JPH0829853B2

JPH0829853B2 - ゴザ製品の乾燥装置

Info

Publication number: JPH0829853B2
Application number: JP30146487A
Authority: JP
Inventors: 安喜東島
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1987-12-01
Filing date: 1987-12-01
Publication date: 1996-03-27
Anticipated expiration: 2011-03-27
Also published as: JPH01145952A

Description

【発明の詳細な説明】【産業上の利用分野】

本発明は、ゴザ織機で織った長尺の畳表等のゴザ製品
を、上段から下段方向へ、又は下段から上段方向へ、順
次蛇行させて搬送しながら乾燥を行うようにしたゴザ製
品の乾燥装置に関するものである。

【従来の技術】

ゴザ製品の乾燥装置ではないが、被乾燥物を上段から
下段へ移して搬送しながら乾燥を行う乾燥装置として、
例えば実用新案登録第50773号の考案が従来例として周
知である。この従来例においては、両側に位置するロール間に圧
面に幅広のコンベア（座網）を張設した、所謂個体を載
せて搬送する搬送コンベアを、上下に所定の間隔をもっ
て複数段配設し、上段の搬送コンベア上に載置した被乾
燥物を、搬送コンベアの端部に配設した綿製ロールとで
柔らかく挟んで、下段の搬送コンベア上に順次転移させ
る構成である。

【発明が解決しようとする問題点】

前記従来例の搬送コンベアは、幅尋のコンベア（座
網）上に被乾燥物を挟持させることなくフリーの状態で
載せて搬送するものであり、両ロール間に一面にコンベ
アが張設されなければならず、しかも被乾燥物が上段の
コンベアと下段のコンベアとで挟持されない構成であ
り、連続した長尺の被乾燥物を順次搬送して均等に乾燥
させることはできないと云う問題点を有している。また、仮に一面にコンベアが張設された状態で上段と
下段のコンベアで挟持して搬送できるようにしても、上
段と下段のコンベアの間隔調整が極めて困難であり、間
隔が少しでも広いとその部分に被乾燥物が溜ってひだ状
になり、順次の挟持搬送ができなかったり、また間隔が
狭いと挟持のための圧接痕が残ったりする問題点が生ず
る。

【問題点を解決するための手段】

前記従来例の問題点を解決する具体的手段として本発
明は、機枠の長手方向両端側に夫々対向して配設した対
をなす複数段のローラ機構と、該対向するローラ機構間
に配設された複数の紐状の搬送用無端ベルトと、少なく
とも一方の側のローラ機構を回動させる駆動装置とを備
え、前記ローラ機構は前記機枠の幅方向に回転自在に橋
架させた回転軸と、該回転軸に所定の間隔をもって取り
付けられた複数のブーリーとから構成され、前記紐状の
搬送用無端ベルトは対向するプーリー間に張設されて複
数段のコンベアを形成し、該複数段のコンベアはその始
端部が交互に突出すると共に隣接段が正逆交互に回動す
るように配設され、前記コンベアの突出しない終端部で
且つ各段のプーリーに近接した位置に被乾燥物の方向を
転換する棒状部材で形成した略円弧状の誘導ガイドを設
け、前記複数段のコンベアを形成する前記複数のプーリ
ーは各段共に同数で且つ格段のプーリーが近接した位置
に設けられ、隣接段毎に機枠の長手方向と幅方向とに交
互にわずかにずらして設けたことを特徴とするゴザ製品
の乾燥装置を提供するものである。

【作用】

複数段のコンベアにおいて、プーリーの位置が隣接段
毎にずらしていることから、搬送用の無端ベルトがゴザ
製品の表裏両面から同じ位置で押圧しないこと、及び隣
接段の間隔寸法に精度を要しなくても、ゴザ製品自体の
弾性により寸法誤差を吸収して、無理な押圧力が掛から
なくなり、ゴザ製品の表裏両面に挟持搬送によって傷を
付けたり又は挟持痕を残さないのである。

