JPH08287952A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池

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JPH08287952A
JPH08287952A JP7085283A JP8528395A JPH08287952A JP H08287952 A JPH08287952 A JP H08287952A JP 7085283 A JP7085283 A JP 7085283A JP 8528395 A JP8528395 A JP 8528395A JP H08287952 A JPH08287952 A JP H08287952A
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JP
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graphite
negative electrode
battery
lithium
active material
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Application number
JP7085283A
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English (en)
Inventor
Hiromi Nagata
博美 永田
Masaki Kitagawa
雅規 北川
Sukeyuki Murai
祐之 村井
Takashi Takeuchi
崇 竹内
Teruyoshi Morita
彰克 守田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リチウムの吸蔵、放出能力およびカーボン粉
末の充填性において、負極材料として優れた性質を有す
る鱗片状黒鉛を、強放電に適した極板状態とすることに
より、強放電特性の優れた非水電解液二次電池を提供す
ることを目的とする。 【構成】 集電材に接する負極活物質層には球状黒鉛を
含有し、負極表面の活物質層には鱗片状黒鉛を含有する
ものとし、球状黒鉛の割合が重量比率で20%以上80
%以下とする。また、活物質層の少なくともいずれか一
方に繊維状黒鉛を5%以上20%以下添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非水電解液二次電池、
特に負極の改善に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型化、軽量化が進むにつ
れ、その電源としての電池に対しても小型、軽量化の要
望が高まっている。中でも負極にリチウム金属を用いる
非水電解液二次電池はその理論エネルギー密度が大なる
ことから大きな期待が寄せられてきた。しかしながら、
負極にリチウム金属を用いた場合、充電時に樹枝状のリ
チウム(デンドライト)が生成し、電池の充放電を繰り
返すうちにこのデンドライトが成長してセパレータを貫
通し、電池の内部短絡を引き起こす、さらにその極端な
場合には電池の発火につながるなどの問題があり、現在
に至るまで完全には解決されていない。
【0003】この問題を解決する手段として、リチウム
金属単独ではなく、アルミニウム、鉛、インジウム、ビ
スマス、カドミウムなどの低融点金属とリチウムの合金
を負極とする試みが種々なされてきたが、この場合も電
池の充放電に伴い、合金内へのリチウムの吸蔵、放出を
繰り返すうちに合金が微細化し、この微細な合金がセパ
レータを貫通してリチウム金属負極と同様、電池の短
絡、発火が発生するため解決されたとは言い難い。
【0004】一方、上記の問題を解決するものとして、
負極にカーボンを用いる電池が提案された。非水電解液
二次電池の負極としてカーボンを用いた電池は1986
年第27回電池討論会要旨集P.97、あるいは198
7年第28回電池討論会要旨集P.201に紹介されて
おり、正極活物質として五酸化バナジウム、二酸化マン
ガン、または酸化クロムを用い、活物質であるリチウム
を負極のカーボン中へ担持させる方法としては電池系外
での電気化学的な手法によるとされている。中でも、正
極に五酸化バナジウム、負極にカーボンを用いた電池が
主としてメモリーバックアップ用途などに用いられるコ
イン形電池として実用化され、負極へのリチウムの担持
