JPH08201195A - 圧力センサー及びその製造方法 - Google Patents

圧力センサー及びその製造方法

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JPH08201195A
JPH08201195A JP1235095A JP1235095A JPH08201195A JP H08201195 A JPH08201195 A JP H08201195A JP 1235095 A JP1235095 A JP 1235095A JP 1235095 A JP1235095 A JP 1235095A JP H08201195 A JPH08201195 A JP H08201195A
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JP
Japan
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pressure
optical fiber
diaphragm
reference chamber
sensor
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Application number
JP1235095A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Shibatani
博志 柴谷
Katsunobu Hosoya
勝宣 細谷
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】小型化が可能であると共に、精度が良く、しか
も製造が容易な光ファイバ型の圧力センサー及びその製
造方法を提供する。 【構成】光ファイバFの先端に設けられ、周壁によって
周囲と気密的に隔離された圧力基準室5と、圧力基準室
5の周壁の一部を構成し、光ファイバFの先端と圧力基
準室5を介して対向し、光反射面8を有するダイヤフラ
ム8とを具備し、光ファイバFから出射する光を受ける
ダイヤフラム6が圧力によって変形することによって光
ファイバに戻す光りの変化を圧力として検出する圧力セ
ンサーであって、光ファイバFの先端面に存するべき光
透過性のセンサー基板2を有すると共に、圧力基準室5
をセンサー基板2を底壁とし、ダイヤフラム6を上壁の
一部又は全部として構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバーを利用し
た光学式の圧力センサー及びその製造方法に関し、更に
詳述すると、特に小型化が要求される医療用に適した圧
力センサー及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバを利用した圧力センサーは、
小型でノイズ環境に強いという特徴があり、特に生体内
の血圧を測定する場合には、人体に漏れるおそれがある
電流を送る必要がないため、好ましいものである。この
ような光ファイバを利用した光学式の圧力センサーとし
ては、例えば特開昭57―207838号公報、あるい
は特開昭62―217132号公報等に開示されてい
る。
【0003】特開昭57―207838号公報に開示さ
れた圧力センサーの構造の一例を図6に示す。この圧力
センサーAは、ガラスファイバ54がカテーテル51に
よって被覆されており、ガラス製のリング状固定環52
がカテーテル51の末端に静電接合されており、固定環
52の上端面はガラスファイバ54の端面と面一に形成
され、この固定環52に凹型穴56を有するダイヤフラ
ム57の厚肉部が静電接合され、ダイヤフラム57とガ
ラスファイバ54の先端面が所定の距離を介して対向す
る構造を有する。この場合、記載されていないが、凹型
穴56は気密状態になっており、内部の圧力は測定する
圧力の基準となり、凹型穴56は圧力基準室の機能を有
する。また、上記ガラスファイバ54の後部は、入射フ
ァイバと受光ファイバとから構成されている。
【0004】このような圧力センサーAは、ダイヤフラ
ム57が圧力によって撓み、ガラスファイバ54にダイ
ヤフラム57が接近してダイヤフラム57とガラスファ
