JPH08289778A - 有機アミノカルボン酸分解菌及びそれを用いた廃液の処理方法 - Google Patents

有機アミノカルボン酸分解菌及びそれを用いた廃液の処理方法

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JPH08289778A
JPH08289778A JP9718495A JP9718495A JPH08289778A JP H08289778 A JPH08289778 A JP H08289778A JP 9718495 A JP9718495 A JP 9718495A JP 9718495 A JP9718495 A JP 9718495A JP H08289778 A JPH08289778 A JP H08289778A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塩濃度が10重量%以上の水溶液中でも生存
することができ、かつEDTAのナトリウム塩やマグネ
シウム塩を良好に分解できる新規な有機アミノカルボン
酸類分解菌を提供すること。 【構成】 食塩濃度が10重量%の水溶液中で生存可能
である有機アミノカルボン酸類分解菌バチルス・エディ
タビダス(Bacillus editabidus)及びメソフィロバクタ
ー・エディタビダス(Mesophilobacter editabidus) 。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種工業などで多量に
使用されている有機アミノカルボン酸類(例えば、エチ
レンジアミン四酢酸(以下、EDTAという。))を分
解する細菌及びそれを用いた有機アミノカルボン酸類を
含む廃液の無害化処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】EDTAなどの有機アミノカルボン酸類
は、主に紙(漂白)、繊維(染色助剤)、石鹸合成洗剤
等の洗剤、ボイラーや機械金属表面及びガラス表面等を
洗浄する洗浄剤、メッキ、写真及びその処理液、化粧
品、食品(安定剤)、薬品(安定剤)、合成ゴム(重合
剤)、塩化ビニル樹脂(熱安定剤)などの多岐に渡る分
野で使用されており、これらの工場廃水、廃液等はその
ままでは自然界に放流できないため、何らかの廃液の無
害化処理が施されている。廃液の無害化処理としては、
例えば活性汚泥法等の微生物を利用した生物学的方法や
濾過、凝集、沈降、浮上泡沫、フローテーション等によ
る固形分除去、曝気、冷却、冷凍、蒸留、吸着、イオン
交換、電気透析、逆浸透、中和、酸化還元、沈澱生成等
による溶解分の除去等の物理化学的処理が知られてい
る。廃液処理の設備費、運転費を考慮した場合、上記の
方法の中では生物学的方法が最も有利である。しかしな
がら、一般にEDTA等の有機アミノカルボン酸類は、
生物的に難分解であり、これらを含む廃液を通常の活性
汚泥法のみで完全に無害化することはできなかった。
【0003】EDTAを生分解する技術としては、特開
昭58−43782号公報に記載のシュードモナス属や
アルカリゲネス属を用いた方法、Applid And Environme
ntalMicrobiology vol.56,p.3346-3353(1990)に記載の
アグロバクテリウム属の菌種等を用いた方法、Applid A
nd Environmental Microbiology vol.58,No.2,Feb.199
2,p.671-676に記載のGram-negative isolate を用いた
方法が提案されている。しかしながら、これらに記載の
方法では、安定に、かつ高い分解効率で有機アミノカル
ボン酸類を生分解することはできなかった。又、特開平
6−261771号公報には、新菌種である有機アミノ
カルボン酸類分解菌バチルス・エディタビダスを用いる
方法が開示されているが、ここに開示の新菌種は食塩濃
度が10重量%以上の水溶液中では生存できず、かつE
DTAのナトリウム塩やマグネシウム塩を良好に分解で
きないとの問題がある。又、特開平6−335384号
公報には、有機アミノカルボン酸類分解菌シュードモナ
ス・エディタビダス(Pseudomonas editabidus) を用い
る方法が開示されているが、この菌も食塩濃度が9重量
%以上の水溶液中では生存できず、かつ特開平6−26
1771号公報に開示の菌と同様にEDTAのナトリウ
ム塩やマグネシウム塩を良好に分解できないとの問題が
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塩濃度が1
0重量%以上の水溶液中でも生存することができ、かつ
EDTAのナトリウム塩やマグネシウム塩を良好に分解
できる新規な有機アミノカルボン酸類分解菌を提供する
ことを目的とする。また、本発明は、塩濃度が10重量
%以上で、かつEDTAのナトリウム塩やマグネシウム
塩を含有する廃液を分解処理する方法を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、有機アミノカ
ルボン酸類を分解できる海洋細菌が、塩濃度が10重量
%以上の廃液中でEDTAのナトリウム塩やマグネシウ
ム塩を効果的に分解できるとの知見に基づいてなされた
のである。すなわち、本発明は、食塩濃度が10重量%
の水溶液中で生存可能である有機アミノカルボン酸類分
解菌バチルス・エディタビダス(Bacillus editabidus)
及びメソフィロバクター・エディタビダス(Mesophilob
acter editabidus) を提供する。この有機アミノカルボ
ン酸類分解菌バチルス・エディタビダス(Bacillusedit
abidus)は、Bacillus editabidus −M1(微工研菌寄
第14868号)及びBacillus editabidus −M2(微
工研菌寄第14869号)の属する種である。又、有機
アミノカルボン酸類分解菌メソフィロバクター・エディ
タビダス(Mesophilobacter editabidus) は、Mesophil
obacter editabidus−M3(微工研菌寄第14870
号)の属する種である。
【0006】本発明は、又、上記有機アミノカルボン酸
類分解菌を有機アミノカルボン酸類を含有する廃液に混
合または接触させることを特徴とする有機アミノカルボ
ン酸類を含む廃液の処理方法を提供する。本発明は、
又、有機アミノカルボン酸類を分解する海洋細菌を、無
機塩濃度が2重量%以上で、かつ有機アミノカルボン酸
のナトリウム塩及び/又はマグネシウム塩を含有する廃
液に混合または接触させることを特徴とする有機アミノ
カルボン酸類を含む廃液の処理方法を提供する。本発明
で用いる食塩濃度が10重量%の水溶液中で生存可能で
ある有機アミノカルボン酸類分解菌バチルス・エディタ
ビダス(Bacillus editabidus)及びメソフィロバクター
・エディタビダス(Mesophilobacter editabidus) は新
