JPH0828922A - 調理器用フード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ダクトの配設が不要で、ファンの負荷を軽減
させて油煙、油滴などの混合空気を効率よく処理するこ
とができ、脱臭をもできるようにする。 【構成】 下面に吸気口３ｉが設けられるとともに、前
面上部に排気口３ｏが設けられ、吸気口３ｉと排気口３
ｏとを連通する通気路３ｒが設けられたフード部３と、
通気路３ｒに配設され、吸気口３ｉから吸気して排気口
３ｏから排気するためのファン４と、このファン４と吸
気口３ｉとの間の通気路３ｒに配設された空気浄化機構
５と、排気口３ｏとファン４との間の通気路３ｒに配設
された脱臭フィルター６とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、揚げ物などをしてい
るときに調理器から立ち上る油煙、油滴を処理する調理
器用フードに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】通常、厨房内の空気を室外へ排気するた
め、調理器の上方にフードを配設し、このフードと室外
とをダクトで連通させ、吸排気を行わせるためのファン
を配設し、ファンを動作させることにより、調理時に調
理器から立ち上る油煙、油滴などを厨房内の空気ととも
に室外に排気している。しかし、ダクトを配設する必要
があり、ダクトの配設は、面倒な工事になる。

【０００３】そこで、ダクトの配設を不要とする調理器
として実公平３−４１６２１号公報に記載されているよ
うに、調理器本体の上面に形成された加熱器の載置面
と、この載置面の周囲に立設され、内部が空胴に形成さ
れた油飛散防護壁と、調理器本体の載置面の下方に内装
された吸気浄化装置と、油飛散防護壁の内壁の上部に形
成された吸気口と、油飛散防護壁の内部にその内壁およ
び外壁と平行に形成された仕切板と、この仕切板と油飛
散防護壁の内壁との間に形成され、吸気口と吸気浄化装
置とを連通する吸気路と、仕切板と油飛散防護壁の外壁
との間に形成され、吸気浄化装置の出口に連通する排気
路と、調理器本体の側壁および／または油飛散防護壁に
形成され、排気路に連通する排気口と、吸気浄化装置の
出口と排気路の入口との間に配設され、吸排気を行うた
めのファンとを備えたものが知られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の上記した調理器
は、加熱器の油鍋から立ち上る油煙、油滴を吸気口から
室内の空気とともに吸い込むので、空気の流速を速くし
なければ油煙、油滴を吸気口から吸い込めなくなるた
め、ファンの負荷が増大し、消費電力が多くなる。そし
て、吸気浄化装置を通過する混合空気の流速は速いの
で、混合空気の吸気浄化装置に対する滞留時間が短くな
り、油煙、油滴などの混合空気を効率よく処理すること
ができないという不都合があった。

【０００５】この発明は、上記したような不都合を解消
するためになされたもので、ダクトの配設が不要で、フ
ァンの負荷を軽減させて油煙、油滴などの混合空気を効
率よく処理することができるとともに、脱臭をもできる
ようにした調理器用フードを提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明にかかる調理器
用フードは、下面に吸気口が設けられるとともに、周面
に排気口が設けられ、吸気口と排気口とを連通する通気
路が設けられたフード部と、通気路に配設され、吸気口
から吸気して排気口から排気するためのファンと、この
ファンと吸気口との間の通気路に配設された空気浄化機
構とを備えたものである。そして、排気口とファンとの
間の通気路に脱臭フィルターを配設するのが望ましい。

【０００７】

【作用】この発明における調理器用フードは、調理器か
ら立ち上がる油煙、油滴などを厨房内の空気とともに吸
気口から吸い込んだ後、空気浄化機構で油煙、油滴など
の混合空気を処理するとともに、脱臭フィルターで脱臭
した空気を排気口から排気する。

【０００８】

【実施例】以下、この発明の実施例を図に基づいて説明
する。図１はこの発明の第１実施例である調理器用フー
ドを示す斜視図、図２は図１に示す調理器用フードの使
用状態および内部機構を示す説明図、図３は図１に示す
調理器用フードの正面図である。これらの図において、
１は脚部を示し、調理器Ｃを出し入れ可能に収容できる
ように、平断面がコ字状で、前面を開放した収容部１ａ
が形成されている。

【０００９】２はキャスターを示し、脚部１の下四隅に
取り付けられている。３は脚部１で支持された箱状のフ
ード部を示し、調理器Ｃの上面（調理面）と対向する下
面の前面側（図２の左側）に吸気口３ｉが設けられ、前
面上部に排気口３ｏが設けられ、吸気口３ｉと排気口３
ｏとを連通する通気路３ｒが設けられている。なお、通
気路３ｒは、後述するグリスフィルター５ｇを収容し、
着脱可能に配設された角筒状の容器３ｒｖと、この容器
３ｒｖの下側に着脱可能に配設された下面板３ｒｂと、
後述する電気集塵機５ｅを収容し、下面板３ｒｂの上側
に着脱可能に配設されるとともに、容器３ｒｖの後面が
当接する角筒状のホルダー３ｒｈと、このホルダー３ｒ
ｈの上部が下端部分に当接する固定された仕切板３ｒｐ
とで構成され、一端上昇して後方へ垂下し、再び後方へ
上昇した後、前方へ延びるように形成されている。そし
て、フード部３の前面下側には、後述するファン４、空
気浄化機構５、脱臭フィルター６の保守、点検ができる
ように、扉３ｄが垂直方向へ回動可能に設けられてい
る。

