JPH08294762A - 連続鋳造操業制御方法 - Google Patents

連続鋳造操業制御方法

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JPH08294762A
JPH08294762A JP7328765A JP32876595A JPH08294762A JP H08294762 A JPH08294762 A JP H08294762A JP 7328765 A JP7328765 A JP 7328765A JP 32876595 A JP32876595 A JP 32876595A JP H08294762 A JPH08294762 A JP H08294762A
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章生 長棟
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浩史 前田
Hiroaki Miyahara
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 連続鋳造操業におけるモールド内の溶鋼レベ
ルを適切に制御することを可能にした連続鋳造操業制御
方法を提供する。 【構成】 連続鋳造設備操業の鋳造開始時において、モ
ールド7内に第1及び第2の2本の電極1,2を挿入
し、第1の電極1に所定信号を入力し、モールド7内へ
注入され第1及び第2の電極と接触する溶鋼10を介し
て第2の電極2に伝送された所定信号を受信し、所定信
号の伝搬による時間遅れの変化に基いてモールド内の溶
鋼レベル及びその上昇速度を計測し、モールド7内の溶
鋼レベルが規定位置に達した時点で引き抜きを開始し、
モールド7内の溶鋼レベル及びその上昇速度に基いて、
引き抜き速度及びタンデッィシュからの溶鋼注入量を調
整して、モールド内の溶鋼レベルを制御し、定常操業に
移行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は連続鋳造操業制御方
法、特に、モールド内の溶鋼レベルが高速に大きく変化
する鋳造開始時及びその後の定常操業における溶鋼レベ
ルの制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の連続鋳造設備におけるモールド内
の溶鋼レベルの計測方法及びその制御方法としては次の
ものがある。 電磁誘導方式(渦流式)レベル計:電磁誘導方式レベ
ル計によってモールド内の溶鋼レベルの計測・制御を行
うものであり、定常操業時のレベル計測及び制御は主に
この方法によって行われている。 電極方式(特公平3−61536号公報):モールド
内に先端位置の異なる複数の電極を設置して電圧を印加
し,溶鋼の電極への到達、短絡によってレベル検知を行
い、溶鋼レベルの制御を行う。 熱電対方式(特公平2−51699号公報):モール
ド内壁の垂直方向に埋め込まれた複数の熱電対(感熱素
子)の温度計測値の変化によりモールド内の溶鋼レベル
の変化を検出し、溶鋼レベルの制御を行う。 電磁波方式:マイクロ波、ミリ波等の電磁波をモール
ド内に送出し、溶鋼面からの反射信号を検出し、信号の
往復の伝搬時間からモールド内の溶鋼レベルを計測し、
溶鋼レベルの制御を行う。
【0003】
【発明が解決しようとするる課題】上述の従来の技術に
は次のような問題点が指摘される。 電磁誘導方式レベル計:電磁誘導方式レベル計におい
ては、溶鋼レベルの計測可能範囲が100mm程度に限
定されており、モールド内への溶鋼注入開始直後のレベ
ル計測が困難であり、十分な制御を行うことができな
い。また、電磁誘導方式レベル計では必要に応じて、計
測中に実湯との比較による校正作業を行うが、実レベル
の保持、制御が困難なため、正確な校正ができない場合
があり、溶鋼レベルの絶対制御精度が悪化する場合があ
る。 電極方式;モールド内の溶鋼レベルの連続した変化の
計測は不可能であり、更に、溶鋼の飛散等による誤計測
の可能性がある。また、ビレット等モールド断面積が小
さい場合には、複数の電極を設置するのは困難である。 熱電対方式:モールドに埋め込まれた熱電対の温度計
測による溶鋼レベルの検出においては、熱伝導による時
間遅れが生ずるため十分な応答性が得られない。また、
溶鋼レベルの連続計測が不可能であり、モールドへの熱
電対の埋め込みによって強度・耐久性が劣化する。 電磁波方式:ビレット等の小断面モールドでは電磁波
の送受信を行うためのアンテナの設置が困難である。更
に、装置が複雑であり、高価となる
【0004】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたものであり、連続鋳造操業におけるモールド内
の溶鋼レベルを適切に制御することを可能にした連続鋳
造操業制御方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の一つの態様によ
る連続鋳造操業制御方法は、連続鋳造設備操業の鋳造開
始時において、連続鋳造モールド内に第1及び第2の2
本の電極を挿入し、第1の電極に所定信号を入力し、モ
ールド内へ注入され第1及び第2の電極と接触する溶鋼
を介して第2の電極に伝送された所定信号を受信し、所
定信号の伝搬による時間遅れの変化に基いてモールド内
の溶鋼レベル及びその上昇速度を計測し、モールド内の
溶鋼レベルが規定位置に達した時点で引き抜きを開始
し、モールド内の溶鋼レベル及びその上昇速度に基い