種であり、Bacillus editabidus −M1(微工研菌寄第
14868号)、Bacillus editabidus −M2(微工研
菌寄第14869号)及びMesophilobacter editabidus
−M3(微工研菌寄第14870号)の菌学的性質は次
の通りである。
【0007】Bacillus editabidus −M1の菌学的性質 I.形態的性質 1)菌形:桿菌 2)大きさ:0.5〜0.9×1.3〜4.1μm (栄養寒天で25℃、48時間培養) 3)芽胞の形:楕円体 4)芽胞の位置:末端近傍 5)運動性:あり 6)グラム染色:グラム陽性 II.培養的性質 1)海水を用いた普通寒天培地:生育良好、円形で半透明
の光沢あるオレンジ色コロニーを形成、周辺部は平坦で
隆起度は低い凸状
【0008】III.生理的性質 1)オキシダーゼ試験:+ 2)カタラーゼ:+ 3)O/Fテスト:酸化 4)生育温度:45℃でも生育 5)生育食塩濃度:0〜11% 6)pH5.7下の生育:− 7)嫌気下の生育:+ 8)VPブイヨン中のpH:5.2 9)色素の生産:+ 10) 硝酸塩:還元 11) ONPGテスト:− 12) エスクリンの加水分解:− 13) アルギン酸の分解:− 14) カゼインの分解:+ 15) DNAの分解:+ 16) ゼラチンの分解:+ 17) スターチの分解:+ 18)Tween 80 の分解:+ 19) チロシンの分解:−
【0009】20) グルコースからの酸生成:+ 21) グルコースからのガスの生成:− 22) 資化する炭素源:グリセリン、リボース、D−グル
コース、D−フルクトース、マンニット、N−アセチル
グルコサミン、エスクリン、マルトース、蔗糖、トレハ
ロース、スターチ、グリコーゲン、βゲンチビオース 以上の菌学的性質に基づきBergey's Manual of Systema
tic Bacteriology(Volume 2)により、本菌株はBacillus
属に属する菌株と同定した。Bacillus属の中で、本菌株
と最も類似しているものにBacillus firmusがあるが上
記の性質の中で硝酸塩の還元性、嫌気下の生育、塩濃度
10%での生育、VPブイヨン中のpHが異なることの
他、別途観察した胞子嚢の広がり形状などから明らかに
区別される。他のBacillus属の菌種にこれ以上本菌株に
類似のものは無く、よって新菌種であると認定した。
【0010】Bacillus editabidus −M2の菌学的性質 I.形態的性質 1)菌形:桿菌 2)大きさ:0.6〜1.0×1.1〜4.0μm (栄養寒天で25℃、48時間培養) 3)芽胞の形:楕円体 4)芽胞の位置:中心から末端近傍 5)運動性:あり 6)グラム染色:グラム陽性 II.培養的性質 1)海水を用いた普通寒天培地:生育良好、円形で光沢あ
るオレンジ色コロニーを形成、周辺部は平坦で隆起度は
低い凸状
【0011】III.生理的性質 1)オキシダーゼ試験:+ 2)カタラーゼ:+ 3)O/Fテスト:酸化 4)生育温度:45℃でも生育 5)生育食塩濃度:0〜15% 6)pH5.7下の生育:− 7)嫌気下の生育:+ 8)VPブイヨン中のpH:5.2 9)色素の生産:+ 10) 硝酸塩:還元 11) ONPGテスト:+ 12) エスクリンの加水分解:− 13) アルギン酸の分解:− 14) カゼインの分解:+ 15) DNAの分解:+ 16) ゼラチンの分解:+ 17) スターチの分解:+ 18)Tween 80 の分解:+ 19) チロシンの分解:−
【0012】20) グルコースからの酸生成:+ 21) グルコースからのガスの生成:− 22) 資化する炭素源:グリセリン、リボース、D−グル
コース、D−フルクトース、マンニット、N−アセチル
グルコサミン、エスクリン、マルトース、蔗糖、トレハ
ロース、スターチ、グリコーゲン、βゲンチビオース 以上の菌学的性質に基づきBergey's Manual of Systema
tic Bacteriology(Volume 2)により、本菌株はBacillus
属に属する菌株と同定した。本菌株はM−1菌と酷似し
ているが上記の性質の中で芽胞の位置、普通寒天培地上
のコロニーの性状が異なることの他、ONPGテスト結
果が異なっており、明らかに別種と判定される本菌株を
M−1菌と同様に新菌種であると認定した。
【0013】Mesophilobacter editabidus−M3の菌学
的性質 I.形態的性質 1)菌形:短桿菌 2)大きさ:0.4〜0.6×0.9〜2.0μm (海水寒天で25℃、24時間培養) 3)運動性:なし 4)グラム染色:グラム陰性 II.培養的性質 1)海水を用いた普通寒天培地:生育良好、円形で光沢あ
る黄色コロニーを形成、周辺部は平坦で隆起度は低い凸
【0014】III.生理的性質 1)オキシダーゼ試験:+ 2)カタラーゼ:+ 3)O/Fテスト:酸化、強い酸の生成 4)生育温度:45℃でも生育せず 5)生育食塩濃度:0〜12% 6)ペニシリン感受性:− 7)VPブイヨン中のpH:5.2 8)インドールの生産:− 9)硝酸塩:還元 10) チトクロームの酸化:+ 11) エスクリンの加水分解:+ 12) アルギン酸の分解:− 13) 尿素の分解:− 14) ガラクトースの分解:− 15) ゼラチンの分解:+ 16) スターチの分解(海水):− 17)Tween 80 の分解(海水):− 18) DNAの分解(海水):+ 19) 酸生成+:グルコース、フルクトース、マンニッ
ト、セロビオース
【0015】20) 資化する炭素源:グルコース、マンノ
ース、マンニット、N−アセチルグルコサミン、マルト
ース、グルコン酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、 以上の菌学的性質に基づき文献調査した結果、本菌株は
Vibrio属に属する菌株と類似してはいるが、運動性、T
CBS選択性培地での生育性が異なっている。一方、In
ternational Journal of Systematic Bacteriology39巻
第4号 378頁〜381頁(1989) に記載されているMesophi
lobacter 属の新菌種marinus と殆どの性状が非常に酷
似しており本菌株はMesophilobacter 属に帰属すると判
断した。しかし、marinus とは上記の性質の中で、イン
ドールの生産、尿素の分解が異なっており、明らかに区
別される。よって本菌株は新菌種であると認定した。
【0016】本発明で用いる有機アミノカルボン酸類分
解菌バチルス・エディタビダス(Bacillus editabidus)
及びメソフィロバクター・エディタビダス(Mesophilob
acter editabidus) は、上記の菌学的性質から明らかな
ように、従来の有機アミノカルボン酸類分解菌よりも高
い食塩濃度、特に10重量%といった高食塩濃度で生育
でき活動できる。このことは、例えば、写真処理廃液の
ように高塩濃度の廃液を希釈することなく、本菌で処理