イバ54の先端面との間隙が減少する結果、入射ガラス
ファイバから出た光を受光ファイバが受光する光量の増
加を検出することにより、圧力を測定する構造となって
いる。
【0005】また、特開昭62―217132号公報に
開示されている圧力センサーの構造の一例を図7に示
す。この圧力センサーBは、光ファイバ導波路16が貫
設されている支持部材24を含み、この支持部材24は
側壁32によって囲まれた平面30を備えたガラス製の
基板26を支持する。基板26の側壁32の縁部にシリ
コンウエハから構成される弾性膈膜34が接着され、基
板26の底壁28と側壁32及び膈膜34で囲まれた空
洞36が形成されている。この空洞36は気密状態とな
っており、平面30と膈膜34の空洞内面側には反射性
コーティングが施されている。
【0006】このような構成の圧力センサーBは、光フ
ァイバ導波路から出た光が空洞36の中での反射によっ
て共振する構造となっており、膈膜34が圧力によって
撓むと、空洞の共振周波数が変化するので、その共振周
波数を光ファイバを通して検知することによって圧力を
測定するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、体内の
血管に挿入して血圧を測定する場合には、極めて小型な
センサーであることが要求されるが、かかる用途に対し
ては、上述した圧力センサーは、小型化が困難である
上、精度が悪く、生産性が悪いなどの問題点を有する。
【0008】この点につき詳述すると、図6に示した圧
力センサーAの製造方法は、光ファイバ54の先端に朋
ケイ酸ガラスでできた固定環52をパイプ51の先端に
静電接合し、更に光ファイバ54の先端と固定環52の
端面とを面一にする。一方、ダイヤフラム57は、シリ
コンウエハをホトエッチングの手法で中央部を必要な深
さだけ取り除いて圧力基準室となる凹型穴56を予め形
成し、周辺部を残して加工しておき、この加工済みのシ
リコンウエハの周辺凸部を後から固定環52に静電接合
するものである。
【0009】このため、加工が煩雑であると共に、反射
膜を蒸着した圧力感知部になるダイヤフラムを後から接
合することから、小型化には限度がある上、アライメン
トの精度を出すことが困難であり、手間もかかる。しか
も、ダイヤフラムはシリコンウエハをエッチングにより
除去するため、ダイヤフラムの厚さの制御が困難であ
る。
【0010】また、図7に示した圧力センサーBにおい
ては、ガラス製の基板26の作製は、ガラスウエハにホ
トレジスト法を用いてエッチングで空洞となる凹部36
を形成するものであるが、このように形成された凹部の
底面30は、等方性エッチングで形成されるため、平坦
性が出にくいという問題があると共に、共振に直接影響
する凹部の深さの精度も出すのが困難である。
【0011】更に、ダイヤフラム34は、シリコンウエ
ハによって構成されるものであり、薄く形成するため、
端面から所定の深さにホウ素を注入してエッチ・ストッ
プ層としたシリコンウエハをエッチングでこのエッチ・
ストップ層を残して除去する方法を採っている。このた
め、ダイヤフラムの厚さの精度を出すことが困難であ
る。
【0012】また、圧力センサーBにおいては、光ファ
イバ導波路16の支持部材24を基板26に別個に接合
するものであるため、アライメントの精度が重要にな
り、手間もかかる。本発明は、上記問題点に鑑みなされ
たもので、小型化が可能であると共に、精度が良く、し
かも製造が容易な光ファイバ型の圧力センサー及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、下記の圧力センサー及びその製造方法を提
供する。 (1)光ファイバの先端に設けられ、周壁によって周囲
と気密的に隔離された圧力基準室と、この圧力基準室の
周壁の一部を構成し、光ファイバの先端と該圧力基準室
を介して対向し、光反射面を有するダイヤフラムとを具
備し、上記光ファイバから出射する光を受ける該ダイヤ
フラムが圧力によって変形することによって該光ファイ
バに戻す光りの変化を圧力として検出する圧力センサー
であって、光ファイバの先端面に存するべき光透過性の
センサー基板を有すると共に、上記圧力基準室が、該セ