て、引き抜き速度及びタンディッシュから吐出される溶
鋼注入量を調整して、モールド内の溶鋼レベルを制御
し、定常操業に移行する。
【0006】本発明の一つの態様においては、鋳造開始
前にモールド内のダミーバーの直前まで第1及び第2の
2本の電極を垂直に挿入する。操業開始前には第1の電
極に信号を入力しても、第1の電極と第2の電極との間
は絶縁されており、その信号は第2の電極に伝送されな
い。操業を開始して、モールド内に溶鋼が注入される
と、溶鋼と第1及び第2の電極とが接触し始め、第1の
電極に入力された信号は溶鋼を介して第2の電極に伝送
される。モールド内の溶鋼レベルの上昇に応じて、溶鋼
を介して第1の電極と第2の電極との間に伝送される信
号の伝搬による時間遅れは短くなり、この信号の時間遅
れの変化を計測することにより溶鋼の注入開始からのモ
ールド内の溶鋼レベル及びその上昇速度の変化を連続し
て算出し、計測する。更に、本発明においては、計測さ
れたモールド内の溶鋼レベル及びその上昇速度に応じて
鋳片引き抜きを開始するとともに、引き抜き速度及び溶
鋼注入量(タンディッシュのノズル開度)を制御し、モ
ールド内の溶鋼レベル及びその上昇速度を調整し、溶鋼
レベルを予め設定された一定値に収束させる。
【0007】そして、モールド内の溶鋼レベルが目標値
に達した時点で、電磁誘導方式レベル計の計測値による
定常操業制御に移行する。通常の電磁誘導方式レベル計
による制御では、湯上がり開始から電磁誘導方式レベル
計の計測レンジまでのモールド内の溶鋼レベルを計測せ
ず、溶鋼レベルが計測レンジ内に上昇してから制御を行
うため、モールド内の溶鋼レベルの上昇速度によっては
モールド内の溶鋼レベルの制御が遅れ、溶鋼レベルの目
標レベル以上への上昇や溶鋼面の上下変動が生じ、定常
操業へ移行するまでに時間がかかってしまう場合がある
が、本発明においては湯上がり開始からのモールド内の
溶鋼レベル及びその上昇速度に応じた制御を行って溶鋼
面の変動等の発生を防ぎ、安定して最短時間で定常操業
に移行することが可能になっている。
【0008】本発明の他の態様による連続鋳造操業制御
方法は、上記の連続鋳造操業制御方法において、電極に
より計測された鋳造開始時のモールド内の溶鋼レベルに
基いて電磁誘導式レベル計の計測値を校正し、モールド
内の溶鋼レベルが定常操業レベルに達した後は、校正さ
れた電磁誘導式レベル計の計測値に基いて、モールド内
の溶鋼レベルの制御を行う。
【0009】本発明の他の態様においては、電極が溶鋼
内に侵入した時点で溶鋼の湯面から下の部分の電極は溶
解するため、溶鋼の湯面に上下の変動があった場合に
は、電極間の接触が途切れて信号検出が困難となるが、
細かい変動に対しては電極材料及び形状を調整すること
により溶鋼侵入後の溶解時間を調整し、電極と溶鋼との
間の接触を維持し、連続計測を行う。更に、長尺の電極
を使用し、電極材料の溶解損耗に対して電極をモールド
内に順次挿入することにより連続した計測を行うことも
可能である。
【0010】本発明の他の態様による連続鋳造操業制御
方法は、上記の連続鋳造操業制御方法において、連続鋳
造操業において定常操業へ移行した後に、2本の電極を
溶鋼面の上に保持し、溶鋼による2本の電極間の短絡、
信号伝送を検出し、その検出によって、タンディッシュ
ノズルの開度を調整することによりモールド内からの溶
鋼のオーバフローを防止する。
【0011】本発明の他の態様においては、電極が溶鋼
内に侵入した時点で溶鋼の湯面から下の部分の電極は溶
解するため、溶鋼の湯面に上下の変動があった場合に
は、電極間の接触が途切れて信号検出が困難となるが、
細かい変動に対しては電極材料及び形状を調整すること
により溶鋼侵入後の溶解時間を調整し、電極と溶鋼との
間の接触を維持し、連続計測を行う。更に、長尺の電極
を使用し、電極材料の溶解損耗に対して電極をモールド
内に順次挿入することにより連続した計測を行うことも
可能である。
【0012】本発明の他の態様による連続鋳造操業制御
方法は、上記の連続鋳造操業制御方法において、第1の
電極及び第2の電極として、鋳造開始時における溶鋼レ
ベルの上昇速度にほぼ等しい速度で溶融する部材を用い
る。
【0013】本発明の他の態様においては、第1の電極
及び第2の電極が鋳造開始時における溶鋼レベルの上昇
速度にほぼ等しい速度で溶融するので、溶融が遅すぎる
場合及び早すぎる場合の双方の弊害が避けられる。即
ち、溶融が遅すぎる場合には、引き抜き開始時において
も電極がモールド下部まで連続して存在する状態とな
り、引き抜き開始時に電極が凝固シェルに捕まり、引き
抜き開始にともない電極が電極ホルダから引き抜かれ、
計測不能となる。また、溶融が早すぎる場合には、湯面
変動が生じると、溶鋼と電極との接触が断たれ、計測不
能となるような事態が発生する。本発明においては、電
極の溶融速度を適切に設定したことにより、上記のよう
な事態が避けられている。
【0014】本発明の他の態様による連続鋳造操業制御
方法は、上記の連続鋳造操業制御方法において、所定信
号の時間遅れを計測する方法として、第1の擬似ランダ
ム信号を発生する工程と、第1の擬似ランダム信号と信
号パターンは同一で周波数がわずかに異なる第2の擬似
ランダム信号を発生する工程と、第1擬似ランダム信号
と第2の擬似ランダム信号とを乗算して第1の乗算値を
求める工程と、第1の擬似ランダム信号を第1の電極に
入力する工程と、溶鋼を介して第2の電極へ伝送された
信号と第2の擬似ランダム信号とを乗算して第2の乗算
値を求める工程と、第1の乗算値を積分して第1の積分
