JPH08296849A - ガス燃焼器具用炎色反応部材およびその製造方法 - Google Patents

ガス燃焼器具用炎色反応部材およびその製造方法

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JPH08296849A
JPH08296849A JP10350995A JP10350995A JPH08296849A JP H08296849 A JPH08296849 A JP H08296849A JP 10350995 A JP10350995 A JP 10350995A JP 10350995 A JP10350995 A JP 10350995A JP H08296849 A JPH08296849 A JP H08296849A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炎色反応材をガス炎で加熱し炎色反応によっ
てガス炎を橙黄色に着色するについて、炎色反応材の発
色性、耐久性を改善する。 【構成】 炎色反応材3を、Na2 CO3 による炎色材
と、該炎色材と混合溶融しガラス化するSiO2 を含有
する溶融材とを混合溶融してなる化合物で構成し、支持
基体2に融着してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、喫煙具用ガスライタ
ー、点火器、トーチ等のガス燃焼器具に配設し、そのバ
ーナー等によって燃焼しているガス炎の色を炎色反応に
よって橙黄色に着色する炎色反応部材およびその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ローソク、ライター、トーチ
等の燃焼器具において、その燃焼炎を炎色反応材により
着色することは、観賞用、装飾用の価値を高める点で有
効であるとともに、無色燃焼炎に着色して識別性を付与
することは安全のために有効である。
【0003】前記炎色反応は、アルカリ金属、アルカリ
土類金属等の塩類をバーナーの炎の中で強熱すると、金
属原子が励起されて炎が各金属に特有の色を発する現象
を利用するものであり、燃焼炎着色のためには、必要と
する炎色を発する金属元素塩類を炎中に介在させればよ
い。
【0004】例えば、ローソクの場合は、炎色反応材と
してのステアリン酸金属塩をロー材に混合し、ローソク
燃焼の過程で溶融ロー材の揮発と同時に炎色反応材を混
合揮発させ、炎中での加熱によって発色させている。
【0005】一方、燃焼器具の場合は、水溶性無機塩の
水溶液を炎中に噴霧するか、担持材に含浸させて乾燥し
た後にこの担持材を炎中の高温部に設置し、発色させる
ようにしている。特に、ガスライターにおいては、火口
近傍にコイル状のニクロム線を設置し、これに炎色材を
塗布して着色炎を得るようにしている。
【0006】また、針金状の支持体に炎色材を含有する
炎色材料を浸漬等によって付着させ、この炎色材料が付
着した支持体を加熱して炎色材料のバインダー等を除去
させて、前記支持体に炎色反応物を支持させるように焼
き付けて炎色反応部材を製造する方法が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記のように
炎色反応を利用して炎に着色するについて、1次空気を
混入するバーナーを備えたガス燃焼器具において、炎色
反応が定常的に発生して安定した着色炎が得られるとと
もに、繰り返しての燃焼に対して熱耐久性が高く長寿命
の炎色反応部材を得るのが困難であった。
【0008】具体的には、炎色反応を示すアルカリ金
属、アルカリ土類金属等の塩類による炎色材にバインダ
ー等を混合した粘性液状の炎色材料に、針金状の支持基
体を浸漬してこの炎色材料を付着させてから焼き付けて
炎色反応部材を設け、この炎色反応部材をガスライター
等のガス燃焼器具の火口に設置した場合に、炎色反応材
