JPH08291061A - 抗癌剤の併用投与方法及び併用可能な抗癌剤 - Google Patents

抗癌剤の併用投与方法及び併用可能な抗癌剤

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JPH08291061A
JPH08291061A JP11636995A JP11636995A JPH08291061A JP H08291061 A JPH08291061 A JP H08291061A JP 11636995 A JP11636995 A JP 11636995A JP 11636995 A JP11636995 A JP 11636995A JP H08291061 A JPH08291061 A JP H08291061A
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Masao Oguro
昌夫 小黒
Junji Onishi
潤治 大西
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Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
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Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の白金錯体から成る抗癌剤の効果を増強
するために、該白金錯体と既知の抗癌剤の組合せを提供
する。 【構成】 シスプラチン又はビンクリスチン等の既知の
抗癌剤と、(化1)の白金錯体から成る抗癌剤を併用投
与する。これにより大量に使用しないと抗癌剤として機
能しなかった(化1)の白金錯体を小量でも抗癌剤とし
て機能させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、併用効果の優れた抗癌
剤の併用投与方法及び併用可能な抗癌剤に関し、より詳
細には併用投与することにより併用の相乗効果が現れる
抗癌剤の併用投与方法、該方法の実施に使用可能な併用
可能な抗癌剤及びこれらの抗癌剤を混合して調製される
混合抗癌剤に関する。
【0002】
【従来技術及び問題点】抗癌剤はより有効性を高めかつ
腫瘍細胞が薬剤に対する耐性を獲得することを防止する
ために、他の抗癌剤と併用して使用することが一般的で
ある。しかし併用する薬剤を選択する方法は特別な方法
があるわけではなく、併用する薬剤としての一般的な条
件である、併用する薬剤が単独使用でも有効であるこ
と、副作用が併用剤と重複しない、という一般的な条
件の下で、臨床家による経験の結果として併用剤が選択
されてきた。
【0003】腫瘍細胞は薬剤(抗癌剤)による障害から
常に回復しようとする反応が細胞内に誘導され、その修
復機構が十分に発揮されないときに腫瘍細胞は死滅す
る。しかし死滅までには時間が必要である(時間投与の
必要性)。抗癌剤を2種類以上併用するときに、単独投
与では認められない細胞生物学的反応(相乗効果)を示
すことがあり、この場合には各抗癌剤が保有する特有の
作用機序(全ては解明されていない)が競合したり拮抗
反応として出現することがある。これらを解明するため
には併用剤の投与量、投与時間を組み合わせた多彩な投
与を行なう必要がある。
【0004】本発明者は抗癌剤の併用に関する合理的な
技法を開発し(CANCER CHEMOTHERAPY: Challenges for
the Future, vol.4, 1989; Molecular Bilology of DN
A Topoisomerases, Proceedings of the International
Symposium on DNA Topoisomerases in Chemotherapy,
1991) 、各種抗癌剤の併用の効果を実証した。しかし相
乗効果の現れる抗癌剤の組合せは少なく、簡単には満足
