JP3378041B2 - イメージ増倍管 - Google Patents

イメージ増倍管

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JP3378041B2
JP3378041B2 JP04271593A JP4271593A JP3378041B2 JP 3378041 B2 JP3378041 B2 JP 3378041B2 JP 04271593 A JP04271593 A JP 04271593A JP 4271593 A JP4271593 A JP 4271593A JP 3378041 B2 JP3378041 B2 JP 3378041B2
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J31/00Cathode ray tubes; Electron beam tubes
    • H01J31/08Cathode ray tubes; Electron beam tubes having a screen on or from which an image or pattern is formed, picked up, converted, or stored
    • H01J31/50Image-conversion or image-amplification tubes, i.e. having optical, X-ray, or analogous input, and optical output
    • H01J31/506Image-conversion or image-amplification tubes, i.e. having optical, X-ray, or analogous input, and optical output tubes using secondary emission effect
    • HELECTRICITY
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    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
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    • H01J31/08Cathode ray tubes; Electron beam tubes having a screen on or from which an image or pattern is formed, picked up, converted, or stored
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    • H01J31/501Image-conversion or image-amplification tubes, i.e. having optical, X-ray, or analogous input, and optical output with an electrostatic electron optic system

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  • Image-Pickup Tubes, Image-Amplification Tubes, And Storage Tubes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、はじめにイオン化輻射
入力が可視また近可視範囲の光子に変換され、次にマイ
クロチャンネルからなるプレートが電子の利得を達成す
るために用いられるようになった形式のイメージ増倍管
に関する。
【0002】
【従来の技術】このようなイメージ増倍管は放射線の分
野、特にX線診断の分野で一般に使用されており、その
ためX線または放射線増倍管(または“IIR”管)と
呼ばれている。
【0003】放射線またはX線増倍管の原理は周知であ
る。図1はX線増倍管1を断面で概略的に示す。
【0004】X線増倍管1は気密チャンバを含み、これ
は長手軸3のまわりにあって、回転体の形を有する中央
本体2で構成されている。本体2の一端は入力窓4によ
りそして他端は出力ポート5により夫々閉じられてい
る。
【0005】入射X線は入力窓4を貫通するから、この
入力窓はそのような放射線に対し出来るだけ透過的なも
のであるべきである。この窓4は一般にアルミニウムま
たはタンタルの箔あるいはガラス等でつくられる。窓4
の形状と機械的特性を適当に選ぶことにより、窓4は管
の外部から内部に加わる大気圧に耐えるに充分な機械的