ンサー基板を底壁とし、上記ダイヤフラムを上壁の一部
又は全部として構成されていると共に、該センサー基板
上に設けられた犠牲層の一部又は全部を消失させること
によって形成された空洞であり、上記ダイヤフラムが、
消失前の該犠牲層上に形成された堆積膜によって構成さ
れてなることを特徴とする圧力センサー。 (2)センサー基板の下端面に、光ファイバの先端をセ
ンサー基板の下端面に保持する支持部を形成してなるフ
ァイバ支持体を一体的に接合した上記(1)記載の圧力
センサー。 (3)センサー基板とファイバー支持体とがシリコンウ
エハである上記(1)又は(2)記載の圧力センサー。 (4)犠牲層がセンサー基板上にこれと一体的に接合さ
れたシリコンウエハであり、圧力基準室が該シリコンウ
エハの中央部を消失させた空洞である上記(1)乃至
(3)記載の圧力センサー。 (5)犠牲層としてのシリコンウエハの表面が(10
0)方位の面である上記(4)記載の圧力センサー。 (6)光ファイバの先端に設けられ、周壁によって周囲
と気密的に隔離された圧力基準室と、この圧力基準室の
周壁の一部を構成し、光ファイバの先端と該圧力基準室
を介して対向し、光反射面を有するダイヤフラムとを具
備し、光ファイバから出射する光を受ける該ダイヤフラ
ムが圧力によって変形することによって光ファイバに戻
す光りの変化を圧力として検出する圧力センサーの製造
方法であって、犠牲層用ウエハと光透過性のセンサー基
板用ウエハとファイバ支持体用ウエハとの3層積層体を
予め作製し、この3層積層体の犠牲層用ウエハを堆積膜
で被覆した後、該堆積膜にエッチング孔を穿設し、該エ
ッチング孔を介して犠牲層の中央部をエッチングにより
除去し、更に該エッチング孔を閉塞することにより、除
去された犠牲層の部分を圧力基準室として構成すると共
に、上記堆積膜をダイヤフラムとして構成し、かつファ
イバ支持体用ウエハに光ファイバの先端をセンサー基板
の下端面に保持する支持部をエッチングにより形成する
ことを特徴とする圧力センサーの製造方法。 (7)光ファイバの先端に設けられ、周壁によって周囲
と気密的に隔離された圧力基準室と、この圧力基準室の
周壁の一部を構成し、光ファイバの先端と該圧力基準室
を介して対向し、光反射面を有するダイヤフラムとを具
備し、上記光ファイバから出射する光を受ける該ダイヤ
フラムが圧力によって変形することによって該光ファイ
バに戻す光りの変化を圧力として検出する圧力センサー
の製造方法であって、光透過性のセンサー基板用ウエハ
とファイバ支持体用ウエハとの2層積層体を予め作製
し、この2層積層体のセンサー基板面に犠牲層を形成
し、この犠牲層を堆積膜で被覆した後、該堆積膜にエッ
チング孔を穿設し、該エッチング孔を介して犠牲層の一
部又は全部をエッチングにより除去し、更に該エッチン
グ孔を閉塞することにより、除去された犠牲層の部分を
圧力基準室として構成すると共に、上記堆積膜をダイヤ
フラムとして構成し、かつファイバ支持体用ウエハに光
ファイバの先端をセンサー基板の下端面に保持する支持
部をエッチングにより形成することを特徴とする圧力セ
ンサーの製造方法。
【0014】
【作用】本発明の圧力センサーは、光ファイバの先端に
設けられ、周壁によって周囲と気密的に隔離された圧力
基準室と、この圧力基準室の周壁の一部を構成し、光フ
ァイバの先端と該圧力基準室を介して対向し、光反射面
を有するダイヤフラムとを具備し、光ファイバから出射
する光を受ける該ダイヤフラムが圧力によって変形する
ことによって光ファイバに戻す光りの変化を圧力として
検出するものである。この場合、圧力基準室はセンサー
基板に設けられた犠牲層をエッチングなどにより消失さ
せて形成される空洞であるため、この犠牲層を予め精度
よく設ければ、圧力基準室の高さは犠牲層の厚さである
から、圧力基準室の高さを極めて精度よく制御すること
ができる。
【0015】また、上記圧力基準室の上壁の一部又は全
部を構成するダイヤフラムは、該犠牲層の上に形成され
た堆積膜によって構成されているため、堆積膜の厚さの
制御は確実にできる上、極めて薄く形成することができ
る。更に、本発明の製造方法によれば、シリコンウエハ
等のウエハをセンサー基板に予め接合した積層体からス
