JPH03285745A - 鋼の連続鋳造方法及び装置 - Google Patents

鋼の連続鋳造方法及び装置

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JPH03285745A
JPH03285745A JP8130990A JP8130990A JPH03285745A JP H03285745 A JPH03285745 A JP H03285745A JP 8130990 A JP8130990 A JP 8130990A JP 8130990 A JP8130990 A JP 8130990A JP H03285745 A JPH03285745 A JP H03285745A
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章生 長棟
Koichi Tezuka
浩一 手塚
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小峯 勇
Norio Ao
範夫 青
Hironori Yamamoto
山本 裕則
Hirokazu Kondo
裕計 近藤
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、鋼の連続鋳造方法及び装置に係り、さらに詳
しくは、溶鋼の鋳込温度を鋳造の全期間において一定に
維持する鋼の連続鋳造のための加熱方法及びその装置に
関するものである。
[従来の技術] 先ず、連続鋳造プロセスにおいて、タンディツシュ内の
溶鋼を移行式のプラズマトーチを用いて加熱する従来方
法について説明する。プラズマの着火時には、プラズマ
トーチの先端を溶鋼表面に近づけた状態で高周波電流と
直流電流により非移行式プラズマとしてパイロットアー
クを発生し、これをガス流で溶鋼へ引き伸し、プラズマ
が溶鋼に到達してから大電流の直流電流に切り替えて移
行式プラズマを着火し、プラズマトーチ先端を溶鋼表面
から離した所定の位置に設定して、定常的なプラズマ加
熱が行なわれる。
このプラズマの着火時にプラズマトーチの先端を溶鋼表
面に接近させるので、溶鋼表面のレベルを正確に把握し
ていないとプラズマトーチの先端が溶鋼中に突っ込み、
プラズマトーチの損傷、プラズマトーチの冷却水漏水に
よる水蒸気爆発等重大な事故を引き起こす危険性がある
。特に、鋳造開始あるいは鋳造終了時点で、タンディツ
シュ内の溶鋼レベルが変化している場合にもプラズマの
着火が行なえるためには、タンディツシュ内の溶鋼レベ
ルを正確にかつ十分な応答性を以て計測する必要かある
また、プラズマ加熱の定常状態においては、プラズマト
ーチに印加されているプラズマ電圧はプラズマの長さに
ほぼ比例する性質があるので、このプラズマ電圧を一定
に保つようにプラズマトーチの位置を制御することによ
って、通常はプラズマトーチの先端と溶鋼表面との間隔
をほぼ一定に保つことができる。
しかし、通常のプラズマ加熱では、タンディッシュ内を
アルゴンガスあるいは窒素ガス雰囲気としているか、プ
ラズマ電圧はこれらの雰囲気ガスの種類や濃度によって
変化するので、ガス供給系統の故障やタンディツシュの
シールの異常等で、雰囲気ガスの状態が変化するために
プラズマ電圧が変化することもあるので、プラズマ電圧
を管理するだけでプラズマトーチが溶鋼に突っ込まない
ようにするには不十分であり、溶鋼のレベルを直接的に
計測する必要がある。
以上のようにタンディツシュ内の溶鋼のレベルを計測す
る必要性に対する従来技術としては、ロドセルによる重
量管理法と、金属棒と溶鋼との電気導通法とが試みられ
ている。
(1)ロードセルによる重量管理法 タンディツシュにロードセルを取り付けてタンディツシ
ュ内の溶鋼の重量を計測し、この重量を溶鋼の比重で除
算して体積を求め、あらかじめ調査したタンディツシュ
内の形状から溶鋼の体積を溶鋼レベルに換算する方法で
、連続計1jll+が可能である。
(2)金属棒と溶鋼との電気導通性 金属棒をその先端がタンディッシュ内の所定位置となる
ように挿入し、その金属棒と溶鋼との接触の有無を電気
的導通を検出することによって、溶鋼レベルかその金属
棒先端のポインI・に達しているか否かを計flil+
する方法である。また、上方から金属棒を徐々に下降さ