【実施例】

次に、本発明を図示の実施例に基づき更に詳しく説明
する。図中Ａは、本発明に係るゴザ製品の乾燥装置全体をな
すものであり、該乾燥装置Ａは、機枠１の長手方向両端
側に夫々対向して配設された対をなすローラ機構Ｂ、
Ｂ′と、該ローラ機構Ｂ、Ｂ′間に巻き掛けられ前記機
枠１の長手方向に位置する複数の幅の狭い紐状の搬送用
無端ベルト2,2…と、少なくとも前記ローラ機構Ｂ、
Ｂ′の何れか一方の側を回動させる駆動装置３とを備え
ている。前記ローラ機構Ｂ、Ｂ′は、機枠１の幅方向におい
て、両端がベアリング等の軸受部材で回転自在に橋架さ
れた回転軸4,4…と、該回転軸4,4…の夫々軸方向に適宜
間隔をもって取り付けられた複数のプーリー4a,4a…と
から構成されており、前記紐状の搬送用無端ベルト2,2
…が夫々対向するプーリー4a,4a…間に掛け渡され、即
ち張設されている（第２図参照）。このように紐状の搬送用無端ベルト2,2…を張設する
ことにより、長手方向に対向するプーリー4a,4a間が実
質的にコンベアＣとなり、前記ローラ機構Ｂ、Ｂ′は、
機枠１の上下方向に対して複数段のコンベアC,C…を有
する構成になり、そのコンベアＣ間において被乾燥物で
ある長尺のゴザ製品を挟持して搬送する。そして、上下
に隣接する各段の回転軸4,4…及びプーリー4a,4a…は、
第２図及び第３図に示したように、その取り付けられて
いる位置が機枠１の長手方向と幅方向とにおいて夫々ず
れていることが重要である。特に、図示の実施例におい
ては、各段のプーリー4a,4a…が同数であって長手方向
と幅方向とに夫々千鳥状にずれて設けられている点に特
徴がある。そして、回転軸4,4…に対して各段共に同数
のプーリー4a,4a…が千鳥状にわずかにずれた略同一間
隔で取り付けられることにより、共通の寸法サイズで形
成でき、回転軸の製造が容易であると共に部品の管理が
容易になる。また、紐状の搬送用無端ベルト２の断面は
Ｖ字状、長方形状、楕円状又は円形状の何れでも使用可
能である。このように回転軸4,4…を長手方向にずらして取り付
けることによって、各段のコンベアＣの始端位置が相互
にずれた状態になって、長手方向に交互に突出した状態
になる。そして、突出しない各端部がコンベアＣの搬送
の終端になり、その終端で且つ各段のプーリー4a,4a…
の近傍に針金等の棒状材を湾曲させて形成した略円弧状
の誘導ガイド5,5…が終端外周を覆うように配設され、
それによって抵抗を著しく減少させて長尺なゴザ製品を
次段のコンベアへ連続して効果的に転送できる。尚、下
段のコンベアＣは転送の必要がないので、誘導ガイドは
必要としない。また、各段のプーリー4a,4a…が幅方向にずれて設け
られていることにより、幅の狭い紐状の無端ベルト2,2
…どゴザ製品を挟持して搬送する際に、その挟持位置が
ゴザ製品の表裏両面で同一位置にならないため、挟持搬
送によってもゴザ製品表面に損傷を与えない。更に、前記ローラ機構Ｂ、Ｂ′の内、例えば一方のロ
ーラ機構Ｂ′には、回転軸4,4…を回動させる駆動装置
３が連結されて源動側とし、他方のローラ機構Ｂは従動
側としてある。そして、各コンベアC,C…の搬送方向が
一段おきに正逆交互に回動ように、前記駆動装置３の無
端チェーンベルト3aが、ローラ機構Ｂ′の回転軸4,4…
の各一方の端部に設けられているチェーンホイル3b,3b
…に懸架されている。尚、図示していないが、機枠１の
一方の端部側の下部に乾燥のための熱風又は乾燥空気の
取り入れ、又は生成させるための適宜の手段が設けられ
ている。

【動作の説明】

このように構成されたゴザ製品の搬送装置の動作につ
いて、第４図を参照して説明する。駆動装置３を駆動す
ると、ローラ機構Ｂ′が駆動され、回転軸4,4…が駆動
されることにより各段のコンベアC,C…、即ち紐状の無
端ベルト2,2…が、矢印で示したように、一段おきに正
逆交互に回動する。この状態で、上段のコンベアＣ上に
長尺のゴザ製品６を供給すると、上段のコンベアＣの搬
送終端部において、円弧状の誘導ガイド５により方向が
転換されて、上段と二段めのコンベアとの間で、紐状の
無端ベルト2,2によりゴザ製品６を挟持しながら搬送す
る。この挟持搬送において、上段のプーリーと二段目のプ
ーリーとの位置が、機枠１の幅方向にずれているため、
ゴザ製品６の表裏両面において、紐状の無端ベルト2,2
の当接位置が食い違うことになる。この食い違いによっ
て、挟持のための圧接力が、ゴザ製品６自体の有する弾
性によって吸収され、無理な圧接にならないので、挟持
搬送によってもゴザ製品６の表裏両面に挟持圧による傷
又はベルト痕が残らないのである。二段目のコンベアから三段目のコンベア、及びそれ以
降のコンベアへ転送する場合でも、前記同様に誘導ガイ
ド５によって転送し、且つ前記同様に無端ベルト2,2…
の当接位置の食い違いによってゴザ製品６の表裏両面に
挟持圧による傷又はベルト痕が残らないのである。そして、ゴザ製品６は紐状の無端ベルト2,2…で挟持
されるだけであるため、蛇行搬送される間はゴザ製品６
の大部分が熱風又は乾燥空気にさらされるようになり、
全体的に略均等に乾燥される。尚、前記説明は上段のコ
ンベアからゴザ製品を供給することについて説明した
が、駆動装置３の駆動方向を逆方向すれば、下段のコン
ベアからゴザ製品を供給して、情報へ搬送することがで
きる。

