JPH08296111A - フラッシュ紡糸運転方法 - Google Patents

フラッシュ紡糸運転方法

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JPH08296111A
JPH08296111A JP10215795A JP10215795A JPH08296111A JP H08296111 A JPH08296111 A JP H08296111A JP 10215795 A JP10215795 A JP 10215795A JP 10215795 A JP10215795 A JP 10215795A JP H08296111 A JPH08296111 A JP H08296111A
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JP
Japan
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spinning
valve
polymer solution
side flow
flow path
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Withdrawn
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JP10215795A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Uchimura
哲郎 内村
Ikuo Ueno
郁雄 上野
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 三方の流路をもつバルブ21を用い、ポリマ
ー溶液を調整中の繊維形成条件を満たさない間はドレン
側流路27にドレンして、溶液調整をし、繊維形成条件
を満たしたならプロセス側流路26に切り換え、紡糸す
る、および、紡糸運転の停止が必要な場合、プロセス側
流路からドレン側流路に切り換えてポリマー溶液をドレ
ンするポリマー溶液の供給を停止することがない運転方
法。 【効果】 ポリマー溶液調整中もボックス内及びボック
ス内装置の汚染を防ぐことができ安定してスタートアッ
プすることができ、又、混合装置からのポリマー溶液の
供給を停止することなく定常状態の密閉紡糸分散ボック
スの紡糸を停止することが可能なことから、密閉紡糸分
散ボックス内の部品交換などメンテナンスを容易にす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温度、高圧力状態の
溶剤に溶かしたポリマー溶液を、密閉紡糸分散ボックス
内の紡口オリフィスから噴出させて、高度にフィブリル
化した網目状繊維を形成する、いわゆるフラッシュ紡糸
法において、紡糸運転の開始、停止を安定に行うための
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高温高圧で溶解したポリマー溶液を、減
圧領域へ放出することにより、溶剤を蒸発させ、その気
化力で高度にフィブリル化した網目状繊維を形成させ、
得られた網目状繊維を開繊、分散後シート状にするフラ
ッシュ紡糸法が不織布の製造に極めて有効であることが
知られている。 図1に一般的なフラッシュ紡糸網目状
繊維の不織布を製造する方法の要部概略の断面を模式的
に示す。
【0003】ポリマーと溶剤の高温・高圧の状態の均一
溶液が紡出装置の紡口ノズル1直前で減圧されて相分離
状態で該紡口ノズル1より吐出される。 吐出されると
溶剤が低沸点であるので、溶剤が急激にガス化膨張し、
ポリマーを冷却と同時に延伸し、網目状繊維7を形成さ
せる。形成された該網目状繊維7は、ガスと共に高速噴
流状態で、表面に下向きの勾配がついている回転分散板
2に衝突させられ、拡幅開繊されると同時に下方へ変向
され、また分散板の回転により左右に揺動し、分散され
る。 その際、該網目状繊維7は回転分散板2の下方に
設置されたコロナ電極3と陰極板4との間を走行し、そ
の下方に設けられた反射板6によって導かれ捕集ネット
8上に堆積させられる。 該網目状繊維7はコロナ放電
により帯電しているので、該捕集ネット8上で安定した
一定の堆積状態を維持する。 更に該捕集ネット端で仮
