JPH08288197A - 位置検出方法、及び位置検出装置 - Google Patents

位置検出方法、及び位置検出装置

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JPH08288197A
JPH08288197A JP7088985A JP8898595A JPH08288197A JP H08288197 A JPH08288197 A JP H08288197A JP 7088985 A JP7088985 A JP 7088985A JP 8898595 A JP8898595 A JP 8898595A JP H08288197 A JPH08288197 A JP H08288197A
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light
wavelength
grating
photoelectric
beams
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JP7088985A
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Naomasa Shiraishi
直正 白石
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Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】基板上の回折格子マークの位置を検出する際、
そのマークの振幅反射率の影響による精度劣化を低減す
る。 【構成】基板上の回折格子マークを照明する送光ビーム
を互いに異なる複数の波長成分の夫々に時分割的に順次
切り換え、各波長成分の送光ビーム毎に格子マークから
の回折光を光電検出し、各波長成分毎に個別に格子マー
クの位置、又は位置ずれを算出した後、各波長成分毎の
位置(又は位置ずれ量)を各波長成分の光電信号の振幅
に応じて加重平均化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体素子等を
製造する際にマスクパターンを感光性の基板上に露光す
るフォトリソグラフィ工程で使用される露光装置に適用
されるマスクパターンと感光性基板の相対的な位置合わ
せ技術に関し、特に感光基板上のマークパターンの検出
技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体素子、液晶表示素子又は薄
膜磁気ヘッド等を製造するためのフォトリソグラフィ工
程では、転写用のパターンが形成されたフォトマスク又
はレチクル(以下、まとめて「レチクル」という)の像
を、投影光学系を介した投影露光法あるいはプロキシミ
ティ露光法により、フォトレジストが塗布されたウエハ
(又はガラスプレート等の感光基板)上に転写する露光
装置が使用されている。
【0003】このような露光装置においては、露光に先
立ってレチクルとウエハとの位置合わせ(アライメン
ト)を高精度に行う必要がある。このアライメントを行
うために、ウエハ上には以前の工程で露光転写されてエ
ッチング形成された位置検出用マーク(アライメントマ
−ク)が形成されており、このアライメントマ−クの位
置を検出することで、ウエハ全体またはウエハ上の回路
パターン領域の正確な位置を検出することができる。
【0004】近年、ウェハ(又はレチクル)上のアライ
メントマークを1次元、又は2次元の格子状にし、その
格子マーク上にピッチ方向に対称的に傾斜した2つのコ
ヒーレントビームを投射し、格子マークから同一方向に
発生する2つの回折光成分を干渉させて格子マークのピ
ッチ方向の位置や位置ずれを検出する方法が、例えば
(A)特開昭61−208220号公報、(B)特開昭
61−215905号公報等で提案された。このうち公
報(A)は2つの対称的なコヒーレントビームの周波数
を同一にしたホモダイン方式を開示し、公報(B)は2
つの対称的なコヒーレントビームの間に一定の周波数差
を持たせたヘテロダイン方式を開示している。
【0005】さらにヘテロダイン方式の位置検出装置を
縮小投影露光装置内のTTR(スルーザレチクル)アラ
イメント系やTTL(スルーザレンズ)アライメント系
に適用したものが、(C)特開平2−227602号公
報、(D)特開平3−2504号公報等で提案されてい
る。これら公報(C)、(D)に開示されたヘテロダイ
ン方式では、2つの音響光学変調素子(AOM)にHe
−Neレーザビームを同時に入射させ、各AOMを例え
ば25KHz程度の周波数差を持つ高周波駆動信号(一
方が80MHz、他方が79.975MHz)で駆動
し、各AOMから射出される回折ビームの間に25KH
zの周波数差を与えている。そしてそれら2つの回折ビ
ームを、ウェハ上、又はレチクル上の格子マークに所定
の交差角で照射するための一対の送光(照明)ビームと
している。
【0006】またヘテロダイン方式では、2つの送光ビ
ーム間の周波数差(25KHz)を基準交流信号とし、
格子マークから発生した2つの回折光成分の干渉光(ビ
ート光)を光電検出した信号と基準交流信号との位相差
を計測し、それを格子マークのピッチ方向に関する基準
点からの位置ずれ量として検出している。以上のような
ヘテロダイン方式では、格子マークを照明する2つの送
光ビームの単色性が良好な程、位置ずれの検出精度や分
解能が向上し、ナノ・メータオーダの位置検出、位置合
わせが可能となる。しかしながら2つの送光ビームの単
色性が良好ということは、格子マークから発生する各種
回折光間の波長オーダの位相が格子マークの非対称性や
レジスト層等に応じて敏感に変化し易いことを意味す
る。
【0007】このうちレジスト層による影響は、露光装
置におけるウェハアライメント時の宿命的な問題であ
り、マーク部分のレジストを局所的に除去するという特
別な手法を併用しない限り、又は光学的なマーク検出手
法を断念しない限り避けては通れない問題である。 そ
こで、レジスト層による影響、あるいはマークの断面形
状の非対称性による影響を低減してより正確な位置検出
を可能としたヘテロダイン方式が(E)特開平6−82
215号公報によって提案された。その公報(E)には
波長が異なる複数のビームまたは白色ビームを用い、こ
のビームを固定の回折格子に照射して得られる2つの回
折ビームを1段目のAOMに入射し、このAOMで回折
された0次ビーム、+1次回折ビーム、−1次回折ビー
ムを2段目のAOM内で交差するようにリレーすること
によって、例えば第1の波長による一対の送光ビームと
第2の波長による一対の送光ビームとを作り、それら2
組の送光ビームを同時にウェハ上の格子マークに投射す
る手法が開示されている。
【0008】この際、格子マークから発生して光電検出
される干渉ビート光には第1の波長成分と第2の波長成
分とが含まれるが、それらは光電素子の受光面上で光量
として加算された形で光電検出される。このため、レジ
スト層の薄膜干渉の影響またはマーク断面形状の非対称
性の影響による各波長成分毎の干渉ビート光の相互位相
差が強度的に平均化され、より正確な位置検出が可能に
なるのである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ように位置検出に使用する照明光束を複数の波長または
所定の波長帯域幅を有するビームにし、格子マークから
発生する複数の波長成分を含む干渉光を同一の光電素子
で同時に受光する場合、照明光束の中に強度の高い波長
成分があると、格子マークからの干渉光もその波長成分
のところで強められ、平均化効果を得る上で問題となる
ことがある。さらに、照明光束中の各波長成分が仮に同
じ強度であったとしても、ウェハ等の感光基板の表面状
態(レジストの厚みむら、格子マークの非対称性の程度
等)によっては、格子マークからの干渉光の各波長成分
毎の強度に大きな差が生じることも起こり得る。
【0010】このため、格子マークから発生した複数の
波長成分を含む干渉光を単一の光電素子で受光しても、
基板の表面状態によっては必ずしも良好な位置検出精度
を得られない場合が生じ得る。そこで本発明は上述の問
題を解決し、ウェハ等の基板の表面状態に影響され難い
位置検出方法、又は装置を提供することを目的とする。
さらに本発明は、複数の波長成分を含む照明光束で格子
パターン(マーク)を照明した場合でも、波長成分毎の
光強度の差に影響され難い位置検出方法、又は装置を提
供することを目的とする。さらに本発明は、複数の波長
成分を含む照明光束を基板上の格子パターンに照射して
格子パターンの位置を計測する際、基板表面の状態に依
存した格子パターンの位置計測誤差を低減した高精度な
位置合わせ(アライメント)装置を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、位置検出すべ
き基板(ウエハW、又はフィデューシャル板FG)上に
形成された回折格子(MG)に照明光を投射し、回折格
子(MG)からの回折光を光電検出することによって基
板の位置を検出する方法、または装置に適用される。
【0012】そこで図5を参照して本発明の構成を概略
的に説明すると、まず回折格子(MG)に互いに異なる
中心波長(λ1 、λ2 )の複数の照明ビーム(基準格子
RGで回折されたビーム±D11、±D22)のうちの1つ
を順次切り換えて時分割的に投射し、回折格子(MG)
から各波長成分毎の複数の回折ビームを順次発生させ
る。
【0013】そして発生した複数の回折ビームのうち第
1の波長成分(λ1 )から成る互いに2の次数差(+1
次と−1次、又は0次と2次)を有する2つの回折ビー
ムの干渉によって作られる第1の干渉ビーム(Bm1)
と、第2の波長成分(λ2 )から成る互いに2の次数差
(+1次と−1次、又は0次と2次)を有する2つの回
折ビームの干渉によって作られる第2の干渉ビーム(B
m2)とを順次光電素子(DT0 )で受光する。
【0014】図5では、結像光学系を成すレンズ系G
1、G2のフーリエ変換面EPの中央に配置された小ミ
ラーMR2 に向かって戻って来る干渉ビームBMが、基
準格子RGを照射する光源からのビームLB1 、LB2
の切り換えに応答して、波長成分λ1 の第1の干渉ビー
ムBm1と波長成分λ2 の第2の干渉ビームBm2のいずれ
かになっている。
【0015】そして次に、光電素子(DT0 )が第1の
干渉ビーム(Bm1)を受光しているときに出力された光
電信号(Im1)に基づいて回折格子(MG)の周期方向
に関する第1の位置情報(ΔX1 )を回路ユニットCU
3 で算出し、光電素子(DT0 )が第2の干渉ビーム
(Bm2)を受光しているときに出力される光電信号(I
m2)に基づいて回折格子(MG)の周期方向に関する第
2の位置情報(ΔX2 )を回路ユニットCU4 でを算出
する。 そして最後に、各光電信号(Im1)、(Im2)
の振幅値(図5では基準格子RGを時分割に照明する波
長λ1 のビームLB1 、波長λ2 のビームLB2 の一部
の光量を検出する光電素子DT1 の信号を利用)に応じ
た重み係数(C1 、C2 )を付加して第1の位置情報と
第2の位置情報とを回路ユニットCU5 により加重平均
演算することによって回折格子(MG)の位置、または
位置ずれ量を確定するようにした。
【0016】
【作用】一般にウエハ等の表面に形成される位置合せ
用、位置計測用のマークは、その表面に微少な段差を持
って作られるが、半導体加工工程上のエッチングやスパ
ッター等のウエハプロセス、あるいはフォトレジスト層
の塗布ムラによって多少の非対称性を有している。その
非対称性はマーク位置検出時の精度低下を招く。
【0017】格子マークから発生した2つの回折光の相
互干渉光を光電検出し、その光電信号を利用する干渉式
アライメント法においては、格子マークの非対称性はマ
ーク自体の振幅反射率の非対称性となって位置検出精度
の劣化に作用する。すなわち、格子マークを構成するラ
インの溝底部の深さ等が格子ピッチ方向に差を持った
り、レジスト層の厚みに部分的な差があった場合、マー
ク自体の振幅反射率の絶対値と位相とは、溝底部の深さ
やレジスト厚の変化に応じて非対称になる。この結果、
格子マークから発生する回折光も例えば0次光に対して
右方向に発生する正の次数と左方向に発生する負の次数
とで強度や位相が異なったものになってしまう。このう
ち強度の差は位置検出精度の劣化にほとんど寄与しない
が、位相の変化は位置検出精度に大きな影響を与える。
【0018】ところで格子マーク自体の振幅反射率は、
マークの深さやレジスト厚だけでなく、照明光(検出
光)の波長によっても大きく変動する。検出光の波長を
複数(又はブロードバンド)にすると、各波長成分毎に
マーク自体の振幅反射率が異なり、位置検出結果も異な
ったものとなる。そこで、種々のマーク条件のもとでマ
ーク自体の振幅反射率を想定することにより位置検出精
度をシミュレーションすることができる。
【0019】本願発明は、特定の波長のみを含む照明光
によって格子マークを照射し、その格子マークから発生
する回折光を光電検出する場合、光電信号の強度(照明
光束と格子マークの相対走査に伴う信号変化の振幅)が
極端に小さくなると、総じて位置検出精度も悪化すると
いうシミュレーション上の結果に基づいて着想されたも
のである。
【0020】そのシミュレーション結果から、本発明で
は、単一波長の照明光を用いたときに光電信号の振幅が
極端に小さくなるような格子マーク条件であっても、別
の波長の照明光を併用した波長毎の位置検出結果を加重
平均することで位置検出精度の極端な悪化を防止するよ
うにしたのである。そこで、従来のように単一波長の照
明光を用いたヘテロダイン方式での位置検出精度のシミ
ュレーション結果を図1、図2を参照して説明する。こ
のシミュレーションは、レジスト層で被覆されたウエハ
上の格子マークに対称的な2方向から一定の周波数差を
もつ一対のコヒーレントビームを照射する場合を想定
し、格子マークから垂直に発生した±1次回折光の相互
干渉光、すなわち干渉ビート光の状態(振幅、位相等)
を波長を変化させて観察することで得たものである。
【0021】図2は、シミュレーションで想定したウエ
ハ等の1次元格子MGとその表面に塗布されたレジスト
層PRとの部分拡大断面を模式的に表したものである。
ここで、格子MGのピッチPmgは8μm、デューティは
1:1、溝の段差(又は深さ)T2 は0.7μmに設定
され、格子MGのボトム部にはピッチ方向のテーパー
(傾き)ΔSとして0.1%の非対称性を設定した。こ
のような格子MGを覆うレジスト層PRは、格子MGの
トップ部の表面からの厚さT1 を0.9μmとし、格子
MGの各ボトム部の位置に対応したレジスト層表面での
へこみ量ΔTがΔT=0.3T2 (0.21μm)とな
るように仮定した。このような図2の格子構造のことを
振幅反射率が非対称な格子と呼ぶ。
【0022】図1は、横軸に照明光または±1次回折光
を合成した干渉光の波長λ(μm)を取り、縦軸にその
干渉光の光量変化に応じた信号の変化分(交流成分)の
相対的な振幅と位置検出の誤差量(μm)とを取ったも
のである。この図1のシミュレーション結果では、ヘテ
ロダイン方式で受光した干渉光に応じた光電信号の交流
成分が丁度零、すなわち直流成分のみになる波長λをH
e−Neレーザの波長0.663μmに合わせるよう
に、図2の格子マーク構造とレジスト層の条件を設定し
た。
【0023】これから明らかなように、波長0.663
μmのレーザ光を使うと、その波長近傍(±20nm程
度)ではマーク位置の検出誤差が非常に大きくなること
がわかる。これはヘテロダイン方式では当然のことで、
位相差計測すべき光電信号にビート周波数に応じた交流
成分がまったく含まれていなければ、位相差計測自体が
不能になるからである。このことは、同じ条件の格子マ
ーク構造とレジスト層のもとで、ホモダイン方式で位置
検出する場合も全く同じである。
【0024】そこで、図2のような条件下でも、波長λ
が0.670μm又は0.725μm程度の半導体レー
ザを照明ビームにすると、マーク位置の検出誤差を十分
に小さく押さえることができる。このことから、He−
Neレーザと半導体レーザ等のように波長が異なる2色