できる抗癌剤の併用効果が得られなかった。又抗癌剤を
初めとする薬剤は投与法により静注投与による薬剤と経
口投与による薬剤とに大別される。従来の白金抗癌剤の
多くは静注投与され、患者への負担が大きかった。この
欠点を解決し、一層の抗腫瘍性と簡便な経口投与を志向
する抗腫瘍性白金錯体及び該白金錯体を有効成分とする
抗癌剤を提案した(特願平6− 号)。
【0005】
【発明の目的】本発明は、この白金錯体を主成分とする
抗癌剤の抗癌性を更に向上させるために、既知の抗癌剤
との併用投与を各種検討し、最適の併用投与方法を見出
したものである。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明は、シスプラチ
ンやビンクリスチン等の既知の抗癌剤を、(化1)で示
す白金錯体と併用投与することを特徴とする抗癌剤の併
用投与方法、及び前記抗癌剤及び白金錯体を混合して調
製される混合抗癌剤、更に前記抗癌剤を前記白金錯体に
化学結合により配位させたことを特徴とする抗癌剤であ
る。
【0007】以下、本発明の詳細について説明する。腫
瘍細胞(癌細胞)は通常細胞より増殖速度が大きく、腫
瘍細胞の死滅効果が増殖速度と同等又はそれ以下では、
癌の進行を抑える程度であり、癌の根本的な治療とはな
りえない。又各抗癌剤には最適投与量があり、該投与量
より多量の抗癌剤を投与しても、比例的に腫瘍細胞の死
滅効果が上昇する訳ではなく、僅かに上昇するに過ぎな
い。しかも多量投与による正常細胞の損傷等の悪影響の
方が強く現れることが多く、単独抗癌剤の多量投与によ
る治療効果の増大は殆ど望めない。
【0008】従来から行なわれている抗癌剤の併用投与
は、この単独抗癌剤の多量使用の限界を解消して、癌治
療の可能性を広げるものである。その作用機序について
は十分解明されていないものの、特定の組合せを使用す
ることにより、腫瘍細胞の死滅効果が大幅に上昇する可
能性が指摘されている。つまり抗癌剤Aと抗癌剤Bの使
用により、抗癌剤A単独使用の際の腫瘍細胞死滅割合と
抗癌剤B単独使用の際の腫瘍細胞死滅割合との合計(相
加効果)と等しいか、それ以上の効果(相乗効果)が現
れることがある。
【0009】抗癌剤は癌の進行を抑制するだけでは不十
分であり腫瘍細胞を完全に死滅させることが望まれる。
そのためには腫瘍細胞の増殖速度以上に腫瘍細胞を死滅
させることが必要であり、理論的には増殖速度より僅か
でも抗癌剤による腫瘍細胞の死滅速度が大きいと最終的
には腫瘍細胞は完全に死滅する。しかし腫瘍細胞の転移
の危険性及び長期間毒性のある抗癌剤を患者に投与する
危険性から、短期間で腫瘍細胞を死滅させることのでき
る抗癌剤の出現が望まれている。そのためには2種以上
の抗癌剤の使用により腫瘍細胞の死滅効果が相乗的に増
加する抗癌剤の組合せが必須であり、この相乗効果を有
する抗癌剤の組合せの出現は現在の癌化学療法に決定的
に寄与する。
【0010】抗癌剤の併用投与による作用機序は未だ完
全には解明されていないが、併用投与の各段階つまり投
与開始後の経過時間に応じてどのような投与効果が生じ
ているかは、単に細胞の生死だけを確認するのみでは生
まれてこない新たな腫瘍細胞死滅に関する戦略の情報を
付与することを可能にする。本発明は、特にこの相乗効
果を、少なくとも相加効果を有する抗癌剤の組合せを提
案するものであり、(化1)で示す白金錯体を標的抗癌
剤として使用し、この白金錯体と1又は2以上の既知の
抗癌剤とを組み合わせて併用投与する。この併用投与に
より白金錯体の抗癌効果は相乗的あるいは相加的に向上
し、該併用投与により癌治療への多大な貢献が期待でき
る。
【0011】(化1)中、(化2)は(化3)で示され
る1,2−シクロアルカン(C5 〜C7 )ジアミン(立
体構造はシス(R,S−)、トランス−d(1S,2S
−)又はトランス−l(1R,2R−)である)、(化
4)で示される2−アミノメチルシクロヘキシルアミン
(立体構造はシス−l(R,R−)、シス−d(S,S
−)、トランス−l(R,S−)又はトランス−d
