JPH08289769A - 食品用保存剤 - Google Patents
食品用保存剤Info
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- JPH08289769A JPH08289769A JP7117626A JP11762695A JPH08289769A JP H08289769 A JPH08289769 A JP H08289769A JP 7117626 A JP7117626 A JP 7117626A JP 11762695 A JP11762695 A JP 11762695A JP H08289769 A JPH08289769 A JP H08289769A
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Abstract
しない食品用保存剤を提供すること 【構成】 乳酸菌ラクトバチルス・ロイテリ(Lactoba
cillus reuteri) によって産生された抗菌性物質ロイテ
リンとグリセリン脂肪酸エステルなどの食品用乳化剤を
含有させる。
Description
菌効果のあるものが多く、酵母やカビの発育による食品
の変質が問題になっている。特に調理済み食品などの食
品産業分野では、健康志向による低塩、低糖の傾向があ
るために保存性が悪く、食品の原料に由来する微生物、
あるいは製造工程中に混入した菌類の繁殖による食品の
変質の問題が大きい。このため、これらの微生物の発育
を抑える食品用保存剤が求められている。
あるラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuter
i)が嫌気的条件下の培地中で産生する抗菌性物質である
ロイテリンが、一部の細菌、酵母およびカビに対して抗
微生物作用を有することから、ロイテリンを食品用保存
剤として利用することが提案された(特表平2−503
385号公報)。
独ではその抗菌スペクトルが狭いこと、および食品の保
存性を向上させるためには多量に使用する必要があるた
め、ロイテリンを単独で食品用保存剤として用いること
は実際上困難であった。
抗微生物作用を増大させることにより、ロイテリンの食
品への添加量を極力少なくし、幅広い抗菌スペクトルを
カバーして安全で保存性の高い食品を製造するための食
品用保存剤を提供することを目的とする。
を達成すべく、研究を重ねた結果、食品用乳化剤をロイ
テリンとともに食品に含有させることにより、食品中に
おけるロイテリンの抗菌活性を上昇させ、抗菌スペクト
ルを広くすることができ、添加した食品の保存性を飛躍
的に向上させることができることを見いだし、本発明に
到達した。
ス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)によって産生さ
れたロイテリン(reuterin) と、食品用乳化剤を含有す
る食品用保存剤を提供するものである。
acillus reuteri)は、動物の腸内細菌の一種であり、腸
内あるいは嫌気的条件下の培地中で生育するヘテロ乳酸
菌であり、その菌株はATCCに2株寄託されている
(受託No.53608および53609)。
下にグリセリンを含有する培地中で、上記ラクトバチル
ス・ロイテリの産生する抗菌性物質である。上記培養上
清中に、グリセリンの発酵産物であるβ−ヒドロキシプ
ロピオンアルデヒド(β−hydroxypropionaldehyde) が
検出され、このβ−ヒドロキシプロピオンアルデヒド
は、水溶液中で単量体、水和物および二量体の形態で存
在すると推定され、ロイテリンと称されている。ロイテ
リンは、グラム陽性細菌、グラム陰性細菌、酵母および
カビに対して抗菌性を示す。
クトバチルス・ロイテリ(L. reuteri) をグリセリンを
含む培地中で培養したのち、例えば特表平2−5033
85号公報記載のように、培養上清からHPLC等で分
離精製したものを用いる。また、培養上清の濃縮物も用
いることができる。
脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エ
ステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等の多価
アルコールの脂肪酸エステル、レシチン等の公知の食品
用乳化剤を用いることができる。なかでも、グリセリン
脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルが好まし
い。グリセリン脂肪酸エステルは、炭素数2〜18の脂
肪酸のモノグリセライドのほか、テトラグリセリン、ヘ
キサグリセリン、デカグリセリンのようなポリグリセリ
ンのステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸等の脂肪酸
エステルであってもよい。これらは二種以上を同時に含
有してもよい。
ンと食品用乳化剤との割合は、食品用乳化剤の種類によ
って相違するが、ロイテリン1に対して食品用乳化剤
0.3〜1,000(重量比)とすることが好ましい。
テリンが、好ましくは0.003〜0.5重量%、さら
に好ましくは0.01〜0.2重量%含有されるように
添加して使用する。食品が調味液や溶液の状態の場合、
水溶液中保存の場合もこの範囲で使用するとよい。
々に食品またはその材料に添加する場合についても、本
発明の食品用保存剤の範囲に含まれる。
物のリボヌクレオチドレダクターゼ活性に依存するDN
Aの合成を阻害することにより抗菌性を発揮することが
知られている。上記の食品用乳化剤を共存させることに
より、ロイテリンの細菌類および酵母、カビ(真菌類)
に対する抗菌作用を高める作用機構は明らかではない
が、これらの食品用乳化剤が微生物の細胞内でロイテリ
ンと共存することにより、DNA合成が相乗的に阻害さ
れるものと推定される。
説明する。実施例中、%は特にことわらない限り、重量
%である。なお、実施例において用いたロイテリンの製
法は下記のとおりである。
M20016(ATCC53609)を培地(ペプトン
1%、肉エキス1%、酵母エキス1%、グルコース1
%、クエン酸アンモニウム0.2%、酢酸ナトリウム
0.5%、硫酸マグネシウム0.01%、硫酸マンガン
0.005%、リン酸二カリウム0.2%、pH7.
