できるだけ
均一に塗布しなければならないという問題もあった。
【0006】そこで、プリントヘッドの長手方向の中央
部分だけを、ネジで固定することも考えられたが、中央
部分のみが密着して放熱がよくなり、その他の部分とで
放熱量に顕著な差ができる。このため、たとえ放熱用の
シリコーンゴムシートを間に挟んでいたとしても、全体
が密着するわけではないので、不均一な放熱となる。そ
の結果、プリントヘッドの中央部は温度は低く、周辺部
は高いという温度分布が発生し、放熱が充分にできずに
高温になった周辺部で尾引きと呼ばれる現象(サーマル
プリントヘッドの温度が感熱用紙の発色温度を越えてし
まうことによって、印字像の終端部にサーマルプリント
ヘッド、あるいは感熱用紙の移動方向に薄い陰が印字さ
れる現象)が発生したり、逆に中央部分の温度が低くな
りすぎて感熱用紙に充分な発色熱エネルギーを与えられ
ずに、印字掠れ等の記録不良を引き起こす欠点があっ
た。
【0007】そこで、これらの問題を解決するため、た
とえば、実公平5−39891号公報に示されるよう
に、抵抗発熱体の直下を除いた放熱板の表面に溝または
くぼみを設け、その溝またはくぼみに塗布した接着剤に
よって、印字用基板(ヘッド基板)を放熱板に接着する
とともに、印字用基板と放熱板との接触面における空気
層を排除するための熱伝導性のコンパウンドを、それら
の接触面に接着剤の層よりも薄く介在させ、これによっ
て、接着剤の断熱作用による放熱板への熱伝導の阻害を
回避するとともに、放熱板への熱伝導の円滑化を図るよ
うにしたものが提案された。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような実公平5−39891号公報に示されるサーマ
ルプリントヘッドは、放熱板の表面に溝またはくぼみを
設けなければならないことから、プリントヘッドの製作
が複雑となることに加え、接着剤を塗布した部分では、
依然として放熱効率が悪い。また、接着剤と放熱板との
間に熱伝導性のコンパウンドが入り込むと、接着剤の接
着力が落ちて剥がれ等の問題が発生するので、コンパウ
ンドを塗布するにあたっては、細心の注意が要求され、
作業性が悪いという問題があった。
【0009】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであって、サーマルプリントヘッドの温
度上昇による反り曲がりを確実に防止するとともに、温
度上昇時でも長手方向全域にわたって印字ムラのないサ
ーマルプリントヘッドを提供することを目的としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明のサーマルプリントヘッドは、ライン状に配
列された複数の発熱抵抗体を有する印字用基板と、その
印字用基板に接触するように設けられた放熱板と、その
放熱板に固定され、且つ前記印字用基板に電気的に接続
された制御用基板とからなるものであって、特に、印字
用基板と放熱板との接触面に接着性を持たない熱伝導手
段を介在させるとともに、その印字用基板の端子部に接
続ピンを設け、その接続ピンを制御用基板に固定したこ
とを特徴としている。
【0011】また、熱伝導手段が、シリコーンオイル、
シリコーングリス、あるいはシリコーンオイルを基材と
するオイルコンパウンド等のグリス状の液体からなるこ
とを特徴としている。
【0012】さらに、接続ピンが、印字用基板の長手方
向各端部の端子部に設けられ、その各接続ピンが制御用
基板にそれぞれ固定されることを特徴としている。
【0013】さらには、接続ピンが、半田付けによって
制御用基板に固定されることを特徴としている。
【0014】
【作用】上記の構成を有する本発明のサーマルプリント
ヘッドによれば、印字用基板と放熱板とは、それら両者
の間に接着性を持たない熱伝導手段のみが介在して密着
するようになるので、発熱抵抗体から発生する熱を効率
よく放熱板に伝達することができる。しかも、印字用基
板と放熱板との間には、接着剤層が全く形成されていな
いので、熱膨張係数の違いによって反り曲がりが発生す
ることもない。従って、連続印字を行ったり、印字率の
高い記録を行って、発熱量が増大した場合であっても、
プリントヘッドの長手方向に印字ムラが発生することが
なく、均一の印字濃度で高品質の印字を行うことができ
る。また、印字用基板は、端子部の接続ピンを介して制
御用基板に連結されるので、印字用基板の放熱板に対す
る面方向の移動が確実に規制される。従って、印字用基
板と放熱板の間に特別な固定手段がなくとも、印字用基
板が放熱板の面に沿って不意に移動したりすることがな
