JPH08296577A - 横型回転圧縮機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧縮機内部のベーン摺動部に対してオイルを
強制供給するための、所謂オイルインジェクションを実
現した横型回転圧縮機を提供すること。 【構成】 横型回転圧縮機の底部にオイル４を貯溜した
密閉容器１の内部に電動要素２と、その電動要素２によ
って駆動される回転圧縮要素３とを備える横型回転圧縮
機において、オイルセパレータ８を利用してオイルイン
ジェクション回路を構成し、前記オイルセパレータ８か
らの分離されたオイル４を回転圧縮要素３に導入するよ
うにして、前記回転圧縮要素の回転摺動部の潤滑とシー
ルを行うように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、オイルインジェクショ
ン回路を有する横型回転圧縮機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の横型回転圧縮機において
は、電動要素及び回転圧縮要素をそれらの全体の１／３
程度オイルに浸すように構成していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の横型回転圧縮機
は上記のように構成され、該圧縮機内部のベーン摺動部
にオイルを強制供給するための、所謂オイルインジェク
ションは行われていないため、圧縮機構部の摺動回転部
のオイルシール、ポンプ冷却、摺動回転部の潤滑性能が
低下するという問題点があった。

【０００４】本発明は上記従来技術の課題（問題点）を
解決するようにした横型回転圧縮機を提供することを目
的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、従来技術の上
記課題（問題点）を解決するために、横型回転圧縮機の
底部にオイルを貯溜した密閉容器の内部に電動要素と、
その電動要素によって駆動される回転圧縮要素とを備え
る横型回転圧縮機において、オイルセパレータを利用し
てオイルインジェクション回路を構成し、前記オイルセ
パレータからの分離されたオイルを前記回転圧縮要素に
導入するようにして、前記回転圧縮要素の回転摺動部の
潤滑とシールを行う構成とした。

【０００６】

【作用】前述したように、回転圧縮要素への強制的オイ
ル供給をオイルセパレータを利用してオイルインジェク
ションを行う構成としたので、回転摺動部分の潤滑及び
シール効果があがり、特に圧縮動作開始時点の乱流が低
減されるために、騒音レベルを低減することが可能とな
った。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て具体的に説明する。

【０００８】図１において、圧縮機の密閉容器１の内部
には電動要素２と、この電動要素２によって駆動される
回転圧縮要素３とが収容され、右方に傾けて設置された
密閉容器１の内部には図示のようにオイル４が封入され
ている。

【０００９】なお、給油管５から吸入されたオイルは、
回転圧要素３の内部で摺動回転するベーンの潤滑剤及び
シール剤として機能している。

【００１０】一方、冷房機または空調機（図示しない）
で気化されたガスＡはアキュムレータ６に導入された
後、回転圧縮要素３に導びかれ、圧縮されて高圧ガスと
なってＢに示すように吐出管７から吐出される。

【００１１】吐出された高圧ガスＢは高圧ガスとオイル
とが混合されたものであり、オイルセパレータ８に導入
されて、高圧ガスとオイルとの分離が行われて、分離さ
れた高温オイル９はオイルセパレータ８の下部に貯溜さ
れる。

【００１２】貯溜された高温オイルは、キャピライザ１
０で減圧されて回転圧縮要素３へ導入される。

【００１３】一方、オイルセパレータ８で分離された高
圧ガスＣは冷房機または空調機（図示しない）へと導入
される。

【００１４】このように、本発明によれば回転圧縮要素
３へのオイル供給は、オイルセパレータ８からキャピラ
イザ１０を経由するオイルインジェクションとして行わ
れる。

【００１５】回転圧縮要素３の吐出マフラー１２の吐出
口から吐出される高圧ガスは、図１に示す密閉容器１内
部に矢印で示すように密閉容器１内部を循環し、電動要
素２のステータ等を冷却した後、エンドカバー１Ａに設
けられた吐出管１１から吐出して、前述した吐出管７か
ら吐出したガスＢと合流する。

