JPH08292113A - 圧力センサー及びその製造方法 - Google Patents

圧力センサー及びその製造方法

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JPH08292113A
JPH08292113A JP9653395A JP9653395A JPH08292113A JP H08292113 A JPH08292113 A JP H08292113A JP 9653395 A JP9653395 A JP 9653395A JP 9653395 A JP9653395 A JP 9653395A JP H08292113 A JPH08292113 A JP H08292113A
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JP
Japan
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diaphragm
film
sacrificial
etching hole
pressure sensor
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Withdrawn
Application number
JP9653395A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Shibatani
博志 柴谷
Katsunobu Hosoya
勝宣 細谷
Tadashi Sugihara
忠 杉原
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ダイヤフラムが均等に撓み、感度、精度が良好
な圧力センサー及びその製造方法を提供する。 【構成】後に空洞の一部又は全部となる犠牲膜11とし
て、ダイヤフラム形状のダイヤフラム部11aと、これ
と一体でこれからはみ出した突出部11bとで構成し、
この犠牲膜11を覆って、犠牲膜のダイヤフラム部11
a上に形成されたダイヤフラム動作部6aと、犠牲膜の
突出部11b上に形成された張り出し部6bとを含むダ
イヤフラム膜6を形成した後、該ダイヤフラム膜6に、
該張り出し部6bを含み、かつ端縁の一部が該張り出し
部6bと該ダイヤフラム動作部6aとの境界線にほぼ沿
って形成されたエッチング孔7を穿設し、該エッチング
孔7を介して犠牲膜のダイヤフラム部11aをその測方
から犠牲膜又は犠牲膜と基板の一部をエッチングにより
除去し、このエッチング孔7を封止層8で埋めることに
より得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、犠牲層を利用してダイ
ヤフラムを形成する圧力センサー及びその製造方法の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、以前、小型化が可能であ
ると共に、精度が良く、しかも製造が容易な光ファイバ
型の圧力センサーを提案した(特願平7―12350
号)。この圧力センサーは、図4に示すように、光ファ
イバFの先端に設けられ、周壁によって周囲と気密的に
隔離された圧力基準室5と、この圧力基準室5の周壁の
一部を構成し、光ファイバFの先端と該圧力基準室5を
介して対向し、光反射面8を有するダイヤフラム6とを
具備し、光ファイバFから出射する光を受ける該ダイヤ
フラム6が圧力によって変形することによって光ファイ
バに戻す光りの変化を圧力として検出するものである。
【0003】この圧力センサーの製造方法を簡単に説明
すると、まず、図5(1)に示すように、環状枠体用シ
リコンウエハ4’と、センサー基板用シリコンウエハ2
と、ファイバ支持部材3用シリコンウエハ3’からなる
3層構造の積層体10を例えばSOI貼合せ技術等の一
般的な貼合せ技術によって作製する。この場合、貼合面
の一方又は両方に酸化シリコン膜2a、2bを形成して
おき、この層を後にエッチストップ層として利用する。