せて、溶鋼と電気的導通を検出した金属棒の位置から溶
鋼表面の位置を計A11jする方法もある。
電気的導通を検出する回路は、移行型プラズマトーチの
陽極となる溶鋼中の対極と金属棒との間に微弱な電流を
通電するような構成がとられる。
また1、i′1測ポイントを増やすために、複数の金属
棒をその先端位置を変えてタンディッシュ内に挿入する
場合もある。
[発明か解決しようとする課題] (1,)ロードセルによる型間管理法 この方法では、溶鋼の体積をレベルに換算するために、
タンディツシュ内の溶鋼レベルと体積の換算表をあらか
じめ作製しておく必要がある。しかし、タンディツシュ
を形成している耐火物は、使用とともに徐々に損耗し、
同じ溶鋼の体積てもそのレベルは徐々に低くなる。この
ため、正確な溶鋼のレベルを計測できないのが現状であ
る。
(2)金属棒と溶鋼との電気導通法 この方法では、時間的に連続してレベルを計測するのが
困難である。また、金属棒位置を固定して溶鋼との電気
的導通を検知する方法では、計測されるレベル位置がポ
イントであるため金属棒を複数使用したとしても、ポイ
ントとポイントとの間のレベル位置については、曖昧性
が残る。
したがって、鋳造開始と終了時点を除いた期間のように
、溶鋼レベルの変動が比較的遅くレベル計測の精度と応
答性の条件が緩やかとなる状態でのプラズマの着火はこ
の方法で実施されているが、鋳造の開始及び終了時点の
ように、溶鋼のレベルか大きくかつ早く変化する期間に
おいては、この方法を適用することはできない。
また、この方法は、いわゆる接触方式なので、金属棒は
消耗式となり常に交換して更新しておく必要があり、メ
インテナンス上の問題もある。
(3)その他の方法 タンディッシュ内の溶鋼レベルを計測する方法として、
レーザ光を用いた距離計も考えることはできるが、現実
には、溶鋼表面の自発光と溶鋼表面のスラグの存在によ
り弱くなったレーザの反射光との区別が光学的に困難で
ある。
また、超音波のレーダ方式の距離計を利用する方法に関
しても、溶鋼表面近傍の温度分布、雰囲気ガスの種類な
どの計測環境条件により、超音波が真っずくに伝播しな
い、伝播速度か変化する等の問題があり、使用されてい
ない。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたも
ので、例えばタンディッシュ内の溶鋼のレベルを応答性
良く連続計測し、そのレベルの計fllll値に基づい
てプラズマトーチの位置と投入電力を制御することによ
り、溶鋼レベルが比較的大きく変化する鋳造開始および
終了時点でもプラズマトーチの着火が行なえ、また、プ
ラズマ加熱の定常状態においても、プラズマトーチの溶
鋼内への突っ込みを防止できる鋼の連続鋳造方法及び装
置を得ることを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明に係る鋼の連続鋳造方法は、 (1)タンディツシュの上方に移行式のプラズマトーチ
と、このプラズマトーチを昇降するための昇降装置と、
タンディツシュ内の溶鋼レベルを計測するためのマイク
ロ波レーダ方式のレベル計とを設置してなり、プラズマ
トーチに電力を供給するための電源と、プラズマトーチ
の昇降位置を計測するためのプラズマトーチ位置計〃J
装置と、電源とプラズマトーチ位置を制御するための制
御装置とを用いて、レベル計によって計測された溶鋼の
レベル値に基づいてプラズマトーチの位置を所定範囲内
になるように制御し、又は、プラズマトーチの先端が溶
鋼に接触しないように制御するものである。また、 (2)タンディツシュの上方に移行式のプラズマトーチ
と、このプラズマトーチを昇降するための昇降装置と、
タンディツシュ内の溶鋼レベルを計測するためのマイク
ロ波レーダ方式のレベル計とを設置してなり、プラズマ
トーチに電力を供給するための電源と、プラズマト−チ
の昇降位置を計測するためのプラズマトーチ位置計測装
置と、電源とプラズマト−チ位置とを制御するための制
御装置とを用いて、レベル計により計測された溶鋼レベ
ル値に基づいて、プラズマトーチの先端を溶鋼表面から
所定の範囲内となるようにプラズマトーチの位置を制御
してから、プラズマトーチを着火するようにしたもので
ある。
また、本発明に係る鋼の連続鋳造装置は、タンディツシ
ュの上方移行式のプラズマトーチと、このプラズマトー