0)50mlに一白金耳接種後、37℃で一夜静置培養
した培養液50mlを、同培地にグリセリン4.6%を
添加した培地(産生培地)1リットルに接種し、37℃
で一夜静置培養した。この培養液を4,000rpm、
10分間遠心分離し、得られた上清をさらにポアサイズ
0.45μmのメンブランフィルターで濾過して除菌し
た。除菌された培養液約1リットルをロータリーエバポ
レーターを用いて、40℃で100gまで減圧濃縮し
た。この濃縮液はロイテリンを約1%含有しており、実
施例においては、この濃縮液をロイテリンとして用い
た。
50g、グルタミン酸ナトリウム25g、砂糖25g、
馬鈴薯でんぷん175g、および氷水1kgを配合した
基本組成に、表1に示す保存剤を表1に示す割合になる
ように添加し、30分間擂潰後、得られた肉のりを塩化
ビニリデンフィルム(折径48mm)に約100g詰
め、両端を結紮し、90℃の熱水中で30分間加熱した
後、流水で30分間冷却して蒲鉾を得た。得られた蒲鉾
を、保存剤を添加することなく同様にして得られた蒲鉾
と共に、保存試験の標本とした。保存試験は、上記蒲鉾
を1試験区当たり10本ずつ25℃の恒温器中で保存
し、外観を肉眼で観察して、防腐効果を判定した。すな
わち、
水少し濁る。 2点:コロニー様スポット2個以上または部分膨張2
個、離水少し濁る。 3点:コロニー様スポット多数または小さな部分膨張多
数。 4点:部分膨張多数または部分軟化。 5点:全体が軟化、膨張。
ついて評価が1点に達するまでの日数を求め、その平均
を有効保存日数とした。結果を表2に示す。なお、官能
検査の結果、本発明の保存剤を添加した試験区は、対照
品を添加した対照区に比べて、味、色、におい等におい
て全く差が認められず、添加による品質上の悪影響は認
められなかった。
したものは、ロイテリン単独、および食品用乳化剤単独
添加品に比べ、その有効保存日数がはるかに長いことが
わかる。
洗いした。この昆布100gを鍋に入れ、水900ml
と酢100mlを加えて、約10分間煮た後、表1に示
す組成の保存剤を昆布の重量に対する割合で添加した。
醤油150mlおよび砂糖15gを添加して、弱火で汁
がなくなるまで煮た。この昆布の佃煮10gをポリエチ
レン袋に入れて密封し、1試験区当たり10袋ずつを2
5℃の恒温器中に保存して外観の変化を観察して、下記
のように評価し、10袋の試験標本の各々について評価
が1点となるまでの日数を求め、その平均を有効保存日
数とした。結果を表3に示す。
ニーが広がる。 3点:菌のコロニーが2箇所以上に発生し、ガスが発生
する。 4点:菌のコロニーが2箇所以上に発生し、ガスが激し
く発生する。
が対照品添加品に比べ、有効保存日数が長くなってい
る。
6.5g、コーンスターチ6.5gを基本組成とし、こ
れに表4に示す保存剤を、十分に攪拌しながら弱火で加
熱し、総重量の1割を煮詰めた。このカスタードクリー
ムを冷却後、カップに充填して、25℃で保存して外観
の変化を観察し、一般生菌数が1×106 個/gに達す
るまでの日数を有効保存日数とした。結果を表5に示
す。表5のとおり、本発明の保存剤を添加したものは、
対照品を添加したものに比べ、有効保存日数がはるかに
長かった。また、官能検査の結果、本発明の保存剤を添
加した試験区は、対照区に比べて、味、色、におい、形
態等において全く差が認められず、添加による品質上の
悪影響は認められなかった。
し、オートクレーブ滅菌を行った。表4に示した組成の
保存剤を、表4に示した量となるように滅菌豆乳に添加
混合し、全量を50mlとした。次いで、バチルス・ズ
ブチリスの胞子懸濁液を豆乳中に、その胞子が約102
個/mlとなるように接種し、90℃の水浴中で40分
間加熱した後、水冷し、25℃で保存して経日的に菌数
測定を行った。菌数が106 個/mlになるまでの日数
を有効保存日数とした。結果を表6に示す。
豚脂15%、食塩2.5%、重合リン酸塩0.1%、ス
パイス0.5%、亜硝酸ナトリウム70ppmおよび氷
水10%を加え、サイレントカッターで10分間カッテ
イングした。得られたエマルジョン肉を手動式スタッフ
ァーを用いて、約15gずつ羊腸に充填した。これをス
モークハウスで40分間乾燥後、スモークおよび蒸煮を
行い、中心部温度が75℃になるように加熱してウイン
ナーソーセージを作った。このウインナーソーセージを
一夜冷蔵庫に保管後、表4に示した組成の保存剤の水溶
