JP4319778B2 - 超音波の絶対音速測定方法及び装置 - Google Patents

超音波の絶対音速測定方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波の絶対音速測定方法及び装置に関し、特に、試料中に気泡等の障害物が存在しても伝播する超音波の絶対音速を測定する方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は、超音波音速測定装置が備えた超音波送受信装置を示す外観図である。超音波送受信部2aより所定距離の位置に反射板2bが設けられており、上記超音波送受信部2aと反射板2bとの間に試料が充填されるようになっている。この構造で、上記超音波送受信部2aに設けられた発振素子(図示せず)より送出された超音波が反射板2bで反射され、上記超音波送受信部2aに設けられた受信素子(図示せず)に受信されて電気信号に変換されるようになっている。
【0003】
上記超音波音速測定装置において試料中に超音波を伝播させると、その伝播周期Tと伝播距離Lとからc=L/Tとして音速を求めることができ、該音速に基づいて試料の物理量、例えば密度を算出することができるようになっている。
【0004】
この伝播周期Tを精度よく求めるための方法として、オーバラップ法やシングアラウンド法が広く知られている。
【0005】
オーバラップ法は、図5・図6に示すようになっている。すなわち、矩形波発振器101より出力される矩形波Wsを分周器107で分周し、該分周波Dsをパルサ102に入力する。そして、該パルサ102で駆動パルスPdを形成し、該駆動パルスPdを超音波送受信部103に入力する。更に、ここで得られた受信波を、アンプ104を介してオシロスコープ105に入力するようになっている。
【0006】
一方、オシロスコープは上記矩形波発振器101の出力によって駆動されている。従って、当該オシロスコープを駆動する矩形波Wsの周期と超音波送受信部103より得られる反射波Srの周期とが一致したときに、オシロスコープの画面が静止し、その時の周期が上記周期Tとなる。
【0007】
この方法は、上記矩形波発振器101の発振周波数を手動で調整することによって、オシロスコープの表示状態を静止状態に保つようになっているので、自動測定ができない難点がある。
【0008】
更に、シングアラウンド法は図7に示すようになっている。すなわち、起動トリガの入力でパルサ201より駆動パルスを発振させて超音波送受信部103に入力するようになっている。そして、該超音波送受信部103より得られる受信波に基づいてパルス成形器203で新たなトリガを形成して、該トリガを上記パルサ201に入力するようになっている。この場合は上記パルス成形器203の生成するパルスを周波数カウンタ204に入力し、該周波数カウンタ204で所定時間に得られる計数値に基づいて周期Tを算出することができるようになっている。
【0009】
この方法は、上記外部回路の構成等の影響を受けやすく、得られた周期Tは真の周期τ0 と回路上の遅れ時間τe との加算値で現れることになる。
【0010】
そこで、特開平6−235721号に開示される超音波音速測定装置では、図8に示すように、連続波を発振するようにした局部発振器を用いることによって、伝播周期Tを精度よく自動測定できるようにしている。
【0011】
まず、駆動パルス発振回路301より発振された或る時点での駆動パルスに基づいて、超音波送受信部103より少なくとも2回の受信波を得、第1回目の受信波と第2回目の受信波とを分離手段302で分離する。そして、第1回目の受信波▲1▼に基づいて、次の駆動パルスを駆動パルス発振回路301で発生するようにし、第2回目の受信波▲2▼に基づいて、伝播周期Tに対応するパルスを局部発振器304で発振するようにしている。このパルスに基づいて時間計測回路305で伝播周期Tを測定するようになっている。更に、上記局部発振器304の出力より第1回目の受信波▲1▼に対応するパルスを抽出して局部発振器304の基準パルスとし、第2回目の受信波▲2▼に対応するパルスを抽出して駆動パルス発振回路301の基準パルスとしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平6−235721号に開示される超音波音速測定装置では、1つの送信波(駆動パルス)毎に最低2つの受信波が必要であるため、試料中に気泡が存在する場合、満足な測定結果が得られないという問題があった。すなわち、上記超音波音速測定装置によれば、気泡の影響を受けて超音波が減衰し1つの送信波毎に2つ以上の受信波が得られない場合、連続発振が大きく乱れ、測定値に大きなばらつきが生じる。