できる可能性を示しており、本発明の目的からしても非
常に好ましいものであると言える。本発明の菌は従来知
られていたEDTA分解菌に比べて馴化することで分解
能の向上が著しく、後述の実施例で示した以上に短期間
での分解が期待できる。
【0017】本発明で用いる有機アミノカルボン酸類分
解菌の培養法について以下に述べる。本菌株の培養に使
用する培地の組成は、使用する菌株が良好に生育し、E
DTAなどの有機アミノカルボン酸類を順調に分解する
ために適当な炭素源、窒素源あるいは有機栄養源無機塩
などからなる。炭素源としては有機アミノカルボン酸金
属錯体(例えばEDTA・Fe やEDTA・Na 等)が
使用できる。また、窒素源あるいは有機栄養源として
は、例えば、ポリペプトン、酵母エキス、肉エキス等が
挙げられる。有機栄養源は0.1〜1%程度用いるのが好
ましい。また、無機塩としては各種リン酸塩、硫酸マグ
ネシウムなどが使用できる。さらに微量の重金属類が使
用されるが、天然物を含む培地では必ずしも添加を必要
としない。好ましい培地としては、フジNo.3培地(ポ
リペプトン0.5%、酵母エキス0.1%、EDTA鉄アン
モニウム塩0.1%、寒天2.0%、人工海水(ジャマリン
S:ジャマリン ラボラトリー(株)より販売))があ
げられる。培養は培地を加熱等により殺菌後、菌を接種
し、25〜39℃で3〜10日静置、振とう又は通気攪
拌すれば良い。pHは6〜8程度が望ましい。EDTAの
分解の確認はイオンクロマト法によって行なうことがで
きる。すなわち、培養後の液を0.45μm のミリポアフ
ィルターによりろ過した液を適当に希釈し、イオンクロ
マトグラフィーにかけて残存率を見ることができる。
【0018】本発明では、上記有機アミノカルボン酸類
分解菌を有機アミノカルボン酸類に接触させてこれらを
分解する。尚、上記有機アミノカルボン酸類分解菌以外
の有機アミノカルボン酸類を分解する海洋細菌を用いる
こともできる。従って、本発明の方法は、EDTAなど
の有機アミノカルボン酸類を含有する廃水を無害化する
処理方法として有効に利用できる。これらEDTAなど
の有機アミノカルボン酸類は、主に紙(漂白)、繊維
(染色)、洗剤、メッキ、食品、写真、化粧品、医薬、
農薬、合成ゴム(重合剤)、塩化ビニル樹脂(熱安定
剤)などの分野で使用されており、これらの工場廃水、
廃液にEDTA等が含有されている。これらの工場廃
水、廃液等の規制は、厳しいものがある。また、写真処
理液中には、EDTAなどの有機アミノカルボン酸もし
くはその塩がキレート剤として、EDTAの第二鉄錯塩
や、1,3−プロピレンジアミン四酢酸(以下、PDT
Aという)の第二鉄錯塩が漂白剤や減力剤として用いら
れている。また、感光性平版処理液中にも、EDTAな
どの有機アミノカルボン酸もしくはその塩が硬水軟化剤
として含有されることがある。一般に、有機アミノカル
ボン酸類の中では、EDTAが最も生分解しにくいこと
が知られている。そこで以下、EDTA含有廃液の処理
法を例として本発明を説明する。
【0019】本発明は、上記有機アミノカルボン酸類を
分解する細菌(以下、EDTA分解菌という。)を用い
て有機アミノカルボン酸類を生分解させるが、その際の
生分解処理としては、次の方法が好ましいものとしてあ
げられ、中でも、(2)又は(3)が分解効率が大幅に
向上することから、より好ましい。 (1)EDTA分解菌を有機アミノカルボン酸類含有廃
液に混合または接触させる。 (2)EDTA分解菌を有機アミノカルボン酸類含有廃
液に懸濁した状態で用い、併せて従来の沈降による固液
分離の代わりにMF膜又はUF膜などの分離膜を用いた
固液分離を行なう。 (3)上記(1)の処理において固定化したEDTA分
解菌を用いる。
【0020】本発明の(3)においては、EDTA分解
菌を固定化した状態にして、廃液と接触させる。微生物
の固定化方法としては、処理槽内からEDTA分解菌が
流出しないように固定される方法ならばその種類を問わ
ず適用できる。具体的な固定化法としては、例えば、微
生物が付着して生物膜を形成するような担体を用いる付
着生物膜法、微生物をゲル内部に閉じ込めた包括固定化
法などを用いることができる。付着微生物膜法の特徴
は、微生物を高濃度化することができ、処理効率を向上
させることができる。また、懸濁法では系外に洗い出さ
れてしまうような増殖速度が遅い菌を系内に留めること
ができる。また、維持管理が容易であり、汚泥の発生量
が少ないことも特徴としてあげられる。
【0021】付着生物膜法での担体としては、例えば多
孔性セラミクス、活性炭、スポンジ、キトサン、ひも状
担体、プラスチック、ハニカム状担体、波状担体、、網
状担体、アンスラサイト、砂利、砂、軽石、珪藻土等の
1種または2種以上を用いることができる。付着生物膜
法で使われる上記の担体は、製造元により、多種多様で
あり、微生物が付着して、生物膜を形成するものであれ
ば、種類を問わない。多孔性セラミクスとしては、例え
ば、発泡煉石、各種濾材(例えば、東名実業(株)CB
濾材)、ショットクラスウエルケ製シュポラクス、ゼオ
ライト等が挙げられる。活性炭としては、粒状活性炭で
も粉末活性炭でも繊維状活性炭でもよく、東洋カルゴン
(株)F400、クラレケミカル(株)クラレコールK
W、クレハ化学工業(株)BAC、東邦レーヨン(株)
FX−300等が挙げられる。ひも状担体としては、東
洋テルミー(株)バイオモール、TBR(株)バイオコ
ード等が挙げられる。
【0022】包括固定化法の特徴は、菌体を高濃度に保
持できるため、処理効率を向上させることができ、増殖
の遅い菌を固定化できる。また、pH、温度等の条件変
化に対する耐性が広く、高負荷運転に耐えることができ
る。また、汚泥の発生量が少ないことも特徴として挙げ
られる。包括固定化法としては、アクリルアミド法、寒
天−アクリルアミド法、PVA−ホウ酸法、PVA−冷
凍法、光硬化性樹脂法、アクリル系合成高分子樹脂法、
ポリアクリル酸ソーダ法、アルギン酸ナトリウム法、K
−カラギーナン法等、微生物を閉じ込めることができ、
処理槽の中で微生物の活性を維持しつつ、物理的強度が
大きく長時間の使用に耐え得るものならば種類を問わな
い。
【0023】包括固定化法の代表例としてアクリルアミ
ド法の場合の微生物固定化ゲルの調製法について説明す
る。固定化ゲルは、架橋剤(例えば、N,N’−メチレ
ンビスアクリルアミド)を含有したアクリルアミドモノ
マー溶液と活性汚泥(MLSS 20,000ppm程
度の濃縮汚泥)とを懸濁し、重合促進剤(例えば、N,
N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)、重
合開始剤(例えば、過硫酸カリウム)を添加し、3mm径
の塩化ビニル製チューブ等の成型形に入れ、20℃で重
合し、重合終了後、成型形から押し出し、一定の長さに
切断して得られる。固定化ゲルの表面の細孔は、細菌よ
り小さいため、包括固定化した細菌はリークしにくく、
内部で増殖し、自己分解する。廃水中の溶解成分のみが
細孔よりゲル内部に入り込み、内部の細菌により処理さ