以上の照明ビームを用い、信号の変化分(交流成分)の
振幅が大きい方の波長のビーム照射のもとで検出された
マーク位置(又は位置ずれ量)を重視(選択、又は重み
付け)することが有効となる。
【0025】あるいは、特定の一方向に進む2つの1次
回折光の干渉光のみを検出するのではなく、別な方向に
進む0次光と2次回折光との干渉光を光電検出し、その
信号に基づいて決定されたマーク位置も考慮するという
方法もある。図3は、回折格子マークMGに波長λ1 の
2つの照射ビーム±L1 と波長λ2の2つの照射ビーム
±L2 とをそれぞれ対称的に入射し、格子マークMG上
に波長λ1 とλ2 とで同一の強度分布のピッチPifを持
つ干渉縞が生成されるビーム入射条件とした上で、格子
マークMGのピッチPmgをPmg=2Pifの関係にしたと
きの0次光、±1次、±2次の各回折光の発生を示した
ものである。
【0026】図3で格子マークMGと垂直に進む1次回
折光±D1nの干渉ビームBMには波長λ1 、λ2 の両方
の成分が含まれている。そして0次光(正規反射光)
は、ビーム±L1 と±L2 とで入射角がわずかに異なる
ために、それぞれのビーム±L1 、±L2 に対応して±
D01、±D02の4本が互いに異なる方向に進む。ここで
D01、D02の添字の1項目は回折次数を表し、2項目は
波長(λ1 、λ2 )を表す。
【0027】さて、ビーム+L1 の照射によって発生し
た2次光−D21はビーム+L1 の光路を逆進する方向に
進み、ビーム−L1 の0次光+D01と干渉する。同様
に、他の2次光+D21、−D22、+D22もそれぞれ対応
する0次光−D01、+D02、−D02と同一方向に進む。
これら0次光と2次光との干渉光も、±1次光の干渉ビ
ームBMと同様に、格子MGと干渉縞との相対変位に応
じて強度変化する。
【0028】そこで、波長λ1 のみに着目して考えてみ
ると、1次成分(1次光±D11の干渉ビームBM)を光
電検出してマークの位置(又は位置ずれ)を求めるとと
もに、2つの2次成分(0次光+D01と2次光−D21の
干渉光と0次光−D01と2次光+D21の干渉光)の夫々
を光電検出し、2つの2次成分の夫々の信号を使って個
別に求められたマーク位置を平均した値をマークの位置
として求める。そして1次成分の信号の振幅値と2次成
分の各信号の振幅の平均値との大小関係に応じて、1次
成分を使って検出されたマーク位置と2次成分を使って
検出されたマーク位置とのいずれか一方を選択したり、
重み付け平均を行う等の方法が有効となる。
【0029】このように、マーク検出に使う回折光の次
数を変えるのは、次数に応じて格子MGから発生する回
折光の方向が異なるため、ある方向に進む次数成分の干
渉光の強度変化の振幅が小さくなって検出精度が悪化す
る場合でも、別の方向に進む次数成分の干渉光の強度変
化の振幅はそれ程小さくならず、検出精度を悪化させな
いことがあるからである。
【0030】このことは図4に示したシュミレーション
結果からも確かめられる。図4は、波長0.633μm
のHe−Neレーザを照射ビームとし、図2中の格子M
Gの段差T2 をパラメータとした信号の変化分(交流成
分)の振幅と位置検出誤差との関係のシミュレーション
グラフであり、ピッチPmg=8μm、デューティ1:
1、テーパー量ΔS=0.1%はそのままでレジスト層
PRの格子のトップ面での厚さT1 を1.15μmとし
たものである。そして、図4(A)は1次成分(1次光
±D11)の干渉ビームBMの場合のシミュレーションで
あり、図4(B)は2次成分(0次光±D01と2次回折
光±D21)の干渉光の場合のシミュレーションである。
【0031】この図4(A)、(B)から理解されるよ
うに、1次成分、2次成分の各干渉光を光電検出して得
られた信号の振幅成分は、格子マークの形状(段差T2
)の微妙な変化に応じて大きく変化する。例えば図4
(A)中で、格子の段差T2 が0.86μmのとき、1
次成分の干渉光の強度変化の振幅は極めて小さくなり、
その結果位置検出誤差も急激に大きくなっている。しか
しながら、図4(B)中で段差T2 が0.86μmのと
ころを見てみると、2次成分の干渉光の強度変化は比較
的大きく、位置検出誤差の悪化は少ない。尚、図4
(A)、(B)中の信号の変化分の振幅はいずれも相対
値として表してあるが、そのスケールは図4(A)と
(B)とで合わせてある。
【0032】このように、1次成分の干渉光を使った格
子マークの位置検出と2次成分の干渉光を使った格子マ
ークの位置検出とを併用し、そのいずれかの一方の結果
を採用するようなアルゴリズムを用いる場合も、先の図
1のシミュレーションから明らかなように、波長依存性
を利用して複数の波長成分の照明光で得られた検出位置
(又は位置ずれ)を加重平均することが良い。
【0033】以上のように、検出光の波長を複数とし、
各波長成分毎に得られるマーク位置情報を平均化するこ
とによって従来よりも高精度な位置検出が可能となる。
また図1に示した通り、ある波長の回折光(干渉光)の
光量信号の変化分(交流成分)の振幅が小さいと、その
波長の回折光を用いた位置検出精度も劣化する確率が高
いというシミュレーション結果も得られている。そこで
複数の波長成分の回折光(干渉光)を検出する際、各波
長成分毎に検出されたマーク位置を、信号の変化分の振
幅が小さいものには小さい重みを、そして振幅が大きい
ものには大きい重みを掛けて平均化する。 このように
すると、大きな誤差を含んでいる確率の高い波長成分の
回折光を用いたマーク位置の検出結果には自動的に小さ
な重みしかかからず、最終的なマーク位置検出結果もそ
れなりに精度が維持される。また2次成分(0次光と2
次回折光の干渉光)の信号を検出する場合も、各波長成
分毎に光電検出して得られた信号を使ってマーク位置を
個別に求めるので、回折光(干渉光)の受光時に後述す
るような各波長の相殺効果によってマーク位置が検出で
きなくなるおそれが全くない。
【0034】さらに本発明では、格子マーク検出の際に
各波長毎の送光ビームを1波長ずつ順次切り換えて照射
するようにしたため、1次成分による干渉光を光電検出
する光電素子や2次成分による干渉光を光電検出する光
電素子を各波長成分毎に複数組設けておく必要がなく、
また干渉光を各波長成分毎に弁別するための波長選択手
段も省略できる。
【0035】
【実施例】図5は、本発明の第1の実施例による位置検
出装置の構成を示し、ここでは2つの回折格子RG、M
Gの間のピッチ方向(X方向とする)の相対的な位置ず
れ量をホモダイン方式で計測する場合を例示する。照明
光束としてのビームLB1、LB2 は、それぞれ異なる
レーザ光源から互いに異なる波長λ1 、λ2 で射出さ
れ、同軸になるように光軸調整された後、時分割に切り
換えられてビームスプリッタBS、ミラーMR1 を介し
て格子RGに垂直に照射される。
【0036】ビームスプリッタBSはビームLB1 、L
B2 の一部分(数%程度)のビームBr1 、Br2 を振
幅分割して光電素子DT1 に導く。この光電素子DT1
は、主照明ビームLB1 、LB2 の照射によって波長λ
1 のビームBr1 を受光しているときは、その強度値を
表す光電信号Ir1を出力し、主照明ビームLB2 の照射
によって波長λ2 のビームBr2 を受光しているとき
は、その強度値を表す光電信号Ir2を出力する。
【0037】さて、格子RGからはビームLB1 、LB
2 (平行光束)の照射によって、複数の回折光束が発生
するが、格子RGを透過型のデューティ1:1の1次元
格子とし、そのピッチ方向が図5の紙面内の左右方向だ
とすると、それら回折光束(回折ビーム)の夫々は図5
の紙面内で所定の回折角をもって曲げられる。図5で
は、それら回折ビームとして波長λ1 のビームLB1 か
ら生成された1次回折ビーム+D11、−D11、波長λ2
のビームLB2 から生成された1次回折ビーム+D12、
−D12、及び0次ビームD0 を示してある。もちろん、
各波長のビームLB1 、LB2 毎に、それ以上の高次回
折光も発生するが、ここでは説明を簡略化するために1
次回折ビームのみを図示した。
【0038】さて、各回折ビームは前群レンズ系G1と
後群レンズ系G2に分かれた結像光学系に入射する。格
子RGが前群レンズ系G1の前側焦点距離f1aの位置に
配置され、前群レンズ系G1の後側焦点距離f1bの位置
と後群レンズ系G2の前側焦点距離f2bの位置とがほぼ
一致してフーリエ変換面EPが形成されていると、各1
次回折ビームは後群レンズ系G2の後側焦点距離f2aの
位置で交差(結像)する。ただし、レンズ系G1、G2
は2つの波長λ1 、λ2 に対して色収差が補正されてい
るものとする。
【0039】図5では、フーリエ変換面(瞳面)EPの
中央には小さなミラーMR2 が固定され、このミラーM
R2 によって格子RGからの0次ビームD0 は遮光さ
れ、後群レンズ系G2へ入射することが阻止される。ま
た各1次回折ビームは格子RGから射出するときは、ビ
ームLB1 、LB2 と同様に平行光束になっているが、
前群レンズ系G1の作用でフーリエ変換面EPの位置で
ビームウエストとなって収れんする。
【0040】ここで、格子RGのピッチをPrgとする
と、波長λ1 のビームLB1 によって発生した1次回折
ビーム±D11の回折角(0次ビームD0 に対する角度)
θ1 と波長λ2 のビームLB2 によって発生した1次回
折ビーム±D12の回折角θ2 はそれぞれ以下の式で表さ
れる。 sin θ1 =λ1 /Prg (1) sin θ2 =λ2 /Prg (2) ここでλ1 <λ2 とするとθ1 <θ2 になり、図5に示
したようにフーリエ変換面EPにおいて、1次回折ビー
ム±D11の方が1次回折ビーム±D12の内側(0次ビー
ムD0 側)を通る。
【0041】さて各1次回折ビームは、後群レンズG2
を介して物体側に凹凸形状で形成された被計測用の反射
型格子MG上でそれぞれ平行光束となって重畳する。こ
のとき、格子MGのピッチ方向もX方向に一致してお
り、格子MG上には1次回折ビーム±D11の2光束干渉
による波長λ1 の1次元干渉縞(ピッチ方向はX方
向)、あるいは1次回折ビーム±D12の2光束干渉によ
る波長λ2 の1次元干渉縞(ピッチ方向はX方向)のい
ずれかが生成される。
【0042】このとき、波長λ1 の光と波長λ2 の光は
互いに異なる波長であるため、仮に2つの主照明ビーム
LB1 、LB2 を同時に照射しても1次回折ビーム±D
11と±D12の間では干渉がおこらない。そして重要なこ
とは、1次回折ビーム±D11によって生成された波長λ
1 の干渉縞と1次回折ビーム±D12によって生成された
波長λ2 の干渉縞とは、そのピッチがまったく同一であ
たかも単一の干渉縞として現れることである。
【0043】その干渉縞の強度分布のピッチPifは格子
RGのピッチPrgと結像光学系(G1、G2)の倍率M
によって決まり、Pif=M・Prg/2で表される。例え
ばピッチPrgを4μm、倍率Mを1/4(格子RGのパ
ターンサイズが格子MG側で1/4に縮小される)にす
ると、干渉縞のピッチPifは0.5μmとなる。ここで
被計測用の格子MGのピッチPmgをPmg=2Pifの関
係、すなわちPmg=M・Prgの関係に定めると、格子M
Gからは1次回折ビーム±D11を送光ビームとした再回
折光が発生する。
【0044】例えば、1次回折ビーム+D11を送光ビー
ムとして格子MGから発生する1つの再回折光は、格子
MGから垂直に進む−1次回折光(波長λ1 )であり、
1次回折ビーム−D11を送光ビームとして格子MGから
発生する1つの再回折光は格子MGから垂直に進む+1
次回折光(波長λ1 )である。これら垂直に進む波長λ
1 の±1次回折光は相互の位相状態に応じた干渉強度を
もち、干渉ビームBM(Bm1)となってミラーMR2 へ
達する。
【0045】また、格子MGからは1次回折ビーム±D
12を送光ビームとした再回折光も発生するが、1次回折
ビーム+D12の照射により格子MGから発生する−1次
回折光(波長λ2 )は格子MGから垂直に進み、1次回
折ビーム−D12の照射により格子MGから発生する+1
次回折光(波長λ2 )も格子MGから垂直に進む。これ
ら垂直に進む波長λ2 の±1次回折光も相互の位相状態
に応じた干渉強度をもち、干渉ビームBM(Bm2)とな
ってミラーMR2 へ達する。すなわち干渉ビームBM
は、主照明ビームLB1 、LB2 の切り換えに応答して
波長λ1 の干渉ビームBm1か波長λ2 の干渉ビームBm2
のいずれかになる。 その干渉ビームBMは、ミラーM
R2 で反射されて光電検出系を構成するレンズ系G3を
介して光電素子DT0 に達する。
【0046】光電素子DT0 は、主照明ビームLB1 が
照射されている間に出力される光電信号を、干渉ビーム
Bm1の強度に応じたレベルの光電信号Im1として回路ユ
ニットCU1 とCU3 に出力し、主照明ビームLB2 が
照射されている間に出力される光電信号を、干渉ビーム
Bm2の強度に応じたレベルの光電信号Im2として回路ユ
ニットCU2 とCU4 に出力する。
【0047】尚、図5では信号処理回路の機能を説明し
易くするために、回路ユニットCU1 とCU2 を別けて
図示し、回路ユニットCU3 とCU4 を別けて図示した
が、実際の回路構成の上では主照明ビームLB1 、LB
2 が時分割的に切り換えられるので、回路ユニットCU
1 、CU2 のいずれか一方と回路ユニットCU3 、CU
4 のいずれか一方とがあればよい。
【0048】その回路ユニットCU1 は光電素子DT1
からの信号Ir1と光電信号Im1の振幅値との比C1 をI
m1/Ir1の演算によって求め、回路ユニットCU2 は光
電素子DT1 からの信号Ir2と光電信号Im2の振幅値と
の比C2 をIm2/Ir2の演算によって求める。これらの
比C1 、C2 のデータは後で述べる加重平均を計算する
回路ユニットCU5 に出力される。
【0049】さて本実施例ではホモダイン方式を採用し
たので、干渉ビームBm1、Bm2の強度は格子RGとMG
のX方向の相対位置変化に応じて変化し、仮に格子R
G、MGがある状態で静止していると信号Im1、Im2の
レベルはそれぞれある一定値を取り続ける。そこで格子
RGによって生成された格子MG上の干渉縞と格子MG
とをX方向に一定量(干渉縞のピッチPif分以上)だけ
相対走査させ、その間に生じる信号Im1、Im2の正弦波
状のレベル変化におけるピーク値とボトム値をサンプリ
ングし、その差値を振幅値としてそれぞれ回路ユニット
CU1 、CU2 の演算に使うようにする。
【0050】そこで、図6を参照して干渉縞と格子MG
との位置関係の変化に応じた信号Im1(Im2も同様)の
変化を説明する。図6(A)、(B)、(C)でピッチ
Pifの干渉縞は2光束干渉であるためきれいな正弦波状
の強度分布を有し、格子MGのピッチPmgに対してPmg
=2Pifに設定されている。図6(A)、(B)、
(C)の順に干渉縞が格子MGに対して右方向に移動し
ていくと、図6(D)のように信号Im1のレベルは正弦
波状に変化する。図6(B)のように干渉縞の各ピーク
が格子MGの段差エッジと重なる位置で信号Im1は点B
のようにボトムレベルとなる。ここで図6(D)中の点
Aのレベルは図6(A)の位置関係の場合を表し、点C
のレベルは図6(C)の位置関係の場合を表す。
【0051】このように信号Im1は干渉縞と格子MGと
がX方向にPmg/2だけ移動する毎に周期的にレベル変
化する。このため、予備的に干渉縞と格子MGとを微動
させない限り、検出した信号Im1のピークレベルやボト
ムレベルを求めることはできない。以上のことは信号I
m2についても同様である。信号Im2は±1次回折光の干
渉ビームBm2の強度を表すから、図6(D)中に想像線
で示したように、信号Im1のレベルと大きく異なること
はあっても、信号Im1に対する位相は極端にずれること
はない(ただし、レジストの干渉やマークの非対称性に
よって数%程度ずれることはある)。
【0052】このため干渉縞と格子MGとが静止してい
る任意の位置関係のところで信号Im1とIm2の各レベル
をサンプリングしても、理論上は回路ユニットCU1 、
CU2 による比C1 、C2 の演算は可能である。しかし