値を求める工程と、第2の乗算値を積分して第2の積分
値を求める工程と、第1の積分値及び第2の積分値の各
々が最大値となる時刻の間の時間遅れを計測する工程と
を有する。
【0015】本発明の他の態様においては、所定信号の
時間遅れ計測するために次の演算処理をする。第1の乗
算値の時系列パターンは第1の擬似ランダム信号と第2
の擬似ランダム信号の各周期のパルスが一致したときの
乗算値が最大相関値を示し、最大値となり、この最大値
は周期Tで発生する。周期Tは次式で表わされる。 T=k/Δf …(1) ここでkは定数で第1の擬似ランダム信号M1と第2の擬
似ランダム信号M2の1周期を構成するビット数(クロッ
ク数)を表わす。また、ΔfはM1の1ビットのクロック
周波数f1とM2の1ビットのクロック周波数f2との差で次
式で表わされる。 Δf=f1−f2 …(2)
【0016】第2の乗算値の時系列パターンも最大値が
周期Tで発生するが、第1の擬似ランダム信号M1が第1
の電極、溶鋼、及び第2の電極を経由してくるので、Td
時間第2の擬似ランダム信号M2に対して遅れるため、第
2乗算値の最大値に対し、後述の図8に示すようにX時
間遅れている。Xは次式で表される。 X=(Td/Δt)×P2 …(3) Δt=P2−P1 …(4) ここでP1はM1の周期、P2はM2の周期である。ここでTdは
溶鋼レベルの変位に応じて変化するので、(3)式より
Xを測定してTdを求めれば溶鋼レベルの変位を得ること
ができる。また、溶鋼レベルの変位がわかれば、基準位
置を決め、この基準位置から溶鋼レベルまでの距離を求
めることもできる。また、(3)式において、Δtの値
をTdに比べて小さな値とし、P2の値を大きくすれば、Td
の値をP2/Δt倍に拡大して計測することができるので
精度よく計測することができる。また、本方式による計
測では、信号は電極及び溶鋼内を伝導し、従来のように
反射方式を用いていないので、S/N比が大きく、多重
反射の影響もなく、溶鋼レベルを精度よく測定すること
ができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(実施形態1.)図1は本発明の一実施形態に係る連続
鋳造操業制御方法が適用された制御装置及びその関連設
備の構成を示した図である。図1において、1,2は第
1及び第2の電極、3は電極式レベル計、4は信号処理
装置、5は引き抜き速度制御装置、6はノズル開度調整
装置である。7はモールド、8はタンディッシュ、9は
ノズル、10は溶鋼、11は電極保持装置、12はダミ
ーバー、13は電磁誘導方式(渦流式)レベル計であ
る。本実施形態においては、連続鋳造モールド7の上部
に設置され電極保持装置11によってモールド内に垂直
に挿入された2本の電極1,2を保持し設置している。
ここで、電極1,2の先端をモールド内のダミーバー1
2の直前の位置としているが、電極1,2の先端がダミ
ーバー12に接触しても計測上支障はない。また、電極
1,2としてはSUSのパイプ(直径3mm,肉厚0.
1mm)を使用し、電極間隔は30mmにしている。
【0018】電極式レベル計3はその装置内において発
生させた擬似ランダム信号を同軸ケーブルを介して第1
の電極1に入力し、モールド7内の溶鋼10を介して第
2の電極2に伝送された擬似ダンダム信号を検出する。
そして、電極式レベル計3は、検出された擬似ランダム
信号の時間遅れの変化と、その信号の伝送速度からモー
ルド内の溶鋼レベルを算出し、更に、単位時間内のモー
ルド内の溶鋼レベルの変化量からその上昇速度を算出す
る。
【0019】図2は電極式レベル計3の詳細な構成を示
すブロック図である。電極式レベル計3において、第1
クロック発生器21は、1クロック当たり周波数f1の周
波数を発生し、第2クロック発生器22は1クロック当
たりf1よりわずかに小さい周波数f2の周波数を発生す
る。第1擬似ランダム信号発生器23は周期P1の第1擬
似ランダム信号M1を発生し、第2擬似ランダム信号発生
器24はM1と同一パターンで周期P2がP1よりわずかに異
なる第2擬似ランダム信号M2を発生する。第1擬似ラン
ダム信号M1は第1電極1に送り出される。そして、第
2電極2を介して得られた信号は乗算器26に入力す
る。第1乗算器25は第1擬似ランダム信号発生器23
から伝送線路Lcを通ったM1と第2擬似ランダム信号発生
器4から伝送線路Laを通ったM2とを乗算する。第2乗算
器26は第1擬似ランダム信号発生器23から伝送線路
Ldを通ったM1と第2擬似ランダム信号発生器24から伝
送線路Lbを通ったM2とを乗算する。
【0020】第1ローパスフィルタ27は第1乗算器2
5の出力より高周波成分を除き、最大相関値間を1周期
とする時系列パターンを出力する。第2ローパスフィル
タ28も同様に第2乗算器26の出力より高周波成分を
除き、最大相関値間を1周期とする時系列パターンを出
力する。演算部29は第1ローパスフィルタ27と第2
ローパスフィルタ28の時系列パターンの最大相関値間
の時間差から溶鋼レベルを算出する。演算部29におい
て得られた溶鋼レベルは信号処理装置4に出力される。
なお、上記の伝送線路にはモールド7内の溶鋼10内に
一部分を挿された第1電極1と第2電極2が設けられ、
両電極1,2は溶鋼10を介して電気的に接続されてい
る。
【0021】図3は第1クロック発生器21及び第2ク
ロック発生器22の構成を示した図である。第1水晶発
振器41は周波数fa,例えば30.001MHzの水晶
発振器、第2水晶発振器42は周波数fb,例えば30.