方法としては、電池内でリチウム金属とカーボンとを電
気的に接触させる方法がとられている。
【0005】最近に至り、1992年第33回電池討論
会要旨集P.83で電子機器用電源として、正極にLi
CoO2、負極にカーボンを用いた円筒形電池が提案さ
れ、深い深度の充放電において1200サイクル経過後
も初期の70%以上の容量が保持されていたと報告され
ている。現在ではこの電池系が4V級リチウムイオン二
次電池として各社で実用化されている。この電池系の特
徴は、負極の充放電反応は負極のカーボン中へのリチウ
ムイオンの吸蔵、放出反応であり、充電に伴う負極上へ
のリチウムの析出がおこらず、従ってデンドライトが生
じないため良好なサイクル特性が得られるというところ
にある。同時にこの電池系のもう一つの特徴は、正極に
LiCoO2というリチウム含有酸化物を用いており、
負極活物質であるリチウムは正極から供給されるため、
特別な処法により負極にリチウムを担持させる必要がな
いというところにある。
【0006】4V級リチウムイオン二次電池の正極活物
質としては上記のLiCoO2のみならず、LiNi
2,LiMn24,LiFeO2、あるいはこれらC
o,Ni,Mn,Feを他の金属元素で一部置換したも
のなどがこれまで検討されている。また、負極材料であ
るカーボンとして、当初はコークス、熱分解炭素、ある
いは各種有機物の低温焼成品などの、いわゆる非晶質カ
ーボンを中心に検討されてきたが、活物質であるリチウ
ムの吸蔵、放出能力という観点から最近では高結晶性の
カーボン、いわゆる黒鉛系のカーボンが注目されてい
る。
【0007】特開平4−115457号公報では負極と
して易黒鉛化性の球状粒子から成る黒鉛質材料が優れた
特性を示すとされている。黒鉛とリチウムの層間化合物
であるC6Liは古くから知られており、電気化学的に
リチウムを吸蔵、放出(インターカレーション、デイン
ターカレーション)した場合、理論容量はカーボン1g
に対し372mAhという非常に大きな値を示す。それ
にもかかわらず、当初リチウムイオン二次電池の負極と
して採用されなかったのはJournal of Electrochemical
Society117,No.2(1970)p.222で報告されているよう
に、現在非水電解液一次電池で電解液の溶媒成分の一つ
として広く用いられているプロピレンカーボネートを用
いると、その溶媒分子が黒鉛の表面で分解し、リチウム
の黒鉛中へのインターカレーション反応がスムーズに行
われないということにあった。これに対し、1992年
第59回電気化学大会講演要旨集P.238では電解液
の溶媒成分にエチレンカーボネートを主体として用いる
ことにより、この問題が解決されると報告されている。
以降、天然黒鉛や種々の人造黒鉛がリチウムイオン二次
電池の負極として検討され、現在ではむしろ黒鉛系の負
極が主流となってきている。
【0008】一方、電池の負極として求められる要件と
してカーボン自身のリチウムの吸蔵、放出の能力と共
に、電池という限られた体積の中に如何に多量のカーボ
ンを詰め込み得るかという充填性があり、これはカーボ
ンに限らず粉末であればその形状により大きく左右され
るものである。
【0009】カーボン粉末の形状を考えた場合、粒状、
塊状、鱗片状、繊維状の4つに大別される。リチウムイ
オン電池では通常、集電体である金属薄膜の両面または
片面にカーボンと結着剤の混合ペーストを塗布し、極板
としたものを乾燥後、適宜圧延して電極を形成するが、
上記4種の形状のうちでは鱗片状のカーボンがもっとも
充填性に優れている。すなわち、他の3種の形状のカー
ボンでは極板を乾燥後圧延しても粒子の形状は変わらず
単に密に充填されるだけであるが、鱗片状カーボンは圧
延により粒子が同一方向に配向するため、より緊密性が
大となり充填性も大となる。したがって、リチウムの吸
蔵、放出の能力及びカーボン粉末の充填性という観点で
は、天然あるいは人造黒鉛でかつ粉末形状が鱗片状のも
のがカーボン負極材料としてもっとも優れた材料である
と言える。
【0010】しかしながら、天然黒鉛の場合には産出地
の違いによる材料のバラツキ、あるいは大量の不純物を
取り除くための特別な処理などによる材料の管理が必要
であるということを考慮すると、カーボン負極材料とし
ては鱗片状の人造黒鉛が最も優れたものであると言え
る。代表的な鱗片状の人造黒鉛としては石炭ピッチもし
くは石油ピッチを黒鉛化したもので、ロンザ社製、ある
