JPH08295526A - 高強度ロックウール及びその製造方法 - Google Patents
高強度ロックウール及びその製造方法Info
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- JPH08295526A JPH08295526A JP7124544A JP12454495A JPH08295526A JP H08295526 A JPH08295526 A JP H08295526A JP 7124544 A JP7124544 A JP 7124544A JP 12454495 A JP12454495 A JP 12454495A JP H08295526 A JPH08295526 A JP H08295526A
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B5/00—Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture
- C03B5/16—Special features of the melting process; Auxiliary means specially adapted for glass-melting furnaces
- C03B5/18—Stirring devices; Homogenisation
- C03B5/187—Stirring devices; Homogenisation with moving elements
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- C03B5/18—Stirring devices; Homogenisation
- C03B5/193—Stirring devices; Homogenisation using gas, e.g. bubblers
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B5/00—Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture
- C03B5/16—Special features of the melting process; Auxiliary means specially adapted for glass-melting furnaces
- C03B5/235—Heating the glass
- C03B5/2353—Heating the glass by combustion with pure oxygen or oxygen-enriched air, e.g. using oxy-fuel burners or oxygen lances
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P40/00—Technologies relating to the processing of minerals
- Y02P40/50—Glass production, e.g. reusing waste heat during processing or shaping
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高強度を有するロックウールとそれを製造す
る方法の提供。 【構成】 高炉スラグや天然石をキュポラに投入・溶融
してスラグウール、ロックウールを製造するに際し、キ
ュポラの前炉に、空気ないし酸化性ガスの微細な気泡を
多数発生させて溶湯を酸化させて後、高速回転体で繊維
化する高強度ロックウールの製造方法とその製造方法に
よって製造された高強度ロックウール。
る方法の提供。 【構成】 高炉スラグや天然石をキュポラに投入・溶融
してスラグウール、ロックウールを製造するに際し、キ
ュポラの前炉に、空気ないし酸化性ガスの微細な気泡を
多数発生させて溶湯を酸化させて後、高速回転体で繊維
化する高強度ロックウールの製造方法とその製造方法に
