JPH08292457A - エレクトロクロミック素子の封止方法 - Google Patents

エレクトロクロミック素子の封止方法

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JPH08292457A
JPH08292457A JP7333806A JP33380695A JPH08292457A JP H08292457 A JPH08292457 A JP H08292457A JP 7333806 A JP7333806 A JP 7333806A JP 33380695 A JP33380695 A JP 33380695A JP H08292457 A JPH08292457 A JP H08292457A
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JP
Japan
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thermosetting
thermosetting material
sealing
temperature
pressure
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JP7333806A
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English (en)
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Atsushi Shirasawa
淳 白澤
Takeo Endo
健夫 遠藤
Katsuhiro Shimanoe
克博 島ノ江
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】封止材としての熱硬化材の熱硬化時、EC素子
内の水分蒸発によるEC素子損傷を良好に防止すること
により、硬化温度のより高い熱硬化材を封止材として用
いることを可能とし、EC素子の耐久性を向上させる。 【解決手段】基板1上に配設されたEC素子2の周囲に
熱硬化前の熱硬化材4を配設する工程と、雰囲気の圧力
を少なくとも大気圧を越える圧力とすることにより、E
C素子2に損傷を与えず、かつ、熱硬化材4の熱硬化に
影響を及ぼすことのないような該雰囲気の温度及び湿度
の最適範囲を拡げる工程と、上記雰囲気の温度及び湿度
を上記最適範囲内に保ちながら、熱硬化前の熱硬化材4
を加熱して熱硬化させる工程とからなる。EC素子2の
損傷を抑え、かつ、熱硬化材4による封止性を良好に確
保しつつ、従来より硬化温度の高い熱硬化材4を封止材
として用いることが可能となり、EC素子2の耐久性向
上に貢献する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエレクトロクロミッ
ク素子(以下、適宜EC素子という)の封止方法に関
し、詳しくは基板上に配設されたEC素子を熱硬化材に
て封止するEC素子の封止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用防眩ミラーとしてEC素
子を利用したECミラーが実用化されつつある。このよ
うなECミラーは、一般に、ガラス基板と、ガラス基板
の表面に配設されたEC素子と、ガラス基板の上下端に
それぞれ該ガラス基板とEC素子の各電極とを挟持する
ように配設された一対の電極取り出しクリップと、EC
素子の周りを封止するように配設された熱硬化性樹脂よ
りなる封止材と、封止材の表面に接着された封止基板と
から構成されている。さらに、EC素子の構成につい
て、ECミラーの製造方法(図9の製造工程参照)とと
もに説明すれば、ガラス基板の表面にまず下部ITO電
極を蒸着により形成した後、ITO電極の表面に第1発
色層、固体電解質層、第2発色層及び上部Al電極を形
成、積層し、一対の電極取り出しクリップでそれぞれガ
ラス基板の上下端とともにEC素子の下部ITO電極及
び上部Al電極をクリップする。そして、EC素子の周
りに熱硬化前の封止材を配設するとともに、その表面に
封止基板を配設し、熱硬化前の封止材を熱硬化させるこ
とにより、封止材でEC素子周りを封止するとともに封
止基板を接着させる。
【0003】なお、一般に、第1発色層としてIrOx
膜等が、固体電解質層としてTa25 膜等が、第2発
