JPH08288710A

JPH08288710A - スライド式フレキシブル導波管

Info

Publication number: JPH08288710A
Application number: JP11647495A
Authority: JP
Inventors: Munekazu Matsuo; 宗和松尾; Juichi Inoue; 寿一井上
Original assignee: Nihon Koshuha Co Ltd
Current assignee: Nihon Koshuha Co Ltd
Priority date: 1995-04-18
Filing date: 1995-04-18
Publication date: 1996-11-01

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】長さ方向に自由に伸縮し、伝導損失の少ない
フレキシブル導波管を提供する。【構成】伝送系に使用する導波管２，３を伝送方向で
分割し、その分割部分において導波管２，３の口径寸法
より小さい外形寸法のインナー導波管１を該導波管の内
部に挿入し、インナー導波管１の両端部に、導波管の内
面と常に接触するバネ４，５を設けるスライド式フレキ
シブル導波管。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本願発明は高周波の伝送系、特に
マイクロ波伝送系に使用する導波管において、温度変化
による伸縮に適応し、または振動に対する安定性を有す
る可撓導波管に関する。

【０００２】

【従来の技術】マイクロ波電源と負荷を接続する場合、
その伝送系に導波管が用いられるが、導波管は金属で作
られているため、導波管を接続する際、高さ、傾き、長
さ方向の位置を接続部で合わせる必要があり、本来可撓
性はない。

【０００３】しかし、温度変化による伸縮または振動に
対する安定のために可撓導波管（フレキシブル導波管）
が考えられており、従来、薄い金属のひだが互いに絡み
合ったワウンド・メタル・ホース（wound metal hose）
形、ベロー（蛇腹）で形成されたベロー形導波管（seam
less corrugated waveguide）形、金網で形成された金
網導波管形が知られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来のもの
は、長さ方向の伸縮はほとんど不可能であり、かつ製造
に複雑な工程を要する。又、伝導損失も多い欠点があ
る。本願発明は上記従来の問題点に鑑み創作されたもの
であり、長さ方向の伸縮に適応し、伝導損失の少ないフ
レキシブル導波管を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本願発明は、伝送系に使
用する導波管を伝送方向で分割し、その分割部分におい
て該導波管の口径寸法より小さい外径寸法のインナー導
波管を該導波管の内部に挿入し、インナー導波管の両端
部に導波管の内面と常に接触するバネを設けたことを特
徴とするスライド式フレキシブル導波管である。伝送系
に使用する導波管は断面長方形の形状を成し、両端部は
接続のための接続部が設けられている。本願発明は、伝
送系の導波管を接続部以外の部分において、伝送方向に
対して垂直に分割し、その分割部分にインナー導波管を
挿入する。分割の位置は導波管の中間部であっても、中
間部以外の部分であってもよい。バネは導波管の内面に
常時接触し、かつ可撓性をもってインナー導波管が導波
管内部においてスライド可能なものであればよい。

【０００６】

【作用】インナー導波管の両端には導波管に電気的に接
続するバネが設けられており、バネ接触により、インナ
ー導波管は導波管に対しスライド可能である。そして、
インナー導波管は一定の長さを有しているため、両端の
導波管がなんらかの原因でスライドしても、反射特性の
変化はほとんど無い。特に、インナー導波管の長さを設
定周波数の管内波長のほぼ２分の１にすることにより、
無調整で良好な特性のものが得られる。

【０００７】

【実施例】以下、本願発明を実施例に基づき説明する。
図１は、本願発明の実施例のスライド式フレキシブル導
波管の縦断面図であり、図２はその右側面図である。１
はインナー導波管、２、３は伝送系に使用する導波管、
４、５は接触バネ、２１、３１は導波管の接続部であ
る。導波管２、３は同じ構造、長さを有しているが、長
さが異なってもよいことは当然である。それらは一本の
導波管を２つに分割した後のそれぞれの部分に該当する
が、分割したものではなく、それぞれ別個独立に作られ
たものであっても、それらをつなぎ合わせた後に一本の
導波管を構成するものであればよい。本願発明における
分割はかような意味を含むものである。