よって製造された高強度ロックウール。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、断熱材、吸音内装材及
び各種補強繊維などに利用するのに良好な、不純物含有
量が少なく、高強度を有するロックウール及びその製造
方法に関する。
び各種補強繊維などに利用するのに良好な、不純物含有
量が少なく、高強度を有するロックウール及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ロックウールは高炉スラグや天然石等の
原料をキュポラ乃至電気炉で溶融し、繊維化することに
より製造される。キュポラで溶融する場合は高炉スラグ
や天然石等の原料に成分調整用の副原料としてケイ石な
どをコークスと共にキュポラ上部より供給し、下部より
空気乃至酸素添加空気を吹き込み、燃焼させることによ
って溶融する。また電気炉で溶融する方法は、高炉で発
生した溶融スラグを電気炉へホットチャージし、ランス
を介してケイ砂等の成分調整剤を不活性ガスと共に溶融
スラグに吹き込み、溶湯をバブリングして、ケイ砂の溶
融と組成の均質化を行っている。
原料をキュポラ乃至電気炉で溶融し、繊維化することに
より製造される。キュポラで溶融する場合は高炉スラグ
や天然石等の原料に成分調整用の副原料としてケイ石な
どをコークスと共にキュポラ上部より供給し、下部より
空気乃至酸素添加空気を吹き込み、燃焼させることによ
って溶融する。また電気炉で溶融する方法は、高炉で発
生した溶融スラグを電気炉へホットチャージし、ランス
を介してケイ砂等の成分調整剤を不活性ガスと共に溶融
スラグに吹き込み、溶湯をバブリングして、ケイ砂の溶
融と組成の均質化を行っている。
【0003】キュポラで溶融する場合は、溶融物が重力
の作用でキュポラ内を極めて短時間、実測例では15分
程度で流れるため、溶融が不十分であり、脱泡や均質化
がはなはだ不十分の上、キュポラ内が還元性であるた
め、原料中に存在する金属鉄、リン化鉄、硫化鉄、硫黄
等の不純物や添加したコークスの残存炭素などが酸化さ
れずに存在するため、溶湯の品質は著しく悪く、これら
の溶湯から繊維化されたロックウール繊維中には多数の
金属鉄、リン化鉄、硫化鉄、硫黄、炭素等の不純物及び
気泡、筋等の溶融欠点が存在するため、折れやすい上、
繊維の強度が低く、柔軟性に乏しく、ショット含有率の
高いロックウールが形成され、品質上の問題が多分にあ
った。一方、高炉の溶融スラグを電気炉にホットチャー
ジして成分調整し、繊維化する方式では、キュポラで製
造されるロックウールよりは、品質が幾分よいものの、
金属鉄などの不純物及び気泡、筋等の溶融欠点の問題が
解決されず、ロックウールの繊維強度などは依然として
低い状態であった。
の作用でキュポラ内を極めて短時間、実測例では15分
程度で流れるため、溶融が不十分であり、脱泡や均質化
がはなはだ不十分の上、キュポラ内が還元性であるた
め、原料中に存在する金属鉄、リン化鉄、硫化鉄、硫黄
等の不純物や添加したコークスの残存炭素などが酸化さ
れずに存在するため、溶湯の品質は著しく悪く、これら
の溶湯から繊維化されたロックウール繊維中には多数の
金属鉄、リン化鉄、硫化鉄、硫黄、炭素等の不純物及び
気泡、筋等の溶融欠点が存在するため、折れやすい上、
繊維の強度が低く、柔軟性に乏しく、ショット含有率の
高いロックウールが形成され、品質上の問題が多分にあ
った。一方、高炉の溶融スラグを電気炉にホットチャー
ジして成分調整し、繊維化する方式では、キュポラで製
造されるロックウールよりは、品質が幾分よいものの、
金属鉄などの不純物及び気泡、筋等の溶融欠点の問題が
解決されず、ロックウールの繊維強度などは依然として
低い状態であった。
【0004】ロックウールを高強度化して、断熱材の曲
げ強度の向上、圧縮復元率の増大及び低密度化、複合材
として利用する際の補強効果を増大する試みは、特開平
3−12342号あるいは特開平5−43265号に見
られるように、溶融あるいはコールド高炉スラグ原料に
成分調整剤を添加して電気炉で溶融した後、炉内に15