いは日本黒鉛社製の人造黒鉛があげられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、鱗片状の人造
黒鉛を負極材料として用いる場合、一つの解決しなけれ
ばならない課題がある。確かに鱗片状黒鉛は配向性大な
ため圧延により充填性が上がるが、逆に充填性が上がり
すぎて電極内の空孔部分が制限され、電池の電極を形成
したとき電極内部に電解液が浸透しないため電極の表面
部分でしか電池反応が行われず、電極の反応利用率の低
下、あるいは強放電に適さないという課題が生じる。
【0012】本発明は上記の課題を解決するものであ
り、負極材料として優れた性質を有する黒鉛を用い、強
放電に適した極板状態とした非水電解液二次電池を提供
することを目的としたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】これらの課題を解決する
ために、本発明は集電材に接する負極活物質層には球状
黒鉛を含有し、負極表面の活物質層には鱗片状黒鉛を含
有するものとし、特にサイクル特性を必要とする場合に
はそれら活物質層の少なくともいずれか一方に繊維状黒
鉛を添加したものである。
【0014】
【作用】通常、負極板作製時には圧延工程を設けて活物
質を適切な充填状態にするが、活物質に鱗片状黒鉛を用
いた場合、鱗片状黒鉛は圧延されやすい性質であるため
最適な充填密度、すなわち、極板内部まで十分に液が浸
透し全活物質が反応するための適切な空孔体積を保持し
た充填密度に制御することが難しい。また、圧延によっ
て黒鉛の六角網面が電極表面に平行に配向した状態とな
るため、充放電時にリチウムイオンの出入がしにくく、
また、集電体である金属薄膜上に鱗片が重なった状態で
あるために圧延しても鱗片と金属薄膜が滑ってしまい、
黒鉛粒子は集電体に食い込まず、集電体と黒鉛粒子の接
触強度は比較的弱い。
【0015】一方、球状黒鉛は比較的充填されにくい
が、黒鉛の六角網面の端部が粒子表面に存在する構造
(ラメラ構造)であるため、充放電に伴うリチウムイオ
ンの出入りは比較的スムーズに行われる。また、集電体
である金属薄膜にも食い込みやすく、集電体と黒鉛粒子
の接触強度の点でも比較的優れている。
【0016】以上のことから集電体に接する活物質層に
は球状黒鉛を配置して集電体との接触強度を確保し、電
極表面の活物質層には鱗片状黒鉛を配置して活物質の充
填量を増やす構造とした負極板を用いることにより、強
放電特性に優れた非水電解液二次電池を構成することが
できる。
【0017】さらに、この構造は集電体に接する活物質
層が電極表面から離れているためリチウムの移動が距離
的に困難である点をリチウムイオンが出入りしやすい球
状黒鉛の構造によりカバーし、鱗片状黒鉛の粒子形状的
にリチウムの移動が困難である点をもっとも反応がスム
ーズに起こる電極表面に配置することによってカバーす
る。
【0018】また、繊維状黒鉛は形状的に球状粒子より
もさらに充填性が低いものであり、単独で用いても良好
な電池特性は得られないが、鱗片状や球状の粒子に少量
添加することによって適量の空孔を確保し、液濡れ性や
反応表面積を増やすため、強放電特性の改良に効果があ
る。さらに、適量の空孔を確保することにより、充放電
に伴う炭素粒子の膨脹、収縮による体積変化を吸収する
ことができ、極板の崩壊を抑制してサイクル特性を向上
することができる。
【0019】
【実施例】以下、図面とともに本発明の実施例を説明す
る。実施例においては円筒形の電池を構成して評価を行
った。
【0020】(実施例1)図1に本実施例に用いた円筒
形電池の縦断面図を示す。図において1は正極を示し、
活物質であるLiCoO2に導電材としてカーボンブラ
ックを、結着材としてポリ四フッ化エチレンの水性ディ
スパージョンを重量比で100:3:10の割合で混合
したものをアルミニウム箔の両面に塗着、乾燥し、圧延
した後所定の大きさに切断したものである。これに2の
チタン製の正極リード板をスポット溶接している。なお
結着剤のポリ四フッ化エチレンの水性ディスパージョン
の混合比率は、その固形分で計算している。3は負極
で、炭素質材料を主材料とし、これとアクリル系結着剤
とを重量比で100:5の割合で混合したものをニッケ
ル箔の両面に塗着、乾燥し、圧延した後所定の大きさに
切断したものである。これに4のニッケル製の負極リー
ド板をスポット溶接している。5はポリプロピレン製の
微孔性フィルムからなるセパレータで、正極1と負極3