接着ロール10により軽くプレスされてシート11の不
織布になり、巻取機12にて巻取られる。
【0004】更に詳しくは、網目状繊維の静電気は、該
仮接着ロール10直前で除電機のコロナ放電により除去
される。該コロナ放電の陰極板4は、回転させ、表面一
端ににはブラシ5が設けられ運転中に堆積していく汚れ
が除去されている。図1に示すように、これらの装置
は、密閉紡糸分散ボックス14とよんでいる密閉された
箱の中に設けられており、噴出した溶剤ガスは溶剤ガス
排気回収ライン13を通って、回収系に送られる。この
装置は特公昭42−19520号公報等に開示されてい
る。
【0005】また、フラッシュ紡糸法による網状繊維製
造法として、例えば特公平3−47322号公報に押出
機による連続押出溶解法が開示されている。更にフラッ
シュ紡糸法として米国特許第3227794号明細書
に、溶融ポリマーと溶剤を所定量スクリューミキサーに
導入した後に、撹拌機構を有する溶解槽にて溶解し紡糸
する方法、ポリマー粉末と溶剤をスラリー状にして、バ
ッフル付溶解槽に導き、溶解して紡糸する方法、あるい
はスラリーをスラリーポンプと配管とで溶解して紡糸す
る方法等が開示されており、公知である。
【0006】また、米国特許第3461193号明細書
では、フラッシュ紡糸でポリマーの固化を防ぐスタート
方法として、不活性ガスを紡出装置前の配管より導入
し、ポリマー溶液の代わりに流すことで配管内の圧力の
保持を行い、次に導入されるポリマー溶液が配管内でフ
ラッシュしてポリマーが固化することを防ぐ方法が開示
されている。
【0007】ポリマー溶液調整法として、特公平3−4
7322号公報のような混合装置で溶剤に溶かしたポリ
マー溶液を密閉紡糸分散ボックス内に設置されている紡
出装置の紡口ノズルから減圧領域に噴出して網状繊維を
フラッシュ紡糸する、いわゆる連続押出溶解法では、溶
液調整開始と停止時にポリマーと溶剤が均一に溶解せ
ず、且つ高度にフィブリル化し網目状繊維を形成する条
件に達しない状態が存在する。
【0008】上記のような不適切なまま、密閉紡糸分散
ボックス14内で紡糸を行うと、密閉紡糸分散ボックス
14及び回転分散板2、コロナ電極3、陰極板4からな
る分散装置を汚したり、また回転分散板2に巻き付いた
りする。紡糸分散が行われる密閉紡糸分散ボックス14
は、紡糸溶剤の外部への飛散を防ぎ、溶剤を回収するた
め、密閉状態を保つ必要があるので、上記のような分散
装置を汚したり、また巻き付いたりしても、密閉状態の
ため、手を下して対処することも出来ず、運転を停止し
なくてはならないことが生じてくる。
【0009】また、停止時にも同様に密閉紡糸分散ボッ
クス14及び該回転分散板2、コロナ電極3、陰極板4
からなる分散装置を汚したり、回転分散板2に巻き付い
たりして、装置を安定に停止することが難しい状態であ
る。その他、密閉紡糸分散ボックス14内の紡口ノズル
1を含む図2に示す紡出装置23を交換するような密閉
ボックス14内での作業が生じた場合、混合溶解装置か
ら供給される溶液を閉止して作業しなければならない。
そのための方法としては溶液の供給源を停止して供給
を断つ方法、またはバルブで配管途中で閉止する方法が
ある。 しかしながら後者のように溶液を滞留させると
ポリマー溶液の熱劣化が発生するため、好ましい方法で
はない。
【0010】紡糸スタート方法として米国特許第346
1193号明細書は、予めポリマーと溶剤とが混合され
て供給されている方法で、ポリマー溶液が溶液供給バル
ブと紡出装置間の配管内でのポリマーの固化を防ぐこと
を目的とした、不活性ガスを用いるフラッシュ紡糸スタ
ート方法を開示している。 この方法のように配管内の
圧力保持のため不活性ガスを紡口ノズルより吹き出させ
ると、ガスが断熱膨張すること及び供給されるガスと紡
口ノズルとの温度差による冷却でポリマーが固化しノズ
ルを詰まらせる可能性があり、仮に有効な手段として
も、繊維形成条件を満たさない溶液と満たす溶液を区別
することを目的としていないため、前述の課題を解決す
る方法とはなりえない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
マーと溶剤とを混合溶解しつつ、得られた溶液を連続的
に供給する連続押出溶解法のフラッシュ紡糸において、
ポリマー溶液がフィブリル化し網目状繊維を形成する条