分以上滞留させ、脱泡を進め、その後、溶湯を高速回転
体で繊維化する方法が知られている。しかし、このよう
にして得られたロックウールは単繊維の引張強度が10
0kg/mm2 程度と依然低い。滞留時間を大幅に長く
すれば繊維強度は向上するが、炉内に長時間滞留するこ
とはエネルギーコストや耐火物による汚染等から得策と
は言えず、従来通りの安価なロックウールの製造は不可
能になる。
げ強度の向上、圧縮復元率の増大及び低密度化、複合材
として利用する際の補強効果を増大する試みは、特開平
3−12342号あるいは特開平5−43265号に見
られるように、溶融あるいはコールド高炉スラグ原料に
成分調整剤を添加して電気炉で溶融した後、炉内に15
分以上滞留させ、脱泡を進め、その後、溶湯を高速回転
体で繊維化する方法が知られている。しかし、このよう
にして得られたロックウールは単繊維の引張強度が10
0kg/mm2 程度と依然低い。滞留時間を大幅に長く
すれば繊維強度は向上するが、炉内に長時間滞留するこ
とはエネルギーコストや耐火物による汚染等から得策と
は言えず、従来通りの安価なロックウールの製造は不可
能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の従来
技術の問題点を解決し、断熱材、吸音内装材及び各種補
強材等に利用するのに良好な、不純物含有量が少なく、
高強度を有するロックウール及びその製造方法を提供す
ることを課題とする。
技術の問題点を解決し、断熱材、吸音内装材及び各種補
強材等に利用するのに良好な、不純物含有量が少なく、
高強度を有するロックウール及びその製造方法を提供す
ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、キュポラ
で溶融され、繊維化された現行のロックウール中に多数
存在する非酸化物系の微小な不純物や溶湯中の気泡及び
不均質等がロックウールの強度を脆弱にしていること、
また従来のコークスを使用したキュポラ、あるいはカー
ボン電極を使用した電気炉では還元雰囲気化で溶融され
るため非酸化物系の不純物は酸化されない状態でロック
ウールに含有されることを見出だし、ロックウールを高
強度化するには、これら非酸化物系の不純物を酸化さ
せ、ガス状物質として散失させるか、酸化物として溶湯
中に溶解させることが大きな要因であると考えた。非酸
化物系の不純物としては、特に金属鉄、リン化鉄、硫化
鉄、硫黄、炭素等であり、金属鉄(リン化鉄、硫化鉄を
含む)0.05〜0.20重量%、全硫黄分0.2〜
0.5重量%、全炭素分0.8〜0.20重量%が、現
行のキュポラ溶湯から繊維化されたロックウール中に含
まれていることがわかった。そこで各種の実験を試み、
誠意検討した結果、本発明を完成させた。すなわち、前
記課題は高炉スラグや天然石をキュポラに投入・溶融し
てスラグウール、ロックウールを製造するに際し、キュ
ポラの前炉に、空気ないし酸化性ガスの微細な気泡を多
数発生させて、溶湯中の金属鉄、リン化鉄、硫化鉄、硫
黄、炭素等の溶融欠点を酸化させることによって溶湯を
改質した後、高速回転体で繊維化して得られる高強度ロ
ックウール及びその製造方法によって解決される。以下
本発明の詳細を説明する。
で溶融され、繊維化された現行のロックウール中に多数
存在する非酸化物系の微小な不純物や溶湯中の気泡及び
不均質等がロックウールの強度を脆弱にしていること、
また従来のコークスを使用したキュポラ、あるいはカー
ボン電極を使用した電気炉では還元雰囲気化で溶融され
るため非酸化物系の不純物は酸化されない状態でロック
ウールに含有されることを見出だし、ロックウールを高
強度化するには、これら非酸化物系の不純物を酸化さ
せ、ガス状物質として散失させるか、酸化物として溶湯
中に溶解させることが大きな要因であると考えた。非酸
化物系の不純物としては、特に金属鉄、リン化鉄、硫化
鉄、硫黄、炭素等であり、金属鉄(リン化鉄、硫化鉄を
含む)0.05〜0.20重量%、全硫黄分0.2〜
0.5重量%、全炭素分0.8〜0.20重量%が、現
行のキュポラ溶湯から繊維化されたロックウール中に含
