JPH0829872B2 - 書類積み重ね装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、機械的または電子的に処理された書類が
貯蔵棚の中に取込まれ、かつ保存される書類積み重ね装
置に関するものである。

［発明の背景］ 書類処理装置は、情報が自動的に読取られる書類の処
理においてよく知られている。書類は、書類に必要とさ
れる読出または印字動作を行なうために、処理装置を通
過する軌道に沿って移動する。一般的に言えば、積重ね
られた書類が送り装置の棚に供給され、処理用の書類経
路に沿って送られ、最終的に貯蔵棚内の出力書類の積重
ねの中に蓄積される。

この発明は、特に、小切手エンコーダに関するもので
ある。小切手エンコーダでは、小切手が送り装置の積重
ねから供給され、データが小切手から読取られ、また小
切手に与えられる。その後、処理された小切手は、さら
に他の処理のために異なった積重ねに区分けされる。

小切手区分け処理の機械化の増大とともに、一連の機
械を用いて小切手に一連の処理を通過させることが望ま
しい。小切手が出力書類の積重ねの中に置かれるとき、
積重ねの中の種々の小切手の端縁の間は一般に整列され
ていない。したがって、１つの機械の出力書類の積重ね
を取出し、さらにその積重ねを他の機械に入力書類の積
重ねとして与えることは非常に困難である。

また、書類エンコーダの中の書類軌道を２方向にする
傾向もある。すなわち、書類を軌道に沿って２方向にか
つ軌道の異なる部分を回って進行させ、小切手や書類を
軌道に沿った各々の経路の中で異なる処理動作を受けさ
せて、それらの処理を短い物理的な距離の中で終了させ
ることができる。したがって、書類が棚の中に貯蔵さ
れ、かつ書類エンコード装置の中でさらに別の処理のた
めに反対方向のその棚から書類を取出せることが可能
な、書類積み重ね装置を提供することが望まれる。

［発明の概要］ この発明に従った書類積み重ね装置は、棚の中に書類
の後縁を予め定めた位置に整列させて書類を積み重ねる
ための書類積み重ね装置であって、その装置は、書類経
路と、その経路に沿って書類を移動させるための原動手
段と、その原動手段によって回転し、上記経路に沿って
書類を進めるために協動する遊び車と、その経路から棚
の方向に書類を向けさせるために選択的に動作可能な偏
向装置と、その向けられた書類を前記棚に誘導し、その
誘導された書類を棚の中に位置決めする動作をするフリ
ッカー車とを備える。そのフリッカー車は、棚に向けら
れた書類を棚に誘導するために、向けられた書類を遊び
車との間に捕捉してフリッカー車を回転させるように遊
び車に対して付勢される第１の半径を有する第１の部分
と、その第１の半径よりも大きい第２の半径を有する第
２の部分とを含む。半径方向に延びる複数個の突起部が
第２の部分の外周面に周方向に沿って配置されている。
フリッカー車の第１の部分と遊び車との間を書類が通過
した後、突起部の少なくとも１つが向けられた書類の後
縁と係合し、突起部の少なくとも１つが後縁を棚内に進
め、予め定めた位置で後縁から離れる。

好ましい実施例では、書類積重ね装置の組立体は、少
なくともその１つが駆動する駆動ベルトローラ上で支持
される駆動ベルトによって、書類が移動する書類経路を
含む。複数個の書類積重ね装置が、書類経路に沿って設
けられている。各書類積重ね装置は、駆動ベルトに対し
て押圧されることによって回転する遊び車を含む。各書
類積重ね装置は、遊び車自身と駆動ベルトとの間の書類
経路に沿って移動する書類を捕捉する。各書類積重ね装
置は、さらに、フリッカーローラを含む。フリッカーロ
ーラは軸方向の中央部にくびれた部分を有し、そのくび
れた部分がフリッカーローラの第１の部分を形成し、遊
び車はフリッカーローラの第１の部分に対して付勢さ
れ、フリッカーローラの第２の部分は鋸歯状の上部部分
と下部部分とからなる。上部部分と下部部分には突起部
が形成されている。フリッカーローラのくびれ部分に対
して押圧する遊び車がフリッカーローラを回転させる。

各書類積重ね装置は、さらに、フリッカーローラの軸
を中心にして回転するように設けられた書類偏向装置を
含む。ソレノイドは、書類経路のために支持壁を形成
し、かつ書類が書類経路に沿って移動するのを妨げない
中立状態にばね保持された第１の位置から、その経路に
沿って移動している書類を、それぞれの書類積み重ね装
置の中で遊び車とフリッカーローラとの間に挟まれる位
置に向ける動作をする第２の位置まで書類偏向装置を移
動させるために、書類経路を横切ってシャフトを移動さ
せ、そのシャフトの端部を書類偏向装置の底部に係合さ
せるように選択的に動作する。