く、一定の印字位置を保って正確な印字を行うことがで
きる。
【0015】また、熱伝導手段が、シリコーンオイル、
シリコーングリス、あるいはシリコーンオイル等を基材
とするオイルコンパウンド等のグリス状の液体からなる
ので、たとえば、シリコーンゴムシートを挟んだりした
場合のように、印字用基板と放熱板の間に隙間が発生し
たりすることもなく、発熱抵抗体から発生する熱を非常
に効率よく、しかも均一に放熱板に伝達することができ
る。
【0016】さらに、印字用基板の長手方向各端部の接
続ピンが制御用基板に固定されるので、印字用基板の放
熱板に対する面方向の移動が、長手方向の両端部二箇所
において確実に規制される。従って、印字用基板をその
全長にわたって正確に位置規正することができ、正確な
印字を行うことができる。
【0017】さらには、印字用基板の接続ピンが、半田
付けによって制御用基板に固定されるので、印字用基板
の放熱板に対する面方向の移動が確実に規制されると同
時に、印字用基板と制御用基板との電気的な接続をも確
保することができる。従って、その組立作業が非常に簡
単であるとともに、接続信頼性が向上する。
【0018】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照しながら説明する。
【0019】図1は、たとえば、プリンタやファクシミ
リ等の画像形成装置に適用される印字機構を示すもので
あり、矢印方向に回転駆動されるプラテン1と、そのプ
ラテン1に向かって押圧されるサーマルプリントヘッド
2とが備えられている。サーマルプリントヘッド2は、
放熱特性のよい、たとえば、アルミニウムや鉄等の金属
板からなる放熱板4と、ライン状に配列された複数の発
熱抵抗体3を有する印字用基板(ヘッド基板)6と、そ
の印字用基板6に接続ピン18,19を介して電気的に
接続された制御用基板8とからなる。
【0020】制御用基板8は、コネクタを介してさらに
接続されるメイン制御基板から、画像情報に基づく駆動
制御信号が供給され、その駆動制御信号が接続ピン1
8,19を介して印字用基板6に伝達される。これによ
り、印字用基板6は、発色させたい部位に位置する発熱
抵抗体3のみに電流が供給され、通電された発熱抵抗体
3が熱を発生する。
【0021】プラテン1に沿って一列に配列された発熱
抵抗体3は、スプリング10によって感熱記録用紙12
に押圧されていることから、熱を発生した発熱抵抗体3
の領域では、これに密着している感熱記録用紙12に熱
が伝達され、同記録用紙12はその領域において発色
し、画像が形成される。このとき、放熱板4は、発熱抵
抗体3から発生した熱が印字用基板6に蓄積されないよ
うにして、印字用基板6の過度の温度上昇を防止する。
【0022】次に、サーマルプリントヘッド2の各部の
詳細について図面を参照しながら説明する。
【0023】印字用基板6は、たとえば、特開平2−1
08561号公報等に示されるように、セラミック等か
らなる細長い絶縁性基板の一面に、複数の発熱抵抗体3
がライン状に配列されるとともに、この発熱抵抗体3を
駆動する駆動用IC(ドライバー素子)14が実装され
ている。さらに、印字用基板6の長手方向の各端部に
は、駆動用IC14を介して個々の発熱抵抗体3へ電流
を供給するための端子部16,17が設けられ、その各
端子部16,17と発熱抵抗体3、および駆動用IC1
4との間に、複数の配線パターン(コモンライン、アー
スライン、クロック信号ライン、ストローブ信号ライン
等)が形成されるとともに、その各端子部16,17に
おいて複数本(ここでは、それぞれ9本)の接続ピン1
8,19が電気的に接続されている。そして、それら各
接続ピン18,19および駆動用IC14は、図1、図
3に示されるように、印字用基板6上に樹脂コートされ
ており、印字用基板6から容易に離脱しないように保護
されている。
【0024】制御用基板8は、たとえば、紙フェノール
等からなるプリント基板の一面に、制御信号伝達用の複
数の配線パターン15(これらの配線パターンは、コネ
クタを介してメイン制御基板にさらに電気接続される)
が形成されるとともに、その配線パターン15に連なる
外部接続用の導体パターン20,21が、制御用基板8
の長手方向の各端部において、前記各接続ピン18,1
9と同じ配列ピッチで設けられている。
【0025】放熱板4は、アルミニウム、あるいは鉄等
の金属板を折曲するなどして構成されるとともに、その
長手方向の一側縁に沿って、印字用基板6の略全面を支
持するための平坦状の基板用支持部22が設けられ、ま
た、その他側縁の長手方向各端部に、位置決め突起2