まれていることがわかった。そこで各種の実験を試み、
誠意検討した結果、本発明を完成させた。すなわち、前
記課題は高炉スラグや天然石をキュポラに投入・溶融し
てスラグウール、ロックウールを製造するに際し、キュ
ポラの前炉に、空気ないし酸化性ガスの微細な気泡を多
数発生させて、溶湯中の金属鉄、リン化鉄、硫化鉄、硫
黄、炭素等の溶融欠点を酸化させることによって溶湯を
改質した後、高速回転体で繊維化して得られる高強度ロ
ックウール及びその製造方法によって解決される。以下
本発明の詳細を説明する。
【0007】本発明のロックウールは、主成分がSiO
2 35〜55重量%、Al2 O35〜15重量%、C
aO 10〜40重量%、MgO 5〜35重量%と従
来通りの組成であるが、非酸化物系の不純物である、金
属鉄、リン化鉄、硫化鉄、硫黄、炭素の含有量が従来の
ロックウールに比べて極端に少なく、単繊維の引張強度
が190kg/mm2 以上の高強度を有するウール状の
繊維である。
2 35〜55重量%、Al2 O35〜15重量%、C
aO 10〜40重量%、MgO 5〜35重量%と従
来通りの組成であるが、非酸化物系の不純物である、金
属鉄、リン化鉄、硫化鉄、硫黄、炭素の含有量が従来の
ロックウールに比べて極端に少なく、単繊維の引張強度
が190kg/mm2 以上の高強度を有するウール状の
繊維である。
【0008】本発明のロックウールは、以下のようにし
て製造される。即ち、高炉スラグや天然石などの主原料
にケイ石などの成分調整剤及び加熱源であるコークスを
所定量計量してキュポラの頂部より供給し、下部より空
気ないし酸素添加空気を吹き込み、コークスを燃焼させ
ることによって原料を溶融する。キュポラ内を重力に順
じて流れ下り、出湯口を経てキュポラと連通する前炉に
至る。この段階では溶湯は還元状態のキュポラ内を極め
て短時間に通過してきたため、溶融が不十分であり、脱
泡や均質化がはなはだ不十分の上、酸化されてない金属
鉄、リン化鉄、硫化鉄、硫黄、炭素等の溶融欠点が多量
に含まれている。これら各種の溶融欠点を消滅するため
に、前炉に空気ないし酸化性ガスの微細な気泡を多数発
生させ、それらが浮上する過程で気泡中の酸素を溶湯に
移動させることによって、溶湯中の溶融欠点の酸化を促
進させる。更に空気ないし酸化性ガスの微細な気泡が溶
湯中を浮上する過程で、溶湯を攪拌させることによって
溶湯の組成上の不均質部分が均質化され、かつ、浮上す
る泡が溶湯中に存在していた各種泡(H2 、CO、H2
S等)を統合し浮上・脱泡する効果も得られる。これら
の溶融欠点が大幅に改善された溶湯は高速回転体で繊維
化され、ロックウールが形成される。
て製造される。即ち、高炉スラグや天然石などの主原料
にケイ石などの成分調整剤及び加熱源であるコークスを
所定量計量してキュポラの頂部より供給し、下部より空
気ないし酸素添加空気を吹き込み、コークスを燃焼させ
ることによって原料を溶融する。キュポラ内を重力に順
じて流れ下り、出湯口を経てキュポラと連通する前炉に
至る。この段階では溶湯は還元状態のキュポラ内を極め
て短時間に通過してきたため、溶融が不十分であり、脱
泡や均質化がはなはだ不十分の上、酸化されてない金属
鉄、リン化鉄、硫化鉄、硫黄、炭素等の溶融欠点が多量
に含まれている。これら各種の溶融欠点を消滅するため
に、前炉に空気ないし酸化性ガスの微細な気泡を多数発
生させ、それらが浮上する過程で気泡中の酸素を溶湯に
移動させることによって、溶湯中の溶融欠点の酸化を促
進させる。更に空気ないし酸化性ガスの微細な気泡が溶
湯中を浮上する過程で、溶湯を攪拌させることによって
溶湯の組成上の不均質部分が均質化され、かつ、浮上す
る泡が溶湯中に存在していた各種泡(H2 、CO、H2
S等)を統合し浮上・脱泡する効果も得られる。これら
の溶融欠点が大幅に改善された溶湯は高速回転体で繊維
化され、ロックウールが形成される。
【0009】本発明の酸化性ガスとは酸素及び酸素富化
した空気である。酸素濃度は溶湯の流出量、気泡の大き
さ、気泡の数量、溶湯の温度、前炉の容量、投入ガス