が化学的に不安定であると長時間放置されたときに前記
炎色反応材が変質して、所望の炎色反応が得られなくな
ったり、耐熱強度が不足すると着火燃焼と消火冷却とに
よる使用毎の冷熱サイクルによって炎色反応材に亀裂が
生じて、部分的に欠落し炎全体への着色が行えなくなる
などの問題を生じている。
【0009】また、炎色反応材は発色時にはガス炎によ
る加熱に応じて炎色金属が炎中に飛散して消耗するもの
であり、その使用に応じて炎色金属の飛散量が低減して
発色が不安定となったり薄くなって、繰り返しまたは長
時間の使用が行えないで寿命が短いという問題もあり、
さらに、炎色反応材の組成によっては炎色反応の活性が
低く加熱から発色までに時間を要する問題もある。特
に、ガスライターにおいては、その使用に伴う着火時間
が短く、点火してから炎色反応による炎への着色が発生
するまでの時間は極力短くする必要があり、加熱冷却の
繰り返しに対する高い耐久性が要求される。
【0010】前記炎色反応材の特性としては、炎色反応
材が支持基体に堅固に保持されていること、炎色材が空
気中に長時間放置されても化学的に安定であること、繰
り返しての使用に対し炎色反応材の消耗が少なく継続的
に残留し常に炎色反応を示す長寿命化が要求される。
【0011】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
って、橙黄色に発色する炎色反応を得るについて、発色
性、耐久性に優れたガス燃焼器具用の炎色反応部材およ
びその製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の炎色反応部材は、橙黄色に発色する炎色反応材
を、Na2 CO3 による炎色材と、該炎色材と混合溶融
しガラス化するSiO2 を含有する溶融材とを混合溶融
してなる化合物で構成したことを特徴とするものであ
る。
【0013】前記溶融材は、SiO2 、B2 3 および
ZnOで組成されたガラスフリットを含有するものが好
適であり、特に、SiO2 :10%、B2 3 :25
%、ZnO:65%で組成されたものを使用するのが好
適である。
【0014】前記Na2 CO3 、SiO2 およびSiO
2 :10%、B2 3 :25%、ZnO:65%のガラ
スフリットの3元系素材が、添付の図1に示すように、
点A(Na2 CO3 :45%,SiO2 :55%,ガラ
スフリット:0%)、B(Na2 CO3 :40%,Si
2 :40%,ガラスフリット:20%)、C(Na2
CO3 :25%,SiO2 :25%,ガラスフリット:
50%)、D(Na2CO3 :20%,SiO2 :0
%,ガラスフリット:80%)、E(Na2 CO3 :3
5%,SiO2 :0%,ガラスフリット:65%)、F
(Na2 CO3 :55%,SiO2 :20%,ガラスフ
リット:25%)、G(Na2 CO3 :55%,SiO
2 :45%,ガラスフリット:0%)で囲まれる範囲で
配合するのが好適である。
【0015】上記配合範囲においては、SiO2 を単独
では配合しない領域点D,Eを含むが、ガラスフリット
中にSiO2 が配合されていることで、全体組成として
は含有しているものである。
【0016】前記炎色材と溶融材とによる化合物による
炎色反応材を支持基体に融着して炎色反応部材を構成す
るのが好適である。この支持基体としては、耐熱強度の
高いニッケルクロム合金による線材の使用が適してい
る。
【0017】一方、本発明の炎色反応部材の製造方法
は、Na2 CO3 による炎色材と、該炎色材と混合溶融
しガラス化するSiO2 を含有する溶融材とを混合して
粘性液状とした混合素材を、支持基体に塗着した後、前
記混合素材をその融点以上の温度に加熱し、溶融した化
合物による炎色反応材を前記支持基体に融着させること
を特徴とするものである。
