JPH0829600A - 結像型x線顕微鏡 - Google Patents

結像型x線顕微鏡

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JPH0829600A
JPH0829600A JP16837194A JP16837194A JPH0829600A JP H0829600 A JPH0829600 A JP H0829600A JP 16837194 A JP16837194 A JP 16837194A JP 16837194 A JP16837194 A JP 16837194A JP H0829600 A JPH0829600 A JP H0829600A
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伸幸 平井
Makoto Suzuki
鈴木  誠
Katsuyuki Kinoshita
勝之 木下
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械的強度が高く、光電変換量子効率が優
れ、画像歪みを改善し、装置の小形化を図ることができ
る結像型X線顕微鏡を提供する。 【構成】 X線発生ユニット(15)から出射されたX線を
X線集光レンズ(20)で集光して試料(22)に照射し、それ
を透過した透過X線をX線拡大レンズ(21)で拡大して反
射型X線電子光電変換面(38)に結像させる。この反射型
X線電子光電変換面(38)は透過X線の入射方向に対して
直角に配置されている。反射型X線電子光電変換面(38)
からは透過X線結像に対応して光電子が発生し、反射型
X線電子光電変換面(38)とアパーチャ電極(39)との間に
電界によって透過X線の入射方向とは逆方向(光放出面
に対して法線方向)へ加速させる。偏向コイル(44)が加
速された光電子を所定の方向へ偏向させ、マイクロチャ
ンネルプレート(45)で電子増倍し、蛍光面(46)で可視光
像に変換し、光学系(47)を介してCCDカメラ(48)で試
料(22)のX線拡大像を撮像する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線透過像を拡大して
観測するための結像型X線顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の結像型X線顕微鏡に関連する技術
としては、特開平3−134943号や特公平5−47
78号に開示されたものがある。これらは、X線源から
放射されたX線を試料に透過させ、その試料の画像情報
を有する透過X線(以下、透過X線の像と呼ぶ)を真空
容器内に設けられたX線拡大部で拡大すると共に透過型
X線電子光電変換面で光電子(以下、透過X線の像に対
応して光電子の像と呼ぶ)とに変換し、更にこの光電子
の像を加速させて電子増倍部で増幅した後、蛍光面にて
可視光像に変換してCCDカメラ等で観測する構成とな
っている。
【0003】ここで、上記の透過型X線電子光電変換面
は、上記の透過X線の像の入射方向と同じ方向へ上記の
光電子の像を出射するので、X線源と真空容器及びCC
Dカメラが、直列に配置されている。
【0004】又、文献「ADV in E.E physics vol.64.B
」に記載されているような反射型X線電子光電変換面
を適用し、透過X線の像の入射に対応して発生する光電
子の像を、その透過X線の像の入射してきた方向とは逆
の方向へ所定傾斜角をもって出射・加速させるものも知
られている。この文献に開示されている反射型X線電子
光電変換面を適用すると、透過X線の像の入射方向と光
電子の像の出射方向が同一方向でないので、X線源と真
空容器及びCCDカメラが直列に配置されず、その結
果、長手方向に短いコンパクトな結像型X線顕微鏡を実
現することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前者の技術(特開平3
−134943号や特公平5−4778号に開示された
技術)にあっては、前述したように、X線源と真空容器
及びCCDカメラが、ほぼ直列に配置されるので構造上
長手方向に長い顕微鏡となり、実質的に大型且つ操作性
が悪い等の問題があった。
【0006】更に、前者の技術に適用される透過型X線
電子光電変換面は、図7の部分断面図に示す如く、約1