000MHzの水晶発振器であり、共通発振器43は周
波数fc,例えば1470MHzの発振器である。第1混
合器44は例えば平衡変調器等で構成され、fc±faの信
号を出力し、第2混合器45はfc±fbの信号を出力する
混合器である。第1バンドパスフィルタ46は第1混合
器44の出力の内fc±faを通過させ、第2バンドパスフ
ィルタ47は第2混合器45の出力の内fc±fbを通過さ
せる。
【0022】第1水晶発振器41から出力される30.
001MHzの信号と、共通発振器43から出力される
1470MHzの信号が、第1混合器44で混合され1
500.001MHzと1439.999MHzの2つ
の信号を出力する。このうち1500.001MHzの
信号が第1バンドパスフィルタ46を通過して第1クロ
ック周波数f1として出力される。また、同様に、第2水
晶発振器42から出力される30.000MHzの信号
と、共通発振器43から出力される1470MHzの信
号が第2混合器45で混合され1500.000MHz
と1440MHzの2つの信号を出力し、第2バンドパ
スフィルタ47を通過することにより15000.00
0MHzの第2クロック周波数f2が出力される。この構
成により周波数f1,f2の周波数の差が正確に1KHzに
保持される。
【0023】この局部部発振器に相当する第1、第2水
晶発振器41,42では既に1KHzの差を持たせてお
り、また、混合器44,45から出力される周波数差は
60MHzと広い周波数差があるため、第1,第2バン
ドパスフィルタ46,47の特性はあまり急峻なものを
必要とせずSAWフィルタ、水晶フィルタのような一般
的フィルタで実現できる。
【0024】図4は第1及び第2擬似ランダム信号発生
器23,24の構成を説明した図である。本図は3ビッ
トのM系列信号発生器の構成図であり、分かり易く説明
するため3ビットの場合を示すが、より大きなビット、
例えば7ビットのシフトレジスタ等が用いられる。M系
列信号発生器はクロック信号に同期したフリップフロッ
プからなるシフトレジスタ50と、シフトレジスタ50
の最終段とその1つ前の段の出力信号を入力して最初の
段に出力する排他的論理回路51から構成される。
【0025】図5は図4に示した3段シフトレジスタを
用いた場合の擬似ランダム信号(M系列信号)を示した
タイミングチャートである。1周期のクロック数(ビッ
ト数)は段数をnとするとP=2n −1で表され、3段
シフトレジスタの場合n=3で、P=7となる。図4に
示す第1擬似ランダム信号発生器23から発生する第1
擬似ランダム信号M1の1ビットのクロック周波数をf1,
第2擬似ランダム周波数発生器24の第2擬似ランダム
信号M2の1ビットのクロック周波数をf2とすると、M1の
周期P1,M2の周期P2は次式で表される。 P1=(2n −1)/f1,P2=(2n −1)/f2 …(5) 擬似ランダム信号M1,M2の1周期における時間差Δtは
次式で表される。 Δt=P2−P1=(2n −1)(f1−f2)/(f1・f2) …(6) ここでf1>f2とする。具体例としてf1=1500.00
1MHz,f2=1500.000MHzとし、シフトレ
ジスタを7段(n=7)とすると、 P1=(2n −1)/f1 =(27 −1)/1500.001×106 =84666.61022(psec) P2=(2n −1)/f2 =(27 −1)/1500.001×106 =84666.66667(psec) また、1周期の差Δtは(6)式より Δt=P2−P1=0.0565(psec) と非常に微少な時間差として得られる。
【0026】図6(a),(b),(c)は乗算器2
5,26で得られる相関値の説明図である。図6(b)
は図4に示した3段シフトレジスタの1周期の擬似ラン
ダム信号M1,M2とその1ビット分を拡大したものであ
り、M2とM1の最初の1ビットが、1ビット分ずれた状態
から一致してゆき、次に1ビット分ずれてゆく過程を表
す。図6(c)はこのときの相関値を示す。図6(b)
において、M2の1周期P2とM1の1周期P1とは(6)式に
示すようにΔtだけずれており、1周期P1,P2は7ビッ
トから構成されているので、1周期の最初のビットでは
Δt/7、最後の7ビット目ではΔtずれている。は
M1とM2が1ビットずれた場合を示し、は最も一致した
場合を示し、は再び1ビットずれた場合を示す。図6
の(c)は図6(b)の,〜に対応した相関値の大
きさを縦軸にとり、横軸に時間軸をとって表したもので
ある。これは図2のローパスフィルタ27,28の出力
を表し、三角形の頂点が最大相関値である。
【0027】擬似ランダム信号M1,M2で相関があるのは
周期P1,P2の位相が一致している場合である。つまり、
P1とP2の位相が1ビット以上ずれていると相関がとれな
くなる。そこでM1とM2が互いに相関が得られる時間ΔT
はM2の1ビット当たりの時間をB2とすると次式で表され
る。 ΔT=2(B2/Δt)×P1=2(1/Δf) …(7) ただし、B2=1/f2 B2/Δtは1ビットずれるM1の周期P1の数を示し、この
数の周期P1分の時間はP1を掛ければ得られ、しかもこの
1ビットずれは、前後へのずれがあるので2倍となって
いる。次に一度相関を得た後、再度相関を得られるまで
の時間(相関周期)を求める。
