JPH08290307A - 複合硬質層表面被覆切削工具 - Google Patents

複合硬質層表面被覆切削工具

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JPH08290307A
JPH08290307A JP12068995A JP12068995A JPH08290307A JP H08290307 A JPH08290307 A JP H08290307A JP 12068995 A JP12068995 A JP 12068995A JP 12068995 A JP12068995 A JP 12068995A JP H08290307 A JPH08290307 A JP H08290307A
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JP
Japan
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layer
cutting tool
aluminum oxide
composite hard
ray diffraction
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JP12068995A
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Toshikatsu Sudo
俊克 須藤
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Mitsubishi Materials Corp
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐欠損性に優れた複合硬質層被覆切削工具を
提供する。 【構成】基体表面に、少なくとも1層のチタンの炭化物
層を含むチタン化合物層からなる内層と、酸化アルミニ
ウムからなる外層とで構成された複合硬質層を被覆して
なる切削工具において、前記内層に含まれる少なくとも
1層のチタンの炭化物層は、X線回折によるピークが
(111)>(200)>(220)の高さ順序で現れ
るチタンの炭化物層であり、かつ前記酸化アルミニウム
外層は、κ型あるいはα+κ(κ>α)型酸化アルミニ
ウム層である複合硬質層表面被覆切削工具。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、超硬合金基体または
サーメット基体の表面に、(111)>(200)>
(220)の高さ順序でX線回折によるピークが現れる
チタンの炭化物層を少なくとも1層含むチタン化合物層
からなる内層と、κ型酸化アルミニウム層あるいはκ型
の比率が多いα型とκ型の混合(以下、α+κ(κ>
α)と記す)型酸化アルミニウム層からなる外層とで構
成された複合硬質層を化学蒸着法により形成してなる複
合硬質層表面被覆切削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、超硬合金基体またはサーメット基
体の表面に、化学蒸着法により、チタン炭化物からなる
単層またはチタンの炭化物層を含みさらにチタンの窒化
物、炭窒化物、炭酸化物および炭窒酸化物のうちの1種
または2種以上を含む複層を内層とし、この内層の外側
に酸化アルミニウム層を外層として形成した複合硬質層
を被覆してなる複合硬質層表面被覆切削工具は知られて
おり、この複合硬質層表面被覆切削工具は鋼や鋳鉄など
の連続切削や断続切削に用いられていることも良く知ら
れている。
【0003】前記外層となる酸化アルミニウム層は、α
型の比率が多いα型とκ型の混合(以下、α+κ(α>
κ)と記す)型酸化アルミニウム層であることも知られ
ており、この酸化アルミニウム層は化学的に安定で耐す
くい面摩耗性に優れているが、基体に対する密着性およ
び靭性に劣るために、超硬合金基体またはサーメット基
体の表面にチタンの炭化物層からなる単層またはチタン
の炭化物層を含む複層を内層として被覆し、この内層の
上に酸化アルミニウム層を被覆して複合硬質層を形成
し、耐摩耗性および靭性を付与するとともに密着性を向
上させている。
【0004】前記内層に含まれるチタンの炭化物層は、
通常、反応ガスとして、TiCl4、CH4 を使用し、
キャリアガスとしてH2 を使用し、これらガスを反応炉
に導入すると共に、炉内を30〜100Torrの圧力
に保持しつつ、900〜1200℃に加熱することによ
り形成される。この様にして得られたチタンの炭化物層
のX線回折によるピークは、(200)>(111)>
(220)または(220)>(200)>(111)