【発明の効果】

以上説明したように本発明に係るゴザ製品の乾燥装置
は、機枠の長手方向両端側に夫々対向して配設した対を
なす複数段のローラ機構と、該対向するローラ機構間に
配設された複数の紐状の搬送用無端ベルトと、少なくと
も一方の側のローラ機構を回動させる駆動装置とを備
え、前記ローラ機構は前記機枠の幅方向に回転自在に橋
架させた回転軸と、該回転軸に所定の間隔をもって取り
付けられた複数のプーリーとから構成され、前記紐状の
搬送用無端ベルトは対向するプーリー間に張設されて複
数段のコンベアを形成し、複数段のコンベアはその始端
部が交互に突出すると共に隣接段が正逆交互に回動する
ように配設され、前記コンベアの突出しない終端部で且
つ各段のプーリーに近接した位置に被乾燥物の方向を転
換する棒状部材で形成した略円弧状の誘導ガイドを設
け、前記複数段のコンベアを形成する前記複数のプーリ
ーは各段共に同数で且つ格段のプーリーが近接した位置
に設けられ、隣接段毎に機枠の長手方向と幅方向とに交
互にわずかにずらして設けた構成としたことにより、特
に複数段のコンベアにおいて、プーリーの取り付け位置
を隣接段毎にずらしていることから、隣接段の搬送用無
端ベルトでゴザ製品を挟持して搬送しても、その無端ベ
ルトがゴザ製品の表裏両面から同じ位置で押圧しないよ
うになり、しかも挟持押圧力はゴザ製品自体が有する弾
性により吸収するので、挟持搬送による傷又はベルト痕
が表裏両面に残らず、安定した状態で搬送し乾燥させる
ことができると云う優れた効果を奏する。また、複数段のコンベアを形成する複数のプーリーは
各段共に同数で且つ各段のプーリーが近接した位置に設
けられ、隣接段毎に機枠の長手方向と幅方向とに交互に
わずかにずらして設けたこと、及びゴザ製品の弾性によ
り寸法誤差が吸収できることから、隣接段のコンベアの
取り付け間隔の寸法に厳しい精度が要求されず、しかも
各段のローラ機構を構成する回転軸の製造が画一的に行
えて容易であると共に、装置の製造が容易に行えると云
う優れた効果を奏する。更に、コンベアの突出しない終端部で且つ各段のプー
リーに近接した位置に被乾燥物の方向を転換する棒状部
材で形成した略円弧状の誘導ガイドを設けたことによ
り、ゴザ製品との当接の抵抗が少なく、しかも確実にリ
ターンさせることができると云う優れた効果も奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るゴザ製品の乾燥装置の側面図、第
２図は同装置の縦断側面図、第３図は第１図のIII−III
線に沿う断面図、第４図はゴザ製品の搬送状況を説明す
るための第２図と同様の断面図である。Ａ……乾燥装置、B,B′……ローラ機構Ｃ……コンベア、１……機枠２……搬送用無端ベルト、３……駆動装置４……回転軸、4a……プーリー５……誘導ガイド、６……ゴザ製品

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】機枠の長手方向両端側に夫々対向して配設
した対をなす複数段のローラ機構と、該対向するローラ
機構間に配設された複数の紐状の搬送用無端ベルトと、
少なくとも一方の側のローラ機構を回動させる駆動装置
とを備え、前記ローラ機構は前記機枠の幅方向に回転自
在に橋架させた回転軸と、該回転軸に所定の間隔をもっ
て取り付けられた複数のプーリーとから構成され、前記
紐状の搬送用無端ベルトは対向するプーリー間に張設さ
れて複数段のコンベアを形成し、該複数段のコンベアは
その始端部が交互に突出すると共に隣接段が正逆交互に
回動するように配設され、前記コンベアの突出しない終
端部で且つ各段のプーリーに近接した位置に被乾燥物の
方向を転換する棒状部材で形成した略円弧状の誘導ガイ
ドを設け、前記複数段のコンベアを形成する前記複数の
プーリーは各段共に同数で且つ各段のプーリーが近接し
た位置に設けられ、隣接段毎に機枠の長手方向と幅方向
とに交互にわずかにずらして設けたことを特徴とするゴ
ザ製品の乾燥装置。