【0013】
本発明は上記従来の事情に基づいて提案されたものであって、試料中に気泡が存在する場合であっても高精度に超音波の絶対音速を測定できるようにした超音波の絶対音速測定方法及び装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために以下の手段を採用している。すなわち、本発明は、超音波送信部より超音波を送信し、該超音波送信部と超音波受信部との間を伝播する超音波の伝播時間に基づいて試料中の音速を求める超音波の絶対音速測定方法を前提としている。
【0015】
まず、複数回の超音波の送信における少なくとも1つの送信に対して上記超音波受信部が受信した多重反射波のうち第1回目の受信波の受信タイミングにのみ位相が同期する連続波を発振するようにし、かつ、その連続発振波から送信タイミングを生成する機構を有した局部発振器の周期を計測する(第1の計測処理)。
【0016】
また、複数回の超音波の送信における少なくとも1つの送信に対して上記超音波受信部が受信した多重反射波のうち第1回目の受信波を含む2つ以上の受信波の受信タイミングにのみ位相が同期する連続波を発振するようにし、かつ、その連続発振波から送信タイミングを生成する機構を有した局部発振器の周期を計測する(第2の計測処理)。
【0017】
ここで、上記第1の計測処理によって得られる連続波の周期と、上記第2の計測処理によって得られる連続波の周期とが一致するように送信位相を調整する(調整処理)。
【0018】
そして、上記調整処理後の局部発振器の周期に基づいて上記伝播時間を得、該伝播時間より超音波の絶対音速を求める(演算処理)。
【0019】
以上のように、本発明によれば、試料中に気泡が存在する場合であっても高精度に超音波の絶対音速を測定することができる。
【0020】
なお、以下に説明するように、上記調整処理によって得られる調整量を予め記憶しておく方法を採用してもよい。
【0021】
すなわち、複数回の超音波の送信における少なくとも1つの送信に対して上記超音波受信部が受信した多重反射波のうち第1回目の受信波の受信タイミングにのみ位相が同期する連続波を発振するようにし、かつ、その連続発振波から送信タイミングを生成する機構を有した局部発振器の周期を計測する(第1の計測処理)。
【0022】
また、複数回の超音波の送信における少なくとも1つの送信に対して上記超音波受信部が受信した多重反射波のうち第1回目の受信波を含む2つ以上の受信波の受信タイミングにのみ位相が同期する連続波を発振するようにし、かつ、その連続発振波から送信タイミングを生成する機構を有した局部発振器の周期を計測する(第2の計測処理)。
【0023】
ここで、上記第1の計測処理によって得られる連続波の周期と、上記第2の計測処理によって得られる連続波の周期とが一致するように送信位相を調整する(調整処理)。
【0024】
更に、複数回の超音波の送信における上記超音波受信部が受信した少なくとも1つの受信波の受信タイミングにのみ位相が同期する連続波を発振するようにし、かつ、その連続発振波に基づいて上記位相調整処理後の送信タイミングを生成する機構を有した局部発振器の周期を計測する(第3の計測処理)。
【0025】
最後に、上記計測された周期に基づいて上記伝播時間を得、該伝播時間より超音波の絶対音速を求める(演算処理)。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に従って詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明を適用した超音波の絶対音速測定装置のブロック図であり、図2はそのタイミングチャートである。
【0028】