タートして堆積、エッチング等の手法で製造するもの
で、部品の後付けをしないので、容易に小型化ができる
と共に、位置合わせの困難性がなく、精度よく、しかも
容易に製造することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明について図1乃至図5を参照し
ながら具体的に説明する。図1は、本発明の圧力センサ
ーの第1実施例を示すもので、(A)は平面図、(B)
は(A)図のA―A’線に沿った断面図である。図2
は、この圧力センサーの一連の製造工程を示す断面図で
ある。
【0017】この圧力センサー1は、シリコンウエハか
ら構成される四角板状のセンサー基板2を具備する。こ
のセンサー基板2の下面には、平面形がセンサー基板と
同一で略立方体のファイバ支持部材3が一体に接合され
ており、このファイバ支持部材3には中心部を貫通した
空隙部3aが形成され、かかる空隙部3aは光ファイバ
ーFを支持する役割を担うファイバ支持部として機能す
る。図面では、光ファイバFの先端が空隙部3aに差し
込まれ、ファイバFの先端面がセンサー基板2の下端面
と接触している。また、センサー基板2の上下両面に
は、酸化シリコン膜2a、2bが形成されており、ファ
イバ支持部材3の下面にも酸化シリコン膜3bが形成さ
れている。なお、センサー基板2は、シリコンウエハに
限らず、ガラスなどの光透過性の材料で構成することが
できる。
【0018】センサー基板2上面には、センサー基板2
と同一の平面形を有し、中心部に略四角形型の貫通孔を
有する環状枠体4が一体に接合され、環状枠体4が圧力
基準室5の側壁を構成する。環状枠体4は表面が(10
0)方位の面であるシリコンウエハで構成することが好
ましい。この環状枠体4の上面に酸化シリコン膜4aが
形成されている。
【0019】また、環状枠体4の上にダイヤフラム6が
環状枠体4の貫通孔の開口部を閉塞する如く設けられて
おり、ダイヤフラム6は圧力基準室5の上壁を構成して
いる。このダイヤフラム6は、窒化珪素Si3 4 等の
環状枠体4と異なった素材で、CVD等による堆積膜で
構成されている。ダイヤフラム6は、その周縁部が環状
枠体4と密着しており、その環状枠体4と密着した周縁
部より内面側が、環状枠体4から離間して遊離してい
る。その遊離部分のダイヤフラム6には、複数箇所(図
面では2カ所)にエッチング孔7が穿設されている。
【0020】更に、ダイヤフラム6の上面には、反射膜
8が形成されており、この反射膜8によってエッチング
孔7が閉塞され、これによって圧力基準室5は気密状態
となっている。なお、反射膜8はダイヤフラム6自身が
光を反射するものであれば特に必要なものではない。
【0021】上記圧力基準室5は、後述するように、環
状枠体4の基となる環状枠体用シリコンウエハの中心部
と該シリコンウエハに成膜された多結晶シリコン層の2
層を犠牲層として、エッチング孔7を介したエッチング
によりこれらの2層を除去した空洞から構成されてい
る。
【0022】本圧力センサー1に接続する光ファイバF
は、例えば接着剤によりファイバ支持部材3に固定する
ことができる。光ファイバFとしては、例えば入射用フ
ァイバと受光ファイバとを同心円状に配置したもので
も、あるいは散点状に配置されているものでもよい。
【0023】このような構成の圧力センサー1によれ
ば、製造のスタートは、予めファイバ支持体用シリコン
ウエハ、センサー基板用シリコンウエハ(ガラスウエハ
でもよい)、環状枠体用シリコンウエハの3枚を接合し
た3層構造の積層体を使用できる。また、ファイバ支持
空隙部3a、ダイヤフラム6、反射膜8、及び空洞(圧
力基準室)の形成は、集積回路の製造と同様の手法を利
用して行え、部品の後付けを必要としないので、非常に
小型化できると共に、各寸法の精度が良好である。具体
的な寸法を示すと、例えばファイバ支持体3の厚さが2
50μm、センサー基板2の厚さが50μm、環状枠体
4の厚さが20μm程度、センサー幅が250μm程度
の大きさとすることができる。
【0024】本圧力センサー1の圧力基準室5の周壁
は、底壁としてのセンサー基板2と、側壁としての環状
枠体4と、上壁としてのダイヤフラム6とから構成され