(S,R−)である)、(化5)で示される1,1−ジ
アミノメチルシクロヘキサン、O−フェニレンジアミ
ン、エチレンジアミン又はプロピレンジアミンより選ば
れるいずれか1種のジアミンであり、(化6)は白金
(IV)にO,O−配位の5あるいは6員環を形成する
配位子、例えば(化7)、(化8)、(化9)、(化1
0)、(化11)、(化12)であり、XはC1 〜C10の脂
肪族環状アルキルを含む脂肪族アルキル又は芳香族アル
キルである。
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【0012】本発明では、シスプラチン、ビンクリスチ
ン、カルボプラチン、5−FU、テガフール、カルモフ
ール、ドキシフルリジン、ウラシル、イリノテカン、ア
ドリアマイシン、エトポシド、マイトマイシン、ミトキ
サントロン、ブレオマイシン、ビンクリスチン及びビン
デシン等の既知の抗癌剤(併用剤)と前記白金錯体(標
的剤)との併用投与による腫瘍細胞の死滅効果の測定を
試みる。
【0013】各組合せにおける腫瘍細胞の死滅効果の評
価に際しては、対照(抗癌剤を使用しない場合)の死滅
効果を差引き、純粋な併用剤と白金錯体の併用による死
滅効果を算出する。併用効果は、後述の式を使用して
算出し、この式により算出される値(%)が、85〜115
%がある場合には相加効果があり、85%未満の場合には
相加効果以下、115 %を越える場合には相乗効果を有す
るものと、評価する。±15%は信頼限界つまり誤差であ
る。
【0014】その結果、シスプラチン及びビンクリスチ
ンについては、本発明の前記白金錯体との併用により相
乗効果が得られる。前記白金錯体とシスプラチン又はビ
ンクリスチンは同時投与しても時間差投与しても良い
が、患者に対して薬剤を投与する場合、時間差投与より
同時投与の方が、患者及び医師の負担が軽くなるため好
ましい。なお本発明の同時投与とは、複数の抗癌剤を時
間差零で同時に投与する場合と、複数の抗癌剤を別個の
投与操作により連続的に投与する僅かな時間差がある場
合の両者を含み、これら以外の投与は時間差投与であ
る。本発明の下記実施例では、白血病の腫瘍細胞に対し
てのみ、本発明の併用投与を行なったが、他の臓器癌に
関しても本発明方法及び本発明の混合抗癌剤は相乗効果
又は相加効果を発揮することが期待される。
【0015】又抗癌剤の投与経路は、従来の通り経口、
注射、膣又は肛門からの投与、及び皮膚への塗布等があ
る。そして前述した白金錯体と併用剤を同時投与するこ
とにより効果が生ずる組合せの場合には、両薬剤を混合
して錠剤化したり、注射用アンプル中に封入したりする
ことができる。又混合する以外に、化学結合により前記
白金錯体を併用剤と一体化して錠剤中に添加したりアン
プル中に封入したりすることができる。時間差投与が望
ましい場合には、前記白金錯体と併用剤の両者を別個に
準備し、いずれか一方を先行投与し、他方を追加投与す
る。なお次に記載する実施例における抗癌剤併用の評価
方法は、本発明以外の抗癌剤併用にも適用でき、今後の
抗癌剤併用の評価方法の指標となりうる有用な方法であ
る。
【0016】
【実施例】次に本発明に係わる抗癌剤の併用投与に関す
る実施例を説明するが、本実施例は本発明を限定するも
のではない。対象とした腫瘍細胞はヒト白血病株化細胞
(RPMI−8402)であり、15%牛胎児血清(ギブコ
製)を含有するPRMI−1640(ギブコ製)の培養液を
含む培養瓶(商品名スミロン、住友ベークライト株式会
社製)中に前記腫瘍細胞を浮遊させ、5%炭酸ガスを保
有する37℃の培養器(テーハー式、CPD−170 型、ヒ
ラサワ製)で6日間培養した。培養瓶には被検薬を臨床
で使用した場合の血中濃度に近い濃度で添加した。
【0017】本実施例で使用した薬剤の名称及び使用濃
度は、OR36−3(化13)を100 、50、10、5及び1μ
g/ml、ビンクリスチン(VCR)を0.01及び0.05μ
g/ml、シスプラチンを5及び2μg/mlとした。
24時間毎に各培養瓶より培養液を死細胞数を算定する試