【0018】前記混合素材にバインダーを配合して粘性
液状としてから、前記支持基体に塗着するのが好適であ
り、その際には融点以上に加熱する前に、バインダーを
除去する前加熱処理を行う。
【0019】
【作用】本発明のガス燃焼器具用の炎色反応部材は、N
2 CO3 による炎色材にSiO2 を含有する溶融材を
混合し溶融した化合物で炎色反応材を構成し、この炎色
反応材はガラス化していることにより、化学的性質が安
定し湿度などの影響を受けることなく、炎色反応が定常
的に生じて橙黄色の発色が安定して生起するとともに耐
久性に優れている。
【0020】また、溶融材として、SiO2 、B2 3
およびZnOで組成されたガラスフリットを混合したも
のを使用し、さらに、Na2 CO3 −SiO2 −ガラス
フリットの配合比を前述の範囲とすると、橙黄色の炎色
反応および化学的性質の安定化ともに、耐熱強度、機械
強度および支持基体への融着強度が高く良好な耐久性が
得られるとともに、低融点により炎色部材の発色が容易
である。
【0021】また、本発明製造方法では、Na2 CO3
による炎色材とSiO2 を含有する溶融材とを混合して
粘性液状とした混合素材を支持基体に塗着した後、加熱
することで化合物による炎色反応材を支持基体に融着さ
せるという簡易な工程で製造できるとともに、溶融した
化合物はその表面張力により球状にまとまり、良好な融
着状態を得ることができる。
【0022】前記炎色反応材による発色は、空気が混入
してほぼ無色の状態で燃焼しているガス炎によって炎色
反応材が加熱されると、加熱された化合物が溶融しその
炎色材の炎色金属塩としてのNa2 CO3 が還元炎中で
還元反応し、還元したNa金属原子が炎中に飛散し、こ
の炎色金属原子が移動して、さらに空気が混入されて高
温で燃焼する高温燃焼炎中で加熱されることで輝線スペ
クトルを発生し、ガス炎が橙黄色に発色することにな
る。
【0023】
【実施例】以下、本発明の炎色反応部材およびその製造
方法についての実施例を図面に沿って説明するが、本例
はガス燃焼器具としてのガスライターへの適用例を示し
ている。図2は炎色反応部材の作成工程を順に示す正面
図、図3は炎色反応部材を装着したガスライターの断面
図、図4は燃焼筒部分の断面拡大図である。
【0024】図2(C)に示すように、炎色反応部材1
は、ニッケル・クロム合金線(以下ニクロム線)などの
耐熱性材料による支持基体2と、該支持基体2に融着し
たガラス化合物によるガラス球状の炎色反応材3とで構
成されている。
【0025】前記支持基体2は、図2(A)に示すよう
に、ニクロム線の中央部分がコイル状に2回巻かれて巻
部2aが形成され、この巻部2aの両端の直線状の部分が取
付部2bに設けられている。具体例としては、直径が0.
15mmのニクロム線を使用し、巻部2aの直径(外径)が
約1.0mmに形成される。
【0026】前記炎色反応材3は支持基体2の巻部2aに
融着されるもので、炎色反応を示すナトリウムNaの炭
酸塩Na2 CO3 による炎色材と、この炎色材と混合溶
融してガラス化するシリカSiO2 およびガラスフリッ
トを含有する溶融材との混合材料を粘性液状としてか
ら、この混合素材3′を図2(B)に示すように前記支
持基体2の巻部2aに塗着し、混合素材3′の融点以上の
温度に加熱し、溶融した化合物の表面張力によって球状
となった炎色反応材3を図2(C)のように融着してな
る。
【0027】前記溶融材は、SiO2 に例えばSiO2
−B2 3 −ZnOで組成されたガラスフリットとを混
合したものなどで構成される。その具体的配合例は後述
する。
【0028】さらに、前記ガラスフリットとしては、炎
色反応に影響を及ぼさない融点の低いもので、粉末状の
接着用ガラスフリット等が適宜選択使用される。その組
成としては、下記表1に示すようなものがある。
【0029】
【表1】