ている。この場合、センサー基板2の上面(圧力基準室
の下面)は基になったシリコンウエハの上面であるか
ら、平滑性、平面性は非常によい。また、圧力基準室の
上面と下面との離間距離(高さ)は、犠牲層の厚さその
ものであるので、高精度で設定することができる。
【0025】更に、ダイヤフラム6は、犠牲層の上に形
成された堆積膜であるので、従来のエッチングで薄くさ
れたシリコンと異なり、極めて薄くできる上、高精度で
厚さを制御することができ、しかも、平滑度も確保する
ことができる。また更に、圧力基準室5の高さは、犠牲
層の厚さであるから、高さを自由に設定できると共に、
大きくとることができ、オーバープレッシャーの際にダ
イヤフラム6がセンサー基板2と接触し、測定不能にな
ることを防止することができる。
【0026】次に、図2で、このような圧力センサー1
の製造工程の一例を具体的に示す。まず、環状枠体4用
で、好ましくは表面が(100)方位の面であるシリコ
ンウエハ4’と、センサー基板用シリコンウエハ2と、
ファイバ支持部材3用シリコンウエハ3’からなる3層
構造の積層体10を、図1(1)に示すように、例えば
SOI貼合せ技術等の一般的な貼合せ技術によって作製
する。積層体10の作製に際し、20μmや50μmと
いった厚さのウエハは直接作ることは困難であるので、
一般に厚いウエハを貼り合わせた後、研磨により所定の
厚さにすることができる。また、貼合面の一方又は両方
に酸化シリコン膜2a、2bを形成しておき、この層を
後にエッチストップ層として利用する。
【0027】次いで、図2(2)に示すように、積層体
10の両面に酸化膜4’a、3’bを常法に従って形成
した後、図2(3)に示すように、環状枠体用シリコン
ウエハ4’の表面に成膜した酸化膜4’aをホトリソグ
ラフィによりパターニングして周縁部分4aを残して圧
力基準室となる中心部分の酸化膜を除去する。
【0028】次に、図2(4)に示すように、CVDに
よりポリシリコン膜11を成膜する。この場合、このポ
リシリコン膜11と環状枠体用シリコンウエハ4’とが
犠牲層となり、これらの合計の厚さが圧力基準室5の高
さとなるので、ポリシリコン膜11と環状枠体用シリコ
ンウエハ4’の厚さはこれを考慮して決定する。
【0029】ポリシリコン膜11を成膜した後、図2
(5)に示すように、ホトリソグラフィにより、ポリシ
リコン膜11が酸化膜4aの開口部周縁部及び開口部
(環状枠体用シリコンウエハ4’の露出部分)を覆うよ
うに、ポリシリコン膜11の周縁をエッチングして円形
にパターニングする。
【0030】ポリシリコン膜11をパターニングした
後、図2(6)に示すように、積層体10の両面に窒化
珪素(Si3 4 )膜6’を成膜する。積層体10の窒
化珪素膜6’は、ダイヤフラムを構成するもので、その
厚さは圧力感知部としてのダイヤフラムの特性を考慮し
て決定するが、一般に0.1〜0.3μm程度の厚さと
することが望ましい。なお、ダイヤフラムは窒化珪素に
限るものではなく、例えば酸化珪素(SiO2 )等のよ
うに、CVD等で堆積でき、可撓性乃至弾性を有する膜
を形成することができれば何れのものも使用可能であ
る。
【0031】次いで、ホトリソグラフィにより、窒化珪
素膜6’に図1(A)に示すように、ポリシリコン膜1
1と酸化膜4aとが重なっている部分の窒化珪素膜6’
にエッチング孔7を穿設し、ポリシリコン膜11と外部
とを連通する通路を形成する。そして、例えば苛性カリ
水溶液などのエッチング剤でポリシリコン膜11と環状
枠体用シリコンウエハ4’とをエッチング孔7を介して
エッチングし、図2(7)に示すように、空洞5(圧力
基準室)を形成する。この場合、環状枠体用シリコンウ
エハ4’として表面が(100)方位の面であるシリコ
ンウエハを用いているため、表面と54.7度の角度を
なす(111)面が、(100)表面の<110>方向
に沿って存在するため、この(111)面により、急激
にエッチングの進行が衰える。従って、<110>方向
に沿ってパターニングした酸化膜4aの開口部からエッ
チングを行うと、横方向にはわずかに浸食するだけで酸
化膜4aの開口部の下の部分のウエハを除去することが
できる。なお、上記の理由により、図1(A)に示すよ