件の定常状態に達しない不適切な状態、及び紡出装置交
換のような紡糸運転停止時に、混合装置からのポリマー
溶液の供給を停止することなく、安定して紡糸運転を開
始及び停止することができるフラッシュ紡糸運転方法を
提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、混
合装置で溶剤に溶かしたポリマー溶液を密閉紡糸分散ボ
ックス内に設置されている紡出装置から減圧領域に噴出
して網状繊維をフラッシュ紡糸する方法において、上記
混合装置と上記紡出装置との間に三方バルブをを用い、
上記ポリマー溶液が定常状態になるまでは上記三方バル
ブをドレン側流路に切り換えることにより排出し、定常
状態になったときプロセス側流路に切り換えてフラッシ
ュ紡糸し、および、紡糸運転を停止するときは、紡糸運
転を開始するときは、上記ポリマー溶液が定常状態にな
るまでは上記三方バルブをドレン 側流路に切り換える
ことにより排出し、定常状態にはプロセス側流路に切り
換えてフラッシュ紡糸し、また、紡糸運転を停止すると
きには、上記混合装置からの ポリマー溶液の供給を停
止することなく、上記三方バルブをドレン側流路に切り
換えることにより、ポリマー溶液を密閉紡糸分散ボッ
クスの外部へ排出すること ことを特徴とするフラッシ
ュ紡糸運転方法、である。
【0013】本発明の方法は、ポリマーと溶剤とを混合
溶解する混合装置と、紡出装置とが直結して設置されて
いるフラッシュ紡糸方法において、ポリマーと溶剤との
混合溶解装置と、紡出装置の間に、三方の流路をもつバ
ルブを用いて、繊維形成条件を満たさないポリマー溶液
をドレン側流路へドレンし、密閉紡糸分散ボックスの紡
出装置側の流路をシールして、繊維形成条件を満たした
定常状態になったときには、三方バルブを切り換えて、
密閉紡糸分散ボックスに紡糸運転を開始し、ドレン側流
路をシールする。 また、紡糸運転を停止するときには
混合装置からのポリマー溶液の供給を停止することな
く、三方バルブをドレン側流路に切り換えることによ
り、ポリマー溶液を密閉紡分散ボックスの紡出装置側の
プロセス側流路をシールし、ドレン側流路へドレンする
運転方法である。
【0014】ここで紡糸運転を開始するときとは、混合
装置でポリマー溶液を調整して定常状態になり、また、
定常状態のポリマー溶液のときであって紡糸運転を停止
した状態などから、紡口ノズルよりポリマー溶液の噴出
を開始することをいい、紡糸運転を停止するとは紡口ノ
ズルからポリマー溶液の噴出を停止することをいう。本
発明の方法は、この流路を切り換える運転方法により、
ポリマー溶液が定常状態であるかどうかの適不適の区別
を行って、紡出装置へ繊維形成条件を満たさないポリマ
ーを流さないで、密閉紡糸分散ボックス内の分散装置の
汚染を防ぐ方法、および、密閉紡糸分散ボックス14内
での紡出装置交換のような作業で紡出装置からポリマー
溶液の噴出を停止させるときにはポリマー溶液をドレン
する方法であり、この方法により、安定に運転すること
が可能となった。
【0015】本発明の方法は、また紡出装置直前にバル
ブを設置することが好ましく、さらにこの紡出装置直前
のバルブと三方バルブ21との間の、プロセス側流路の
空間に不活性ガスを予め封入しておくことが好ましい。
本発明の方法では、流路を切り換えて三方バルブと紡出
装置間との空間の容積変化で溶液が膨張することにより
生じる減圧で混合装置の圧力が下がる現象があるが、不
活性ガスを予め封入しておくと、ポリマー溶液の膨張を
防ぎ、混合装置の圧力低下を防いで、流路切り換え時間
を短縮することができるので好ましい。
【0016】この時、不活性ガスは、紡出装置直前に設
けたバルブから封入して圧力を保持する方法であるた
め、不活性ガスが流れることで紡口ノズルが冷却される
ことはない。本発明の運転方法は、この流路切換に用い
る三方バルブも紡出装置直前のバルブもプラグバルブ形
式で且つノンリフト型が好ましい。 即ち、一般に高温
高圧の溶液に用いられるニードル形式のバルブでは流路
の絞りがあり、圧力損失及びポリマー溶液の滞留部分が
あるため、上流の溶解混合装置の圧力の上昇、ポリマー
溶液の熱劣化が発生するため、好ましい形式のバルブで
はない。 また、プラグバルブ形式であっても、プラグ
を一旦引き上げ、回転させるリフト型のバルブであれば