ながら、図6(D)から明らかなように、信号Im1、I
m2がピークとなる点で各レベルをサンプリングした方が
各種ノイズの問題や検出精度の点で有利となる。
【0053】一方、回路ユニットCU3 、CU4 はそれ
ぞれ信号Im1、Im2の振幅値と予め設定された関数また
は変換演算式F(Im1)、F(Im2)とに基づいて、干
渉縞と格子MGのX方向の位置ずれ量ΔX1 、ΔX2 を
演算する。この位置ずれ量ΔX1 、ΔX2 は例えば図6
(D)中の各信号Im1、Im2の特定の1つのピーク点又
はボトム点を基準(原点)として、そこから±Pmg/4
の範囲内の値として求められる。
【0054】本実施例では、主照明ビームLB1 、LB
2 を時分割的に切り換えて照射するようにしたので、主
照明ビームLB1 を照射して光電信号Im1のレベル変化
を検出するときの格子マークMG(ウェハ)のX方向の
微動開始位置と、主照明ビームLB2 を照射して光電信
号Im2のレベル変化を検出するときの格子マークMG
(ウェハ)のX方向の微動開始位置とを一致させておく
ものとする。
【0055】さらに実際の装置構成上は、格子マークM
Gを移動させる可動ステージの座標位置を格子ピッチP
mgよりも十分に分解能の高い測長装置(レーザ干渉計
等)で逐次計測するようにし、この測長装置の計測値に
基づいて可動ステージをサーボ制御して微動開始位置を
再現するようにする。またより望ましい構成としては、
そのような測長装置からの位置計測用の位置パルス(例
えば0.02μmの移動毎に1パルス)の各々に応答し
て各光電信号Im1、Im2のレベル変化をA/D変換し、
その変換されたレベルのデジタル値をアドレスと移動位
置とを対応させた波形メモリ回路(RAM等)に順次記
憶させる波形記憶手段を設けておく。
【0056】このようしておけば、記憶された波形デー
タを読み出すだけで、各信号Im1、Im2の振幅値や信号
波形上の基準点となるボトムやピークの座標位置がただ
ちに求められる。 ところで、先に述べた関数または変
換演算式F(Im1)、F(Im2)は各信号Im1、Im2が
正弦波状であることから、正弦関数または余弦関数を使
う。一例として、先に述べた信号Im1のピークレベルを
Ep1、ボトムレベルをEb1とし、検出すべき位置におけ
る信号Im1のレベルをe1 とすると、(Ep1+Eb1)/
2+{(Ep1−Eb1) sin ψ1}/2=e1を満たすラ
ジアンψ1 を求め、これをピッチPmgの値を使った以下
の交換式に代入すれば、基準点からのずれ量ΔX1 がわ
かる。
【0057】 ΔX1 =Pmg・ψ1 /4π (3) 同様にして信号Im2を使った基準点からのずれ量ΔX2
も算出され、これらのずれ量ΔX1 、ΔX2 のデータは
加重平均演算を行う回路ユニットCU5 に送られ、先に
求めた比C1 、C2 を重み係数として以下の演算を行
う。 ΔX=(C1 ・ΔX1 +C2 ・ΔX2 )/(C1 +C2 ) (4) この演算で求められたずれ量ΔXが最終的に求めるべき
格子MGの格子RGに対する位置ずれ量である。
【0058】この演算式から明らかなように、ずれ量Δ
Xは干渉ビームBM中の強度が高い方の波長成分の干渉
ビームを使った位置ずれ量の計測結果の方により多くの
重みをかけるようにして決定される。以上のように本実
施例では2つの異なる波長成分のビームLB1 、LB2
を使って各格子RG、MGを照射し、受光すべき干渉ビ
ームBMも波長別に光電検出し、各波長毎の干渉ビーム
Bm1、Bm2を使って個別に位置ずれ検出した結果を、波
長毎の受光光の振幅に応じて加重平均するようにしたの
で、より信頼性の高い位置検出結果が得られる。
【0059】以上の図5に示した信号処理系(回路ユニ
ットCU1 〜CU5 )のアルゴリズムは、以降で説明す
る他の実施例においても共通したものであり、各回路ユ
ニットの機能を実現するにあたって格別に変更、改良が
あるときは、その都度説明する。また図5に示した光学
配置で、格子RGをマスク上の格子マークとし、格子M
Gをウエハ上のマークとし、結像系G1 、G2 をマスク
パターンのウエハへの投影レンズとすれば、投影露光装
置でのアライメント装置が実現できる。
【0060】図7は第2の実施例による概略的な構成を
示し、図5中の部材やビーム等と同一機能のものには同
じ符号を付けてある。この第2の実施例では、照明用の
2つのビームLB1 、LB2 をレンズ系G4を介して結
像光学系(G1、G2)の瞳面の中央に配置されたミラ
ーMR2 に入射させ、このミラーMR2 で下へ曲げられ
たビームLB1 、LB2 を時分割的に切り換えて後群レ
ンズ系G2を介して平行光束にして格子MGに垂直に照
射する。 そして格子MGで回折した波長λ1の1次回
折ビーム±D11、または波長λ2 の1次回折ビーム±D
12をレンズ系G1、G2を通して格子RG上で交差(結
像)させる。格子RGは透過型なので、1次回折ビーム
±D11または±D12の照射によって格子RGから発生し
た再回折光のうちの±1次回折光は格子RGから垂直な
方向に結像光学系と反対側に進み、ミラーMR3 、アラ
イメント対物レンズG5、及び空間フィルタ28を介し
て干渉ビームBM(波長λ1 の干渉ビームBm1と波長λ
2 の干渉ビームBm2のいずれか一方)となって光電素子
DT0 で受光される。その他の構成(光電素子DT1 、
回路ユニットCU1 、CU2 、CU3 、CU4 、CU5
)は図5と同じである。
【0061】こうして光電素子DT0 は、主照明ビーム
LB1 、LB2 の時分割的な切り換えに応じて光電信号
Im1、Im2のいずれか一方を出力する。本実施例はビー
ムの送光と受光との関係を図5のものと逆にした構成で
あるが、この構成は格子MGを半導体ウエハに形成し、
格子RGをレチクル(マスク)に形成し、そしてレンズ
系G1、G2 をレチクルパターンの投影露光用の縮小投
影レンズにした(F)特開平3−3224号公報の装置
に適用できる。ただし、公報(F)に開示された装置で
は、投影レンズの瞳面EPに1次回折ビーム±D11、±
D12を微少量だけ屈折させる小レンズを設け、投影レン
ズで発生する色収差を補正しているが、図7の実施例を
適用するときは、互いに波長の異なる2組の1次回折ビ
ーム±D11、±D12の夫々に対して最適な補正が成され
るような小レンズ(例えば色分散の大きいフリント系の
硝材や非球面レンズ)を設ける必要がある。
【0062】以上、第2の実施例では主照明ビームLB
1 、LB2 を例えばウエハ上の格子マークMGに直接入
射するように構成したので、格子マークMGから発生す
る1次回折ビーム±D11、±D21の各強度を、図5中の
格子MGから発生する回折ビーム(干渉ビームBM)の
強度よりも総じて高めることができる。次に本発明の第
3の実施例を図8、図9、図10を参照して説明する
が、ここではホモダイン方式に代わってヘテロダイン方
式を用いる。図8において3つのレーザ光源LS1 、L
S2 、LS3 はそれぞれ異なる波長λ1 、λ2 、λ3 の
レーザビームLB1 、LB2 、LB3 を射出する。一例
として、レーザ光源LS1はλ1 =0.635μmの半
導体レーザ光源、光源LS2 はλ2 =0.690μmの
半導体レーザ光源、光源LS3 はλ3 =0.760μm
の半導体レーザ光源に設定される。
【0063】これらのレーザ光源LS1 、LS2 、LS
3 の各々には、安定化された駆動電流を供給する駆動回
路、レーザ素子の温度変化による影響を補償する補償回
路、或いは発振中心波長の変動をモニターして波長が安
定するように駆動電流をフィードバック制御する帰還制
御回路等を含むレーザ電源部が設けられている。そして
これらのレーザ電源部は、それぞれ切り換え制御回路T
SCからのシーケンシャルな信号CS1、CS2、CS3に応
答して各レーザ光源LS1 、LS2 、LS3 からのレー
ザビームの放射がOn−Offされるように制御する。
【0064】本実施例では、レーザ光源LS1 、LS2
、LS3 からのレーザビームの放射が所定の照射時間
ずつ順番に切り替わるように、後で詳述する図10中の
制御器62からのコマンド信号CQに応答して切り換え
制御回路TSCをプログラムできるようになっている。
従ってある任意の時刻においてレーザビームを発振して
いる光源は3つのレーザ光源LS1 、LS2 、LS3 の
うちの1つに限られる。尚、切り換え制御回路TSC
は、コマンド信号CQの内容に応じて各光源LS1、L
S2 、LS3 のビーム発振タイミングを何通りかに変え
ることもできる。
【0065】これら3本のビームLB1 、LB2 、LB
3 は適宜ミラーMRa 、ダイクロイックミラーDCM4
、DCM5 を介して同軸の光路を通るようにアライメ
ントされて、その3本のビームのうちのいずれか1本が
ビームLB0 としてミラーMRb で反射されて回転ラジ
アル格子板RRGに垂直に入射する。この回転格子板R
RGは一方向に等角速度で回転軸C0 の回りに高速回転
しており、回転格子板RRGによって回折される各次数
の回折光の周波数を角速度に応じて増減させる周波数シ
フターとして作用する。
【0066】図9は回転ラジアル格子板RRGの拡大斜
視図であり、ここでは回転軸C0 をXYZ座標系のZ軸
と平行に設定し、円形の格子板RRGには円周上に透過
型の位相回折格子RGが360度に渡って形成されてい
る。ビームLB0 が格子板RRGの格子RGに垂直に入
射すると、0次光D0 以外に各種の回折光が発生する。
本実施例では±1次回折光を用いてヘテロダイン方式を
実現するので、図8、図9では格子板RRGからの±1
次回折光のみを示してある。
【0067】さて、先の図5で示したのと同様に格子板
RRGの格子RGからは、波長λ1のビームLB1 の照
射時に作られる1次回折ビーム±D11、波長λ2 のビー
ムLB2 の照射時に作られる1次回折ビーム±D12、ま
たは波長λ3 のビームLB3の照射時に作られる1次回
折ビーム±D13のいずれか1組が、切り換え制御回路T
SCのシーケンシャルな駆動に応答して発生する。各波
長毎の1次回折ビーム±D1nの回折角θn は以下のよう
に表される。
【0068】sin θn =λn /Prg ここでnは波長の数を表し、Prgは格子RGのピッチを
表す。さらに1次回折ビーム±D1nは波長によらず一定
の周波数偏移Δfを受け、格子板RRGの格子RGがビ
ームLB0 を横切る速度をVとすると、Δf=V/Prg
で表される。そして+1次回折ビーム+D1nは0次光D
0 の周波数に対してΔfだけ高くなり、−1次回折ビー
ム−D1nは0次光D0 の周波数に対してΔfだけ低くな
る。このため回転格子板RRGは周波数シフターとして
作用する。
【0069】さて、3つの波長成分の1次回折ビーム±
D1n(n=1、2、3)のうちのいずれか1組からなる
送光ビーム±LFと0次光D0 は、図8に示すようにコ
リメータレンズ10により主光線が互いに平行になるよ
うに変換され、光束選択部材12に達する。この光束選
択部材12は、いわゆるフーリエ変換面に置かれる空間
フィルターとして機能し、ここでは0次光D0 が遮断さ
れ、1次回折光±D1nによる送光ビーム±LFが通過す
る。 その後、送光ビーム±LFは傾斜量が可変な平行
平板ガラスで構成された調整光学系14、16、18を
介してビームスプリッタ(ハーフミラー)20に達す
る。調整光学系14は送光ビーム+LFと送光ビーム−
LFとのフーリエ空間での間隔を変えることなく、レン
ズ10の光軸に対して偏心させる機能を有し、調整光学
系16、18は送光ビーム+LFと送光ビーム−LFと
の夫々の光軸に対する位置を個別に調整する機能を有す
る。
【0070】その送光ビーム±LFはビームスプリッタ
20で2つに分割され、一方は対物レンズ22に入射
し、他方は平行平板ガラスで構成される調整光学系24
A、24Bを介して集光レンズ(フーリエ変換レンズ)
26に入射する。一方対物レンズ22に入射した送光ビ
ーム±LFは、それぞれ平行光束となって互いに対称的
な入射角でウエハW上の格子MGを同時に照射する。こ
れによって格子MG上には、波長λ1 の送光ビーム±D
11の干渉によって作られた干渉縞、波長λ2 の送光ビー
ム±D12の干渉によって作られた干渉縞、及び波長λ3
の送光ビーム±D13によって作られた干渉縞のいずれか
1つが現れる。これらの各波長毎の干渉縞は、仮に3本
のビームLB1 、LB2 、LB3 が同時に回転格子板R
RGを照射したとすると、同一ピッチ、同一位相で重畳
して現れる。
【0071】さらに送光ビーム+LFと−LFとの間の
周波数差2・Δfのため、その干渉縞は格子MG上を一
方向に等速度で移動しているように観測される。その移
動速度は、回転ラジアル格子板RRGの格子RGの速度
Vに比例している。また周波数差2・Δfと関連して、
切り換え制御回路TSCによる3つの光源LS1 、LS
2 、LS3 の各々の点灯時間は周波数差2Δf(ビート
周波数)の周期よりも十分長く、例えば100倍程度以
上に設定される。例えば周波数差2Δfが10KHz
(周期0.1mS)であるとすると、3つの光源LS1
、LS2 、LS3の各々の点灯時間は10mS以上が望
ましい。
【0072】なお、図8から明らかなように、ウエハW
表面(格子MG)とラジアル格子板RRGとは、コリメ
ータレンズ10と対物レンズ22との合成系によって互
いに共役(結像関係)になるように配置されている。そ
のためラジアル格子板RRGの格子RGの±1次回折光
による回折像が、ウエハWの格子MG上に形成される
が、0次光D0 が遮へいされているため格子RGのピッ
チの1/2の回折像(干渉縞強度分布)が形成される。
そして、その干渉縞のウエハW上でのピッチPifは先の
実施例と同様に格子MGのピッチPmgの1/2に設定さ
れている。
【0073】以上のような関係を満たすとき、送光ビー
ム±LFの照射によって格子MGから1次回折光が垂直
に発生する。すなわち送光ビーム+LFの照射によって
垂直に発生した1次回折光と、送光ビーム−LFの照射
によって垂直に発生した1次回折光とが干渉した干渉ビ
ームBM(波長λ1 の干渉ビームBm1、波長λ2 の干渉
ビームBm2、波長λ3 の干渉ビームBm3のいずれか1
つ)が発生する。この干渉ビームBMは周波数2Δfで
強度変調されたビート光となっている。
【0074】このように、±1次回折光(干渉ビームB
M)を同一方向に発生させるために、別の見方をすれば
対物レンズ22の焦点距離をFo として各波長毎の送光
ビーム±LFのフーリエ変換面上での光軸からの間隔D
Ln を、 DLn =Fo ・sin θn =±Fo ・λn /Pmg(n=
1、2、3) に設定すればよい。このような各波長毎の間隔DLn の
設定は、回転ラジアル格子板RRGの格子RGのピッチ
やコリメータレンズ10の焦点距離を適当に定めること
で調整可能である。
【0075】またウエハW上に形成される干渉縞はラジ
アル格子板RRGの格子RGの回折像として結像されて
いるため、原理的には3つの波長λ1 、λ2 、λ3 のう
ちの1つの波長成分による干渉縞のピッチとウエハWの
格子マークMGのピッチとが整数倍の関係になっていれ
ば、他の波長成分による干渉縞のピッチも自ずとその関
係になっている筈であり、さらに各波長成分毎の干渉縞
も光源からのビームLB1 、LB2 、LB3 が同時に照
射されると完全に合致して相互に位相ずれ、位置ずれを
起こしていない筈である。
【0076】しかしながら、実際には対物レンズ22、
コリメータレンズ10等の光学系の色収差の程度に応じ
て、各波長成分毎の干渉縞は相互に位置ずれ、位相ず
れ、及びピッチずれを起こしてしまう。そこでこのよう
なずれを補正するために、図8中の調整光学系14、1
6、18を用いる。これらの光学系14、16、18は
平行平板ガラスで構成され、その材料として色分散の大
きいものを用いると、各波長成分毎にウエハW上に形成
される干渉縞の相互の位置ずれや位相ずれを微小に変化
させることができる。あるいは調整光学系14、16、
18として、色分散の小さい平行平板ガラス(例えば、
14)と色分散の大きい平行平板ガラス(例えば16、
18)とを組み合わせ、色分散の大きい平行平板ガラス
の傾き調整で各波長成分毎の干渉縞の相互の関係を補正