れる。
【0024】これらの固定化法のより具体的な方法につ
いては「微生物固定化法による排水処理」須藤隆一編著
(産業用水調査会)、稲森悠平の「生物膜法による排水
処理の高度・効率化の動向」,水質汚濁研究,vol.13,N
o.9,1990,p.563-574、稲森悠平らの「高度水処理技術開
発の動向・課題・展望」,用水と廃水,vol.34,No.10,1
992,P.829-835 などに記載されている。有機アミノカル
ボン酸類分解菌を用いた処理には、上記したような担
体、固定化ゲル等を処理槽内に浮遊流動させてもよい
し、生物ろ過法、浸漬ろ床法、流動床法、回転円板法、
散水濾床法などの担体として用いてもよい。
【0025】上記(2)の処理方法においては、EDT
A分解菌を懸濁した状態で、有機アミノカルボン酸類含
有廃液に混合させ生物処理する。具体的には、大量に培
養した菌体を懸濁した状態で廃液と混合する方法が挙げ
られる。この方法では、混合し生物処理しながら、或い
はその生物処理後、UF膜またはMF膜を用いて固液分
離する。この方法により、通常の沈降槽による固液分離
法よりも、処理槽内の汚泥濃度(MLSS)を高く(数
千から3万ppm程度)維持できる特徴がある。UF膜
やMF膜は、処理施設がコンパクトにでき、バルキング
が起こらない等の特徴がある。これらの膜の材質には、
ポリアクリロニトリル系、ポリスルホン系、酢酸セルロ
ース系、ポリエーテルスルホン系、ポリオレフィン系、
ポリイミド系、フッ素系等がある。
【0026】UF膜としては、ポリスルホン系の膜素材
のものが、旭化成(株)、クラレ(株)、三菱レイヨン
(株)、日東電工(株)、住友ベークライト(株)、ロ
ミコン、アミコン、ミリポア等から、フッ素系の膜素材
のものが、ローヌ・プーラン、ミリポアなどから、ポリ
オレフィン系の膜素材のものが、日東電工(株)から、
ポリイミド系のものが日東電工(株)から、PAN系の
膜素材のものが、旭化成(株)、ダイセル化学(株)、
三菱レイヨン(株)、ローヌ・プーランなどから販売さ
れている。UF膜による処理水の分離法については、
「第27回衛生工学研究討論会論文集」(1991年)
183〜193頁、「第3回水総合再生利用システム研
究開発成果発表会予稿集」(1991年)1〜19頁等
に詳しく記載されている。MF膜の市販品としては、ユ
アサ(株)製の各種ユミクロン膜、ミリポア社製のミリ
ポアフィルター(例えば、ミリポアAA、DA、HA、
PH、GS、FG、UC、UM、US、GU、HP等が
挙げられる)、(株)クラレ製精密ろ過フィルター(S
F−301、SF−101、SF−401)、ゴアテッ
クス社製のゴアテックス膜、中空糸単膜MF膜(例えば
(株)クラレ製クラレSFフィルター(材質ポリビニル
アルコール)孔径0.1μm、旭化成製SR−205(材
質ポリオレフィン)孔径0.1μm、日東電工製E202
AE(材質フッ素樹脂)孔径0.2μm、三菱レーヨン
(株)ステラポアSTNM424(ポリエチレン)孔径
0.1μm)等が挙げられる。
【0027】上記の方法(2)又は(3)における生物
処理を、活性炭の存在下に行なうことは、その分解活性
があがるので好ましい態様である。活性炭を用いること
で微生物による分解活性を向上させることについては、
西嶋 渉らの「生物活性炭による低濃度有機化合物の分
解除去」、水環境学会誌,vol.15,No.10,1992,P.683-68
9 を参照することができる。
【0028】上記の方法(2)又は(3)における生物
処理におけるEDTA分解菌との接触時間及び処理温度
は任意とすることができるが、EDTA分解菌の好適な
処理温度で所望とする分解率が得られる程度の時間接触
させるのがよい。通常は、有機アミノカルボン酸類を0.
01〜9%含有する25〜39℃の水溶液をEDTA分
解菌と12〜240時間程度接触させるのがよい。この
時のpHは5〜9が好ましく、6〜8がより好ましい。
又、塩濃度2〜20重量%、好ましくは3〜15重量
%、最も好ましくは10〜12重量%の廃液を用いるの
がよく、ナトリウム塩及び/又はマグネシウム塩の存在
下でも有機アミノカルボン酸類を良好に分解できる。
【0029】廃液にはEDTA類以外に種々の物質が含
有されている。本発明においては、EDTA含有廃水
は、EDTA分解菌を用いた処理の前に、これのEDT
A類以外の成分を除去する前処理を施すことが好まし
い。前処理としては、廃液の含有する物質により異な
り、その廃液に適した処理が施されることが好ましい。
これらの前処理としては、通常の生物処理により分解可
能な成分を分解する処理や物理化学的処理等が挙げられ
る。通常の生物処理により分解可能な成分を分解する処
理としては、例えば活性汚泥法、嫌気性消化法もしくは
スポンジ担体法等の微生物浮遊懸濁法、生物ろ過法、浸
漬ろ床法、流動床法、回転円板法もしくは散水ろ床法等
の生物膜法または自己造粒法等を用いることができる。
これらの処理は連続式であっても回分式であってもよ
い。また好気性、嫌気性のどちらでもよくまたはそれら
の組み合せでもよい。活性汚泥法については、特公昭5
5−49559号公報や同51−12943号公報等に
も開示されている。
【0030】硝化、脱窒について、説明する。廃水中に
アンモニア、亜硝酸、硝酸などの無機窒素化合物を含む
場合には、生物学的に窒素除去を行なうことができる。
亜硝酸、硝酸は、嫌気性条件下で脱窒菌により窒素とな
って除去される。アンモニアの場合は、まず硝化が必要
で、硝化は亜硝酸化と硝酸化に分けられる。亜硝酸化
は、亜硝酸菌(Nitrosomonas) によりなされ、硝酸化は
硝酸菌(Nitrobactor) によりなされる。亜硝酸菌と硝酸
菌は総称して硝化菌と呼ばれる。硝化菌は、増殖速度が
小さいので処理槽内の菌体濃度を高めるためには、硝化
菌の流出が起こらないようにする必要がある。そのため
には、例えば、活性汚泥法におけるSRT(汚泥滞留時
間)を長く保持したり、付着担体に硝化菌を付着させて
固定化したり、硝化菌を包括固定化させたペレットを使
用して処理槽内の硝化菌濃度を高めたりする方法が挙げ
られる。硝化菌を増殖させるための条件としては、水
温、pH、溶存酸素、BOD負荷、アルカリ度、窒素負
荷などがあるが、特に重要な因子はpHであり、pH
6.5〜8.5が好ましい。
【0031】硝酸、亜硝酸を嫌気条件で脱窒菌により脱
窒するためには、水素供与体としての有機化合物(有機
炭素源)が必要である。有機炭素源として原水中の有機
物の利用が可能であるが、不足する場合にはメタノー
ル,酢酸等を添加する方法がとられている。メタノール
の場合には、実用的には硝酸性窒素(NO3-N)1kgに
対して、BOD換算で約3倍量のメタノールの添加が必
要である。これらの生物処理のより具体的な方法につい
ては「生物学的水処理技術と装置」化学工学協会編(培
風館)、「環境浄化のための微生物学」須藤隆一編(講
談社サイエンティフィク)、「廃水処理プロセス、設計
理論と実験法」W.W.エッケンフェルダー、D.L.