4,25を突設した一対の基板用取付部26,27が設
けられている。これらの各位置決め突起24,25は、
その一方の突起25が制御用基板8の一側に設けられた
円形の位置決め孔28に、他方の突起24が同じく他側
に設けられた小判形の位置決め孔29に嵌合することに
より、制御用基板8の放熱板4に対する位置決めがなさ
れる。また、一対の締めネジ30,31は、制御用基板
8に設けられた透孔32,33に通して、基板用取付部
26,27の雌ネジ部に螺合することにより、制御用基
板8を放熱板4に固定するものである。
【0026】上記印字用基板6は、その長手方向各端部
の接続ピン18,19が、制御用基板8の各導体パター
ン20,21に半田付けされることにより、電気的な接
続が確保されるとともに、各接続ピン18,19を介し
て制御基板8に対する相対的な移動ができないように連
結される。これによって、印字用基板6は、放熱板4に
対する面方向の移動、すなわち、基板用支持部22の平
坦面に沿う方向の移動が規制されるとともに、たとえ
ば、プラテン1への押圧を解除した場合等において、基
板用支持部22からの不意の浮き上がりも規制される。
【0027】この印字用基板6と放熱板4の間には、そ
の接触面における空気層を排除して熱の伝導を良好なも
のとするオイルコンパウンド(熱伝導手段)34が介在
される。このオイルコンパウンド34は、たとえば、シ
リコーンオイル等を基材として、これに熱伝導性の良好
なアルミナ等の微粉末を混合したグリス状の液体であっ
て、信越シリコーン(株)製のオイルコンパウンド「G
−746」等が好適に使用される。
【0028】オイルコンパウンド34は、熱の伝導性が
良いこと、さらには、適用温度範囲内で固化せず、接着
性を持たず、適度の粘性を有する(流動性が良すぎな
い、すなわち、流失する虞れがないこと)等の特性を満
足する材料であれば、どのようなものでも置き換え可能
であり、たとえば、シリコーンオイル、あるいは、シリ
コーングリス等のオイル単体、あるいは、グリス単体で
あってもよいし、シリコーンオイル以外のものを基材と
するオイルコンパウンド等を使用するようにしてもよ
い。
【0029】上記構成からなるサーマルプリントヘッド
2は、次のようにして組み立てることができる。
【0030】先ず、制御用基板8を放熱板4に取り付け
るべく、制御用基板8の各位置決め孔28,29を、基
板用取付部26,27の位置決め突起25,24に嵌合
して位置決めを行ったのち、締めネジ30,31を、制
御用基板8の各透孔32,33に通して、基板用取付部
26,27の雌ネジ部に螺合する。これによって、制御
用基板8を放熱板4の所定の位置に固定することができ
る。
【0031】次に、印字用基板6と放熱板4の基板用支
持部22のいずれか一方、あるいは、双方の互いに接触
する面に、オイルコンパウンド34を塗布する。そし
て、適当な治工具を用いて、印字用基板6を基板用支持
部22の所定の位置(発熱抵抗体3がプラテン1の軸に
沿って正確に整列し且つ対応する位置)に位置決めする
とともに、それら両者が互いに密着するように保持した
状態で、印字用基板6の長手方向各端部の接続ピン1
8,19を、制御用基板8の導体パターン20,21に
半田付けする。これによって、印字用基板6が制御用基
板8に対して相対的な移動ができないように連結され
る。
【0032】この際、放熱用のオイルコンパウンド34
は、基板用支持部22と印字用基板6との間で押し伸ば
され、接触面の略全域にわたって均一に介在するように
なり、また、これに伴って、一部のオイルコンパウンド
34が、間隙からはみ出してくることもあるが、これは
適宜拭き取っておくことが望ましい。
【0033】このようにして組み立てられたサーマルプ
リントヘッド2は、印字を行う際に、プラテン1に向か
って押圧されると、印字用基板6と放熱板4の基板用支
持部22とが、オイルコンパウンド34を介して互いに
密着するようになる。従って、発熱抵抗体3から発生し
た熱は、印字用基板6からオイルコンパウンド34を介
して効率よく放熱板4に伝達されるので、たとえば、連
続印字を行ったり、印字率の高い記録を行って、発熱量
が増大した場合であっても、印字用基板6の過度の温度
上昇を確実に防止することができる。
【0034】しかも、オイルコンパウンド34は、少な
くとも発熱抵抗体3の存在する領域を全てカバーするよ
うに、印字用基板6の全面にわたって介在されている
上、グリス状の液体であるので、シリコーンゴムシート
を挟んだ場合のように部分的な隙間が形成されることも
ない。従って、長手方向のどこの部分でも略同等の放熱
状態となり、中央部と周辺部とで放熱量が大きく変化す
