JPH08295915A - 粒鉄を利用する鋼スクラップの溶解方法 - Google Patents

粒鉄を利用する鋼スクラップの溶解方法

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JPH08295915A
JPH08295915A JP10417595A JP10417595A JPH08295915A JP H08295915 A JPH08295915 A JP H08295915A JP 10417595 A JP10417595 A JP 10417595A JP 10417595 A JP10417595 A JP 10417595A JP H08295915 A JPH08295915 A JP H08295915A
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slag
blown
furnace
steel scrap
granular iron
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JP10417595A
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Kyoji Okumura
恭司 奥村
Hiroyuki Katayama
裕之 片山
Akio Kasama
昭夫 笠間
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温ガスと溶融金属との間にあるスラグ層内
に伝熱媒体として粒鉄を適正に分布させ、炭材やスラグ
よりも熱伝導度の高い粒鉄によって伝熱を行うことによ
りスラグ層内の炭材を増やすことを回避すると同時に、
2次燃焼率を低下させることなく、着熱効率を向上出来
る鋼スクラップ溶解方法を提供すること。 【構成】 上吹き又は上底吹き精錬炉により炭材を投入
しスラグを生成させながら鋼スクラップを溶解する方法
において、炉壁に設けた横吹き羽口によりスラグ−溶融
金属界面に0.01〜100Nm3 /hr/スラグトン
のガスを水平又は斜め上方に吹き込み該スラグ層中に粒
鉄を1.0mm以下でスラグ中濃度で1〜70wt%生
成させることを特徴とする粒鉄を利用する鋼スクラップ
溶解方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、着熱効率の良い鋼スク
ラップの溶解方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、資源、環境問題から、スクラップ
などの固体金属原料をリサイクル使用して、効率的に溶
融金属を製造することが技術課題となって来ている。そ
の金属スクラップの種類は種々のものがあるが、発生量
の多い鉄鋼スクラップを用いて溶融鉄を得る方法とし
て、従来は殆ど電気炉で行われて来た。しかし、電気炉
の場合は、スクラップの溶解・精錬に多くの電力を消費
するため、わが国のような電力価格が著しく高い国では
コストアップとして好ましくない。そこで、電気炉によ
らずに経済的にスクラップを溶解・精錬する方法とし
て、高送酸能力を有する転炉の余剰生産能力を利用して
安価な炭材を用いたスクラップの溶解・精錬方法が検討
されるようになって来た。
【0003】このような状況の中で、一般的には既存の
上吹きの複合吹錬転炉を利用することで設備投資額を抑
えると共に、熱源として上底吹き吹酸及び炉上方から炭
材を投入しながらスクラップを溶解・精錬する方法が提
案されている。その改良型として、例えば特公平6−1
02806号公報に示されているように、炉上部に酸
素、石炭等を吹き込むランスを、炉体側部には還元鉄な
どの原料を鉄浴に吹き込む羽口を、炉底部には攪拌用気
体及び石炭粉又は造滓剤等を吹き込むノズルを設けた溶
融還元炉が提案されているし、特公平6−102807
号公報のように、上部から垂下したランスにより酸素を
吹き込んで鉄鉱石から溶鋼又は溶銑を製造する酸素転炉
内の鉄浴湯面近傍へ放射状に設置した複数のガス吹込み
ノズルより酸素を吹込み、スラグ及び鉄浴の液滴をラン
ス火点方向へ飛ばすことにより、鉄鉱石から直接溶銑を
