JPH08296597A - フィルタマフラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 円筒形のフィルタマフラにおいて、消音
エレメント３の消音面１１，１２が、モノブロックとし
て鋳造されたフィルタマフラケーシング２の中央軸線１
３に対して平行となるように消音エレメント３がケーシ
ング壁の溝８内に配置されている。消音エレメント３は
吸収エレメントを取り囲む消音プレート９から成る。消
音プレート９は、それに配置された粗フィルタセグメン
ト１５と共に、フィルタマフラの周囲へ取り付けた状態
で粗フィルタリングを形成しており、この粗フィルタリ
ングが環状のフィルタ４により囲われている。 【効果】 構成部分の製作及び組付けが簡単である他
に、構成部分の種類を減少することができ、かつ、フィ
ルタマフラが軽量となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はフィルタ消音装置、
要するにフィルタマフラであって、モノブロックとして
形成されたケーシングが設けられており、このケーシン
グ内に、消音プレートと吸収エレメントとから成る複数
の消音エレメントが配置されており、フィルタマフラの
ケーシングの形状が中央軸線を有している形式のものに
関する。

【０００２】

【従来の技術】この種のフィルタマフラは例えば欧州特
許出願公開第０５７４６０５号明細書に基づき公知であ
る。

【０００３】この種のフィルタマフラは例えば燃焼空気
を圧縮して燃焼機関へ供給するコンプレッサの吸込側に
挿入される。この種のコンプレッサは排ガスターボ過給
機の排気タービンにより駆動される。

【０００４】特にコンプレッサホイールには不所望に高
い振幅の音波が生じ、この音波が空気吸込通路を通して
周囲に発散する。それゆえ、この音波は一般にマフラに
より消音される。このことのために、周囲空気が、マフ
ラの周囲に配置されたフィルタを通して、消音エレメン
トを備えたマフラの内室内に流入し、次いで、消音エレ
メントを通過し、次いで案内エレメントを介して、空気
の流れに逆らって音波を発するコンプレッサホイールへ
変向される。消音は、音響エネルギが主として消音エレ
メントの構成材料である多孔質又は繊維質の吸収材を直
に通過して熱に変換されることにより、消音エレメント
において散逸的に行われる。上述の欧州特許出願公開第
０５７４６０５号明細書によれば、鋳造により製作され
たモノブロックから成り、このモノブロック内に形成さ
れた溝付きの放射状リブ内に消音エレメントを配置した
形式のフィルタマフラが開示されている。取外し可能な
多孔板部分から成るフィルタフレームが、消音エレメン
トを半径方向の脱落に対して保護するようにマフラを取
り囲んでいる。この多孔板部分は結合部材によりマフラ
の周りに環状に配置されている。

【０００５】ディスク状の消音エレメントが、４つの消
音セグメントから成っており、これらの消音セグメント
はまとまって環状面を形成している。吸収エレメント
が、２つの打抜かれた多孔板により保持されており、か
つ鋳造により製作されたモノブロックの前述のリブの溝
内に半径方向で挿入される消音エレメントを形成してい
る。

【０００６】多孔板から打抜き成形された消音セグメン
トの縁がこのフィルタマフラの構造に不利に作用する。
環状セグメントの形状を備えた消音セグメントのこの縁
は打抜き成形後に再加工されないので、多孔板の孔に基
づき、自由に突出したプレートウエブが生じる。このプ
レートウエブはフィルタマフラ全体が受ける機械的な振
動により破損して、この破損片が吸込空気と一緒にコン
プレッサ内及び燃焼機関の燃焼室内に達してこれらを損
傷せしめるおそれを生じる。その上、プレートウエブが
破損した箇所では消音材料が膨張し、これにより、流れ
特性に関連して空気流入通路に悪影響を与える。