リフトさせたところで、すべての流路が解放状態となる
ため、溶液の区別が出来なくなり好ましいバルブとはい
えない。
【0017】このため、本発明の運転方法では流路切換
バルブは、圧力損失の小さい流路の口径を確保でき、滞
留部分が微少であるプラグバルブ形式で、流路切り換え
のプラグ回転中も高圧シールが可能なノンリフト型が好
ましい。 例えば、プラグバルブ形式のバルブに流路内
の圧力上昇によるプラグの浮き上がり力、及びプラグ回
転中のシール性を保持するためのプラグ締め付け力が調
整可能な機構を付与することによって高温高圧下でもノ
ンリフトで切り換えが可能になる。
【0018】図2により、三方バルブを用いた流路切換
による本発明のフラッシュ紡糸運転方法により網状繊維
を製造する一実施例を説明する。ポリマーをホッパー1
5より供給し、押出機16にて溶融されたポリマーは溶
剤ポンプ18より供給された溶剤と合流した後、特殊混
合スクリュー部17へ送られ、ポリマーと溶剤との均一
混合が行われる。 更にこの混合溶液は溶剤ポンプ19
より供給された溶剤と合流し、混合装置20に至る。
この混合溶液は、更に追加された溶剤を静的混合装置を
用いて混合溶解され、ポリマー溶液となり三方バルブ2
1に送られる。 フラッシュ紡糸のポリマー溶液の調整
を開始するときの繊維形成条件を満たさない、定常状態
にならない条件の混合溶液の場合には三方バルブ21で
ドレン側流路27へ、ドレンする。 このとき、図1の
密閉紡糸分散ボックス14内にある紡出装置23側のプ
ロセス側流路26はシールされているため、プロセス側
流路へはポリマー溶液は流れていない。
【0019】一方、三方バルブ21とバルブ22の間の
プロセス側流路26には、不活性ガスを封入することが
好ましい。不活性ガスの圧力は、定常運転時の繊維形成
条件を満足する混合溶液の場合の、三方バルブ21上流
の圧力よりも低い圧力であることが好ましい。 この封
入不活性ガスが無い場合は、三方バルブから紡出装置ま
での流路内に溶液が膨張することにより生じる減圧で上
流の圧力が下がり、その圧力が復帰するまで時間を要す
るため、繊維形成条件を満たすまでの時間を要する。
【0020】混合されたポリマー溶液が繊維形成条件を
満たし、定常状態に達したなら、三方バルブ21の流路
を切り換え、プロセス側流路26にし、ポリマー溶液が
プロセス側流路26へ満たされ、定常運転圧力以上の圧
力になったところでバルブ22を開いて密閉紡糸分散ボ
ックス14内の紡出装置23へポリマー溶液を導入し、
紡糸を行う。
【0021】更に図2及び図3により、三方バルブ以降
の流路切換状態を詳細に説明する。フラッシュ紡糸のポ
リマー溶液の調整を開始する、また、紡糸状態から運転
停止に移行するときのような非定常状態においては、混
合装置を経て三方バルブ21に送られるポリマー溶液
は、押出機16から送られるポリマー流量とポンプ1
8、19から送られる溶剤量が0から製造流量まで連続
的に変化する。 この様なときは、ポリマーと溶剤とを
相分離をさせて、網状繊維を形成させるための運転圧力
条件や温度条件及びポリマー濃度等が定常運転条件に達
せず、繊維形成条件を満足しない。
【0022】このため、フラッシュ紡糸のポリマー溶液
の調整を開始するとき、および、運転状態から運転停止
に移行するとまの非定常状態においては、三方バルブ2
1にて流路を選択してドレンする。ドレン側流路27の
先端にも密閉紡糸分散ボックス14内に取り付けてある
紡出装置23と同じ紡出装置25を取り付け、この紡出
装置の紡口ノズルからポリマー溶液の噴出して、定常運
転条件になるまで、ポリマー溶液をドレンする。
【0023】三方バルブ21上流側には圧力計32、温
度計31が設けられており、測定される圧力、温度条件
が、繊維形成条件になるまでポリマー溶液を流し続け
る。従来はこのドレン側流路27に流していたポリマー
溶液が密閉紡糸分散ボックス14の紡出装置23から流
されていたため、スタートアップ、及び運転停止作業が
煩雑で、且つ運転の停止要因となっていた。
【0024】図3は、ドレン側流路27へ溶液を流して
いる状態を示しており、密閉紡糸分散ボックス14へは
三方バルブ21でシールされている。 不活性ガスは不
活性ガスボンベ30より、紡出装置23直前のバルブ2
2で仕切られたプロセス側流路26の途中にあるバルブ