の高さ順序を示すことも知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、切削工
程の省力化および短縮化に対する要求は強く、これに伴
ない、より一段と苛酷な条件下での高速フライス切削が
行われるる傾向にあり、かかる苛酷な条件下で高速フラ
イス切削を行うと、切削中に刃先が短時間で欠損し、比
較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、か
かる観点から、従来よりも一層耐欠損性に優れ、したが
って使用寿命の長いチタン化合物層を内層とし、その内
層の外側に酸化アルミニウム層を外層として形成した複
合硬質層を被覆してなる複合硬質層表面被覆切削工具を
開発すべく研究を行っていたところ、基体表面に、少な
くとも1層のチタンの炭化物層を含むチタン化合物層か
らなる内層と、酸化アルミニウム層からなる外層とで構
成された複合硬質層を被覆してなる複合硬質層表面被覆
切削工具において、前記チタン化合物内層に含まれるチ
タンの炭化物層のX線回折によるピークが(111)>
(200)>(220)の高さ順序で現れるチタンの炭
化物層であり、外層がκ型あるいはα+κ(κ>α)型
酸化アルミニウム層であると、従来よりも一層耐欠損性
に優れ、したがって使用寿命が向上するという研究結果
が得られたのである。
【0007】この発明は、かかる研究結果にもとずいて
なされたものであって、(1)基体表面に、少なくとも
1層のチタンの炭化物層を含むチタン化合物層からなる
内層と、酸化アルミニウムからなる外層とで構成された
複合硬質層を被覆してなる切削工具において、前記内層
に含まれる少なくとも1層のチタンの炭化物層は、X線
回折によるピークが(111)>(200)>(22
0)の高さ順序で現れるチタンの炭化物層であり、かつ
前記酸化アルミニウム外層は、κ型あるいはα+κ(κ
>α)型酸化アルミニウム層である複合硬質層表面被覆
切削工具、に特徴を有するものである。
【0008】また、前記複合硬質層表面被覆切削工具の
κ型あるいはα+κ(κ>α)型酸化アルミニウム外層
の表面に、さらにチタンの窒化物層を被覆すると、チタ
ンの窒化物層は黄金色を有するので製品としての美観が
優れている。したがって、この発明は、前記(1)記載
の複合硬質層表面被覆切削工具の表面に、さらに、チタ
ンの窒化物層を被覆してなる複合硬質層表面被覆切削工
具、に特徴を有するものである。
【0009】この発明のX線回折によるピークが(11
1)>(200)>(220)の高さ順序で現れるチタ
ンの炭化物層は、化学蒸着装置内の反応ガスをCH4
TiCl4 の容量%比率を2.0未満(1≦CH4 /T
iCl4 <2.0)とし、反応温度を950〜1000
℃未満に設定するか、または反応ガスをCH4 とTiC
4 の容量%比率を2.0以上(CH4 /TiCl4
2.0)とし、反応温度を1000〜1050℃未満に
設定することにより得られる。
【0010】この様にして得られたチタンの炭化物層は
(111)>(200)>(220)の順序で配向する
ことで、その層が基体または下の層と密着する力が強く
なり、界面からの剥離が起きにくくなって、耐欠損性が
向上するものと考えられる。この内層に含まれるX線回
折によるピークが(111)>(200)>(220)
の高さ順序で現れるチタンの炭化物層の厚さは、平均層
厚で0.5〜10μmの範囲内にあることが好ましい。
【0011】また、通常のCO2 、AlCl3 およびH
2 からなる混合ガスを用い、温度:800〜1050℃
で反応させるとα+κ(α>κ)型酸化アルミニウム層
が得られるが、前記混合ガスにH2 Sを添加すると、κ
型あるいはα+κ(κ>α)型酸化アルミニウム層が得
られる。したがって、この発明のκ型あるいはα+κ
(κ>α)型酸化アルミニウム外層は、反応ガスとし
て、CO2 、AlCl3 、H2 およびH2 Sからなる混
合ガスを用い、温度:800〜1050℃で反応させる
ことにより得られ、このκ型あるいはα+κ(κ>α)
型酸化アルミニウム外層の厚さも平均層厚で0.5〜1
0μmの範囲内にあることが好ましい。
【0012】
【実施例】
実施例1 通常の粉末冶金法により製造した94%WC−6%Co
(ISO分類K10相当)からなる成分組成を有しかつ
ISO規格SEEN42AFTN1(但し、副切刃角1
1)に定めた形状の超硬合金製切削工具を用意した。こ
の超硬合金製切削工具を通常の化学蒸着装置に装入し、
温度:1000℃、圧力:100torr、反応ガス組成:
4%TiCl4 −8%CH4 −残りH2 (CH4 /Ti
Cl4=2.0)、の条件で6時間化学蒸着して平均層
厚:8.5μmのTiC層からなる内層を形成し、この
TiC層をX線回折測定したところ、ピークが(11