チを昇降するための昇降装置と、タンディツシュ内の溶
鋼レベルを計測するためのマイクロ波レーダ方式のレベ
ル計とを設置してなり、プラズマト−チに電力を供給す
るための電源と、プラズマトーチの昇降位置を計測する
ためのプラズマI・−舌位置計測装置と、レベル計によ
る溶鋼レベル計測値とプラズマトーチ位置計測装置によ
るプラズマトーチ位置計測値を入力として、プラズマト
ーチの先端が溶鋼に接触しないようにプラズマト−チの
位置を制御し、また、プラズマトーチの先端を溶鋼表面
から所定の範囲内となるように、プラズマトーチの位置
を制御してがらプラズマトーチを着火する機能を有する
制御装置とから成るものである。
さらに、工法方法及び装置におけるマイクロ波レーダ方
式のスラグレベル計は、擬似ランダム信号で変調したマ
イクロ波を送信し、溶鋼表面がらの反射波を受信してこ
のマイクロ波の往復伝播時間を計測し、この往復伝播時
間を距離に換算するようにしたものである。
[作 用] タンディツシュの」1方に設置したマイクロ波レーダ方
式のレベル計のアンテナがらマイクロ波を送信して、溶
鋼表面からの反射波を受信するまでのマイクロ波の伝播
時間を測定し、これにマイクロ波の空気中の伝播速度を
用いてアンテナがら溶鋼までの距離に換算することによ
り溶鋼表面のレベルを計測し、制御装置にその計測値を
出力する。
一方プラズマトーチ位置計測装置によりプラズマトーチ
の先端の位置を計測し、その計測値を制御 ] ] 2 御装置に出力する。制御装置は溶鋼レベルとプラズマト
ーチ先端の位置を監視しながら、プラズマトーチの位置
を溶鋼に近づけて所定の近接位置となるように、プラズ
マトーチ昇降装置に位置制御信号を出力する。制御装置
はプラズマトーチ先端が所定の近接位置となったら、プ
ラズマ着火信号を電源装置に出力する。
[発明の実施例] 第1図は本発明の一実施例の構成を示す模式図で、(a
)はタンディツシュの平面図、(b)はその人−A断面
図、(c)はB−B断面図である。
タンディツシュ(1)は溶鋼(5)が下を通過できるよ
うな堰(2)により例えば4つの室に区切られている。
溶m (5)はノズル(4)によって図示されていない
鍋から供給され、ノズル(3)によって図ボされていな
い鋳型に注入される。溶#lil (5)はこの間プラ
ズマトーチ(1」)によって加熱され、時間的に一定温
度の状態で鋳込まれる。
プラズマトーチ(11)は柱(21)で支持され、電動
モータとギヤーとブレーキで構成された昇降装置(14
)で上下に移動でき、その位置は可動部に取り付けられ
柱(21)に接触したパルスジェネレータと、パルスカ
ウンタで構成されたプラズマトーチ位置計測装置(15
)で計測される。電源装置(12)はプラズマトーチ(
11)とタンディツシュ(1,)内の陽極(6)に電気
的に接続されている。プラズマトーチ(11)には、図
示されていないが冷却水の給水用と排水用の配管と、プ
ラズマ発生のためのアルゴンガスなどのガス配管が接続
されている。(16)はタンディツシュ(1)の上方に
設置されたマイクロ波レーダ方式のレベル計、(1,7
)はその送信アンテナ、(18)は受信アンテナである
。(13)は制御装置で、レベル計(16)と、プラズ
マトーチ位置計測装置(I5)と、昇降装置(14)及
び電源装置(12)とに接続されている。
マイクロ波レーダ方式のレベル計(16)の構成を第2
図に示す。マイクロ波レーダ方式のレベル計としては、
FMCW方式のマイクロ波レーダも使用できるが、溶鋼
の保温を目的と12で溶鋼表面にマイクロ波の反射率が
きわめて低い焼きもみがらを浮遊させる場合があり、感
度の高いマイクロ波1ノ−ダか必要となる。本発明では
、第2図に示したような擬似ランダム信号でマイクロ波
を変調して感度を高めたレーダを使用した。これは、本
発明の出願人か出願した特願昭[13−250784号
の発明と基本的に同じものである。
第2図において、(31)は搬送波発信器、(32)は
分配器、(33)は乗算器、(34)は送信器、(35
)はノーイブリット結合器、(3G) 、 (37)は
クロック発生器、(38) 、 (39)は擬似ランダ
ム信号発生器、(40)は乗算器、(41)はローパス
フィルタ、(24)は受信器、(43)は乗算器、(4
4)は分配器、(45) 、 (4B)は乗算器、(4
7) 、 (48)はローパスフィルタ、(49) 、