まず、書類積重ね装置の中で向きを変えられた書類
は、フリッカーローラのくびれた部分とばね負荷を与え
られた遊び車との間でつかまれる。書類の後縁がフリッ
カーローラの小さな半径のくびれた部分と遊び車との間
を通過するので、フリッカーローラの上部と下部の突起
部が書類の後縁と係合する。フリッカーローラのくびれ
た部分とばね負荷が与えられた遊び車との間で書類が捕
捉されることにより、ここまで書類保持棚に向かって進
められていた書類は、ついに、書類の後縁を書類保持棚
に向かって進める。また、書類の後縁が書類保持棚の予
め定めた距離まで移動したときに、フリッカーローラの
上部と下部の突起部が書類の後縁から離れる。これによ
り、書類が書類保持棚内に位置付けられる。

フリッカーローラの突起部は、好ましくは鋸歯の形を
している。その場合、鋸歯のより急な立上がりの端縁が
書類の後縁と係合する。鋸歯の急な立上がり部分は、フ
リッカーローラに関して、放射状に配置されているのが
好ましい。

各書類保持棚は、書類を保持するために、書類が書類
積み重ね装置の中に存在するとき、書類の移動を減速さ
せるために、ばね負荷が与えられた壁を含む。

好ましい実施例の第１の変形では、ばね負荷が与えら
れた遊び車とフリッカー車の両方が、それぞれ別個の独
立した固定シャフトを有する。好ましい実施例の第２の
変形では、書類経路に沿った１つの積重ね装置のばね負
荷が与えられた遊び車の組立体が、遊び車ヨーク上に取
付けられている。この遊び車ヨークは、フリッカー車の
シャフトも吊下げるように構成される。この場合、その
遊び車ヨークは、複数個の書類積重ね装置のうち、その
遊び車の書類積重ね装置より前に隣接する書類積重ね装
置のフリッカー車を吊下げるように構成される。

各書類積重ね装置は、貯蔵されていた書類を書類経路
へ反対方向に移動させるために、書類経路の中の駆動ベ
ルトを逆転させてもよい。

以上のように、この発明によれば、書類積み重ね装置
の中で向きを変えられた書類は、フリッカー車の相対的
に小さい半径を有する第１の部分と原動手段によって回
転する遊び車との間に挟まれて締めつけられた状態で、
棚の中に書類が送り込まれる。書類の後縁が、フリッカ
ー車の相対的に小さい半径を有する第１の部分と遊び車
との間を通過し、遊び車とフリッカー車の第１の部分と
の間に挟まれた状態から抜け出ると、書類の後縁は、フ
リッカー車の相対的に半径の大きい第２の部分に形成さ
れた突起部の少なくとも１つに係合する。フリッカー車
の第２の部分は、第１の部分よりも速い周速度で回転し
ている。そのため、書類がフリッカー車の第１の部分と
遊び車との間に挟まれた状態から抜け出ると、フリッカ
ー車の第２の部分に形成された突起部の少なくとも１つ
によって、より速い速度で棚の中に押し込まれる。そし
て、予め定めた位置でフリッカー車の突起部は書類の後
縁から離れる。その結果、棚の中に積まれるすべての書
類の後縁は整列される。

この発明においては、上記のように棚の中に書類を送
り込み、かつ書類の後縁を整列させるために重力の作用
が必要とされない。したがって、本発明の書類積み重ね
装置は、重力の助けなしで、書類を棚に向け、その向け
られた書類を棚の中に送り込み、かつすべての書類の後
縁を整列させるのに効果的である。

［実施例］ この発明の一実施例は、図面を参照して以下に説明さ
れる。

第１図は、この発明の第１の好ましい実施例を示す平
面図である。書類積重ね装置の組立体10は複数個の書類
積重ね装置12を含む。書類経路14は、駆動ベルトローラ
18上に支持される連続した駆動ベルト16の形状で与えら
れている。書類経路14は、さらに、駆動ベルト16を支持
する支持壁20を含む。支持壁20には、複数個の各ソレノ
イド26のシャフト24が貫通することができる孔22が設け
られている。各書類積重ね装置12に対して１つのソレノ
イド26が設けられている。

駆動ベルトローラ18の少なくとも１つは被駆動ローラ
である。駆動ベルト16は、書類経路14に沿って書類を進
めるために、複数個のこのようなローラの周りを連続し
てループをなして設けられている。