【0028】図7は周期P2に対する周期P1の位相変化を
示したタイミングチャートである。図においては分かり
易くするためΔtをP1,P2に対し大きな値としている。
図示のように、Aの位置からΔtがP2に含まれる数だけ
P1を繰り返すと、P2とP1の関係がAの位置と同じくなる
Bの位置となるのでTは次式で表される。 T=(P2/Δt)×P1 =(P2/(P2−P1))×P1 =(2n −1)/Δf …(8) (8)式は先に示した(1)式を表している。
【0029】図8は図2の第1,第2ローパスフィルタ
27,28の出力を示したタイミングチャートである。
S1は第1ローパスフィルタ27の出力を示し、S2は
第2ローパスフィルタ28の出力を示す。S1,S2は
相関周期Tで最大相関値が表れている。なお、図2の伝
送線路La〜Ldはそれぞれの線路の長さも表すものとし、
伝送線路Laは第2擬似ランダム信号発生器24から第1
乗算器25までの伝送距離、伝送線路Lbは第2擬似ラン
ダム信号発生器24から第2乗算器26までの伝送距
離、伝送線路Lcは第1擬似ランダム信号発生器23から
第1乗算器25までの伝送距離であり、伝送線路Ldは第
1擬似ランダム信号発生器23から第1電極4、第2電
極5を経由して第2乗算器26に至るまでの距離であ
る。La=Lbとし、Lc=LdとするとS1とS2の位相差Xは0
となるが、Lc≠LdとなるとLcとLdの差に応じた位相差X
が発生する。
【0030】図9は溶鋼レベルが変化した時のLd−Lcの
変化を説明する図である。 レベルH0のとき:Ld−Lc=L’ レベルH1のとき:Ld−Lc=2L+L’ とし、レベルがL変位すると第1擬似ランダム信号発生
器23から乗算器26に伝達される信号M1は、乗算器2
5へ伝達されるM1に比べて次式に示す時間Td(遅延時
間)遅く伝達される。 Td=(2L+L’)/V …(9) ここでV=3×108 m/sec (光の速度)で電極と溶
鋼内を信号M1が伝わる速度である。
【0031】図10は遅延時間Tdと位相差Xとの関係を
示したタイミングチャートである。位置Aと位置Bにお
いては周期P2と周期P1の位相は一致しており、位置Aで
はS1の最大相関値が発生し、位置BではS2の最大相
関値が発生している。位相差Xには周期P2と周期P1がn
個あり、このn個のP2とn個のP1の差はnΔtで表さ
れ、このnΔtが遅延時間Tdに等しいので次式が成り立
つ。 Td=nΔt …(10) ここでn=X/P2であるので、 X=(Td/Δt)P2 …(11) =Td×f1/Δf =((2L+L’)×f1)/(V×Δf) …(12) この(11)式は先に示した(3)式を表す。(12)
式を用いて溶鋼レベルを求めるには次のようにする。ま
ず基準となるレベルH0を設定する。H0においてレベル変
位Lを0とし、H0における位相差X0を求めれば(12)
式より、L’を求めることができる。次に基準レベルH0
よりL下のレベルH1における位相差X1を求めれば(1
2)式にL’とX1を代入してLを求めることができる。
なお、H0より溶鋼レベルが上にゆくと変位Lが負の値と
して算出される。
【0032】ここで溶鋼レベルの変位LがL1からL2に変
化したとすると、それぞれの変位における位相差X1,X2
は次式で表される。 X1=((2L1 +L’)×f1)/(V×Δf) …(13) X2=((2L2 +L’)×f1)/(V×Δf) …(14) このときの位相差変化量ΔX は次式で表れる。 ΔX =X2−X1 =(2(L2−L1)×f1)/(V×Δf) =2ΔL×f1/(V×Δf) …(15) ただしΔL =L2−L1 これにより位相差変化ΔX と変位差ΔL の関係から得ら
れるのでΔX からΔLを算出することができる。またΔL
が分かれば基準レベルからの変位量Lや溶鋼レベルも
算出できる。
【0033】次に先に示した具体的数値を代入して検討
を行う。 擬似ランダム信号発生器のシフトレジスタ段数nは7
段とする。 P=2n −1=127 クロツク周波数 f1=1500.001MHz f2=1500.000MHz 変位差ΔL =1mmとする。 以上の値を(15)式に代入すると、 ΔX =(2ΔL =f1)/(V×f1) =2×1×10-3×1500×108 /(3×108 ×1×103 ) =0.00001(sec) =10×10-6(sec) 通常1mm当たりの信号伝搬時間ΔX’は ΔX’=2L /V =(2×1×10-3)/(3×108 ) =6.7×10-12 (sec ) ΔX /ΔX’=10×10-6/ (6.7×10-12 )=1.5×106 これにより信号の伝達時間が約150万倍遅延化された
ことになり信号処理が容易に、かつ精度よく行われる。
【0034】図11は図1の電極式レベル計3の計測結
果を示した特性図である。横軸に溶鋼レベルをとり、縦
軸に溶鋼レベルの計測値を表す電圧をとる。この時の計
測条件は、f=1500MHz,Δf =1KHz,擬似
ランダム信号発生器のシフトレジスト段数は7段であ
る。実験では位相差Xをコンピュータに取り込み演算す
ることでレベル又は基準位置からの距離を容易に、かつ
高速に処理することができた。
【0035】なお、本実施形態の電極1,2は溶融金属
より高い融点の金属を用いるか、或いは溶融金属内へ自
動的に繰り込んでゆくようにするとよい。電極は溶融金