 (50)は二乗器、(51)は加算器、(52)は時
間測定器、(53)は距離換算器である。
第3図は第2図の動作を説明するための波形図、第4図
は7ビツトのM系列信号発生器の構成図であり、(55
)は7段構成のシフトレジスタ、(5B)は排他的論理
和回路である。
次に、第3図及び第4図を参照して第2図のレベル計(
16)の動作を説明する。擬似ランダム信号発生器(3
g)、(39)は例えばM系列信号発生器が使用できる
。第4図は7ビツトのM系列信号発生器の構成を示して
おり、例えばECL (エミッタ・カップル・ロジック
)素子による7段構成のシフI・レジスタと、排他的論
理和回路により構成される。M系列信号は符号の“1”
 (正電圧の+Eが対応する)と“0” (負電圧の−
Eが対応する)の組み合わせによる周期性循環信号であ
り、本実施例の7ビツトの場合27−1=1.27個(
127チツプともいう)の信号を発生すると1周期が完
了し、この周期を繰り返した循環信号を発生する。
擬似ランダム信号発生器(3g) 、 (39)は同一
回路で構成されるため、両者の出力信号は全く同一パタ
ーンの信号となる。ただし、供給されるクロック周波数
がわずかに異なるためその1周期もわずかに異っている
。また擬似ランダム信号としてはM系列信号以外にも、
ゴールド系列信号、JPL系列信号を使用することがで
きる。
クロック発生器(86) 、 (37)は共に水晶発振
子を5 6 内蔵し、十分周波数の安定したクロック信号を発生する
が、その発生周波数かわずかに異っている。
本実施例ではクロック発生器(36)の発生周波数f1
をIOo、004MHz、クロック発生器(37)の発
生周波数f を99.998MHzとし、その周波数を
f1f  −8Ktlzとしている。クロック発生器(
36)及び(37)からそれぞれ出力されるクロック信
号f1及びf2は、それぞれ擬似ランダム信号発生器(
38)及び(39)に供給される。擬似ランダム信号発
生器(38)及び(39)は、駆動用クロック信号の周
波数差によりそれぞれの1周期がわずかに異なるが、同
一パターンのM系列信号M 及びM2を出力すす る。いま2つのM系列信号M 及びM2の周期を求める
と、 Mlの周期−127X I/100.004MHz’;
 12B9.9492nsM2の周期−=127 X 
1/ 99.998MHz# 1270.0508ns
となる。即ち2つのM系列信号M 及びM2は約■ 1270ns (!0−9秒)の周期を有するが、両者
の周期には約0.Insの時間差がある。それ故この2
つのM系列信号M 及びM2を循環して発生させ、あす る時刻t で2つのM系列信号のパターンが一致したと
すると、1周期の時間経過毎にO,insのずれが両信
号間に生じ、100周期後には10nsのずれが両信号
間に生ずる。ここてM系列信号は1周期1270nsに
127個の信号を発生するので、1信号の発生時間はI
onsである。従って2つのM系列信号M 及びM2間
にIonsのずれが生ずるこということは、M系列信号
が1個分ずれたことに相当する。
擬似ランダム信号発生器(38)の出力M1は乗算器(
40)及び(33)に、また擬似ランダム信号発生器(
39)の出力M2は乗算器(40)及び(43)にそれ
ぞれ供給される。
搬送波発振器(31)は例えば周波数的10GHzのマ
イクロ波を発振し、その出力信号は分配器(32)によ
り分配され、乗算器(33)及びハイブリッド結合器(
35)に供給される。乗算器(33)は例えばダブルバ
ランスドミクサにより構成され、分配器(32)より入
力される周波数的]0GHzの搬送波と、擬似ランダム
信号発生器(38)より入力されるM系列信号M1との
乗算を行ない、搬送波を位相変調したスベクトル拡散信
号を出力し、送信器(34)へ供給する。送信器(34
)は入力されたスペクトル拡散信号を電力増幅し、送信
アンテナ(17)を介して電磁波に変換し、タンディツ
シュ(1)に向けて放射する。
ここで周波数10GHzの電磁波の空中ての波長は3 
cmであり、タンディツシュ(1)内の粉塵の大きさ(
直径)に比べて十分長いので、粉塵等の影響を受けにく
い。また送信アンテナ(17)及び受信アンテナ(18
)は例えばホーンアンテナを用い、指向性を鋭く絞るこ
とにより溶鋼(5)の表面以外からの反射電力を可及的