各書類積重ね装置12は、ばね負荷が与えられた遊び車
28を備える。遊び車28は、それぞれの駆動ベルトローラ
18に対向してベルト16を押圧する。第１図に示されてい
る好ましい実施例では、各遊び車28が、駆動ベルトロー
ラ18によって支持されているベルト16の部分に対して押
圧する。しかし、このことは絶対に必要なことではな
く、遊び車28が、同様に、駆動ベルトローラ18で支持さ
れていないベルト16の部分に対して直接押圧してもよ
い。

小切手のような書類が書類経路に沿って送られると
き、ベルト16と遊び車28の間につかまれて、その経路に
沿って移動させられる。遊び車28は原動力も受けず、単
にベルト16に対する摩擦によって、または書類が遊び車
28とベルト16との間に存在するとき、書類に対する摩擦
によって回転する。

各書類積重ね装置12は、さらに、フリッカー車30を備
えている。ばね負荷が与えられた遊び車28は、フリッカ
ー車30に対して押圧される。ばね負荷が与えられた遊び
車28はフリッカー車30に回転駆動を与える。フリッカー
車の機能は後で説明される。フリッカー車30は、書類を
各積重ね装置12の貯蔵棚32の中に入れることが必要なと
き、フリッカー車30自身と遊び車28との間で書類を掴む
という機能と、さらに貯蔵棚32内の予め定めた位置に書
類の後縁を位置付けるように動作するという機能の２つ
の機能を有する。

各積重ね装置は、書類偏向装置34を含む。各積重ね装
置における書類偏向装置34は、フリッカー車30と同軸で
回動するように設けられている。第１図では、第１の書
類偏向装置34Aが、書類経路14に沿った書類の移動を全
く干渉しないばね復帰休止位置で示されている。第２の
書類偏向装置34Bは偏向している位置で示されている。
ソレノイド26は、励起されてシャフト24を延ばす。これ
により、ソレノイド26は第２の書類偏向装置34Bに係合
する。第２の書類偏向装置34Bが、ベルト16の経路に向
けられる。書類偏向装置がこの位置にあるときに、ベル
ト16に沿って運ばれる書類がフリッカー車31と遊び車28
との間で向きを変えられる。

各積重ね装置12は、さらに、棚壁部材36を含む。この
棚壁部材36の機能は、各棚32に与えられた書類を支持す
るように作用することである。

ここで、各書類積重ね装置12が適用される各棚32の構
成について説明する。第10図は、第１図に示された１つ
の書類積重ね装置12に対して棚32の構成を付加えて示す
図である。第11図は、第10図の矢印Ｂ−Ｂ′線に沿った
方向から見た図である。第10図を参照して、従来から用
いられてきた棚32の構成が示される。棚保持壁３は、そ
の棚保持壁３自身と棚壁部材36との間で書類５を保持す
る。新たに運ばれた書類５は棚壁部材36に最も近接した
書類の積重ねの上に入れられる。第11図を参照して、書
類５は、棚保持壁３と棚壁部材36の間に挟まれて、棚床
部７の上に置かれる。

上記のような棚32の構成は従来からよく知られてい
る。このような棚は、パンチカードを区分けし、選択す
るために用いられた1930年代の書類移動機械の１つの構
成要素として従来から知られている。本発明の書類積重
ね装置は、そのような棚に適用される。

上記のような棚の構成において、棚壁部材36は、ばね
負荷または重力によって書類に対して付勢されてもよ
い。あるいは、棚壁部材36は固定されていてもよい。書
類は、各貯蔵棚32上でさらに別にばね負荷を与えられた
壁によって、棚壁部材36に対して付勢されていてもよ
い。また、書類は、重力によって棚下部部材36に対して
付勢されてもよい。

上記の棚壁部材36の作用について、以下にさらに説明
する。第１図に示される実施例においては、圧縮ばね64
は棚壁部材36を書類５の方向に向かって付勢する（第10
図参照）。この圧縮ばね64は必ずしも必要ではない。書
類５を棚壁部材36に対して付勢するための何らかの手段
が用いられてもよい。従来からよく知られているよう
に、棚壁部材36の重量によって棚壁部材36が書類５の方
向に向かって移動するような方向に棚32を傾斜させるこ
とができる。この場合、棚壁部材36は、それ自身の重
量、すなわち重力によって書類５に対して付勢されるこ
とになる。

同様に、棚壁部材36を固定することもできる。その場
合、書類５の重量自身が棚壁部材36との係合を保持する
ように棚32が他の方向に傾斜して設けられる。このと
き、書類５自身の重量、すなわちその重力によって書類
５は棚壁部材36に対して付勢されることになる。