属と同一の材料を用いれば融けても溶融金属の成分に影
響を与えない。
【0036】以上の説明から電極式レベル計3の内容が
明らかになったところで、次に再び図1に戻ってその説
明を続ける。信号処理装置4においては、電磁誘導方式
レベル計13の検出信号も入力され、モールド内の溶鋼
レベルが上昇して、電磁誘導方式レベル計13の出力が
得られた時点(溶鋼レベルが測定スパン内に到達した時
点)で、電磁誘導方式レベル計13の出力−距離特性を
求め、その特性を電極式レベル計3の計測結果に基いて
校正する。そして、それ以降は電磁誘導方式レベル計1
3の校正された出力に基いてモールド内の溶鋼レベルの
計測値を算出する。
【0037】図12は本実施形態における電極式レベル
計3によって鋳造開始時(溶鋼開始時)からのモールド
内の溶鋼レベルを連続して計測した計測値と電磁誘導式
レベル計13の計測値とを示した図である。電磁誘導式
レベル計13の計測値と電極式レベル計3の計測値とは
当初一致していないが、電磁誘導式レベル計13の計測
値を電極式レベル計3の計測値によって校正した時点か
ら両計測値は一致したものとなり、その後、電極1,2
が溶融して電極式レベル計3による計測は不能になる
が、電磁誘導式レベル計13の計測値は校正されて精度
の高いものとなっており、溶鋼レベルの定常制御におい
ては、その計測値が使用される。
【0038】また、信号処理装置4においては電極式レ
ベル計3により計測されたモールド内の溶鋼レベル及び
溶鋼レベルの上昇速度に応じて引き抜き速度制御装置5
及びノズル開度調整装置6に制御信号をそれぞれ送出
し、引き抜き速度制御装置5はその制御信号に基いて引
き抜きロール14の回転速度を制御し、それによって引
き抜き速度を制御する。また、ノズル開度調整装置6は
ストッパー15の位置制御を行い、それによってノズル
9の開度を調整する。溶鋼レベルの制御方法としては多
種多様なものが考えられるが、本実施形態においては、
操業開始時に、ストッパー15の位置を制御してノズル
9を一定開度にして溶鋼の注入を開始し、モールド内の
溶鋼レベルが一定レベルに達した時点で、引き抜きロー
ル14を駆動させて引き抜きを開始する。更に、引き抜
き開始後に、モールド内の溶鋼レベルの上昇速度が順次
減少し、溶鋼レベルが一定値に収束するようにノズル9
の開度調整及び引き抜き速度の制御を行った。
【0039】(実施形態2.)図13は本発明の他の実
施形態に係る連続鋳造操業制御方法が適用された状態を
示す図である。同図においては、オーバ−フローの検出
についての実施形態が図示されている。実際の操業で
は、電極1,2の先端を定常操業状態にあるモールド内
の溶鋼面の変動上限に対して上方数十mmの位置に設置
し、電極式レベル計3により信号が検出された場合に
は、信号処理装置4により引き抜き速度及びノズル開度
の調整を行うが、本実施形態では効果を確認するため電
極1,2の先端部を定常操業状態のモールド内の溶鋼レ
ベルの変動の上限付近に設置し、電極レベル計3の出力
を観察した。
【0040】図14はその観測結果を示した図である。
定常操業状態での溶鋼面の変動により電極と溶鋼面が接
触し、断続的に計測値が得られており、電極1,2を溶
鋼の湯面の上方位置に設置することにより電磁誘導式レ
ベル計14の故障等によりモールド内溶鋼レベルが異常
上昇した場合でも、溶鋼レベルの上昇が検出され、オー
バ−フローの防止が可能であることが確認された。
【0041】なお、電極1,2を一定の長さのものを使
用した例を示したが、電極1,2として長尺のロッドを
使用し、溶鋼への浸漬、電極の損耗に応じて連続的に又
は断続的に電極ロッドを挿入することにより、湯上がり
時の溶鋼レベルの計測だけではなく、定常状態における
溶鋼レベルを連続的に又は断続的に計測するようにして
もよい。
【0042】また、電極式レベル計3によって連続的に
又は断続的に計測された溶鋼レベルの計測値に基いて電
磁誘導方式レベル計13の計測値を校正することで、定
常状態において、電磁誘導方式レベル計による絶対値で
の正確な溶鋼レベルの計測を行うことができる。特に、
湯上がり時と定常状態とで温度が異なったときに、温度
ドリフトを適切に補正することができる。
【0043】(実施形態3.)ところで、連続鋳造設備
の特にビレット等の小断面モールドにおいては、溶鋼レ
ベルの上昇速度が速いため、電極として金属棒を使用す
ると電極が溶鋼中で溶損するまでの時間が長いため、引
き抜き開始時においても電極がモールド下部まで連続し
て存在する状態となる場合があり、引き抜き開始時に電
極が凝固シェルに捕まり、引き抜き開始にともない電極
が電極ホルダから引き抜かれ、計測不能となる場合があ
る。この対策として、電極を細くして電極の溶損までの
時間を調整する方法が考えられるが、そのようにした場
合には電極を極端に細くする必要があり、電極の設置、
保持に十分な強度が得られなくなる。そこで、本発明の
他の実施形態においては、連続鋳造設備の小断面モール
ド内に挿入する2本の電極として、外径3.0mm、内
径2.0mm、肉厚0.5mmの中空のSUSパイプを
使用した。
【0044】その結果、電極の溶鋼中で溶損するまでの
時間が短くなり、モールド内の溶鋼レベルの上昇に追従
して電極の溶鋼中の浸漬部が順次溶損し、引き抜き開始