し、その補正によって生じる送光ビーム±LFのウエハ
上での全体的な傾き誤差(テレセン誤差)に関しては、
色分散の小さい平行平板ガラスの傾き調整で補正するこ
とができる。
【0077】さて、以上のような干渉縞の照射によって
格子MGから垂直に発生した干渉ビームBMは、対物レ
ンズ22、ビームスプリッタ20を通過して空間フィル
ター28に達する。この空間フィルター28は対物レン
ズ22に関するフーリエ変換面、またはその近傍に配置
され、本実施例では干渉ビームBM(±1次回折光)の
みを透過させる開口を有している。そして空間フィルタ
ー28を透過した干渉ビームBMはレンズ系(フーリエ
変換レンズ)30で平行光束に変換された後、ミラー3
2で反射されて光電素子DT0 に受光される。
【0078】この光電素子DT0 は、先の図5、7中の
光電素子DT0 と同じ機能を有し、ただ受光すべき干渉
ビームBm1、Bm2、Bm3の夫々がビート周波数2・Δf
で強度変調されている点で異なるだけである。従って光
電素子DT0 から出力される光電信号Imnは、格子マー
クMGからの干渉ビームBMが存在する間、すなわち3
つの光源LS1 、LS2 、LS3 のどれかがビームを照
射している間、いずれもビート周波数2Δfと同じ周波
数で正弦波状にレベル変化する波形となる。
【0079】一方、ビームスプリッタ20を透過して平
行平板ガラス等で構成される調整光学系24A、24B
を介して集光レンズ26に入射した送光ビーム±LF
(1次ビーム±D11、±D12、±D13のいずれか1組)
は、透過型の参照格子SG上に重畳して照射される。こ
こでも参照格子SGはコリメータレンズ10と集光レン
ズ26との合成系に関して回転ラジアル格子板RRGと
共役に配置される。このため参照格子SG上にも送光ビ
ーム±LFの2光束干渉による1次元の干渉縞が形成さ
れ、それはビート周波数2Δfに対応した速度で移動す
る。
【0080】尚、調整光学系24A、24Bは、各波長
成分毎に参照格子SG上に生成される干渉縞が集光レン
ズ26の色収差のために相互に位置ずれやピッチずれを
生じないように補償するものである。そこで参照格子S
Gのピッチとその干渉縞のピッチとを適当に定めると、
参照格子SGから発生した±1次回折光が同一方向に干
渉ビームBmsとなって進み、それは空間フィルター38
を透過して光電素子40に受光される。この光電素子4
0の光電信号Imsは、ビート周波数2・Δfと同じ周波
数で正弦波状にレベル変化する波形となり、その信号I
msがヘテロダイン方式の基準信号となる。
【0081】以上の構成で参照格子SGは、ガラス板上
にクロム層を蒸着し、そのクロム層を透明ラインと遮光
ラインとが交互に形成されるようにエッチングして作ら
れているため、少なくともウエハW上の格子マークMG
のような非対称性、レジスト層の問題がないほぼ理想的
な格子、すなわち振幅透過率が対称的な格子として作ら
れる。
【0082】このため参照格子SGに照射される一対の
送光ビームは3つの波長λ1 、λ2、λ3 のうちいずれ
か1つの波長に対応した送光ビームだけでも十分な精度
が得られる。 このように参照格子SG上に順次各波長
毎の干渉縞を形成し、この参照格子SGから発生する干
渉ビームBmsを各波長毎に時分割で光電検出するように
構成すると、波長λ1 に応じた基準信号、波長λ2 に応
じた基準信号、及び波長λ3 に応じた基準信号が個別に
得られるため、波長毎に格子マークMGの位置計測が可
能となる。さらにウエハW上に形成される3つの波長成
分毎の干渉縞が相互に一定の位置ずれ(位相ずれ)を起
こしていても、それを予めオフセット量として計測して
おくことも可能となる。そのことについては後で詳しく
述べる。
【0083】ところで、図8に示したウエハWは対物レ
ンズ22の光軸と垂直な面(XY平面)内で2次元移動
するウエハステージWST上に載置される。このステー
ジWST上の2次元移動は駆動モータを含む駆動源42
によって行われ、モータによって送りネジを回転させる
方式、又はリニアモータによってステージ本体を直接運
動させる方式のいずれでもよい。さらにステージWST
の座標位置はレーザ干渉計44によって逐次計測され
る。このレーザ干渉計44の計測値は駆動源42のフィ
ードバック制御に使われる。
【0084】さらにウエハステージWSTの一部には、
フィデューシャル(基準)マーク板FGが設けられてい
る。この基準マーク板FGには石英ガラスの表面にクロ
ム層でライン・アンド・スペースをパターニングした反
射型の強度格子(ピッチはウエハ上の格子MGと同一)
が形成されている。このため強度格子は、ウエハW上に
凹凸で形成された格子マークMGのような位相格子と異
なり、非対称性がなく回折効率が照明光(又は検出光)
の波長に依存しないという特徴、すなわち振幅反射率に
非対称性がないという特徴を有する。さらにクロム層の
反射率も位置検出用の照明光の波長帯(一般には0.5
〜0.8μm)では殆ど変化しない。このため、基準マ
ーク板FG上の強度格子を用いると、各波長毎に得られ
る光電素子DT0 の光電信号Im1、Im2、Im3の各振幅
の変化や相互の比を正確に求めることができる。
【0085】以上の図8の構成において、光源として半
導体レーザを用いるが、この場合半導体レーザLS1 、
LS2 、LS3 と各ダイクロイックミラーDCM4 、D
CM5 との間に非点収差除去用の整形光学系(傾斜した
複数枚の平行平板ガラス等)を設け、回転ラジアル格子
板RRGに入射するビームLB0 の各波長毎の光束成分
をほぼ等しい径にするのが好ましい。またそれ以外の場
合にも、共軸化されたビームLB0 の径を各波長成分毎
に揃えるようなビーム整形光学系を設けるのが望まし
い。
【0086】また図8では説明を簡単にするために周波
数シフターとして回転ラジアル格子板RRGを用いた
が、その他に2つの音響光学変調器(AOM)を用いた
り、中心波長λ1 で発振する第1のゼーマンレーザ光源
と中心波長λ2 で発振する第2のゼーマンレーザ光源と
を光源として用いてもよい。ただし、ゼーマンレーザの
場合、一般的には偏光方向が相補的な2つのレーザビー
ムを発振し、そのビーム間に数百キロHz〜数メガHz
の周波数差を与えているため、光電検出する干渉ビーム
のビート周波数もそれなりに高くなり、光電素子DT0
、40等は応答性の高いPINダイオードやフォトマ
ル等を使うことになる。
【0087】また図8に示した各種ダイクロイックミラ
ーはプリズム等の分散素子に置き換えてもよい。この場
合、1個のプリズムは2つのダイクロイックミラーDC
M4、DCM5 の組と同じ機能を有する。次に図8の装
置に好適な位置検出、位置制御回路の一例を図10を参
照して説明する。図8のヘテロダイン方式の場合、ウエ
ハW上の格子マークMG、又は基準マーク板FGから干
渉ビームBMが発生している間、光電素子DT0 からの
各波長毎の信号Im1、Im2、Im3と、光電素子40から
のImsは図11に示すような正弦波状の交流波形とな
る。
【0088】ただし、図11の信号Im1、Im2、Im3は
図8中の切り換え制御回路TSCからの信号CS1、CS
2、CS3に応答してレーザ光源LS1 、LS2 、LS3
の各々が点灯しているときの信号である。また参照信号
Imsもレーザ光源LS1 、LS2 、LS3 の点灯切り換
えに応答して各波長毎に別々に(時分割に)出力される
ものであるが、図11では1つの信号波形で代表して示
してある。
【0089】図11(D)は基準信号となる信号Imsの
時間的な強度変化を表し、図11(A)、(B)、
(C)はそれぞれウエハW上の格子マークMGからの干
渉ビームBMを各波長毎に時分割的に受光したときの信
号Im1、Im2、Im3の時間的な強度変化の一例を示す。
ここで信号Imsの位相を基準にすると、信号Im1の位相
は信号Imsに対して−Δψ1 だけずれ、信号Im2の位相
は信号Imsに対して−Δψ2 だけずれ、そして信号Im3
は信号Imsに対して+Δψ3 だけずれているものとす
る。また、信号Im1の振幅(交流成分のピークtoピー
ク)はE1 、信号Im2の振幅はE2 、信号Im3の振幅は
E3 とする。
【0090】さて、図10に示された回路ブロックにお
いて、光電素子DT0 からの光電信号Imnと光電素子4
0からの光電信号Imsはアナログ−デジタル変換(A/
Dコンバータ)回路ユニット50に入力され、ここでサ
ンプリングクロック発生回路52からのクロック信号
(パルス)Cpsに応答して各信号のその瞬間の強度レベ
ルがデジタル値に変換される。
【0091】そのクロック発生回路52は、後で説明す
る位置制御器62から出力されて、図8中の切り換え制
御回路TSCに送信される指令信号CQに応答してクロ
ック信号Cpsの送出タイミングを制御している。そのタ
イミングは、例えば切り換え制御回路TSCが信号Csn
(n=1,2,3)を出力して3つの光源LSn (n=
1,2,3)のいずれかを点灯させている間は常にクロ
ック信号Cpsを出力するように定められている。
【0092】クロック信号Cpsの周波数は信号Imn(n
=1、2、3)、Imsのビート周波数(2・Δf)より
も十分に高く定められ、そのクロック信号Cpsは波形メ
モリ回路ユニット54にも送られ、A/Dコンバータ5
0からのデジタル値(データ)を記憶する際のメモリア
ドレスの更新に使われる。このとき波形メモリ回路ユニ
ット54は、指令信号CQに応答して光電信号Imn、I
msの各デジタル波形データの記憶領域(アドレス領域)
を、点灯された各光源に対応するように切り換える。例
えば、メモリ回路ユニット54の波形データ記憶空間と
して8Kバイト単位の6つのRAM領域M1A,M1B,M
2A,M2B,M3A,M3Bを確保する。そして、波長λ1 の
光源LS1 が点灯している間にA/Dコンバータ50か
ら出力される信号Imn(Im1)のデジタル波形データ
は、クロック信号Cpsに応答してRAM領域M1A内に順
次記憶させ、同時にA/Dコンバータ50から出力され
る信号Imsのデジタル波形データは、クロック信号Cps
に応答してRAM領域M1B内に順次記憶させる。
【0093】さらに指令信号CQに応答して光源LS2
が点灯しているときは、信号Imn(Im2)のデジタル波
形データをRAM領域M2A内に順次記憶させるととも
に、同時に信号Imsのデジタル波形データをRAM領域
M2B内に順次記憶させ、そして光源LS3 が点灯してい
るときは、信号Imn(Im3)のデジタル波形データをR
AM領域M3A内に順次記憶させるとともに、同時に信号
Imsのデジタル波形データをRAM領域M3B内に順次記
憶させるように切り換える。
【0094】従って波形メモリ回路ユニット54内の3
つのRAM領域MnA(n=1,2,3)の各々には、図
11(A)、(B)、(C)のような信号Imn(n=
1,2,3)の波形データが所定周期分(例えば、10
周期分以上)に渡ってデジタルサンプリングされ、メモ
リ回路ユニット54内の3つのRAM領域MnB(n=
1,2,3)の各々には、図11(D)のような信号I
msの波形データが、信号Imnと同じ周期分に渡ってデジ
タルサンプリングされる。
【0095】このとき、波形メモリ回路ユニット54内
の3つの計測信号Imnの各波形データは時間軸上では互
いに異なるタイミングのものとなるが、3つの計測信号
Imnの各々と参照信号Imsとは共通のクロック信号Cps
によって同時にサンプリングされるので、参照信号Ims
の波形データを基準として3つの計測信号Imnの各波形
データの位相差Δψ1 、Δψ2 、Δψ3 を求めると、各
波長λ1 、λ2 、λ3毎の格子マークMGの位置ずれ量
が正確にわかることになる。
【0096】尚、回転ラジアル格子板RRGを用いた場
合、ビート周波数は数KHz程度が上限であるため、ク
ロック信号Cpsも十数KHz程度でよい。また(F)特
開平6−82215号公報のように2個の音響光学変調
器(AOM)をタンデムに配置した周波数シフターを用
いる場合、ビート周波数は各AOMに加える高周波駆動
信号(数十MHz以上)の周波数の差の2倍で決まるの
で比較的自由に定めることができる。
【0097】さて、図10に示したメモリ回路ユニット
54内の各波形データは、位相差Δψn (n=1、2、
3)、位置ずれΔXn (n=1、2、3)の検出回路ユ
ニット56に読み込まれ、ここで図11に示したような
各位相差Δψ1 、Δψ2 、Δψ3 がデジタル演算(フー
リエ積分法)により算出される。先に仮定したようにウ
エハWの格子マークMGのピッチPmgと、この上に照射
される干渉縞のピッチPifとがPmg=2Pifに設定され
ていると、図11の各波形の1周期はPmg/2に対応し
ている。
【0098】また一般に位相差計測は±180度の範囲
で行われるので、検出回路56は演算された位相差Δψ
1 、Δψ2 、Δψ3 を、先の式(3)に従って±Pmg/
4の範囲内の位置ずれ量ΔX1 、ΔX2 、ΔX3 に変換
する。このずれ量ΔXn は参照格子SGに対する格子マ
ークMGの±Pmg/4内でのずれを表す。ここで位相差
計測の分解能として0.2度程度が得られるものとする
と、ずれ量の分解能はほぼ(0.2/180)Pmg/4
となり、ピッチPmgを4μmにすると実用的な範囲とし
て0.002μm(2nm)程度が得られる。
【0099】一方、信号振幅、及び振幅比検出回路ユニ
ット58は、波形メモリ回路ユニット54内の3つのR
AM領域MnA(n=1,2,3)に記憶された図11の
ような各波形データを読み出し、各信号Imnの振幅値E
1 、E2 、E3 をデジタル演算によって検出する。尚、
この検出回路ユニット58には、予めフィデューシャル
マーク板FGの格子から発生した干渉ビームBMを各光
電素子DT0 で受光したときに得られる光電信号Im1、
Im2、Im3の各々の振幅値A1 、A2 、A3 が記憶され
ている。
【0100】すなわち、ウエハW上の格子マークMGを
計測する前にフィデューシャルマーク板FGの格子マー
クを対物レンズ22の下に移動させ、光電素子DT0 か
ら図11(A)、(B)、(C)のような信号を発生さ
せ、それを波形メモリ回路ユニット54に記憶させた
後、振幅検出回路58で振幅値A1 、A2 、A3 を検出
して記憶させておく。
【0101】この際、マーク板FGが検出されるステー
ジWSTの静止位置をレーザ干渉計44から読み取って
記憶するとともに、ずれ量検出回路ユニット56で各波
長毎の位置ずれ量ΔXb1、ΔXb2、ΔXb3も求めておけ
ば、それをベースライン決定時のデータとして利用する
ことができる。尚、ここで言うベースラインとは、各波
長毎に計測されたマーク板FG上の格子マークの位置ず
れ量ΔXb1、ΔXb2、ΔXb3が極めて微少量だけ相互に
異なっているときに、その相互の微少誤差分を意味す
る。本来、図8に示した送光系では波長λ1 、λ2 、λ
3 の各ビームによってフィデューシャルマーク板FG上
に生成される各波長毎の干渉縞が厳密に一致していれ
ば、マーク板FGの位置ずれ量ΔXb1、ΔXb2、ΔXb3
の各値は完全に一致するはずである。
【0102】しかしながら現実問題として、分解能が2
nm程度にもなると、その分解能程度に位置ずれ量ΔX
b1、ΔXb2、ΔXb3が揃うように送光系や検出系を調整
しておくことは難しい。そのため、マーク板FGで計測
された位置ずれ量ΔXb1、ΔXb2、ΔXb3の相互差が図
8に示したアライメント系固有のオフセット(ベースラ
イン誤差)として残存することになる。
【0103】そのベースライン誤差は、ウエハW上の格
子マークMGを検出して検出回路56で求められる各波
長毎の位置ずれ量ΔX1 、ΔX2 、ΔX3 の夫々を、先
に求めた位置ずれ量ΔXb1、ΔXb2、ΔXb3の夫々で補
正計算することで補償される。一例として、図8の装置
では参照格子SGから得られる干渉ビームBmsも波長λ
1 、λ2 、λ3 のいずれか1つに切り替わるため、どれ
か1つの波長、例えば波長λ1 の下で計測されたフィデ
ューシャルマーク板FGの位置ずれ量ΔXb1を基準とし
て、ΔXb2−ΔXb1=ΔXb21 、ΔXb3−ΔXb1=ΔX
b31 の各値を計算して記憶しておく。
【0104】そしてウエハW上の格子マークMGについ