【0030】上記表1におけるガラスフリットは、その
ものも多少の炎色反応を示すものであり、その炎色は、
No.1が薄紫色、No.2が薄い橙色、No.3が橙色であ
る。このガラスフリットの炎色が炎色材Na2 CO3
よる橙黄色の発色を阻害しないように混合して炎色反応
材3の強度を高め、実用性能の向上を図る。なお、例示
した以外の組成のガラスフリットも使用可能である。
【0031】また、前記No.3のガラスフリットのよう
に融点が比較的高いものでは、強固に支持基体2に炎色
反応材3を融着できる特性を有している。
【0032】一方、前記炎色反応部材1の製造方法とし
ては、前記炎色材と溶融材の粉末を混合するとともに、
これにバインダーを加えて粘性状態とした混合素材3′
を、前記支持基体2の巻部2aに所定量塗着し、常温で乾
燥させた後、例えば300℃で15分保持し、この加熱
によってバインダーを除去し、さらに、混合素材の融点
以上の温度、例えば750℃で30分加熱して焼成する
ものである。この焼成過程においては、巻部2aに塗着し
た混合素材3′は、溶融してガラス化するとともに、そ
の表面張力によって巻部2aの内部およびそれを覆うよう
に球形状となり、冷却固化してガラス球状の炎色反応材
3を融着するものである。
【0033】ここで、前記炎色反応部材1を有するガス
ライターの構造を図3および図4に基づいて説明する。
ガスライター10は、燃料ガスが貯蔵されたタンク本体11
を下部に有している。このタンク本体11は合成樹脂で成
形され、底部に底蓋11a が結合されて内部にブタンガス
等の高圧燃料ガスが貯蔵され、該タンク本体11の上部周
面には側壁部11b が一体に成形されている。上記タンク
本体11の上端には、燃料ガスを噴出するノズル13を有す
るバルブ機構12が、バルブハウジング32に収容されて装
着される。上記ノズル13の上方には、該ノズル13から噴
出された燃料ガスの燃焼を行う燃焼筒18が設置され、こ
の燃焼筒18によるガス燃焼方式としては燃焼炎を無色
(薄い青色)とするために1次空気を吸入混合した1次
空気混合内燃式になっている。
【0034】さらに、上記バルブ機構12の側方には圧電
ユニット14が配設され、該圧電ユニット14の上端に、前
記バルブ機構12を操作して燃料ガスを噴出させるととも
に圧電ユニット14を操作して点火を行う操作部材15が配
設されている。なお、上記圧電ユニット14、操作部材15
および前記燃焼筒18は、内部ハウジング16に保持されて
タンク本体11に組み付けられる。また、上記燃焼筒18お
よび操作部材15の上部を開閉する起倒式の蓋17が配設さ
れている。この蓋17には支点部材17a が固着され、該支
点部材17a がピン21によってタンク本体11に枢支される
とともに、蓋17の開位置と閉位置とを保持するべく支点
部材17a の2面に当接する押上部材22が上方に付勢され
て設置されている。
【0035】前記バルブ機構12は、ノズル13の上方移動
によって通路が開かれ先端からのガスの噴出を行うもの
であり、該ノズル13に一端部が係合するL字状の作動レ
バー19が配設され、該作動レバー19は中間の支点で回動
自在に枢支され、他端の操作部が前記操作部材15に設け
られたレバー押し15a と接触して回動操作され、上記ノ
ズル13によるガスの噴出を開閉する。上記ノズル13の先
端部には所定径(例えば50μm)の穴のあいたノズル
板20(図4参照)が設置され、燃焼筒18の底部に嵌挿さ
れ、高速でガスは燃焼筒18内へ噴出する。
【0036】さらに、前記バルブ機構12は、燃料ガスの
噴出量を温度変化に対して略一定量に調整するガス流量
調節フィルタ23を備えている。該ガス流量調節フィルタ
23は、バルブ機構12の底部に釘状固定子24によって圧縮
状態で設置されている。タンクから多孔性芯33を通って
移動した液化燃料ガスは、このフィルタ23を外周から中