強度をもつことが出来る。
【0006】X線は次に主スクリーン15と呼ばれるも
のに当る。このスクリーンは入射X線を電子に変換する
ものであり、それら電子はX線が吸収された点から減圧
された管内部に送られる。この主スクリーンは一般にX
線に対し透過な支持体6と、X線を一般には可視光の形
の低エネルギーの輻射線に変換する発光材料からなる層
7と、このシンチレーター層7の上に形成されてそのシ
ンチレーター層から放出される輻射の効果のもとで電子
を減圧下に送り出す光電陰極8とを次々に“サンドイッ
チ”状として構成される。
【0007】シンチレーターの支持体6はX線に対し透
過である。これは一般に金属またはシリカを主とするガ
ラス等の薄板で構成される。
【0008】シンチレーター7はしばしば厚さが0.2
〜0.8mm程度のヨウ化セシウム(caesium iodide)層
で構成される。
【0009】光電陰極8は一般に非常に薄い(しばしば
1μmより薄い)光電子放出材料層で構成される。
【0010】このX線増倍管1は更に出力ポート5側に
配置された発光スクリーン11の一点上の光電陰極8の
その点で放出されるすべての電子を加速し収束するに適
した電位(図示せず)とされた電極システム10を含
む。この電極システムをX線増倍管1の電子光学系と呼
ぶ。
【0011】発光スクリーン11は管の内側で出力ポー
ト5の背後に配置された透過的な支持体12上に形成さ
れた層により形成される。従って、管の入力窓4を通じ
て主スクリーン15に投射されたX線像の変換された可
視像を出力ポートを通して見ることが出来る。
【0012】このようなX線増倍管ではシンチレーター
7により吸収される30−100KVのエネルギーをも
つ夫々の入射X線は一般に数千個の光子をつくりそれ故
数100個の電子を減圧空間に放出するのであり、光電
陰極8の量子収量は一般に10%から20%となる。
【0013】10−30KVで加速される夫々の電子は
数百個の光子の発光スクリーンへの衝突を促進する。か
くして主スクリーン15により吸収される夫々のX線光
子は発光スクリーン11により放出される10000個
に近い光子へと変換される。
【0014】更に、この管の電子光学系は一般に出力像
を入力像のフォーマットより著しく小さい、一般に1/
10〜1/5に等しいフォーマットに集束させるのであ
る。これは出力像について輝度で大きな利得を伴う。像
の縮小により主スクリーン上の1mmの分解能が発光スク
リーン上では約1/10mmとなり、そして発光スクリー
ンのレベルで要求される分解能が主スクリーンで検出さ
れるものより著しく大きくなることを意味する。
【0015】この光子利得と縮小により生じる輝度利得
は患者が受けることの出来る放射線量により、実時間で
動作する放射線透視系を構成する際、映画カメラまたは
テレビジョンカメラにより観察し記録するに充分な輝度
をもつ出力像をうることを可能にする。
【0016】第2および第3世代のイメージ増倍管(入
力輻射線が可視光の形であり従ってシンチレーターを含
まない光増幅器)では電子利得を更に増加するためにマ
イクロチャンネルプレートを付加するという周知の方法
がある。しかしながら図1で示すようなX線増倍管では
光子利得は実用上充分と考えられ、そして、そのような
組立体はすでに提案されてはいるが、マイクロチャンネ
ルプレートを用いることによりそれを増加する必要は一
般にないとされている。
【0017】しかしながら、電子光学系の代りにX線増
倍管にマイクロチャンネルプレートを用いれば、例えば
厚さ、すなわち入力窓と出力ポート間の距離、の大幅な
減少、全像フィールドについての均一な分解能(大型像
であっても)、通常の像またはテレビジョンスクリーン
のフォーマットにより適した方形または矩形のフォーマ
ットを得ることが著しく容易になる可能性、のような大
きな利点が得られるものと考えられる。
【0018】電子光学系の代りにマイクロチャンネルプ
レートを用いるX線増倍管は二重近接焦点(dual proxi
mity focusing)を有するX線増倍管と呼ばれている。こ
のような管は特にI.C.P.ミラー他の文献“Channel Elec
tron Multiplier Plates inX-Ray Image Intensificati
on ”,Advances in Electronics and Electron Phy sic
s,Vol.33 、アカデミックプレス出版、1972に示さ
れている。この文献に示されるX線増倍管では主スクリ
ーンは平面である。これはマイクロチャンネルプレート
の入力面に平行にそしてそれから小さい距離をもって伸
張しており、発光スクリーンはこのプレートの出力面に
平行でそれから小さい距離をもって配置される。まず光
電陰極とこのプレートの入力との間、そして次にプレー