料として採取し、特別の観察板(ZOG−1、エレコン
科学製)に滴下し、倒立顕微鏡(ニコン株式会社製、倍
率150 倍)で観察し、死細胞の百分率比を算定した。死
細胞の算定は、1回の試料につき3回観察算定し、その
百分率比と標準偏差値を算定した。
【化13】
【0018】これらの測定値から、併用効率OE(期待
値と実測値の比)を次の式を使用して算出した。 OE(%)=A/〔C0 +(B−C1 )+(D−C2 )〕×100 式中、Aは併用によって得られた死細胞の実測値、C0
は対照細胞での殺細胞値、Bは標的薬剤に曝されていた
日数間の殺細胞効果(%)、C1 はBと同日数での殺細
胞効果(%)、Dは併用剤に曝されていた日数間の殺細
胞効果(%)、C2 はDと同日数での対照細胞の殺細胞
効果(%)、C0 は対照細胞での殺細胞効果(%)であ
る。
【0019】
【比較例1】まずOR36−3のみを10、5及び1μg/
mlずつ抗癌剤として単独使用し、その効果を調べた。
その結果腫瘍細胞の死滅率は順に10、7及び2%であ
り、OR36−3は10μg/ml以下では殆ど効果が生じ
ないことが判った。但し10μg/ml添加後に6時間
で、多数の細胞に発芽現象と名付けた変化が著明に観察
された。しかしこれは培養開始1日後には殆ど消滅し、
6日後でも特徴的な所見として存続しなかったが、他の
薬剤検索でも稀な所見であり、OR36−3には細胞死滅
には到らないが細胞の内部に変化(修飾)を誘導する作
用があることが推測された。
【0020】次により高濃度のOR36−3の死滅効果を
確認するために、OR36−3濃度を100 、50、10、5及
び0(コントロール)μg/mlとして前記腫瘍細胞の
培養液を培養しながら開始後6日まで24時間毎に細胞の
死滅割合を測定した。その結果を図1に示す。図1から
50及び100 μg/mlの濃度ではOR36−3は明瞭な死
滅効果を示した。
【0021】
【実施例1】比較例1のOR36−3単独(濃度10又は5
μg/ml)とコントロール以外に、ビンクリスチン単
独(濃度0.05又は0.01μg/ml)、4種類のOR36−
3とビンクリスチンの併用(濃度はOR36−3とビンク
リスチンが、それぞれ10及び0.05、10及び0.01、5及び
0.05、5及び0.01μg/ml)を比較例1と同一条件で
培養し、かつ死滅割合を測定した。その結果を図2に示
す。
【0022】図2から、少なくとも50μg/mlを越え
ないと明瞭な死滅効果を示さなかったOR36−3がビン
クリスチンと併用することにより、5μg/ml(図2
中の□−及び△−)でも6日後には約60%の死滅率を示
したことが判る。図中の5日及び6日後の▲−及び▲─
では死滅効果は単独のビンクリスチンとほぼ同等である
が、他の濃度及び経過日時では、明らかに併用による死
滅効果の増大が現れている。このことは単独使用では効
果のないOR36−3もそれによる細胞の前記修飾がそれ
自身殺細胞効果はなくても、その僅かな修飾作用により
他の抗癌剤の殺細胞効果(細胞の死滅効果)を増強する
可能性を示している。
【0023】
【実施例2】比較例1及び実施例1で使用したヒト白血
病株化細胞の代わりにK562 親細胞(ヒト骨髄性白血病
細胞)とそのシスプラチン耐性細胞(K562 /CDD
P)を使用し、かつビンクリスチンに代わりにシスプラ
チンを使用して実施例1と同一条件で死滅割合を測定し
た。その結果を図3に示す。図中、親細胞と耐性細胞の
5μg/mlシスプラチンに対する死滅率(▲−及び▲
─)を比較するとほぼ同等であることが判る。しかし2
μg/mlシスプラチンに対する死滅率(△−及び△
─)は親細胞の方が耐性細胞より約2倍大きく、即ち前
記シスプラチン耐性細胞は5μg/mlのシスプラチン
には耐性がなく親細胞と同等の感受性で死滅するのに対
し、2μg/mlのシスプラチンに対しては親細胞の約
2倍の耐性を有している。
【0024】一方10μg/mlのOR36−3は親細胞に
対しても耐性細胞に対しても殆ど効果はない。そこで10