1)>(200)>(220)の高さ順序で現れた。
【0013】このX線回折ピークが(111)>(20
0)>(220)の高さ順序で現れたTiC層からなる
内層の上に、さらに、温度:1000℃、圧力:50to
rr、反応ガス組成:6%AlCl3 −1%H2 S−10
%CO2 −残りH2 、の条件で0.5時間反応ガスを流
し、平均層厚:0.7μmのκ−Al2 3 層からなる
外層を形成し、本発明被覆切削工具1を作製した。
【0014】従来例1 実施例1で用意した超硬合金製切削工具を通常の化学蒸
着装置に装入し、温度:1100℃、圧力:100tor
r、反応ガス組成:4%TiCl4 −4%CH4 −残り
2 (CH4 /TiCl4=1.0)、の条件で4.5
時間化学蒸着して平均層厚:8.4μmのTiC層から
なる内層を形成し、このTiC層をX線回折測定したと
ころ、ピークが(220)>(200)>(111)の
高さ順序で現れた。
【0015】このX線回折ピークが(220)>(20
0)>(111)の高さ順序で現れたTiC層からなる
内層の上に、さらに、温度:1050℃、圧力:50to
rr、反応ガス組成:6%AlCl3 −10%CO2 −残
りH2 、の条件で1.5時間反応ガスを流し、平均層
厚:0.7μmのα+κ(α>κ)型Al2 3 層から
なる外層を形成し、従来被覆切削工具1を作製した。
【0016】実施例2 実施例1で用意した超硬合金製切削工具を通常の化学蒸
着装置に装入し、温度:1050℃、圧力:100tor
r、反応ガス組成:4%TiCl4 −2%N2 −5%C
4 −残り%H2 、の条件で0.5時間化学蒸着し、平
均層厚:0.5μmのTiCN層を形成した。
【0017】このTiCN層の上に、温度:1000
℃、圧力:300torr、反応ガス組成:2%TiCl4
−6%CH4 −残りH2 (CH4 /TiCl4=3.
0)、の条件で1時間化学蒸着して平均層厚:0.5μ
mのTiC層を形成し、このTiC層をX線回折測定し
たところ、ピークが(111)>(200)>(22
0)の高さ順序で現れた。
【0018】前記平均層厚:0.5μmのTiCN層お
よびX線回折ピークが(111)>(200)>(22
0)の高さ順序で現れる平均層厚:0.5μmのTiC
層からなる複層を内層とし、この内層の上に、さらに、
温度:1000℃、圧力:50torr、反応ガス組成:6
%AlCl3 −1%H2 S−10%CO2 −残りH2
の条件で5時間反応ガスを流し、平均層厚:7.8μm
のα+κ(κ>α)型Al2 3 層からなる外層を形成
し、本発明被覆切削工具2を作製した。
【0019】従来例2 実施例2で作製した超硬合金製切削工具表面の平均層
厚:0.5μmのTiCN層の上に、温度:1000
℃、圧力:100torr、反応ガス組成:4%TiCl4
−2%CH4 −残りH2 (CH4 /TiCl4=0.
5)、の条件で0.5時間化学蒸着して平均層厚:0.
7μmのTiC層を形成した。このTiC層をX線回折
測定したところ、X線回折ピークが(200)>(11
1)>(220)の高さ順序で現れた。
【0020】前記平均層厚:0.5μmのTiCN層お
よびX線回折ピークが(200)>(111)>(22
0)の高さ順序で現れる平均層厚:0.5μmのTiC
層からなる複層を内層とし、この内層の上に、さらに、
温度:1050℃、圧力:50torr、反応ガス組成:6
%AlCl3 −10%CO2 −残りH2 、の条件で11
時間反応ガスを流し、平均層厚:7.7μmのα+κ
(α>κ)型Al2 3 層からなる外層を形成し、従来
被覆切削工具2を作製した。
【0021】実施例3 実施例1で用意した超硬合金製切削工具を通常の化学蒸
着装置に装入し、温度:1000℃、圧力:760tor
r、反応ガス組成:4%TiCl4 −2%N2 −2%C
4 −残り%H2 、の条件で1.5時間化学蒸着し、平
均層厚:0.8μmのTiCN層を形成した。
【0022】このTiCN層の上に、温度:980℃、
圧力:100torr、反応ガス組成:4%TiCl4 −6
%CH4 −残りH2 (CH4 /TiCl4=1.5)、
の条件で3時間化学蒸着して平均層厚:1.5μmのT
iC層を形成した。このTiC層をX線回折測定したと
ころ、X線回折ピークが(111)>(200)>(2
20)の高さ順序で現れた。
【0023】このX線回折ピークが(111)>(20
0)>(220)の高さ順序で現れたTiC層の上に、
さらに、温度:980℃、圧力:100torr、反応ガス
組成:4%TiCl4 −1.5%N2 −6%CH4
0.5%CO2−残り%H2 、の条件で0.5時間化学
蒸着し、平均層厚:0.1μmのTiCNO層を形成し
た。
【0024】このようにして形成された平均層厚:0.