トの出力と発光スクリーンとの間の電子の散逸が分解能
を低下させないようにするために、一般に1mmより小さ
い距離を電極間において維持しなければならない。
【0019】図2は上記文献に示されるものと同様のX
線増倍管を示す。
【0020】図1の例におけるように、X線増倍管20
は長手軸3に関して配置される管本体2を含む。本体2
の一端は入力窓4で、他端は出力ポート5で閉じてい
る。
【0021】入射X線は管20の入力窓4から入り、主
スクリーン21に当る。図1の主スクリーン15とは異
なりスクリーン21は平面である。これは図1の支持
体、シンチレーターおよび光電陰極と同じであるシンチ
レーター支持体22、シンチレーター23および光電陰
極24を有する。
【0022】光電陰極24からの電子(図示せず)は電
界によりマイクロチャンネルプレート25の入力面26
に向けられる。このため、第1および第2バイアス電位
V1,V2が光電陰極24と入力面26に夫々加えられ
る。第2電位V2は第1電位V1より大きい。
【0023】このマイクロチャンネルプレート25は隔
壁28で分離された多数の小さい平行なチャンネルすな
わちマイクロチャンネル27を固体のプレートの形にし
たものである。一つのマイクロチャンネル27を通る夫
々の一次電子(光電陰極から放出されたもの)はそのマ
イクロチャンネルの壁でのカスケード状の2次電子放出
現象により増倍され、それ故、このプレートの出力にお
ける電子電流は入力側のそれの1000倍より大きくな
りうる。マイクロチャンネルの直径d1は10−100
μmである。マイクロチャンネル27は、プレートの面
に垂直に光電陰極24で放出される電子が2次電子放出
を行わずにマイクロチャンネルから出られないように、
その垂線に対して傾斜している。マイクロチャンネル以
外のプレート25の入力面26の部分に入る電子の数を
減少させるために、それらマイクロチャンネルの入口に
拡大部分30をつくりそして隔壁28の厚さを減少させ
ている。マイクロチャンネルプレート25の厚さEは一
般に1mmと5mmの間である。このプレートの電子的利得
は、マイクロチャンネルプレート25の入力面26と第
3のバイアス電位V3となった出力面31の間の電圧の
関数として、例えば1と5000の間のような広い範囲
の値にわたり調整しうる。
【0024】入力面26と出力面31は夫々金属化層M
1,M2(図2では太線で示す)で覆われており、それ
らを介して電位V2とV3が入力および出力面に夫々与
えられる。当然これら金属化層M1,M2はマイクロチ
ャンネル27を阻止できない。これらの金属化層M1,
M2はマイクロチャンネル27の端部、すなわちそれら
の入口と出口の壁に形成するのが普通である。一般に、
金属化層M1,M2は導電金属(例えばクロム、ニッケ
ル‐クロム、イコネル(Iconel)等のようなもの)の真
空蒸着法によりマイクロチャンネルプレートの入力およ
び出力面26,31に蒸着されるのであり、この蒸着は
蒸着されるべき金属を昇華させるためにしばしば電子銃
を用いてのジュール効果による。
【0025】この技術は標準的なものである。金属のマ
イクロチャンネル27への浸透を制限するために、蒸着
は斜めに行われる。
【0026】更に、複数のマイクロチャンネルプレート
が蒸着中遊星輪系の上に支持される。この系は連続回転
によりそれらプレートの表面が傾斜を維持しつつすべて
の方向の金属流に露呈されうるようにするものである。
マイクロチャンネル27への金属の侵入は各チャンネル
およびすべてのチャンネルについて均一となる。
【0027】マイクロチャンネルプレートの出力におけ
る電子はプレートに面するようにそれに平行で且つ1〜
5mm程度の距離Dをおいて配置される発光スクリーン3
5上に電界により加速されて集束する。発光スクリーン
35は主スクリーンにほぼ等しい寸法を有する。これは
局部的に入射電子電流に比例する量の光を出し、それ故
管の入力窓を介してシンチレーターに投射されるX線像
の可視の増倍された像を回復する。この発光スクリーン
35は発光材料粒子で構成される厚さ数ミクロンの層で
あり、これは出力ポート5に形成してもよい。マイクロ
チャンネルプレート25に指向する発光スクリーン35
の面は例えばアルミニウムの非常に薄い層36でコーテ
ィングされる。この金属化はスクリーンの電気的なバイ
アスを可能にし(第3電位V3より高い第4電位V4を
印加することにより)、そしてこのスクリーンにより反
射した光についての反射器として作用する。
【0028】主スクリーン21とマイクロチャンネルプ
レート25は例えば管の本体2にシールされたラグ29
により管の本体2に固定される。これらラグには更にバ
イアス電位V1,V2,V3が与えられる。主スクリー
ン21とプレート25は互いに電気的に絶縁されている