【0004】次いで、図5(2)に示すように、積層体
10の両面に酸化膜4’a、3’bを常法に従って形成
した後、図5(3)に示すように、環状枠体用シリコン
ウエハ4’の表面に成膜した酸化膜4’aをホトリソグ
ラフィによりパターニングして周縁部分4aを残して圧
力基準室となる中心部分の酸化膜を除去する。
【0005】次に、図5(4)に示すように、CVDに
よりポリシリコン膜11を成膜する。この場合、このポ
リシリコン膜11と環状枠体用シリコンウエハ4’とが
犠牲層となり、これらの合計の厚さが圧力基準室5の高
さとなる。ポリシリコン膜11を成膜した後、図5
(5)に示すように、ホトリソグラフィにより、ポリシ
リコン膜11が酸化膜4aの開口部周縁部及び開口部
(環状枠体用シリコンウエハ4’の露出部分)を覆うよ
うに、ポリシリコン膜11の周縁をエッチングして円形
にパターニングする。
【0006】ポリシリコン膜11をパターニングした
後、図5(6)に示すように、積層体10の両面に例え
ば窒化珪素(Si3 4 )膜6’を成膜する。次いで、
ホトリソグラフィにより、窒化珪素膜6’に図4(A)
に示すように、ポリシリコン膜11と酸化膜4aとが重
なっている部分の窒化珪素膜6’に円形のエッチング孔
7を穿設し、ポリシリコン膜11と外部とを連通する通
路を形成する。そして、例えば苛性カリ水溶液などのエ
ッチング剤でポリシリコン膜11と環状枠体用シリコン
ウエハ4’とをエッチング孔7を介してエッチングし、
図5(7)に示すように、空洞5(圧力基準室)を形成
する。
【0007】図5(7)では、更に支持体用シリコンウ
エハ3’に例えばSF6 ガスを用いた低温異方性エッチ
ングにより垂直に穴開けをして、支持体用シリコンウエ
ハ3’を貫通した柱状の空洞であるファイバー支持部3
aを形成した状態も示す。最後に、図5(8)に示すよ
うに、赤外線に対して反射率が高いAu―Cr,Ag、
Pt等の金属を窒化珪素膜6’上に蒸着などの手段で成
膜し、反射膜8をダイヤフラム6上に形成すると共に、
エッチング孔7を閉塞して圧力基準室5を密閉する。
【0008】この圧力センサーによれば、圧力基準室は
センサー基板に設けられた犠牲層をエッチングなどによ
り消失させて形成される空洞であるため、この犠牲層を
予め精度よく設ければ、圧力基準室の高さは犠牲層の厚
さであるから、圧力基準室の高さを極めて精度よく制御
することができる。
【0009】また、上記圧力基準室の上壁の一部又は全
部を構成するダイヤフラムは、該犠牲層の上に形成され
た堆積膜によって構成されているため、堆積膜の厚さの
制御は確実にできる上、極めて薄く形成することができ
る。更に、本発明の製造方法によれば、シリコンウエハ
等のウエハをセンサー基板に予め接合した積層体からス
タートして堆積、エッチング等の手法で製造するもの
で、部品の後付けをしないので、容易に小型化ができる
と共に、位置合わせの困難性がなく、精度よく、しかも
容易に製造することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図4に
示す圧力センサーでは、窒化ケイ素膜6’のダイヤフラ
ムとして機能する円形ダイヤフラム動作部にエッチング
孔7が穿設され、このエッチング孔7を埋めた反射膜8
の該埋め込み部8aは、ダイヤフラム動作部と環状枠体
4とを連結し、従って円柱状の柱がダイヤフラムとして
機能する部位に立つことになる。
【0011】このため、ダイヤフラムの撓みがこの反射
膜の埋め込み部によって阻害され、ダイヤフラムが計算
上よりも精度よくかつ均等に撓まず、円形ダイヤフラム
の利点を十分に生かすものとはいいがたく、改良の余地
があることを見い出した。本発明は、上記事情に鑑みな
されたもので、ダイヤフラムが均等に撓み、感度、精度
が良好な圧力センサー及びその製造方法を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、次の圧力センサー及びその製造方法を提供