て計測された位置ずれ量ΔX1 、ΔX2 、ΔX3 に対し
て、ΔX2 −ΔX1 =ΔXb21 になるようにΔX2 の値
を補正計算し、ΔX3 −ΔX1 =ΔXb31 になるように
ΔX3 の値を補正計算すればよい。あるいは、より簡潔
な方法として、干渉ビームBmsの各波長毎の切り換えに
応じて求められるフィデューシャルマーク板FGの位置
ずれ量ΔXb1、ΔXb2、ΔXb3を記憶し、計測されたウ
エハ上の格子マークMGの位置ずれ量ΔX1 、ΔX2 、
ΔX3 を、ΔX1 −ΔXb1、ΔX2 −ΔXb2、ΔX3 −
ΔXb3のように補正計算してもよい。
【0105】さらに振幅比検出回路ユニット58は、予
め記憶してある振幅値A1 、A2 、A3 とウエハW上の
格子マークMGを検出したときに得られる振幅値E1 、
E2、E3 との各比C1 、C2 、C3 を、C1 =E1 /
A1 、C2 =E2 /A2 、C3 =E3 /A3 として算出
する。この比C1 、C2 、C3 は、先の図5の実施例で
説明した重み係数に相当する。
【0106】以上のようにして求められた位置ずれ量Δ
X1 、ΔX2 、ΔX3 と比C1 、C2 、C3 のデータ
は、加重平均化演算回路ユニット60に送られ、ここで
重みを加えた格子マークMGのずれ量ΔXを算出する。
その演算は次式によって行われる。 ΔX=(C1 ・ΔX1 +C2 ・ΔX2 +C3 ・ΔX3 )/
(C1 +C2 +C3 )こうして求められたずれ量ΔXは、
参照格子SGに対する格子マークMGのピッチ方向のず
れであり、そのデータは位置制御、表示器62に送られ
るとともに、ウエハWをリアルタイムにアライメント
(位置決め)する場合にはサーボ制御回路ユニット64
にも送られる。
【0107】このサーボ制御回路ユニット64は2つの
機能を有しており、その1つはずれ量ΔXが所定の値に
なるまで駆動源42をフィードバック制御する機能(ダ
イレクトサーボモード)である。この機能の場合は、A
/Dコンバータ回路50、メモリ回路ユニット54、ず
れ量検出回路ユニット56、及び平均化回路ユニット6
0の動作が、位置制御器62からの指令信号CQに応答
して逐次繰り返され、極めて短い時間(例えば数mse
c.)毎にずれ量ΔXの値が算出される。
【0108】なお、振幅比検出回路ユニット58による
比C1 、C2 、C3 の算出は初めの1回だけでもよい
し、ずれ量ΔXの算出の度に毎回行ってもよい。比C1
、C2、C3 の算出を毎回行う場合は、加重平均化回路
ユニット60によるずれ量ΔXの算出毎に比C1 、C2
、C3 の値が若干変化することがあることは言うまで
もない。また比C1 、C2 、C3 の算出を初めの1回又
は複数回だけにする場合は、それ以降同じ格子マークM
Gを検出する間は同じ比の値が使われる。
【0109】一方サーボ制御回路ユニット64のもう1
つの機能は、ウエハステージWSTをレーザ干渉計44
の計測値に基づいて移動させる機能(干渉計サーボモー
ド)である。この機能は、例えばステージWST上のフ
ィデューシャルマーク板FGの格子やウエハW上の格子
マークMGを対物レンズ22の直下に位置決めしたり、
検出された格子マークMGの位置を基準としてウエハW
上の任意の点を対物レンズ22の直下に位置決めしたり
するときに使われる。
【0110】この干渉計サーボモードの場合、位置制御
器62からウエハステージWSTの目標位置情報がサー
ボ制御回路ユニット64に出力され、制御回路ユニット
64はレーザ干渉計44から読み取ったステージWST
の現在位置と目標位置との偏差が所定の許容範囲(例え
ば±0.04μm)に入るように駆動源42をフィード
バック制御する。
【0111】なお、干渉計サーボモードに続いてダイレ
クトサーボモードを実行する場合、ダイレクトモードに
よるサーボ可能範囲は格子マークMGのピッチPmgに対
して±Pmg/4である。もしそれ以上にずれていると、
格子マークMGの1ピッチの半分のオフセットが生じた
まま位置決めされてしまうからである。そこで、干渉計
サーボモードのときのステージWSTの位置決め許容範
囲を定常的に±0.04μmにするのではなく、格子マ
ークMG(又はフィデューシャルマーク板FG)を検出
するときだけ、許容範囲を±〔(Pmg/4)−α〕に切
り換えるようにしてもよい。
【0112】例えばピッチPmgが4μmのとき、その許
容範囲を±0.5μm程度にすると、通常の許容範囲
(±0.04μm)よりもはるかにゆるい精度で位置決
めサーボが可能なので、追い込み時間が短縮されること
になる。そして、そのゆるい許容範囲(±0.5μm)
に入ったらただちにダイレクトサーボモードに切り換え
ることで、高速で高精度な位置決め(位置合わせ)が可
能となる。
【0113】さて、位置制御、表示器62は上述の指令
信号CQの出力、サーボモードの切り換え指示の他に、
格子マークMGの座標位置や求められたずれ量ΔXを表
示する機能も有する。また場合によっては、格子マーク
MGを検出したときの重み係数となる比C1 、C2 、C
3 の値も記憶、保存する。この場合、ウエハW上の多数
の位置に同一の格子マークMGが形成され、それらマー
クMGの位置を順次検出するときに、比C1 、C2 、C
3 も順次記憶しておくと、ウエハW上のどの部分のマー
クMGに非対称性やレジスト層のむらに起因した問題が
あったのかを検証することができる。
【0114】そして、ウエハW上で重み係数(比C1 、
C2 、C3 )が大きく変化した部分をグラフィック表示
するようにしてもよい。この際、拡散工程やエッチング
工程等の熱化学プロセスを経て、レジスト層を塗布する
前のウエハを図8の装置に装着して重み係数の変化を求
めれば、その熱化学プロセスによるウエハ面上の影響を
間接的に調べることもできる。さらにそのウエハにレジ
スト層を塗布して同様に重み係数の変化を求めて塗布前
の重み係数の変化と比較すれば、レジスト層による影響
を間接的に調べることもできる。
【0115】以上の第3の実施例ではステージWST上
にフィデューシャルマーク板FGを設け、これを使って
各波長毎の信号振幅の変化率、すなわち比C1 、C2 、
C3を求めるようにしたので、第1の実施例(図5)の
ように送光ビームLB1 、LB2 の一部のビームBr1、
Br2の光強度を直接検出する光電素子DT1 を設ける必
要がない。このことは逆に、第1(又は第2)の実施例
においても基準となるフィデューシャルマーク板FGを
格子MGと並置すれば、光電素子DT1 を設けることな
く比C1 、C2 を検出できることを意味する。
【0116】ところでウエハステージWST上に既知の
反射率のクロム表面をもったフィデューシャルマーク板
FGを固定した場合は、先にも触れたようにそのマーク
板FGを各種ベースライン量の計測やフォーカス状態の
計測に利用することができる。ベースライン量とは、基
本的には投影露光装置に装着されたマスク(レチクル)
の中心の投影点と各種ウエハアライメント系の検出中心
点との相対的な位置関係を決定するための計測動作を意
味する。
【0117】図12は本発明の第4の実施例として、ベ
ースライン量の計測が必要な投影露光装置の概略的なア
ライメント系の配置を示し、レチクルRはレチクルステ
ージRST上に吸着され、露光用照明系ILXからダイ
クロイックミラーDCMを介して放射される紫外線(i
線、エキシマ等)によって均一に照射される。そしてレ
チクルRのパターン像は等倍、又は縮小のテレセントリ
ックな投影光学系PLを介してウエハW上のショット領
域に投影露光されるように構成される。
【0118】図12において、ウエハステージWST上
のフィデューシャルマーク板FGの表面には、スルーザ
レチクル(TTR)方式のアライメント系TTRAによ
って検出可能なマーク群と、レチクルアライメント系R
Aによって検出可能なマーク群と、スルーザレンズ(T
TL)方式のアライメント系TTLAによって検出可能
なマーク群と、そして投影光学系PLの外部に固定され
たオフ・アクシス方式のアライメント系OFAによって
検出可能なマーク群とが形成されている。
【0119】これらのマーク群は一部共通に使われるも
のもある。また各アライメント系RA、TTRA、TT
LA、OFAは、マーク検出時の基準となる直接的、ま
たは間接的な検出中心点Rf1、Rf2、Rf3、Rf4を備え
ている。先の図8のような位置検出装置を各アライメン
ト系に適用した場合、検出中心点Rf1、Rf2、Rf3、R
f4は参照格子SGによって規定される。ただしレチクル
アライメント系RAにおいて、レチクルRの周辺のレチ
クルアライメント用のマーク(格子パターン)RMとフ
ィデューシャルマーク板FG上の対応した格子マークと
を、パターンPRの投影露光用の照明光と同じ波長の照
明光で照射し、両マークが所定の位置関係になるように
レチクルステージRSTを微動させるような構成になっ
ている場合は、検出中心点Rf1を必要としない。
【0120】このことはアライメント系TTRAにおい
ても同様であって、フィデューシャルマーク板FG上の
対応したマーク、あるいはウエハW上のマークと、レチ
クルRのパターンPRの周辺部に形成されたダイ・バイ
・ダイ(D/D)アライメント用のマークとを画像とし
て撮像し、両マーク像の位置ずれを検出する方式である
場合は、格別に検出中心点Rf2を規定しておく必要もな
い。
【0121】ここで、ベースライン量とは、レチクルR
の中心CCr のウエハ側への投影点(ほぼ光軸AX上に
一致している)と、各検出中心点Rf1、Rf2、Rf3、R
f4のウエハ側への投影点との間のX、Y方向の位置関係
に他ならない。その位置関係は、フィデューシャルマー
ク板FGの対応したマーク群と、各検出中心点Rf1〜R
f4の投影点との位置ずれ量を各アライメント系RA、T
TRA、TTLA、OFA自体で検出するとともに、そ
のときのウエハステージWSTの座標位置をレーザ干渉
計44(図8参照)によって検出することで求めること
ができる。
【0122】ところで、多波長化された送光ビーム±L
Fを用いる場合、各波長成分の送光ビーム毎にウェハW
上に生成される干渉縞は、そのピッチやピッチ方向の相
対位相が僅かながら(例えば0.05μm程度)異なっ
ていることがある。このような僅かなずれは緻密な調整
作業によって理想的に零にまで追い込むことも可能では
あるが、そのように労力をかけて調整したとしても、経
時的なドリフトの発生を考慮するとあまり現実的ではな
い。 そのような各波長毎のピッチずれや相対位相ずれ
は、先の図8のような装置の場合は回転ラジアル格子板
RRGの透過型の振幅格子、あるいはAOMによる周波
数シフターの場合はAOMの結晶中に屈折率の粗密の繰
り返しで生成される透過型の位相格子の周波数倍化(f
requency dubling)されたピッチ像
が、異なる波長の光を使うことによる結像光学系の色収
差、コマ収差、アス、非点収差等の影響でウェハW(フ
ィデューシャルマーク板FG)上に微妙なひずみ差を伴
って結像されるからである。
【0123】そこで、多波長化された干渉縞の各波長成
分毎の相対位置(位相)ずれ、すなわち干渉縞の色オフ
セットを時々実測できるようなキャリブレーション機能
(ベースラインチェック)を組み込んでおくとよい。こ
のとき、図12中の各アライメント系に図8のようなヘ
テロダイン方式の位置検出装置が組み込まれているとき
は、そのようなベースライン計測動作時にフィデューシ
ャルマーク板FGの格子を検出することになるので、図
8中の光電素子DT0 から出力される各波長毎の信号I
m1、Im2、Im3の振幅レベルA1 、A2 、A3 を図10
中の回路ユニット58内に記憶しておくことができる。
(このような機能については後で詳細に説明する。) 尚、図12に示した投影光学系PL内の瞳面EPは先の
図5、7に示したフーリエ変換面EPと同等のものであ
る。そして投影光学系PLを介してウエハステージWS
T上の物体(ウエハWのマーク、又はフィデューシャル
マーク板FGのマーク)を検出するアライメント系R
A、TTRA、TTLAの夫々に設けられた対物レンズ
の光軸は、ウエハステージWST側では全て光軸AXと
ほぼ平行になるように設定される。
【0124】また、投影光学系PLのウエハ側のみなら
ずレチクル側もテレセントリック系になっているとき
(図12の場合)は、各アライメント系の対物レンズの
光軸はレチクル側でも投影光学系PLの光軸AXと平行
になっている。そして、それら対物レンズの光軸の延長
は投影光学系PLの瞳面EPの中央(光軸AXが通る部
分)を通る。その瞳面EPの実効的な半径は、投影レン
ズPLの解像力(最小解像線幅)を左右する開口数(N
A)に対応し、現在NA=0.5〜0.7程度の投影レ
ンズが開発されている。
【0125】さて図13は、図12に示したアライメン
ト系のうちアライメント系TTLAの主要部の一例を示
し、ウエハ上の格子マークMG、又はフィデューシャル
マーク板FGを検出するための1対の多色化された送光
ビーム±LF(図8中のビーム+LFとビーム−LFに
相当)は補正光学系CG、偏光ビームスプリッタPBS
(機能としては図8中のハーフミラー20に相当)、1
/4波長板QW、対物レンズOBJ(図8中の対物レン
ズ22に相当)、及び2枚のミラーMRを介して投影レ
ンズPLに入射する。
【0126】この際、2枚のミラーMRの間にはウエハ
Wの表面と共役な面FCが形成され、この面FC内で1
対のビーム±LFは交差する。そのビーム±LFは投影
レンズPLによってリレーされ、ウエハ上でも交差して
格子マークMGを照射する。また本実施例では、偏光ビ
ームスプリッタPBSに入射するビーム±LFを直線偏
光とし、偏光ビームスプリッタPBSで効率的に反射さ
れた送光ビームは1/4波長板QWを透過するときに一
方向に回転する円偏光に変換されて、対物レンズOB
J、投影レンズPLを通ってウェハ上の格子マークMG
を照射する。
【0127】そして格子マークMGから垂直に発生した
干渉ビームBMは、投影レンズPLの瞳面EPのほぼ中
央を通り、2つのミラーMR、対物レンズOBJ、1/
4波長板QWを介して偏光ビームスプリッタPBSに達
する。このとき、干渉ビームBMは送光ビームの偏光方
向と直交した直線偏光になっているため、偏光ビームス
プリッタPBSを効率的に透過して光電素子DT0 に達
する。
【0128】このようなアライメント系TTLAにおい
て、送光ビーム±LFが複数の波長成分(互いに30〜
40nm程度離れる)で時分割的に切り換えられると、
投影レンズPLの色収差(軸上と倍率)の影響、又は対
物レンズOBJの色収差の影響によって、ウエハ上に照
射されるビーム±LFの交差領域が各波長成分毎にZ方
向、あるいはXY方向に微妙にずれるてくることがあ
る。
【0129】そこで図13のように送光ビーム±LFの
光路中に色収差に応じて発生する誤差を補正する補正光
学系CGを設ける。この補正光学系CGは凸レンズ、凹
レンズ、あるいはそれらの組み合わせレンズ、または平
行平板ガラス、あるいはその平板ガラスとレンズ素子の
組み合せで構成され、図8に示した調整光学系14、1
6、18を使用してもよい。
【0130】また、図12中のアライメント系TTRA
の場合、レチクルR上のD/Dアライメント用のマーク
DDMを回折格子とし、そのマークDDMと対応するウ
エハW上の格子マークMGとの相対位置ずれを、図8の
ようなヘテロダイン方式で検出するときには、(G)特
開平6−302504号公報に開示されているように、
投影レンズPLの瞳面EPに透明な平行平板状の補正板
PGPを設け、この補正板PGP上で送光ビーム(±L
F)や干渉ビーム(BM)が通る位置のみに位相型回折
格子(補正板PGPの表面に所定ピッチで凹凸のライン
をエッチングしたもの)を配置して、軸上色収差と倍率
色収差の影響を低減する必要がある。
【0131】さて図14は、アライメント系TTRAの
一部の構成と補正板PGPとの配置関係の一例を表した
本発明の第5の実施例を示し、図14(A)はX方向
(計測方向)にピッチを有する格子マークMGを検出す
る場合の送光ビーム±LFと干渉ビームBMとの光路を
X−Z平面でみたものであり、図14(B)は、図14
(A)の光路をそれと直交したY−Z平面でみたもので
ある。
