JPH08295255A - ラックアンドピニオン形動力舵取装置 - Google Patents

ラックアンドピニオン形動力舵取装置

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JPH08295255A
JPH08295255A JP10491295A JP10491295A JPH08295255A JP H08295255 A JPH08295255 A JP H08295255A JP 10491295 A JP10491295 A JP 10491295A JP 10491295 A JP10491295 A JP 10491295A JP H08295255 A JPH08295255 A JP H08295255A
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piston
cylinder
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rigid ring
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恭輔 芳賀
Mikio Suzuki
幹夫 鈴木
Kenichi Fukumura
健一 福村
Hisashi Ogami
尚志 大上
Hideaki Sugiyama
秀明 杉山
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Toyoda Koki KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ピストンのストロークエンド付近において圧抜
きを行えるようにしたラックアンドピニオン形動力舵取
装置において、圧抜き時に高圧側のシリンダ室から連通
溝に作動油が流入する際に発生するシュー音を低減する
ことを目的とする。 【構成】ピストン5を、ラック軸2上に固着されたピス
トン本体17と、このピストン本体17の外周にOリン
グ18及びテフロンリング19を介して設けられるとと
もに軸方向移動を規制され、パワーシリンダ6の内周面
に摺接する摺接部28を有する剛性リング体20とから
構成し、ピストン5のストロークエンド付近で前記2つ
のシリンダ室6a,6bを連通する連通溝15を、ラッ
ク軸2の軸線方向と直交する断面で円スリット形状にて
構成するとともに、連通溝15の端部に溝深さが徐々に
浅くなるテーパ状の案内部15aを形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピストンのストローク
エンド付近において圧抜きを行えるようにしたラックア
ンドピニオン形動力舵取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ピストンのストロークエンド付近におい
て圧抜きを行えるようにしたラックアンドピニオン形動
力舵取装置には、例えば、図12に示すようなものがあ
る。このものは、パワーシリンダ50内に挿通されたラ
ック軸51の外周にピストン本体52が嵌着され、この
ピストン本体52の外周面中央部に形成された凹溝53
内にOリング54、テフロンリング55を介して鋳物等
から成る剛性リング体56が嵌装され、この剛性リング
体56の外周面がパワーシリンダ50の内周面に摺接す
るようになっており、これらピストン本体52、剛性リ
ング体56、Oリング54、テフロンリング55でパワ
ーシリンダ50内を左右シリンダ室50a,50bに区
画するピストン60を構成している。
【0003】前記ピストン60がストロークエンド付近
に位置した際に、前記左右シリンダ室50a,50bを
連通させる連通溝57がパワーシリンダ50の内周面の
周方向に複数形成されている。この連通溝57のラック
軸軸線方向と直交する断面での断面形状は、図13に示
すようなV溝形状となっている。ここで、このV溝形状
の連通溝57は、例えば、切削工具を上下及び軸方向に
移動させてパワーシリンダ50の内周面に形成するよう
にしている。
【0004】上記の構成で、シリンダ左室50aに高圧
の作動油が供給され、ピストン60が、図14に示すよ
うに、ストロークエンド付近に移動されると、連通溝5
7を介して高圧のシリンダ左室50aと低圧のシリンダ
