JP3066891B2 - 食品用保存剤 - Google Patents

食品用保存剤

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JP3066891B2
JP3066891B2 JP7077113A JP7711395A JP3066891B2 JP 3066891 B2 JP3066891 B2 JP 3066891B2 JP 7077113 A JP7077113 A JP 7077113A JP 7711395 A JP7711395 A JP 7711395A JP 3066891 B2 JP3066891 B2 JP 3066891B2
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acid
food
reuterin
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preservative
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瑞夫 矢嶋
一彦 野崎
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/90Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in food processing or handling, e.g. food conservation

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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は食品用保存剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の食品用保存剤は、細菌に対して抗
菌効果のあるものが多く、酵母やカビの発育による食品
の変質が問題になっている。特に調理済み食品などの食
品産業分野では、健康志向による低塩、低糖の傾向があ
るために保存性が悪く、食品の原料に由来する微生物、
あるいは製造工程中に混入した菌類の繁殖による食品の
変質の問題が大きい。このため、これらの微生物の発育
を抑える食品用保存剤が求められている。
【0003】このような状況の下で、腸内細菌の一種で
あるラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuter
i)が嫌気的条件下の培地中で産生する抗菌性物質である
ロイテリンが、一部の細菌、酵母およびカビに対して抗
微生物作用を有することから、ロイテリンを食品用保存
剤として利用することが提案された(特表平2−503
385号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ロイテリン単
独ではその抗菌スペクトルが狭いこと、および食品の保
存性を向上させるためには多量に使用する必要があるた
め、ロイテリンを単独で食品用保存剤として用いること
は困難であった。
【0005】そこで、本発明はロイテリンの食品中での
抗微生物作用を増大させることにより、ロイテリンの食
品への添加量を極力少なくし、幅広い抗菌スペクトルを
カバーして安全で保存性の高い食品を製造するための食
品用保存剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく、研究を重ねた結果、有機酸および/また
はその塩をロイテリンとともに食品に含有させることに
より、食品中におけるロイテリンの抗菌活性を上昇さ
せ、抗菌スペクトルを広くすることができ、添加した食
品の保存性を飛躍的に向上させることができることを見
いだし、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、乳酸菌ラクトバチル
ス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)によって産生さ
れたロイテリン(reuterin) と、有機酸および/または
その塩を含有する食品用保存剤を提供するものである。
【0008】乳酸菌ラクトバチルス・ロイテリ(Lactob
acillus reuteri)は、動物の腸内細菌の一種であり、腸
内あるいは嫌気的条件下の培地中で生育する異種発酵性
の菌であり、その菌株はATCCに2株寄託されている
(受託No.53608および53609)。
【0009】ロイテリン(reuterin) は、嫌気性雰囲気
下にグリセリンを含有する培地中で、上記ラクトバチル
ス・ロイテリの産生する抗菌性物質である。上記培養上
清中に、グリセリンの発酵産物であるβ−ヒドロキシプ
ロピオンアルデヒド(β−hydroxypropionaldehyde) が
検出され、このβ−ヒドロキシプロピオンアルデヒド
は、水溶液中で単量体、水和物および二量体の形態で存
在すると推定され、ロイテリンと称されている。ロイテ
リンは、グラム陽性細菌、グラム陰性細菌、酵母および
カビに対して抗菌性を示す。
【0010】本発明において、ロイテリンとしては、ラ
クトバチルス・ロイテリ(L. reuteri) をグリセリンを
含む培地中で培養したのち、例えば特表平2−5033
85号公報記載のように、培養上清からHPLC等で分
離精製したものを用いる。また、培養上清の濃縮物も用
いることができる。
【0011】また、有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロ
ピオン酸、吉草酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ
酸、フマール酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、ピ
ルビン酸、グルタール酸およびソルビン酸などを挙げる
ことができる。また、有機酸の塩としては、上記有機酸
のナトリウム塩およびカリウム塩を挙げることができ
る。なかでも酢酸、乳酸、クエン酸、フマール酸、アジ
ピン酸、ソルビン酸、それらのナトリウム塩およびカリ
ウム塩が効果、入手容易などの点から好ましく、これら
の一種または二種以上を含有させる。
【0012】本発明の食品用保存剤において、ロイテリ
ンと有機酸および/またはその塩との割合は、ロイテリ
ン1に対して有機酸および/またはその塩0.3〜1,
000(重量比)とすることが好ましい。
【0013】本発明の食品用保存剤は、食品中に、ロイ
テリンが、好ましくは0.003〜0.5重量%、さら
に好ましくは0.01〜0.2重量%含有されるように
添加して使用する。食品が調味液や溶液の状態の場合、
水溶液中保存の場合もこの範囲で使用するとよい。
【0014】なお、上記ロイテリンと有機酸および/ま
たはその塩類を別々に食品またはその材料に添加する場
合についても、本発明の食品用保存剤の範囲に含まれ
る。
【0015】
【作用】本発明の食品用保存剤中のロイテリンは、微生
物のリボヌクレオチドレダクターゼ活性に依存するDN
Aの合成を阻害することにより抗菌性を発揮することが
知られている。上記の有機酸類を共存させることによ
り、ロイテリンの細菌類および酵母、カビ(真菌類)に
対する抗菌作用を高める作用機構は明らかではないが、
非解離型の有機酸が微生物の細胞内でロイテリンと共存
することにより、DNA合成が相乗的に阻害されると推
定される。
【0016】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。実施例中、%は特にことわらない限り、重量
%である。なお、実施例において用いたロイテリンの製
法は下記のとおりである。
【0017】乳酸菌ラクトバチルス・ロイテリ菌株DS
M20016(ATCC53609)を培地(ペプトン
1%、肉エキス1%、酵母エキス1%、グルコース1
%、クエン酸アンモニウム0.2%、酢酸ナトリウム
0.5%、硫酸マグネシウム0.01%、硫酸マンガン
0.005%、リン酸二カリウム0.2%、pH7.