書類５が棚32の中に存在するとき、書類が動き回らな
いように書類を所定の位置に保持するための何らかの方
法が必要となる。その最も簡単な方法は、書類を圧縮さ
れた積重ねとして形成することである。この実施例で
は、その圧縮力は、棚壁部材36によって与えられる。そ
の棚壁部材36は、第10図と第11図に示されるように、書
類の積重ねに対して押圧する。

後で説明される棚壁部材36の機能は、貯蔵棚32に書類
が入る際に各書類を捉えかつ係合することである。

第２図は、第１図の書類偏向装置34の詳細を示す。書
類偏向装置34は、フリッカー車30の上下に延在している
上部壁と下部壁38を含む。上部壁と下部壁38には、フリ
ッカー車30の軸を支持するように回転軸孔40が設けられ
ている。それぞれの積重ね装置の中で書類の位置を棚の
方向に向けさせるとき、第１と第２の水平切込42によっ
て書類偏向装置34をベルト16上に延在させることができ
る。垂直切込44によって、フリッカー車30が書類偏向装
置34の垂直壁46を通って部分的に突出することができ
る。書類偏向装置34が偏向していない位置に存在すると
き、書類偏向装置34の垂直壁46が、書類経路に対して連
続した壁を形成する。隣接した積重ね装置12の中で書類
を受取るように位置付けされていない書類偏向装置34
は、書類経路14に沿って書類を案内するためにほぼ連続
的な壁を形成する。

各ソレノイド26のシャフト24は、ベルト16の下を貫通
して書類偏向装置34の凹部48に係合するように第２図に
示されている。書類偏向装置34は、この技術分野におい
て公知のいかなる態様によっても、偏向のない位置にば
ねの力で元に戻る。そのようなばねとして、フリッカー
車のシャフト上に設けられるコイルばねや、書類積重ね
装置の組立体10の本体上に設けられ、かつ各書類偏向装
置34に対して直接に付勢するばねが挙げられる。あるい
は、書類偏向装置34を偏向のない元の位置にまで戻すた
めに、フリッカー車30の回転が各書類偏向装置34に対し
て摩擦として与えられてもよい。いかなる場合において
も、書類偏向装置34が偏向のない位置を越えて回動しな
いように、書類偏向装置34は遊び車28の装着ヨーク50に
係合する。

偏向装置34によって向きを変えられた書類が、遊び車
28と、遊び車がフリッカー車30に接する接点との間に挟
まれるように、偏向装置34の上下部壁38の形状が作られ
る。書類偏向装置34が偏向されていない位置に存在する
とき、水平切込42の１つは、遊び車28が書類偏向装置34
の垂直壁46を通過し、自由に回転できるように設計され
る。また、遊び車28がフリッカー車30の軸のいずれの側
に設けられてもいいように、水平切込42が上記と同様に
形づくられ、書類偏向装置34の形状が選ばれる。しか
し、このことは、本発明の実施例において必要な条件で
はない。２つの水平切込42の一方がベルト16との接触を
避けるために、他方が遊び車28との接触を避けるため
に、水平切込42のそれぞれの形状が選ばれてもよい。

第３図は、第１図の遊び車28とフリッカー車30との間
の相互関係を示す分解斜視図である。

フリッカー車30と遊び車28の各組は、書類積重ね装置
の組立体10の本体54の上で隣接した１対の装着ボス52の
上に取付けられる。各書類積重ね装置12に対して、それ
ぞれのフリッカー車30が第１の装着ボス52に装着され
る。装着ヨーク50に保持されているそれぞれの遊び車28
は、第１の装着ボス52に隣接している次の装着ボス52上
で保持される。第１の軸56は、それぞれの装着ボス52上
でフリッカー車30を保持する。第２の軸58は、遊び車組
立体28,50をそれぞれの装着ボス52上に保持するため
に、ばね負荷が与えられた遊び車28の装着ヨーク50の縦
方向の接続部分を通過する。装着された遊び車28はフリ
ッカー車30の中央部分に係合する。

第３図に示されているように、フリッカー車30は、第
１の直径を有する中央のくびれ部分60と、第１の直径よ
りも大きい第２の直径を有する上部と下部の鋸歯状の部
分62とを有する。

遊び車28は、ベルト16の直線速度で回転する。同様
に、フリッカー車の中央のくびれ部分60もまた、ベルト
16と等しい円周表面速度で回転する。これに対して、そ
のくびれ部分60よりも直径が大きいフリッカー車30の鋸
歯部分62は、突起部の先端でベルト16の直線速度よりも
速い速度を有する。