フォード著(技報堂)などに記載されている。尚、ED
TA以外に生物処理により分解される成分を含まない場
合はこれらの前生物処理の必要はない。
【0032】物理化学的処理としては、濾過、凝集、沈
降、浮上泡沫もしくはフローテーション等による固形分
除去や曝気、冷却、冷凍、蒸留、吸着、イオン交換、電
気透析、逆浸透、中和、酸化(オゾン、塩素、空気、電
解等)、還元もしくは沈澱生成等による溶解分の除去等
が挙げられる。電解酸化法については、特開昭48−8
4462号、同49−119458号、特公昭53−4
3478号、特開昭49−119457号、イオン交換
法としては、特公昭51−37704号、同53−38
3号、同53−43271号、逆浸透法としては、特開
昭50−22463号が挙げられる。
【0033】EDTA分解菌による処理工程に負担をか
けない目的で他の廃液処理方法と組み合わせることがで
きる。即ち、過酸化水素を酸化剤として用いるフェント
ン酸化法等の化学処理法や電気分解法を前処理に用いる
ことで廃液中の被分解成分が、ある程度分解された状態
になったところで、先に示した生物処理、更にEDTA
分解菌による処理を行なうことで目的が達成される。化
学酸化法及び電気分解法については、各々特開平4-1628
9 号、同4-18986 号、同4-197489号、同4-235787号等に
も詳述されている。
【0034】一方、廃液の成分内容によっては、EDT
A等をEDTA分解菌で処理してから他の手段で難分解
な成分を分解させてもよく、まずEDTA分解菌による
処理を行なった後、先に示した生物処理又は化学酸化
法、電気分解法、吸着(活性炭等による)、イオン交換
法等による処理を行なう方法が挙げられる。尚、以上の
処理工程の後には、必要に応じて鉄成分の除去、窒素、
リンの除去工程を行なうことが好ましい。鉄除去につい
ては、処理液をアルカリ性にして鉄イオンを不溶化し除
去したり、pH4〜7.5で鉄イオンをリン酸塩及び/
又は他の無機塩・酸との複合塩として沈澱除去する方法
などが挙げられ、これらについては、特開平4-235787号
等に詳述されている。窒素、リン除去については、「新
しい活性汚泥法」(産業用水調査会)に詳しく記載され
ている。
【0035】本発明の廃液処理の代表的なフローを以下
に示す。尚、上記方法(2)及び(3)の処理を併せて
EDTA分解菌処理として示している。写真処理廃液の
場合には、下記の処理方法5、6、7及び10〜13が
好ましい。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】本発明によれば、各種有機アミノカルボン
酸類を分解することができる。分解の対照となる有機ア
ミノカルボン酸類としては、有機アミノカルボン酸の遊
離酸若しくはその塩(例えば、ナトリウム、カリウム等
のアルカリ金属やアンモニウム、アルカノールアミンと
の塩)やその金属錯体、例えば、鉄、銅、カルシウム、
マグネシウム、コバルト、マンガン、金などとの金属錯
体が挙げられる。有機アミノカルボン酸(遊離酸)若し
くはその塩としては次のものが、代表例としてあげられ
る。 B−1 エチレンジアミン四酢酸(EDTA) B−2 ジエチレントリアミン五酢酸 B−3 1,2−ジアミノプロパン四酢酸 B−4 1,3−ジアミノプロパン四酢酸(PDTA) B−5 ブチレンジアミン四酢酸(BDTA) B−6 エチルエーテルジアミン四酢酸 B−7 グリコールエーテルジアミン四酢酸 B−8 エチレンジアミン四プロピオン酸 B−9 エチレンジアミン二酢酸二プロピオン酸 B−10 エチレンジアミン二酢酸 B−11 エチレンジアミン二プロピオン酸 B−12 エチレンジアミン−N−(β−ヒドロキシエチ
ル)−N,N′,N′−三酢酸
【0040】B−13 エチレンジアミンジオルトヒドロ
キシフェニル酢酸 B−14 ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸 B−15 1,2−ジアミノシクロヘキサン四酢酸 B−16 メタフェニレンジアミン四酢酸 B−17 メタキシリ−レンジアミン四酢酸 B−18 トリエチレンテトラミン六酢酸 B−19 ニトリロ三酢酸 B−20 ニトリロ三プロピオン酸 B−21 ニトリロジ酢酸モノプロピオン酸 B−22 ニトリロジ酢酸モノヒドロキシプロピオン酸 B−23 ニトリロモノ酢酸2プロピオン酸 B−24 ニトリロモノ酢酸ジヒドロキシプロピオン酸 B−25 イミノジ酢酸
【0041】B−26 ジヒドロキシエチルグリシン B−27 N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシ
ン B−28 アニシジンブルー B−29 クロマズロールS B−30 フルオキシン B−31 メチルチモールブルー B−32 メチルキシレノールブルー B−33 サーコシンクレゾールレッド B−34 スチルベンフルオブルーS
【0042】
【化1】
【0043】
【化2】
【0044】
【化3】
【0045】
【化4】
【0046】
【化5】
【0047】さらに、次ぎのものもあげられる。 B−54 N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸 B−55 メチルイミノ二酢酸 B−56 ヒドロキシエチルイミノ二酢酸 B−57 エチレンジアミン−N,N′−ジ(2−アセト
アミド)二酢酸 B−58 trans-1,2−シクロヘキサンジアミン−N,
N′−ジ(2−アセトアミド)二酢酸 B−59 o−キシレンジアミン四酢酸 B−60 1,3−プロピレンジアミン−N−(2−カル
ボキシフェニル)−N,N′,N′−三酢酸 B−61 エチレンジアミン−N,N′−ジマロン酸 B−62 1,3−プロピレンジアミン−N,N′−ジマ
ロン酸 B−63 エチレンジアミン−N,N′,N′−三酢酸−
N−モノプロピオン酸 B−64 1,3−プロピレンジアミン−N,N′,N′
−三酢酸−N−モノプロピオン酸 B−65 2−{[1−(カルボキシエチル)−カルボキ
シメチルアミノ]エチル}− カルボキシメチルアミノ
安息香酸
【0048】B−66 2−(1−カルボキシ−2−フェ
ニル−エチルアミノ)−コハク酸 B−67 2−[1−カルボキシ−2−(1H−イミダゾ
ール−4−イル−エチルアミノフェニル−エチルアミ
ノ]−コハク酸 B−68 2−[(カルボキシ−フェニル−メチル)−ア
ミノ]−コハク酸 B−69 2−(1−カルボキシ−エチルアミノ)−コハ
ク酸 B−70 2−(1−カルボキシ−プロピルアミノ)−コ
ハク酸 B−71 2−(ビス−カルボキシメチル−アミノ)−プ
ロピオン酸 B−72 イミノ二コハク酸 本発明のEDTA分解菌による生物処理方法は、好まし
くは可溶性鉄の存在下で行うのが好ましく、特に可溶性
鉄10〜3000ppm の存在下で行うのがよい。可溶性
鉄としては、硫酸第一鉄、塩化第二鉄、硝酸第二鉄等が
あげられる。
【0049】
【発明の効果】本発明の有機アミノカルボン酸類分解菌
は、高い塩濃度の廃液中で生存可能であり、有機アミノ
カルボン酸のナトリウム塩やマグネシウム塩を効果的に
分解できる。このうち、Bacillus editabidus −M1は
塩濃度1〜5重量%で増殖が顕著であるが、Bacillus e
ditabidus −M2は、塩濃度1〜13重量%で増殖が顕
著であり、又Mesophilobacter editabidus−M3も塩濃
度1〜11重量%で増殖が顕著であるので、特にM2及
びM3が有機アミノカルボン酸類を含有する高い塩濃度