28から導入する。 図3のようなドレン側流路27か
らプロセス側流路26へ流路切換を行う場合、バルブ2
8よりガスを導入し、ガスが導入されたなら、バルブ2
8を閉じて三方バルブの切換を待つ。 この時、導入す
る不活性ガスの圧力は、圧力計33で測定し、その圧力
は繊維形成条件の圧力、充填する配管の容積により選定
する。
【0025】図3の状態のドレン側流路27からプロセ
ス側流路26への切換は三方バルブ21のプラグ34を
B方向に回転することでなされる。 回転の際、バルブ
の開口部は、プラグ34を回転してゆくに従い、ドレン
側流路27からプロセス側流路26へ移って行くが、開
口部の面積を常にほぼ一定になる構造とすることが好ま
しく、開口部の面積を常に一定にすることにより流路切
り換え時の三方バルブ21上流の圧力上昇を防ぐことが
好ましい。
【0026】また、紡糸運転を停止しようとするとき
は、この逆の操作でバルブ24を閉じ、三方バルブ21
までのドレン側流路27をバルブ29より不活性ガスを
導入後バルブ29を閉じ、流路切換の準備を行う。 次
に三方バルブ21のプラグ34をA方向に回転すること
で流路切換を行う。次いでプロセス側流路26からドレ
ン側流路27へ流路を切り換え、バルブ24を開けてド
レン側流路へ溶液を流すことにより、フラッシュ紡糸の
ポリマー溶液の調整を停止するときのポリマー溶液停止
に伴う繊維形成条件を満足しない溶液をドレンすること
で密閉紡糸分散ボックス14を汚すことなく運転停止が
可能である。
【0027】以上、 本発明の運転方法は、三方バルブ
21及びバルブ22、24はプラグバルブ形式を採用し
ており、三方バルブ21ではプロセス側流路26、ドレ
ン側流路27共に同距離、同口径になっており、流路切
換を行っても、バルブ内での圧力損失差が生じない。
また、三方バルブ21と同じプラグバルブ形式の紡出装
置直前のバルブ22、24を採用することが、滞留部分
が微少なため溶液の滞留によるポリマーの炭化を防ぐこ
とができ、長期間運転上好ましい。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。なお、物性の測定は次の通りに行った。繊維強度の
測定は、把握長5cm、引張り速度10cm/分の条件
で4回/cmのねじりを与えた繊維試料を測定した。
【0029】
【実施例1】トリクロロフロロメタン溶剤にメルトイン
デックス(MI)0.8g/10minの高密度ポリエ
チレン樹脂を12.5重量%の濃度に溶解させた溶液を
ドレン側の紡出装置25から紡糸ノズル1個当たりのポ
リマー吐出量0〜510g/minにすることで圧力計
32の測定圧力が0〜180kg/cm2・Gになり、
紡糸される糸が正常な網状繊維を形成する条件までドレ
ンを行った。 プロセス側流路26は、予めボンベ30
の窒素で100kg/cm2・Gに加圧しておいた。次
に、プロセス側流路26へプラグバルブ形式の口径25
mm三方バルブ21をモーターで駆動し、15秒でドレ
ン側流路27からプロセス側流路26へ流路を切り換
え、ポリマー溶液がプロセス側流路26内に満たされ、
圧力計32の測定圧力が200kg/cm2・Gになっ
たところで紡出装置23直前のプラグバルブ形式の口径
8mmのバルブ22を開けて、200℃に加熱していた
紡出装置23にポリマー溶液を通じた。
【0030】この紡出装置は、上流側にノズル径1.0
5mmのオリフィスを備えた減圧室及びノズル径0.8
8mmの紡糸ノズルより構成されている。 ポリマー溶
液は、減圧オリフィスを通過することにより、減圧室内
で90kg/cm2・Gに減圧後、紡糸ノズルを通過し
てフラッシュ紡糸させ、紡口前に準備した回転分散板2
に衝突させ、分散を開始した。
【0031】分散後、捕集ネット8上に堆積した網状繊
維は、紡糸直後より強度5.8g/dを有する連続網状
繊維形態であり、回転分散板2、コロナ電極3、陰極板
4からなる分散装置を汚したり、回転分散板2に巻き付
いたりすることはなく、正常に分散され、シート化する
ことができた。
【0032】
【実施例2】ブロロクロロメタン83部と炭酸ガス17
部の混合溶剤にメルトインデックス(MI)0.8g/
10minの高密度ポリエチレン樹脂を17.7重量%
の濃度に溶解させた溶液をドレン側の紡出装置25から
紡糸ノズル1個当たりのポリマー吐出量0〜610g/