超音波の送信部および受信部より構成される送受信部2aと反射板2bとの間に試料が充填された状態で、送信回路1による駆動に基づいて、図2(a) に示すように超音波S0,S10…が送受信部2aより発振される。この超音波(以下「送信波」という)S0,S10…は、超音波送受信部2aと所定距離をおいて試料中に設置した反射板2bで反射して超音波送受信部2aに返り、再び超音波送受信部2aで反射して超音波送受信部2a・反射板2b間で図2(a) に示すように多重反射波(R0,R1…),(R10,R11…) …を起こす。
【0029】
この多重反射波を超音波送受信部2aで受信し、受信回路3で増幅した後、検出回路4で整形すると、図2(b) に示す受信検出波Srが得られる。
【0030】
なお、検出回路4では、所定レベル以上の強度で検出した反射波のみを受信波として採用するようになっている。すなわち、図2の例では、第1回目の送信波S0に対する第1回目の反射波R0と第2回目の反射波R1が、また、第2回目の送信波S10 に対する第1回目の反射波R10 が、それぞれ所定レベル以上であったので受信検出波Sr0 Sr1 Sr10として採用されている。それに対し、第3回目の送信波S20 に対する反射波は、その全部が所定レベル以下であったので、全く受信検出波として採用されていない。
【0031】
ところで、上記のように反射波が所定レベル以下となる原因は、例えば、試料液中に泡等の障害物が発生する場合が考えられる。このように受信波が検出されない状態で以下に説明するPLL回路が作動すると、誤った測定値を得ることになる。そこで、本発明では、上記所定レベル以上の強度で検出した反射波のみを受信波として採用するようになっている。
【0032】
すなわち、上記受信検出波Srを所定時間τだけ受信波遅延回路5(第1の遅延回路)で遅延させることによって、図2(c) に示す遅延受信波LSrを得る。そして、該遅延受信波LSrは、PLL16の位相比較器8の比較信号として入力されるようになっている。
【0033】
一方、PLL16の局部発振器10の出力である発振波(送信タイミング用連続発振波)P0 は遅延回路6でτe (後述する)遅延され、更に、遅延回路7(第2の遅延回路=遅延回路6+遅延回路7)で所定時間τ遅延されて遅延連続発振波P20となり、上記位相比較器8の基準波として入力される。これによって、遅延受信波LSrの立ち上がりの位相と、遅延連続発振波P20の立ち上がりの位相とを比較した結果が位相比較器8から出力されるようになっている。
【0034】
また、上記検出回路4の出力はPLL16のゲート回路9に制御信号として入力され、これによって、受信検出波Srが出ているタイミングのみにおける位相比較器8での比較結果(すなわち、遅延受信波の立ち上がりと遅延連続発振波P20の立ち上がりとの位相差)が、ゲート回路9を通過し、局部発振器10での発振周波数に反映されるようになっている。
【0035】
すなわち、泡等の影響で受信検出波Srが得られていないときにはゲート回路9は閉じた状態となっているので、位相比較器8での比較結果は反映されない。ここで、上記ゲートが開いている時間は、上記比較結果が通過するに必要な時間ということになる。
【0036】
以上の構成によると、所定の間隔で送信される複数の送信波S0,S10…に対応して少なくとも1回の反射波があれば、上記多重反射の時間間隔に同期した連続発振波P0 を得ることができる。
【0037】
従って、上記連続発振波P0 の周期をカウンタ11で計測し、この周期と、上記温度測定回路13より得られる温度とに基づいて演算回路14が音速を算出する。
【0038】
その後、上記のように算出された音速は、プリンタ或いは表示画面等の出力手段15に出力されるようになっている。
【0039】
ここで、図2の例では、送信波S0に対して反射波R0,R1 、送信波S10 に対して反射波R10 が受信されているが、送信波S20 に対しては全く反射波が受信されていない様子を示している。このように試料液中の泡等の障害物によって受信波が検出されないときに、遅延連続発振波P20と、発生していない遅延受信波LSrとの比較結果を局部発振器10の発振周波数に反映すると、目的とする周波数を得ることができない。
【0040】
ところが、上記のように検出波を所定時間τだけ遅延させると、検出回路4(遅延させる前のタイミングを持った信号)よりゲート回路9に受信波の有無に基づいた制御信号が入力され、ゲート回路9の開閉が制御されるようになっている。しかも、反射波が検出されない状態では上記ゲート回路9は閉じた状態を維持しているので、遅延連続発振波P20と、発生していない遅延受信波LSrとの比較結果が局部発振器10の発振周波数に反映されることはない。