右室50bとが連通し、高圧側の作動油が低圧側に流出
し、シリンダ左室50aの内圧の過度の上昇が防止され
る。さらに、上記では、パワーシリンダ50の内周と摺
接するピストン60の摺接部に鋳物等から成る剛性リン
グ体56を用いたので、連通溝57上を繰り返し摺動し
ても、連通溝57の縁によって摩耗しにくく、ピストン
60の摺接部の耐久性及び信頼性を確保できる効果があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構造では、剛性リング体56が連通溝57を通過す
る際に、例えば、図14の点線に示す位置から実線に示
す位置まで剛性リング体60が移動した際、シリンダ左
室50aから連通溝57に流入する作動油の流れ方向が
矢印に示すように均一でないため、シュー音が発生する
という問題があった。
【0006】また、圧抜き開始時、剛性リング体56の
移動により作動油が流入する流入開口面積が急激に増加
するため、剛性リング体56が連通溝57を通過直後に
急激に圧力が下がり、ストロークエンド手前でハンドル
操作が急に重くなり、ハンドルフィーリングが悪くなる
という問題があった。さらに、上記した連通溝57のV
溝加工では、加工が難しく、加工のサイクルタイムが長
く、また、加工によるバリの発生が大であるという問題
があった。
【0007】また、V溝形状の連通溝57と剛性リング
体56の外周とで形成される作動油の流出開口面積のぬ
れ縁長さが短いため、連通溝57を作動油が通過する際
に、さらにシュー音が発生する要因となっているという
問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のラックアンドピ
ニオン形動力舵取装置は、上述した問題を解決するため
になされたもので、請求項1に記載の発明では、ハンド
ル操舵により回転されるピニオン軸と、このピニオン軸
に噛合するラック軸と、このラック軸を挿通するパワー
シリンダと、前記ラック軸上に固着され前記パワーシリ
ンダ内を2つのシリンダ室に区画するピストンと、前記
パワーシリンダの内周面の周方向に複数形成され前記ピ
ストンのストロークエンド付近で前記2つのシリンダ室
を連通する連通溝とを備え、前記ピストンを、前記ラッ
ク軸上に固着されたピストン本体と、このピストン本体
の外周に弾性シール部材を介して設けられるとともに軸
方向移動を規制され、前記パワーシリンダの内周面に摺
接する摺接部を有する剛性リング体とから構成したラッ
クアンドピニオン形動力舵取装置において、前記連通溝
を、前記ラック軸の軸線方向と直交する断面で円スリッ
ト形状にて構成するとともに、前記連通溝の端部に溝深
さが徐々に浅くなるテーパ状の案内部を形成したことを
特徴とするものである。
【0009】また、請求項2に記載の発明では、請求項
1に記載のラックアンドピニオン形動力舵取装置におい
て、前記案内部をラック軸軸線方向と直交する方向の幅
が徐々に狭くなる形状としたことを特徴とするものであ
る。
【0010】
【作用】上記の構成において、請求項1に記載の発明に
よれば、ハンドル操舵によりピニオンが回転し、ラック
が移動すると、これに伴い、ピストンを構成する剛性リ
ング体の外周面がパワーシリンダの内周面に摺接移動す
る。ピストンがストロークエンド付近に達すると、連通
溝と剛性リング体の外周とで形成される作動油の流出開
口面積が連通溝における案内部のテーパ作用によって徐
々に大きくなり、高圧側シリンダ室から低圧側シリンダ
室に作動油が流出することによりピストン背圧の上昇が
防止される。この時、案内部のテーパ作用によって、圧
抜き開始時の急激な圧力降下を防止しているとともに、
高圧側シリンダ室から連通溝内に作動油が流入する際の
作動油の流れ方向を均一としている。また、連通溝を円
スリット形状とし、作動油の流出開口面積のぬれ縁長さ
が長くなっているので、シュー音が低減されつつ作動油
は連通溝内を通過する。
【0011】請求項2に記載の発明によれば、連通溝の
両端に形成した案内部を、溝深さが徐々に浅くなるテー
パ形状に加えて、ラック軸軸線方向と直交する方向の幅
が徐々に狭くなる形状としたので、テーパ作用に加えて
さらに圧抜き時の圧力降下を緩やかにでき、圧抜き開始
時にハンドルが急に重くならない。