8μmのTiCN層、X線回折ピークが(111)>
(200)>(220)の高さ順序で現れた平均層厚:
1.5μmのTiC層および平均層厚:0.1μmのT
iCNO層からなる複層を内層とし、この内層の上に、
さらに、温度:1000℃、圧力:50torr、反応ガス
組成:6%AlCl3 −1%H2 S−10%CO2 −残
りH2 、の条件で1.5時間反応ガスを流し、平均層
厚:1.8μmのκ−Al2 3 からなる外層を形成し
た。
【0025】このκ−Al2 3 からなる外層の上に、
温度:1000℃、圧力:500torr、反応ガス組成:
4%TiCl4 −70%N2 −残り%H2 、の条件で
1.0時間反応ガスを流しながら平均層厚:0.5μm
のTiN層を形成することにより本発明被覆切削工具3
を作製した。
【0026】従来例3 実施例3で作製した超硬合金製切削工具表面の平均層
厚:0.8μmのTiCN層の上に、温度:980℃、
圧力:300torr、反応ガス組成:4%TiCl4 −1
%CH4 −残りH2 (CH4 /TiCl4=0.2
5)、の条件で2.0時間化学蒸着し、X線回折測定ピ
ークが(200)>(111)>(220)の高さ順序
で現れる平均層厚:1.3μmのTiC層を形成し、さ
らにこのX線回折ピークが(200)>(111)>
(220)の高さ順序で現れたTiC層の上に実施例3
と同じ条件で平均層厚:0.1μmのTiCNO層を形
成した。このようにして形成された平均層厚:0.8μ
mのTiCN層、X線回折測定ピークが(200)>
(111)>(220)の高さ順序で現れる平均層厚:
1.3μmのTiC層および平均層厚:0.1μmのT
iCNO層からなる複層を内層とし、この内層の上に、
さらに、温度:1050℃、圧力:50torr、反応ガス
組成:6%AlCl3 −10%CO2 −残りH2 、の条
件で3.0時間反応ガスを流し、平均層厚:1.9μm
のα+κ(α>κ)型Al2 3 層からなる外層を形成
し、この外層の上に実施例3と同様にして平均層厚:
0.5μmのTiN層を形成することにより従来被覆切
削工具3を作製した。
【0027】実施例4 実施例1で用意した超硬合金製切削工具を通常の化学蒸
着装置に装入し、温度:1000℃、圧力:50torr、
反応ガス組成:4%TiCl4 −70%N2 −残り%H
2 、の条件で0.5時間化学蒸着し、平均層厚:0.6
μmのTiN層を形成した。
【0028】このTiN層の上に、温度:1000℃、
圧力:200torr、反応ガス組成:2%TiCl4 −1
0%N2 −10%CH4 −残り%H2 、の条件で2時間
化学蒸着し、平均層厚:0.9μmのTiCN層を形成
した。
【0029】このTiCN層の上に、温度:1020
℃、圧力:150torr、反応ガス組成:2%TiCl4
−10%CH4 −残りH2 (CH4 /TiCl4
5)、の条件で3時間化学蒸着して平均層厚:1.5μ
mのTiC層を形成した。このTiC層をX線回折測定
したところ、ピークが(111)>(200)>(22
0)の高さ順序で現れた。
【0030】このようにして形成された平均層厚:0.