【0041】
また、物理的・電気的な条件で、上記超音波の発振から第1回目の反射波R0,R10…が得られるまでの時間間隔と、第1回目の反射波R0,R10…を受信してから第2回目以降の反射波を受信するまでの時間間隔とでは、前者の方が若干(τe )大きくなっている。
【0042】
そこで、上記連続発振波遅延回路6での遅延量は上記τe に対応させ、また、分周回路12では、τe 時間遅らせる以前の連続発振波P0 の立ち上がりを利用して駆動信号Sdを形成するようになっている。すなわち、駆動信号Sdのタイミングは、遅延されていない受信検出波Srに同期した連続発振波P10よりもτe だけ早くなっている。
【0043】
以上のように本発明によれば、送信波毎に生じる多重受信波が気泡の存在により不規則に、また、たまにしか受信されないような状況であっても、受信波の有無を位相同期回路への入力以前に判定し、受信された信号にのみ位相同期をかけることによって、気泡の影響を殆ど受けない安定した測定が可能となる。
【0044】
ここで、上記τe は、試料の種類に依存するのではなく、超音波発振に必要な素子等の電気的・物理的な要因に起因するので、装置に特有の値となる。そこで、本発明では、装置毎に連続発振波が最も安定に発振するようにτe を調整するため、以下の手法を採用している。
【0045】
まず、演算回路(位相調整手段)14にτe を設定すると、上記連続発振波遅延回路6での遅延量が、このτe に変更されるようになっている。これによって、駆動信号Sdのタイミングが、遅延されていない受信検出波Srに同期した連続発振波P10よりもτe だけ早くなることは上記した通りである。
【0046】
ここで、演算回路14に設定するτe を所定量ずつ変化させると、以下に説明する2種類の連続発振波P0102の周期を演算回路14で測定することができる。
【0047】
すなわち、送信波S0,S10…に対応する多重反射波(R0,R1…),(R10,R11…) …のうち、第1回目の受信波R0,R10…を少なくとも1つ受信する。そして、この第1回目の受信波の受信タイミングにのみ位相が同期する連続発振波P01を得、この連続発振波P01の周期t01を演算回路14で測定する。
【0048】
また、送信波S0,S10…に対応する多重反射波(R0,R1…),(R10,R11…) …のうち、第1回目の受信波R0,R10…と第2回目の受信波R1,R11…とを少なくとも1つずつ受信する。そして、この第1回目と第2回目の受信波の受信タイミングにのみ位相が同期する連続発振波P02を得、この連続発振波P02の周期t02を演算回路14で測定する。
【0049】
ここで、上記のように測定した連続発振波P01の周期t01と連続発振波P02の周期t02とは、図3に示すように、遅延時間τe の変化に伴って変化し、このτe が特定の値τe0のとき、両者はt00に一致するようになっている。従って、演算回路14は、連続発振波P01の周期変化を示す直線L01と、連続発振波P02の周期変化を示す直線L02とを求め、これら2直線の交点におけるτe =τe0を算出するようになっている。
【0050】
以上のように算出したτe を演算回路14に設定しておけば、超音波発振に必要な素子等の電気的・物理的な要因に起因する遅延時間を完全にキャンセルすることができる。従って、この状態で得られる連続発振波P0 の周期に基づけば、試料中を伝播する音速の絶対値を測定することが可能である。すなわち、ここでいう音速の絶対値(絶対音速)とは、超音波発振に必要な素子等の電気的・物理的な要因に起因する遅延時間を完全にキャンセルした状態で得られる音速を意味する。
【0051】
ここで、上記の方法によると、演算回路14がτe を算出するためには第2回目の受信波を検出しなければならない。しかしながら、試料の種類によっては、超音波の減衰が大きいことから、第2回目の受信波を検出するのが困難な場合がある。
【0052】
そこで、このような場合は、減衰の小さい標準物質を用いて上記と同様の手順でτe を算出し、このτe を演算回路14に記憶しておく。このようにすれば、上記連続発振波遅延回路6での遅延量を当該τe に変更することができるため、減衰の大きい試料を用いた場合であっても、その中を伝播する音速の絶対値を測定することが可能である。