ることがないので、サーマルプリントヘッド2の温度分
布状態を、プラテン1の長手方向にわたって略均一に保
つことができる。
【0035】さらに、印字用基板6および放熱板4の温
度が上昇しても、それら両者間には接着剤層が全く介在
されておらず、オイルコンパウンド34が介在されてい
るだけであって、しかも、オイルコンパウンド34には
接着力がないので自由に延びることができる。従って、
放熱板4と印字用基板6とが、熱膨張係数の異なる材質
のものであっても、サーマルプリントヘッド2に反り曲
がりが発生することはない。このため、プラテン1に対
する圧接力を、長手方向のどこの部分でも略同等に保つ
ことができる。
【0036】このサーマルプリントヘッド2を使って、
たとえば、連続印字を行ったり、印字率の高い記録を行
って、印字品質をチェックしてみても、印字不良を起こ
すほどの蓄熱差や反り曲がりは発生せず、長手方向のど
この部分でも均一の印字濃度で高品質の印字を行うこと
ができた。
【0037】また、サーマルプリントヘッド2に反り曲
がりが発生しないので、インクリボンを用いて印字する
ようにした熱転写記録装置に適用する場合には、プラテ
ン1の長手方向のどこの部分でも接触圧が一定となり、
インクリボンのしわの発生を防止する効果もある。
【0038】ところで、前記放熱板4の温度が上昇した
とき、制御用基板8と放熱板4との間でも、熱膨張係数
の違いがあるため、理論上は多少の変形が伴うと思われ
るが、たとえば、発熱抵抗体3の幅が210〜300m
m程度のサーマルプリントヘッドにおいては、その量は
無視できるほどの極めてわずかなものであり、実用上は
なんら問題は生じない。
【0039】もっとも、非常に大きなサーマルプリント
ヘッドを必要とする場合であって、しかも、制御用基板
8と放熱板4とで、熱膨張係数が大きくことなる素材を
採用せざるを得ないとき等には、以下の方法によって対
処することができる。
【0040】たとえば、上記実施例における少なくとも
一方の締めネジ30、すなわち、小判形の位置決め孔2
9が設けられた側の締めネジ30を緩く締めるように
し、これによって、制御用基板8の放熱板4に対する長
手方向への相対移動を自由としてもよいし、あるいは、
一対の締めネジ30,31に代えて、適当な弾性を有す
る接着剤を用いて、制御用基板8の長手方向各端部を、
放熱板4の基板用取付部26,27に接着するようにし
てもよい。これによれば、それら両者間に介在する接着
剤層によって、制御用基板8の放熱板4に対する長手方
向への相対移動が許容される。
【0041】また、図5、図6に示されるように、制御
用基板8に一対の係合穴40,41を形成するととも
に、放熱板4には、その一部を折曲加工するなどして、
各係合穴40,41に挿通可能とした一対の係合突起4
2,43を形成し、その係合突起42,43の先端部を
塑性変形させる(直角に折り曲げる)ことによって、制
御用基板8を放熱板4に取り付けるようにしてもよい。
これによっても、制御用基板8の放熱板4に対する長手
方向への相対移動が許容される。
【0042】勿論、これら接着剤、あるいは、係合突起
42,43による取付方法は、制御用基板8の長手方向
への移動を許容する必要がある場合に限らず、たとえ
ば、制御用基板8と放熱板4との熱膨張差が極めてわず
かであって、実用上なんら問題が生じない場合にも利用
することができる。
【0043】ときに、上記実施例においては、印字用基
板6の長手方向各端部の接続ピン18,19を制御用基
板8に半田付けするようにしたので、印字用基板6の放
熱板4に対する面方向の移動、および放熱板4からの不
意の浮き上がりを、長手方向の両端部二箇所において確
実に規制することができるが、これに限定されることな
く、たとえば、印字用基板6が比較的短い等の場合に
は、端子ピンを集中的に設けるようにしてもよい。
【0044】また、印字用基板6の各接続ピン18,1
9を半田付けによって制御用基板8に固定するようにし
たので、印字用基板6の放熱板に対する面方向の移動を
確実に規制することができると同時に、印字用基板6と
制御用基板8との電気的な接続をも容易に確保すること
ができるが、これに限定されることなく、たとえば、導
電性接着剤等を用いて接着固定するようにしてもよい
し、あるいは、カシメ等の手段を用いて圧着固定するよ
うにしてもよい。
【0045】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明のサーマルプリントヘッドによれば、印字用基板
と放熱板とは、それら両者の間に接着性を持たない熱伝