に小さくしている。なお、アンテナゲインはいずれも約
20dB程度である。
送信アンテナ(17)からタンディツシュ(1)内に向
けて放射された電磁波は、溶鋼(5)の表面で反射され
受信アンテナ(18)を介して電気信号に変換され、受
信器(42)へ入力される。受信器(42)へ入力信号
が供給されるタンミングは、当然送信アンテナ(17)
から電磁波が放射されたタンミングから、タンディツシ
ュ(1)内の溶鋼(5)の表面までの距離を往復し、受
信アンテナ(18)に到達するまでの電磁波の伝播時間
たけ遅延している。受信器(42)は入力信号を増幅し
乗算器(43)へ供給する。
一方、乗算器(40)に擬似ランダム信号発生器(38
)及び(39)からそれぞれ人力されたM系列信号M 
及びM2は乗算され、その乗算値の時系列信号はローパ
スフィルタ(41)へ供給される。第3図の(ア)はこ
のローパスフィルタ(41,)への入力信号、即ち乗算
器(40)の乗算値である時系列信号を示した波形であ
り、乗算器(40)へ入力される2つの擬似ランダム信
号の位相が一致している場合は十Eの出力電圧が継続す
るが、両信号の位相が一致していない場合は十Eと−E
の出力電圧がランダムに発生する。
ローパスフィルタ(41) 、 (47) 、 (48
)は周波数の帯域制限を行なうことにより一種の積分機
能を有し、両信号の相関演算値の積分信号として、両信
号の位相が一致している場合には、第3図の(イ)に示
されるよなパルス状信号を出力する。また両信号の位相
か不一致の場合には出力は零となる。従って、ローパス
フィルタ(40)の出力には周期的に 9 0 パルス状信号が発生する。このパルス状信号は時刻の基
準信号として時間測定器(52)へ供給される。
この基準信号の周期TBは、本実施例の場合は擬似ラン
ダム信号を7ビツトのM系列信号M1及びM としたの
で、1周期の波数Nは27−1−127であり、f  
−100,004MHz、、f 2−99 、998M
llzであるので、T B= 1.5.875m5とな
る。この基準信号とその周期TBは第3図の(1)に示
される。
また、乗算器(43)へは受信器(42)からの受信信
号と、擬似ランダム信号発生器(39)からのM系列信
号M2か入力され、両信号の乗算が行なわれる。
この乗算器(43)の乗算結果は、第1のM系列信号M
1により送信用搬送波が位相変調される受信信号の被変
調位相と、第2のM系列信号M2の位相が一致している
場合は位相の揃った搬送波信号として出力され、受信信
号の被変調位相とM系列信号M2の位相が異なるときに
は、位相のランダムな搬送波として出力され、分配器(
44)へ供給される。
分配器(44)は入力信号を2つに分配し、その分配出
力R及びR2をそれぞれ乗算器(45)及び(46)へ
供給する。分配器(32)より送信用搬送波の一部が供
給されたハイブリッド結合器(35)は、入力信号に対
して同相成分の(位相0度の)信号■と、直角成分の(
位相90度の)信号Qとを出力し、それぞれ乗算器(4
5)及び(46)へ供給する。乗算器(45)はハイブ
リッド結合器(35)より入力する信号■ (即ち搬送
波発振器(31)の出力と同相の信号)と、分配器(4
4)より入力する前記信号R1との乗算を行ない、同様
に乗算器(46)は入力する信号Q(即ち搬送波発振器
(31)の出力と90度位相の異なる信号)と前記信号
R2との乗算を行ない、それぞれ受信信号中の位相0変
成分(■・R1)と位相90度成分(Q−R2)とを抽
出し、被検波信号として出力する。この被検波信号とし
ての信号■・RとQ−R2はそれぞれローパスフィルタ
(47)及び(48)へ供給される。
ローパスフィルタ(47)及び(48)は周波数の帯域
制限を行なうことにより積分機能を有し、2信号の相関
演算値を積分を行なう。即ち、乗算器(43)の出力よ
り分配器(44)を介して乗算器(45)に入力する前
記信号R1と、ハイブリッド結合器(35)により乗算
器(45)に入力する前記信号Iの位相が一致したとき
、同様に乗算器(4B)に入力する前記信号R2と信号
Qの位相か一致したとき、乗算器(45)及び(40)
の出力信号はそれぞれ一定極性のパルス信号(電圧→−
Eのパルス信号)となり、この信号を分析したローパス
フィルタ(47)及び(48)の出力には大きな正電圧