【0012】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1において、1はギヤハウジングで、このギヤハウジ
ング1にはラック軸2が摺動可能に貫通されている。ラ
ック軸2の両端は図略のボール継手等を介して操向車輪
に連結されている。また、ラック軸2の一端外周にはラ
ック歯2aが形成され、このラック歯2aはギヤハウジ
ング1に回転可能に軸承されたピニオン軸3に噛合され
ている。ピニオン軸3はサーボ弁4を介して図略の操向
ハンドルに連結されている。
【0013】前記ラック軸2上にはピストン5が設けら
れ、このピストン5はパワーシリンダ6に摺動可能に嵌
装されている。パワーシリンダ6の一端は前記ギヤハウ
ジング1の一端に嵌着され、他端には図略のシリンダエ
ンドが固定されており、パワーシリンダ6内は前記ピス
トン5によってシリンダ左室6aとシリンダ右室6bと
に区画されている。
【0014】前記各シリンダ室6a,6bの端部付近に
は、圧油の導入または排出を行うためのポート7,8が
設けられている。このポート7,8は各々管継手9,1
0及び配管11,12を介してサーボ弁4に接続されて
いる。サーボ弁4は、操向ハンドルに一端が連結された
図略の入力軸と、前記ピニオン軸3に連結された図略の
出力軸との相対回転により作動され、ポンプ13から供
給される作動油をパワーシリンダ6のシリンダ室6a,
6bの一方へ分配し、他方から作動油をタンク14へ還
流させるようになっている。
【0015】前記ピストン5は、図2に示すように、ピ
ストン本体17と、弾性シール部材に相当するOリング
18及びテフロンリング19と、鋳物等からなる剛性リ
ング体20とで構成されている。前記ピストン本体17
には、前記剛性リング体20の軸方向移動を規制する第
1環状溝26と、Oリング18及びテフロンリング19
の軸方向移動を規制し前記第1環状溝29の軸方向幅よ
り小の第2環状溝27とが形成されており、第1環状凹
溝26には剛性リング体20が、第2環状凹溝27には
Oリング18及びテフロンリング19が各々嵌装されて
いる。
【0016】また、前記ピストン本体17は第1ピスト
ン本体21と第2ピストン本体22とから構成されてお
り、前記第1ピストン本体21には剛性リング体20の
軸方向移動の一方向を規制するための第1係止壁23が
形成され、前記第2ピストン本体22には剛性リング体
20の軸方向移動の他方向を規制するための第2係止壁
24が形成されており、この第1及び第2係止壁23,
24によって前記第1環状溝26を構成している。
【0017】前記剛性リング体20の外周面は、パワー
シリンダ6の内周面に摺接する摺接部28となってお
り、剛性リング体20の内周面は前記Oリング18及び
テフロンリング19によりシールされ、このOリング1
8及びテフロンリング19によって、ラック軸2に生じ
る振れを吸収し、剛性リング体20を常に適正にパワー
シリンダ6の内周面に摺接させるようになっている。
【0018】ここで、本実施例におけるピストン本体1
7は第1ピストン本体21と第2ピストン本体22とか
ら成る2分割式であるので、テフロンリング19及び剛
性リング体20が容易に組付けることができるという利
点がある。また、前記剛性リング体20は、図3に示す
ように、外周の一部が2段形状に切り欠いてあり、この
切欠部20aは合せ面20bで摺接するようになってい
る。これにより、シリンダ室6a,6bの一方に圧油が
供給されると、この圧油によりOリング18及びテフロ
ンリング19に半径方向の油圧力が作用し、剛性リング
体20の内周とテフロンリング19の外周間に十分なシ
ール機能が発揮されるとともに、剛性リング体20にも
半径方向の油圧力が作用し、パワーシリンダ6の内周と
剛性リング体20の摺接部28との間のクリアランスを
小さくできる。この結果、パワーシリンダ6の内周及び
剛性リング体20の摺接部28の加工精度に幅を持たせ
ることができる。また、前記油圧力が切欠部20aの合
せ面21bを合わせる方向に作用するため、合せ面20
bが密着し、合せ面20bに十分なシール機能が確保さ
れる。
【0019】前記ピストン5のストロークエンド付近の
パワーシリンダ6の内周面には各々軸方向に、前記剛性
リング体20の軸方向幅より長く延び、ラック軸軸方向
と直交する断面が、図6に示すように、円スリット形状
の連通溝15が周方向の複数位置(図4に示す例では周