第４図は、遊び車28が駆動ベルトローラ18に対向して
ベルト16に対して付勢され、またフリッカー車30のくび
れ部分60に対して付勢されている様子を示す。第４図
は、第１図と同様に上から見た図である。第１の遊び車
圧縮ばね64は、遊び車28を支持するヨーク50上のばね用
突起部66に係合する。駆動ベルトローラ18に直接対向し
ているベルト16に対して遊び車28を押圧するように、第
１の遊び車圧縮ばね64は、第４図において時計の針と進
む方向と逆の方向に遊び車28を付勢する。一端がヨーク
50の上部腕に、他端がヨーク50の下部腕に設けられた第
２の遊び車圧縮ばね68は、フリッカー車30に向かって遊
び車支持シャフト70を付勢して遊び車28をくびれ部分60
に対して押圧する。

第１図に示される第１の遊び車圧縮ばね64は、棚32に
保存されている書類に対して棚壁部材36を付勢する際に
有利に用いられる。棚壁部材36は旋回軸72を備える。旋
回軸72によって棚壁部材36は、棚32の中に貯蔵されてい
る書類に対して回動することができる。第１の遊び車圧
縮ばね64は、各棚壁部材36の延在する腕74に対して押圧
する。それにより、第１の遊び車圧縮ばね64は、棚32の
中にある貯蔵された書類に対して各棚壁部材36を付勢す
る。棚32内の書類の数が増加すると、棚壁部材36は、第
１図において時計の針の進む方向に付勢され、第１の遊
び車圧縮ばね64に加わる圧力を増大させる。これによ
り、ベルト16に向かってより強制的に遊び車28を付勢
し、各積重ね装置12の棚32が書類で一杯になるにつれて
書類に対する摩擦による駆動力が増加する。これによ
り、比較的少ない書類を含む棚よりも多数の書類をすで
に含んでいる棚内には、書類はより大きな力で進められ
ることになる。

このように棚32の充満状態を自動的に補償することが
本発明においては望ましいが、第１の遊び車圧縮ばね64
は書類積重ね装置の組立体10の本体54で支えられてもよ
い。ヨーク50に対してトルクを誘導する他の形式が考え
られ、その技術は公知である。それらの他の形式に必要
なことは、上述で示されているやり方でベルト16に対し
て遊び車28を付勢することである。

第５図は、第１図の矢印Ａ−Ａ′の線に沿って見た装
置を示す。第５図に示される構成要素はすでに述べられ
たものである。特に、フリッカー車30が明らかにくびれ
ている態様で描かれていることに注目される。駆動ベル
トローラ18は、積重ね装置組立体の本体54の下に装着さ
れたモータによって駆動されてもよい。あるいは、駆動
ベルトローラ18のシャフトが、ベルト16への原動力を提
供するためにベルトで駆動されるように、書類積重ね装
置組立体10の本体54の下に延在していてもよい。ベルト
ローラ18は、同様にベルト16を単に機械的に支持する単
純な遊びローラであってもよい。その場合、ベルト16は
書類積重ね装置組立体10の中の他の場所に設けられる別
の駆動ベルトローラ18によって駆動される。

第６図は、フリッカー車30を上から見た図で特に鋸歯
状の部分62を示す。

フリッカー車30の下方の端縁上に等しく見られる鋸歯
部分62は突起部76を含む。フリッカー車30は矢印78によ
って示される方向に回転する。突起部76は、鋸形状であ
って、各突起部76の鋭い方の面80がフリッカー車30に実
質的に放射状に配置されている。

本発明の書類積重ね装置の動作は、第12図〜第14図を
参照して以下に要約して説明される。

積重ねシステムの全体の動作の中で、書類経路14に沿
って移動する書類５を１つの貯蔵棚32の中に貯蔵するこ
とが望まれるとき、第12図に示されるように、選択され
たソレノイド26が作動して、そのシャフト24を延ばし、
選択された書類偏向装置34Bを偏向している位置に移動
させる。ベルト16に沿って矢印９で示される方向に移動
する書類5A（第12図）は、選択された傾斜形状を有する
書類偏向装置34の上下部壁38に接触すると、書類5B（第
13図）はフリッカー車30のくびれ部分と遊び車28との間
に挟まれて向きが変えられる。書類５の形状は第14図に
示されている。書類５は前縁11と後縁13を有する。フリ
ッカー車30のくびれた部分と遊び車28との間に書類5Bが
挟まれて掴まれている際、フリッカー車30はくびれてい
るため、書類5Bを垂直方向に湾曲させる。その湾曲が幾
何学的な強度を書類5Bに与える。書類5C（第13図）は、
矢印Ｕによって示される方向に棚壁部材36に向かって移
動する。棚壁部材36は書類5Cに対して弾性的な反発力を
与える。くびれたフリッカー車30によって書類に与えら
れたわずかな湾曲は書類に与えられた機械的な力として
用いられ、他方、すでに棚32内にあって抵抗となる書類
の積重ねの中に書類を進める役割を果たす。棚32の中に
挿入される書類の後縁は、遊び車28とフリッカー車30の
くびれ部分60との間で挟まれた状態から抜け出て、フリ
ッカー車30の上下部分62の突起部76の鋭い方の面80に係
合する。鋭い方の面80（あるいは少なくともそれらのう
ちの１つ）は、フリッカー車30の上下部の鋸歯状の部分
62において協働して、さらに棚32の中に書類の後縁を進
め、予め定めた位置で書類から離れる。さらに別の書類
が棚32の中に積まれるとき、以前に積まれた書類の後ろ
に押込まれる。その結果、すべて後続する書類は、同様
に、予め定めた場所でそれらの後縁が整列される。