色層としてWO3 膜等が用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ECミラー
は電極取り出しクリップを介する通電により、EC素子
が反応して着色・消色が繰り返される。そして、この反
応にはEC素子内のH2Oが関与している。このため、
EC素子内に水分が侵入すると、EC素子中の成分が結
晶化してしまいEC素子の機能が損なわれる。したがっ
てEC素子の耐久性を向上させるためには、封止材によ
りEC素子周りを確実に封止して、EC素子内のH2
濃度を一定に保つことが重要である。
【0005】封止材の封止性をより向上させるために
は、封止材を構成する熱硬化性樹脂の硬化温度を高くす
ることが望ましい。すなわち、硬化温度の高い樹脂は、
硬化温度の低い樹脂と比べて(1)初期接着強度が高
く、(2)未硬化分が少なく、(3)耐水性(耐湿性、
吸水性、透湿性等)が良好で、(4)環境による特性劣
化が少ない等の性質をもつ。
【0006】しかし、封止材の硬化温度を高くするほ
ど、EC素子内の水分が封止材の熱硬化時に蒸発し易く
なるため、硬化温度の高い樹脂を用いることにはおのず
と限界があった。本発明は上記実情に鑑みてなされたも
のであり、封止材としての熱硬化材の熱硬化時にEC素
子内の水分が蒸発することを抑制して、硬化温度のより
高い熱硬化材を封止材として用いることを可能とし、し
たがってEC素子の耐久性を向上させることのできるE
C素子の封止方法を提供することを解決すべき技術課題
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本第
1発明のエレクトロクロミック素子の封止方法は、基板
上に配設されたエレクトロクロミック素子の周囲を熱硬
化材にて封止するエレクトロクロミック素子の封止方法
であって、該基板上に配設された該エレクトロクロミッ
ク素子の周囲に熱硬化前の熱硬化材を配設する工程と、
雰囲気の圧力を少なくとも大気圧を越える圧力とするこ
とにより、上記エレクトロクロミック素子に損傷を与え
ず、かつ、上記熱硬化材の熱硬化に影響を及ぼすことの
ないような該雰囲気の温度及び湿度の最適範囲を拡げる
工程と、上記雰囲気の温度及び湿度を上記最適範囲内に
保ちながら、上記熱硬化前の熱硬化材を加熱して熱硬化
させる工程とからなることを特徴とするものである。
【0008】上記課題を解決する本第2発明のエレクト
ロクロミック素子の封止方法は、基板上に配設されたエ
レクトロクロミック素子の周囲を熱硬化材にて封止する
エレクトロクロミック素子の封止方法であって、該基板
上に配設された該エレクトロクロミック素子の少なくと
も上面に、耐透湿性フィルムを被覆する工程と、該耐透
湿性フィルムが被覆された該エレクトロクロミック素子
の周囲に熱硬化前の熱硬化材を配設する工程と、該熱硬
化前の熱硬化材を加熱して熱硬化させる工程とからなる
ことを特徴とするものである。
【0009】好適な態様において、前記耐透湿性フィル
ムはAl−PET(アルミニウム−ポリエチレンテレフ
タレート)フィルムである。
【0010】
【作用】本第1発明のEC素子の封止方法では、熱硬化
材を熱硬化させる際の雰囲気を所定のものに設定するこ
とにより、熱硬化材による封止性を良好に維持しつつ、
該熱硬化時にEC素子内の水分蒸発によるEC素子損傷
を抑えることができる。すなわち、熱硬化材を熱硬化さ
せる際の雰囲気において、相対湿度が低過ぎたり、温度
が高過ぎたりすると、該雰囲気中の水分不足のため、E
C素子内の水分が蒸発してEC素子が損傷し易くなる傾
向にある。一方、上記雰囲気の相対湿度が高過ぎると、
該雰囲気中の水分過多のため、熱硬化材の熱硬化に悪影
響を及ぼし、熱硬化材による封止性を低下させる傾向に
ある。したがって、熱硬化材による封止性を良好に維持
しつつ、熱硬化時のEC素子損傷を抑えるためには、熱
硬化材を熱硬化させる際の雰囲気において、温度及び相
対湿度を最適範囲に保つ必要がある。
【0011】本第1発明の方法では、雰囲気の圧力を少
なくとも大気圧を越える圧力とすることにより、EC素
子に損傷を与えず、かつ、熱硬化材の熱硬化に影響を及
ぼすことのないような雰囲気の温度及び湿度の最適範囲
を拡げ、雰囲気の温度及び湿度をこの最適範囲内に保ち
ながら、熱硬化前の熱硬化材を加熱して熱硬化させる。
このように、雰囲気の圧力を高くすると、雰囲気中の水