製造する溶融還元法も提案されている。更に、特公平6
−102808号公報は精錬炉底部に設けた底吹羽口よ
り鉄浴中へ酸素を吹き込み1次燃焼を行うと同時に、浴
面上方の炉側壁に設けた酸素羽口から2次燃焼用酸素を
吹き込み炉内浴面上方に2次燃焼帯を形成し、この2次
燃焼帯に湯面近傍の炉側壁に設けたスプラッシュ生成用
羽口から吹き込むスプラッシュ用ガスにより生成される
スラグ及び鉄浴の液滴を飛ばす溶融還元法が知られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公報は、いずれも
鉄鉱石から直接溶鉄を製造する溶融還元法であって、特
に鉄鉱石の還元を高効率に行うためのものであり、上吹
き又は上底吹き並びに横吹き転炉を用いて鉄鉱石を溶融
還元する際に、スラグ及び鉄浴の液滴をランス火点方向
へ飛ばすことにより2次燃焼の熱をスラグ及び鉄浴の液
滴に吸収させて、2次燃焼によって火点近傍で発生する
熱を鉄浴に効率良く着熱させる方法である。しかし、こ
れら溶融還元法をスクラップ溶解に用いる場合、炉内ス
ラグ表層の火点で発生する2次燃焼熱を炉内下方にある
溶融金属にスラグ、スラグ層内にある炭材や粒鉄あるい
は火点近傍に飛散させた粒鉄を介して着熱させているも
のである。すなわち、この方法であるとスラグ単体では
スラグの伝熱効率が悪く、また、伝熱効率の良い炭材を
利用する場合は、スラグ中の炭材量を増やすと2次燃焼
率が低下するか、あるいは炭材原単位が増大して製造コ
ストが増える。更に、伝熱効率の良い粒鉄を利用する場
合、スラグ中の粒鉄量を増やすと、スラグがフォーミン
グして操業を続けられなくなったり、火点へ粒鉄を集め
る場合は粒鉄中のCと送酸酸素の反応でCOガスが増え
て2次燃焼率が低下したり、粒鉄と送酸酸素の反応で還
元すべきFeOが増えてしまって熱が不足してしまい着
熱効率にはおのずと限度があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した問題を解決する
ため、発明者らは鋭意検討を重ねた結果、着熱効率を上
げるために高温ガスと溶融金属との間にあるスラグ層内
に伝熱媒体として粒鉄を分布させるに際し、その粒径を
極力小さくして表面積を確保し、粒鉄のトータル重量を
極端に増加させずに分布させ、炭材やスラグよりも熱伝
導度の高い粒鉄によって伝熱を行うことによりスラグ層
内の炭材を増やすことを回避すると同時に2次燃焼率を
低下させることなく着熱効率を向上できる鋼スクラップ
の溶解法を提供するものである。その発明の要旨とする
ところは、 (1)上吹き又は上底吹き精錬炉により炭材を投入しス
ラグを生成させながら鋼スクラップを溶解する方法にお
いて、炉壁に設けた横吹き羽口によりスラグ−溶融金属
界面に0.01〜100Nm3 /hr/スラグトンのガ
スを水平又は斜め上方に吹き込み、該スラグ層中に粒鉄
を1.0mm以下でスラグ中濃度で1〜70wt%生成
させることを特徴とする粒鉄を利用する鋼スクラップの
溶解方法。
【0006】(2)上底吹き精錬炉により炭材を投入し
スラグを生成させながら鋼スクラップを溶解する方法に
おいて、底吹き羽口より0.01〜100Nm3 /hr
/スラグトンのガスを吹き込み、該スラグ層中に粒鉄を
1.0mm以下でスラグ中濃度で1〜70wt%生成さ
せることを特徴とする粒鉄を利用する鋼スクラップの溶
解方法。 (3)上吹き又は上底吹き精錬炉により炭材を投入しス
ラグを生成させながら鋼スクラップを溶解する方法にお
いて、上吹きランスをスラグ最下層から1/2の範囲に
浸漬させながら0.01〜100Nm3 /hr/スラグ
トンのガスを吹き込み、該スラグ層中に粒鉄を1.0m
m以下でスラグ中濃度で1〜70wt%生成させること
を特徴とする粒鉄を利用する鋼スクラップの溶解方法。
【0007】(4)炉中心部に位置する上吹きランス先
端から吹くガスの広がり角度及びランス高さから算出さ
れる上吹きガスと該スラグ表層部との衝突面の外周と、
炉壁との中点より炉壁側に相当する精錬炉の底部よりガ
スを吹き込むことを特徴とする粒鉄を利用する鋼スクラ
ップの溶解方法。 (5)上吹き又は上底吹き精錬炉により炭材を投入しス
ラグを生成させながら鋼スクラップを溶解する方法にお