する。 (1)周壁によって周囲と気密的に隔離され、犠牲層を
除去して得られた空洞である圧力基準室と、この該犠牲
層上に成膜されて圧力基準室の周壁の一部を構成し、圧
力によって撓むダイヤフラム動作部を有するダイヤフラ
ム膜と、該ダイヤフラム膜に穿設され、除去前の犠牲層
に連通するエッチング孔と、ダイヤフラム膜上に積層さ
れ、該エッチング孔を埋める封止層とを具備し、該ダイ
ヤフラムの撓みを光学的、電気的などの手段により検出
する圧力センサーであって、上記ダイヤフラム膜のダイ
ヤフラム動作部が、上記犠牲層の一部又は全部を構成す
る犠牲膜上に成膜され、上記エッチング孔が、ダイヤフ
ラム動作部以外のダイヤフラム膜に穿設され、かつ該犠
牲膜の周縁に連通してなることを特徴とする圧力センサ
ー。 (2)周壁によって周囲と気密的に隔離され、犠牲層を
除去して得られた空洞である圧力基準室と、この該犠牲
層上に成膜されて圧力基準室の周壁の一部を構成し、圧
力によって撓むダイヤフラム動作部を有するダイヤフラ
ム膜と、該ダイヤフラム膜に穿設され、除去前の犠牲層
に連通するエッチング孔と、ダイヤフラム膜上に積層さ
れ、該エッチング孔を埋める封止層とを具備し、該ダイ
ヤフラムの撓みを光学的、電気的などの手段により検出
する圧力センサーであって、上記犠牲層の一部又は全部
を構成する犠牲膜が、ダイヤフラム膜のダイヤフラム動
作部が成膜されるダイヤフラム部と、このダイヤフラム
部と一体に形成された突出部とから構成され、上記エッ
チング孔が、該犠牲膜の突出部を含み、かつ端縁が該突
出部と該ダイヤフラム部との境界線に沿って穿設されて
なることを特徴とする圧力センサー。 (3)エッチング孔が、犠牲膜の突出部をほぼ覆うと共
に、その端縁が犠牲膜の突出部とダイヤフラム部との境
界線とほぼ一致するものである上記(2)記載の圧力セ
ンサー。 (4)ダイヤフラム膜のダイヤフラム動作部の形状が円
形である上記(1)乃至(3)いずれかに記載の圧力セ
ンサー。 (5)ダイヤフラム膜の撓みを光学的手段によって検出
する上記(1)乃至(4)いずれかに記載の圧力センサ
ー。 (6)周壁によって周囲と気密的に隔離され、犠牲層を
除去して得られた空洞である圧力基準室と、この該犠牲
層上に成膜されて圧力基準室の周壁の一部を構成し、圧
力によって撓むダイヤフラム動作部を有するダイヤフラ
ム膜と、該ダイヤフラム膜に穿設され、消失前の犠牲層
に連通するエッチング孔と、該エッチング孔を埋めた封
止層とを具備し、該ダイヤフラムの撓みを光学的、電気
的などの手段により検出する圧力センサーの製造方法で
あって、基板上にダイヤフラム形状の犠牲膜を形成し、
この犠牲膜を覆ってダイヤフラム膜を形成した後、該ダ
イヤフラム膜の犠牲膜を覆っていない部分に犠牲膜の周
縁に連通するエッチング孔を穿設し、該エッチング孔を
介して犠牲膜又は犠牲膜と基板の一部をエッチングによ
り除去し、更にこのエッチング孔を閉塞する封止層をダ
イヤフラム膜上に形成することを特徴とする圧力センサ
ーの製造方法。 (7)周壁によって周囲と気密的に隔離され、犠牲層を
除去して得られた空洞である圧力基準室と、この該犠牲
層上に成膜されて圧力基準室の周壁の一部を構成し、圧
力によって撓むダイヤフラム動作部を有するダイヤフラ
ム膜と、該ダイヤフラム膜に穿設され、消失前の犠牲層
に連通するエッチング孔と、該エッチング孔を埋めた封
止層とを具備し、該ダイヤフラムの撓みを光学的、電気
的などの手段により検出する圧力センサーの製造方法で
あって、基板上に所定の形状のダイヤフラム部とこれと
一体に形成された突出部とから構成される犠牲膜を形成
し、この犠牲膜を覆って、犠牲膜のダイヤフラム部上に
形成されたダイヤフラム動作部と、犠牲膜の突出部上に
形成された張り出し部とを含むダイヤフラム膜を形成し
た後、該ダイヤフラム膜に、該張り出し部を含み、かつ
端縁の一部が該張り出し部と該ダイヤフラム動作部との
境界線にほぼ沿って形成されたエッチング孔を穿設し、
該エッチング孔を介して犠牲膜又は犠牲膜と基板の一部
をエッチングにより除去し、更にこのエッチング孔を閉