量、投入ガスによる冷却効果、酸素ガス価格等によって
決められるが、酸素ガス価格が安い場合は、導入ガスの
酸素濃度が高いことが望ましい。重要なことは、溶湯が
酸化性ガスと広く、充分に接触することであり、そのた
めに酸化性ガスの微細な気泡を多数つくり、ゆっくり浮
上させることが必要である。単にパイプの先端に孔を開
け、気体を圧送して溶湯中に発泡させるだけでは、大き
な泡がブクブクと急速に溶湯中を浮上してしまい前述し
た溶湯欠点の酸化は期待できないばかりか、溶湯を急速
に冷却して熱損失を大きくし、それをカバーするために
前炉にガスないし電力を大量に供給して加熱する必要が
出てくる。
した空気である。酸素濃度は溶湯の流出量、気泡の大き
さ、気泡の数量、溶湯の温度、前炉の容量、投入ガス
量、投入ガスによる冷却効果、酸素ガス価格等によって
決められるが、酸素ガス価格が安い場合は、導入ガスの
酸素濃度が高いことが望ましい。重要なことは、溶湯が
酸化性ガスと広く、充分に接触することであり、そのた
めに酸化性ガスの微細な気泡を多数つくり、ゆっくり浮
上させることが必要である。単にパイプの先端に孔を開
け、気体を圧送して溶湯中に発泡させるだけでは、大き
な泡がブクブクと急速に溶湯中を浮上してしまい前述し
た溶湯欠点の酸化は期待できないばかりか、溶湯を急速
に冷却して熱損失を大きくし、それをカバーするために
前炉にガスないし電力を大量に供給して加熱する必要が
出てくる。
【0010】本発明者らは、誠意実験を重ねた結果、水
冷式回転ノズルガス吹き込み装置が導入ガス量を少なく
して、微細な気泡を多数発生させることができ、溶融欠
点の酸化の促進及び脱泡、均質化に有効であることを見
出だした。
冷式回転ノズルガス吹き込み装置が導入ガス量を少なく
して、微細な気泡を多数発生させることができ、溶融欠
点の酸化の促進及び脱泡、均質化に有効であることを見
出だした。
【0011】
【作用】以下、これら手段たる構成並びにその作用を図
面により詳しく説明する。第1図において、キュポラ本
体1は水冷ジャケット製の炉壁1、炉底3より構成さ
れ、原料石4及びコークス5がキュポラ頂部より投入さ
れ、コークス5は燃焼空気吹き込み管より吹き込まれる
空気により燃焼し原料石4を溶融する。溶融された溶湯
7及び溶融欠点8は溶湯出口9を経て前炉10に流入
し、前炉10に設置された水冷式回転ノズルガス吹き込
み装置11から発生する微細泡12と接触することによ
って、溶湯7及び溶融欠点8が酸化され、ガスとして散
失ないし酸化物として溶湯に溶け込み改質された溶湯と
なり、出湯口13から排出される。水冷式回転ノズルガ
ス吹き込み装置11は回転シャフト14の先端に回転ノ
ズル15を有し、水冷(図示なし)で保護されている。
面により詳しく説明する。第1図において、キュポラ本
体1は水冷ジャケット製の炉壁1、炉底3より構成さ
れ、原料石4及びコークス5がキュポラ頂部より投入さ
れ、コークス5は燃焼空気吹き込み管より吹き込まれる
空気により燃焼し原料石4を溶融する。溶融された溶湯
7及び溶融欠点8は溶湯出口9を経て前炉10に流入
し、前炉10に設置された水冷式回転ノズルガス吹き込
み装置11から発生する微細泡12と接触することによ
って、溶湯7及び溶融欠点8が酸化され、ガスとして散
失ないし酸化物として溶湯に溶け込み改質された溶湯と
なり、出湯口13から排出される。水冷式回転ノズルガ
ス吹き込み装置11は回転シャフト14の先端に回転ノ
ズル15を有し、水冷(図示なし)で保護されている。
【0012】本発明の高強度ロックウールは、繊維強度
の脆弱化の原因である金属鉄、リン化鉄、硫化鉄、硫
黄、炭素等の不純物の含有量が金属鉄分(リン化鉄、硫
化鉄を含む)0.05重量%以下、全硫黄分0.10重
量%以下、全炭素分0.10重量%以下と極めて少ない
ので、単繊維の引張強度が190kg/mm2 以上の高
強度ロックウールとなる。本発明の高強度ロックウール
に含まれる不純物が極めて少なく、脱泡や均質化状態が
良好であることは、成分の化学分析により確認できる
が、簡易的には実施例の試験結果に示されている通り、
肉眼及び顕微鏡観察によっても容易に確認することがで