6μmのTiN層、平均層厚:0.9μmのTiCN層
およびX線回折ピークが(111)>(200)>(2
20)の高さ順序で現れた平均層厚:1.5μmのTi
C層からなる複層を内層とし、この内層の上に、さら
に、温度:1000℃、圧力:50torr、反応ガス組
成:6%AlCl3 −1%H2 S−10%CO2 −残り
2 、の条件で3.0時間反応ガスを流し、平均層厚:
4.1μmのκ−Al2 3 からなる外層を形成した。
【0031】この外層の上に、温度:1050℃、圧
力:100torr、反応ガス組成:4%TiCl4 −70
%N2 −残り%H2 、の条件で1時間反応ガスを流しな
がら平均層厚:1μmのTiN層を形成することにより
本発明被覆切削工具4を作製した。
【0032】従来例4 実施例4で作製した超硬合金製切削工具表面に、実施例
4と同じ条件で平均層厚:0.6μmのTiN層を形成
し、そのTiN層の上に実施例4と同じ条件で平均層
厚:1.0μmのTiCN層を形成し、このTiCN層
の上に、温度:1020℃、圧力:400torr、反応ガ
ス組成:2%TiCl4 −3%CH4 −残りH2 (CH
4 /TiCl4=1.5)、の条件で2.0時間化学蒸
着して平均層厚:1.5μm、X線回折測定ピークが
(200)>(111)>(220)の高さ順序で現れ
るTiC層を形成した。
【0033】このようにして形成された平均層厚:0.
6μmのTiN層、平均層厚:1.0μmのTiCN層
およびX線回折ピークが(200)>(111)>(2
20)の高さ順序で現れた平均層厚:1.5μmTiC
層からなる複層の上に、さらに、温度:1050℃、圧
力:50torr、反応ガス組成:6%AlCl3 −10%
CO2 −残りH2 、の条件で6.5時間反応ガスを流
し、平均層厚:4.3μmのα+κ(α>κ)型Al2
3 層からなる外層を形成し、この外層の上に実施例4
と同様にして平均層厚:1μmのTiN層を形成するこ
とにより従来被覆切削工具4を作製した。
【0034】実施例5 通常の粉末冶金法により製造した60%TiCN−10
%WC−10%TaC−8%Mo2 C−4%Ni−8%
Coからなる成分組成を有しかつISO規格SEEN4
2AFTN1(但し、副切刃角11)に定めた形状のサ
ーメット製切削工具を用意した。このサーメット製切削
工具を通常の化学蒸着装置に装入し、温度:960℃、
圧力:500torr、反応ガス組成:8%TiCl4 −4
%CH4 −残りH2 (CH4 /TiCl4=0.5)、
の条件で4時間化学蒸着して平均層厚:2.0μmのT
iC層を形成した。このTiC層をX線回折測定したと
ころ、ピークが(111)>(200)>(220)の
高さ順序で現れた。
【0035】このX線回折ピークが(111)>(20
0)>(220)の高さ順序で現れたTiC層の上に、
さらに、温度:1000℃、圧力:100torr、反応ガ
ス組成:5%TiCl4 −10%N2 −15%CH4
5%CO2 −残り%H2 、の条件で0.5時間化学蒸着
し、平均層厚:0.1μmのTiCNO層を形成した。
【0036】このX線回折ピークが(111)>(20
0)>(220)の高さ順序で現れた平均層厚:2.0
μmのTiC層および平均層厚:0.1μmのTiCN
O層からなる内層の上に、さらに温度:1000℃、圧
力:50torr、反応ガス組成:6%AlCl3 −1%H
2 S−10%CO2 −残りH2 、の条件で2.0時間反
応ガスを流し、平均層厚:2.2μmのκ−Al2 3
からなる外層を形成した。
【0037】この外層の上に、温度:1000℃、圧
力:200torr、反応ガス組成:4%TiCl4 −70
%N2 −残り%H2 、の条件で1.5時間反応ガスを流
しながら平均層厚:0.5μmのTiN層を形成するこ
とにより本発明被覆切削工具5を作製した。
【0038】従来例5 実施例5で作製したサーメット製切削工具表面に、温
度:900℃、圧力:200torr、反応ガス組成:8%
TiCl4 −4%CH4 −残りH2 (CH4 /TiCl
4=0.5)、の条件で5.5時間化学蒸着して平均層
厚:2.2μm、X線回折測定ピークが(200)>
(111)>(220)の高さ順序で現れるTiC層を
形成した。
【0039】このX線回折ピークが(200)>(11
1)>(220)の高さ順序で現れた平均層厚:2.2
μmのTiC層の上に実施例5と同じ条件で平均層厚:
0.1μmのTiCNO層を形成し、X線回折ピークが
(200)>(111)>(220)の高さ順序で現れ
た平均層厚:2.2μmのTiC層および平均層厚:
0.1μmのTiCNO層からなる内層を形成し、この
内層の上に、さらに、温度:1050℃、圧力:50to
rr、反応ガス組成:6%AlCl3 −10%CO2 −残
りH2 、の条件で3.5時間反応ガスを流し、平均層
厚:2.1μmのα+κ(α:κ=2:8)型Al2
3 層からなる外層を形成し、この外層の上に実施例5と
同様にして平均層厚:0.5μmのTiN層を形成する
ことにより従来被覆切削工具5を作製した。
【0040】得られた本発明被覆切削工具1〜4および
従来被覆切削工具1〜4について、 被削材 :F300(硬さ:HB180)の角材 切削速度:300m/min 1刃当りの送り:0.30mm/刃 切込み :2.5mm 切削時間:30min 切削油 :有り の条件で、それぞれ10個の被覆切削工具について、鋳
鉄の高速フライス切削を行い、欠損発生率(欠損発生被
覆切削工具数/フライス切削試験工具数:10)を測定
し、その結果を表1に示した。
【0041】さらに、本発明被覆切削工具5および従来
被覆切削工具5について、 被削材 :F300(硬さ:HB180)の角材 切削速度:400m/min 1刃当りの送り:0.20mm/刃 切込み :2.5mm 切削時間:30min 切削油 :有り の条件で、それぞれ10個の被覆切削工具について、鋳
鉄の高速フライス切削を行い、欠損発生率(欠損発生被
覆切削工具数/フライス切削試験工具数:10)を測定
し、その結果を表1に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】表1に示される結果から明らかなよう
に、X線回折によるピークが(111)>(200)>
(220)の高さ順序で現れるTiC層を含む層を内層
としかつκ型あるいはα+κ(κ>α)型Al2 3
を外層とする本発明被覆切削工具1〜5は、X線回折に
よるピークが(200)>(111)>(220)また
は(220)>(200)>(111)の高さ順序で現
れるTiC層を含む層を内層としかつα+κ(α>κ)
型Al2 3 層を外層とする従来被覆切削工具1〜5に
比べて、いずれも耐欠損性に優れていることが分かる。
したがって、この発明の複合硬質層被覆切削工具は、従
来の複合硬質層被覆切削工具よりも一層優れた耐欠損性
を有しており、この発明の複合硬質層被覆切削工具を用
いることにより切削工具交換回数などを減らすことがで
き、産業の発展に大いに貢献しうるものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体表面に、少なくとも1層のチタンの
    炭化物層を含むチタン化合物層で構成された内層と、酸
    化アルミニウム層からなる外層とで構成された複合硬質
    層を被覆してなる切削工具において、 前記内層に含まれるチタンの炭化物層は、X線回折によ
    るピークが(111)>(200)>(220)の高さ
    順序で現れるチタンの炭化物層であり、 かつ前記外層の酸化アルミニウム層は、κ型酸化アルミ
    ニウム層あるいはκ型の比率が多いα型とκ型の混合
    (以下、α+κ(κ>α)と記す)型酸化アルミニウム
    層であることを特徴とする複合硬質層表面被覆切削工
    具。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のκ型酸化アルミニウム層
    あるいはα+κ(κ>α)型酸化アルミニウム層の外層
    の表面に、さらにチタンの窒化物層を被覆してなること
    を特徴とする複合硬質層表面被覆切削工具。
JP12068995A 1995-04-21 1995-04-21 複合硬質層表面被覆切削工具 Pending JPH08290307A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10219452A (ja) * 1997-02-04 1998-08-18 Hitachi Tool Eng Co Ltd 多層被覆超硬合金
JPH10219451A (ja) * 1997-02-04 1998-08-18 Hitachi Tool Eng Co Ltd 多層被覆超硬合金
JP2015182169A (ja) * 2014-03-24 2015-10-22 三菱マテリアル株式会社 表面被覆切削工具
WO2018124111A1 (ja) * 2016-12-26 2018-07-05 京セラ株式会社 切削インサート

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