【００１６】図２は、本発明と従来例との騒音レベルを
比較して示す特性図で、横軸が音の周波数、縦軸が音圧
を示す。

【００１７】同図に示すように従来例における音圧に比
べて、オイルインジェクションを行った本発明の音圧
は、圧縮動作の開始時点の乱流が小さくなるため全体的
な騒音低減となり、斜線部分で示す音圧だけ減少した低
騒音となる。

【００１８】図３及び図４は、それぞれ本発明の関連技
術を示す概略断面図である。

【００１９】各図において上記実施例と同一若しくは同
等の部材には、図１と同一の参照符号を付してその説明
を省略する。

【００２０】図３及び図４において、密閉容器１とステ
ータコアとの間に吐出ガスを導入するので、従来例と比
較して格段にステータコアの冷却が有効に実施される。

【００２１】因みに、従来では密閉容器１とステータコ
アとの間に、吐出パイプを介して吐出ガスを導入する構
成は無かった。

【００２２】図３において、吐出マフラー１２の吐出口
７を吸入方向の対象位置か又はその付近に設け、その吐
出口７から吐出する高圧冷媒ガスの一部は、吐出パイプ
７Ａからステータコアの上面に放出される。

【００２３】この場合、ステータコアの上面の一部に図
示のように斜面部２Ａを形成しておけば、この斜面部２
Ａに向かって吐出パイプ７Ａからの高圧ガスが白抜き矢
印に示すように放出される。

【００２４】これによって、冷媒ガスの流れがスムーズ
化され、かつ該冷媒ガスに含まれるオイルが分離される
ことが可能となり、また斜面部２Ａは冷媒ガスのための
ガイドとしての役目も果す。

【００２５】図４に示す関連技術のものでは、ステータ
コアに形成した斜面部２Ｂの長さが図３の場合よりも長
く、かつ緩やかな傾斜に形成されており、また吐出パイ
プ７Ｂの先端が該斜面部２Ｂに向かって傾斜するように
配置されている。

【００２６】従って、本構成のものも、高圧冷媒ガスの
一部が吐出マフラー１２の吐出口に取付けられた、吐出
パイプ７Ｂから放出されると、ステータコアの上面の斜
面に向かって吐出パイプ７Ｂからの高圧冷媒ガスが白抜
き矢印に示すように放出される。この場合、冷媒ガスは
斜面部２Ｂがガイドとしての機能を果すため、冷媒ガス
の流れがスムーズなものとなり、かつ該冷媒ガスに含ま
れるオイルの分離が可能となる。

【００２７】

【発明の効果】本発明の横型回転圧縮機は上記のように
構成されるので、次のような優れた効果を有する。 （１）回転圧縮要素３へのオイル供給を、オイルセパレ
ータを利用してオイルインジェクションを行う構成とし
たので、回転圧縮要素の摺動回転部の潤滑及びシールが
有効に行われ、そのため騒音レベルを低減することが可
能となった。 （２）また、吸入管系のガスによる共振を低減すること
が出来る。 （３）さらに、電動要素２のステータコアを冷却するた
めに、冷媒ガスの一部を吐出パイプを介して密閉容器１
の内面とステータコアとの間に導入する構成とすれば、
ステータコアの冷却が格段に改善されるのみならず、冷
媒ガスの流れを円円滑化し、かつオイルの分離も可能と
なった。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明の一実施例を示す概略断面図で
ある。

【図２】図２は、本発明の騒音レベル低減効果を、従来
例と比較して示す特性図である。

【図３】図３は、本発明の関連技術を示す概略断面図で
ある。

【図４】図４は、本発明の他の関連技術を示す概略断面
図である。

【符号の説明】

１：密閉容器 ２：電動要素 ３：回転圧縮要素 ４：オイル ８：オイルセパレータ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 横型回転圧縮機の底部にオイルを貯溜し
   た密閉容器の内部に電動要素と、その電動要素によって
   駆動される回転圧縮要素とを備える横型回転圧縮機にお
   いて、オイルセパレータを利用してオイルインジェクシ
   ョン回路を構成し、前記オイルセパレータからの分離さ
   れたオイルを前記回転圧縮要素に導入するようにして、
   前記回転圧縮要素の回転摺動部の潤滑とシールを行うこ
   とを特徴とする横型回転圧縮機。