きる。
の脆弱化の原因である金属鉄、リン化鉄、硫化鉄、硫
黄、炭素等の不純物の含有量が金属鉄分(リン化鉄、硫
化鉄を含む)0.05重量%以下、全硫黄分0.10重
量%以下、全炭素分0.10重量%以下と極めて少ない
ので、単繊維の引張強度が190kg/mm2 以上の高
強度ロックウールとなる。本発明の高強度ロックウール
に含まれる不純物が極めて少なく、脱泡や均質化状態が
良好であることは、成分の化学分析により確認できる
が、簡易的には実施例の試験結果に示されている通り、
肉眼及び顕微鏡観察によっても容易に確認することがで
きる。
【0013】
[実施例1]4トン/時間の引上量を持つキュポラに約
1トンの溶湯を持つ前炉を設置し、前炉の天井穴より2
対の水冷式回転ノズルガス吹き込み装置を取り付け、ノ
ズル回転数1000rpm、酸素供給量各30リットル
/分で運転して得た溶湯を高速回転で繊維化し平均繊維
径4μmのロックウールを得た。
1トンの溶湯を持つ前炉を設置し、前炉の天井穴より2
対の水冷式回転ノズルガス吹き込み装置を取り付け、ノ
ズル回転数1000rpm、酸素供給量各30リットル
/分で運転して得た溶湯を高速回転で繊維化し平均繊維
径4μmのロックウールを得た。
【0014】[比較例]水冷式回転ノズルガス吹き込み
装置を持たない以外は、実施例と同様にして溶湯を高速
回転体で繊維化して平均繊維径4μmの比較用のロック
ウールを得た。
装置を持たない以外は、実施例と同様にして溶湯を高速
回転体で繊維化して平均繊維径4μmの比較用のロック
ウールを得た。
【0015】[試験1]実施例1及び比較例1におい
て、前炉の出湯口から得た溶湯を急冷した生地の肉眼観
察及び顕微鏡観察の結果を表1に示した。
て、前炉の出湯口から得た溶湯を急冷した生地の肉眼観
察及び顕微鏡観察の結果を表1に示した。
【0016】
【表1】
【0017】[試験2]実施例1及び比較例1におい
て、前炉の出湯口から得た溶湯を高速回転体で繊維化し
て得たロックウールの化学組成の測定結果を表2に示し
た。
て、前炉の出湯口から得た溶湯を高速回転体で繊維化し
て得たロックウールの化学組成の測定結果を表2に示し
た。
【0018】
【表2】
【0019】[試験3]実施例1及び比較例1におい
て、高速回転体で繊維化して得たロックウールの引張強
度及びそのロックウール100重量部に対しフェノール
樹脂を2重量部の割合で吹き付け、乾燥固化して得た密
度100kg/m3 、厚さ50mmのロックウール断熱
材の曲げ強度を測定し表3に示した。
て、高速回転体で繊維化して得たロックウールの引張強
度及びそのロックウール100重量部に対しフェノール
樹脂を2重量部の割合で吹き付け、乾燥固化して得た密
度100kg/m3 、厚さ50mmのロックウール断熱
材の曲げ強度を測定し表3に示した。
【0020】
【表3】
【0021】
【発明の効果】本発明に係わる高強度ロックウールは、
表2から分かるとうり、その組成は金属鉄、全硫黄、全
炭素等の不純物含有量が、従来のキュポラで溶融され繊
維化されたロックウールに比べ、1/6〜1/2と少な
く、かつ溶湯は清澄、均質化され改質されており、この
改質された溶湯を使用して繊維化されたロックウールの
引張強度は、改質前の溶湯から繊維化されたロックウー
ルと比較して約3倍の190kg/mm2 を越える高い
引張強度を有する。また、本発明の高強度ロックウール
の製造方法は、新規設備への設置はもとより、既存のキ
ュポラの前炉を改造して、水冷式回転ノズルガス吹き込
み装置は従来の前炉を少し拡大する程度で容易に取り付
けることができるが、この装置を設置せずに、同じ効果
を得ようとすると、前炉の容量を、極端に大きくして溶
湯の滞在時間を5〜6時間と全く採算に合わない程度に
する必要がある。このように、本発明の高強度ロックウ
ールを断熱材、吸音内装材及び各種補強繊維等に使用す
ると曲げ強度等の品質特性及び経済的面から大きな効果
が得られる。
表2から分かるとうり、その組成は金属鉄、全硫黄、全
炭素等の不純物含有量が、従来のキュポラで溶融され繊