時に電極がモールド下部まで連続して存在する状況とは
ならないため、電極がシェルに捕まって、電極がホルダ
から抜け落ち計測不能となるような事態が避けられた。
また、電極パイプの厚みを上記のように最適に調整して
いるため、湯面上昇時に電極が湯面の下10mm〜20
mmの部分に存在し、溶鋼の上昇時に湯面変動が生じた
場合でも溶鋼と電極の接触が断たれ、計測不能となるよ
うな事態が避けられ、溶鋼レベルを連続的に計測し、制
御を行うことができた。更に、電極をパイプとしたこと
により、電極の強度を保ったままで、電極の溶損時間を
調整することができた。
【0045】なお、電極は、上記の金属パイプの例に限
らず、適当な撓み剛性があり、溶融速度が溶鋼レベルの
上昇速度にみあうようなものであれば、他の部材例えば
導電性(カーボン入り)プラスチック等を使用してもよ
い。
【0046】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、鋳造開始
時の連続鋳造モールド内の溶鋼レベル及その上昇速度を
計測するようにしたので、鋳造開始時からのモールド内
溶鋼レベルの制御を適切に行うことが可能となり、操業
全期を通じて安定したレベル制御が可能となる。また、
本発明によれば、鋳造開始時に電磁誘導式レベル計の校
正を行い、定常操業時にその校正された電磁誘導式レベ
ル計に基いて正確なモールド内の溶鋼レベルの計測を行
い、絶対値での溶鋼レベルの制御が可能となっいる。ま
た、本発明によれば、定常操業中のモールド内の溶鋼レ
ベルの異常上昇を検出し、オーバフローを事前に防止す
ることが可能となっいる。更に、本発明によれば、第1
の電極及び第2の電極が鋳造開始時における溶鋼レベル
の上昇速度にほぼ等しい速度で溶融するので、溶融が遅
すぎる場合及び早すぎる場合の双方の弊害が避けられ、
ビレット等の小断面モールドにおいても、連続測定が可
能になっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る連続鋳造操業制御方
法が適用された制御装置及びその関連設備のブロック図
である。
【図2】図1の電極式レベル計の構成を示すブロック図
である。
【図3】図2のクロック発生器の構成を示すブロック図
である。
【図4】図2の擬似ランダム信号(M系列信号)発生回
路の一例を示す図である。
【図5】図4の3段シフトレジスタによる擬似ランダム
信号を示すタイミングチャートである。
【図6】相関値の出力を説明するタイミングチャートで
ある。
【図7】相関周期Tの算出方法を説明するタイミングチ
ャートである。
【図8】第1ローパスフィルタの出力S1及び第2ロー
パスフィルタの出力S2を示すタイミングチャートであ
る。
【図9】溶融レベルと信号伝送距離を説明する図であ
る。
【図10】位相差Xを算出する説明図である。
【図11】図1の電極式レベル計の実測値の一例を示す
特性図である。
【図12】図1の実施形態における電極式レベル計及び
電磁誘導式レベル計の計測値を示した特性図である。
【図13】本発明の他の実施形態に係る連続鋳造操業制
御方法が適用された状態を示す図である。
【図14】図13の実施形態における電極式レベル計及
び電磁誘導式レベル計の計測値を示した特性図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年7月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】そして、モールド内の溶鋼レベルが目標値
に達した時点で、電磁誘導方式レベル計の計測値による
定常操業制御に移行する。通常の電磁誘導方式レベル計
による制御では、湯上がり開始から電磁誘導方式レベル
計の計測レンジまでのモールド内の溶鋼レベルを計測せ
ず、溶鋼レベルが計測レンジ内に上昇してから制御を行
うため、モールド内の溶鋼レベルの上昇速度によっては
モールド内の溶鋼レベルの制御が遅れ、溶鋼レベルの目
標レベル以上への上昇や溶鋼面の上下変動が生じ、定常
操業へ移行するまでに時間がかかってしまう場合がある
が、本発明においては湯上がり開始からのモールド内の
溶鋼レベル及びその上昇速度に応じた制御を行って溶鋼
面の変動等の発生を防ぎ、安定して最短時間で定常操業
に移行することが可能になっている。また、本発明によ
る溶鋼レベルの計測においては、電極が溶鋼内に侵入し
た時点で溶鋼の湯面から下の部分の電極は溶解するた
め、溶鋼の湯面に上下の変動があった場合には、電極間
の接触が途切れて信号検出が困難となるが、細かい変動
に対しては電極材料及び形状を調整することにより溶鋼
侵入後の溶解時間を調整し、電極と溶鋼との間の接触を
維持し、連続計測を行う。更に、長尺の電極を使用し、
電極材料の溶解損耗に対して電極をモールド内に順次挿
入することにより連続した計測を行うことも可能であ
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】また、本発明の他の態様による連続鋳造操
業制御方法は、上記の連続鋳造操業制御方法において、
電極により計測された鋳造開始時のモールド内の溶鋼レ
ベルに基いて電磁誘導式レベル計の計測値を校正し、モ
ールド内の溶鋼レベルが定常操業レベルに達した後は、
校正された電磁誘導式レベル計の計測値に基いて、モー