いて、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法を用い
て、スラグ層において、スラグ下層は炉中心軸から炉内
壁へ移動し、炉内壁近傍では上昇流、スラグ上層は炉内
壁から炉中心軸に移動し、炉中心軸近傍では下降流とな
る循環流を生成させたことを特徴とする粒鉄を利用する
鋼スクラップの溶解方法。
【0008】(6)(5)記載の鋼スクラップの溶解方
法であって、スラグ層内の循環流の循環速度を0.01
〜60.0サイクル/minとしたことを特徴とする粒
鉄を利用する鋼スクラップの溶解方法。 (7)上吹き又は上底吹き精錬炉により炭材を投入しス
ラグを生成させながら鋼スクラップを溶解する方法であ
って、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法を用い
て、上吹き酸素ジェットの広がり角度を0〜10度の範
囲とし、炭材の投入位置を上吹き酸素ランス下端とする
ことを特徴とする粒鉄を利用する鋼スクラップの溶解方
法にある。
【0009】
【作用】以下、本発明について図面に従って詳細に説明
する。図1は本発明に係る鋼スクラップの精錬炉の側断
面図である。図1に示すように、上底吹き可能な、例え
ば転炉等の精錬炉1を用い、この中に鋼スクラップ等を
投入した後、例えば炉内の下方にある底吹き羽口2を通
してO2 ,N2 ,CO,CO2 などのガスの内必要に応
じて吹き込んで攪拌及びスクラップの溶解を行う。ま
た、炉腹にガス吹き込み用の横吹き羽口5を設けた上底
吹きの溶解炉を使用し、この精錬炉1の上部に上吹きラ
ンス6を備え、酸素上吹きランス6から酸素ガスを溶融
金属3上の溶融スラグ4に吹き付けてスクラップの溶解
を行う。この場合に、スラグ−溶融金属界面に相当する
位置の炉内壁に横吹き羽口5を少なくとも1個設け、こ
の横吹き羽口からガスを吹き込んで溶融金属湯面を激し
く攪拌してスラグ層と混合させながら溶融金属の一部を
スラグ層内に吹き飛ばす。吹き込むガスはO2 ,N2
CO,CO2 あるいはArなどの不活性ガスを用いるの
が良い。一方、炉底に少なくとも1個設けた底吹き羽口
2から粒鉄をスラグ層中に飛散させるために必要な攪拌
エネルギーを操業条件、例えば溶融金属重量や、浴深な
どから設定して最適な流量を吹き込む。
【0010】本発明においては、スラグ層中に粒鉄を存
在させることで着熱効率を改善するものである。すなわ
ち、従来行われていた粒鉄(スラグや炭材より熱伝達率
が良い)利用方法は、横あるいは底吹きガスによりスラ
グ−溶融金属界面を攪拌し、その時の剪断力によって溶
融金属表層部を分断させて粒鉄を生成させて、スラグ層
内あるいはスラグ層上方の空間に飛散させていた。しか
し、これでは上吹き酸素ジェットが直接あるいはスラグ
層内を浸透して粒鉄に衝突して、粒鉄が酸化・脱炭して
COガス発生源となって2次燃焼率を低下させてしまっ
ていた。さらに、上吹き酸素ジェットが強すぎてスラグ
層上面の火点部において、スラグ層は激しく攪乱されて
しまい、小さな粒鉄は沈降することなく滞留し、さらに
細かく分断されると同時に、長時間上吹き酸素ジェット
に曝されることになり、粒鉄中炭素が殆どなくなるまで
酸化・脱炭されて、この結果発生COガス総量は多くな
ってしまっていた。そこで実験をした結果、これを回避
する以下のポイントが判明した。
【0011】粒鉄量;粒鉄量をスラグ重量比で1〜7
0%の範囲にすることにより、酸化・脱炭された場合で
も発生COガス総量を低位に抑える。そのため粒鉄の生
成に必要な剪断力を低位に制限するように、剪断力の抵
抗となるスラグ重量との関係から横あるいは底吹きガス
量を0.01〜100(Nm3 /hr/スラグトン)と
する。
【0012】スラグ循環流;上記記載の方法に加え
て、スラグ層上方の火点およびその近傍で発生する熱
を、粒鉄に確実に伝達させるため、スラグ下層は炉中心
軸から炉内壁へ移動し、炉内壁近傍で上昇流になり、ス
ラグ上層は炉内壁から炉中心軸に移動し、炉中心軸およ
びその近傍では下降流となる循環流(以下、スラグ循環
流という)をスラグ層内に生じさせる。粒鉄をこのスラ
グ循環流に乗せてスラグ層内を循環させる。ここで、こ