μg/mlのOR36−3にシスプラチン5又は2μg/
mlを併用すると、5μg/ml投与では6日後の併用
効率OEは親細胞に関して116 %、耐性細胞に関して12
5 %、2μg/ml投与では6日後の併用効率OEは親
細胞に関して66%、耐性細胞に関して129 %と算出され
る。従って5μg/mlでは親細胞及び耐性細胞の両者
に対して、又2μg/ml投与では耐性細胞に対して、
OR36−3とシスプラチンの併用効果が確認された。こ
れはシスプラチンにより耐性化された細胞の該耐性がO
R36−3の添加投与により解消したことを意味する。換
言するとOR36−3は単独では抗癌剤としての効果を有
しない量でしも、シスプラチンと併用することにより効
果が増強される。
【0025】
【発明の効果】本発明は、シスプラチンやビンクリスチ
ン等と(化1)で表される白金錯体と併用投与すること
を特徴とする抗癌剤の併用投与方法である(請求項
1)。実施例から明らかなように、(化1)の白金錯体
とシスプラチンやビンクリスチン等を組合せて腫瘍細胞
に投与すると、その殆ど全ての場合に該腫瘍細胞の死滅
に対する効果が前記白金錯体単独の場合に対して相加効
果を有し、又多くの場合に相乗効果を生じさせる。
【0026】抗癌剤の併用投与による腫瘍細胞の死滅効
果の増大は、特に腫瘍細胞の増殖速度と拮抗する近傍に
おいて重要な意味を持ち、僅かな死滅効果の増大でもそ
の効果が重大な治療効果の促進をもらたすことになる。
本発明の抗癌剤の併用投与方法によると、特にその抗癌
剤の組合せを適切に選択することによる死滅効果の増大
は飛躍的であり、多くの癌治療に対して多大な貢献を行
ない得る。
【0027】前記白金錯体とシスプラチン等は同時に投
与しても(請求項2)いずれか一方を追加投与しても良
く、各組合せに応じて投与時期は適宜決定すれば良い
が、患者や医師の負担の低減のためには同時投与が望ま
しい。シスプラチンやビンクリスチン等と(化1)で表
される白金錯体とを混合して調製される抗癌剤(請求項
3)は、前述の同時投与用として最適であり、前記抗癌
剤の併用投与方法と同様の効果が期待できる。又前記白
金錯体とシスプラチン等は単に混合するのではなく、一
方を他方に化学結合させても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例1におけるOR36−3を単独使用した場
合の腫瘍細胞の死滅率の経時変化を示すグラフ。
【図2】実施例1におけるOR36−3とビンクリスチン
を併用投与した場合の腫瘍細胞の死滅率の経時変化を示
すグラフ。
【図3】実施例2におけるOR36−3とシスプラチンを
併用投与した場合の腫瘍細胞の死滅率の経時変化を示す
グラフ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シスプラチン、ビンクリスチン、カルボ
    プラチン、5−フルオロウラシル、テガフール、カルモ
    フール、ドキシフルリジン、ウラシル、イリノテカン、
    アドリアマイシン、エトポシド、マイトマイシン、ミト
    キサントロン及びブレオマイシンから選択される1又は
    2以上の併用剤を、一般式(化1)で表される白金錯体
    (式中(化2)は(化3)で示される1,2−シクロア
    ルカン(C5 〜C7 )ジアミン(立体構造はシス(R,
    S−)、トランス−d(1S,2S−)又はトランス−
    l(1R,2R−)である)、(化4)で示される2−
    アミノメチルシクロヘキシルアミン(立体構造はシス−
    l(R,R−)、シス−d(S,S−)、トランス−l
    (R,S−)又はトランス−d(S,R−)である)、
    (化5)で示される1,1−ジアミノメチルシクロヘキ
    サン、O−フェニレンジアミン、エチレンジアミン又は
    プロピレンジアミンより選ばれるいずれか1種のジアミ
    ンであり、(化6)は白金(IV)にO,O−配位の5
    あるいは6員環を形成する配位子であり、XはC1 〜C