ルド内の溶鋼レベルの制御を行う。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】本発明の他の態様においては、モールドに
電磁誘導方式レベル計及び電極を設置し、電極式レベル
計により鋳造開始(溶鋼注入開始)からのモールド内の
溶鋼レベルを計測し、モールド内の溶鋼レベルが電磁誘
導方式レベル計の計測スパン内に到達した時点で、電磁
誘導方式レベル計の計測値を電極方式レベル計による計
測値によって校正し、それによって温度ドリフト等によ
る、電磁誘導方式レベル計の計測値の誤差の発生を防
ぐ。そして、定常操業に移行した後は、電磁誘導方式レ
ベル計の計測値により引き抜き速度及びタンディッシュ
(TD)ノズルの開度を調整し、モールド内の溶鋼レベ
ルの絶対値での正確な制御を行う。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】また、本発明の他の態様による連続鋳造操
業制御方法は、上記の連続鋳造操業制御方法において、
連続鋳造操業において定常操業へ移行した後に、2本の
電極を溶鋼面の上に保持し、溶鋼による2本の電極間の
短絡、信号伝送を検出し、その検出によって、タンディ
ッシュノズルの開度を調整することによりモールド内か
らの溶鋼のオーバフローを防止する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】本発明の他の態様においては、連続鋳造定
常操業において、モールド内の定常状態の溶鋼レベル
(定常制御レベル)の上方の任意の位置に第1及び第2
の電極を設置し、第1及び第2の電極間の信号伝送の有
無を常時監視することにより、定常操業におけるレベル
計の故障等による制御不良が発生してモールド内の溶鋼
レベルが異常上昇した場合に、電極と溶鋼との接触によ
る伝送信号の検出により、溶鋼レベルの異常上昇及びそ
の上昇速度を検出することが可能となり、引き抜き速度
又は溶鋼注入量を調整することによりオーバーフローを
防止する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮原 弘明 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続鋳造設備操業の鋳造開始時におい
    て、モールド内に第1及び第2の2本の電極を挿入し、
    第1の電極に所定信号を入力し、モールド内へ注入され
    第1及び第2の電極と接触する溶鋼を介して第2の電極
    に伝送された所定信号を受信し、所定信号の伝搬による
    時間遅れの変化に基いてモールド内の溶鋼レベル及びそ
    の上昇速度を計測し、モールド内の溶鋼レベルが規定位
    置に達した時点で引き抜きを開始し、モールド内の溶鋼
    レベル及びその上昇速度に基いて、引き抜き速度及びタ
    ンディッシュから吐出される溶鋼注入量を調整して、モ
    ールド内の溶鋼レベルを制御し、定常操業に移行するこ
    とを特徴とする連続鋳造操業制御方法。
  2. 【請求項2】 前記電極により計測された鋳造開始時の
    モールド内の溶鋼レベルに基いて電磁誘導式レベル計の
    計測値を校正し、モールド内の溶鋼レベルが定常操業レ
    ベルに達した後は、校正された電磁誘導式レベル計の計
    測値に基いて、モールド内の溶鋼レベルの制御を行うこ
    とを特徴とする請求項1記載の連続鋳造操業制御方法。
  3. 【請求項3】 連続鋳造操業において定常操業へ移行し
    た後に、2本の電極を溶鋼面の上に保持し、溶鋼による
    2本の電極間の短絡、信号伝送を検出し、その検出によ
    って、タンディッシュノズルの開度を調整することによ
    り、モールド内からの溶鋼のオーバフローを防止するこ
    とを特徴とする請求項1記載の連続鋳造操業制御方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の電極及び前記第2の電極とし
    て、鋳造開始時における前記溶鋼レベルの上昇速度にほ
    ぼ等しい速度で溶融する部材を用いることを特徴とする
    請求項1、2又は3記載の連続鋳造操業制御方法。
  5. 【請求項5】 所定信号の時間遅れを計測する方法とし
    て、 第1の擬似ランダム信号を発生する工程と、 前記第1の擬似ランダム信号と信号パターンは同一で周
    波数がわずかに異なる第2の擬似ランダム信号を発生す
    る工程と、 前記第1擬似ランダム信号と前記第2の擬似ランダム信
    号とを乗算して第1の乗算値を求める工程と、 前記第1の擬似ランダム信号を第1の電極に入力する工
    程と、 溶鋼を介して前記第2の電極へ伝送された信号と前記第
    2の擬似ランダム信号とを乗算して第2の乗算値を求め
    る工程と、 前記第1の乗算値を積分して第1の積分値を求める工程
    と、 前記第2の乗算値を積分して第2の積分値を求める工程
    と、 前記第1の積分値及び第2の積分値の各々が最大値とな
    る時刻の間の時間遅れを計測する工程とを有することを
    特徴とする請求項1、2、3又は4記載の連続鋳造操業
    制御方法。
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