心に半径方向に流通して気化するもので、このフィルタ
23の微細構造は、接点が微細孔にて連通するガス流路と
なる気泡と、温度変化により膨張または収縮してガス流
路を圧縮または拡大する独立気泡とを有するマイクロセ
ルポリマー発泡体で形成され、ガス流量を温度変化に対
して自動調節する作用を有している。
【0037】一方、前記燃焼筒18は図4にも示すよう
に、基部のベース部材25と、該ベース部材25に固着され
た上方に延びる燃焼管26とで構成されている。上記ベー
ス部材25は中心部にガス通路が貫通し、その下端にはノ
ズル13の先端が嵌挿され、その下端部より上方の両側に
は半径方向に貫通する1次空気穴25a が開口されてい
る。さらに、前記ベース部材25の上端部には、渦流板27
と金属メッシュ部材28とが載置されている。渦流板27
は、金属円板に開口が形成されてガス流に乱流を生成
し、燃料ガスと一次空気とのミキシングを向上するもの
である。また、金属メッシュ部材28は、円形状の金網で
構成され、火炎の逆行を阻止するものである。
【0038】操作部材15は圧電ユニット14との組付けに
より下方に向けて摺動可能に保持され、該操作部材15の
側方には前記圧電ユニット14に接続された放電電極29
が、前記燃焼筒18の燃焼管26の側面を貫通して配設され
た電極ホルダー30によって内部に臨んで配設されてい
る。
【0039】前記燃焼筒18のベース部材25は、1次空気
穴25a の上方外周部分が前記内部ハウジング16に係合支
持され、燃焼管26とともに保持され、電極29、電極ホル
ダー30が組み付けられ、その外側にカバー31が配設され
て燃焼筒18が固定され、これらが前記内部ハウジング16
によって圧電ユニット14、操作部材15とともに組立体と
され、タンク本体11に組み付けられるものであり、組み
立て工程の簡略化が図られる。
【0040】そして、前記燃焼筒18の燃焼管26の上端部
近傍には、前記炎色反応部材1が配設されている。この
炎色反応部材1は、巻部2aの両端に延びた取付部2bが燃
焼管26と同形の環体6に固着され、半径方向に架設され
ている。そして、上記環体6が燃焼管26の上端に設置さ
れ、外周にキャップ34が装着されて、炎色反応部材1が
燃焼管26の上端火口開口部に配設されている。
【0041】上記のようなガスライター10の構造におい
て、操作部材15を押し下げると、そのレバー押し15a が
作動レバー19を回動させてノズル13を持ち上げて燃料ガ
スを噴出させる。ノズル13からのガス流出の流速と流量
により生じる負圧で側面に開口している1次空気穴25a
から1次空気が吸入され、噴出ガスと混合し、逆火防止
用のメッシュ部材28を通った後、渦流板27にてガスと1
次空気が撹拌、混合されて燃焼管26内を上昇する。
【0042】続いて、前記操作部材15のさらなる押し下
げによって、圧電ユニット14を作動させて放電用の高電
圧が前記電極29に印加放電され、混合ガスへの点火が行
われ、空気との混合ガスは燃焼しながら上昇し、炎色反
応部材1を通過して燃焼筒18より外部に出る。燃焼筒18
より出た混合ガスはこの燃焼筒18の上端縁部で2次空気
が混入し、完全燃焼する。
【0043】この際の混合ガスの燃焼は、混合ガスの燃
焼速度に対し混合ガス流の上昇流速があるため、燃焼筒
18の上端内部での燃焼は行われているが未燃ガス流との
混在となり、炎色反応部材1の部分は燃焼熱により温度
は上昇するが、不完全燃焼領域となって還元雰囲気であ
る。混合ガスが燃焼筒18の上端部に達すると、外気中へ
燃焼ガス流が放散されると同時に、2次空気の混入が行
われて混合ガスは完全燃焼し、温度は燃焼筒18の上端内
部より急上昇して燃焼が継続される。
【0044】前記炎色反応部材1における炎色反応材3
は600℃〜1200℃前後の低融点材料による化合物
であり、ガスライター10に着火するとこの炎色反応材3