の廃液の処理に好適である。又、本発明の有機アミノカ
ルボン酸類分解菌は、可溶性鉄が存在しなくとも有機ア
ミノカルボン酸のナトリウム塩やマグネシウム塩を効果
的に分解できる。次ぎに実施例により本発明を説明す
る。
【実施例】
実施例1 EDTA−塩類を含む下記培養液150mlを120℃で
20分間オートクレーブにて殺菌後、この培地を50m
lずつの3部に分け、各々にバチルス・エディタビダス
M−1( Bacillus editabidus M-1 ) 、バチルス・エデ
ィタビダスM−2( Bacillus editabidus M-2 )、およ
びメソフィロバクター・エディタビダスM−3( Mesop
hibbacter editabidus M-3)を接種し、30℃で14日
間静置培養を行なった。特に遮光しなかった。 培養液組成 ポリペプトン 0.5% 酵母エキス 0.1 EDTA−Fe 0.02 人工海水(Jamarin S:ジャマリンラボラトリー製) 尚、EDTA−Feはエチレンジアミン四酢酸アンモニウ
ム2水塩の形で上記濃度になるように添加したものであ
る。バチルス・エディタビダスM−1は、岩手県大槌湾
の海泥から分離した。すなわちEDTAを含む培地を試
験管に分注し、滅菌後、海泥を添加し、27℃で振盪培
養した。その後寒天培地を用いて本菌体を得た。バチル
ス・エディタビダスM−2は岩手県大槌湾の海藻から分
離した。海藻を乳鉢にてすりつぶした後、上記M−1を
分離した海泥と同様の操作により本菌体を得た。メソフ
ィロバクター・エディタビダスM−3は神奈川県油壺湾
から採取したウニから分離した。ウニを乳鉢にてすりつ
ぶした後上記M−2と同様にして本菌体を得た。静置培
養後EDTA−Feの残存度をイオンクロマト法により求
めた。結果を表−1に示す。( )内は分解率である。
【表4】 表−1 EDTAの残存度及び分解
率 静置培養 30℃ 14日間 ─────────────────────────────────── バチルス・エディタビダスM−1 31ppm (85%) バチルス・エディタビダスM−2 141ppm (33%) メソフィロバクター・エディタビダスM−3 101ppm (52%) 対照(菌接種なし) 210ppm ─────────────────────────────────── 実施例2 培養条件を振盪条件にて行なった以外は実施例1と同様
にして行なった。結果を表−2に示す。
【表5】 表−2 EDTAの残存度及び分解
率 振盪培養 30℃ 14日間 ─────────────────────────────────── バチルス・エディタビダスM−1 11ppm (95%) バチルス・エディタビダスM−2 67ppm (68%) メソフィロバクター・エディタビダスM−3 36ppm (83%) 対照(菌接種なし) 210ppm ───────────────────────────────────
【0050】実施例3 有機アミノポリカルボン酸を含む下記培養液300ml
を120°で20分間オートクレーブにて殺菌後100
mlずつの3部に分け、この培地各々に本発明のEDT
A分解菌バチルス・エディタビダスM−1、バチルス・
エディタビダスM−2、又はメソフィロバクター・エデ
ィタビダスM−3を接種し、27℃で10日間振盪培養
(時々振とう)を行った。特に遮光しなかった。 培養液組成 ポリペプトン 0.5% 酵母エキス 0.1 PDTA−Fe 0.01 人工海水(ジャマリンS) 300ml 尚、PDTA−Fe は、1,3−ジアミノプロパン四酢
酸第二鉄アンモウム塩の形で上記濃度になるように添加
したものである。又、PDTA−Fe をBDTA−Fe
およびEDDS−Feに代えた培養液についても同様に
培養を行った。尚、BDTA−Fe は、ブチレンジアミ
ン四酢酸、塩化第二鉄及びアンモニア(各当モルずつ)
の形で上記濃度になるように添加したものである。又、
EDDS−Feは、エチレンジアミンコハク酸、塩化第
二鉄及びアンモニア(各当モルずつ)の形で上記濃度に
なるように添加したものである。PDTA−Fe 、BD
TA−Fe 及びEDDS−Feについての分解率を実施
例1と同様にして評価した(イオンクロマト法)。結果
を表−3に示す。
【表6】 表−3 有機アミノカルボン酸の分
解率 (振盪培養(時どき振とう)27℃ 10日間) ─────────────────────────────────── M−1 M−2 M−3 PDTA−Fe 82% 59% 75% BDTA−Fe 61% 57% 60% EDDS−Fe 70% 40% 63% ───────────────────────────────────
【0051】実施例4(担体に付着固定したEDTA分
解菌によるEDTAの分解) 300ml三角フラスコ中に入れたEDTA一塩類を含
む下記培養液100mlと珪藻土10gを120°で20
分間オートクレーブにて殺菌後、この培地に本発明のE
DTA分解菌バチルス・エディタビダスM−2を接種
し、30℃で10日間振盪培養を行った。特に遮光しな
かった。 培養液組成 ポリペプトン 0.5% 酵母エキス 0.1 EDTA−Fe 0.01 人工海水(ジャマリンS) 100ml 振盪培養後、EDTA−Fe の残存度及び分解率をイオ
ンクロマト法により求めた。結果を担体がない場合も含
めて表−4に示す。
【0052】
【表7】 表−4 EDTAの残存度及び分解
率 (振盪培養 30℃ 14日間) ──────────────────────────────────── No. 担体有り 担体なし ──────────────────────────────────── バチルス・エディタビダスM−2 30 ppm(86%) 67ppm(68%) 対照(菌接種なし) 210 ppm 210ppm ──────────────────────────────────── このように、EDTA分解菌を用いた本発明の方法によ
れば、EDTAを優れた分解率で生分解することができ
る。また、EDTA分解菌を担体に付着固定させた方が
EDTAの分解能が向上することがわかる。同様にして
バチルス・エディタビダスM−1、メソフィロバクター
・エディタビダスM−3を担体を用い作用させたところ
EDTAの分解率が向上した。
【0053】実施例5 ボイラの酸洗浄廃液(モデル液)中のEDTAの処理 ボイラの酸洗浄廃液がボイラ廃水に混入することを想定
してボイラ廃水モデル液を調製した。このモデル液中に
はEDTA・Na0.8g/リットル、クエン酸アンモニ
ウム0.35g/リットルを含み、COD900ppm で
あった。 前処理(生物処理):モデル液をアンスラサイトを充填
し、好気的に維持した生物濾過塔を通過させることによ
り、クエン酸を処理した。HRT5時間で処理後のCO
Dは700ppm であった。 EDTA分解菌処理:上記の処理で得られた液を、本発
明のEDTA分解菌バチルス・エディタズダスM−1を
付着固定させた粒状活性炭(東洋カルゴン(株)活性炭
F400)を充填した処理塔に循環させて1サイクル3
日の回分式処理を行なった。処理塔内部は散気管からの
曝気により好気的に保たれており、1サイクル毎の放流
量は処理槽内液の8割とした。処理後液中のEDTAは
かなりの部分が分解されCODは20ppm であった。同
様にしてバチルス・エディタビダスM−2、メソフィロ
バクター・エディタビダスM−3を用いたところCOD
はそれぞ35ppm 、24ppm となった。このように、本
発明による方法により種々の廃液中のEDTAの分解を
EDTA以外の成分を除くための前処理と組み合わせる