0)50mlに一白金耳接種後、37℃で一夜静置培養
した培養液50mlを、同培地にグリセリン4.6%を
添加した培地(産生培地)1リットルに接種し、37℃
で一夜静置培養した。この培養液を4,000rpm、
10分間遠心分離し、得られた上清をさらにポアサイズ
0.45μmのメンブランフィルターで濾過して除菌し
た。除菌された培養液約1リットルをロータリーエバポ
レーターを用いて、40℃で100gまで減圧濃縮し
た。この濃縮液はロイテリンを約1%含有しており、実
施例においては、この濃縮液をロイテリンとして用い
た。
【0018】実施例1 塩蔵大根(タクアン)を食塩含量が3%になるまで流水
下で脱塩し、調味液(醤油1%、食塩3%、食酢0.5
%、グリチルリチン0.02%、味醂0.5%、酵母エ
キス0.5%、HAP(動物性蛋白質加水分解物)1
%、水93.43%、pH4.9)に3日間、冷蔵庫中
で調味漬けした。次に、調味液に表1に示す保存剤を表
1記載量の4倍の濃度で添加し、この調味液100ml
に対して調味漬けしたタクアン300gを加えて袋詰め
にした(添加した保存剤の濃度は表1記載の濃度にな
る)。これらを20℃に保存して、タクアン液部の濁
り、袋の膨れなどの観察により、保存日数を調べた。具
体的には、袋詰めタクアンを1試験区あたり10本ずつ
20℃の恒温器中で保存し、肉眼観察により、下記のよ
うに評価し、10本の試験標本の各々について、評価が
1点に達するまでの日数を求め、その平均を有効保存日
数とした。結果を表2に示す。
【0019】 0点:変化なし。 0.5点:液がわずかに濁る。 1点:液が白濁する。 2点:液が白濁し、わずかにガスが発生して袋が膨れ
る。 3点:液が白濁し、激しくガスが発生して袋が膨れる。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】表2から明らかに、本発明の保存剤を添加
したものは、ロイテリン単独、および有機酸またはその
塩類添加品に比べ、その有効保存日数がはるかに長いこ
とがわかる。なお、官能検査の結果、本発明の保存剤を
添加した試験区は、対照品を添加した対照区に比べて、
味、色、におい等において全く差が認められず、添加に
よる品質上の悪影響は認められなかった。
【0023】実施例2 強力粉500g、水60gおよびかん粉5gを配合した
基本組成に、表1に示した組成の保存剤を添加し、十分
混合した後、小型製麺機により麺線を作り、沸騰水中で
4分間茹で、水冷した。水切り後、この25gをポリエ
チレン袋に入れて密封し、1試験区当たり10袋ずつを
25℃の恒温器中に保存して外観の変化を観察して、下
記のように評価して、10袋の試験標本の各々について
評価が1点となるまでの日数を求めて、その平均を有効
保存日数とした。結果を表3に示す。
【0024】 0点:変化なし。 1点:変色、軟化、ネト、カビが1箇所に発生。 2点:変色、軟化、ネト、カビが2箇所に発生または1
箇所の変敗が広がる。 3点:変色、軟化、ネト、カビが全体の1/2に広が
る。 4点:変色、軟化、ネト、カビが全体の3/4に広が
る。 5点:変色、軟化、ネト、カビが全体に広がる。
【0025】
【表3】
【0026】表3から明らかに、本発明の保存剤添加麺
が対照品添加麺に比べ、有効保存日数が長くなってい
る。
【0027】実施例3 合い挽き肉1,000g、玉葱300g、食塩10g、
小麦粉60g、水50gを配合した基本組成に表1に示
した保存剤を添加し、十分混合した後、10個のハンバ
ーグに成型して25分間蒸し、冷却した。その後、1試
験区あたり、10個ずつを25℃で保存して外観の変化
を観察し、有効保存日数を実施例2と同様の基準で求め
た結果を表4に示す。表4に示すとおり、本発明の保存
剤を添加したものは対照品を添加したものに比べ、有効
保存日数が長かった。また、官能検査の結果、本発明の
保存剤を添加した試験区は、対照区に比べて、色、味、
におい、形態等において全く差が認められず、添加によ
る品質上の悪影響は認められなかった。
【0028】
【表4】
【0029】実施例4 砂糖76g、醤油200g、グルタミン酸ナトリウム4