【００１０】４は仕切板３ｒｐで形成される通気路３ｒ
内に配設されたファンを示し、吸気口３ｉから吸気して
排気口３ｏから排気するための動力を付与するものであ
る。５は空気浄化機構を示し、容器３ｒｖで形成された
垂下する通気路３ｒ部分に配設され、壁面に比較的粒径
の大きな油煙、油滴を付着させて除去するグリスフィル
ター５ｇと、ホルダー３ｒｈで形成される通気路３ｒ部
分に配設され、コロナ放電によって比較的粒径の小さな
煙粒、油粒を除去する電気集塵器５ｅとで構成されてい
る。

【００１１】６は排気口３ｏとファン４との間の仕切板
３ｒｐで形成される通気路３ｒ部分に着脱可能に配設さ
れた脱臭フィルターを示し、空気浄化機構５で油分など
を除去された空気の臭気を除去するものである。７はフ
ード部３の排気口３ｏ部分に着脱可能に取り付けられた
ギャラリー、８は下面板３ｒｂに着脱可能に取り付けら
れたオイルパンを示し、このオイルパン８は、空気浄化
機構５で除去されたり、通気路３ｒに付着して流下した
油などを収容するものである。９はフード部３の前面に
設けられた電源スイッチを示し、ファン４および電気集
塵器５ｅに供給する電力を制御するものである。

【００１２】次に、設置について説明する。まず、キャ
スター２のロック機構をロック解除状態にすると、移動
可能になるので、調理器用フードを設置個所へ移動させ
る。そして、調理器用フードの移動が完了した状態でキ
ャスター２のロック機構をロック状態にすると、調理器
用フードを固定できるので、脚部１で形成された収容部
１ａ内へ調理器Ｃを収容することにより、設置が完了す
る。この状態で、電源を接続したり、調理器Ｃでガスを
使用する場合は、調理器Ｃにガス管またはガスホースを
接続するとともに、ダクトを配設して調理器Ｃの燃焼ガ
スを室外に排気させる。

【００１３】次に、動作について説明する。まず、電源
スイッチ９をオン状態にすると、ファン４および電気集
塵器５ｅに電力が供給され、吸気口３ｉから吸気して排
気口３ｏから排気する動力がファン４によって与えられ
る。したがって、調理器Ｃで調理すると、調理器Ｃから
立ち上がる油煙、油滴は厨房内または室内の空気ととも
に吸気口３ｉから吸い込まれる。

【００１４】そして、吸気口３ｉから吸い込まれた混合
空気は、通気路３ｒ、すなわち容器３ｒｖの中を上側か
ら下側へ、下面板３ｒｂの上側を前方から後方へ、ホル
ダー３ｒｈの中を下側から上側へ、仕切板３ｒｐの中を
後方から前方へ進む過程で空気浄化機構５で油分などを
除去されて浄化した空気となり、脱臭フィルター６で脱
臭され、排気口３ｏから排気される。

【００１５】次に、保守、点検などについて説明する。
まず、扉３ｄを上方へ回動させて開放することにより、
容器３ｒｖ、下面板３ｒｂおよびホルダー３ｒｈを前方
へ取り外すことができるので、各部の汚れ具合などを点
検することができる。また、ギャラリー７を取り外すこ
とにより、脱臭フィルター６が露出するので、脱臭フィ
ルター６の汚れ具合などを点検することができる。

【００１６】そして、点検の結果、洗浄または取り替え
る必要があれば、通気路３ｒを形成する部材を洗浄した
り、グリスフィルター５ｇ、電気集塵器５ｅおよび／ま
たは脱臭フィルター６を取り外して洗浄したり、取り替
える。さらに、オイルパン８に油などが所定量以上溜ま
った場合、オイルパン８を下面板３ｒｂから取り外して
油などを捨てた後、再度オイルパン８を下面板３ｒｂに
取り付ける。

【００１７】上述したように、この発明の第１実施例に
よれば、フード部３内に空気浄化機構５を配設したの
で、フード部３内で油煙、油滴など混合空気を処理して
浄化した空気とすることができる。したがって、面倒な
ダクトを配設する工事をしなくて済む。また、調理器Ｃ
から立ち上る油煙、油滴を調理器Ｃの上方に位置する吸
気口３ｉから吸い込むことができるので、吸い込む混合
空気の流速を速くする必要がないため、ファン４の負荷
を軽減して電力消費を少なくすることができる。