ことによりなしとげることができる。
【0054】実施例6 写真処理廃液(銀回収系廃液と現像液系廃液の混合10
倍希釈液)中のEDTAの処理 銀回収系廃液(カラー写真処理CN−16用定着液、
N−16Q用漂白液と定着液の混合液、CP−20用漂
白定着液、CP−23用漂白定着液、および黒白写真処
理定着液富士FGR−F1の廃液および水を各々4、
1、3、2、7、3、2の比で混合した後銀回収処理を
施したもの)と現像液系廃液(カラー写真処理CN−1
CN−16QCP−20CP−23各々の発色
現像液および黒白写真処理現像液RD3GR−D1
廃液および水を各々4、1、3、2,7、3、2の比で
混合したもの)とを体積比で1対1で混合した。この溶
液は無機塩濃度が12%と高く、通常の活性汚泥処理に
適しないため水道水にて10倍に希釈した。この溶液に
リンをリン酸一水素二カリウムの形でCOD値(約47
00ppm)の約2%に相当する量を添加した。更にカルシ
ウムイオンとマグネシウムイオンを各々10ppm 、2pp
m 添加した。このように調製された廃液のpHは8.5
であった。上記した各液についてアンダーラインを付し
た記号のものはいずれも富士写真フイルム(株)の処理
液の商品名である。
【0055】先に調製した廃液を以下に示す工程により
生物処理を施した。 活性汚泥処理:まず初めにこの廃液をイオウ酸化菌を含
む活性汚泥(MLSS4500ppm)にて連続処理を行な
った。イオウ酸化菌を含む活性汚泥としては、銀回収系
廃液10倍希釈液(COD約4500ppm)を連続的に滞
留時間2日で1ケ月与えることにより馴養したものを用
いた。滞留時間は2日であった。生成する硫酸を10%
水酸化ナトリウム水溶液で中和し、ばっ気槽内の液がp
H6.6以下にならないように保った。pH調節にはp
Hコントローラ(東京理化製FC−10型)を用いた。
【0056】この処理によりCOD830ppm の液が得
られた。処理温度は室温であり、以下の実施例において
も同様である。 硝化:上述の工程を経た廃液中のアンモニウムイオン
(約1000ppm)を、ひも状担体(TBR(株)バイオ
コード)を硝化菌の固定床とした硝化槽を用いて硝酸イ
オンに変換した。硝化は、硝化槽のpHを約7.5に調
節しながら、1サイクル2日の回分式処理で行なった。
処理槽からの処理液の1サイクル毎の放流量は全量の7
割とした。 嫌気処理:上述の工程で得られた硝化液を、粒状活性炭
(東洋カルゴン(株)活性炭F400)を担体とした嫌
気性の流動床を用い1サイクル4日の回分式処理で処理
した。処理槽からの処理液の1サイクル毎の放流量は全
量の8割とした。処理液のCODは約200ppm であ
り、イオンクロマトグラフィーによる分析の結果、含ま
れる有機成分のほとんどがEDTAであった。
【0057】EDTA分解菌処理:このようにして得ら
れた、EDTAを主成分とする溶液を、本発明のEDT
A分解菌バチルス・エディタビダスM−1を付着固定さ
せた多孔性セラミクス担体(東名実業(株)CB濾材)
を処理塔容積の60vol/vol%充填した処理塔に循環さ
せて1サイクル2.5日の回分式処理で処理した。処理
塔底部に設けた散気管から常時空気を送り込み処理塔内
を好気的に保った。処理槽からの処理液の1サイクル毎
の放流量は全部の8割とした。EDTA分解菌を用いた
処理により液中のEDTAはほとんど分解され、処理後
のCODは12ppm であった。同様の実験をバチルス・
エディタビダスM−2、メソフィロバクター・エディタ
ビダスM−3について行なったところ処理後のCODは
それぞれ18ppm 、11ppm となった。
【0058】脱窒:以上の処理により得られた液中の硝
酸イオン(NO3 −Nとして770ppm )を、アンスラ
サイトを担体として充填した固定床式生物脱窒塔に通液
することにより、脱窒を行なった。脱窒に必要な有機物
としてメタノールをTOCとして1850ppm(TOC/NO3
-N≒2.4/1)になるように添加した。脱窒処理後の液を好
気的に保っ生物濾過塔に通液させることにより、残存す
る有機物を除去した。滞留時間は脱窒塔、好気生物濾過
の各々において12時間、4時間であった。得られた液
のCODは10ppm であった。 鉄除去:以上の工程で得られた液に水酸化ナトリウム1
0%水溶液を加えてpH8にした後15分間攪拌した。
凝集剤(大日本インキ(株)リューフロックA−50
0)を加えて30分間攪拌した後、生じた赤色沈澱を濾
過で除いた。得られた液のCODは9ppm であった。
【0059】実施例7 EDTA分解菌(バチルス・エディタビダスM−1)を
包括固定化して用いた実施例6の処理 実施例6のEDTA分解菌処理工程においてEDTA分
解菌を固定化した担体として多孔性セラミクスの代わり
にEDTA分解菌(バチルス・エディタビダスM−1)
を包括固定化したアクリルアミドゲルペレットを用い
た。該アクリルアミドゲルは「微生物固定化法による排
水処理」須藤隆一編著(産業用水調査会)196〜19
9頁に記載の方法で調製した。1片約3mmの立方体に成
形した該アクリルアミドゲルを曝気槽容量の約10%添
加し曝気槽内に浮遊流動させて用いた。処理方式は1サ
イクル2日の回分式処理で、処理槽からの処理液の1サ
イクル毎の放流量は全量の8割とした。この処理により
液中のEDTAはほとんど分解され処理後のCODは1
1ppmであった。後続の脱窒、鉄除去を実施例6と同様
に行なった結果、各々の処理後のCODは各々9ppm 、
9ppm であった。またバチルス・エディタビダスM−1
をバチルス・エディタビダスM−2、メソフィロバクタ
ー・エディタビダスM−3にかえて実験したところ、全
く同様の結果が得られた。
【0060】実施例8 EDTA分解菌(バチルス・エディタビダスM−1)が
付着する担体として活性炭を用いた実施例6の処理 実施例6のEDTA分解菌処理工程においてEDTA分
解菌(バチルス・エディタビダスM−1)を付着固定化
した担体として多孔性セラミクスの代わりに粒状活性炭
(東洋カルゴン(株)活性炭F400)を処理塔容積6
0vol/vol %用いて処理時間を変えた以外は同様の条件
で処理を行なった。回分式処理を1サイクル1日で行な
った結果、液中のEDTAはほとんど分解され処理後の
CODは4ppm であった。後続の脱窒、鉄除去を実施例
6と同様に行なった結果、各々の処理後のCODは各々
3ppm 、3ppm であった。実施例6,7,8の結果をま
とめて表−5に示す。
【0061】
【表8】 表−5 実施例6、7及び8の結
果 ──────────────────────────────────── 実施例6 実施例7 実施例8 ──────────────────────────────────── 固定化法 付着固定 包括固定 付着固定 担体 多孔性セラミクス アクリルアミト ケ ル 活性炭 処理時間 2.5日 2日 1日 処理前COD 200ppm 同左 同左 処理後COD 12ppm 11ppm 4ppm 処理率 94% 95% 98% ──────────────────────────────────── またバチルス・エディタビダスM−1をバチルス・エデ
ィタビダスM−2、メソフィロバクター・エディタビダ
スM−3にかえて実験したが、同様の結果が得られた。
表−5に示す実施例6、7及び8の結果からわかるよう
に、EDTA分解菌の固定担体、固定法として色々な種
類を用いることが可能である。本発明による方法によ
り、写真処理廃液を生物処理した後その中のEDTAの
分解を短時間でなしとげることができる。