【0132】アライメント系TTRAの対物レンズOB
J(図8の対物レンズ22に相当する)からは2本の送
光ビーム±LFが光軸AXa からわずかに偏心して射出
され、ミラーMRで反射してレチクルRのパターン領域
の周辺の窓RWを介して投影レンズPLに入射する。2
本の送光ビーム±LFは時分割的に各波長成分毎の光に
切り換えられ、X−Z平面内でみると図14(A)のよ
うに対称的な傾きで窓RWを透過し、Y−Z平面内でみ
ると図14(B)のように、対物レンズOBJの光軸A
Xa に対して傾いて窓RWを透過する。 その2本の送
光ビーム±LFは、それぞれ投影レンズPLの瞳面EP
に配置された補正板PGP上の2ヶ所の位相型回折格子
(以下、位相格子とする)PG1 、PG2 を通る。この
とき位相格子PG1 、PG2 の作用によって送光ビーム
±LFの夫々は同図中の破線から実線のように所定方向
に所定量だけ傾きを変えられて投影レンズPLから射出
する。そして送光ビーム±LFは、X−Z平面内でみる
と図14(A)のようにウエハW上の格子マークMGを
対称的な入射角で照射し、Y−Z平面内では図14
(B)のように格子マークMGに対してY方向に若干傾
いて入射する。
【0133】これによって格子マークMGから発生した
干渉ビームBMは再び投影レンズPLに入射し、瞳面E
P上では位相格子PG1 、PG2 と異なる位置を通る。
その位置には干渉ビームBMを図14(B)中の破線か
ら実線のように所定方向に所定量だけ傾けるための位相
格子PG3 が形成され、それによって干渉ビームBMの
光路は投影レンズPLを透過してレチクルRの窓RWへ
向かうように補正される。
【0134】そして窓RWを通った干渉ビームBMはミ
ラーMR、対物レンズOBJを介して図8のような受光
系へ向かう。このとき干渉ビームBMは、対物レンズO
BJの光軸AXa に対してわずかに傾いた状態で窓RW
を透過する。このような補正板PGPを用いる場合、送
光ビーム±LFが多波長化されていると、送光ビーム±
LFの各波長成分毎に補正板PGP上でX方向にわずか
にずれて位置する。このため、位相格子PG1 、PG2
もそれに対応してX方向に大きめに形成されている。ま
た、このような補正板PGPの使用は、図13に示した
アライメント系TTLAに対しても当然に可能である。
【0135】例えば石英やホタル石を屈折レンズの硝材
とし、波長180〜300nmの間の紫外線(エキシマ
レーザ光等)を露光光とするような投影レンズ(反射鏡
と屈折レンズの組み合わせでもよい)を用いた露光装置
の場合、He−Neレーザや半導体レーザからのビーム
の波長に対する色収差は極めて大きなものとなり、図1
3中に示したウエハ共役面FCは投影レンズから数十c
m以上離れてしまう。そこで補正板PGPを使って、送
光ビーム±LFが交差するウエハ共役面FCが投影レン
ズに近づくように補正するのである。
【0136】以上の如く、補正板PGP上の送光用位相
格子PG1 、PG2 には各波長毎のビーム+LF、−L
Fが順次切り換えられて通るが、このとき位相格子PG
1 、PG2 の格子構造を、すべての波長成分に対して最
適化することは難しい。このため位相格子PG1 、PG
2 の格子構造はある特定の波長成分で最適化されるよう
に設定し、送光ビーム±LFの送光路(一般的には対物
レンズOBJよりも光源側)中には、各波長成分毎の送
光ビームが位相格子PG1 、PG2 で受ける回折作用の
違いで生じる方向差分や位置差分だけ予め補償されるよ
うに、調整光学部材を設けておくのがよい。
【0137】要するに、2本の送光ビーム±LFの干渉
によってウエハW(又はフィデューシャルマーク板F
G)の格子マークMG上に作られる干渉縞が波長成分毎
に位置ずれやピッチずれを生じないように、図8中の調
整光学系14、16、18、又は図13中の補正レンズ
CGを設け、これらを調整するのである。次に本発明の
第6の実施例を以下に説明する。本実施例では図8に示
した構成をベースとして、先の図3、図4で説明したよ
うに、格子マークからの±1次回折光の干渉ビームの他
に、格子マークからの0次光と2次回折光の干渉ビーム
(次数差2の回折光同志の干渉)も検出する構成を付加
した。0次光と2次回折光との干渉ビームを単一の光電
素子で光電変換し、その光電信号を用いて格子マークの
位置ずれを検出する方式は試みられているが、格子マー
ク照明用の送光ビームを多波長化した上で0次光と2次
光の干渉ビーム(多波長化されている)を単一の光電素
子で受光すると、そのままでは良好な位置ずれ検出が難
しかった。
【0138】その大きな理由は、図15に示すように0
次光と2次光の干渉ビームを例えば3つの波長成分λ1
、λ2 、λ3 毎に光電検出して得られた光電信号IK
021、IK022 、IK023 の波形を観察すると容
易に理解できる。すなわち、3つの光電信号IK02n
(n=1、2、3)の相互の位相差が、±1次回折光の
干渉ビームの場合の光電信号Imn(図11参照)の位相
差に比べて総じて大きくなるためである。
【0139】このため、元来大きな位相差をもつ各波長
毎の光強度の変化を単一の光電素子で受光してしまう
と、各波長の強度の相殺効果によって光電信号の振幅
(交流の振幅分)が極めて小さくなってしまうのであ
る。尚、0次光と2次光の干渉ビームは、先の図3で説
明したように1次回折光±D1nの干渉ビームBMの両側
に対称的な角度で発生する。
【0140】ところで図15(A)、(B)、(C)
は、図3に示された0次−2次光の干渉ビームのうち、
例えば±1次光の干渉ビームBMの左側に現れる干渉ビ
ームを3つの波長λ1 、λ2 、λ3 毎に個別に光電検出
したときの各光電信号IK021 、IK022 、IK0
23 のヘテロダイン方式での波形を表し、図15(D)
は図11(D)と同じ参照信号となる光電信号Imsの波
形を表す。
【0141】ただし光電信号Imsは、先の図8の装置構
成を想定すると、3つの波長成分λ1 、λ2 、λ3 毎に
個別に得られるものであり、光電信号IK021 、IK
022 、IK023 の各々との位相比較も個別に行われ
るが、図15では説明のために1つの参照信号Imsと考
えてまとめて示してある。一方、図16(A)、
(B)、(C)は、図3に示された0次−2次光の干渉
ビームのうち、±1次光の干渉ビームBMの右側に現れ
る干渉ビームを3つの波長λ1 、λ2 、λ3 毎に個別に
光電検出したときの各光電信号IK201 、IK202
、IK203 のヘテロダイン方式での波形を表し、図
16(D)は図15(D)と同じ光電信号Imsの波形を
表す。以上の図15(A)、(B)、(C)と図16
(A)、(B)、(C)に示すように、各信号IK02
n 、IK20n(n=1、2、3)の位相ずれΔβ01、
Δβ02、Δβ03、Δβ21、Δβ22、Δβ23は波長依存性
が強く、大きくばらつくとともに、同一波長については
信号IK02n とIK20n とで逆方向の位相偏位傾向
をもつ。
【0142】そこで本実施例の構成を図17を参照して
説明する。図17は図8の構成の一部、具体的には格子
マークMGからの各種干渉ビームの光電検出系を変更し
たものであり、従って図8中の部材と同じ機能の部材に
は同一の符号を付けてある。図17中の送光系100
は、図8に示した光源LS1 、LS2 、LS3 、ミラー
MR、ダイクロイックミラーDCM4 、DCM5 、周波
数シフターとしてのラジアル格子板RRG、レンズ1
0、空間フィルター12、及び調整光学系14、16、
18等で構成され、1対の送光ビーム+LF、−LFを
射出する。
【0143】波長λ1 、λ2 、λ3 のいずれか1つに順
次切り換えられる送光ビーム±LFは、ハーフミラー2
0で一部が反射されて対物レンズ22に入射し、一部は
参照光受光系110に入射する。参照光受光系110は
図8中の調整光学系24A、24B、レンズ26、参照
格子SG、及び空間フィルター38で構成され、参照光
Bmsを光電素子40へ導く。 さて、対物レンズ22を
介してウエハW上の格子マークMGが送光ビーム±LF
によって照射されると、±1次回折光の干渉ビームBM
が垂直に発生するとともに、各送光ビームの進行方向と
逆方向に0次−2次光の干渉ビームBM02、BM20が発
生する。その±1次回折光の干渉ビームBMと0次−2
次光の干渉ビームBM02、BM20は対物レンズ22、ハ
ーフミラー20を介してミラー32で反射されて、干渉
ビームBMは光電素子DT0 で受光され、干渉ビームB
M02、BM20はそれぞれ光電素子DT2a、DT2bで受光
される。
【0144】先に説明した通り、送光ビーム±LFの各
波長成分への切り換えに応答して、干渉ビームBMは波
長λ1 の干渉ビームBm1、波長λ2 の干渉ビームBm2、
波長λ3 の干渉ビームBm3のいずれかになる。同様に0
次−2次光の干渉ビームBM02、BM20も送光ビーム±
LFの波長切り換えに応答して、 3つの波長λ1 、λ
2 、λ3 のいずれか1つの成分になっている。
【0145】また各光電素子DT0 、DT2a、DT2bが
対物レンズ22のフーリエ変換面、若しくはその近傍面
に配置される場合、0次−2次光の干渉ビームBM02、
BM20は各波長毎に光電素子DT2a、DT2b上で横ずれ
して受光される。従って各光電素子DT2a、DT2bの受
光面はその横ずれを見込んだ大きさとされる。さらに各
光電素子DT0 、DT2a、DT2bの直前に空間フィルタ
ーを設けて各干渉ビームを選択する場合も、その横ずれ
を考慮してビーム選択用の開口部の大きさを決める必要
がある。あるいは、各光電素子DT2a、DT2bのそれぞ
れの直前に色分散の大きい硝材によるプリズムを設け、
受光面上での各波長による横ずれを低減するようにして
もよい。
【0146】以上の構成から明らかなように、本実施例
では光電素子40からの光電信号Imsを参照信号とし
て、各光電素子DT0 、DT2a、DT2bからの光電信号
Imn、IK02n 、IK20n (n=1,2,3)の各
位相差を求める信号処理回路が必要となる。そのため最
も簡便な回路構成の一例を図18に示す。図18は、先
の図10に示された処理回路の一部を改良したものであ
り、ハードウエア上では図10中のA/Dコンバータ回
路ユニット50を4チャンネル分のA/D変換用IC回
路ADCa 、ADCb 、ADCc 、ADCd で構成し、
各チャンネルに参照信号Ims、計測信号Imn、IK02
n 、IK20n の各々を印加することで、その4つの信
号をほぼ同時に、図10中のサンプリングクロック発生
回路52からのパルス信号Cpsに応答してデジタルサン
プリングできるようにしたことが異なる。
【0147】また波形メモリ回路ユニット54は、本実
施例では図19に示すように各A/D変換IC回路AD
Ca 、ADCb 、ADCc 、ADCd からの信号波形デ
ータを同時に記憶する4チャンネル分のメモリバンクM
Man、MMbn、MMcn、MMdnを備え、さらに各バンク
毎に波長の数(ここでは3つ)分のメモリ領域a1〜a3、
b1〜b3、c1〜c3、d1〜d3が用意されている。
【0148】さらに波形メモリ回路ユニット54は位置
制御器62からの指令信号CQに応答して、送光ビーム
±LFの波長切り換えと連動するように各メモリバンク
MMan、MMbn、MMcn、MMdn内の書き込み可能とさ
れるメモリ領域を順次切り換える。また12個のメモリ
領域a1〜a3、b1〜b3、c1〜c3、d1〜d3の各々のアドレス
カウンタは、パルス信号Cpsに応答して共通に更新され
るが、同時刻に書き込みが行われるのは指令信号CQに
応答した4個のメモリ領域だけである。
【0149】すなわち、送光ビーム±LFが波長λ1 の
間は、信号Imnのデジタル波形データがメモリ領域a1
に、信号IK02n のデジタル波形データがメモリ領域
b1に、信号IK20n のデジタル波形データがメモリ領
域c1に、そして参照信号Ims(λ1 )のデジタル波形デ
ータがメモリ領域d1に記憶される。同様に送光ビーム±
LFが波長λ2 の間は、信号Imnのデジタル波形データ
がメモリ領域a2に、信号IK02n のデジタル波形デー
タがメモリ領域b2に、信号IK20n のデジタル波形デ
ータがメモリ領域c2に、そして参照信号Ims(λ2)の
デジタル波形データがメモリ領域d2に記憶され、送光ビ
ーム±LFが波長λ3 の間は、信号Imnのデジタル波形
データがメモリ領域a3に、信号IK02n のデジタル波
形データがメモリ領域b3に、信号IK20n のデジタル
波形データがメモリ領域c3に、そして参照信号Ims(λ
3 )のデジタル波形データがメモリ領域d3に記憶され
る。
【0150】さらに図10で示した振幅検出、振幅比検
出の回路58は、図18では回折状態の異なる干渉ビー
ム毎にグループ化された比のデータCn1、Cn2、Cn3
(nは波長に対応してn=1、2、3)を出力するよう
に変更される。この比のデータのうちCn1(n=1、
2、3)は図10中の比C1 、C2 、C3 と同じもので
あり、Cn2(n=1、2、3)は光電信号IK02n
(n=1、2、3)から得られた各波長毎の比であり、
Cn3(n=1、2、3)は光電信号IK20n (n=
1、2、3)から得られた各波長毎の比である。
【0151】また、図10で示した位相差、位置ずれ検
出回路56は、図18では回折状態の異なる干渉ビーム
毎にグループ化されたずれ量ΔXn1、ΔXn2、ΔXn3
(n=1、2、3)を出力するように変更される。この
ずれ量のうちΔXn1(n=1、2、3)は図10中のず
れ量ΔX1 、ΔX2 、ΔX3 と同じものであり、ΔXn2
(n=1、2、3)は光電信号IK02n (n=1、
2、3)から求められた各波長成分毎のずれ量であり、
ΔXn3(n=1、2、3)は光電信号IK20n (n=
1、2、3)から得られた各波長成分毎のずれ量であ
る。なお、この検出回路56は先の図15、16で説明
したような位相差Δβ0n、Δβ2n(n=1、2、3)に
応じた値を中間的に算出している。
【0152】さらに図10中の加重平均化回路60は、
図18では選択的な加重平均化回路に変更され、±1次
光の干渉ビームBMの光電検出結果のみに基づいて最終
的な位置ずれ量をΔXを算出する図10と同じ第1の演
算モード、0次−2次光の干渉ビームの光電検出結果の
みに基づいて最終的なずれ量ΔXを算出する第2の演算
モード、及び全ての干渉ビーム光電検出結果に基づいて
最終的なずれ量ΔXを算出する第3の演算モードを備え
ている。これら3つの演算モードはオペレータによって
適宜選択可能であるが、第3の演算モードを指定したと
きは、さらに2〜3の演算アルゴリズムを選ぶことがで
きる。このようなモード指定、アルゴリズム選択につい
ては後で詳しく述べる。
【0153】さて本実施例の場合も、まず初めにウエハ
ステージWST上のフィデューシャルマーク板FGの格
子マークが、対物レンズ22からの送光ビーム±LFで
照射されるように干渉計44に従ってステージWSTの
位置決めが行われる。その後、位置制御器62(図1
0)からの指令信号CQに応答して、3つの光源LS1
、LS2 、LS3 が一定時間(例えばビート周波数2
Δfの周期の100倍程度)毎に順次切り換え点灯さ
れ、フィデューシャルマーク板FGの格子マークが、順
次波長切り換えされる送光ビーム±LFによって照射さ
れる。そこで例えば、3つの光源LS1 、LS2 、LS
3 が波長の短い順番で切り換え点灯されるものとする
と、まず光源LS1 (波長λ1 )が点灯している間に光
電素子DT0 から出力される信号Imn(n=1)のデジ
タル波形データは、サンプリング用パルス信号Cpsに応
答して図19中のメモリ領域a1に記憶される。
【0154】同時に、光電素子DT2aからの信号IK0
2n (n=1)のデジタル波形データはパルス信号Cps
に応答してメモリ領域b1に記憶され、光電素子DT2bか
らの信号IK20n (n=1)のデジタル波形データは
パルス信号Cpsに応答してメモリ領域c1に記憶され、そ
して光電素子40からの信号Ims(波長λ1 )のデジタ
ル波形データはパルス信号Cpsに応答してメモリ領域d1
に記憶される。
【0155】以下同様にして、光源LS2 、LS3 の各
々が点灯している間の各光電素子からの信号Imn、IK