と共に互いに数10mm程度の比較的小さい距離D1だけ
離されて固定される(図は正確なものではない)。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】このようなX線イメー
ジ増倍管の構造は特に大画面のものについて製造が困難
である。完全に平面となった主スクリーンをつくり、そ
してそれを非常に小さい均一の距離を保ってマイクロチ
ャンネルプレートに平行に維持することは困難である。
しかしながらこれは電子の角度をもった散逸を制限し
(空間解像度を低下させる効果)そして全フィールド上
の像の効果的な解像度を得るために必要である。
【0030】他の困難性は、シンチレーター23とその
支持体22が同じ膨脹係数を有していないことによるも
のである。これらは変形しやすく、光電陰極の変形を生
じさせそして光電陰極とマイクロチャンネルプレートの
間の距離を局部的に変化させる傾向のある薄い層で構成
されている。
【0031】これらの困難性は、X線増倍管の寸法が大
きいときに大きくなるが、マイクロチャンネルプレート
を備えたX線増倍管(すなわち二重近接焦点を備えたX
線増倍管)について考えられる応用では直径が15cmを
越える大きな有効表面積または矩形フォーマットではそ
れに等価な表面積が必要である。
【0032】
【発明の概要】本発明の目的はイオン化輻射を光または
近可視輻射に変換するためのシンチレーターおよび電子
の増幅を行うためのマイクロチャンネルプレートを用い
るイメージ増倍管を提供することである。本発明はマイ
クロチャンネルプレートの使用に関連した前記の諸問題
を解決するものである。
【0033】本発明は光電陰極をマイクロチャンネルプ
レートの入力面上に直接配置することを提案する。この
ように光電陰極とマイクロチャンネルプレート間の均一
の間隔の維持の問題およびこれら二つのエレメント間の
電気的絶縁の問題に対する答えが得られる。電源はマイ
クロチャンネルプレートの入力面については簡単とな
り、そして光電陰極は一つの電位としうる。
【0034】この構成は更にシンチレーターとその支持
体の膨脹係数の差による光電陰極上の効果を解消しそし
てこの支持体そのものを除去することさえ可能となる。
この場合、シンチレーターは、予め光電陰極とともにコ
ーティングされているマイクロチャンネルプレート上に
蒸着される。これはシンチレーター用の特定の支持体を
つくる必要性をなくすものである。この支持体は入射X
線の側にあるためにX線の一部を吸収することになるか
らそれがないことによる利点は明らかである。シンチレ
ーターは支持体を必要としない程の剛性はないがマイク
ロチャンネルプレートが支持体として作用する。光電陰
極はシンチレーターに蒸着して次にそれをプレートに適
用してもよく、あるいは部分的にシンチレーターにそし
て部分的にプレートに蒸着してもよい。コーティングさ
れたシンチレーターがコーティングされたプレートに対
して適用される。
【0035】本発明はシンチレーター、光電陰極、その
入力面が少くとも部分的に導電層でコーティングされた
マイクロチャンネルプレート、を含み、その光電陰極が
上記導電層と接触する少くとも一つの層として構成され
るイメージ増倍管を提供する。
【0036】
【実施例】図3は例えばX線増倍管のような本発明によ
るイメージ増倍管40を示す。X線増倍管40は一端が
入力窓4によりそして他端が出力ポート5により閉じた
管本体2からなる真空チャンバを有する。このチャンバ
はシンチレーター41、シンチレーター支持体42、光
電陰極43、マイクロチャンネルプレート44、出力ポ
ート5により支持される発光スクリーン35、を含み、
これらエレメントすべては図2のX線増倍管の支持体2
2、シンチレーター23、光電陰極24、プレート25
および発光スクリーン35の行う機能と同様の機能を有
する。
【0037】本発明の一つの特徴によれば、光電陰極4
3はマイクロチャンネルプレート44の入力面FE(入
力窓4とシンチレーター41に面している)上に直接支
持される。詳細には、図3の例では光電陰極43は入力
面FE上に形成された第1金属化層M1である。
【0038】マイクロチャンネルプレート44は通常の
ものであり、図2のプレート25と同様である。第2金
属化層M2はプレート44の出力面FS(発光スクリー
ンに面している)上に蒸着される。第2金属化層M2は
第1層M1と共にプレート44内のマイクロチャンネル
27の全長にわたり、すなわち夫々入力面FEおよび出
力面FSまでとなったこれらマイクロチャンネルの入力
と出力間に電界をつくる。この電界は層M1とM2に夫
々第2バイアス電位V2とV2より高い第3バイアス電
位V3を加えることで得られる。第2金属化層M2に加
えられる電位V2は従来のごとくにマイクロチャンネル