維化されたロックウールに比べ、1/6〜1/2と少な
く、かつ溶湯は清澄、均質化され改質されており、この
改質された溶湯を使用して繊維化されたロックウールの
引張強度は、改質前の溶湯から繊維化されたロックウー
ルと比較して約3倍の190kg/mm2 を越える高い
引張強度を有する。また、本発明の高強度ロックウール
の製造方法は、新規設備への設置はもとより、既存のキ
ュポラの前炉を改造して、水冷式回転ノズルガス吹き込
み装置は従来の前炉を少し拡大する程度で容易に取り付
けることができるが、この装置を設置せずに、同じ効果
を得ようとすると、前炉の容量を、極端に大きくして溶
湯の滞在時間を5〜6時間と全く採算に合わない程度に
する必要がある。このように、本発明の高強度ロックウ
ールを断熱材、吸音内装材及び各種補強繊維等に使用す
ると曲げ強度等の品質特性及び経済的面から大きな効果
が得られる。
【図1】本発明に係わる方法を実施するのに用いられる
装置の一例のフローシート。
装置の一例のフローシート。
1:キュポラ本体 2:炉壁 3:炉底 4:原料石 5:コークス 6:燃焼空気吹込管 7:溶湯 8:溶融欠点 9:溶湯出口 10:前炉 11:水冷式回転ノズルガス吹き込み装置 12:微細泡 13:出湯口 14:回転シャフト 15:回転ノズル
Claims (6)
- 【請求項1】 高炉スラグや天然石をキュポラに投入・
溶融してスラグウール、ロックウールを製造するに際
し、キュポラの前炉に、空気ないし酸化性ガスの微細な
気泡を多数発生させて溶湯を酸化させて後、高速回転体
で繊維化したことを特徴とする高強度ロックウール。 - 【請求項2】 酸化性ガスが酸素、酸素富化空気である
ことを特徴とする請求項1記載の高強度ロックウール。 - 【請求項3】 ロックウール繊維の全組成成分中、金属
鉄分(リン化鉄、硫化鉄を含む)0.05重量%以下、
全硫黄分0.10重量%以下、全炭素分0.10重量%
以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の高強
度ロックウール。 - 【請求項4】 高炉スラグや天然石をキュポラに投入・
溶融してスラグウール、ロックウールを製造するに際
し、キュポラの前炉に、空気ないし酸化性ガスの微細な
気泡を多数発生させて溶湯を酸化させて後、高速回転体
で繊維化したことを特徴とする高強度ロックウールの製
造方法。 - 【請求項5】 空気ないし酸化性ガスを水冷式回転ノズ
ルガス吹き込み装置によって溶湯中に吹き込み、微細な
気泡を多数発生させることを特徴とする請求項4記載の
高強度ロックウールの製造方法。 - 【請求項6】 請求項1乃至3記載の高強度ロックウー
ルを使用したことを特徴とする断熱材又は吸音内装材。
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---|---|---|---|
JP12454495A JP3173323B2 (ja) | 1995-04-26 | 1995-04-26 | 高強度ロックウール及びその製造方法 |
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JP (1) | JP3173323B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101839623A (zh) * | 2010-04-26 | 2010-09-22 | 南昌大学 | 用于岩棉生产的冲天炉 |
CN103981594A (zh) * | 2014-05-14 | 2014-08-13 | 江西省科学院应用化学研究所 | 一种利用建筑垃圾制备无机纤维的方法 |
CN112159113A (zh) * | 2020-10-10 | 2021-01-01 | 安徽岩棉建材科技有限公司 | 一种高强度阻燃黑岩棉及其制备方法 |
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1995
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