分不足のためEC素子が損傷する際の温度が高温側に移
行し、したがって温度は高い範囲まで最適範囲に加わ
る。すなわち、EC素子内の水分蒸発を抑えてEC素子
の損傷を良好に抑えつつ、熱硬化材をより高温で熱硬化
させることができる。なお、雰囲気の圧力を高くする
と、相対湿度の最適範囲は下がる傾向にある。
【0012】本第2発明のEC素子の封止方法では、E
C素子を耐透湿性フィルムで被覆した状態で熱硬化材を
熱硬化させるため、この熱硬化時にEC素子内の水分蒸
発を抑えることができる。したがって、高い硬化温度の
熱硬化材を用いて熱硬化材による封止性を良好に維持し
つつ、該熱硬化時にEC素子内の水分蒸発によるEC素
子損傷を抑えることができる。
【0013】
【実施形態】以下、実施形態により本発明を具体的に説
明する。 〔実施形態1〕本実施形態に係るECミラーは、図1及
び図2に示すよう、ガラス基材1と、ガラス基材1の表
面に配設されたEC素子2と、ガラス基板1の上下端に
それぞれガラス基板1とEC素子2内の各電極とを挟持
するように配設された一対の電極取り出しクリップ3
a、3bと、EC素子2の周りを封止するように配設さ
れた熱硬化性樹脂よりなる熱硬化材(封止材)4と、熱
硬化材4の表面に接着された封止ガラス基板5とから構
成されている。本実施形態では、熱硬化材4として、エ
ポキシ系樹脂(硬化温度:120℃)よりなる熱硬化性
樹脂を用いた。
【0014】さらに、上記EC素子2は、ガラス基板1
の表面に形成された下部ITO電極21と、このITO
電極21の表面に形成された第1発色層(IrOx 層)
22と、第1発色層22の表面に形成された固体電解質
層(Ta2 5 層)23と、固体電解質層23の表面に
形成された第2発色層(WO3 層)24と、第2発色層
24の表面に形成された上部Al電極25とから構成さ
れている。なお、ITO電極21の上端側には溝21a
が設けられ、この溝21a内に第1発色層22の一部が
埋設されている。これにより、ITO電極21の上端部
21bはITO電極21の他の部分と絶縁され、この上
端部21bの表面に上部Al電極電極25が接続されて
いる。
【0015】上記構成を有するECミラーは、以下のよ
うに製造した。まず、ガラス基板1の全面にITO電極
21を蒸着した後、ITO電極21をパターニングして
上記溝21aを形成した。そして、イオンプレーティン
グ法により、ITO電極21の表面に順び第1発色層2
2、固体電解質層23及び第2発色層24を形成した
後、第2発色層24の表面に上部Al電極25を積層し
て接着した。その後、ガラス基板1の上下端に、それぞ
れガラス基板1とITO電極21とを挟持するように一
対の電極取り出しクリップ3a、3bを配設した。
【0016】このようにガラス基板1の表面にEC素子
2を形成した後、EC素子2の周りに熱硬化前の熱硬化
材4を塗布するとともに、塗布した熱硬化材4の表面に
封止ガラス基板5を配置した。この作業は、クリーンル
ーム条件と等価の環境下、すなわち常温(25℃程
度)、常湿(40〜70%RH、本実施形態では60%
RHとした)、常圧(1atm)の環境下で行った。上
記熱硬化前の熱硬化材4を塗布したガラス基板1を、プ
レッシャークッカー等の耐圧容器内に入れ、容器を密閉
した。
【0017】そして、以下に示すように、容器内の温
度、圧力、相対湿度を調整し、熱硬化材4を熱硬化させ
た(図3参照)。 (第1段階)容器内の温度、圧力を常温、常圧に保ちつ
つ、水分を容器外に排出し、容器内の水分量を減少する
ことにより容器内の相対湿度を40〜60%RH(本実
施形態では50%RH)と低下させた。ここで、容器内
の相対湿度が40%RHより低いと、容器内の水分不足
のため、EC素子2内の水分が蒸発してEC素子2が損
傷し易くなり、その結果EC作動時のコンストラスト低
下の原因となる。一方60%RHより高いと、容器内の
水分過多のため、熱硬化前の熱硬化材に水分が侵入しや
すくなり、その結果熱硬化材4の熱硬化に悪影響を及ぼ
して熱硬化材4の接着力が低下する。このため、第1段
階における容器内の湿度は40〜60%RHとすること
が好ましい。
【0018】(第2段階)次に、容器内の圧力を常圧に
保ち、かつ、温度上昇に従い、水分量を増加することに
より容器内の相対湿度を40〜60%RH(本実施形態
では50%RH)に保ちつつ、加熱して容器内の温度を