【０００８】インナー導波管１は、一定の長さを有し、
断面形状は導波管２、３の形状と同じであり、外形寸法
は、導波管２、３の内形寸法より小さい。インナー導波
管１の両端には導電性を有する接触バネ４、５が設けら
れており、それにより、インナー導波管１は導波管２、
３の内面とバネ接触をし、バネの可撓性により、導波管
２、３の内面を移動可能になっている。接触バネ４、５
はクシ形により接触点を多くし、電波漏洩を少なくして
いる。

【０００９】本願発明のスライド式フレキシブル導波管
を用いた使用例を図３乃至図５に示す。図３は、伝送系
の中心線Ａ、Ｂが平行にずれている場合の縦断面であ
る。符号は図１と同じものを示すが、２２、３２は、伝
送系における固定された導波管の接続部である。図４
は、一方の伝送系の中心線Ｃが傾いている場合の例を示
す。

【００１０】図５は、インナー導波管６をあらかじめ角
度をつけて形成し、可撓性と併せて、伝送線路の向きを
変えるベンドの機能を持たせた例を示す。

【００１１】図１乃至図５に示す構造のインナー導波管
は伝送系に使用する導波管とは寸法が異なるので、特性
インピーダンスも異なる。異なる特性のインピーダンス
の伝送系を接続すると反射波が生ずる。通常は、反射波
を生じさせないように、インナー導波管内部に、必要に
応じてインピーダンス整合用のスタブ（非対称ねじによ
る整合）又はアイリス（誘導性窓）を設ける。しかし、
図１に示すインナー導波管１の場合においては、図６に
示すように、長さＬが管内波長のほぼ２分の１のとき
は、スタブ又はアイリスは不要である。

【００１２】図６において、導波管２、３の内径をそれ
ぞれ横８６、３６mm、高さ２１、６mm、インナー導波管
１の内径を横７８、３６mm、高さ１３、６mm、長さＬを
９８mmとし、導波管間距離Ｍを０、３０mm、６０mmの各
値に設定したときの、周波数に対するＶＳＷＲ値の変化
を図７に示す。同図において、曲線イはＭ＝０、曲線ロ
はＭ＝３０mm、曲線ハはＭ＝６０mmとしたときの結果で
ある。本願発明のフレキシブル導波管は、周波数２４３
０ＭＨ_Zにおいて、ＶＳＷＲは１、０５以下であること
が示されている。

【００１３】

【発明の効果】本願発明は、上記の構成を有するフレキ
シブル導波管であるので、上記従来の問題点を解決し、
長さ方向の伸縮、又は伝送系の中心線が傾いている場合
にも適応し、かつ伝導損失の少ないフレキシブル導波管
を提供することができた。又、構造が複雑でないので製
造上の困難もない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明の実施例を示す縦断面図。

【図２】第１図の右側面図。

【図３】本願発明の他の実施例を示す縦断面図。

【図４】本願発明の他の実施例を示す縦断面図。

【図５】本願発明の他の実施例を示す縦断面図。

【図６】実施例における寸法を説明する図。

【図７】実施例におけるＶＳＷＲ特性を示す図。

【符号の説明】

１インナー導波管２、３導波管４、５バネ２１、２２、３１、３２導波管の接続部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】伝送系に使用する導波管を伝送方向で分
割し、その分割部分において該導波管の口径寸法より小
さい外径寸法のインナー導波管を該導波管の内部に挿入
し、インナー導波管の両端部に、該導波管の内面と常に
接触するバネを設けたことを特徴とするスライド式フレ
キシブル導波管。
【請求項２】伝送系に使用する導波管を両端に配置
し、該導波管の口径寸法より小さい外径寸法のインナー
導波管を該両端において該導波管の内部に挿入し、イン
ナー導波管の両端部に該導波管の内面と常に接触するバ
ネを設けたことを特徴とするスライド式フレキシブル導
波管。
【請求項３】インナー導波管の長さを伝送系の管内波
長のほぼ２分の１にした請求項１又は２記載のスライド
式フレキシブル導波管。
【請求項４】バネは、インナー導波管の外周にわたっ
て設けられた請求項１又は２記載のスライド式フレキシ
ブル導波管。
【請求項５】バネは、クシ型の構造を有する請求項４
記載のスライド式フレキシブル導波管。