プレートの出力面FSと発光スクリーン35の間に電界
を限定するためにも用いられるものであり、このレベル
での動作については従来のものと同じである。
【0039】マイクロチャンネル27に電界をつくるた
めに、金属化層M1とM2は入力および出力面FEとF
Sの上のみならずマイクロチャンネル27の壁の幅h1
である入力および出口部分にも蒸着される。このため、
層M1とM2の蒸着方法は前述のように傾斜蒸着技術を
用いる。
【0040】第1金属化層M1が僅かにチャンネル27
の入口部分に入っているため、光電陰極43の支持体と
なる。光電陰極43を形成する層は従って入力面FEと
夫々のマイクロチャンネル27の入口とにつくられてミ
クロ光電陰極43aを形成する。その結果、光電陰極4
3はマイクロチャンネル27と同数のミクロ光電陰極4
3aを含む。
【0041】シンチレーター41は光電陰極43上に位
置し、プレート44の入力面FE上に直接に寄りかか
る、すなわち、光電陰極43と直接、接触する。
【0042】シンチレーター41は従来のように図3に
示すように支持体42に固定され、そしてシンチレータ
ーとその支持体の組立体は例えば1個以上のスラストエ
レメント56のスラスト力によりマイクロチャンネルプ
レート44に固定される。これらスラストエレメント5
6は夫々にX線増倍管に適した製造モードの関数として
種々に構成出来る。
【0043】本発明のこの実施例では圧力装置56が入
力窓4の内部周辺部分57に置かれ、この部分は入射X
線の吸収を出来るだけ少くしなければならないため中央
部分より大型である。図2の例ではこれらスラストエレ
メント56はかたいスペーサ58とばねワッシャ59か
らなる。ワッシャ59は支持体42(その周辺領域)に
置かれ、スペーサ58は入力窓4とワッシャ59の間に
配置される。スペーサ58の高さはH2であり、ワッシ
ャ59によりプレート44の入力面に対しシンチレータ
ー41とその支持体42を保持するに適している。これ
らのような数個のスラストエレメントをシンチレーター
41の周辺に分散して用いることが出来る。
【0044】シンチレーター/支持体組立体41,44
の固定の改善とそれらの間の膨脹係数の差による機械的
な変形の制限あるいは除去のために、この組立体41,
42がプレート44に固定される前にそれを僅かに凹ん
だ形(入力窓から見て)にしてもよい。そのようにする
と、組立体41,42をプレート44上に置くとき、ま
ずその中央部分が光電陰極43を形成した入力面FEと
接触する。次に、スラストエレメント56による固定中
に組立体41,42の周辺に圧力を加えることによりこ
の組立体はその弾性により入力面FE上に均一に支持さ
れる。
【0045】このようなシンチレーター41とその支持
体42の凹形状は内部的な機械的張力によるものであ
り、この張力自体は支持体42にシンチレーター41を
蒸着する前に与えられた凹形状による。ヨウ化セシウム
の膨脹係数は一般に支持体より大きく、このシンチレー
ターはこの支持体に蒸着される。その結果、シンチレー
ター41により生じる張力ははじめの凹形状を緩和する
傾向をもつから、支持体32は最終的に必要な凹性より
僅かに高い凹性をもつべきである。例えば厚さ0.5m
m、直径15〜25cmのアルミニウム合金からなる支持
体5について1mmに近い初期的な偏りを与えることが出
来る。
【0046】しかしながら、プレートの入力面FEにシ
ンチレーター41を設けるこの構成ではシンチレーター
の支持体42はなくてもよい。X線増倍管のシンチレー
ターをその製造後に除去しうる一時的な支持体上につく
ることが出来る。そのような技術はフランス特許第25
30367号明細書に示されている。この特許は後に分
離しうる一時的支持体上に針構造(この形式のシンチレ
ーターはX線増倍管に普通に用いられるものである)を
もった、ヨウ化セシウム以外のシンチレータースクリー
ンをつくる方法を示している。そのような場合、シンチ
レーター41(支持体なし)は例えば上述のようなスラ
ストエレメント56を用いてプレート44の入力面FE
に固定出来る。しかしながら、支持体または基体のない
シンチレーター41の場合には膨脹係数の差は問題では
なくなり、従ってシンチレーター41を凹形にする(固
定前に)必要はない。
【0047】光電陰極43がマイクロチャンネルプレー
トの入力面FE上につくられる本発明では、1次スクリ
ーンの変形の問題、そして一般にはマイクロチャンネル
プレートに対する光電陰極の位置ぎめの問題はない。
【0048】本発明は更に従来、すなわち図2のX線増
倍管の電源と比較してX線増倍管40の電源が簡単にな
る。本発明のX線増倍管では第1金属化層M1と接触す
る光電陰極43は入力面FEと同一である第2バイアス
電位V2を受けそしてそれが放出する電子は夫々のマイ