うに、表面が(100)方位の面であるシリコンウエハ
のエッチングは、横方向には正方形状に浸食する。ま
た、深さ方向には酸化膜2aがエッチストップ層として
機能するので、圧力基準室5の高さ(空洞の高さ、即ち
窒化珪素膜6’の下面と酸化膜2aとの離間距離)は非
常に高精度で設定することができる。なお、エッチスト
ップ層としては、酸化膜の代わりにボロンを注入した層
を予めシリコンウエハに形成しておいてもよい。
【0032】図2(7)では、更に支持体用シリコンウ
エハ3’に例えばSF6 ガスを用いた低温異方性エッチ
ングにより垂直に穴開けをして、支持体用シリコンウエ
ハ3’を貫通した柱状の空洞であるファイバー支持部3
aを形成した状態を示す。この場合も、センサー基板2
下面の酸化膜2bがエッチストップ層として機能するの
で、光ファイバFの先端面とダイヤフラム6との離間距
離を非常に高精度で制御できる。
【0033】最後に、赤外線に対して反射率が高いAu
―Cr,Ag、Pt等の金属を窒化珪素膜6’上に蒸着
などの手段で成膜し、反射膜8をダイヤフラム6上に形
成すると共に、エッチング孔7を閉塞して圧力基準室5
を密閉する。この反射膜の厚さは約2μm程度とするこ
とが好ましい。なお、エッチング孔7の閉塞は、反射膜
でなく、別の手段によることもできる。
【0034】このようにして得られた圧力センサー1
は、ファイバー支持体3に光ファイバFを嵌着して使用
するものであるが、本実施例ではセンサー基板2として
シリコンウエハを用いたので、光源としては赤外線を使
用することになる。センサー基板2としてガラスウエハ
を用いれば、通常の光源が使用可能であり、この場合、
ガラスウエハとシリコンウエハは陽極接合可能であり、
しかもガラスウエハはエッチストップ層としても機能す
るので、上記例で説明したセンサー基板用シリコンウエ
ハの代わりにガラスウエハを用いることは差し支えな
い。
【0035】更に、図3に、本発明の圧力センサーの第
2実施例を示した。(A)は平面図、(B)は、(A)
図のB―B’線に沿った断面図である。この圧力センサ
ー1は、図1に示した圧力センサーの犠牲層がシリコン
ウエハとポリシリコン層との2層であるのに対し、ポリ
シリコン層1層としたものである。
【0036】図3の圧力センサー1は、センサー基板2
の下面とファイバー支持体3とが酸化膜2bを介して接
合されており、ファイバ支持体3の空隙部3aに光ファ
イバFが接続されている。ここまでの構成は図1に示し
た圧力センサーと同様である。センサー基板2上面に
は、酸化膜2aが形成されており、上記と同様にエッチ
ストップ層として機能する。この酸化膜2a上に、中央
部に円形の犠牲層を除去した空洞(圧力基準室)5を有
するダイヤフラム(堆積膜)6が形成されており、この
空洞の上壁を構成するダイヤフラム6が、圧力感知部と
して機能する。このダイヤフラム6を貫通して空洞5と
外部とを連通させるエッチング孔7が設けられ(図面で
は2カ所)、反射膜8が堆積膜6を覆うと共に、エッチ
ング孔7を閉塞して空洞5を密封する構造となってい
る。
【0037】この圧力センサー1によれば、圧力基準室
5は、犠牲層を全て除去した空洞で、その上壁と側壁が
堆積膜6で構成されているので、圧力基準室の高さを低
くする場合に有効な構造である。その特徴は上記図1に
示した圧力センサーと同様である。
【0038】図3に示した圧力センサー1の製造工程の
一例を、図4、図5で具体的に説明する。まず、図4
(1)に示すように、上述したSOI貼合せ技術などに
より、センサー基板用シリコンウエハ2と支持部材用シ
リコンウエハ3’とを酸化膜2bを介して接合した2層
構造の積層体12を作製し、この積層体12の両面に酸
化膜2a、3bを形成する。
【0039】次に、図4(2)に示すように、酸化膜2
a、3bの上にポリシリコン層13をLPCVD等によ
り形成する。この場合、積層体12の上面に形成したポ
リシリコン層13の中央部分が犠牲層となるので、ポリ
シリコン層13の厚さはそのまま圧力基準室5の高さと
なり、圧力基準室5の高さはダイヤフラム6が撓んだと
きに圧力基準室5の底面(センサー基板2上面)と接触
しない必要があるため、この点を考慮して決定する。一