のスラグ層内循環中の粒鉄と周囲に存在する物との関係
を説明する。生成直後の粒鉄は炉内壁近傍を上昇する
が、炉内壁と接触しても粒鉄の温度は溶融金属浴とほぼ
同じであること、及び炭素飽和であってFeOではない
から炉内壁耐火物を損傷しない。炉内壁から炉中心軸へ
移動する間は上吹き酸素ジェットから遠いため、比較的
酸化・脱炭が遅く、温度は徐々に上昇する。その際発生
するCOガスもスラグ層の循環流に沿って火点に移動し
て、上吹き酸素ジェットにより2次燃焼する。この2次
燃焼熱および火点での熱は、スラグ上層を移動する粒鉄
に伝わる。
【0013】粒鉄および溶融金属は溶銑(炭素飽和)に
しておけば、この酸化・脱炭過程で粒鉄が得る総熱量が
多くなるので好ましい。さらに、火点で、高温を受けな
がら四方から同様に移動・集合してきた粒鉄同士が合体
して、巨大化する。スラグ循環流は火点で下降流である
が、合体して巨大化するとスラグとの比重差から沈降速
度が増えるのにも助けられて確実に下降して、火点直下
の溶融金属浴内に沈降する。この時にFeOになってし
まっていると、スラグと反応してしまって沈降しない
し、熱伝達(着熱効率)も悪くなってしまうこともある
ので、スラグ循環流の速度は、炭素飽和粒鉄がFeOに
なるまでの時間内に1サイクル循環する必要がある。そ
の時間はスラグ層内には5wt%以上の炭材も存在して
いるため、通常の酸化・脱炭時間より長いが、実験的に
は0.1〜5分程度であるが、工業的には1分〜10分
であるので、循環流の主流速度は0.01〜60サイク
ル/minが好ましい。こうして粒鉄の加熱・酸化・脱
炭を確実に行わせ、粒鉄温度を溶融金属浴の温度より遙
かに(>+100℃)高くすることが可能となる。
【0014】粒鉄サイズ;粒鉄量をスラグ重量比1〜
70wt%以下とした時に、総熱量不足を回避するた
め、生成する粒鉄直径を1mm以下にして粒鉄界面積を
増大させる。同時に1mm以下にすることにより、粒鉄
の沈降速度は低下し、スラグ循環流のうちの上昇・水平
流に乗って移動し易く出来る。 上吹き酸素ジェット;従来のように上吹き酸素のみ、
あるいは横吹きガスを追加して粒鉄を飛ばす場合、酸素
ジェットが強すぎて前述のようなスラグ循環流は生じ
ず、特に火点においては激しく左右上下方向の乱流にな
ってしまっていた。この場合、粒鉄のスラグ層内滞留時
間は一定せず、二次燃焼率や着熱効率が高位に安定しな
い。従って、本発明においても、上吹き酸素ジェットを
弱めるか、あるいはスラグ層内の循環流を乱さないよう
に、スラグ層厚みを1〜100mmの範囲で必要に応じ
て厚くしたり、上吹き酸素ジェットの拡がり角度を1〜
10度の範囲で極力小さく(ゼロが望ましい)すること
が好ましい。この結果、スクラップ溶解操業中のスラグ
層には、粒鉄濃度、温度、炭材濃度や、あるいは酸素濃
度の異なる領域が幾つか形成されることになる。
【0015】スラグ層内における粒鉄炭素濃度分布お
よび炭材分布;粒鉄の炭素濃度は、スラグ層の炉内壁側
で飽和であり、上吹き酸素ジェットが直接粒鉄に当たっ
たり、上吹き酸素ジェットの浸透範囲内では炭素濃度は
低くなっている。上吹き酸素ジェットの量と流速および
スラグ層厚み、炉内径などにより決まるが、実験的には
スラグ層表面において、炉中心軸から炉内径に至る炉内
径線上の炉中心軸側から4分の1〜炉内壁の間の範囲で
はほぼ炭素飽和である。これと同時に、上吹き酸素ジェ
ットによる燃焼する熱源としてスラグ層内に存在させる
炭材は、火点近傍に限定するのが着熱効率向上の点、お
よび炉内壁保護の点で好ましい。上吹き酸素ジェットの
直接スラグ層表面に衝突する範囲あるいは上吹き酸素ジ
ェットがスラグ層内で浸透する範囲にうち、どちらか広
い方の範囲は炭材濃度(スラグ重量比で2wt%以上)
が良い。 以上を成立させるためには、種々の手段が考えられる
が、最も簡便で且つ確実な手段は本発明の横吹き、ある
いは底吹くガスの吹き込み方法である。強制的にスラグ
を攪拌する方法は、そのための治具に熱を奪われて好ま
しくない。電磁力も粒鉄があるから利用可能であるが安
定しないし、コストが高い。
【0016】すなわち、スラグ−溶融金属界面に水平又
は斜め上部に吹き込むことにより、比較的少量の吹き込