00nm程度の厚さから成る高分子薄膜1を下地とし、
この高分子薄膜1の表面に、光電変換材料である約30
nm程度のAu層2と、約100nm程度のCsI層3
とが蒸着により積層された構造となっている。更に、か
かる透過型X線電子光電変換面は、図8の平面図に示す
ような光電面支持メッシュ電極4の表面上に積層(高分
子薄膜aから積層)されることにより、平面性が確保さ
れている。しかし、かかる透過型X線電子光電変換面に
あっては、入射する透過X線が、Au層2とCsI層3
との機械的構造強度を保つための高分子薄膜1により吸
収されるために、光電変換量子効率の減少若しくはその
X線波長による制限を受けるという問題がある。
【0007】更に又、前者の技術にあっては、透過型X
線電子光電変換面を真空容器内に収容して、その真空容
器内を強制排気することにより真空雰囲気を実現してい
る。しかし、透過型X線電子光電変換面の一方の面(透
過X線の入射する側面)に掛かる排気抵抗P1と透過型
X線電子光電変換面の他方の面(光電子の出射する側
面)に掛かる排気抵抗P2とを一様にすることが困難で
あるため、透過型X線電子光電変換面の機械的強度を超
えた排気抵抗差|P1−P2|が生じることによって、
透過型X線電子光電変換面が損傷を受けるという問題が
あった。更に、このような排気抵抗の影響を受け易いこ
とから、排気又は真空リーク速度に制限を受けると共
に、作業中に透過型X線電子光電変換面を損傷し易いと
いう問題があった。
【0008】後者の技術(前記文献による技術)にあっ
ては、反射型X線電子光電変換面に対して直角に透過X
線の像が入射し、その入射方向より所定の傾斜角度で傾
けて配置された加速電極により、光電子の像をその傾斜
角方向へ加速させる構成となっている。即ち、この加速
電極と反射型X線電子光電変換面の光電子放出面との間
に掛かる高電界により光電子の像を所定の傾斜角方向へ
加速させる。しかし、光電子放出面と加速電極は相互に
所定の傾斜角度に設置されているので、この高電界の制
御が極めて困難であり、光電子放出面に生じる光電子の
全てが所定の傾斜方向へ一様に加速されず、画像歪みを
招来するという問題があった。
【0009】本発明はこのような従来技術の課題に鑑み
て成されたものであり、機械的強度が高く、光電変換量
子効率が優れ、画像歪みを改善し、装置の小形化を図る
ことができる結像型X線顕微鏡を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために本発明は、試料を透過した透過X線の像を拡大
して所定の位置に結像させるX線拡大部と、前記所定の
位置に配置され前記X線拡大部で拡大された結像を垂直
入射する反射型X線電子光電変換面と、前記反射型X線
電子光電変換面に発生する光電子の像を前記結像の入射
方向と逆方向へ加速放出させる加速電極と、前記加速電
極により加速された光電子の像を所定方向へ偏向させる
偏向部と、前記偏向部により偏向された光電子の像を可
視光像に変換して撮像する撮像部とを備え、前記X線拡
大部と反射型X線電子光電変換面と加速電極を真空容器
内に設ける構成とした。
【0011】
【作用】かかる構成を有する本発明の結像型X線顕微鏡
によれば、試料を透過した透過X線の像がX線拡大部に
よりX線拡大像となり、反射型X線電子光電変換面に垂
直入射される。反射型X線電子光電変換面にはこのX線
拡大像の垂直入射に対応して光電子の像が発生し、この
光電子の像は加速電極により上記垂直入射方向に対して
逆の方向へ加速・放出される。そして、このように加速
・放出された光電子の像は、偏向部によって発生される
磁界の影響を受けて、途中から所定の方向へ偏向され、
その偏向方向に設けられている撮像部により撮像され
る。
【0012】このように、反射型X線電子光電変換面に
発生する光電子の像を一旦法線方向(即ち、上記垂直入
射方向に対して逆の方向)へ加速・放出させた後に、偏
向させることにより、画像歪みの発生を大幅に低減する
ことができる。また、透過X線の入射方向と光電子の放
射方向が逆方向となるので、真空容器の長さが短くなり
実質的に装置の小形化を実現する。反射型X線電子光電
変換面を適用することにより、機械的強度の向上と、光
電変換量子効率の向上が図られている。
【0013】
【実施例】以下、本発明による結像型X線顕微鏡の一実