塞する封止層をダイヤフラム膜上に形成することを特徴
とする圧力センサーの製造方法。
【0013】
【作用】本発明の圧力センサー及びその製造方法は、ダ
イヤフラム膜に穿設するエッチング孔の場所として、圧
力によって撓むダイヤフラム動作部として機能する部位
を避けたものである。
【0014】即ち、エッチング孔を、ダイヤフラム動作
部以外のダイヤフラム膜に穿設し、かつ該犠牲膜の周縁
に連通させ、犠牲膜をその側方からエッチングにより除
去することにより、封止層のエッチング孔を埋めた柱
は、ほぼダイヤフラム動作部の端縁に立つことになる。
好ましくは、後に空洞の一部又は全部となる犠牲膜とし
て、ダイヤフラム形状のダイヤフラム部と、これと一体
でこれからはみ出した突出部とで構成し、この犠牲膜を
覆って、犠牲膜のダイヤフラム部上に形成されたダイヤ
フラム動作部と、犠牲膜の突出部上に形成された張り出
し部とを含むダイヤフラム膜を形成した後、該ダイヤフ
ラム膜に、該張り出し部を含み、かつ端縁の一部が該張
り出し部と該ダイヤフラム動作部との境界線にほぼ沿っ
て形成されたエッチング孔を穿設し、該エッチング孔を
介して犠牲膜のダイヤフラム部をその側方から犠牲膜又
は犠牲膜と基板の一部をエッチングにより除去し、この
エッチング孔を封止層で埋めることにより、封止層のエ
ッチング孔を埋めた柱は、ほぼダイヤフラム動作部の端
縁に立つことになる。
【0015】従って、ダイヤフラムの円形や方形の形状
を確実に維持できるため、ダイヤフラムの撓みに影響を
及ぼさず、所定の動作を確保することができ、感度、精
度よく圧力を測定することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら具体的に説明する。図1は、本発明の圧力センサ
ーの一例を示すもので、(A)は平面図、(B)は
(A)のA−B−C−D線に沿った断面図である。
【0017】この圧力センサー1は、シリコンウエハか
ら構成される四角板状のセンサー基板2を具備する。こ
のセンサー基板2の下面には、平面形がセンサー基板と
同一で略立方体のファイバ支持部材3が一体に接合され
ており、このファイバ支持部材3には中心部を貫通した
空隙部3aが形成され、かかる空隙部3aは光ファイバ
ーFを支持する役割を担うファイバ支持部として機能す
る。図面では、光ファイバFの先端が空隙部3aに差し
込まれ、ファイバFの先端面がセンサー基板2の下端面
と接触している。また、センサー基板2の上下両面に
は、酸化シリコン膜2a、2bが形成されており、ファ
イバ支持部材3の下面にも酸化シリコン膜3bが形成さ
れている。なお、センサー基板2は、シリコンウエハに
限らず、ガラスなどの光透過性の材料で構成することが
できる。
【0018】センサー基板2上面には、センサー基板2
と同一の平面形を有し、中心部に略四角形型の貫通孔を
有する環状枠体4が一体に接合され、環状枠体4が圧力
基準室5の側壁を構成する。環状枠体4は表面が(10
0)方位の面であるシリコンウエハで構成することが好
ましい。この環状枠体4の上面に酸化シリコン膜4aが
形成されている。
【0019】また、環状枠体4の上にダイヤフラム膜6
が環状枠体4の貫通孔の開口部を閉塞する如く設けられ
ている。このダイヤフラム膜6は、センサー基板2及び
環状枠体4から離間して圧力基準室5の上壁を構成し、
圧力によって撓む円形のダイヤフラム部6aと、このダ
イヤフラム部を支え、環状枠体4の酸化シリコン膜4a
上に密着している基部6bとで構成されている。ダイヤ
フラム膜6は、窒化珪素Si3 4 等のCVD等による
後述する犠牲膜上に形成された堆積層で構成されてい
る。
【0020】また、ダイヤフラム膜6には、エッチング
孔7が穿設されている。このエッチング孔7は、円形の
ダイヤフラム部とこれと一体の突出部とで構成された犠
牲膜の該突出部上に形成されたダイヤフラム膜6の張り
出し部をほぼ除去した形状となっている。
【0021】このエッチング孔7は、ダイヤフラム膜6