第６図は、好ましい鋸の形状を有する突起部を示して
いるが、他の形状の突起部がフリッカー車に形成されて
も、同様の作用を達成できることが認められる。書類
が、遊び車28とフリッカー車30のくびれ部分60との間に
挟まれた位置から離れるにつれて、突起部76が書類の後
縁と係合し、書類が予め定めた位置に到達したときに書
類の後縁から離れることのみが、突起部の形状に要求さ
れる作用となる。

第７図は、遊び車28とフリッカー車30が装着され得る
第２の変形例を示す。遊び車28は、変形されたヨーク82
の上に設けられる。このヨーク82は、第３図に示されて
いるようにそれ自身の軸58を中心として旋回する代わり
に、長く延びた腕によって第１の軸56を中心にして旋回
する。第２の軸58を省略し、装着ボス52を単一のボスに
変形した点を除けば、他の構成要素は第３図に示された
ものと同様である。

第８図を参照して、第７図の変形ヨーク82を用いて
も、遊び車28をベルト16とフリッカー車30に対して付勢
することが第１の遊び車圧縮ばね64によって達成されて
いることが示されている。圧縮ばね64は、第４図に示さ
れたばね用突起部66とほぼ同様の目的を果たすばね用突
起部86上に位置付けられる。この場合、第２の軸58とば
ね用突起部66と、第２の軸58と遊び車28がベルト16に接
触する点との間のそれぞれの半径比率によって、第４図
中の第１の遊び車圧縮ばね64に与えられる機械的な利点
は、第４図に示される非常に高い比率から第８図に示さ
れるずっと低い比率にまで改善される。第８図では、第
１の遊び車圧縮ばね64は約0.5の機械的な利点で作用し
ている。そのため、もし第７図、第８図、第９図の形態
が適用されるなら、第１の遊び車圧縮ばね64の弾性復元
係数は減じられてもよい。

最後に、第９図は、第７図と第８図に示された遊び車
装着方法を用いた、第１図と本質的に対応する書類積重
ね装置組立体10を示す平面図である。第１の遊び車圧縮
ばね64は各棚32に対して棚壁部材36を付勢する。このと
き、その付勢は減少した力で制御して行なわれる。第９
図に示されている実施例では、第１の遊び車圧縮ばね64
の機械的な利点（すなわち、変形ヨーク82に沿う方向で
の位置）は、棚壁部材36と遊び車28の両方に所望の力を
与えるように選択することができる。

このようにして、すべての書類は、その後縁を予め定
めた位置において、選択された棚32の中で整列される。
書類は棚から取出されて、さらに他の書類処理装置に供
給される書類の積重ねとして位置付けられた状態にあ
る。

駆動ベルトローラ18が反対の方向に回転させられると
き、ベルト16を逆に駆動することにより、図示された積
重ね装置の組立体から書類を取出すことが可能である。
選択された書類積重ね装置の偏向装置34が、それに関連
したソレノイド26と、棚壁部材36に関連して与えられる
手段とによって移動し、棚32の中に保持されている積重
ねの中から個々の書類が、再びフリッカー車30と遊び車
28の間に挟まれた位置に送り出されてもよい。それか
ら、書類は書類エンコード装置の他の処理をするための
場所に、反対方向に書類経路14に沿って書類積重ね装置
の組立体10の入口に戻される。

上述のように、整列された書類を棚から書類経路に戻
す動作は本発明の書類積重ね装置を用いて以下のように
行なわれる。第３図と第５図を参照して、遊び車28は、
フリッカー車30のくびれ部分60と鋸歯部分62の先端より
も大きな直径を有する。書類が棚32の中に位置付けられ
ているとき、遊び車28は、棚壁部材36に最も近い書類に
係合した状態のままである。遊び車28はその最も近い書
類５のみに接触し、棚32の中にすでに存在している他の
書類のいずれとも接触しない。書類が棚壁部材36との間
の摩擦、互いの書類間の摩擦によって棚32の中に保持さ
れており、また全体のメカニズムが書類５を棚32の中に
挿入するように駆動している状態にある。そのため、棚
壁部材36に最も近い書類に対して遊び車28が及ぼす力
は、その書類を移動させるのに有効ではない。