液(水溶液中の各成分の量が表4に示す量となるように
調製)に2分間浸漬し、水切り風乾後、滅菌シャーレ1
枚にウインナーソーセージ2本ずつ入れたものを1試験
区10枚用意し、25℃で保存して外観の変化を観察し
た。実施例2と同様の基準によって有効保存日数を求め
た。結果を表7に示す。
を著しく向上させることができ、特に、酵母やカビに汚
染された食品の品質保持期間を延長することに有効であ
る。しかも、食品本来の味、色調を変化させることがな
く、添加による品質上の悪影響がなく、各種の食品の保
存のために極めて有効である。
Claims (2)
- 【請求項1】 乳酸菌ラクトバチルス・ロイテリ(Lact
obacillus reuteri)によって産生されたロイテリン(re
uterin) および食品用乳化剤を含有する食品用保存剤。 - 【請求項2】 食品用乳化剤がグリセリン脂肪酸エステ
ルまたはショ糖脂肪酸エステルである請求項1記載の食
品用保存剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11762695A JP3585286B2 (ja) | 1995-04-20 | 1995-04-20 | 食品用保存剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11762695A JP3585286B2 (ja) | 1995-04-20 | 1995-04-20 | 食品用保存剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08289769A true JPH08289769A (ja) | 1996-11-05 |
JP3585286B2 JP3585286B2 (ja) | 2004-11-04 |
Family
ID=14716397
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11762695A Expired - Lifetime JP3585286B2 (ja) | 1995-04-20 | 1995-04-20 | 食品用保存剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3585286B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2158813A1 (en) | 2008-08-28 | 2010-03-03 | Omya Development AG | Stabilisation of aqueous mineral preparations by reuterin |
KR102394120B1 (ko) * | 2021-10-26 | 2022-05-04 | 코오롱인더스트리(주) | 알칸디올 및 루테린을 포함하는 항균용 조성물 및 이의 용도 |
WO2023075165A1 (ko) * | 2021-10-26 | 2023-05-04 | 코오롱인더스트리(주) | 방부 화합물 및 루테린을 포함하는 항균용 조성물 및 이의 용도 |
-
1995
- 1995-04-20 JP JP11762695A patent/JP3585286B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP2158813A1 (en) | 2008-08-28 | 2010-03-03 | Omya Development AG | Stabilisation of aqueous mineral preparations by reuterin |
KR102394120B1 (ko) * | 2021-10-26 | 2022-05-04 | 코오롱인더스트리(주) | 알칸디올 및 루테린을 포함하는 항균용 조성물 및 이의 용도 |
WO2023075165A1 (ko) * | 2021-10-26 | 2023-05-04 | 코오롱인더스트리(주) | 방부 화합물 및 루테린을 포함하는 항균용 조성물 및 이의 용도 |
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JP3585286B2 (ja) | 2004-11-04 |
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