との間に介在し、全体が渦巻状に捲回されて極板群を構
成している。この極板群の上下の端にはそれぞれポリプ
ロピレン製の上部絶縁板6、下部絶縁板7を配して鉄に
ニッケルメッキしたケース8に挿入する。そして正極リ
ード板2をチタン製の封口板10に、負極リード板4を
ケース8の底部にそれぞれスポット溶接した後、所定量
の電解液をケース内に注入し、ガスケット9を介して電
池を封口板10で封口して完成電池とする。この電池の
寸法は直径14mm、高さ50mmである。なお、11
は電池の正極端子であり、負極端子は電池ケース8がこ
れを兼ねている。
【0021】電解液はエチレンカーボネートとジエチル
カーボネートをモル比1:1で混合した溶媒に溶質とし
て六フッ化リン酸リチウムを1モル/lの濃度で溶解し
たものを用いた。
【0022】負極材料にはロンザ社製人造黒鉛と300
0℃で焼成したメソフェーズ小球体をそれぞれ鱗片状黒
鉛と球状黒鉛として選出し、それらを用いて(表1)に
示す5種類の負極を作製し、上記円筒形電池に組み込み
電池A〜Eとした。負極の黒鉛層を二層にするものは、
まず一層目を集電材上に塗着し、その上に二層目を塗着
した。
【0023】その際、いずれの負極も同じ条件で圧延し
た場合、同じ厚みになるように作製したところ、鱗片状
黒鉛は球状黒鉛に比べ充填性がよいため、極板1枚当た
りの活物質重量は大きくなった。
【0024】また、本実施例の目的は負極による特性の
差をみることであるので、負極活物質量に対し正極活物
質量は十分に大きく、下記に示す実験条件では600m
Ah程度の容量を出力する構成とした。
【0025】上記に示す5種類の電池を低電流と高電流
で定電流放電し、放電容量を比較した。試験条件は、充
放電電流100mA、充電終止電圧4.2V、放電終止
電圧3.0V、環境温度20℃とし、充放電を5回繰り
返した後、放電電流のみを500mAに変えて充放電を
おこなった。低電流での5サイクル目の放電容量、高電
流での放電容量、低電流放電容量に対する高電流放電容
量の割合および各電池の負極板1枚当たりの黒鉛重量を
(表1)に示す。
【0026】
【表1】
【0027】本実施例の電池は正極容量が十分な構成で
あるので、いずれの電池も正極の充放電に伴う電位変化
は同様に小さく、充電容量は充電末期に負極のリチウム
吸蔵能力が限界に達して負極電位が急激に下がり、正・
負極の電位差が充電終止電圧となった時点で充電が終了
するという現象によって決定される。一方、低電流で放
電した場合の充放電効率はいずれの電池もほぼ100%
であり、充電容量によって放電容量は決定され、また、
高電流で放電した場合の充放電効率は100%以下とな
り、放電時に負極中をリチウムが移動する反応の容易さ
によって放電容量が決定される。
【0028】(表1)より、黒鉛の種類による比較を行
ってみると低電流での放電容量は鱗片状黒鉛を用いた電
池Dのほうが球状黒鉛を用いた電池Eよりも小さくなっ
た。本来、電池Dは電池Eに比べ黒鉛重量が大きいため
に放電容量は大きくなるはずであるが、実際には電池D
は黒鉛の充填密度が高く極板内部の空孔体積が小さいた
めに電解液が十分に浸透せず、反応が十分に起こらない
ことから充電容量も少なく、結果として放電容量も小さ
くなったものと考えられる。
【0029】一方、高電流での放電容量はさらに差が大
きくなった。これらのことから鱗片状黒鉛は低・高電流
いずれの放電でも容量が小さく、特に強放電特性が劣る
ことがわかった。
【0030】つぎに、電池A〜Cの混合系を比較すると
低電流での放電容量は電池A−C−Bの順となったが、
あまり顕著な差はみられなかったが、鱗片状黒鉛単独の
電池D、球状黒鉛単独の電池Eよりも容量は大であっ
た。
【0031】一方、高電流での放電容量も電池A−C−
Bの順であったが、その差は特に顕著であった。これ
は、電池Aでは空孔が少なく電解液が浸透しにくいため
にリチウムの反応が起こりにくい鱗片状黒鉛が、反応が
スムーズに起こる負極表面に存在し、適量な空孔を確保
している球状黒鉛が集電材表面に存在することによっ
て、充放電に伴うリチウムの移動反応が比較的スムーズ
に進行するためであるのに対して、電池Bでは負極表面
層から距離の離れた集電材に接するところに鱗片状黒鉛
が存在するので、リチウムの移動反応があまりスムーズ
に行われないためと推察される。電池Cは鱗片状黒鉛が
極板の全体に分布するため、電池AとBの中間の反応状
態と推察される。
【0032】以上の結果、総合評価として低電流、高電