般的には500〜3000nm程度の厚さとすることが
好ましい。
【0040】次いで、図4(3)に示すように、ポリシ
リコン層13上に、窒化珪素膜14を成膜する。そし
て、図4(4)に示すように、圧力基準室の平面形とな
るべきパターンのレジスト膜R1を窒化珪素膜14のほ
ぼ中央部に形成し、次いで例えばCF4 等を用いるドラ
イエッチングでレジスト膜で覆われていない窒化珪素膜
を除去し、次いでレジスト膜R1を剥離した後、水酸化
カリウムエッチングで窒化珪素膜で覆われていないポリ
シリコン層を除去することにより、図4(5)に示すよ
うに、窒化珪素膜14とポリシリコン層13とをレジス
ト膜R1の形状にパターニングする。
【0041】その後、熱リン酸エッチング又はCF4
を用いるドライエッチングにより窒化珪素膜14を除去
し、図4(6)に示すように、圧力基準室の形状にパタ
ーニングしたポリシリコン層13を残存させる。次に、
図5(7)に示すように、パターニングしたポリシリコ
ン層13を被覆するようにダイヤフラムとなる窒化珪素
膜6’を成膜した後、レジスト膜R2を、エッチング孔
7に対応する部分を残して窒化珪素膜6’を被覆するよ
うに形成する。
【0042】そして、図5(8)に示すように、CF4
等を用いたドライエッチング等により、窒化珪素膜6’
にエッチング孔7を開孔した後、レジストR2を剥離
し、その後エッチング孔7を介して水酸化カリウム等に
よるエッチングによりポリシリコン層13を除去する。
これによって、ポリシリコン層13が消失した空洞を形
成し、この空洞を圧力基準室5とすると共に、窒化珪素
膜6’をダイヤフラム6として構成する。
【0043】次に、図5(9)に示すように、Au―C
r等の金属をダイヤフラム6面に蒸着してダイヤフラム
6上面に反射膜8を形成すると同時に、ダイヤフラム6
に形成されているエッチング孔7を閉塞し、圧力基準室
5を密閉する。その後、ファイバ支持部のエッチングに
移り、ファイバ支持部用シリコンウエハ3’の下面に、
例えばニッケル膜15を成膜した後、ホトリソグラフィ
によりパターニングして、図5(10)に示すように、
ファイバ支持部を開口する。
【0044】次いで、低温反応性イオンエッチングなど
でファイバ支持部材用シリコンウエハ3’を貫通させて
空隙部3aを形成する。この場合も、酸化膜2bはエッ
チストップとして機能し、光ファイバ先端面と反射層8
との離間距離は精度よく制御できる。
【0045】本発明の圧力センサー及びその製造方法
は、上記実施例に限定されるものではない。例えばファ
イバ支持部は貫通型の空隙部でなくともよく、その他本
発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更することができ
る。
【0046】
【発明の効果】本発明の圧力センサーは、小型化が可能
である上、精度が良好である。また、本発明の圧力セン
サーの製造方法によれば、かかる圧力センサーを生産性
良く、確実に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧力センサーの第1実施例を示すもの
で、(A)は平面図、(B)は断面図である。
【図2】上記第1実施例の製造工程の一例を示す断面図
である。
【図3】本発明の圧力センサーの第2実施例を示すもの
で、(A)は平面図、(b)は断面図である。
【図4】上記第2実施例の製造工程の一例を示す断面図
である。
【図5】上記第2実施例の製造工程の続きを示す断面図
である。
【図6】従来の圧力センサーの一例を示す断面図であ
る。
【図7】従来の圧力センサーの他の例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 圧力センサー 2 センサー基板 2a、2b 酸化膜 3 ファイバ支持部材 3a 空洞部 4 環状枠体 5 圧力基準室 6 ダイヤフラム 7 エッチング孔 8 反射膜

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ファイバの先端に設けられ、周壁によっ
    て周囲と気密的に隔離された圧力基準室と、この圧力基
    準室の周壁の一部を構成し、光ファイバの先端と該圧力