【０００７】さらに、消音エレメントのところで案内部
材によって空気が変向されることが空気の流れ特性のた
めに不都合に作用する。それというのは、これにより圧
縮損失が不所望に高くなるからである。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題とすると
ころは、冒頭に記載した形式のフィルタマフラを改良し
て、上述の欠点を軽減又は回避し、さらに、消音特性が
改善され、製作及び組立上の手間が軽減されているよう
なフィルタマフラを提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明によれば上記課題
は、消音エレメントが、１つの吸収エレメントを取り囲
んでいる１つの消音プレートから成り、かつ、消音エレ
メントがフィルタマフラのケーシングのケーシング壁に
設けた半径方向の溝内に配置されており、かつ消音エレ
メントの消音面がケーシングの中央軸線に対して平行に
向けられていることにより解決される。

【００１０】

【発明の効果】本発明の利点とするところは特に、同じ
タイプの消音エレメントだけが使用され、かつその際、
この消音エレメントが２つの部分、要するに消音プレー
トと吸収エレメントとからのみ成ることにある。

【００１１】構成部分の種類の数を減少させることは特
にロジスティックな手間の点から有利である。

【００１２】さらに、多孔板のウエブに沿って延びる、
消音プレートの縁がすべて孔を閉じており、従って自由
に突出したプレートウエブが全く存在しないのが有利で
ある。

【００１３】フィルタマフラを取り囲む粗フィルタがセ
グメント状に分割されており、かつこれらのセグメント
が消音プレートに配置されており、従って、単一構成部
分としての粗フィルタが不要である。

【００１４】さらに、鋳造により埋め込まれた管がコン
プレッサホイールのための洗浄装置としてフィルタマフ
ラの接続側のケーシング壁内に配置されていると有利で
ある。この管は、従来のマフラのようにこれの周りに案
内される必要のない供給導管に接続される。供給導管が
マフラの周りに案内される必要のない理由は、洗浄装置
へのその接続部がフィルタマフラの閉鎖側に配置されて
いるためである。

【００１５】さらに、隣合う消音プレートの間で空気
が、コンスタントな横断面を備えたマフラ通路内へ案内
されると有利であり、これにより、空気吸込み時に空気
に一定の速度が付与され、これにより圧縮損失がわずか
となる。

【００１６】良好な消音特性ゆえに、消音エレメント内
の吸収材として高い弾性度を有する連続気泡発泡材が使
用されるので特に効果的である。吸収材としてのウール
フェルトに対比してこの種の発泡材によれば同時にフェ
ルトマフラ全体の著しい重量軽減が得られる。

【００１７】

【発明の実施の形態】次に図示の実施例につき本発明を
説明する。図面には本発明の理解にとって重要なエレメ
ントだけが示されている。例えばターボ過給機のコンプ
レッサ側でのフィルタマフラの配置及びコンプレッサ羽
根車のための洗浄装置の接続部は図示されていない。

【００１８】図１は円筒形のフィルタマフラを示し、こ
のフィルタマフラは主としてケーシング２と、多数の、
本実施例では３３個の消音エレメント３と、フィルタ４
とから成っている。

【００１９】図２はモロブロックとしてアルミニウムか
ら鋳造されたケーシング２を示し、フィルタマフラの接
続側２０のケーシング壁５は結合ウエブ７を介して閉鎖
側２１のケーシング壁６に結合されている。ケーシング
壁５，６の内側には円弧状の溝８が一体鋳造されてお
り、これらの溝８はフィルタマフラの内径へ向かって狭
まって延びている。結合ウエブ７の横断面はその形状及
び湾曲の点で溝８と同じであり、かつ、３３個の溝８及
び３つの結合ウエブ７の分配は１０°のピッチでケーシ
ングの周囲にわたり均一に行われている。

【００２０】隣り合う溝８の間、並びに溝８とこれに隣
り合う結合ウエブ７との間にウエブ１４が配置されてお
り、このウエブ１４はケーシング２の外周から内径まで
一定の幅を有している。

【００２１】接続側２０に結合フランジ２２が配置され
ており、この結合フランジ２２を介してフィルタマフラ
が、ここでは図示されていない排ガスターボ過給機のコ
ンプレッサ側に取付けられる。