流のいずれの電流値でも放電容量が大きかったのは本発
明の電池Aであった。
【0033】(実施例2)実施例1でもっとも良好な特
性を示した電池Aの負極板の構成で球状黒鉛の最適混合
比率を求めるため(表2)に示す6種類の負極について
前記円筒形電池を試作し評価を行った。評価は実施例1
と同様に低電流と高電流での定電流放電容量を測定し
た。
【0034】(表2)に評価の結果を示す。
【0035】
【表2】
【0036】(表2)より、負極板1枚当たりの活物質
層重量は大きい順に電池F−G−H−I−J−Kとな
り、球状黒鉛の混合比率が多くなるほど小さくなってい
ることがわかる。
【0037】電池特性では低電流での放電容量は大きい
順に電池H−G−I−J−K−Fとなり、電池F、電池
Kの球状黒鉛の混合比率が最小と最大の組成で容量が低
かった。電池Fの容量が小さい理由は、鱗片状黒鉛の比
率が大きく充填密度が上がりすぎ、実施例1の電池Aと
同様、極板内部での反応が不十分であったためと考えら
れ、一方、電池Kの容量が小さい理由は、球状黒鉛の比
率が大きく電池Fとは反対に充填密度が低いためと考え
られる。
【0038】また、高電流での放電容量は大きい順に電
池H−I−J−K−G−Fとなり、電池Fが特に小さか
った。低電流での放電容量に対する高電流での放電容量
の割合は球状黒鉛の混合比率が高いほど大きくなった。
これも実施例1でもみられた傾向で、球状黒鉛のほうが
粒子の表面にリチウムの吸蔵、放出の出入り口が多く存
在するため、高電流での放電に有利であるためと考えら
れる。
【0039】総合評価としては低電流、高電流いずれの
電流値での放電容量がトータル的にバランスのとれてい
るのは電池G〜Jであり、球状黒鉛の混合比率が20〜
80%(重量比)の範囲であった。
【0040】(実施例3)実施例1でもっとも良好な特
性を示した電池Eの負極板の構成で繊維状黒鉛の添加効
果を調べるため、(表3)に示す6種類の負極について
上記円筒形電池の試作、評価を行った。評価方法は実施
例1、2と同様に低電流と高電流での放電容量を測定し
た後、放電電流値を100mAに戻して充放電を繰り返
し、放電容量が50%まで減少した時点で試験を停止
し、その時の充放電サイクル数をその電池のサイクル寿
命とした。
【0041】繊維状黒鉛には昭和電工社製の気相成長炭
素繊維を高温処理したものを用いた。
【0042】(表3)に評価の結果を示す。
【0043】
【表3】
【0044】(表3)より、繊維状黒鉛は鱗片状黒鉛、
球状黒鉛に比べ嵩が高いため、繊維状黒鉛を添加した極
板1枚当たりの黒鉛重量は添加しない極板に比べ小さ
く、繊維状黒鉛の混合比率が大きくなるほど小さくなっ
ている。
【0045】電池特性では低電流での放電容量は大きい
順に電池L−M、N−O−P−Qとなり、繊維状黒鉛の
混合比率が大きくなるほど小さくなり、Qの繊維状黒鉛
の比率が最大のものが特に容量が小さかった。これは繊
維状黒鉛を多く含有するほど、極板中の空孔体積が増え
て電解液の浸透が十分となり、活物質の反応深度は増大
するが、一方で繊維状黒鉛の嵩が大きいために極板1枚
当たりの活物質重量は小さくなり、充放電容量は小さく
なるためと考えられる。
【0046】高電流での放電容量も同様に大きい順に電
池L−M、N−O−P−Qとなったが、低電流での放電
容量に対する高電流での放電容量の割合は繊維状黒鉛の
比率が高いほど大きく、高電流放電特性には繊維状黒鉛
の添加が効果的であることがわかった。また、繊維状黒
鉛は鱗片状黒鉛と球状黒鉛のどちらに添加しても放電容
量に差はなかった。
【0047】一方、サイクル寿命は長い順に電池Q−P
−O−N−M−Lとなり、繊維状黒鉛の添加によってサ
イクル寿命は飛躍的に延び、その添加比率が大きいほど
サイクル寿命が長くなった。これは、繊維状黒鉛が鱗片
状黒鉛や球状黒鉛の粒子間の隙間に存在することによっ
て充放電時の粒子の膨脹、収縮による極板の崩れを防
ぎ、粒子間の接触をよくする効果を持つためと推察され
る。また、球状黒鉛層に添加した電池Mよりも鱗片状黒
鉛層に添加した電池Nのほうが寿命が長かった。これ
は、鱗片状黒鉛を球状黒鉛と比較した場合、鱗片状黒鉛
は充填性がよいため極板中の空孔体積が少なく、充放電
に伴う炭素粒子の膨脹、収縮を吸収できない。そのため
充放電時の極板体積変化が大きく、充放電サイクルをく
り返すと、徐々に炭素粒子間の結着力が低下し極板の崩
壊を伴う。この鱗片状黒鉛の充填されやすい性質に対す