    10の脂肪族環状アルキルを含む脂肪族アルキル又は芳香
    族アルキルである)と併用投与することを特徴とする抗
    癌剤の併用投与方法。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】
  2. 【請求項2】 シスプラチン又はビンクリスチンを白金
    錯体と同時投与する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 シスプラチン、ビンクリスチン、カルボ
    プラチン、5−フルオロウラシル、テガフール、カルモ
    フール、ドキシフルリジン、ウラシル、イリノテカン、
    アドリアマイシン、エトポシド、マイトマイシン、ミト
    キサントロン及びブレオマイシンから選択される1又は
    2以上の併用剤を、一般式(化1)で表される白金錯体
    (式中(化2)は(化3)で示される1,2−シクロア
    ルカン(C5 〜C7 )ジアミン(立体構造はシス(R,
    S−)、トランス−d(1S,2S−)又はトランス−
    l(1R,2R−)である)、(化4)で示される2−
    アミノメチルシクロヘキシルアミン(立体構造はシス−
    l(R,R−)、シス−d(S,S−)、トランス−l
    (R,S−)又はトランス−d(S,R−)である)、
    (化5)で示される1,1−ジアミノメチルシクロヘキ
    サン、O−フェニレンジアミン、エチレンジアミン又は
    プロピレンジアミンより選ばれるいずれか1種のジアミ
    ンであり、(化6)は白金(IV)にO,O−配位の5
    あるいは6員環あ形成する配位子であり、XはC1 〜C
    10の脂肪族環状アルキルを含む脂肪族アルキル又は芳香
    族アルキルである)と混合して調製されることを特徴と
    する混合抗癌剤。
  4. 【請求項4】 シスプラチン、ビンクリスチン、カルボ
    プラチン、5−フルオロウラシル、テガフール、カルモ
    フール、ドキシフルリジン、ウラシル、イリノテカン、
    アドリアマイシン、エトポシド、マイトマイシン、ミト
    キサントロン及びブレオマイシンから選択される1又は
    2以上の併用剤を、一般式(化1)で表される白金錯体
    (式中(化2)は(化3)で示される1,2−シクロア
    ルカン(C5 〜C7 )ジアミン(立体構造はシス(R,
    S−)、トランス−d(1S,2S−)又はトランス−
    l(1R,2R−)である)、(化4)で示される2−
    アミノメチルシクロヘキシルアミン(立体構造はシス−
    l(R,R−)、シス−d(S,S−)、トランス−l
    (R,S−)又はトランス−d(S,R−)である)、
    (化5)で示される1,1−ジアミノメチルシクロヘキ
    サン、O−フェニレンジアミン、エチレンジアミン又は
    プロピレンジアミンより選ばれるいずれか1種のジアミ
    ンであり、(化6)は白金(IV)にO,O−配位の5
    あるいは6員環あ形成する配位子であり、XはC1 〜C
    10の脂肪族環状アルキルを含む脂肪族アルキル又は芳香
    族アルキルである)に化学結合により配位させたことを
    特徴とする抗癌剤。
JP11636995A 1994-11-11 1995-04-18 抗癌剤の併用投与方法及び併用可能な抗癌剤 Pending JPH08291061A (ja)

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JP2010527908A (ja) * 2006-12-19 2010-08-19 サイクラセル リミテッド Cndac(2’−シアノ−2’−デオキシ−n4−パルミトイル−1−ベータ−d−アラビノフラノシル−シトシン)及び細胞毒性薬を含む組合せ

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