【００１８】そして、混合空気の流速を遅くして空気浄
化機構５に対する滞留時間を長くできるので、油煙、油
滴などの混合空気を効率よく処理することができる。さ
らに、キャスター２を設けたので、所要個所へ移動させ
ることができ、脱臭フィルター６を空気浄化機構５の下
流に設けたので、脱臭フィルター６が汚れるのを少なく
して浄化した空気の臭気を除去することができる。

【００１９】図４はこの発明の第２実施例である調理器
用フードを分解して一部を破断した斜視図であり、図１
〜図３と同一または相当部分に同一符号を付して説明を
省略する。図４において、８Ａはオイルパンを示し、ホ
ルダー３ｒｈの開放した下面を閉成するように構成さ
れ、電気集塵機５ｅで除去した油分などを収容するもの
であり、電気集塵機５ｅを収容するホルダー３ｒｈと別
個または一緒に、前方から装着でき、前方へ取り外すこ
とができるように配設されている。

【００２０】この第２実施例が第１実施例と相違するの
は、通気路３ｒが容器３ｒｖの下側から下面板３ｒｂの
上側を前方から後方で、ホルダー３ｒｈの右側面へ進
み、ホルダー３ｒｈ内を右側から左側へ進んで上昇した
後、仕切板３ｒｐ内へ進むように構成された点と、電気
集塵機５ｅで除去した油分などはオイルパン８Ａに収容
される点と、脚部１およびキャスター２が設けられてい
ない点とである。したがって、この第２実施例の調理器
用フードは、壁に取り付けたり、天井から吊り下げられ
て使用される。

【００２１】この発明の第２実施例によれば、第１実施
例と同様な効果を得ることができる。そして、電気集塵
機５ｅを収容するホルダー３ｒｈに、左右方向に貫通す
るように通気路３ｒを形成したので、電気集塵機５ｅの
機能を低下させずに電気集塵機５ｅの厚さ、すなわち上
下方向を薄することができるため、調理器用フードの厚
さを薄くすることができる。また、電気集塵機５ｅに対
する滞留時間を、経路長を長くして長くすることができ
るので、油煙、油滴などの混合空気を一層効率よく処理
することができる。

【００２２】なお、上記した実施例では、脚部１の平断
面をコ字状とした例で説明したが、後面部を除いたり、
パイプで構成すると、調理器Ｃを移動させずに調理器用
フードのみを移動させることができる。また、脚部１を
床まで到達する長さとし、キャスター２を設けて移動可
能な構成とした例で説明したが、脚部の長さを短くし、
脚部の下端部分を調理器Ｃに取り付ける構成としても、
同様な効果を得ることができるとともに、調理器にキャ
スターを取り付けることによって調理器とともに調理器
用フードを一体的に移動させることができる。

【００２３】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば、フー
ド部内に空気浄化機構を設けたので、フード部内で油
煙、油滴などの混合空気を処理して浄化した空気とする
ことができる。したがって、面倒なダクトを配設する工
事をしなくて済む。また、調理器から立ち上る油煙、油
滴を調理器の上方に位置する吸気口から吸い込むことが
できるので、吸い込む混合空気の流速を速くする必要が
ないため、ファンの負荷を軽減して電力消費を少なくす
ることができる。

【００２４】そして、混合空気の流速を遅くして空気浄
化機構に対する滞留時間を長くできるので、油煙、油滴
などの混合空気を効率よく処理することができる。さら
に、脱臭フィルターを空気浄化機構の下流に設けたの
で、脱臭フィルターが汚れるのを少なくして浄化した空
気の臭気を除去することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１実施例である調理器用フードを
示す斜視図である。

【図２】図１に示す調理器用フードの使用状態および内
部機構を示す説明図である。

【図３】図１に示す調理器用フードの正面図である。

【図４】この発明の第２実施例である調理器用フードを
分解して一部を破断した斜視図である。

【符号の説明】

３ フード部 ３ｉ 吸気口 ３ｏ 排気口 ３ｒ 通気路 ３ｒｖ 容器 ３ｒｂ 下面板 ３ｒｈ ホルダー ３ｒｐ 仕切板 ４ ファン ５ 空気浄化機構 ５ｇ グリスフィルター ５ｅ 電気集塵器 ６ 脱臭フィルター

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下面に吸気口が設けられるとともに、周
   面に排気口が設けられ、前記吸気口と前記排気口とを連
   通する通気路が設けられたフード部と、 前記通気路に配設され、前記吸気口から吸気して前記排
   気口から排気するためのファンと、 このファンと前記吸気口との間の前記通気路に配設され
   た空気浄化機構と、 を備えた調理器用フード。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の調理器用フードにおい
   て、 前記排気口と前記ファンとの間の前記通気路に脱臭フィ
   ルターを配設した、 ことを特徴とする調理器用フード。