施例を図面と共に説明する。まず、図1に基づいてこの
結像型X線顕微鏡の全体構造を説明すると、X線を発生
するX線発生部Aと、このX線発生部Aから放射された
X線を集光して試料に照射しその試料を透過した透過X
線による像(以下、透過X線の像と呼ぶ)を拡大する光
学ミラー室Bと、光学ミラー室Bで拡大された透過X線
を所定位置に結像させ、内蔵されている反射型X線電子
光電変換面により光電子の像に変換して加速・放出させ
ると共に、その加速された光電子の像から試料像の映像
信号を形成する反射型X線ズーミング管部Cと、顕微鏡
全体の動作を制御するマイクロコンピュータシステム等
を内蔵する制御部(図示せず)を備えている。
【0014】X線発生部A、光学ミラー室B及び反射型
X線ズーミング管部Cは、図示長手方向に延設された真
空容器E内に構成され、X線発生部Aと光学ミラー室B
及び光学ミラー室Bと反射型X線ズーミング管部Cの夫
々の接続部分が、真空ゲートバルブ5,6を介して接続
されている。
【0015】真空容器Eの内、X線発生部Aが構成され
る部分は、ターボ分子ポンプ7aとロータリーポンプ7
bとによる真空排気ポンプと真空度測定用ゲージ8によ
って真空引きが行われ、光学ミラー室Bが構成される部
分は、ターボ分子ポンプ9aとロータリーポンプ9bと
による真空排気ポンプと真空度測定用ゲージ10によっ
て真空引きが行われ、反射型X線ズーミング管部Cが構
成される部分は、ターボ分子ポンプ11aとロータリー
ポンプ11bとによる真空排気ポンプと真空度測定用ゲ
ージ12によって真空引きの駆動制御が行われる。よっ
て、真空容器E内は、X線発生部Aと光学ミラー室B及
び反射型X線ズーミング管部Cの各部分毎に、独自の真
空引きと、独自の真空リークが可能となっている。
【0016】測定すべき試料は光学ミラー室B内に設け
られる。かかる試料の設置又は他の試料の交換を行うに
は、まず、真空ゲートバルブ5,6を締めた状態で、光
学ミラー室Bの真空容器部分のみの真空リークを行い、
次に、光学ミラー室Bの所定位置に試料を設置し、再び
ターボ分子ポンプ9aとロータリーポンプ9bによる真
空排気ポンプと真空度測定用ゲージ10によって真空引
きを行うことにより、交換操作が実現される。このよう
に、簡素な作業で試料の設置を行うことができるので、
作業時間の短縮化が可能である。
【0017】更に、真空容器Eの内、光学ミラー室B及
び反射型X線ズーミング管部Cの部分が、防振ステージ
13上に載置されることにより、分割振動による観察分
解能の劣化を防止している。
【0018】次に、各部分の構造を詳述する。このX線
発生部Aには、X線発生制御部14により制御されるガ
スパフ型X線源が用いられ、例えば、使用ガスとしてN
2 ガスが用いられる。X線発生ユニット15内には一対
の放電電極が内蔵されており、その上側にはガス導入バ
ルブ16、その下側には放電電極にスイッチング電圧を
印加するためのスイッチング装置17と、スイッチング
装置17に高圧電力を供給するための大容量コンデンサ
装置18と、大容量コンデンサ装置18を蓄電させるた
めの高電圧電源装置19a,19bが設けられている。
【0019】N2 ガスはガス導入バルブ16を介して真
空雰囲気中の上記放電電極にパルス的に導入され、かか
る放電電極間に柱状のガス塊が形成される。そのガス塊
のガス密度がX線発生効率の高い密度となったときに、
スイッチング装置17が放電電極に大容量コンデンサ装
置18の高圧電力を供給することにより、放電を励起さ
せ、この放電によりN2 ガスをプラズマ化させる。そし
て、このプラズマを流れる電流によりプラズマ粒子は放
電電極の軸中心方向へ加速され、高温高密度のプラズマ
(ピンチプラズマ)となってX線が放出される。尚、N
2 ガスを使用することにより、2nm〜3nmの波長の
X線が発生する。
【0020】X線発生部AのX線放出側の真空容器E内
には、図2の部分断面図に示すように、約0.1μmの
厚さのTi薄膜19が設けられており、上記の放電電極
においてX線が発生するのと同時に生じる紫外線と可視
光線及び飛沫の通過を遮断して、上記波長のX線のみを
光学ミラー室Bへ透過させる。尚、このTi薄膜19の
外周部分には適宜の貫通穴が形成されているので、真空
排気時の排気差動圧力によってこのTi薄膜19が破損
することを防止している。