全面を被覆した封止層(反射層)8で埋められており、
ここには埋め込み部8aが形成され、これにより圧力基
準室5が外部と隔離され、密封されている。従って、封
止層8の埋め込み部8aの圧力基準室側の端縁は、円形
のダイヤフラム動作部6aの縁とほぼ一致するので、埋
め込み部8aは、ダイヤフラム膜6の基部6bの一部を
構成する。
【0022】上記圧力基準室5は、環状枠体4の基とな
る環状枠体用シリコンウエハの中心部と犠牲膜の2層を
犠牲層として、エッチング孔7を介したエッチングによ
りこれらの2層を除去した空洞から構成されている。本
圧力センサー1に接続する光ファイバFは、例えば接着
剤によりファイバ支持部材3に固定することができる。
光ファイバFとしては、例えば入射用ファイバと受光フ
ァイバとを同心円状に配置したものでも、あるいは散点
状に配置されているものでもよい。
【0023】このような構成の圧力センサー1によれ
ば、製造のスタートは、予めファイバ支持体用シリコン
ウエハ、センサー基板用シリコンウエハ(ガラスウエハ
でもよい)、環状枠体用シリコンウエハの3枚を接合し
た3層構造の積層体を使用できる。また、ファイバ支持
空隙部3a、ダイヤフラム膜6、封止層8、及び空洞
(圧力基準室)5の形成は、集積回路の製造と同様の手
法を利用して行え、部品の後付けを必要としないので、
非常に小型化できると共に、各寸法の精度が良好であ
る。具体的な寸法を示すと、例えばファイバ支持体3の
厚さが250μm、センサー基板2の厚さが50μm、
環状枠体4の厚さが20μm程度、センサー幅が250
μm程度、ダイヤフラム動作部6aの直径が150μm
程度の大きさとすることができる。
【0024】また、本発明においては、図4に示した圧
力センサーと異なり、ダイヤフラム膜6のダイヤフラム
動作部6aに封止層8の埋め込み部8aの柱が立たず、
封止層8の埋め込み部8aは円形のダイヤフラム動作部
6aの外周縁に沿って形成されているので、ダイヤフラ
ム動作部6aの撓みを妨げるおそれがなく、理論通りの
撓みが約束されている。
【0025】次に、図2、図3で、このような圧力セン
サー1の製造工程の一例を具体的に示す。(A)は平面
図、(B)は(A)のA−A’線に沿った断面図であ
る。まず、図2(1)に示すように、環状枠体4用で、
好ましくは表面が(100)方位の面であるシリコンウ
エハ4’と、センサー基板用シリコンウエハ2と、ファ
イバ支持部材3用シリコンウエハ3’からなる3層構造
の積層体10を、例えばSOI貼合せ技術等の一般的な
貼合せ技術によって作製する。積層体10の作製に際
し、20μmや50μmといった厚さのウエハは直接作
ることは困難であるので、一般に厚いウエハを貼り合わ
せた後、研磨により所定の厚さにすることができる。ま
た、貼合面の一方又は両方に酸化シリコン膜2a、2b
を形成しておき、この層を後にエッチストップ層として
利用する。次いで、積層体10の両面に酸化膜を常法に
従って形成した後、環状枠体用シリコンウエハ4’の表
面に成膜した酸化膜をホトリソグラフィによりパターニ
ングして周縁部分4aを残して圧力基準室となる中心部
分の酸化膜を除去する。
【0026】次に、図2(2)に示すように、CVDに
よりポリシリコン膜11を成膜した後、ホトリソグラフ
ィにより、ポリシリコン膜11が酸化膜4aの開口部周
縁部及び開口部(環状枠体用シリコンウエハ4’の露出
部分)を覆うように、ポリシリコン膜11の周縁をエッ
チングし、円形のダイヤフラム部11aとこれと一体の
突出部11bをパターニングする。この場合、このポリ
シリコン膜11と環状枠体用シリコンウエハ4’とが犠
牲層となり、これらの合計の厚さが圧力基準室5の高さ
となるので、ポリシリコン膜11と環状枠体用シリコン
ウエハ4’の厚さはこれを考慮して決定する。また、突
出部11bの形状、大きさ、数は図示のものに限られ
ず、適宜選定することができるが、後述するエッチング
孔の大きさは5μm程度以上あれば十分であるので、1
個の突出部11bの大きさはこれ以上であることが好ま