は温度上昇に伴って溶融する。この炎色反応材3には、
前述のように炎色材として炭酸ナトリウムNa2 CO3
および化合物を形成する少なくともSiO2 が含有さ
れ、温度上昇とともに分子活動は活発となり、前記ガス
炎の還元性雰囲気によってNa2 CO3 が還元されて炎
色金属であるNaが解離し飛散する。そして、ガス流と
ともに上昇し完全燃焼炎中に運ばれ、ここで高温に加熱
されることにより、炎色金属原子は励起されNa特有の
波長の輝線スペクトルを発して橙黄色に発色し、ガス炎
に着色することになる。
【0045】前記炎色反応部材1は燃焼筒18の比較的奥
部に配設する方が破損防止等の点で好ましいが、ガス炎
の温度分布に対応して前記還元性雰囲気となる領域でか
つ温度上昇が速い部分に前記炎色反応部材1を配設する
ものである。
【0046】前記炎色反応部材1は、具体的には、前述
のように炎色材としては炭酸ナトリウムNa2 CO
3 を、溶融材の一部としてはシリカSiO2 およびガラ
スフリット(SiO2 :10%、B2 3 :25%、Z
nO:65%)を選び、これらを所定の組成範囲(後述
する)で混合したNa2 CO3 −SiO2 −ガラスフリ
ットの3元系素材を得る。このガラスフリットとしては
前記表1に示したSiO2−ZnO−B2 3 組成のN
O.2のガラスフリット(融点750℃)を選択してい
る。この混合粉末にバインダーとしてポリビニールアル
コールの5%水溶液を加えて混練し、粘性液状の混合素
材を作成し、これを前記支持基体2の巻部2aに所定量塗
り付ける。
【0047】常温で1時間放置して乾燥させた後、加熱
炉に入れて300℃の温度で15分保持し、前記バイン
ダーを熱分解除去する。その後、さらに温度を上昇させ
て750℃で30分加熱して焼成するものであり、前記
混合素材は溶融し、その表面張力によって球形となり、
冷却した状態ではガラス化合物となって炎色反応材3が
融着する。
【0048】実際のガスライター10に組み込む炎色反応
部材1として具体的には、Na2 CO3 :0.2g,S
iO2 :0.1g,SiO2 −ZnO−B2 3 ガラス
フリットを0.2g混合し、この混合粉末(0.5g)
にポリビニールアルコールの5%水溶液を0.5g加え
て攪拌して粘性液状とし、これを前記図2に示す支持基
体2の巻部2aに塗着する。常温乾燥した後、300℃×
15分でポリビニールアルコールを加熱除去し、750
℃×30分で融着させるものである。
【0049】上記配合比は最適条件であり、前記Na2
CO3 −SiO2 −ガラスフリットの3元系素材の配合
比を種々変更して得た炎色反応部材1を、前記図3に示
すライター10に組み込んで炎色反応部材1としての特性
を求める各種実験を行い、その配合の適性範囲を得た実
験結果を以下に示す。ガスライター10に設置する炎色反
応部材1として要求される特性は、着火後短時間で発色
してガス炎に着色すること、繰り返しての着火発色によ
る熱変化に耐える強度および耐久性を有することなどで
あり、このような要求特性に対応した試験は次の通りで
ある。
【0050】1.ガラス化試験 低温で容易にガラス化することを求めるものであり、前
記3元系素材の配合量を種々変更し、それをバインダー
で粘性液状とした試料を前記支持基体2に塗着し、75
0℃×30分の熱処理後、試料の溶着状態を目視で判別
した結果を、図5に示す。支持基体2に球状に融着した
ものを完全にガラス化したと判定し、固形状態となって
いるものをほぼガラス化したものと判定している。
【0051】なお、図5の配合率を示す図(後述の図お
よび図1でも同様)において、各頂点の物質の配合率は
対辺が0%で、頂点が100%であり、対辺と平行な線
が10%毎の目盛りを示している。
【0052】2.圧縮強度試験 融着した炎色反応材3の圧縮強度が高いことを求めるも
のであり、前記ガラス化試験で作成した試料を、圧縮試