【0021】次に光学ミラー室Bの構成を図2の部分拡
大図に基づいて説明する。真空容器E内に、所定の間隔
をおいてX線集光ミラー20とX線拡大ミラー21が配
置され、X線集光ミラー20によるX線集光位置に、試
料22を配置するための試料ホルダー23が設けられて
いる。尚、X線集光ミラー20とX線拡大ミラー21は
共にウォルター型斜入射ミラーが用いられると共に、い
ずれも同一の光学的NAを有し、試料22を透過した透
過X線の像から最大効率の拡大結像を得ることができる
ようになっている。
【0022】更に、試験者が多軸マニュピレータ24を
操作することによって試料ホルダー23の位置や向き等
を微調整することができ、多軸マニュピレータ25を操
作することによってX線集光ミラー20の位置や向き等
を微調整することができ、多軸マニュピレータ26を操
作することによってX線拡大ミラー21の位置や向き等
を微調整することができるようになっている。即ち、試
料ホルダー23とX線集光ミラー20及びX線拡大ミラ
ー21の位置関係を適宜に微調整することにより、X線
発生部Aから放出されたX線を集光して目的の試料22
へ照射させ、試料22を透過した透過X線の像を拡大し
て、後述する所定の結像面に鮮明結像させることができ
る。
【0023】更に、試料22の試料ホルダー23への装
着は、図3及び図4に示す試料セル27を装着すること
によって行われるようになっている。尚、図3は試料セ
ル27の平面図、図4は図3のX−X線矢視断面を示
す。即ち、試料セル27は、大径でドーナッツ状の第1
のスペーサー28aと、第1のスペーサ−28aの貫通
穴にOリング29を介在させて嵌装される小径且つドー
ナッツ状の第2のスペーサ28bを有しており、いずれ
のスペーサー28a,28bもステンレス製で約1mm
の厚さに形成されている。又、スペーサー28aは、外
径が約30mmであり、且つ、周側端には後述する複数
のネジ30を螺合させるための複数の雌ネジ部が形成さ
れている。第2のスペーサー28bの中央部分に形成さ
れた貫通穴の内径が約3mm程度であり、この貫通穴が
試料22を収容するための試料室31として使用され
る。
【0024】そして、これら第1,第2のスペーサー2
8a,28bとOリング29を組み合わせて試料室31
に所定の試料22を収容した状態で、第1,第2のスペ
ーサー28a,28bとOリング29の両側に、約25
0μmの厚さの円形状の窒化珪素薄膜32,33を重
ね、更にステンレス製の円板状支持金具34,35を重
ねて複数個のボルト30で一体化する構造となってい
る。そして、一体化されたときの全体の厚さは約5.5
mm程度となる。尚、支持金具34,35の中央領域W
には最大直径約5mm程度の円錐状貫通穴が穿設される
と共に、上記複数のボルト30を螺合するための雌ネジ
部が予め形成されており、更に、窒化珪素薄膜32,3
3には、中央領域Wより若干狭い領域について予めエッ
チングされることにより約100nmの厚さの試料窓3
6,37が形成されている。そして、この試料セル27
を試料ホルダー23に装着すると、X線集光ミラー22
により集光されたX線が中央領域Wないし試料窓36
(又は37)を介して試料22に入射し、試料22を透
過した透過X線の像が試料窓37(又は36)ないし反
対側の中央領域Wを介してX線拡大ミラー21へ伝搬す
る。
【0025】例えば、ヘラ細胞(HeLa細胞)等の生物細
胞を試料22とする場合には、試料室31内に生理的食
塩水と共に試料22を密封する。又、Oリング29の作
用により、生理的食塩水の外部への漏れが防止されると
共に、試料室31内部が1気圧に保たれることから、試
料22を生きた状態で観察することができる。更に、試
料22に入射するウォーターウィンドウ領域のX線は、
炭素を含む有機物の存在部分で選択的に吸収されるの
で、透過X線は、生物細胞の微細な構造に関する明瞭な
像の情報を有することとなる。そして、かかる情報を有
する透過X線の像は、X線拡大ミラー21で所定倍率に
拡大され、後述する反射型X線ズーミング管部C内の所
定の結像位置に結像される。
【0026】次に反射型X線ズーミング管部Cの構造を
図5に基づいて説明する。尚、図5は、拡大部分断面図
である。X線拡大ミラー21からの透過X線の結像面に
は、透過X線の入射に伴って光電子を発生する反射型X
線電子光電変換面38が設けられ、反射型X線電子光電