minにすることで圧力計32の測定圧力が0〜265
kg/cm2・Gになり、紡糸される糸が正常な網状繊
維を形成する条件の、定常状態になるまでドレンを行っ
た。
【0033】プロセス側流路26は、予めボンベ30の
窒素で115kg/cm2・Gに加圧しておいた。次
に、プロセス流路26へプラグバルブ形式の口径35m
m三方バルブ21をモーターで駆動し、13秒でドレン
側流路27からプロセス側流路26へ流路を切り換え、
ポリマー溶液がプロセス側流路26内に満たされ、圧力
計32の測定圧力が280kg/cm2・Gになったと
ころで紡出装置23直前のプラグバルブ形式の口径8m
mのバルブ22を開けて、200℃に加熱していた紡出
装置23にポリマー溶液を通じた。 この紡出装置は、
上流側にノズル径1.05mmのオリフィスを備えた減
圧室及びノズル径0.91mmの紡糸ノズルより構成さ
れている。
【0034】ポリマー溶液は、減圧オリフィスを通過す
ることにより、減圧室内で150kg/cm2・Gに減
圧後、紡糸ノズルを通過してフラッシュ紡糸させ、紡口
前に準備した回転分散板2に衝突させ、分散を開始し
た。 分散後、捕集ネット8上に堆積した網状繊維は、
紡糸直後より強度6.2g/dを有する連続網状繊維形
態であり、回転分散板2、コロナ電極3、陰極板4から
なる分散装置を汚したり、回転分散板2に巻き付いたり
することはなく、正常に分散されシート化することがで
きた。
【0035】
【実施例3】ブロロクロロメタン82部と炭酸ガス18
部の混合溶剤にメルトインデックス(MI)0.8g/
10minの高密度ポリエチレン樹脂を22.3重量%
の濃度に溶解させた溶液をドレン側の紡出装置25から
紡糸ノズル1個当たりのポリマー吐出量0〜507g/
minにすることで圧力計32の測定圧力が0〜294
kg/cm2・Gになり、定常状態である、紡糸される
糸が正常な網状繊維を形成する条件までドレンを行っ
た。
【0036】プロセス側流路26は、予めボンベ30の
窒素で135kg/cm2・Gに加圧しておいた。次
に、プロセス流路26へプラグバルブ形式の口径35m
m三方バルブ21をモーターで駆動し、13秒でドレン
側流路27からプロセス側流路26へ流路を切り換え、
ポリマー溶液がプロセス側流路26内に満たされ、圧力
計32の測定圧力が320kg/cm2・Gになったと
ころで紡出装置23直前のプラグバルブ形式の口径8m
mのバルブ22を開けて、200℃に加熱していた紡出
装置23にポリマー溶液を通じた。 この紡出装置は、
上流側にノズル径0.85mmのオリフィスを備えた減
圧室及びノズル径0.70mmの紡糸ノズルより構成さ
れている。
【0037】ポリマー溶液は、減圧オリフィスを通過す
ることにより、減圧室内で140kg/cm2・Gに減
圧後、紡糸ノズルを通過してフラッシュ紡糸させ、紡口
前に準備した回転分散板2に衝突させ、分散を開始し
た。 分散後、捕集ネット8上に堆積した網状繊維は、
紡糸直後より強度6.1g/dを有する連続網状繊維形
態であり、回転分散板2、コロナ電極3、陰極板4から
なる分散装置を汚したり、回転分散板2に巻き付いたり
することはなく、正常に分散されシート化することがで
きた。
【0038】
【実施例4】ブロロクロロメタン83部と炭酸ガス17
部の混合溶剤にメルトインデックス(MI)0.8g/
10minの高密度ポリエチレン樹脂を17.2重量%
の濃度に溶解させた溶液をプロセス側の紡出装置23の
ノズル径1.05mmの減圧オリフィスを通過し、減圧
室内で150kg/cm2・Gに減圧した後、ノズル径
0.91mmのノズルを通過させて、紡糸ノズル1個当
たりのポリマー吐出量600g/minでフラッシュ紡
糸させて運転していた。
【0039】この状態から、運転を停止するために、ド
レン側に200℃に加熱した紡出装置23と同じディメ
ンジョンの紡出装置25を取り付けておき、ドレン側流
路27内をボンベ30の窒素でバルブ29を通じて12
0kg/cm2・G加圧状態にしておく準備を行った。
次に、プラグバルブ形式の口径35mm三方バルブ2
1をモーターで駆動し、12秒でプロセス側流路26か
らドレン側流路27へ流路切り換え、ポリマー溶液がド
レン側流路27内に満たされ、圧力計32の測定圧力が
275kg/cm2・Gになったところで紡出装置25
直前のバルブ24を開けて、ドレンした。