60℃とした。なお、このように容器内の相対湿度を4
0〜60%RH(本実施形態では50%RH)に下げた
後、容器内の温度を上昇させたのは、温度上昇により水
の飽和蒸気圧が上昇し、相対湿度の最適条件の上限が低
下するためである。ここで、容器内の温度を80℃より
高くすると、水の飽和蒸気圧が急激に上昇し、その結果
容器内の相対湿度が上昇して水分過多となり、熱硬化材
5の熱硬化に悪影響を及ぼして熱硬化材5の接着力が低
下する。一方、このときEC素子2内の水分が蒸発して
EC素子2が損傷し易くなる。このため、第2段階にお
ける容器内の温度は80℃以下とすることが好ましい。
【0019】(第3段階)容器内の温度を60℃まで加
熱したら、その温度を60℃に保ちつつ、かつ、容器内
の圧力を常圧に保ちつつ、水分を容器外に排出し、容器
内の水分量を減少することにより容器内の相対湿度を3
0〜50%RH(本実施形態では40%RH)と低下さ
せた。ここで、容器内の相対湿度が50%RHより高い
と、容器内の水分過多のため、熱硬化前の熱硬化材に水
分が侵入し易くなり、その結果熱硬化材4の熱硬化に悪
影響を及ぼして熱硬化材4の接触力が低下することとな
り、一方30%RHより低いと容器内の水分不足のた
め、EC素子2内の水分が蒸発しEC素子2が損傷する
こととなる。このため、第3段階における容器内の湿度
は30〜50%RHとすることが好ましい。
【0020】(第4段階)容器内の温度を60℃に、容
器内の相対湿度を30〜50%RH(本実施形態では4
0%RH)に保ちつつ、外部から容器内部へ大気を強制
的に導入することにより容器内の圧力を2〜3atm程
度(本実施形態では2atm)まで上昇させた。なお、
容器内の相対湿度を下げた後、容器内の圧力を上昇させ
たのは、高圧下では常圧と比べ、同一の相対湿度でも容
器内の水分の絶対量が増加するため、その結果熱硬化前
の熱硬化材及びEC素子2内への水分侵入量が増大し、
熱硬化材4の接着力不足やEC素子2の変質等をきたす
からである。ここで、容器内の圧力が2atmより低い
と硬化条件のうち相対湿度の最適範囲は広がるが温度の
上限が120℃以下となり、一方3atmより高いと硬
化条件のうち、温度の上限は伸びるが相対湿度の最適範
囲は非常にせまくなる。このため、第4段階における容
器内の圧力は2〜3atmとすることが好ましい。
【0021】(熱硬化工程)上記のように容器内の相対
湿度を30〜50%RH(本実施形態では40%RH)
に、圧力を2〜3atm程度(本実施形態では2at
m)に保持した状態で、容器内の温度を熱硬化材4の硬
化温度(本実施形態では120℃)まで上昇させ、この
状態で一定時間(本実施形態では3600秒)保持し、
熱硬化材4を熱硬化させた。そして、容器内の温度、圧
力、湿度をこの順で元に戻した後、容器からECミラー
を取り出した。なお、容器内の温度、圧力、湿度をこの
順で元に戻すのは、EC素子2の内部と外部で、水分量
の差をなるべく小さくするためである。
【0022】(評価)得られたECミラーについて、耐
久性評価及びEC素子2の機能評価を行った。なお、耐
久性評価は高温高湿放置することにより、EC素子2の
機能評価は明暗時それぞれの反射率、色調、応答速度を
測定することにより行った。その結果、本実施形態のE
Cミラーは、正常に機能するとともに、耐久性も十分に
向上した。
【0023】(比較例1)上記実施形態と同様に、ガラ
ス基板1の表面にEC素子2を形成した後、熱硬化前の
熱硬化材4を塗布し、これを耐圧容器内に入れて密閉
し、容器内の圧力を1気圧に保持したまま、120℃で
3600秒間、加熱することにより熱硬化材4を熱硬化
させた。しかし、得られたECミラーについて、上記と
同様にEC素子2の機能評価を行った結果、正常に機能
しなかった。これは、熱硬化材4を熱硬化させる際の雰
囲気中の水分不足のため、熱硬化時にEC素子2内の水
分が蒸発してEC素子2が損傷したためと考えられる。
【0024】このように、本実施形態では、熱硬化材4
を熱硬化させる際の雰囲気の圧力を2atmと高くする
ことにより、図4及び図5に示すように、EC素子2の
損傷を良好に抑えることのできる温度範囲を、雰囲気の
圧力を1atmとした場合より高温側に拡げることがで
きる。したがって、本実施形態方法では、硬化温度が1
20℃と高い熱硬化材4を用いた場合でも、EC素子2
の損傷を良好に抑えつつ熱硬化材4を熱硬化させること