方向90°間隔位置)に形成されている。この連通溝1
5の両端には溝深さが徐々に浅くなるテーパ状の案内部
15aが各々形成されている。
【0020】次に、テーパ状の案内部15aを有する円
スリット形状の連通溝15を砥石16を用いてパワーシ
リンダ6の内周面に形成する方法について、図4及び図
5を用いて説明する。砥石16は、図4に示すように、
パワーシリンダ6の穴中心線L1と平行な軸線L2回り
に回転されるようになっており、砥石16の外周面に
は、ストレート部16aと、このストレート部16aの
両端にパワーシリンダ6の内周面から離れる方向に傾斜
するテーパ部16bとが形成されている。また、砥石1
6の直径rは、図5に示すように、パワーシリンダ6の
内周面直径Rに対して、R>rとなっている。
【0021】上記した砥石16を用い、砥石16を軸線
L2回りに回転させ、砥石の回転中心を偏心させ(砥石
偏心加工)、パワーシリンダ6の内周面に砥石16の外
周面を押圧して研削することにより連通溝15を形成し
ている。この際、砥石16のテーパ部16bによって、
図4に示すように、連通溝15の両端において溝深さが
徐々に浅くなるとともに、砥石16の回転軸線L2と直
交する方向の幅が徐々に狭くなるテーパ状の案内部15
aが各々形成される。
【0022】これにより、砥石16にテーパ部16bを
設けておくだけで、容易にテーパ状の案内部15aを形
成でき、剛性リング体20にテーパを設ける場合に比べ
て製造コストを低減でき、また、従来のV溝加工に比較
して、連通溝15の加工精度が向上するとともに、加工
サイクルタイムが短縮できる効果がある。次に、上述し
た構成に基づいて本実施例の作動を説明する。
【0023】図略の操向ハンドルが操舵されることによ
り、ピニオン軸3が回転し、ラック軸2が例えば図1の
右方向に移動されると同時に、サーボ弁4の作動により
ポンプ13からの作動油がポート7からパワーシリンダ
6のシリンダ左室6aに供給され、ピストン5が図1の
一点鎖線に示す中立位置から実線に示す位置の方向(右
方向)に移動される。
【0024】このようにして、ピストン5がストローク
エンド付近以外の位置では、シリンダ左室6aに供給さ
れる全ての作動油によって、ハンドル操舵にパワーアシ
ストが付与され、ラック軸2の両端の図略の操向車輪は
所望の向きに偏向される。ピストン5がストロークエン
ド付近に達すると、図7に示す剛性リング体20の摺接
部28がパワーシリンダ6の内周面に摺接している点線
に示す位置から実線に示す位置まで剛性リング体20が
移動する間において、連通溝15の端部に形成されたテ
ーパ状の案内部15aにより、円スリット形状の連通溝
15と剛性リング体20の摺接部28とで形成される作
動油の流出開口面積は徐々に大きくなり、左右シリンダ
室6a,6bが連通し、シリンダ左室6aに供給された
高圧の作動油が連通溝15を介してスムーズにシリンダ
右室6bに供給され、シリンダ右室6bのポート8から
タンク14に作動油が還流される。
【0025】これによって、高圧側であるシリンダ左室
6aの圧抜きがなされ、ピストン5がストロークエンド
に達した状態においてポンプ13の圧力がリリーフ圧ま
で上昇しない。ここで、円スリット形状の連通溝15と
剛性リング体20の摺接部28とで形成される作動油の
流出開口面積のぬれ縁長さは、剛性リング体20の摺接
部28がテーパ状の案内部15aに対応した位置を移動
している間は徐々に長くなり、そして案内部15aを越
えた位置では最大となり、シュー音低減に寄与する。
【0026】また、シリンダ左室6aから連通溝15を
経てシリンダ右室6bに流入する作動油は、連通溝15
のテーパ状の案内部15aによって、図7の矢印に示す
ように案内され、流れ方向が均一なスムーズな流れとな
るので、シュー音が低減される。さらに、テーパ状の案
内部15aにより、圧抜き時に作動油の流出開口面積が
徐々に大きくなるため、圧抜き開始時の急激な圧力降下
を防止でき、ハンドルフィーリングの向上に寄与でき
る。
【0027】さらに、上記実施例では、連通溝15を、
両端にテーパ部16bを形成した砥石16を用いて砥石
偏心加工により形成することにより、テーパ状の案内部
15aが連通溝15の両端において溝深さが徐々に浅く
なるとともに、ラック軸軸線方向と直交する方向の幅が