クロチャンネル27の電界に直ちに影響される。
【0049】図2のX線増倍管と比較してこの条件下で
は本発明のX線増倍管の動作に必要な電位は次のものに
限られる:−入力面FEと光電陰極43に同時に加えら
れる第2バイアイ電位V2。
【0050】−出力面FSに加えられる第3バイアス電
位(V2より大)。
【0051】−発光スクリーン35に加えられる第4バ
イアス電位V4(V3より大)。
【0052】図2のX線増倍管と比較して第1バイアス
電位V1が不要である。第1電位V1は従来光電陰極と
マイクロチャンネルプレートの入力面との間に電界をつ
くるために用いられる。
【0053】更に、本発明のX線増倍管ではこれはバイ
アス電位の数を減少させるばかりでなく、この管に加え
られる電位差を著しく低下させる。
【0054】図4は図3のボックス50内のエレメント
の拡大図であって本発明のX線増倍管を明確に示すもの
である。図4はシンチレーター41とその支持体42、
マイクロチャンネルプレート44、プレート44とシン
チレーター41の間に配置された光電陰極43、プレー
ト44に対しシンチレーター41とは反対の側に配置さ
れた発光スクリーン35、の部分図である。
【0055】シンチレーター41は例えば従来の方法に
より支持体42の上に蒸着により成長した、針41aに
より形成されるヨウ化セシウムの均一な層でつくられ
る。しかしながら、前述のように、支持体42は機械的
な役割をもたない。それ故、シンチレーターが一時的支
持体上に形成されるのであればそれを除去してもよい。
シンチレーター41の厚さは一般に0.5mmである。
【0056】シンチレーター41は光電陰極43と接触
配置され、陰極43自体はマイクロチャンネルプレート
44の入力面上につくられる。
【0057】マイクロチャンネルプレート44は隔壁2
8で分離された平行なマイクロチャンネル27を含む。
マイクロチャンネル27はプレートの面に対する垂線に
対しすなわち管の軸3に対し僅かに傾斜している。入力
面FEは第1金属化層M1を含み、それに第2バイアス
電位V2が加えられる。出力面FSは第2金属化層M2
を含み、それに第3バイアス電位V3が加えられる。2
mm程度の厚さEを有するプレート44および約50ミク
ロンの直径d1を有するマイクロチャンネル27がこの
発明に適している。
【0058】発光スクリーン35はプレート44の出力
面FSから1mm程度の距離Dのところに配置される。発
光スクリーン35は第3バイアス電位V3を受け、それ
によりプレートの出力面FSに対し数千ボルトの正電位
となる。
【0059】光電陰極43を形成する層は入力面FE、
すなわち、第1金属化層M1、特にミクロ光電陰極43
aを構成するためのマイクロチャンネルの入口に真空蒸
着される。金属化層M1,M2と同様に、これは前述の
ように傾斜蒸着で行うことが出来る(マイクロチャンネ
ルプレート44は例えば回転支持体上に置かれる)。こ
の技術はマイクロチャンネルの直径d1の約2倍に対応
する深さd2までマイクロチャンネル27内にミクロ光
電陰極43aを蒸着するために使用出来るのであり、マ
イクロチャンネルの直径を50ミクロンとすれば約10
0ミクロンとなる。光電陰極43は第1金属化層M1を
覆いそして更にマイクロチャンネル27の内部へと伸び
る。
【0060】X線光子がシンチレーター41により吸収
されると、シンチレーター41は数千個の可視光子を放
出する。シンチレーターの針41aによりチャンネル化
されるこの光は、光電陰極43(その有効部分はミクロ
光電陰極43aで構成されうる)を励起する可能性の高
いマイクロチャンネル27の入口(図4では光子Ph1
で示してある)に向けて送られる。従って、光電陰極に
より放出される電子は電界によりマイクロチャンネル2
7の内部に吸収され、そこでマイクロチャンネルプレー
トで生じる周知のプロセスに従ってカスケード形の2次
電子放出により増倍されてマイクロチャンネルの壁に当
る。マイクロチャンネル27の出口においてそれら電子
は発光スクリーン35へと加速され、そこで陰極ルミネ
センスにより、シンチレーター41により吸収されるX
線像に一致した可視像を回復する。
【0061】シンチレーター41内で放出される可視光
子はプレート44に向い(光子Ph1で示すように)、
あるいはその反対方向、すなわち支持体42の方向にシ
ンチレーター41内でチャンネル化される。支持体42
が反射性であればそれら光子はプレート44へと反射さ
れコントラストの低下に対する感度が改善される。支持
体42が吸収性であればあるいは支持体がなければ、X
線増倍管の感度はその改善された分解能およびコントラ
ストに対し低下する。支持体の選択は目的とする応用に
より行われる。
【0062】プレート44に向けてシンチレーター41