【００２２】図３に示されているように、接続側２０の
ケーシング壁５には半径方向に、ねじ山１９を備えた管
１８が埋め込まれており、この管１８はケーシング２の
中央軸線１３へ向かっている端部のところで湾曲してい
る。この管１８はここでは図示されていないコンプレッ
サホイールのための洗浄装置として役立てられており、
かつそのねじ山１９のところで直にフィルタマフラの接
続側２０の同様に図示されていない導管に結合される。
消音エレメント３はケーシング２の周面にクイッククロ
ージャ１７を介して閉鎖されている締付けベルト１６に
より脱落防止されている。フィルタマフラの周囲はポリ
ウレタン発泡材（ＰＵフォーム）から成る環状のフィル
タ４により囲われており、このフィルタは吸い込まれた
周囲空気内のダスト粒子を取り除くのに役立てられてい
る。環状のフィルタ４の環状の周囲は、取り付けられて
いない状態ではフィルタマフラの外周に比して短い。そ
の結果、ＰＵフオームからゴム弾性的に製作されている
このフィルタ４は弾性によりフィルタマフラの周囲に固
定される。

【００２３】図４及び図５は消音エレメント３の両方の
構成部分、すなわち消音プレート９と吸収エレメント１
０とが示されている。

【００２４】消音プレート９は、方形の孔を備えた多孔
板から正方形の形状で製作される際に孔ウエブに沿って
打ち抜かれ、従って自由に突出したウエブを有していな
い。次いで、正方形の多孔板は、凹面状の消音面１２に
続いて凸面状の消音面１１が形成されるように曲げられ
る。凸面状の消音面１１に続いて平面１５が形成され、
この平面１５は粗フィルタセグメントとして曲げ出され
ている。凹面状の消音面１２及び凸面状の消音面１１は
ほぼ互いに面平行に延びており、かつ中間スペース２３
を形成しており、この中間スペース内に図５に示す吸収
エレメント１０が挿入される。吸収エレメント１０は中
間スペース２３に比して厚く形成され、その結果、吸収
エレメント１０を中間スペース２３内へ挿入する際に凸
面状の消音面１１及び凹面状の消音面１２は互いに離反
方向へ湾曲する。中間スペース２３内へ吸収エレメント
１０を挿入すると、この吸収エレメント１０はその厚さ
ゆえに凸面状の消音面１１と凹面状の消音面１２との間
に締め付けられる。

【００２５】吸収エレメント１０のために使用される材
料としては、連続気泡発泡材があり、この発泡材は、従
来と同じ消音特性を得るためには、ウールフェルトのよ
うな従来の吸収材の比重のほぼ６％で十分である。図５
に示す吸収エレメント１０は発泡材パネルから方形に切
り出されており、ここにはその組付け状態で湾曲して示
されている。

【００２６】図６は消音プレート９と、吸収エレメント
１０と、中央軸線１３を備えた円筒形のケーシング２と
から成るフィルタマフラの横断面セグメントに基づき消
音エレメント３の配置を示す。消音エレメント３は溝８
内に半径方向で押し入れられており、かつその凸面状の
消音面１１及び凹面状の消音面１２がケーシング２の中
央軸線１３に対して平行に延びるように配置されてい
る。

【００２７】ウエブ１４の幅、ひいては互いに隣り合う
消音エレメント３の間の空気流入通路２４の横断面はフ
ィルタマフラの外周面から中央軸線１３まで一定であ
り、これにより、吸い込まれた周囲空気の一定の速度が
保証されている。この配置により、従来のマフラ機構で
生じるような圧縮損失が削減される。

【００２８】ケーシング２の外周面には組込まれた消音
プレート９の粗フィルタセグメント１５が粗フィルタリ
ングにまとめられて配置されており、その結果、単一構
成部材としての粗フィルタは不要である。

【００２９】ケーシング２内での消音エレメント３の円
弧状の配置により、同じ外周を有する従来のフィルタマ
フラにおけるような完全に半径方向で延びる空気流入通
路に比して、空気流入通路２４ひいては音波通過距離が
延長される。従来のフィルタマフラと同じ寸法では、消
音距離のこの延長によってのみマフラ効果が改善され
る。