【0053】
ただし、τe は、超音波発振に必要な素子の温度変化に影響されるため、上記のように標準物質を用いた場合は、この温度変化に応じたτe を算出しておく。或いは、上記素子は試料の温度変化に影響されることから、この素子の温度変化に応じたτe ではなく、試料の温度変化に応じたτe を算出しておくようにしてもよい。
【0054】
以上のように、本発明によると、送信波S0,S10…に対応する多重反射波(R0,R1…),(R10,R11…) …のうち少なくとも1つ受信できれば、試料中を伝播する音速の絶対値を測定することができる。この絶対音速に基づけば、試料の物理量をより高精度に算出できることはいうまでもない。
【0055】
なお、上記したように、伝播周期Tと伝播距離Lとからc=L/Tとして絶対音速を求めることができるが、この伝播距離Lは試料の温度変化に影響されるため、以下の手法で算出するのが好ましい。
【0056】
すなわち、音速が既知の標準物質(例えば純水)を用いて上記と同様の手順でτe を算出し、このτe を演算回路14に設定した状態で得られる連続発振波P0 の周期を得る。このようにすれば、既知の音速と上記連続発振波P0 の周期との積から伝播距離Lを精度よく算出することが可能である。
【0057】
また、上記の説明では局部発振器10を1つだけ備えた構成を例示しているが、複数の局部発振器(すなわち、局部発振器10とは別の局部発振器)を備えた構成を採用してもかまわない。同様に、演算回路14を1つだけ備えた構成を例示しているが、複数の演算回路(すなわち、演算回路14とは別の演算回路)を備えた構成を採用してもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した超音波の絶対音速測定装置のブロック図である。
【図2】本発明におけるタイミングチャートである。
【図3】本発明における遅延時間τe と連続発振波周期との関係を示す図である。
【図4】超音波音速測定装置が備えた超音波送受信装置を示す外観図である。
【図5】従来技術のオーバラップ法の概念図である。
【図6】従来技術のオーバラップ法のタイムチャートである。
【図7】従来技術のシングアラウンド法の概念図である。
【図8】他の従来技術の概念図である。
【符号の説明】
1 送信回路
2a 超音波送受信部
2b 反射板
2c 測温体
3 受信回路
4 検出回路
5 受信波遅延回路
6 連続発振波遅延回路(遅延時間τe
7 連続発振波遅延回路(遅延時間τ)
8 位相比較器
9 ゲート回路
10 局部発振器
11 カウンタ
12 分周回路
13 温度測定回路
14 演算回路(位相調整手段)
15 出力手段
16 PLL

Claims (8)

  1. 超音波送信部より超音波を送信し、該超音波送信部と超音波受信部との間を伝播する超音波の伝播時間に基づいて試料中の音速を求める超音波の絶対音速測定方法において、
    複数回の超音波の送信における少なくとも1つの送信に対して上記超音波受信部が受信した多重反射波のうち第1回目の受信波の受信タイミングにのみ位相が同期する連続波を発振するようにし、かつ、その連続発振波から送信タイミングを生成する機構を有した局部発振器の周期を計測する第1の計測処理と、
    複数回の超音波の送信における少なくとも1つの送信に対して上記超音波受信部が受信した多重反射波のうち第1回目の受信波を含む2つ以上の受信波の受信タイミングにのみ位相が同期する連続波を発振するようにし、かつ、その連続発振波から送信タイミングを生成する機構を有した局部発振器の周期を計測する第2の計測処理と、
    上記第1の計測処理によって得られる連続波の周期と、上記第2の計測処理によって得られる連続波の周期とが一致するように送信位相を調整する調整処理と、
    上記調整処理後の局部発振器の周期に基づいて上記伝播時間を得、該伝播時間より超音波の絶対音速を求める演算処理、
    よりなることを特徴とする超音波の絶対音速測定方法。
  2. 超音波送信部より超音波を送信し、該超音波送信部と超音波受信部との間を伝播する超音波の伝播時間に基づいて試料中の音速を求める超音波の絶対音速測定方法において、