書類積重ね装置の機構が逆に駆動されるとき、フリッ
カー車30と遊び車28が逆に回転する。このとき、遊び車
28は棚壁部材36に最も近い書類の一方の表面に係合して
いるので、その係合によって書類は棚32から抽出され、
遊び車28とフリッカー車30との間に挟まれた位置に送り
出される。そして、その書類は書類経路14に沿って逆方
向に運ばれる。

フリッカー車30の鋸歯部分62が、偏向装置34の垂直壁
46を通って突出していることが第１図、第２図および第
９図に示されている。その突起部76が、ベルト16とフリ
ッカー車30の間の隙間によって、書類経路14に沿って移
動している書類と係合しないことが好ましい。しかし、
突起部76の形状を鋸歯にし、それに合わせた方向にフリ
ッカー車30を回転させることにより、もし、書類が運悪
くフリッカー車30と接触したり、係合したりしても、書
類経路14に沿って処理されている書類が鋸歯の緩い傾斜
部分にのみ接触し、鋸歯の鋭い傾斜部分80は書類から離
れて回転し得る。このように、フリッカー車30の突起部
76は、たとえ予期しなかった係合がその部分で起こった
としても、ベルト16に沿って移動している書類を妨害し
ないように作られている。

本願の中では、この発明が小切手読取装置を例として
述べられてきたが、このような積重ね装置はデータ記載
カードや事務書類、また実際、処理と積重ねが必要で、
柔軟な書類型部材に同様に用いられてもよいことは理解
される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の第１の実施例に従った積重ね装置
の組立体を示す概略平面図である。 第２図は、第１図のソレノイドと書類偏向装置を示す斜
視図である。 第３図は、第１図のばね負荷が与えられた遊び車とフリ
ッカー車とがどのようにそれら自身のそれぞれのシャフ
トの上に支持されるかを示す分解組立斜視図である。 第４図は、遊び車が第１図のベルトとフリッカー車のく
びれ部分とに対して付勢される様子の詳細を示す図であ
る。 第５図は、第１図の矢印の方向に線Ａ−Ａ′に沿って見
た図である。 第６図は、第１図〜第５図に示されるフリッカー車の上
下部に形成された突起部の好ましい形状を示し、フリッ
カー車を上から見た平面図である。 第７図は、各書類積重ね装置に対して単一のシャフトを
用いて、遊び車の組立体やフリッカー車を設ける好まし
い実施例の第２の変形を示す分解組立斜視図である。 第８図は、第７図で示された装着の変形例において遊び
車がベルトとフリッカー車に対して付勢される様子を示
す図である。 第９図は、第７図に示された装着の第２の変形例を用い
る書類積重ね装置組立体の平面図である。 第10図は、本発明が適用される棚の構成とともに書類積
重ね装置を示す平面図である。 第11図は、第10図の矢印の方向に線Ｂ−Ｂ′に沿って見
た図である。 第12図と第13図は、書類が棚に積重ねられる動作を順を
追って示す書類積重ね装置の平面図である。 第14図は、本発明の書類積重ね装置を用いて積重ねられ
る書類の形状の一例を示す図である。 図において、10は書類積重ね装置の組立体、12は書類積
重ね装置、14は書類経路、16は駆動ベルト、18は駆動ベ
ルトローラ、20は支持壁、22は孔、24はシャフト、26は
ソレノイド、28は遊び車、30はフリッカー車、32は貯蔵
棚、34は書類偏向装置、34Aは第１の書類偏向装置、34B
は第２の書類偏向装置、36は棚壁部材、38は上下部壁、
40は回転軸孔、42は水平切込、44は垂直切込、46は垂直
壁、50は装着ヨーク、52は装着ボス、54は本体、56は第
１の軸、58は第２の軸、60はくびれ部分、62は鋸歯分、
64は第１の遊び車圧縮ばね、68は第２の遊び車圧縮ば
ね、70は遊び車支持シャフト、72は旋回軸、74は腕、76
は突起部、80は鋭い方の面である。