02n 、IK20n 、Ims(n=2,3)が対応するメ
モリ領域an、bn、cn、dn(n=2,3)のそれぞれに記
憶される。次に振幅検出回路58によってメモリ回路ユ
ニット54のメモリバンクMMbn内の各波形データを解
析して、各波長毎の信号IK02n の振幅値(ピークt
oピーク)をJ02n (n=1、2、3)として算出し
て記憶する。同様にして、振幅検出回路58はメモリバ
ンクMMcn内の各波形データを解析して、各波長毎の信
号IK20n (n=1、2、3)の振幅値(ピークto
ピーク)をJ20n(n=1、2、3)として算出して
記憶し、メモリバンクMMan内の各波形データを解析し
て各波長毎の信号Imnの振幅値J11n (n=1、2、
3)を求めて記憶する。
【0156】以上によって予備動作が終了するので、次
に実際に位置決め、位置合わせすべきウエハWをステー
ジWST上に載置し、ウエハW上の格子マークMGが対
物レンズ22からの送光ビーム±LFによって照射され
るようにステージWSTを位置決めする。そして、先の
フィデューシャルマーク板FGの格子マークの検出時と
同様にして、3つの光源LS1 、LS2 、LS3 を順次
切り換え点灯しては各光電信号Imn、IK02n 、IK
20n (n=1、2、3)、Imsの各波形データをメモ
リ回路ユニット54に同時に取り込む。その後、メモリ
回路ユニット54の各メモリ領域an、bn、cnに記憶され
た信号Imn、IK02n 、IK20n (n=1、2、
3)の各々の各信号の振幅値を検出回路58によって、
それぞれEn (図11参照)、E02n 、E20n (図
15、16参照)として算出する。
【0157】一方、位相差、位相ずれ検出回路ユニット
56は、メモリ回路ユニット54の各メモリ領域an、b
n、cnに記憶された信号Imn、IK02n 、IK20n
(n=1、2、3)を各波長毎に読み出して、各信号I
mn、IK02n 、IK20n の参照信号Imsに対する位
相Δψn 、Δβ0n、Δβ2n(n=1、2、3)と、位置
ずれ量ΔXn1、ΔXn2、ΔXn3(n=1、2、3)とを
順次算出しておく。
【0158】こうして、各波長毎の振幅値や位置ずれ量
が回折状態の異なる検出光(干渉ビーム)ごとに求まる
と、振幅比検出回路58は以下の演算を行う。 〔数1〕 (A1)C11=E1 /J111 (A2)C21=E2 /J112 (A3)C31=E3 /J113 〔数2〕 (B1)C12=E021 /J021 (B2)C22=E022 /J022 (B3)C32=E023 /J023 〔数3〕 (C1)C13=E201 /J201 (C2)C23=E202 /J202 (C3)C33=E203 /J203 次に平均化回路ユニット60によって最も確からしいず
れ量ΔXが算出されるが、±1次光の干渉ビームBMの
みを使った第1の演算モードでは、先の図10の場合と
同様であり、 ΔX=(C11・ΔX11+C21・ΔX21+C31・ΔX31)
/(C11+C21+C31) によって算出される。
【0159】一方、0次−2次光の干渉ビームのみを使
った第2の演算モードでは、±1次光の干渉ビームBM
の左側に発生する0次−2次光の干渉ビームの検出によ
って得られた位相差Δβ0nと、干渉ビームBMの右側に
発生する0次−2次光の干渉ビームの検出によって得ら
れた位相差Δβ2nとの平均位相差から、各波長毎の位置
ずれ量を算出するアルゴリズムが採用される。その位相
差の平均とは、いわゆるランダム成分を低減させて精度
向上を図る目的での平均化とは異なり、0次光と±2次
光との干渉ビームを使って位置検出する場合に原理的に
実施しなければならない平均化である。
【0160】そこで本実施例ではそのアルゴリズムをベ
ースとして、平均化回路ユニット60はまず信号IK0
2n から求められた各位置ずれ量ΔXn2(n=1、2、
3)と信号IK20n から求められた各位置ずれ量ΔX
n3(n=1、2、3)との各波長毎の平均値ΔXAn
(n=1、2、3)を以下のように算出する。 ΔXA1 =(ΔX12+ΔX13)/2 ΔXA2 =(ΔX22+ΔX23)/2 ΔXA3 =(ΔX32+ΔX33)/2 さらに平均化回路ユニット60は、振幅比検出回路ユニ
ット58で求められた0次−2次光の干渉ビームの振幅
比Cn2、Cn3の各波長成分毎の平均値CAn (n=1、
2、3)を以下のように算出する。
【0161】 CA1 =(C12+C13)/2 CA2 =(C22+C23)/2 CA3 =(C32+C33)/2 その後、平均化回路ユニット60は、各波長成分毎の平
均的な比CAn を重み係数として、各波長成分毎の平均
的な位置ずれ量ΔXAn を以下のように加重平均して、
最も確からしいずれ量ΔXを算出する。
【0162】ΔX=(CA1 ・ΔXA1 +CA2 ・ΔX
A2 +CA3 ・ΔXA3 )/(CA1 +CA2 +CA3
) 以上により、第2の演算モードによる格子マークMGの
位置又は位置ずれ検出が達成される。また第3の演算モ
ードでは、第1の演算モードで算出された位置ずれ量と
第2の演算モードで算出された位置ずれ量とを単純平均
する第1アルゴリズムと、それら2つの位置ずれ量を加
重平均する第2アルゴリズムとのいずれか一方を、オペ
レータによって予め設定可能となっている。そこで第1
の演算モード(±1次光の干渉ビームの検出結果を使う
モード)で最終的に算出された位置ずれ量をΔXM1 と
し、第2の演算モードで最終的に算出された位置ずれ量
をΔXM2 とすると、第1アルゴリズムで決定される位
置ずれ量は(ΔXM1 +ΔXM2 )/2で算出される。
【0163】一方、第2アルゴリズムでは、第1の演算
モードで算出されるずれ量ΔXM1と第2の演算モード
で算出されるΔXM2 とを、所定の重み係数Q1 、Q2
を使って加重平均する。一例として、重み係数Q1 は、
±1次光の干渉ビームBMを光電検出して得られた信号
Imn(n=1、2、3)の夫々の振幅値E1 、E2 、E
3 (図11参照)の和に対応させ、重み係数Q2 は0次
−2次光の干渉ビームを光電検出して得られた信号IK
02n 、IK20n (n=1、2、3)の各波長毎の平
均振幅値(E021 +E201 )/2、(E022 +E
202 )/2、(E023 +E203 )/2の代数和に
対応させる。従って、第2アルゴリズムは以下の演算に
より格子マークMGのずれ量ΔXが決定される。
【0164】ΔX=(Q1 ・ΔXM1 +Q2 ・ΔXM2
)/(Q1 +Q2 ) なお、原理的に言って高次の回折光ほど、その光強度が
小さいので、±1次光の干渉ビームBMの光強度振幅
(En に対応)にくらべて0次−2次光の干渉ビームの
光強度振幅(E02n 、E20n に対応)はかなり小さ
くなる。従って単純に信号Imn、IK02n 、IK20
n の振幅のみの和で重み係数Q1 、Q2 を決定してしま
うと、ほとんどの場合重み係数Q1 の方が係数Q2 より
も大きくなってしまう。そこで係数Q2 のほうは算出さ
れた値を、例えば予め定めた割合(一例として10〜3
0%)だけ増大させるように補正しておくのがよい。次
に本発明の第7の実施例を図20を参照して説明する。
この実施例では、先の図8中に示したウエハステージW
ST上のフィデューシャルマーク板FGの構造を透過型
の格子マーク(振幅透過率に非対称性がない格子)に変
更し、その格子マークから透過して発生する干渉ビーム
を光電検出することによって、各光電信号Imn、IK0
2n 、IK20n の振幅比を検出回路ユニット58で算
出する際に使う分母(基準値)を求めるようにした。
【0165】図20はウエハステージWSTの部分断面
を表し、送光ビーム±LF(ここでは波長λ1 、λ2 の
2波長とする)がフィデューシャルマーク板FG上の格
子マークを各波長成分毎に順次切り換えて照射される
と、その格子マークからステージ内部に向けて0次光、
±1次光、±2次光が発生する。これらの回折光はミラ
ーMRで直角に曲げられてフーリエ変換機能を有するレ
ンズ系G5 に入射され、フィデューシャルマーク板FG
から垂直に発生する±1次回折光による干渉ビームBmr
n (n=1,2)、0次−2次回折光による干渉ビーム
±B1r(波長λ1 )、±B2r(波長λ2 )となって光電
素子群DTRに入射する。
【0166】この光電素子群DTRは、干渉ビームBmr
n を受光してビート周波数に応じた交流の光電信号Imr
n を出力する中央受光部と、干渉ビーム+B1r(波長λ
1 )と+B2r(波長λ2 )とを共通に受光してビート周
波数に応じた交流の光電信号IR20n を出力する受光
部と、干渉ビーム−B1r(波長λ1 )と−B2r(波長λ
2 )とを共通に受光してビート周波数に応じた交流の光
電信号IR02n を出力する受光部とで構成される。
【0167】従って、送光ビーム±LFが波長λ1 の間
は、波長λ1 による0次−2次光の干渉ビーム±B1rと
波長λ1 による±1次光の干渉ビームBmr1 とが光電素
子群DTRに達し、送光ビーム±LFが波長λ2 の間
は、波長λ2 による0次−2次光の干渉ビーム±B2rと
波長λ2 による±1次光の干渉ビームBmr2 とが光電素
子群DTRに達する。このため、波長λ1 のときは各受
光部から光電信号Imr1、光電信号IR021 、IR2
01 が得られ、波長λ2 のときは各受光部から光電信号
Imr2 、光電信号IR022 、IR202 が得られる。
【0168】ヘテロダイン方式の場合、これらの光電信
号はビート周波数と等しい周波数の正弦波状の波形とな
って現れ、光電信号Imrn 、IR02n 、IR20n は
先の図18に示したA/Dコンバータ回路ユニット50
へ入力信号Imn、IK02n、IK20n の各々と切り
換えられて入力される。具体的には図18の回路中に、
信号Imrn と信号Imnとを切り換えてA/Dコンバータ
回路50に入力するスイッチ、信号IR02n と信号I
K02n とを切り換えてA/Dコンバータ回路50に入
力するスイッチ、及び信号IR20n と信号IK20n
とを切り換えてA/Dコンバータ回路50に入力するス
イッチを追加し、それら3つのスイッチを連動させて位
置制御器62(図10)からの指令信号に応答して切り
換えるように構成すればよい。
【0169】これらの光電素子群DTRからの光電信号
は波形メモリ回路ユニット54に一時的に記憶された
後、それらの光電信号の各振幅値が図18中の振幅検出
回路ユニット58で求められて記憶される。そして振幅
比を求める際には、例えば以下の演算を行う。 C11=Im1/Imr1 C21=Im2/Imr2 C12=IK021 /IR021 C22=IK022 /IR022 C13=IK201 /IR201 C23=IK202 /IR202 このように本実施例ではフィデューシャルマーク板FG
を透過した回折光の干渉ビームを光電素子群DTRで光
電検出するようにしたので、その素子群DTRから得ら
れる各光電信号の位相情報と参照信号としての光電信号
Imsの位相情報とを比べるようにすると、フィデューシ
ャルマーク板FGの位置ずれ、又は位置の計測、すなわ
ちベースライン計測の一部分の動作を兼用させることが
できる。
【0170】次に本発明の第8の実施例を図21を参照
して説明する。本実施例では、対物レンズ22を介して
ウエハW(又はフィデューシャルマーク板FG)上の計
測用(アライメント用)の格子マークMGを照射する1
対の送光ビーム+LFと−LFとの偏光方向を相補的な
関係にする。すなわち直線偏光であれば送光ビーム+L
Fと−LFとの偏光方向を直交させ、円偏光であれば送
光ビーム+LFと−LFとを互いに逆回りの偏光に設定
する。このため2つの送光ビーム±LFは互いに干渉す
ることがなく、格子マークMGから垂直に発生する各波
長λ1 、λ2 、λ3 の±1次回折光BMも互いに干渉し
ない。
【0171】そのため、±1次回折光BMを対物レンズ
22、小ミラーMR2 を介して光電検出する際、検光子
(アナライザー)としての偏光ビームスプリッタPBS
を用いる。このようにすると、偏光ビームスプリッタP
BSを透過した±1次光BMは互いに干渉して第1の干
渉ビームBP1 となり、偏光ビームスプリッタPBSで
反射された±1次光BMは互いに干渉して第2の干渉ビ
ームBP2 となる。
【0172】これら干渉ビームBP1 、BP2 は互いに
相補的ではあるが、それぞれの干渉ビームはヘテロダイ
ン方式であればビート周波数に応じて正弦波状に強度変
調されたものとなる。さらに干渉ビームBP1 とBP2
の強度変調の位相は丁度180度だけ異なったものとな
っている。尚、同図中に示した1/2波長板HWは、送
光ビーム±LFと±1次回折光BMの互いに直交する直
線偏光方向が、偏光ビームスプリッタPBSの偏光分離
方向と異なる(回転している)場合に、±1次回折光B
M間の直線偏光方向を修正する目的で設けられたもので
ある。このため、±1次回折光BMの間の互いに直交し
た直線偏光方向が最初から偏光ビームスプリッタPBS
の偏光分離方向と一致しているか、あるいは送光ビーム
+LF、−LFが逆回りの円偏光になっているときは1
/2波長板HWを用いなくてもよい。
【0173】そこで本実施例では、干渉ビームBP1 を
光電素子DT0aで受光し、干渉ビームBP2 を光電素子
DT0bで受光するように構成し、光電素子DT0aとDT
0bの両光電信号を差動アンプによって減算して光電信号
Imnを得る構成とした。このように差動アンプを用いた
のは、光電素子DT0aの光電信号と光電素子DT0bの光
電信号とが互いに逆位相(180°の差)になっている
からであり、両信号に共通に含まれる同相ノイズ成分が
減算によってキャンセルされ、信号Imnの実質的なS/
N比が改善されるからである。
【0174】ところで、先の図8、17、21に示した
対物レンズ22は、使用する波長域(λ1 〜λ3 )にお
いて発生する各種の色収差のうち、少なくとも軸上色収
差についてある程度補正されているのが望ましい。仮に
使用する波長λ1 〜λ3 の帯域が100nm以下であれ
ば、そのような軸上の色収差は対物レンズ22を構成す
る複数のレンズ素子の硝材を選択したり、異なる屈折
率、分散比のレンズ素子を組み合わせることによってあ
る程度補正可能である。もちろん、そのような色収差は
対物レンズ22で完全に補正しておく必要もなく、図8
に示した調整光学系14、16、18により補正するこ
とも可能である。
【0175】以上、本発明の各実施例を説明したが、ウ
エハWやフィデューシャルマーク板FG上の格子マーク
MGをホモダイン方式で検出する場合、その格子マーク
MGをピッチ方向にプリスキャンして各光電信号のレベ
ル変化をサンプリングする必要がある。その場合、最も
簡単な手法は、図10又は図18に示した信号波形サン
プリング用のクロック信号Cpsを、ステージWSTの位
置計測用のレーザ干渉計44からの計測パルス(例えば
0.02μm毎に1パルス)に変更することである。
【0176】このようにすると、格子マークMGを数ピ
ッチ分に渡ってプリスキャンする間に発生する各光電信
号の波形データが格子マークMGの格子位置に対応して
メモリ回路54に記憶されることになる。ただしステー
ジWSTのプリスキャンは、送光ビーム±LFの各波長
毎の切り換えに応答した回数分が必要となる。また、格
子マークMGに2つの送光ビーム±LFを照射する方式
では、その2つの送光ビーム±LFは格子マークMGの
少なくともピッチ方向に関して対称的な入射角にするの
が望ましく、また先の図7のように格子マークMGに1
本の送光ビームを投射する方式では、その入射角は格子
マークMGのピッチ方向に関して零(垂直入射)にする
のが望ましい。すなわち送光ビームを格子マークMGの
ピッチ方向と直交した方向(非計測方向)に傾けてもよ
いことを意味する。
【0177】ところで、各波長毎に切り換えられる照明
光束を計測用の格子マークMG(またはフィデューシャ
ルマーク)に投射する際、図5、7、8のように各波長
毎の複数のレーザビームを一度同軸になるように合わせ
ずに、格子マークMGのフーリエ変換面において、マー
ク位置の計測方向(ピッチ方向)と直交した非計測方向
に分離して送光するように構成してもよい。すなわち複