【００３０】全体的に、構成部分の種類の数の減少によ
り、かつ吸収材としてのメラミン発泡材の使用により、
フィルタマフラの全重量をほぼ２０％軽減することがで
きると共に、ロジスティックな手間が軽減される。

【００３１】勿論、本発明は図示の実施例に制約されな
い。例えば、上述したようなその他の消音材及びフィル
タ材を本発明の枠内で使用することが考えられる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に基づくフィルタマフラをセグメント状
に破断して示す部分斜視図である。

【図２】接続側からフィルタマフラのケーシングを見た
斜視図である。

【図３】フィルタマフラの部分縦断面図である。

【図４】消音プレートの斜視図である。

【図５】吸収エレメントの配置図である。

【図６】図３のＶＩ−ＶＩ線に沿ったフィルタマフラの
部分断面図である。

【符号の説明】

２ ケーシング、 ３ 消音エレメント、 ４ フィル
タ、 ５ 接続側のケーシング壁、 ６ 閉鎖側のケー
シング壁、 ７ 結合ウエブ、 ８ 溝、 ９消音プレ
ート、 １０ 吸収エレメント、 １１ 凸面状の消音
面、 １２凹面状の消音面、 １３ 中央軸線、 １４
溝間のウエブ、１５ 粗フィルタセグメント、 １６
締付けベルト、 １７ クイッククロージャ、 １８
管、 １９ 内ねじ山、 ２０ 接続側、 ２１ 閉
鎖側、 ２２ 結合フランジ、 ２３ 中間スペース、
２４ 空気流入通路

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フィルタマフラであって、モノブロック
   として形成されたケーシング（２）が設けられており、
   このケーシング（２）内に、消音プレート（９）と吸収
   エレメント（１０）とから成る複数の消音エレメント
   （３）が配置されており、フィルタマフラのケーシング
   の形状が中央軸線（１３）を有している形式のものにお
   いて、１つの消音エレメント（３）が、１つの吸収エレ
   メント（１０）を取り囲んでいる１つの消音プレートか
   ら成り、かつ、消音エレメント（３）がフィルタマフラ
   のケーシング（２）のケーシング壁（５，６）に設けた
   半径方向の溝（８）内に配置されており、かつ消音エレ
   メント（３）の消音面（１１，１２）がケーシング
   （２）の中央軸線（１３）に対して平行に向けられてい
   ることを特徴とするフィルタマフラ。
2. 【請求項２】 消音エレメント（３）並びにケーシング
   （２）内に設けた溝（８）が円弧状である、請求項１記
   載のフィルタマフラ。
3. 【請求項３】 隣り合う消音エレメント（３）の間に空
   気流入通路（２４）が形成されており、この空気流入通
   路（２４）が一定の横断面を有している、請求項１記載
   のフィルタマフラ。
4. 【請求項４】 吸収エレメント（１０）が発泡材から成
   っている、請求項１記載のフィルタマフラ。
5. 【請求項５】 消音プレート（９）に粗フィルタセグメ
   ント（１５）が配置されており、この粗フィルタセグメ
   ント（１５）が、溝（８）内への消音エレメント（３）
   の組付け状態では環状の粗フィルタを形成している、請
   求項１記載のフィルタマフラ。
6. 【請求項６】 クイッククロージャ（１７）を備えた締
   付けベルト（１６）が、粗フィルタセグメント（１５）
   から成る環状の粗フィルタの周りに配置されている、請
   求項５記載のフィルタマフラ。
7. 【請求項７】 ＰＵ発泡材から成る環状のフィルタ
   （４）がフィルタマフラの周囲に配置されている、請求
   項１記載のフィルタマフラ。
8. 【請求項８】 ケーシング（２）が円筒形状を有してい
   る、請求項１記載のフィルタマフラ。
9. 【請求項９】 内ねじ山（１９）を備えた管（１８）が
   接続側（２０）のケーシング壁（５）内に半径方向に配
   置されている、請求項１記載のフィルタマフラ。