験器を用いて、その炎色反応材に圧縮方向に荷重を加
え、徐々に荷重を増大して試料が割れた時の荷重値を読
み取り、圧縮強度としたものであり、その測定結果を図
6に示す。ガスライター用の炎色反応材3としては後述
の耐久試験前で5Kg以上、好ましくは10Kg以上の圧縮
強度があればよい。
【0053】3.発色試験 目的とする橙黄色の発色が得られていることを試験する
ものであり、前記ガラス化試験で作成した炎色反応部材
1をガスライター10に装着し、着火することによって発
色程度を目視で判別した結果を、図7に示す。濃い色に
きれいに発色する領域と普通に発色する領域で良好な結
果が得られ、これよりやや薄い領域でも十分に使用可能
である。
【0054】4.発色時間試験 着火してからガス炎に発色するまでの所要時間を試験し
たものであり、前記試料をガスライター10に装着し、着
火してからの発色時間を測定した結果を、図8に示す。
ガスライター10での発色時間としては、1.0秒以下、
好ましくは0.5秒未満で発色すればよい。
【0055】5.耐久試験 着火発色を繰り返し、ガスライターの使用に応じた必要
回数以上の耐久性を持つことを試験するものであり、前
記試料をガスライター10に装着し、正常に発色する着火
回数を測定した結果を、図9に示す。
【0056】6.連続着火試験 長時間連続してガス燃焼を継続し炎色状態が変化しない
ことを試験するものであり、前記試料をガスライター10
に装着し30秒間連続燃焼させた時の着色の変化を目視
で判別した結果を、図10に示す。
【0057】7.吸湿試験 大気中に放置した場合での吸湿変質がないことを試験す
るものであり、温度が50℃、湿度が80%の雰囲気に
24時間放置して試験した結果、ガラス化しているもの
では特に異常は認められなかった。
【0058】上記各種試験の結果によれば、ガラス化お
よびほぼガラス化している領域は圧縮強度も高く、その
領域はNa2 CO3 の配合量が過多とならずにSiO2
またはガラスフリットがある程度以上配合された領域で
ある。また、発色領域は着色耐久領域と近似し、その領
域はNa2 CO3 がある程度(略5%)以上配合された
領域であることが判明した。これらを総合的に判断する
と、最適な組成範囲および適合する組成範囲は図11に
示すような領域となる。
【0059】そして、図11の最適範囲を近似すると、
図1に示すような、点A(Na2 CO3 :45%,Si
2 :55%,ガラスフリット:0%)、B(Na2
3:40%,SiO2 :40%,ガラスフリット:2
0%)、C(Na2 CO3 :25%,SiO2 :25
%,ガラスフリット:50%)、D(Na2 CO3 :2
0%,SiO2 :0%,ガラスフリット:80%)、E
(Na2 CO3 :35%,SiO2 :0%,ガラスフリ
ット:65%)、F(Na2 CO3 :55%,Si
2 :20%,ガラスフリット:25%)、G(Na2
CO3 :55%,SiO2 :45%,ガラスフリット:
0%)で囲まれる範囲となり、この範囲内でNa2 CO
3 −SiO2 −ガラスフリットを配合するのが好適であ
る。
【0060】上記配合組成における最適3元系組成の1
例として、Na2 CO3 :40%,SiO2 :20%,
ガラスフリット:40%を選び、これは図11のP点で
あり、前記実施例で使用している配合例である。
【0061】
【発明の効果】上記のような本発明によれば、炎色反応
材を、Na2 CO3 による炎色材と該炎色材と混合溶融
しガラス化するSiO2 を含有する溶融材とを混合溶融
してなる化合物で構成したことにより、化学的性質が安
定し湿度などの影響を受けることなく、橙黄色の炎色反
応が定常的に生じて発色性、耐久性を改善することがで
きるものである。
【0062】また、本発明製造方法によれば、炎色材と
溶融材との混合素材を塗着し、加熱処理を施すという簡