【0062】実施例9 銀回収系廃液中のEDTAの処理(懸濁液MF膜濾過
法) 実施例6で用いた銀回収系廃液を水で8倍に希釈した。
この溶液(COD5800ppm)に実施例6と同様な割合
でリン、カルシウムイオン、マグネシウムイオンを添加
した後、実施例6と同様にイオウ酸化菌を含む活性汚泥
を用いて生物処理を行なった。処理後のCODは800
ppm であった。液中に残存する有機成分のほとんどがE
DTAとPDTAであった。 EDTA分解菌処理:上記処理で得られた溶液を本発明
のEDTA分解菌バチルス・エディタビダスM−1を液
中に懸濁した状態で処理を行なった。EDTA分解菌と
処理液との固液分離は、MF膜(三菱レーヨン(株)ス
テラポアSTNM424)を用いて行なった。曝気槽中
にこのMF膜でできた中空糸ユニットを沈め、接続した
ポンプでゆるい吸引を行なうことで清澄な処理液が得ら
れた。懸濁液のMLSS(活性汚泥浮遊物)は約750
0ppm であった。HRT(水理学的滞留時間)3日の連
続式処理の結果、液中のEDTAとPDTAのかなりの
部分が分解されて処理後のCODは30ppm であった。
【0063】懸濁液からの固液分離に沈降槽を用いた場
合、MLSSは約3000ppm であった。その他の条件
をMF膜と同様にして処理した結果、処理後のCODは
80ppm であった。結果を下記表−6に示した。 硝化:MF膜を用いた処理により得られた処理液を水で
2倍に希釈した。この液中に含まれるアンモニウムイオ
ン(約1000ppm)を、実施例6の硝化工程と同様な処
理により硝酸イオン(約3400ppm)に変換した。更
に、脱窒と鉄除去を実施例6と同様に行なった結果、各
々の処理後のCODは各々32ppm 、29ppm であっ
た。一方、本実験に用いたバチルス・エディタビダスM
−1をバチルス・エディタビダスM−2、メソフィロバ
クター・エディタビダスM−3に代えて行なったとこ
ろ、同様な結果が得られた。
【0064】
【表9】 表−6 懸濁状態のEDTA分解菌バチルス・エディタビダスM−1による処理 (室温、3日間) ──────────────────────────────────── 固液分離法 MLSS 処理後COD ──────────────────────────────────── MF膜 7500ppm 30ppm 沈降 3000ppm 80ppm ──────────────────────────────────── 表−6に示す結果からわかるようにEDTA分解菌を懸
濁状態で用いた場合、MF膜で固液分離することによ
り、懸濁液の菌体濃度が増加し、かつ処理能が向上す
る。本発明による方法により、写真処理により排出され
る銀回収系廃液を生物処理した後、その中のEDTAの
分解を短時間でなしとげることができる。
【0065】実施例10 銀回収系廃液2倍希釈液中のEDTAの処理(懸濁液限
外濾過法) 実施例6で用いた銀回収系廃液を海水で1.8倍に希釈
した(塩濃度 約12%)。この溶液(COD 255
00ppm )にリンをリン酸一水素二カリウムの形でCO
D値の約1%に相当する量を添加した。このようにして
調製した廃液に以下に示す工程により生物処理を施し
た。 活性汚泥処理:第27回衛生工学研究討論会論文集(1
991年)183〜193頁に記載されている膜分離高
濃度活性汚泥法を用いて処理した。すなわち、高濃度の
海洋性活性汚泥を用いて処理した後、懸濁物と処理液と
の固液分離をUF膜を用いて行った。海洋性活性汚泥は
銀回収廃液を海水で10倍に希釈した液を暴気すること
により液中で増殖した細菌を用い調製した。前述の調製
した廃液中に海洋性活性汚泥を懸濁した状態で処理し
た。処理はpHコントローラーで懸濁液のpHが7.5以
下にならないように調節した以外は、上記論文集に記載
の方法と同様にして行った。懸濁液のMLSSは約37
000ppm であった。HRT7日の連続処理の結果、処
理後のCODは4200ppm であった。液中に残存する
有機成分のほとんどがEDTAとPDTAであった。 EDTA分解菌処理:上記処理により得られた溶液にE
DTA分解菌バチルス・エディタビダスM−1を懸濁し
た状態で、実施例9に記載の方法と同様にして処理を行
った。懸濁液のMLSSは約15000ppm であった。
HRT2日の連続式処理の結果、液中のEDTAとPD
TAのかなりの部分が分解されて処理後のCODは11
0ppm であった。また、バチルス・エディタビダスM−
2、メソフィロバクター・エディタビダスM−3を用い
処理したところ、M−1より処理率は低下したがいずれ
も処理後のCODは140ppm 以下と良好であった。こ
のように、本発明のバチルス・エディタビダスM−1、
バチルス・エディタビダスM−2、メソフィロバクター
・エディタビダスM−3は、高塩濃度の廃液中にも適用
可能であり、希釈水とスペースを節約でき処理コストの
低減が可能となる。 実施例11 実施例3の有機アミノポリカルボン酸をEDTA・2N
aおよびEDTA−Mgにそれぞれ換えた培養液を調製
し、更に食塩を加えることで塩濃度を10%とした。こ
れらの液に実施例3と同様にしてEDTA分解菌を接種
し、27℃で10日間振盪培養を行なった。分解率は実
施例1と同様にして求めた。結果を表−7に示す。
【表10】 表−7 EDTA・2Na、EDTA−Mgの分解率(%) (振盪培養27℃10日間) M−1 M−2 M−3 EDTA・2Na 86 70 75EDTA−Mg 88 72 76 次にEDTA・2Naを各種金属(Ca、Cu、Zn、
Pb、Mn、Ni)のEDTAキレートに換え、同様に
分解率を求めたところ、本発明の3種の菌はいずれも6
0%以上の分解率を示した。従来公知の土壌菌である有
機アミノカルボン酸分解菌を用いた場合、有機アミノカ
ルボン酸のNa塩やMg塩の分解が見られないのに対
し、本発明の海洋細菌であるEDTA分解菌はそれらを
効率良く分解できることがわかる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:07)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食塩濃度が10重量%の水溶液中で生存
    可能である有機アミノカルボン酸類分解菌バチルス・エ
    ディタビダス(Bacillus editabidus)及びメソフィロバ
    クター・エディタビダス(Mesophilobacter editabidu
    s) 。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の有機アミノカルボン酸類
    分解菌を有機アミノカルボン酸類を含有する廃液に混合
    または接触させることを特徴とする有機アミノカルボン
    酸類を含む廃液の処理方法。
  3. 【請求項3】 有機アミノカルボン酸類を分解する海洋
    細菌を、無機塩濃度が2重量%以上で、かつ有機アミノ
    カルボン酸のナトリウム塩及び/又はマグネシウム塩を
    含有する廃液に混合または接触させることを特徴とする
    有機アミノカルボン酸類を含む廃液の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2007532291A (ja) * 2004-04-07 2007-11-15 ユニバーシティ カレッジ カーディフ コンサルタンツ リミテッド 水処理

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