ができた。このように、本実施形態方法によれば、従来
より硬化温度の高い熱硬化材を封止材として用いること
が可能となり、EC素子の耐久性向上に貢献することが
できる。
【0025】また、本実施形態では、熱硬化材4を熱硬
化させる際の雰囲気の相対湿度を、水分過多により熱硬
化材4の熱硬化に悪影響を与えない範囲に抑えているの
で、熱硬化材4は確実に熱硬化して、良好な封止性を確
保することができる。なお、上記実施形態では硬化温度
の高い熱硬化材として、エポキシ系樹脂よりなる熱硬化
性樹脂を用いたが、その他にポリイミド系樹脂等を用い
ることも可能である。
【0026】〔実施形態2〕本実施形態に係るECミラ
ーは、図6に示すよう、ガラス基材1と、ガラス基材1
の表面に配設されたEC素子2と、ガラス基板1の上下
端にそれぞれガラス基板1とEC素子2内の各電極とを
挟持するように配設された一対の電極取り出しクリップ
(図示せず)と、EC素子2の上面を被覆する耐透湿性
フィルム6と、EC素子2の周りを封止するように配設
された熱硬化性樹脂よりなる熱硬化材(封止材)4と、
熱硬化材4の表面に接着された封止ガラス基板5とから
構成されている。なお、ガラス基材1、EC素子2、電
極取り出しクリップ、熱硬化材4及び封止ガラス基板5
は、前記実施形態1と同様の構成である。
【0027】本実施形態では、耐透湿性フィルム6とし
て、Al−PETフィルムを用いた。この耐透湿性フィ
ルムとしては、熱硬化材の熱硬化温度よりも高い融点を
もつものを用いる必要がある。また耐透湿性フィルム
は、水蒸気透過率が低いければ低いほど好ましい。耐透
湿性フィルムの水蒸気透過率は少なくとも10g/m2
・24h(85℃、85%)以下であることが好まし
く、5g/m2 ・24h以下であれば特に好ましい。ま
た耐透湿性フィルムの他の特性としては、柔軟であり貼
り合せの作業性が良好であることが好ましい。なお、上
記Al−PETフィルムの融点は150℃以上であり、
水蒸気透過率は5g/m2 ・24h以下である。また耐
透湿性フィルムとして、Al−PETフィルムの他にP
VDC(ポリビニリデンクロライド、塩化ビニリデン樹
脂)フィルムを用いることも可能である。
【0028】上記構成を有するECミラーは、以下のよ
うに製造した。前記実施形態1と同様に、ガラス基板1
の表面にEC素子2を形成後、EC素子2の上部Al電
極25の表面に、この上部Al電極25と同程度の大き
さの耐透湿性フィルム6を接着材により貼った。そし
て、前記実施形態1と同様に、EC素子2の周りに熱硬
化前の熱硬化材4を塗布するとともに、塗布した熱硬化
材4の表面に封止ガラス基板5を配置したものを、常圧
の恒温槽内に入れた。
【0029】そして、槽内の温度を120℃に調整し、
熱硬化材4を熱硬化させた。 (評価)上記実施形態2で得られたECミラーについ
て、耐久性を評価した。これは121℃、2atmに設
定した高温高湿のプレッシャークッカー内にECミラー
を放置し、EC素子2内の結晶化範囲としてEC素子2
端面からの距離を測ることにより行った。
【0030】なお比較のため、熱硬化材4としてエポキ
シ系樹脂(硬化温度:80℃)よりなる熱硬化性樹脂を
用いること、及び耐透湿性フィルム6を配設しないこと
以外は上記実施形態2と同様に作製した比較例2のEC
ミラーと、EC素子2の周囲を熱硬化材4で封止しない
こと以外は上記実施形態2と同様に作製した比較例3の
ECミラーとについても同様に評価した。
【0031】その結果を図7に示すように、耐透湿性フ
ィルム6により熱硬化時におけるEC素子2内の水分蒸
発を抑えるとともに、硬化温度の高い熱硬化材4でEC
素子2の周囲を封止した本実施形態2に係るECミラー
は、高温高湿下での耐久性が極めて優れていた。また、
上記実施形態2に係るEC素子2の機能評価として、熱
硬化材4の熱硬化前における着色時の反射率と、熱硬化
材4の熱硬化後における着色時の反射率とを比較した。
【0032】なお比較のため、熱硬化材4としてエポキ
シ系樹脂(硬化温度:80℃)よりなる熱硬化性樹脂を
用いること、及び耐透湿性フィルム6を配設しないこと
以外は上記実施形態2と同様に作製した比較例2のEC
ミラーと、耐透湿性フィルム6を配設しないこと以外は
上記実施形態2と同様に作製した比較例4のECミラー
とについても同様に評価した。
【0033】その結果を図8に示すように、耐透湿性フ