g、清酒23g、味醂23g、ゴマ油1.5g、生姜
2.5g、水670gを基本組成とし、それに表5に示
す保存剤を添加し(表5中の各成分の量は基本組成に対
する%である)、十分に混合して、焼肉のタレを作っ
た。これをカップに充填して、25℃で保存して外観の
変化を観察して、一般生菌数が1×106 個/gに達す
るまでの日数を有効保存日数とした。結果を表6に示
す。表6のとおり、本発明の保存剤を添加したものは、
対照品を添加したものに比べ、有効保存日数がはるかに
長かった。また、官能検査の結果、本発明の保存剤を添
加した試験区は、対照区に比べて、味、色、におい、形
態等において全く差が認められず、添加による品質上の
悪影響は認められなかった。
【0030】
【表5】
【0031】
【表6】
【0032】実施例5 市販の豆乳(pH7.0)40mlをガラス瓶に分注
し、オートクレーブ滅菌を行った。表5に示した組成の
保存剤を、表5に示した量となるように滅菌豆乳に添加
混合し、全量を50mlとした。次いで、バチルス・ズ
ブチリスの胞子懸濁液を豆乳中に、その胞子が約102
個/mlとなるように接種し、90℃の水浴中で40分
間加熱した後、水冷し、25℃で保存して経日的に菌数
測定を行った。菌数が106 個/mlになるまでの日数
を有効保存日数とした。結果を表7に示す。
【0033】
【表7】
【0034】実施例6 豚肉およびマトンの挽き肉の等量混合物6kgに対し、
豚脂15%、食塩2.5%、重合リン酸塩0.1%、ス
パイス0.5%、亜硝酸ナトリウム70ppmおよび氷
水10%を加え、サイレントカッターで10分間カッテ
イングした。得られたエマルジョン肉を手動式スタッフ
ァーを用いて、約15gずつ羊腸に充填した。これをス
モークハウスで40分間乾燥後、スモークおよび蒸煮を
行い、中心部温度が75℃になるように加熱してウイン
ナーソーセージを作った。このウインナーソーセージを
一夜冷蔵庫に保管後、表5に示した組成の保存剤の水溶
液(水溶液中の各成分の量が表5に示す量となるように
調製)に2分間浸漬し、水切り風乾後、滅菌シャーレ1
枚にウインナーソーセージ2本ずつ入れたものを1試験
区10枚用意し、25℃で保存して外観の変化を観察し
た。実施例2と同様の基準によって有効保存日数を求め
た。結果を表8に示す。
【0035】
【表8】
【0036】
【発明の効果】本発明の食品用保存剤は、食品の保存性
を著しく向上させることができ、特に、酵母やカビに汚
染された食品の品質保持期間を延長することに有効であ
る。しかも、食品本来の味、色調を変化させることがな
く、添加による品質上の悪影響がなく、各種の食品の保
存のために極めて有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−300106(JP,A) 特開 平5−320017(JP,A) 特開 平7−39355(JP,A) 特表 平2−503385(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 3/3499 - 3/3571 BIOSIS(DIALOG)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳酸菌ラクトバチルス・ロイテリ(Lact
    obacillus reuteri)によって産生されたロイテリン(re
    uterin) および有機酸および/またはその塩を含有する
    食品用保存剤。
  2. 【請求項2】 有機酸が酢酸、乳酸、クエン酸、フマー
    ル酸、アジピン酸およびソルビン酸からなる群から選ば
    れる少なくとも1種である請求項1記載の食品用保存
    剤。
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EP2838365A4 (en) * 2012-04-16 2016-04-13 Cascades Canada Ulc ANTIMICROBIAL COMPOSITIONS AND USES THEREOF

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