易な工程で、発色性、耐久性に優れた炎色反応部材を製
造でき、しかも、炎色反応材は溶融時の表面張力により
球状にまとまり、良好な融着状態を得ることができるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の3元系素材の最適配合範囲を示す図
【図2】本発明の炎色反応部材の作成工程を順に示す正
面図
【図3】本発明の炎色反応部材を有するガス燃焼器具と
してのガスライターを示す縦断面図
【図4】図3に示したガスライターの要部拡大断面図
【図5】3元系素材の配合比とガラス化範囲との関係を
示す図
【図6】3元系素材の配合比と圧縮強度との関係を示す
【図7】3元系素材の配合比と発色性との関係を示す図
【図8】3元系素材の配合比と発色時間との関係を示す
【図9】3元系素材の配合比と着色耐久性との関係を示
す図
【図10】3元系素材の配合比と連続着火試験結果との
関係を示す図
【図11】3元系素材の適性配合範囲を示す図
【符号の説明】
1 炎色反応部材 2 支持基体 2a 巻部 3 炎色反応材 10 ガスライター(ガス燃焼器具) 18 燃焼筒 F 火炎

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炎色反応材をガス炎で加熱し、その炎色
    反応によって該ガス炎に橙黄色に着色するガス燃焼器具
    用炎色反応部材であって、 前記炎色反応材を、Na2 CO3 による炎色材と、該炎
    色材と混合溶融しガラス化するSiO2 を含有する溶融
    材とを混合溶融してなる化合物で構成したことを特徴と
    するガス燃焼器具用炎色反応部材。
  2. 【請求項2】 前記溶融材が、SiO2 、B2 3 およ
    びZnOで組成されたガラスフリットを含有することを
    特徴とする請求項1記載のガス燃焼器具用炎色反応部
    材。
  3. 【請求項3】 前記ガラスフリットが、SiO2 :10
    %、B2 3 :25%、ZnO:65%で組成されてい
    ることを特徴とする請求項2記載のガス燃焼器具用炎色
    反応部材。
  4. 【請求項4】 前記Na2 CO3 、SiO2 およびSi
    2 :10%、B23 :25%、ZnO:65%のガ
    ラスフリットが、添付の図1に示すように、点A(Na
    2 CO3 :45%,SiO2 :55%,ガラスフリッ
    ト:0%)、B(Na2 CO3 :40%,SiO2 :4
    0%,ガラスフリット:20%)、C(Na2 CO3
    25%,SiO2 :25%,ガラスフリット:50
    %)、D(Na2 CO3 :20%,SiO2 :0%,ガ
    ラスフリット:80%)、E(Na2CO3 :35%,
    SiO2 :0%,ガラスフリット:65%)、F(Na
    2 CO3 :55%,SiO2 :20%,ガラスフリッ
    ト:25%)、G(Na2 CO3:55%,SiO2
    45%,ガラスフリット:0%)で囲まれる範囲で配合
    されていることを特徴とする請求項1記載のガス燃焼器
    具用炎色反応部材。
  5. 【請求項5】 前記炎色反応材が支持基体に融着されて
    なることを特徴とする請求項1記載のガス燃焼器具用炎
    色反応部材。
  6. 【請求項6】 Na2 CO3 による炎色材と、該炎色材
    と混合溶融しガラス化するSiO2 を含有する溶融材と
    を混合して粘性液状とした混合素材を、支持基体に塗着
    した後、前記混合素材をその融点以上の温度に加熱し、
    溶融した化合物による炎色反応材を前記支持基体に融着
    させることを特徴とするガス燃焼器具用炎色反応部材の
    製造方法。
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