が得られる。また前記信号R1と信号lの位相の不一致
のとき、及び前記信号R2と信号Qの位相の不一致のと
き、乗算器(45)及びり46)の出力信号は、それぞ
れランダムに変化する正負両極性のパルス信号(即ち電
圧十Eと−Eのパルス信号)となり、この信号を積分し
たローパスフィルタ(47)及び(4g)の出力は零と
なる。
ローパスフィルタ(47)及び(48)により上記の如
く積分処理された位相θ度成分と位相90度成分の信号
は、それぞれ2乗器(49)及び(50)に供給される
。2乗器(49)及び(50)はそれぞれ入力信号の振
巾を2乗演算し、その演算結果の出力信号を加算器(5
1)に供給する。加算器(51)は両人力信号を加算し
て第3図の(つ)に示すようなパルス状検出力信号を出
力し、時間測定器(52)に供給する。いまこの検出信
号の最大値発生時刻をt、とする。
このように受信信号とM系列信号M2との相関処理によ
り得られた信号から、送信用搬送波の位相0変成分と位
相90度成分をそれぞれ検波し、この検波信号をそれぞ
れ積分処理後2乗演算し、この一対の2乗値の和として
溶鋼レベル検出信号を得る方式は構成が多少複雑である
が、高感度の溶鋼レベル検出信号を得ることができる。
また、M系列信号のような擬似ランダム信号の相関出力
を得るようにしているので、雑音の影響を低減して信号
を強調するため、信号対雑音比(S /N)の高い測定
システムを実現することができる。勿論搬送波の検波方
式としては、クリスタルを用いた検波方式かあり、感度
は低下するが、構成が単純化されるので、仕様及びコス
トによりこの方式を採3 4 用することもできる。
時間測定器(52)はローパスフィルタ(10)から入
力される基準信号の最大値の発生時刻t と、加算器(
51)から入力される検出信号の最大値の発生時刻tl
)との間の時間TDを測定する。このため時間測定器(
52)は2つの入力信号の最大値発生時刻を検出する機
能を有する。例えば、入力電圧値をクロック信号により
逐次サンプルホールドして、現在のクロック信号による
サンプル値とクロック信号の1つ前のサンプル値とを電
圧比変器により逐次比較して、入力信号の時間に対する
増加状態から減少状態に反転する時刻を検出することに
より、入力信号の最大値発生時刻を検出することができ
る。前記時間T、は第3図(1)に示す基準信号の最大
値発生時刻t と、(つ)に示す検出信号の最大値発生
時刻tbとの間の時間として示される。この時間TDは
、実際に電磁波が送信及び送信アンテナ(17)及び(
18)と、溶鋼(5)の表面間の距離を往復する伝播時
間τのf i / (f 1f2)倍だけ時間的に拡大
されて得られる。本実施例の場合、f  =1−00−
004MHzSf 2 =99−998MHzなので、
12.500倍に時間が拡大され、次式が得られる。
TD =12.500τ              
   ・・・ ・・[1コなお、[1コ式の時間T、は
、前記基準信号の周期Tnごとに得られる。
このように、本発明は計測時間がきわめて大きく拡大さ
れているので、溶鋼(5)のレベルを短距離から精度良
く計測することができる。したがって送信及び受信アン
テナ(17)及び(18)から溶鋼(5)の表面までの
距離Xメートルを[1コ式により求めると、次式かえら
れる。
x=(f −f )/2f 修VψTD12     
L =1.2X104  ・T 。       ・・・・・・[2] 送信アンテナ(I7)と受信アンテナ(J8)は共用す
ることもできるが、本実施例では信号系統の混信を低減
するため個別にアンテナを設けた。アンテナの構成は第
5図に示すように、開口部が200 x120mmで長
さ200止のホーンアンテナ(61,)、(81a)に
、内寸法1010X24で長さ100止の方形導波管(
62)、  (62a)を接続し、この導波管に6 m
mの穴(63) 、 (63a)を設けてアルゴンガス
を流し、アンテナを冷却するようにしたものである。な
お、送信及び受信アンテナ(17) 、 (1,8)と
導波管([t2) 、(62a)の材質は、銅、真鍮も
使用できるが、本実施例ではステンレス鋼を用いた。こ
のマイクロ波レーダ方式のレベル計により、溶鋼(5)
のレベル計測精度として、分散4.mm、応答速度とし
て1秒を得ることができた。
制御装置(■3)は、溶鋼レベル計測値とプラズマトー