る繊維状黒鉛の添加効果、すなわちサイクルに伴う極板
の崩壊を抑制する効果が、球状黒鉛への添加効果よりも
大きいためと推察される。
【0048】以上をまとめると、繊維状黒鉛を添加する
ことによって、低電流、高電流での放電容量は多少低下
するが、サイクル寿命特性は飛躍的に向上する。従って
サイクル寿命特性が重視される場合には繊維状黒鉛を添
加した系が適しており、その際の混合比率は全体の5〜
20%(重量比)の範囲がよい。また、その効果は鱗片
状黒鉛層、球状黒鉛層いずれの層に添加した場合でも得
られるが、特に鱗片状黒鉛層に添加した場合に改良効果
が大であった。
【0049】以上の3つの実施例の結果を総合すると、
負極の集電材に接触する面に球状黒鉛層を全体の20〜
80%の重量比率で配し、負極の表面に鱗片状黒鉛層を
配することによって、低電流、高電流いずれの放電特性
も向上できる。さらに少なくともいずれか一方の黒鉛層
に負極黒鉛全体の重量に対し、5〜20%の繊維状黒鉛
を添加することによって放電容量は多少低下するもの
の、サイクル寿命特性を飛躍的に向上できることがわか
った。
【0050】従って、放電容量即ちエネルギー密度を重
視する用途に対しては、上記負極構成のうち、繊維状黒
鉛を添加しない構成が適し、一方サイクル寿命特性を重
視する用途に対しては繊維状黒鉛を添加した構成が適し
ている。
【0051】なお、本実施例では正極活物質にリチウム
とコバルトの複合酸化物を用いたが、他の正極活物質、
例えばリチウムとニッケルの複合酸化物、リチウムとマ
ンガンの複合酸化物、リチウムと鉄の複合酸化物などの
リチウム含有酸化物、もしくは上記複合酸化物のそれぞ
れコバルト、ニッケル、マンガン、鉄を他の遷移金属で
一部置換したものを用いた場合でもほぼ同様の効果が得
られた。
【0052】また、本実施例では電解液の溶質に六フッ
化リン酸リチウムを用いたが、他のリチウム含有塩、例
えばホウフッ化リチウム、過塩素酸リチウム、トリフル
オロメタンスルホン酸リチウム、六フッ化ヒ酸リチウム
などを用いた場合でもほぼ同様の結果が得られた。
【0053】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば負極の集電材に接触する面に球状黒鉛層を全体の
20〜80%の重量比率で配し、負極の表面に鱗片状黒
鉛層を配することによって、低電流、高電流いずれの放
電電流でも放電容量特性に優れ、さらに少なくともいず
れか一方の黒鉛層に負極黒鉛全体の重量に対し、5〜2
0%の繊維状黒鉛を添加することによって高電流での放
電とサイクル寿命特性に優れた非水電解液二次電池を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における円筒形電池の縦断面図
【符号の説明】
1 正極 2 正極リード板 3 負極 4 負極リード板 5 セパレータ 6 上部絶縁板 7 下部絶縁板 8 ケース 9 ガスケット 10 封口板 11 正極端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 崇 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 守田 彰克 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正極と負極をセパレータを介して渦巻き状
    に巻き回し構成する非水電解液二次電池において、 前記負極は、負極材料である黒鉛と結着剤との混合物か
    らなる活物質層と集電材である金属薄膜からなり、集電
    材に接する活物質層には球状黒鉛を含有し、負極表面の
    活物質層には鱗片状黒鉛を含有することを特徴とする非
    水電解液二次電池。
  2. 【請求項2】負極材料である球状黒鉛および鱗片状黒鉛
    の少なくとも何れか一方に繊維状黒鉛を添加した請求項
    1記載の非水電解液二次電池。
  3. 【請求項3】負極材料である黒鉛に占める球状黒鉛の割
    合が重量比率で20%以上80%以下の範囲である請求
    項1または2に記載の非水電解液二次電池。
  4. 【請求項4】負極材料である黒鉛に占める繊維状黒鉛の
    割合が重量比率で5%以上20%以下の範囲である請求
    項2または3に記載の非水電解液二次電池。
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