【0040】また、ほぼ同時にプラグバルブ形式のバル
ブ22を閉止することで、プロセス側の密閉紡糸分散ボ
ックス内へはポリマー溶液が供給されないため、汚れる
ことなく、プロセス側の停止が可能だった。 また、ド
レン側からは、引き続きドレンし、徐々に押出機16に
よるポリマーの供給とポンプ18及び19の溶剤の供給
を減らしていくことで紡糸装置の運転を停止することが
できた。
【0041】
【発明の効果】本発明のフラッシュ紡糸運転方法は、ポ
リマー溶液が網目状繊維を形成する条件に達しない状態
の溶液を調整する初期、及び紡糸運転の状態から停止す
る際の運転を停止するときに、従来の方法に比べて、密
閉紡糸分散ボックス及び回転分散板、コロナ電極、陰極
板からなる分散装置を汚すことなく、また回転分散板に
網目状繊維が巻き付いたりするトラブルがなく、効率的
に、安定して紡糸運転を開始及び停止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】フラッシュ紡糸法による不織布製造装置の断面
構造を模式的に示す説明図
【図2】三方バルブによる流路切り換えを説明するフラ
ッシュ紡糸運転方法の行程を示す説明図
【図3】三方バルブ以降の流路切り換え状態を表す部分
の詳細を模式的に示す説明図
【符号の説明】
1…紡口ノズル 2…回転分散板 3…コロナ電極 4…陰極板 5…汚れ防止用のブラシ 6…反射板 7…網目状繊維 8…捕集ネット 9…除電用電極 10…仮接着ロール 11…シート 12…巻取機 13…溶剤ガス排気回収ライン 14…密閉紡糸分散ボックス 15…ポリマー供給用ホッパー 16…押出機 17…特殊混合スクリュー部 18…溶剤ポンプ 19…溶剤ポンプ 20…混合装置 21…三方バルブ 22…バルブ 23…紡出装置 24…バルブ 25…紡出装置 26…プロセス側流路 27…ドレン側流路 28…バルブ 29…バルブ 30…不活性ガスボンベ 31…温度計 32…圧力計 33…圧力計 34…プラグ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 混合装置で溶剤に溶かした高温高圧のポ
    リマー溶液を密閉紡糸分散ボックスに設けた紡出装置か
    ら減圧領域に放出し網状繊維をフラッシュ紡糸する方法
    において、上記混合装置と上記紡出装置の間に三方バル
    ブを用い、紡糸運転を開始するときは、上記ポリマー溶
    液が定常状態になるまでは上記三方バルブをドレン側流
    路に切り換えることにより排出し、定常状態になったと
    きプロセス側流路に切り換えてフラッシュ紡糸し、およ
    び、紡糸運転を停止するときは、上記混合装置からのポ
    リマー溶液の供給を停止することなく、上記三方バルブ
    をドレン側流路に切り換えることにより、ポリマー溶液
    を密閉紡糸分散ボックスの外部へ排出することを特徴と
    するフラッシュ紡糸運転方法。
  2. 【請求項2】 三方バルブとしてプラグバルブ形式のも
    のを用いることを特徴とする請求項1記載のフラッシュ
    紡糸運転方法。
  3. 【請求項3】 三方バルブと紡出装置との間にバルブを
    設置し、不活性ガスを封入することを特徴とする請求項
    1記載のフラッシュ紡糸運転方法。
  4. 【請求項4】 バルブとしてプラグバルブ形式のものを
    用いることを特徴とする請求項3記載のフラッシュ紡糸
    運転方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102277633A (zh) * 2011-07-07 2011-12-14 唐山三友集团兴达化纤有限公司 粘胶短纤维生产过程中蒸汽梯级利用的方法
CN114232212A (zh) * 2021-12-13 2022-03-25 厦门当盛新材料有限公司 基于多维转向板的闪蒸纺丝设备及其纺丝方法
CN115198445A (zh) * 2021-04-16 2022-10-18 江苏青昀新材料科技有限公司 一种闪纺的片材
CN117867672A (zh) * 2024-03-11 2024-04-12 江苏青昀新材料有限公司 一种闪蒸无纺布及其纺丝泵

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