徐々に狭くなる形状としたので、案内部15aのテーパ
作用に加えてさらに圧抜き時の圧力降下を緩やかにでき
る。
【0028】次に、前記剛性リング体20が、図7の実
線に示す左右シリンダ室6a,6bを連通した位置から
点線に示す位置まで移動する場合の作用を説明する。剛
性リング体20が左右シリンダ室6a,6bを非連通と
した状態では、テフロンリング19の内周にシリンダ左
室6aの圧力が導入され、テフロンリング19及び剛性
リング体20を半径方向に押圧する油圧力が矢印の方向
に作用しているため、剛性リング体20が図6の実線に
示す左右シリンダ室6a,6bを連通した位置では剛性
リング体20が半径方向に撓んでいる。ここで、撓み量
をtとする。
【0029】この撓み量tだけ撓んだ状態で、剛性リン
グ体20が図6中左方向に移動すると、先ず、剛性リン
グ体20の端部がテーパ状の案内部15aに当接し、さ
らに移動すると、案内部15aのテーパ作用によって徐
々に剛性リング体20の径が縮小され、剛性リング体2
0の径はパワーシリンダ6の内周面に摺接する径まで復
帰される。即ち、剛性リング体20が撓んだ状態で、円
スリット形状の連通溝15を通過しても剛性リング体2
0の端部で衝撃荷重を受けることはなく、徐々にパワー
シリンダ6の内周面に摺接する径まで復帰できるため、
剛性リング体20の折損を防止でき、剛性リング体20
の長寿命に寄与できる。
【0030】上記では、ピストン本体17を第1ピスト
ン本体21と第2ピストン本体22とから成る2分割式
としたが、ピストン本体としてはこのものに限定される
ものではなく、図8に示すような一体型としても良い。
この場合、図9乃至図11に示すように、外周の一部に
おいてバイアスカットにより、カット部19a,19c
を設けたテフロンリング19を用いる必要がある。
【0031】ここで、図9に示すテフロンリング19
は、テフロンリング19の側面に対して垂直でかつテフ
ロンリング19の穴中心L3を通らない面でカットした
場合を示しており、この場合、矢印に示すようにテフロ
ンリング19の内周に半径方向に油圧力が作用した際
に、油圧力がカット部19aの合せ面19bを合わせる
方向に作用するため、テフロンリング19が図9の点線
に示す状態から実線に示す状態に変形し、合せ面19b
が密着し、合せ面19bに十分なシール機能が確保され
るようになっている。
【0032】また、図10及び図11に示すテフロンリ
ング19は、テフロンリング19の穴中心L3を通り、
テフロンリング19の側面に対して平行及び垂直でない
面でカットした場合を示しており、この場合、矢印に示
すようにテフロンリング19の側面に垂直方向から油圧
力が作用した際に、油圧力がカット部19cの合せ面1
9dを合わせる方向に作用するため、テフロンリング1
9が図11の実線に示す状態から点線に示す状態に変形
し、合せ面19dが密着し、合せ面19dに十分なシー
ル機能が確保されるようになっている。
【0033】これによれば、バイアスカットによりカッ
トされたカット部19a,19cを有するテフロンリン
グ19を用いることにより、ピストン本体17を一体と
することができ、この一体のピストン本体17をラック
軸2に固定してから、Oリング18,テフロンリング1
9及び剛性リング体20を装着することができ、組付け
性を向上することができるとともに、部品点数削減によ
るコスト低減に寄与できる。
【0034】なお、上記の案内部15aのテーパは、厳
密な意味でのテーパ(直線)に限られることなく、テー
パに近似した円弧あるいは二次曲線でもよく、請求項に
おけるテーパ状とはこれらを包含するものである。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように本発明は、請求項1に
記載の発明では、連通溝を、ラック軸の軸線方向と直交
する断面で円スリット形状にて構成するとともに、連通
溝の端部に溝深さが徐々に浅くなるテーパ状の案内部を
形成したので、圧抜き時に高圧側シリンダ室から連通溝
内に流入する作動油がテーパ状の案内部に案内されるこ
とにより作動油の流れ方向が均一となり、シュー音が低
減される。さらに、案内部のテーパ作用によって連通溝
と剛性リング体の外周とで形成される作動油の流出開口
面積が徐々に増加されるため、圧抜き開始時の急激な圧
力降下を防止でき、ハンドルフィーリングを向上でき