しいが、特に限定されるものではない。
【0027】ポリシリコン膜11をパターニングした
後、図2(3)に示すように、積層体10の両面に窒化
珪素(Si3 4 )膜6’を成膜する。この窒化珪素膜
6’は、ダイヤフラムを構成するもので、その厚さは圧
力感知部としてのダイヤフラムの特性を考慮して決定す
るが、一般に0.1〜0.3μm程度の厚さとすること
が望ましい。なお、ダイヤフラムは窒化珪素に限るもの
ではなく、例えば酸化珪素(SiO2 )等のように、C
VD等で堆積でき、可撓性乃至弾性を有する膜を形成す
ることができれば何れのものも使用可能である。
【0028】このダイヤフラム膜(窒化ケイ素膜)6’
は、上述した犠牲膜11の上に形成されるので、犠牲膜
11のダイヤフラム部11a上に形成されたダイヤフラ
ム動作部6aと、犠牲膜11の突出部11b上に形成さ
れた張り出し部6bと、環状枠体の酸化膜4a上に形成
された基部6cとから構成されている。
【0029】次いで、ホトリソグラフィにより、窒化珪
素膜6’に、図3(4)に示すように、窒化珪素膜6’
の張り出し部6bの部分にこれに相当する形状のエッチ
ング孔7を穿設してダイヤフラム膜の6’の張り出し部
6bを除去し、これによってポリシリコン膜11の突出
部11bと外部とを連通する通路を形成する。
【0030】そして、例えば苛性カリ水溶液などのエッ
チング剤でポリシリコン膜11と環状枠体用シリコンウ
エハ4’とをエッチング孔7を介してエッチングし、図
3(5)に示すように、空洞5(圧力基準室)を形成す
る。このエッチングは、まずポリシリコン膜の突出部1
1bが浸食され、次いでポリシリコン膜11のダイヤフ
ラム部11aの部分が側面から浸食される。また、環状
枠体用シリコンウエハ4’として表面が(100)方位
の面であるシリコンウエハを用いているので、表面と5
4.7度の角度をなす(111)面が、(100)表面
の<110>方向に沿って存在するため、この(11
1)面により、急激にエッチングの進行が衰える。従っ
て、<110>方向に沿ってパターニングした酸化膜4
aの開口部からエッチングを行うと、横方向にはわずか
に浸食するだけで酸化膜4aの開口部の下の部分のウエ
ハを除去することができる。なお、上記の理由により、
図1(A)に示すように、表面が(100)方位の面で
あるシリコンウエハのエッチングは、横方向には正方形
状に浸食する。また、深さ方向には酸化膜2aがエッチ
ストップ層として機能するので、圧力基準室5の高さ
(空洞の高さ、即ち窒化珪素膜6’の下面と酸化膜2a
との離間距離)は非常に高精度で設定することができ
る。なお、エッチストップ層としては、酸化膜の代わり
にボロンを注入した層を予めシリコンウエハに形成して
おいてもよい。
【0031】最後に、図3(6)に示すように、赤外線
に対して反射率が高いAu―Cr,Ag、Pt等の金属
を窒化珪素膜6’上に蒸着などの手段で成膜し、封止膜
8をダイヤフラム6上に形成すると共に、エッチング孔
7を閉塞して圧力基準室5を密閉する。この封止膜によ
り、エッチング孔7が埋められ、この部分に埋め込み部
8aが形成される。反射膜の厚さは約2μm程度とする
ことが好ましい。なお、エッチング孔8の閉塞は、反射
膜でなく、別の手段によることもできる。
【0032】このようにして得られた圧力センサー1
は、ファイバー支持体3に光ファイバFを嵌着して使用
するものであるが、本実施例ではセンサー基板2として
シリコンウエハを用いたので、光源としては赤外線を使
用することになる。センサー基板2としてガラスウエハ
を用いれば、通常の光源が使用可能であり、この場合、
ガラスウエハとシリコンウエハは陽極接合可能であり、
しかもガラスウエハはエッチストップ層としても機能す
るので、上記例で説明したセンサー基板用シリコンウエ
ハの代わりにガラスウエハを用いることは差し支えな
い。
【0033】また、本発明の特徴である犠牲膜に突出部
を設け、この突出部にほぼ対応するエッチング孔を穿設
することにより、ダイヤフラム膜のダイヤフラム動作部