ィルム6により熱硬化時におけるEC素子2内の水分蒸
発を抑えた本実施形態2に係るECミラーは、硬化温度
の高い熱硬化材4を用いたにもかかわらず、熱硬化前に
おける着色時の反射率と熱硬化後における着色時の反射
率とにあまり差がなかった。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のEC素子
の封止方法では、EC素子の損傷を抑え、かつ、熱硬化
材による封止性を良好に確保しつつ、従来より硬化温度
の高い熱硬化材を封止材として用いることが可能とな
り、EC素子の耐久性向上に貢献する。
【0035】また、本発明方法は、汎用のプレッシャー
クッカー等の耐圧容器を用いて実施可能であり、新規設
備等を導入する必要がない。また、ECミラーの構造を
変更する必要もない。このため、従来のほぼ同程度のコ
ストで、耐久性の向上したECミラーを提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態1に係るECミラーの平面図であ
る。
【図2】 本実施形態1に係るECミラーの構成を示
し、図1のA−A線断面図である。
【図3】 本実施形態1の方法に係り、第1〜4段階及
び熱硬化工程における湿度、温度、圧力を示す図であ
る。
【図4】 本実施形態1の方法に係り、熱硬化材を熱硬
化させる際の雰囲気の温度及び湿度の最適範囲を示す図
である。
【図5】 従来方法に係り、熱硬化材を熱硬化させる際
の雰囲気の温度及び湿度の最適範囲を示す図である。
【図6】 本実施形態2に係るECミラーの断面図であ
る。
【図7】 高温高湿下に放置後のEC素子内の結晶化範
囲を示す図である。
【図8】 熱硬化材の硬化前及び硬化後におけるEC素
子の着色時反射率を示す図である。
【図9】 ECミラーの製造工程を示す図である。
【符号の説明】
1はガラス基板、2はEC素子、4は熱硬化材(封止
材)、5は封止ガラス基板、6は耐透湿性フィルムであ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に配設されたエレクトロクロミック
    素子の周囲を熱硬化材にて封止するエレクトロクロミッ
    ク素子の封止方法であって、 該基板上に配設された該エレクトロクロミック素子の周
    囲に熱硬化前の熱硬化材を配設する工程と、 雰囲気の圧力を少なくとも大気圧を越える圧力とするこ
    とにより、上記エレクトロクロミック素子に損傷を与え
    ず、かつ、上記熱硬化材の熱硬化に影響を及ぼすことの
    ないような該雰囲気の温度及び湿度の最適範囲を拡げる
    工程と、 上記雰囲気の温度及び湿度を上記最適範囲内に保ちなが
    ら、上記熱硬化前の熱硬化材を加熱して熱硬化させる工
    程とからなることを特徴とするエレクトロクロミック素
    子の封止方法。
  2. 【請求項2】基板上に配設されたエレクトロクロミック
    素子の周囲を熱硬化材にて封止するエレクトロクロミッ
    ク素子の封止方法であって、 該基板上に配設された該エレクトロクロミック素子の少
    なくとも上面に、耐透湿性フィルムを被覆する工程と、 該耐透湿性フィルムが被覆された該エレクトロクロミッ
    ク素子の周囲に熱硬化前の熱硬化材を配設する工程と、 該熱硬化前の熱硬化材を加熱して熱硬化させる工程とか
    らなることを特徴とするエレクトロクロミック素子の封
    止方法。
  3. 【請求項3】前記耐透湿性フィルムはAl−PETフィ
    ルムであることを特徴とする請求項2記載のエレクトロ
    クロミック素子の封止方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6040120A (en) * 1997-01-31 2000-03-21 Dainippon Screen Mfg. Co., Ltd. Thermal processing apparatus

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US6040120A (en) * 1997-01-31 2000-03-21 Dainippon Screen Mfg. Co., Ltd. Thermal processing apparatus

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