み量によってスラグ層中に粒鉄を存在させること出来
る。そこで吹き込み量としては、粒鉄の比重とスラグフ
ォーミングの関係から最適条件として、0.01〜10
0Nm3 /hr/スラグトンとした。しかも、横吹き羽
口を使用することによりガスを吹き込んで溶融金属浴面
の金属をスラグ層内に吹き飛ばすものである。しかし、
0.01Nm3 /hr/スラグトン未満でな上記効果を
達成することが出来ず、また、100Nm3 /hr/ス
ラグトンを超えるとスラグ中濃度が高くなり過ぎて2次
燃焼率が低下する。なお、横吹き上部角度θは、0°<
θ<90°、生成する循環流範囲から好ましくは30°
<θ<90°である。
【0017】更には、鉄粒径を1.0mm以下とし、ス
ラグ中濃度で1〜70wt%生成させるものである。鉄
粒径を1.0mm以下とした理由は粒鉄の比表面積を大
きくして熱効率を向上するためと、スラグ層内循環流に
乗り易くするためで、1.0mmを超える大きさである
と粒鉄の比重はスラグの3〜7倍あって沈降し易く、ス
ラグ層内循環流から外れて沈降するのを阻止することが
出来ず、スラグ層中の存在濃度を1〜70wt%に保持
することが出来ないからである。また、スラグ中の粒鉄
濃度を1〜70wt%とした理由は2次燃焼率と着熱効
率との関係から両者のバランス上実験的に決めたもの
で、スラグ濃度を1wt%未満であると目的とする着熱
効果を得ることが出来ず、また、70wt%を超えると
2次燃焼率が低下するからである。次に、上吹きランス
をスラグ最下層から1/2の範囲に浸漬させながら、ガ
スを吹き込む理由は上吹きランスからの吹込む酸素ガス
がスラグ−溶融金属界面に到達するようにするためで、
スラグ厚みLsoに対して吹込むガスによってスラグ層
の凹み深さLsが0.8<Ls/Lso<1.2の範囲
を保持するためである。
【0018】図2は本発明に係る他の実施例を示す精錬
炉の側断面図である。図2に示すように、上底吹き精錬
炉1において、精錬炉1の中心部に位置する上吹きラン
ス6先端径dから吹くガスの広がり角度θ及びランス高
さHLとすると、1/2d+HL+tan2θの関係か
ら上吹きガスとスラグ表層部との衝突面(火点)の外周
を求める。この外周点Pと精錬炉1の底吹き羽口2より
吹き込む位置を外周点Pと炉壁の中間に設置させるもの
である。これによって、上吹きランスよりの吹込みガス
と底吹きガスとが干渉せずにスラグ層内の循環流を作
り、粒鉄飛散効率を高めるものである。
【0019】
【実施例】鋼スクラップ溶解において、底吹き羽口から
浴深1m溶湯中に1.0〜100Nm3 /hrの範囲で
流量を変動させながら、スラグ中FeO濃度が3.0w
t%一定になるように随時分析しながら操業した。スラ
グ重量は1〜100トンであった。スラグ中に飛ばす粒
鉄の径を0.1mmφにするために、上吹き酸素による
スラグ表層の窪み部に、底吹き羽口から吹き込むガスの
広がりの外周が交差するような位置に底吹き羽口を配
し、底吹き羽口から吹き込むガスの背圧を20kg/c
2 に上げて吹き込んだ。粒鉄はスラグ中に15wt%
生成した。この結果、二次燃焼率を70%にまで上げて
も、着熱効率は落ちず、98%を維持できた。これに対
して比較例として底吹き羽口を配し、底吹き羽口から酸
素及び炭材、鉄鉱石を吹き込み側壁の湯面上のスラグ位
置に複数の2次燃焼用横吹き羽口を設け、この横吹き羽
口より吹き込んだときの2次燃焼率70%の時、着熱効
率は90%に落ちた。このように通常の上底吹き転炉に
て横吹き羽口を用いて側壁より吹き込んだときの着熱効
率は90%程度であることが判る。
【0020】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による着熱効
率を上げるために高温ガスと溶融金属との間にあるスラ
グ層内に伝熱媒体である粒鉄を大量に分布させることで
2次燃焼率を低下させることなく、2次燃焼によって発
生した熱を溶融金属に効率良く着熱させることが出来、
スクラップ溶解による溶融金属の生産性の向上並びに高
いエネルギー効率を維持出来る等優れた効果を有するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鋼スクラップの精錬炉の側断面