導手段のみが介在して密着するようになるので、発熱抵
抗体から発生する熱を効率よく放熱板に伝達することが
できる。しかも、印字用基板と放熱板との間には、接着
剤層が全く形成されていないので、熱膨張係数の違いに
よって反り曲がりが発生することもない。従って、連続
印字を行ったり、印字率の高い記録を行って、発熱量が
増大した場合であっても、プリントヘッドの長手方向に
印字ムラが発生することがなく、均一の印字濃度で高品
質の印字を行うことができる。また、印字用基板は、端
子部の接続ピンを介して制御用基板に連結されるので、
印字用基板の放熱板に対する面方向の移動が確実に規制
される。従って、印字用基板と放熱板の間に特別な固定
手段がなくとも、印字用基板が放熱板の面に沿って不意
に移動したりすることがなく、一定の印字位置を保って
正確な印字を行うことができる。
【0046】また、熱伝導手段が、シリコーンオイル、
シリコーングリス、あるいはシリコーンオイル等を基材
とするオイルコンパウンド等のグリス状の液体からなる
ので、たとえば、シリコーンゴムシートを挟んだりした
場合のように、印字用基板と放熱板の間に隙間が発生し
たりすることもなく、発熱抵抗体から発生する熱を非常
に効率よく、しかも均一に放熱板に伝達することができ
る。
【0047】さらに、印字用基板の長手方向各端部の接
続ピンが制御用基板に固定されるので、印字用基板の放
熱板に対する面方向の移動が、長手方向の両端部二箇所
において確実に規制される。従って、印字用基板をその
全長にわたって正確に位置規正することができ、正確な
印字を行うことができる。
【0048】さらには、印字用基板の接続ピンが、半田
付けによって制御用基板に固定されるので、印字用基板
の放熱板に対する面方向の移動が確実に規制されると同
時に、印字用基板と制御用基板との電気的な接続をも確
保することができる。従って、その組立作業が非常に簡
単であるとともに、接続信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサ−マルプリントヘッドを適用した印
字機構を示す一側断面図である。
【図2】本発明の一実施例を示すサーマルプリントヘッ
ドの上面図である。
【図3】図2のA−A線における拡大断面図である。
【図4】サ−マルプリントヘッドの要部分解斜視図であ
る。
【図5】別の実施例を示すサーマルプリントヘッドの上
面図である。
【図6】図5のB−B線における拡大断面図である。
【符号の説明】
1 プラテン 2 サーマルプリントヘッド 3 発熱抵抗体 4 放熱板 6 印字用基板 8 制御用基板 16 端子部 17 端子部 18 接続ピン 19 接続ピン 20 導体パターン 21 導体パターン 22 基板用支持部 26 基板用取付部 27 基板用取付部 30 締めネジ 31 締めネジ 34 オイルコンパウンド(熱伝導手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ライン状に配列された複数の発熱抵抗体
    を有する印字用基板と、その印字用基板に接触するよう
    に設けられた放熱板と、その放熱板に固定され、且つ前
    記印字用基板に電気的に接続された制御用基板とからな
    るサーマルプリントヘッドにおいて、 前記印字用基板と放熱板との接触面に接着性を持たない
    熱伝導手段を介在させるとともに、 その印字用基板の端子部に接続ピンを設け、 その接続ピンを前記制御用基板に固定したことを特徴と
    するサーマルプリントヘッド。
  2. 【請求項2】 前記熱伝導手段が、シリコーンオイル、
    シリコーングリス、あるいはシリコーンオイルを基材と
    するオイルコンパウンド等のグリス状の液体からなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のサーマルプリントヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 前記接続ピンが、印字用基板の長手方向
    各端部の端子部に設けられ、その各接続ピンが前記制御
    用基板にそれぞれ固定されていることを特徴とする請求
    項1又は2に記載のサーマルプリントヘッド。
  4. 【請求項4】 前記接続ピンが、半田付けによって制御
    用基板に固定されていることを特徴とする請求項1乃至
    3のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
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