内で放出される可視光子の一部は失われる。失われた光
子(図示せず)は部分的には隔壁28に向うものおよび
マイクロチャンネル27に入らないものである。他の失
われる可視光子はマイクロチャンネル27の軸に向けて
放出されるものおよびその後光電陰極43あるいは詳細
にはミクロ光電陰極43aに当らないものである。
【0063】いずれの場合でも失われる光子の率はマイ
クロチャンネル27の入力を広げることで低下する。こ
のことについては図5により説明する。
【0064】いずれにしても有効な光子の部分は放出さ
れる光子の20%を越える。これはマイクロチャンネル
プレート44により与えられる電子利得を与えるに充分
なものである。シンチレーター41に吸収される各X線
光子について光電陰極43から出る電子の数は数10個
より大きいままであり、これは検出される像に対し無視
しうるノイズのみを与えるものである。
【0065】図5はマイクロチャンネルに与えられる拡
大された形およびミクロ光電陰極43aのその結果によ
る形を示すために図4のボックス60に含まれる2個の
マイクロチャンネル27の入口を示している。
【0066】マイクロチャンネル27の入口(入力面F
Eの近辺)の拡大は例えば第1金属化層M1の形成前に
行われる適当な選択的化学腐食または化学エッチング方
法による、それ自体周知の方法で行うことが出来る。
【0067】この化学エッチングの効果はマイクロチャ
ンネルの壁(入力面の近辺)から材料を除去しそしてこ
のレベルで隔壁28の厚さE3を減少させることであ
り、その結果、拡大が行われる。第1金属化層M1およ
び光電陰極43を形成する層が前述のように次に蒸着さ
れる。かくして、その表面に蒸着された光電陰極の表面
積はマイクロチャンネルの入口に形成されるミクロ光電
陰極43aにより減少し、従って、光電陰極43の有効
部分が増大する。
【0068】マイクロチャンネル27の入口の拡大を行
うためには気相蒸着により得られる減少した厚さE3を
有する付加蒸着層20により、隔壁28の端部(図5の
点線)を伸ばしてもよい。この付加的な蒸着物29はプ
レート44に近い膨脹係数をもつ材料であるとよい。プ
レートがガラスであればその材料は例えばシリカでよ
い。次にこの付加的蒸着物を第1金属化層M1そして次
に光電陰極43でカバーする。
【0069】本発明の画像増倍管の説明を一つの画像増
倍管について行ったが本発明は入力輻射を可視または近
可視輻射に変換するためにシンチレータースクリーンを
用いるすべての画像増倍管に適用しうる。
【0070】本発明による増倍管の製造はすべて周知の
技術を用いて行うことが出来る。
【0071】しかしながら、一例として本発明の管は真
空下での転移方法によりつくるべきである。光電陰極4
3は基板上(本発明の場合にはマイクロチャンネルプレ
ート上)に真空蒸着されるべきであり、従って必要な清
浄なスペースを設けるべきである。
【0072】本発明の管は次の3個の副組立体の形の真
空転移フレーム(図示せず)に導入される: −第1副組立体。これは管の本体、マイクロチャンネル
プレート、発光スクリーン、および出力ポート(発光ス
クリーンは例えばこのポートの内面に直接蒸着され
る)、を含み、これらすべてが一つの方向で固定され
る; −第2副組立体。これは支持体(または一時的支持体)
上のシンチレーターにより構成される; −第3副組立体。これは例えば管本体上で閉じることの
出来るフランジ(図示せず)を備えた入力窓で構成され
る。
【0073】このフレーム内部で真空下で種々の部分が
通常ガス抜きされ、次に光電陰極が例えば側に配置され
たアンチモンおよびアルカリ金属(K,Cs)源を用い
た傾斜蒸着によりプレートの入口に蒸着される。
【0074】光電陰極がつくられると、真空下で動作す
る処理アーム系がマイクロチャンネルをプレート上に蒸
着して固定させる。次に、管の本体に気密的に入力窓を
置きシールすることが出来る。
【0075】この管は次に大気圧とされ使用しうる状態
となる。
【0076】図6は、光電陰極43をプレート44の入
力面FE上に蒸着された層とプレート44に向うシンチ
レーター41の面上に蒸着される第2層43sで構成す
る実施例を示す。他は図3と同様である。
【0077】シンチレーター41は入力面FEに与えら
れるから、第2層43sは第1発光層43と接触し、そ
してこの層43と同じ電位でバイアスされる。
【0078】かくして、本発明においては陰極はシンチ
レーター41に蒸着された1つの層43sで構成するこ
とが出来る。この場合、層43sは第1金属化層M1と
直接に接触することになる。
【0079】第2発光層43sは製造は複雑になるが電
子収量を改善するために使用出来る。しかしながら、こ
の複雑さに伴う困難性は完全に克服しうる。
【0080】シンチレーター41がマイクロチャンネル