る。
【0036】また、連通溝が円スリット形状としたの
で、作動油の流出開口面積のぬれ縁長さが長くなり、シ
ュー音が低減される。また、特に、円スリット形状の連
通溝側にテーパ状の案内部を設けたので、剛性リング体
が左右シリンダ室を連通する位置で剛性リング体の内周
側から半径方向に作用する油圧力によって半径方向に撓
んだ状態から左右シリンダ室を非連通とする位置まで移
動する場合、剛性リング体の端部が案内部のテーパ作用
によって衝撃荷重を受けることなく徐々にパワーシリン
ダの内周面に摺接する径まで復帰できるため、剛性リン
グ体の折損を防止でき、剛性リング体の長寿命に寄与で
きる。
【0037】また、請求項2に記載の発明では、連通溝
の両端に形成した案内部を、溝深さが徐々に浅くなるテ
ーパ形状に加えて、ラック軸軸線方向と直交する方向の
幅が徐々に狭くなる形状としたので、テーパ作用に加え
てさらに圧抜き時の圧力降下を緩やかにでき、さらにハ
ンドルフィーリングを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すラックアンドピニオン形
動力舵取装置の全体構成を示す断面図である。
【図2】図1におけるピストン周辺の拡大断面図であ
る。
【図3】剛性リング体の切欠部を示す部分拡大図であ
る。
【図4】パワーシリンダの要部拡大断面図である。
【図5】図4におけるA−A線断面図である。
【図6】図5におけるB矢視部拡大図である。
【図7】ストロークエンド付近での剛性リング体の作動
状態図である。
【図8】ピストン本体の他の変形例を示す要部拡大断面
図である。
【図9】一体型ピストン本体に使用するテフロンリング
の要部側面図である。
【図10】一体型ピストン本体に使用するテフロンリン
グの要部側面図である。
【図11】図10におけるC矢視図である。
【図12】従来におけるストロークエンド付近でのピス
トン周辺の拡大断面図である。
【図13】図7におけるD−D線断面での連通溝の拡大
断面図である。
【図14】従来におけるストロークエンド付近での剛性
リング体の作動状態図である。
【符号の説明】
2 ラック軸 3 ピニオン軸 6 パワーシリンダ 6a,6b シリンダ室 15 連通溝 15a 案内部 17 ピストン本体 18 Oリング(弾性シール部材) 19 テフロンリング 20 剛性リング体 28 摺接部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大上 尚志 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 杉山 秀明 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンドル操舵により回転されるピニオン
    軸と、このピニオン軸に噛合するラック軸と、このラッ
    ク軸を挿通するパワーシリンダと、前記ラック軸上に固
    着され前記パワーシリンダ内を2つのシリンダ室に区画
    するピストンと、前記パワーシリンダの内周面の周方向
    に複数形成され前記ピストンのストロークエンド付近で
    前記2つのシリンダ室を連通する連通溝とを備え、前記
    ピストンを、前記ラック軸上に固着されたピストン本体
    と、このピストン本体の外周に弾性シール部材を介して
    設けられるとともに軸方向移動を規制され、前記パワー
    シリンダの内周面に摺接する摺接部を有する剛性リング
    体とから構成したラックアンドピニオン形動力舵取装置
    において、前記連通溝を、前記ラック軸の軸線方向と直
    交する断面で円スリット形状にて構成するとともに、前
    記連通溝の端部に溝深さが徐々に浅くなるテーパ状の案
    内部を形成したことを特徴とするラックアンドピニオン
    形動力舵取装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のラックアンドピニオン
    形動力舵取装置において、前記案内部をラック軸軸線方
    向と直交する方向の幅が徐々に狭くなる形状としたこと
    を特徴とするラックアンドピニオン形動力舵取装置。
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