の端縁は、正確に円形となっている。このためダイヤフ
ラムの圧力による撓みは、理論通りに作動する。従っ
て、感度が良好で圧力に対する直線性が良好である。
【0034】本発明の圧力センサーは、上記実施例に限
定されるものではない。例えば、上記例では、犠牲膜に
突出部を設けた例を示したが、突出部を設けることな
く、犠牲膜の周壁にエッチング孔の端縁を合わせて穿設
して、犠牲膜の側壁からエッチングを行うこともでき、
また、上記例では光ファイバを用いた光ファイバ型の圧
力センサーを示したが、ピエゾ抵抗効果を利用してピエ
ゾ抵抗をダイヤフラム膜上に形成してもよく、その他本
発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0035】
【発明の効果】本発明の圧力センサーは、ダイヤフラム
膜に形成したエッチング孔の埋め込み部がダイヤフラム
の動作に影響を及ぼさないので、ダイヤフラムが均等に
撓み、感度、精度よく圧力を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧力センサーの一例を示すもので、
(A)は平面図、(B)は(A)のA−B−C−D線に
沿った断面図である。
【図2】図1の圧力センサーの製造工程の一例を示すフ
ローチャートである。
【図3】図2の製造工程の続きを示すフローチャートで
ある。
【図4】本発明者らが先に提案した圧力センサーを示す
もので、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A’線
に沿った断面図である。
【図5】図4の圧力センサーの製造工程の一例を示すフ
ローチャートである。
【符号の説明】
1 本発明の圧力センサー 5 圧力基準室 6 ダイヤフラム膜 6a ダイヤフラム動作部 6b 張り出し部 6c 基部 7 エッチング孔 8 封止層 8a 埋め込み部 11 犠牲膜 11a ダイヤフラム部 11b 突出部
フロントページの続き (72)発明者 杉原 忠 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社中央研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周壁によって周囲と気密的に隔離され、犠
    牲層を除去して得られた空洞である圧力基準室と、この
    該犠牲層上に成膜されて圧力基準室の周壁の一部を構成
    し、圧力によって撓むダイヤフラム動作部を有するダイ
    ヤフラム膜と、該ダイヤフラム膜に穿設され、除去前の
    犠牲層に連通するエッチング孔と、ダイヤフラム膜上に
    積層され、該エッチング孔を埋める封止層とを具備し、
    該ダイヤフラムの撓みを光学的、電気的などの手段によ
    り検出する圧力センサーであって、上記ダイヤフラム膜
    のダイヤフラム動作部が、上記犠牲層の一部又は全部を
    構成する犠牲膜上に成膜され、上記エッチング孔が、ダ
    イヤフラム動作部以外のダイヤフラム膜に穿設され、か
    つ該犠牲膜の周縁に連通してなることを特徴とする圧力
    センサー。
  2. 【請求項2】周壁によって周囲と気密的に隔離され、犠
    牲層を除去して得られた空洞である圧力基準室と、この
    該犠牲層上に成膜されて圧力基準室の周壁の一部を構成
    し、圧力によって撓むダイヤフラム動作部を有するダイ
    ヤフラム膜と、該ダイヤフラム膜に穿設され、除去前の
    犠牲層に連通するエッチング孔と、ダイヤフラム膜上に
    積層され、該エッチング孔を埋める封止層とを具備し、
    該ダイヤフラムの撓みを光学的、電気的などの手段によ
    り検出する圧力センサーであって、上記犠牲層の一部又
    は全部を構成する犠牲膜が、ダイヤフラム膜のダイヤフ
    ラム動作部が成膜されるダイヤフラム部と、このダイヤ
    フラム部と一体に形成された突出部とから構成され、上
    記エッチング孔が、該犠牲膜の突出部を含み、かつ端縁