チ先端位置計測値によりプラズマ着火のタイミングを制
御する。プラズマトーチ(11)の先端部を溶鋼(5)
の表面に接近させ、その距離が70mmとなったときに
着火信号を電源装置に(12)に出力するようにした。
この結果、省エネルギ策として精練の出鋼温度を下げて
も、鋳造開始時点からタンディツシュ(1)内の溶鋼レ
ベルが」1昇中においても着火することができるように
なり、タンディツシュ(1)のプラズマ加熱の適用範囲
が広がった。また、別の鋳造ては、鋳造開始時には溶鋼
温度が十分高く、プラズマ加熱の必要がなかったが、鋳
造終了間際になって溶鋼温度が低下して加熱の必要性が
生じたので、溶鋼レベルが下降中であるのにもががゎら
ずプラズマに着火して鋳造温度を一定に保ち、品質の良
い鋳片を歩留まり良く得ることができた。
電源装置(12)は、プラズマ着火信号が入力されると
、第6図に示すように、高周波電圧(76)をプラズマ
トーチ(11)の中心部の陰極(72)とノズル(71
)との間に印加し、陰極(72)とノズル(71)間に
高周波プラズマを発生させる。次にパイロットアク用の
直流電源(75)に切り替えて、パイロットアークをプ
ラズマトーチ(11)の陰極(72)とノズル(71)
の間に発生させる。このパイロットアークはプラズマト
ーチ(11)の陰極(72)とノズル(71)の間のガ
ス流により溶鋼(5)のほうに引き伸ばされ、溶鋼(5
)に到達する。この時点で、溶鋼(5)側は陽極となり
、プラズマトーチ(11)の陰極(72)との間に直流
電源(74)を印加(例えば]、20V)することによ
り直流電流によるメインプラズマが着火し、 7 8 パイロットアーク用の直流電源(75)はOFFになる
。メインプラズマが着火した後は、電源は安定電流源と
して作動する。(73)はこれらの電源内のシーケンス
を制御するシーケンス制御部である。
プラズマ印加電圧はプラズマの長さにほぼ比例して大き
くなる性質があるので、制御装置(13)はプラズマ着
火後、プラズマの印加電圧が所定の値となるまでプラズ
マ(11)の位置を徐々に溶鋼(5)がら離し、その後
は印加電圧が一定に保てるように昇降装置を(14)を
制御してプラズマトーチ(11)の位置を調整し、定常
的なプラズマ加熱状態とする。
また、制御装置(13)は、定常加熱状態においては、
溶鋼面からプラズマトーチ(11)の先端部までのギャ
ップ長を、スプラッシュ発生が少なくかつ加熱効率の高
い300〜400 mmの設定距離に保ように1・−舌
位置を制御する。一方、定電力投入制御時には必要な電
力が投入されるように、電流、電圧設定が行なわれ、電
圧を制御するためにギャップ長を制御する。この場合、
プラズマ電圧が一定となるように、プラズマトーチ位置
を制御しているが、プラズマトーチ(11)の溶鋼中へ
突っ込み事故の予防を目的として、レベル計測値とプラ
ズマトーチ先端位置の計測値とを比較し、トーチ先端が
50+nm以下となった場合には、異常処理としてプラ
ズマトーチ(11)を緊急的に上昇させるようにしてい
る。実際、タンディツシュ(1)内をアルゴンガス雰囲
気としている定常加熱中に、タンディツシュ(1)のシ
ール異常が発生して空気が混入し、プラズマ電圧が高く
なり、この電圧を下げるために制御装置(13)が自動
的にプラズマトーチ(11)の高さを低くして、プラズ
マトーチ(11)の位置が異常に溶鋼表面に接近したが
、制御装置(13)は自動的にレベル計(lB)の計測
値を参照することにより、プラズマトーチ(11)の位
置が異常に低いことを認識してプラズマトーチ(11)
を緊急上昇させ、プラズマトーチ(11)の溶鋼内突っ
込み事故を未然に防ぐことができた。
[発明の効果コ 本発明は鋼の連続鋳造設備において、溶鋼レベルを直接
計測し、この情報を用いてプラズマトーチの位置や電源
を制御するようにしたので、鋳造の開始あるいは鋳造の
終丁の時点で、溶鋼レベルが比較的早く変化しているよ
うな状況下でもプラズマの着火かてきるようになり、精
錬出鋼温度の低減によるエネルギの節約、高品質の鋳片
の歩留まり向上のメリットが得られる。さらに、定常的
なプラズマ加熱中にあっても、トーチの溶鋼中への突っ
込みによる重大事故を防止できる等、多くの効果を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す模式図で、(a)は平