変換面38の前方にはグランド電位に設定されたアパー
チャ電極39が固定されている。この反射型X線電子光
電変換面38は、Cuで形成された光電面電極40の先
端部(透過X線の入射方向に対向する端部)に嵌着され
且つ表面粗さが100nm以下に研磨された約1mmの
厚さのAu板と、そのAu板の表面に約100nmの厚
さで蒸着されたCsI層で構成され、Au板の表面とC
sI層の表面は、透過X線の入射方向に対して直角とな
っている。
【0027】そして、光電面電極40には、高圧電源装
置41により約−8kVないし−10kVの範囲の電圧
が印加され、アパーチャ電極39にはグランド電位が印
加され、反射型X線電子光電変換面38が透過X線の入
射に対して発生した光電子を、反射型X線電子光電変換
面38とアパーチャ電極39との間に発生する強電界に
よって、透過X線の入射方向とは逆の方向(即ち、反射
型X線電子光電変換面38の光放出面の法線方向)へ放
出して加速させる。
【0028】更に、反射型X線ズーミング管部Cには、
反射型X線電子光電変換面38の前方横側に、第1の電
磁レンズ42と第2の電磁レンズ43、及び偏向コイル
44が連設されている。第1,第2の電磁レンズ42,
43は、反射型X線電子光電変換面38から出力されて
アパーチャ電極39により加速された光電子を、拡大磁
場により拡大させ且つ所定の収束距離で収束させる。こ
の拡大率は第1の電磁レンズ42と第2の電磁レンズ4
3に流す電流を変化させて真空容器E内に発生する磁力
の比率を変えることで、収束距離を変化させなくとも約
10倍ないし200倍の範囲で連続的に変化させること
ができるようになっている。尚、この実施例では、収束
距離は、反射型X線電子光電変換面38の光電子放出面
から70cmに設定されている。
【0029】偏向コイル44は、真空容器E内に偏向磁
場を発生させ、第1,第2の電磁レンズ42,43の拡
大磁場の磁力線に沿って走行してきた光電子を、所定の
偏向角で偏向させることにより、2枚タンデムのマイク
ロチャンネルプレート45の方向へ走行させる。この実
施例では、光電子の偏向角が透過X線の入射光軸に対し
て9°に設定され、偏向コイル44による偏向磁場の中
心から反射型X線電子光電変換面38の光電子放出面ま
での距離W1と、この偏向磁場の中心からマイクロチャ
ンネルプレート45の光電子入射面までの距離W2の合
計距離が70cmに設定されており、更にこの合計距離
が、第1,第2の電磁レンズ35,36の拡大収束距離
となっている。したがって、反射型X線電子光電変換面
38上に結像された透過X線の像に対応して発生する光
電子の像は、その透過X線の入射を妨げることなく、上
記拡大磁場で拡大され且つ所定の偏向角で偏向されて、
マイクロチャンネルプレート45の光電子入射面に投影
結像される。
【0030】尚、第1,第2の電磁レンズ42,43と
偏向コイル44への電力供給は、不図示の駆動用電源か
ら行うようになっている。
【0031】マイクロチャンネルプレート45は、約5
00Vないし約2000Vの範囲内の電圧が掛けられる
ことにより、最大で105 倍の電子増倍率が設定され、
更に、電子増倍された電子は3000Vの印加電圧によ
る電界により加速されてマイクロチャンネルプレート4
5の後方に設けられた蛍光面46に入射し、可視光像に
変換される。
【0032】蛍光面46の後方には、リレーレンズを内
蔵する光学系47が設けられ、更に、光学系47の結像
面に設けられたCCDカメラ48によって、可視像を撮
像するようになっている。そして、CCDカメラ48か
ら出力される映像信号は画像処理装置に伝送され、テレ
ビジョンモニタ等に静止画表示される。
【0033】図6は、以上に説明した結像型X線顕微鏡
の構造及び機能を概略的に示している。そして、同図
中、2点鎖線で示すX線光軸Qに沿って試料22を透過
した透過X線の像が反射型X線電子光電変換面38に入
射することにより発生する光電子の像を、その透過X線
の入射方向とは逆の方向へアパーチャ電極39により加
速・出射させた後、偏向コイル44によって所定の方向
へ偏向させるので、反射型X線電子光電変換面38に生
じる光電子が加速電界に従って一様に出射した後に偏向
されることとなる。したがって、前述した従来の技術
(文献「ADV in E.Ephysics vol.64.B 」)では、反射