    基準室を介して対向し、光反射面を有するダイヤフラム
    とを具備し、上記光ファイバから出射する光を受ける該
    ダイヤフラムが圧力によって変形することによって該光
    ファイバに戻す光りの変化を圧力として検出する圧力セ
    ンサーであって、光ファイバの先端面に存するべき光透
    過性のセンサー基板を有すると共に、上記圧力基準室
    が、該センサー基板を底壁とし、上記ダイヤフラムを上
    壁の一部又は全部として構成されていると共に、該セン
    サー基板上に設けられた犠牲層の一部又は全部を消失さ
    せることによって形成された空洞であり、上記ダイヤフ
    ラムが、消失前の該犠牲層上に形成された堆積膜によっ
    て構成されてなることを特徴とする圧力センサー。
  2. 【請求項2】センサー基板の下端面に、光ファイバの先
    端をセンサー基板の下端面に保持する支持部を形成して
    なるファイバ支持体を一体的に接合した請求項1記載の
    圧力センサー。
  3. 【請求項3】センサー基板とファイバー支持体とがシリ
    コンウエハである請求項1又は2記載の圧力センサー。
  4. 【請求項4】犠牲層がセンサー基板上にこれと一体的に
    接合されたシリコンウエハであり、圧力基準室が該シリ
    コンウエハの中央部を消失させた空洞である請求項1乃
    至3記載の圧力センサー。
  5. 【請求項5】犠牲層としてのシリコンウエハの表面が
    (100)方位の面である請求項4記載の圧力センサ
    ー。
  6. 【請求項6】光ファイバの先端に設けられ、周壁によっ
    て周囲と気密的に隔離された圧力基準室と、この圧力基
    準室の周壁の一部を構成し、光ファイバの先端と該圧力
    基準室を介して対向し、光反射面を有するダイヤフラム
    とを具備し、光ファイバから出射する光を受ける該ダイ
    ヤフラムが圧力によって変形することによって光ファイ
    バに戻す光りの変化を圧力として検出する圧力センサー
    の製造方法であって、犠牲層用ウエハと光透過性のセン
    サー基板用ウエハとファイバ支持体用ウエハとの3層積
    層体を予め作製し、この3層積層体の犠牲層用ウエハを
    堆積膜で被覆した後、該堆積膜にエッチング孔を穿設
    し、該エッチング孔を介して犠牲層の中央部をエッチン
    グにより除去し、更に該エッチング孔を閉塞することに
    より、除去された犠牲層の部分を圧力基準室として構成
    すると共に、上記堆積膜をダイヤフラムとして構成し、
    かつファイバ支持体用ウエハに光ファイバの先端をセン
    サー基板の下端面に保持する支持部をエッチングにより
    形成することを特徴とする圧力センサーの製造方法。
  7. 【請求項7】光ファイバの先端に設けられ、周壁によっ
    て周囲と気密的に隔離された圧力基準室と、この圧力基
    準室の周壁の一部を構成し、光ファイバの先端と該圧力
    基準室を介して対向し、光反射面を有するダイヤフラム
    とを具備し、上記光ファイバから出射する光を受ける該
    ダイヤフラムが圧力によって変形することによって該光
    ファイバに戻す光りの変化を圧力として検出する圧力セ
    ンサーの製造方法であって、光透過性のセンサー基板用
    ウエハとファイバ支持体用ウエハとの2層積層体を予め
    作製し、この2層積層体のセンサー基板面に犠牲層を形
    成し、この犠牲層を堆積膜で被覆した後、該堆積膜にエ
    ッチング孔を穿設し、該エッチング孔を介して犠牲層の
    一部又は全部をエッチングにより除去し、更に該エッチ
    ング孔を閉塞することにより、除去された犠牲層の部分
    を圧力基準室として構成すると共に、上記堆積膜をダイ
    ヤフラムとして構成し、かつファイバ支持体用ウエハに
    光ファイバの先端をセンサー基板の下端面に保持する支
    持部をエッチングにより形成することを特徴とする圧力
    センサーの製造方法。
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