    が該突出部と該ダイヤフラム部との境界線に沿って穿設
    されてなることを特徴とする圧力センサー。
  3. 【請求項3】エッチング孔が、犠牲膜の突出部をほぼ覆
    うと共に、その端縁が犠牲膜の突出部とダイヤフラム部
    との境界線とほぼ一致するものである請求項2記載の圧
    力センサー。
  4. 【請求項4】ダイヤフラム膜のダイヤフラム動作部の形
    状が円形である請求項1乃至3いずれかに記載の圧力セ
    ンサー。
  5. 【請求項5】ダイヤフラム膜の撓みを光学的手段によっ
    て検出する請求項1乃至4いずれかに記載の圧力センサ
    ー。
  6. 【請求項6】周壁によって周囲と気密的に隔離され、犠
    牲層を除去して得られた空洞である圧力基準室と、この
    該犠牲層上に成膜されて圧力基準室の周壁の一部を構成
    し、圧力によって撓むダイヤフラム動作部を有するダイ
    ヤフラム膜と、該ダイヤフラム膜に穿設され、消失前の
    犠牲層に連通するエッチング孔と、該エッチング孔を埋
    めた封止層とを具備し、該ダイヤフラムの撓みを光学
    的、電気的などの手段により検出する圧力センサーの製
    造方法であって、基板上にダイヤフラム形状の犠牲膜を
    形成し、この犠牲膜を覆ってダイヤフラム膜を形成した
    後、該ダイヤフラム膜の犠牲膜を覆っていない部分に犠
    牲膜の周縁に連通するエッチング孔を穿設し、該エッチ
    ング孔を介して犠牲膜又は犠牲膜と基板の一部をエッチ
    ングにより除去し、更にこのエッチング孔を閉塞する封
    止層をダイヤフラム膜上に形成することを特徴とする圧
    力センサーの製造方法。
  7. 【請求項7】周壁によって周囲と気密的に隔離され、犠
    牲層を除去して得られた空洞である圧力基準室と、この
    該犠牲層上に成膜されて圧力基準室の周壁の一部を構成
    し、圧力によって撓むダイヤフラム動作部を有するダイ
    ヤフラム膜と、該ダイヤフラム膜に穿設され、消失前の
    犠牲層に連通するエッチング孔と、該エッチング孔を埋
    めた封止層とを具備し、該ダイヤフラムの撓みを光学
    的、電気的などの手段により検出する圧力センサーの製
    造方法であって、基板上に所定の形状のダイヤフラム部
    とこれと一体に形成された突出部とから構成される犠牲
    膜を形成し、この犠牲膜を覆って、犠牲膜のダイヤフラ
    ム部上に形成されたダイヤフラム動作部と、犠牲膜の突
    出部上に形成された張り出し部とを含むダイヤフラム膜
    を形成した後、該ダイヤフラム膜に、該張り出し部を含
    み、かつ端縁の一部が該張り出し部と該ダイヤフラム動
    作部との境界線にほぼ沿って形成されたエッチング孔を
    穿設し、該エッチング孔を介して犠牲膜又は犠牲膜と基
    板の一部をエッチングにより除去し、更にこのエッチン
    グ孔を閉塞する封止層をダイヤフラム膜上に形成するこ
    とを特徴とする圧力センサーの製造方法。
JP9653395A 1995-04-21 1995-04-21 圧力センサー及びその製造方法 Withdrawn JPH08292113A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11243214A (ja) * 1998-02-26 1999-09-07 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 微小構造体の製造方法
WO2001075411A1 (fr) * 2000-04-04 2001-10-11 Showa Denko K.K. Film de detection et capteur optique utilisant ce film de detection

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