型X線電子光電変換面38の光電子放出面に対して予め
加速電界が傾斜して掛かるように設定することで、光電
子の走行方向を決める場合には、この光電子放出面に対
する電界分布が一様でないために、光電子の放出方向が
一様でなくなり画像歪みを招くことと成るのに対し、こ
の実施例では、光電子放出面に対して法線方向へ光電子
を放出させるように電界が掛けられているので、光電子
は一様に放出され、その後に所定の方向へ偏向させてC
CDカメラ48等で撮像するので、画像歪みが大幅に低
減されることとなる。
【0034】更に、反射型X線電子光電変換面38は、
透過型X線電子光電変換面とは異なり、支持メッシュ電
極と高分子薄膜(図8参照)を有しないので、光電変換
量子効率が優れ、又、光電変換量子効率を向上させるた
めに設けられるAu層の厚さに制限がないことから、軟
X線から硬X線の範囲において光電変換量子効率の向上
を図ることができる。更に又、反射型X線電子光電変換
面38の光電子放出面に対して光電面電極から法線方向
へ電荷を供給することができるので、光電面面抵抗が下
がり、大電流を流すことができる。又、反射型X線電子
光電変換面38は、透過型X線電子光電変換面と比べて
機械的強度が高いので、真空容器E内の真空引き等によ
って生じる差圧の影響で損傷等を受けない。又、この実
施例では、反射型X線ズーミング管Cの真空容器部分に
反射型X線電子光電変換面38を設けることにより、真
空引き等によって生じる差圧の発生を予め防止している
ので、機械的強度の向上が図られている。
【0035】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
反射型X線電子光電変換面に発生する光電子の像を一旦
法線方向(即ち、透過X線の像の入射方向に対して逆の
方向)へ加速・放出させた後に偏向させ、その偏向方向
に設けられた撮像部により撮像するようにしたので、画
像歪みの発生を大幅に低減することができる。また、透
過X線の入射方向と光電子の放射方向が逆方向となるの
で、真空容器の長さが短くなり実質的に装置の小形化を
実現する。反射型X線電子光電変換面を適用することに
より、光電変換量子効率の向上と、機械的強度の向上が
図られる等の優れた効果を有する結像型X線顕微鏡を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による結像型X線顕微鏡の一実施例の全
体構成を示す平面図である。
【図2】光学ミラー室の構造を示す部分断面図である。
【図3】試料セルの構造を示す平面図である。
【図4】試料セルの構造を示す断面図である。
【図5】反射型X線ズーミング管部の構造を示す部分断
面図である。
【図6】結像型X線顕微鏡の全体構造を概念的に示す断
面図である。
【図7】透過型X線電子光電変換面の構造を示す部分断
面図である。
【図8】透過型X線電子光電変換面に使用される光電面
支持メッシュ電極の構造を示す平面図である。
【符号の説明】
20…X線集光ミラー、21…X線拡大ミラー、22…
試料、23…試料ホルダー、38…反射型X線電子光電
変換面、39…アパーチャ電極、42,43…電磁レン
ズ、44…偏向コイル、45…マイクロチャンネルプレ
ート、46…蛍光面、47…光学系、48…CCDカメ
ラ。
フロントページの続き (72)発明者 松村 達也 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器内に設けられると共に、試料を
    透過した透過X線の像を拡大して前記真空容器内の所定
    の位置に結像させるX線拡大部と、 真空容器内に設けられると共に前記所定の位置に配置さ
    れ、前記X線拡大部で拡大された結像を垂直入射する反
    射型X線電子光電変換面と、 真空容器内に設けられると共に、前記反射型X線電子光
    電変換面に発生する光電子の像を前記結像の入射方向と
    逆方向へ加速放出させる加速電極と、 前記加速電極により加速された光電子の像を所定方向へ
    偏向させる偏向部と、 前記偏向部により偏向された光電子の像を可視光像に変
    換して撮像する撮像部と、を備えたことを特徴とする結
    像型X線顕微鏡。
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