プレートの入力面FEに付着される前であって上述の位
置に固定される前にマイクロチャンネルプレートの入力
面上に光電陰極43をつくるには管の種々の部分(出力
スクリーンおよびプレートと組合される管の本体、主ス
クリーンまたはシンチレーター、入力窓)の真空中での
取扱いを可能にする、複雑(ではあるが周知)な装置が
必要である。この装置では光電陰極をつくる材料(アン
チモンおよびアルカリ金属)の蒸着源が必要であり、そ
してプレートの入力面上の光電陰極の均一な蒸着を可能
にする複数の源の相対的な動き(プラネットホイール)
の可能性が必要である。
【0081】この比較的複雑なシステムでは光電陰極4
3の形成中、光電陰極がプレートの入力面およびシンチ
レーター41の選ばれた面に同時につくられるように蒸
着源に対しシンチレーター41をプレート44のそれと
対称な位置に配置することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子光学系を有する従来のX線増倍管を示す図
である。
【図2】マイクロチャンネルプレート形の従来のX線増
倍管の断面図である。
【図3】本発明の、マイクロチャンネルプレート形のX
線増倍管の構造の断面図である。
【図4】図3のマイクロチャンネルプレートの一部の拡
大図である。
【図5】図3、4のマイクロチャンネルの入口を示す図
である。
【図6】図3と同様であってシンチレーター上につくら
れる光電陰極を示す図である。
【符号の説明】
2 管本体 4 入力窓 5 出力ポート 35 発光スクリーン 40 X線増倍管 41 シンチレーター 42 シンチレーター支持体 43 光電陰極 43a ミクロ光電陰極 44 マイクロチャンネルプレート 56 スラストエレメント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−267466(JP,A) 特開 平4−215238(JP,A) 実開 昭55−91059(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 31/50 H01J 29/45

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シンチレータースクリーンと、光電陰極
    と、複数のマイクロチャンネルを有する電子増幅プレー
    トと、を含み、前記電子増幅プレートは前記シンチレー
    タースクリーンに向って配向されるその入力面が金属化
    層により少くとも部分的に覆われ、前記光電陰極は前記
    金属化層と接触した少くとも1個の光電子放出層を備え
    ていることを特徴とするイメージ増倍管。
  2. 【請求項2】前記光電陰極の光電子放出層は前記プレー
    トの入力面上に形成されることを特徴とする請求項1記
    載のイメージ増倍管。
  3. 【請求項3】前記光電子放出層は前記マイクロチャンネ
    ルの壁の少くとも一部において、それらマイクロチャン
    ネルへの入口を貫通することを特徴とする請求項2記載
    のイメージ増倍管。
  4. 【請求項4】前記シンチレータースクリーンは前記プレ
    ートの入力面上に配置されることを特徴とする請求項1
    乃至3のいずれかに記載のイメージ増倍管。
  5. 【請求項5】前記シンチレータースクリーンは前記プレ
    ートの入力面上にあり、そして前記光電陰極は更に上記
    シンチレータースクリーン上に配置された少くとも1個
    の光電子放出層を含むことを特徴とする請求項2記載の
    イメージ増倍管。
  6. 【請求項6】前記シンチレータースクリーンは前記プレ
    ートの入力面上にあり、前記金属化層と接触する前記光
    電子放出層は上記シンチレータースクリーン上に形成さ
    れることを特徴とする請求項1記載のイメージ増倍管。
  7. 【請求項7】前記マイクロチャンネルへの入口は拡大さ
    れた形を有することを特徴とする請求項1乃至6のいず
    れかに記載のイメージ増倍管。
  8. 【請求項8】前記入力面上に、付加的蒸着により、前記
    マイクロチャンネル間に隔壁が設けられ、その厚さは前
    記マイクロチャンネルへの入口において拡大した形が得
    られるように変化することを特徴とする請求項7記載の
    イメージ増倍管。
  9. 【請求項9】前記シンチレータースクリーンは前記プレ
    ート上にあり、このプレートが前記シンチレータースク
    リーンの単独の支持体を構成することを特徴とする請求
    項1乃至8のいずれかに記載のイメージ増倍管。
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