数の照明ビームの波長毎に格子マークMGへの入射角を
非計測方向に異ならせることもできる。そこでそのよう
な構成の位置検出系の例を本願の第9の実施例として図
22,23を参照して説明する。
【0178】図22は投影レンズの後群レンズ系G2ま
たは対物レンズ22に入射する2つの波長のビーム±L
Fλ1 、±LFλ2 の送光の様子を示し、それらビーム
±LFλ1 、±LFλ2 は格子マークMGに対するフー
リエ変換面(瞳面)EP上で光軸AXから偏心した位置
を通る。また各ビーム±LFλ1 、±LFλ2 は同図中
の紙面と垂直な方向に分離した2本のビームで構成され
る。さらに同図中の格子マークMGのピッチ方向も紙面
と垂直な方向であり、波長λ1 のビーム±LFλ1 と波
長λ2 のビーム±LFλ2 とがフーリエ変換面EP上で
非計測方向(同図の紙面内の左右方向)にずれて通るよ
うに設定しておく。
【0179】これによって格子マークMGから発生して
フーリエ変換面EPまで戻ってくる±1次回折光の干渉
ビームBm1、Bm2も、波長毎にフーリエ変換面EP上で
非計測方向に分離した位置を通る。干渉ビームBm1は送
光ビーム±LFλ1 の照射によりマークMGから発生し
たものであり、干渉ビームBm2は送光ビーム±LFλ2
の照射によりマークMGから発生したものであり、それ
ら送光ビームと干渉ビームとはフーリエ変換面EP上で
は、例えば図23のように分布する。
【0180】図23において、フーリエ変換面EPの中
心を原点とする直交軸(計測軸と非計測軸)を設定した
とき、2組の送光ビーム±LFλ1 、±LFλ2 の非計
測軸の方向のずれ量Dhは、1次回折光による干渉ビー
ムBm1、Bm2の非計測方向のずれ量に対応したものとな
る。このように格子マークMGを照射するビームを各波
長成分毎に非計測方向に傾けておくと、干渉ビームBm
1、Bm2もフーリエ変換面EP内で分離して分布するこ
とになるので、各光電素子の受光面をフーリエ変換面E
P上またはその面EPと共役な面上に配置するだけで、
同様に光電検出が可能となる。
【0181】すなわち、光電検出すべき複数の干渉ビー
ム(±1次回折光の干渉、0−2次回折光の干渉)が各
波長毎にフーリエ変換面EP上で分離していれば、波長
毎に各干渉ビームを個別に光電検出可能である。すなわ
ち各波長毎に別々の光電素子で受光できるので、各光電
素子毎に接続される増幅アンプのゲインを最適に微調整
しておくことが可能となる。
【0182】また、送光ビームの生成はレーザ光源に限
らず、ハロゲンランプからの光、高輝度LEDからの光
を利用しても実現できる。ハロゲンランプからの光を利
用するときは、互いに異なる波長部分で狭いバンド幅を
有する複数の波長選択フィルタ(又は干渉フィルター)
を交換可能に設け、このフィルタを時分割的に切り換え
て選択された波長幅の光を、例えば光ファイバー等で導
光して使えばよい。この場合、ウエハ上の格子マークM
Gを照射する送光ビームは、選択された狭い波長バンド
幅内であっても連続したスペクトル強度分布を有するた
め、受光系内の各光電素子の前に特定の波長成分のみを
取り出す干渉フィルタ(バンド幅は3〜10nm)を固
定的または交換可能に配置してもよい。
【0183】
【発明の効果】以上、本発明によれば位置検出用の照明
光を複数の波長成分毎に切り換え、基板上の位置検出用
の格子状マークから発生する回折光を波長成分毎に個別
に光電検出し、それによって得られる各光電信号毎にマ
ーク位置情報を検出して計算上で平均化するようにした
ので、マークの非対称性やレジスト層の厚みむらによる
影響を低減させた高精度な位置検出が可能となる。ま
た、マークからの回折光を光電検出する際に、波長成分
毎に独立した光電信号を得るようにしたので、照明光の
各波長成分毎の強度が異なっていても、従来のような多
波長化による平均化効果を損なうことがないといった利
点もある。
【0184】さらに本発明によれば、光電検出すべき回
折光がより高次の成分からなる場合であっても、従来の
ように単一の光電素子で多波長化された高次回折光(0
次、2次光の干渉ビーム等)を同時に受光する際に生じ
る相殺現象がなくなり、従来に比べて各段に高精度な位
置検出、アライメントが可能となる。しかも本発明で
は、光電検出された各波長成分毎の回折光の強度レベル
の減衰率(振幅比)を求め、その減衰率が小さく信号振
幅が相対的に大きくなっている回折光に対しては、大き
な重みを加えた平均化演算により位置検出を行うように
したので、単純な平均化に比べて格段に位置検出の精度
が高いといった効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】格子マークを検出したときの検出誤差と信号変
化の振幅分との関係をシミュレーションしたグラフ
【図2】図1のシミュレーションで想定した格子マーク
とレジスト層の構造の一例を示す断面図
【図3】複数の波長の光の照射によって格子マークから
発生する各次数の回折光の様子を示す図
【図4】1次回折光を使って図2のような構造のマーク
を検出したときの検出誤差と、0次−2次回折光を使っ
てマークを検出したときの検出誤差とをシミュレーショ
ンしたグラフ
【図5】本発明の第1の実施例による位置検出装置の構
成を示す図
【図6】干渉縞と格子との相対的な位置関係の変化と検
出信号のレベル変化を表す図
【図7】本発明の第2の実施例による位置検出装置の構
成を示す図
【図8】本発明の第3の実施例による位置検出装置の構
成を示す図
【図9】回転ラジアル格子板による回折ビームの発生の
様子を示す斜視図
【図10】第3の実施例による装置に適用される信号処
理回路を示すブロック図
【図11】図10の処理回路のメモリ中に取り込まれる
各信号の波形の一例を示す図
【図12】本発明が適用し得る投影露光装置の概略構成
を第4の実施例として示す図
【図13】図12に示した装置のTTLアライメント系
の部分拡大図
【図14】図12に示した装置の変形例を第5の実施例
して説明する図
【図15】回折格子からの0次光と2次光との各干渉に
より得られた各波長毎の光電信号の波形の一例を示す図
【図16】回折格子からの0次光と2次光との各干渉に
より得られた各波長毎の光電信号の波形の一例を示す図
【図17】本発明の第6の実施例による位置検出装置の
構成を示す図
【図18】図17の装置に適用される信号処理回路の構
成を示すブロック図
【図19】図18中の波形メモリ回路ユニット内のメモ
リバンクの配置を説明する図
【図20】本発明の第7の実施例による装置の部分構成
を示す断面図
【図21】本発明の第8の実施例による位置検出装置の
構成を示す図
【図22】本発明の第9の実施例による位置検出装置に
おける照明ビームの投射方式を示す図
【図23】図22の照明ビームの投射方式の際のフーリ
エ変換面上での各ビームの配置例を示す図
【符号の説明】
RG……基準格子 MG……格子マーク G1……投影レンズの前群レンズ系 G2……投影レンズの後群レンズ系 LS1 、LS2 、LS3 ……レーザ光源 RRG……回転ラジアル格子板(周波数シフター) W……ウエハ FG……フィデューシャルマーク板 DT0 、DT1 、DT2a、DT2b、DTR、40……光
電素子 22……対物レンズ CU5、60……加重平均化回路

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】位置検出すべき基板上に所定のピッチで形
    成された回折格子状の格子パターンに対称的な2方向か
    ら可干渉性の照明ビームを照射し、前記格子パターンか
    ら発生する複数の回折光のうち、2以上の次数差をもっ
    て同一方向に進む2つの回折光同志の相互干渉光を光電
    検出手段で受光し、該光電検出手段から出力される光電
    信号に基づいて前記格子パターンの周期方向の位置を検
    出する方法において、 互いに波長の異なるn個の可干渉性ビームを放出するた
    めの複数の光源を用意し、前記格子パターンを対称的な
    2方向から照射する照明ビームとして、前記複数の光源
    の各々からの可干渉性ビームを時間的に順次切り換えて
    1波長毎に所定の照射時間分ずつ供給する段階と;該所
    定の照射時間ずつ波長が切り換えられた照明ビームの照
    射により前記格子パターンから発生する相互干渉光を前
    記光電検出手段で受光し、該相互干渉光の各波長毎の光
    量に応じてレベル変化するn個の光電信号を発生させる
    段階と;前記n個の光電信号の各々に基づいて前記格子
    パターンのピッチ方向に関するn個の位置情報を算出す
    る段階と;前記n個の光電信号の各々の振幅値に応じた
    重みを付加して前記n個の位置情報を加重平均演算する
    ことによって前記格子パターンの位置を確定する段階と
    を備えたことを特徴とする位置検出方法。
  2. 【請求項2】前記可干渉性の照明ビームによって生成さ
    れる1次元の干渉縞と前記格子パターンとを相対的にピ
    ッチ方向に走査し、該走査によって前記光電検出手段か
    ら発生するn個の光電信号の各々をほぼ正弦波状にレベ
    ル変化する周期波形にし、該周期波形の振幅値を前記加
    重平均演算の際の重み係数として利用することを特徴と
    する請求項第1項に記載の位置検出方法。
  3. 【請求項3】前記複数の光源の各々から放出されるn個
    の可干渉性ビームを前記所定の照射時間ずつ順次切り換
    えて共通の周波数シフターに入射させることによって、
    前記格子パターンを対称的な2方向から照射する1対の
    照明ビーム間に一定の周波数差を与え、前記干渉縞を該
    周波数差に応じた速度で移動させることを特徴とする請
    求項第2項に記載の位置検出方法。
  4. 【請求項4】前記n個の光電信号の各々は、前記格子パ
    ターンからほぼ垂直に発生する各波長成分毎の+1次回
    折光と−1次回折光との相互干渉光の光量に応じてレベ
    ル変化することを特徴とする請求項第1項、第2項、第
    3項のいずれか一項に記載の位置検出方法。
  5. 【請求項5】前記n個の光電信号は、前記格子パターン
    から発生する各波長成分毎の+1次回折光と−1次回折
    光との相互干渉光の光量に応じてレベル変化するn個の
    第1光電信号群と、前記格子パターンから発生する各波
    長成分毎の0次回折光と2次回折光との相互干渉光の光
    量に応じてレベル変化するn個の第2光電信号群とを含
    み、前記位置情報を算出する段階は前記n個の第1光電
    信号群の各々に基づいて前記格子パターンのピッチ方向
    に関するn個の第1位置情報を算出するとともに、前記
    n個の第2光電信号群の各々に基づいて前記格子パター
    ンのピッチ方向に関するn個の第2位置情報を算出する
    処理を含むことを特徴とする請求項第1項、第2項、第
    3項のいずれか一項に記載の位置検出方法。
  6. 【請求項6】位置検出すべき基板を保持する可動ステー
    ジと、該基板上に所定のピッチで形成された回折格子状
    の格子パターンに対称的な2方向から可干渉性の照明ビ
    ームを照射する照射手段と、前記格子パターンから発生
    する複数の回折光のうち2以上の次数差をもって同一方
    向に進む2つの回折光同志の相互干渉光を受光する光電
    検出手段とを備え、該光電検出手段から出力される光電
    信号に基づいて前記格子パターンの周期方向の位置を検
    出する装置において、 互いに波長の異なるn個の可干渉性ビームを放出する複
    数の光源と;前記格子パターンを対称的な2方向から照
    射する照明ビームの波長を切り換えるために、前記複数
    の光源の各々からの可干渉性ビームを1波長毎に所定の
    照射時間分ずつ時間的に順次切り換えて前記照射手段に
    供給する切り換え手段と;該切り換え手段によって波長
    が切り換えられた照明ビームの照射により前記格子パタ
    ーンから発生する相互干渉光を前記光電検出手段で受光
    し、該相互干渉光の各波長毎の光量に応じてレベル変化
    するn個の光電信号の各々に基づいて前記格子パターン
    のピッチ方向に関するn個の位置情報を検出する波長別
    位置検出手段と;前記n個の光電信号の各々の振幅値に
    応じた重みを付加して前記n個の位置情報を加重平均演
    算することで前記格子パターンの位置を決定する位置決
    定手段とを備えたことを特徴とする位置検出装置。
  7. 【請求項7】前記位置決定手段は、前記可干渉性の照明
    ビームによって生成される1次元の干渉縞と前記格子パ
    ターンとを相対的にピッチ方向に移動させたときに、前
    記光電検出手段から発生するn個の光電信号の各々のレ
    ベル変化の振幅値を検出する振幅検出回路と、該検出さ
    れた各波長毎の振幅値に基づいて前記n個の位置情報を
    加重平均する平均演算回路とを含むことを特徴とする請
    求項第6項に記載の位置検出装置。
  8. 【請求項8】前記照射手段は、前記切り換え手段で順次
    切り換えられた前記n個の可干渉性ビームを入射して前
    記格子パターンを対称的な2方向から照射する1対の照
    明ビーム間に一定の周波数差を与える周波数シフターを
    含み、前記干渉縞を該周波数差に応じた速度で移動させ
    ることを特徴とする請求項第7項に記載の位置検出装
    置。
  9. 【請求項9】前記光電検出手段は、前記格子パターンか
    ら発生する各波長成分毎の+1次回折光と−1次回折光
    との相互干渉光の光量に応じてレベル変化するn個の第
    1光電信号を前記照明ビームの切り換えに応答して順次
    出力する第1の光電素子と、前記格子パターンから発生
    する各波長成分毎の0次回折光と2次回折光との相互干
    渉光の光量に応じてレベル変化するn個の第2光電信号
    を前記照明ビームの切り換えに応答して順次出力する第
    2の光電素子とを含むことを特徴とする請求項第6項、
    第7項、第8項のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  10. 【請求項10】第1の回折格子が形成された第1基板と
    第2の回折格子が形成された第2基板とを結像光学系を
    挟んで対向配置させる手段と、前記第1の回折格子に可
    干渉性の照明ビームを照射することによって、前記第1
    の回折格子から発生する複数の回折光を前記結像光学系
    を介して前記第2の回折格子に投射させる照射手段と、
    該第2の回折格子から発生する複数の再回折光のうち同
    一方向に進む2つの回折光同志の相互干渉光を受光する
    光電検出手段とを備え、該光電検出手段から出力される
    光電信号に基づいて前記第1の回折格子と第2の回折格
    子との周期方向の相対的な位置関係を検出する装置にお
    いて、 互いに波長の異なるn個の可干渉性ビームを放出する複
    数の光源と;前記第1の回折格子を照射する照明ビーム
    の波長を切り換えるために、前記複数の光源の各々から
    の可干渉性ビームを1波長毎に所定の照射時間分ずつ時
    間的に順次切り換えて前記照射手段に供給する切り換え
    手段と;該切り換え手段によって波長が切り換えられた
    照明ビームの照射により前記第2の回折格子から発生す
    る相互干渉光を前記光電検出手段で受光し、該相互干渉
    光の各波長毎の光量に応じてレベル変化するn個の光電
    信号の各々に基づいて前記第1の回折格子と第2の回折
    格子との周期方向に関するn個の相対位置ずれ情報を検
    出する波長別位置検出手段と;前記n個の光電信号の各
    々の振幅値に応じた重みを付加して前記n個の相対位置
    情報を加重平均演算することで前記第1の回折格子と第
    2の回折格子との相対位置ずれを決定する位置決定手段
    とを備えたことを特徴とする位置検出装置。
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