面図、(1))は第1図のA−A断面図、(c)は第1
図のB−B断面図、第2図は本発明の要部をなすマイク
ロ波レーダ方式レベル計の構成を示すブロック図、第3
図は第2図の動作を説明するための波形図、第4図は7
ビツトのM系列信号発生器の構成図、第5図はアンテナ
の実施例の模式図、第6図はプラズマトーチの着火を説
明するための回路図である。 (+>・・・タンディツシュ、(5)・・・溶鋼、(1
1)・・・プラズマトーチ、(12)・・・電源装置、
(13)・・・制御装置、(14)・・・昇降装置、(
]5)・・・プラズマトーチ位置計測装置、(16)・
・・レベル計、(17)・・・送信アンテナ、(18)
・・受信アンテナ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)移行式のプラズマトーチを用いた鋼の連続鋳造設
    備において、 タンディッシュの上方に移行式のプラズマトーチと、こ
    のプラズマトーチを昇降するための昇降装置と、上記タ
    ンディッシュ内の溶鋼レベルを計測するためのマイクロ
    波レーダ方式のレベル計とを設置してなり、上記プラズ
    マトーチに電力を供給するための電源と、上記プラズマ
    トーチの昇降位置を計測するためのプラズマトーチ位置
    計測装置と、上記電源とプラズマトーチ位置を制御する
    ための制御装置とを用いて、上記レベル計によって計測
    された溶鋼のレベル値に基づいて上記プラズマトーチの
    位置を所定範囲内になるように制御し、又は、上記プラ
    ズマトーチの先端が溶鋼に接触しないように制御するこ
    とを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
  2. (2)移行式のプラズマトーチを用いた鋼の連続鋳造設
    備において、 タンディッシュの上方に移行式のプラズマトーチと、こ
    のプラズマトーチを昇降するための昇降装置と、上記タ
    ンディッシュ内の溶鋼レベルを計測するためのマイクロ
    波レーダ方式のレベル計とを設置してなり、上記プラズ
    マトーチに電力を供給するための電源と、上記プラズマ
    トーチの昇降位置を計測するためのプラズマトーチ位置
    計測装置と、上記電源とプラズマトーチ位置を制御する
    ための制御装置とを用いて、上記レベル計によって計測
    された溶鋼レベル値に基づいて上記プラズマトーチの先
    端を溶鋼表面から所定の範囲内になるように上記プラズ
    マトーチの位置を制御したのち上記プラズマトーチを着
    火することを特徴とする鋼連続鋳造方法。
  3. (3)移行式のプラズマトーチを用いた鋼の連続鋳造設
    備において、 タンディッシュの上方に移行式のプラズマトーチと、こ
    のプラズマトーチを昇降するための昇降装置と、上記タ
    ンディッシュ内の溶鋼レベルを計測するためのマイクロ
    波レーダ方式のレベル計とを設置してなり、上記プラズ
    マトーチに電力を供給するための電源と、上記プラズマ
    トーチの昇降位置を計測するためのプラズマトーチ位置
    計測装置と、上記レベル計による溶鋼レベル計測値とプ
    ラズマトーチ位置計測装置によるプラズマトーチ位置計
    測値を入力として上記プラズマトーチの先端が溶鋼に接
    触しないように上記プラズマトーチの位置を制御し、ま
    た、上記プラズマトーチの先端を溶鋼表面から所定の範
    囲内となるように上記プラズマトーチの位置を制御した
    のち上記プラズマトーチを着火する機能を有する制御装
    置とを備えたことを特徴とする鋼の連続鋳造装置。
  4. (4)マイクロ波レーダ方式のレベル計として、擬似ラ
    ンダム信号で変調したマイクロ波を送信し、溶鋼表面か
    らの反射波を受信してこのマイクロ波の往復伝播時間を
    計測するようにしたマイクロ波レーダ方式のレベル計を
    使用したことを特徴とする請求項(1)若しくは(2)
    記載の鋼連続鋳造方法又は請求項(3)記載の鋼の連続
    鋳造装置。
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