    複数回の超音波の送信における少なくとも1つの送信に対して上記超音波受信部が受信した多重反射波のうち第1回目の受信波の受信タイミングにのみ位相が同期する連続波を発振するようにし、かつ、その連続発振波から送信タイミングを生成する機構を有した局部発振器の周期を計測する第1の計測処理と、
    複数回の超音波の送信における少なくとも1つの送信に対して上記超音波受信部が受信した多重反射波のうち第1回目の受信波を含む2つ以上の受信波の受信タイミングにのみ位相が同期する連続波を発振するようにし、かつ、その連続発振波から送信タイミングを生成する機構を有した局部発振器の周期を計測する第2の計測処理と、
    上記第1の計測処理によって得られる連続波の周期と、上記第2の計測処理によって得られる連続波の周期とが一致するように送信位相を調整する調整処理と、
    複数回の超音波の送信における上記超音波受信部が受信した少なくとも1つの受信波の受信タイミングにのみ位相が同期する連続波を発振するようにし、かつ、その連続発振波に基づいて上記位相調整処理後の送信タイミングを生成する機構を有した局部発振器の周期を計測する第3の計測処理と、
    上記計測された周期に基づいて上記伝播時間を得、該伝播時間より超音波の絶対音速を求める演算処理、
    よりなることを特徴とする超音波の絶対音速測定方法。
  3. 超音波送信部より超音波を送信し、該超音波送信部と超音波受信部との間を伝播する超音波の伝播時間に基づいて試料中の音速を求める超音波の絶対音速測定装置において、
    複数回の超音波の送信における少なくとも1つの送信に対して上記超音波受信部が受信した多重反射波のうち第1回目の受信波の受信タイミングにのみ位相が同期する連続波を発振するようにし、かつ、その連続発振波から送信タイミングを生成する機構を有した第1の局部発振器と、
    複数回の超音波の送信における少なくとも1つの送信に対して上記超音波受信部が受信した多重反射波のうち第1回目の受信波を含む2つ以上の受信波の受信タイミングにのみ位相が同期する連続波を発振するようにし、かつ、その連続発振波から送信タイミングを生成する機構を有した第2の局部発振器と、
    上記2種類の連続波の周期が一致するように送信位相を調整し、該一致した周期に基づく上記伝播時間を得、該伝播時間より超音波の絶対音速を求める演算回路、
    よりなることを特徴とする超音波の絶対音速測定装置。
  4. 超音波送信部より超音波を送信し、該超音波送信部と超音波受信部との間を伝播する超音波の伝播時間に基づいて試料中の音速を求める超音波の絶対音速測定装置において、
    複数回の超音波の送信における少なくとも1つの送信に対して上記超音波受信部が受信した多重反射波のうち第1回目の受信波の受信タイミングにのみ位相が同期する連続波を発振するようにし、かつ、その連続発振波から送信タイミングを生成する機構を有した第1の局部発振器と、
    複数回の超音波の送信における少なくとも1つの送信に対して上記超音波受信部が受信した多重反射波のうち第1回目の受信波を含む2つ以上の受信波の受信タイミングにのみ位相が同期する連続波を発振するようにし、かつ、その連続発振波から送信タイミングを生成する機構を有した第2の局部発振器と、
    上記2種類の連続波の周期が一致するように送信位相を調整する位相調整手段と、
    複数回の超音波の送信における上記超音波受信部が受信した少なくとも1つの受信波の受信タイミングにのみ位相が同期する連続波を発振するようにし、かつ、その連続発振波に基づいて上記位相調整後の送信タイミングを生成する機構を有した局部発振器の周期を計測する計測手段と、
    上記計測された周期に基づく上記伝播時間を得、該伝播時間より超音波の絶対音速を求める演算回路、
    よりなることを特徴とする超音波の絶対音速測定装置。
  5. 上記第1の局部発振器と上記第2の局部発振器とが同じ局部発振器である請求項3又は4に記載の超音波の絶対音速測定装置。
  6. 上記第1の局部発振器と上記第2の局部発振器とが別の局部発振器である請求項3又は4に記載の超音波の絶対音速測定装置。
  7. 上記位相調整手段と上記演算回路とが同体である請求項4に記載の超音波の絶対音速測定装置。
  8. 上記位相調整手段と上記演算回路とが別体である請求項4に記載の超音波の絶対音速測定装置。
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