図、
【図2】本発明に係る他の実施例を示す精錬炉の側断面
図である。
【符号の説明】
1 精錬炉 2 底吹き羽口 3 溶融金属 4 溶融スラグ 5 横吹き羽口 6 上吹きランス

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上吹き又は上底吹き精錬炉により炭材を
    投入しスラグを生成させながら鋼スクラップを溶解する
    方法において、炉壁に設けた横吹き羽口によりスラグ−
    溶融金属界面に0.01〜100Nm3 /hr/スラグ
    トンのガスを水平又は斜め上方に吹き込み、該スラグ層
    中に粒鉄を1.0mm以下でスラグ中濃度で1〜70w
    t%生成させることを特徴とする粒鉄を利用する鋼スク
    ラップの溶解方法。
  2. 【請求項2】 上底吹き精錬炉により炭材を投入しスラ
    グを生成させながら鋼スクラップを溶解する方法におい
    て、底吹き羽口より0.01〜100Nm3/hr/ス
    ラグトンのガスを吹き込み、該スラグ層中に粒鉄を1.
    0mm以下でスラグ中濃度で1〜70wt%生成させる
    ことを特徴とする粒鉄を利用する鋼スクラップの溶解方
    法。
  3. 【請求項3】 上吹き又は上底吹き精錬炉により炭材を
    投入しスラグを生成させながら鋼スクラップを溶解する
    方法において、上吹きランスをスラグ最下層から1/2
    の範囲に浸漬させながら0.01〜100Nm3 /hr
    /スラグトンのガスを吹き込み、該スラグ層中に粒鉄を
    1.0mm以下でスラグ中濃度で1〜70wt%生成さ
    せることを特徴とする粒鉄を利用する鋼スクラップの溶
    解方法
  4. 【請求項4】 炉中心部に位置する上吹きランス先端か
    ら吹くガスの広がり角度及びランス高さから算出される
    上吹きガスと該スラグ表層部との衝突面の外周と、炉壁
    との中点より炉壁側に相当する精錬炉の底部よりガスを
    吹き込むことを特徴とする粒鉄を利用する鋼スクラップ
    の溶解方法。
  5. 【請求項5】 上吹き又は上底吹き精錬炉により炭材を
    投入しスラグを生成させながら鋼スクラップを溶解する
    方法において、請求項1〜4のいずれかに記載の方法を
    用いて、スラグ層において、スラグ下層は炉中心軸から
    炉内壁へ移動し、炉内壁近傍では上昇流、スラグ上層は
    炉内壁から炉中心軸に移動し、炉中心軸近傍では下降流
    となる循環流を生成させたことを特徴とする粒鉄を利用
    する鋼スクラップの溶解方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の鋼スクラップの溶解方法
    であって、スラグ層内の循環流の循環速度を0.01〜
    60.0サイクル/minとしたことを特徴とする粒鉄
    を利用する鋼スクラップの溶解方法。
  7. 【請求項7】 上吹き又は上底吹き精錬炉により炭材を
    投入しスラグを生成させながら鋼スクラップを溶解する
    方法であって、請求項1〜5のいずれかに記載の方法を
    用いて、上吹き酸素ジェットの拡がり角度を0〜10度
    の範囲とし、炭材の投入位置を上吹き酸素ランス下端と
    することを特徴とする粒鉄を利用する鋼スクラップの溶
    解方法。
JP10417595A 1995-04-27 1995-04-27 粒鉄を利用する鋼スクラップの溶解方法 Pending JPH08295915A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102732669A (zh) * 2012-06-21 2012-10-17 莱芜钢铁集团有限公司 转炉除脱磷渣的辅助装置和吹气辅助除脱磷渣的方法
CN114686641A (zh) * 2020-12-28 2022-07-01 河北龙凤山铸业有限公司 一种顶底侧多点吹氧提纯转炉和方法

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