Claims (12)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】棚の中に書類の後縁を予め定めた位置に整
   列させて書類を積み重ねるための書類積み重ね装置であ
   って、 書類経路と； 前記経路に沿って書類を移動させるための原動手段と； 前記原動手段によって回転し、前記経路に沿って書類を
   進めるために協動する遊び車と； 前記経路から前記棚の方向に書類を向けさせるために選
   択的に動作可能な偏向装置と； 前記向けられた書類を前記棚に誘導し、その誘導された
   書類を前記棚の中に位置決めする動作をするフリッカー
   車とを備え； 前記フリッカー車は、前記向けられた書類を前記棚に誘
   導するために、前記向けられた書類を前記遊び車との間
   に捕捉して前記フリッカー車を回転させるように前記遊
   び車に対して付勢される第１の半径を有する第１の部分
   と、前記第１の半径よりも大きい第２の半径を有する第
   ２の部分とを含み、半径方向に延びる複数個の突起部が
   前記第２の部分の外周面に周方向にそって配置されてお
   り、 前記フリッカー車の前記第１の部分と前記遊び車との間
   を書類が通過した後、前記突起部の少なくとも１つが前
   記向けられた書類の後縁と係合し、前記突起部の少なく
   とも１つが前記後縁を前記棚内に進め、前記予め定めた
   位置で前記後縁から離れるように前記フリッカー車が構
   成されている、書類積み重ね装置。
2. 【請求項２】前記フリッカー車は軸方向の中央部にくび
   れた部分を有し、そのくびれた部分が前記フリッカー車
   の前記第１の部分を形成し、前記遊び車は前記フリッカ
   ー車の前記第１の部分に対して付勢され、前記フリッカ
   ー車の前記第２の部分は、前記くびれた部分を挟むよう
   に配置された第１の上部部分と第２の下部部分とからな
   り、書類が前記棚内に進められるとき、前記フリッカー
   車と前記遊び車が協動して、捕捉された書類を湾曲さ
   せ、書類に機械的な力を与える、特許請求の範囲第１項
   に記載の装置。
3. 【請求項３】前記書類経路に沿った書類の動きを逆に
   し、整列された書類を前記棚から１つずつ前記書類経路
   上に書類を戻すことが可能である、特許請求の範囲第１
   項または第２項に記載の装置。
4. 【請求項４】前記突起部の各々が鋸歯の形状を有し、そ
   の鋭い方の端縁が書類の前記後縁と係合する動作をす
   る、特許請求の範囲第１項ないし第３項のいずれかに記
   載の装置。
5. 【請求項５】前記鋸歯の突起部の前記鋭い方の端縁が、
   前記フリッカー車に放射状に配置されている、特許請求
   の範囲第４項に記載の装置。
6. 【請求項６】前記経路に沿って書類を移動させるための
   前記原動手段が１個のベルトと２個以上のベルト駆動ロ
   ーラとを含む、特許請求の範囲第１項ないし第５項のい
   ずれかに記載の装置。
7. 【請求項７】前記偏向装置が、前記フリッカー車と同じ
   軸を中心として回転するように設けられている、特許請
   求の範囲第１項ないし第６項のいずれかに記載の装置。
8. 【請求項８】前記書類経路のために支持壁を形成する第
   １の位置から、前記経路に沿って移動している書類を前
   記遊び車と前記フリッカー車の間に挟まれる位置に向け
   る動作をする第２の位置まで前記偏向装置を移動させる
   ために前記書類経路を横切ってシャフトを移動させ、そ
   のシャフトの端部を前記偏向装置の底部に係合させるよ
   うに選択的に動作するソレノイドを含む、特許請求の範
   囲第１項ないし第７項のいずれかに記載の装置。
9. 【請求項９】前記フリッカー車が、書類の移動方向に対
   して垂直に延びる軸に支持されて設けられている、特許
   請求の範囲第１項ないし第８項のいずれかに記載の装
   置。
10. 【請求項１０】前記遊び車が、前記フリッカー車を支持
    する軸とは別の軸で支持される遊び車ヨークに取付けら
    れている、特許請求の範囲第１項ないし第９項のいずれ
    かに記載の装置。
11. 【請求項１１】前記遊び車が、前記フリッカー車を支持
    する軸と同一の軸によって支持される遊び車ヨークに取
    付けられている、特許請求の範囲第１項ないし第９項の
    いずれかに記載の装置。
12. 【請求項１２】保持用の前記棚の中の書類に対して付勢
    するための棚壁部材と、前記原動手段に対して前記遊び
    車を付勢するための動作をする遊び車圧縮ばねとを含
    み、前記棚壁部材は、前記棚により多量の書類が含まれ
    るとき、前記遊び車圧縮ばねが前記遊び車を前記原動手
    段に対してより強く付勢するように働く、特許請求の範
    囲第１項ないし第11項のいずれかに記載の装置。