JPH08287842A - 陰極線管装置、その調整方法および調整装置 - Google Patents

陰極線管装置、その調整方法および調整装置

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JPH08287842A
JPH08287842A JP8276395A JP8276395A JPH08287842A JP H08287842 A JPH08287842 A JP H08287842A JP 8276395 A JP8276395 A JP 8276395A JP 8276395 A JP8276395 A JP 8276395A JP H08287842 A JPH08287842 A JP H08287842A
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electron beam
trajectory
electron
center
reference axis
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JP8276395A
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Inventor
Yuji Haraguchi
雄次 原口
Koji Nishimura
孝司 西村
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子ビームの軌道を走査領域の中心から垂直
に延びる基準軸に容易に一致させることができる陰極線
管装置を構成することを目的とする。 【構成】 電子銃4 から放出され偏向装置7 により偏向
された電子ビーム5B,5G,5R により走査される蛍光体ス
クリーン9 を有する陰極線管装置において、電子銃から
放出される電子ビームの軌道を電子ビームにより走査さ
れる蛍光体スクリーンの走査領域の中心から垂直に延び
る基準軸(z軸)に一致させる実質的に複数の電子ビー
ム軌道補正手段23を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カラー受像管装置な
どの陰極線管装置、その電子銃から放出される電子ビー
ムの軌道を蛍光体スクリーンの走査領域の中心から垂直
に延びる基準軸に一致させる陰極線管装置の調整方法お
よび調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にカラー受像管装置は、図7に示す
ように、パネル1および漏斗状のファンネル2からなる
真空外囲器を有し、そのファンネル2のネック3内に封
止された電子銃4から放出される3電子ビーム5B ,5
G ,5R をファンネル2の径大部6とネック3との境界
部付近に装着された偏向装置7の発生する磁界により偏
向し、シャドウマスク8を介して、パネル1の内面に形
成された青、緑、赤に発光する3色蛍光体層からなる蛍
光体スクリーン9を水平、垂直走査することにより、カ
ラー画像を表示する構造に形成されている。
【0003】特にインライン型カラー受像管装置では、
その電子銃4が同一平面上を通るセンタービームおよび
一対のサイドビームからなる一列配置の3電子ビーム5
B ,5G ,5R を放出し、一般的にはセンタービーム5
G が蛍光体スクリーン9の緑蛍光体層を励起し、このセ
ンタービーム5G が、偏向装置7の発生する磁界により
偏向された3電子ビーム5B ,5G ,5R により走査さ
れる蛍光体スクリーン9の走査領域の中心から垂直に延
びる基準軸(z軸)上またはこの基準軸に最も接近して
通るものとなっている。この場合、そのセンタービーム
5G は、偏向装置7の発生する磁界の中心、すなわち、
設計上は上記基準軸上に位置する偏向中心を通るよう
に、ネック3の外周に装着されたピュリティ・コンバー
センス・マグネット11の1構成である2極磁界を発生
する2枚1組のピュリティ・マグネット12の磁界の強
さおよび方向を適宜設定することにより調整される。
【0004】しかし上記のようにインライン型カラー受
像管装置を調整しても、センタービーム5G の走査によ
り得られる緑色画面は、上下および左右の画像歪のバラ
ンスが微妙にずれる場合がある。またこのとき、偏向装
置7の駆動を停止して無偏向状態とすると、センタービ
ーム5G の衝撃により発光する緑蛍光体層の位置が、正
常な走査領域の中心からずれた位置にある場合がある。
このような場合、蛍光体スクリーン9上にカラー画像を
描く3電子ビーム5B ,5G ,5R のコンバーゼンス特
性が、設計上予想される値よりも悪くなり、画面品位が
劣化する。
【0005】このような問題が生ずる原因は、電子銃4
のセンタービーム5G の出射位置が基準軸上にない場
合、そのセンタービーム5G をネック3の外周の1か所
に配置された2枚1組のピュリティ・マグネット12の
発生する磁界により偏向中心を通るようにすると、セン
タービーム5G の軌道は、基準軸に対して傾いたものと
なり、偏向磁界をその中心軸に対して傾斜して通過する
ことになる。さらに偏向装置7の装着位置が設計上の装
着位置からずれている場合があり、それらの複合作用に
より生ずる。
【0006】上記のようにセンタービーム5G が偏向磁
界の中心軸に対して傾斜して通過する主な原因は、 (イ) 電子銃の製造時のアライメントのずれにより生
ずる電子ビームの出射位置および出射角のずれ (ロ) 真空外囲器の組立誤差によるネツク、蛍光体ス
クリーンおよびシャドウマスクの位置ずれ、およびネツ
クに対する電子銃の位置ずれ (ハ) 真空外囲器の組立誤差による偏向装置の装着位
置のずれなどである。
【0007】これら原因のうち、(イ)の電子銃のアラ
イメントのずれについては、従来より各種方法により精
度の向上が図られ、ずれ量はかなり小さくなっている。
しかしなお若干のずれがある。(ロ)のネツク、蛍光体
スクリーン、シャドウマスクの位置ずれおよびネツクに
対する電子銃の位置ずれについては、真空外囲器の製作
や電子銃の封止がガラスの加熱加工によりおこなわれる
ため、またシャドウマスクについては、その構造上およ
びカラー受像管の製造上パネルに対して着脱可能に装着
されるため、ある程度の位置ずれは避けられない。
(ハ)の偏向装置の装着位置のずれについては、ガラス
の加熱加工により真空外囲器が製作されるため、ある程
度の位置ずれは避けられない。その位置ずれの補正は、
基準軸に対する偏向装置の傾きを調整以外に有効な方法
がないため、結果的に基準軸に対して偏向磁界の中心軸
が傾く。
【0008】これら(イ)ないし(ロ)の個々のずれ量
は、いずれも小さいが、そのずれ量が加算されると、調
整後のセンタービーム5G の軌道は、基準軸11に対し
て傾く。
【0009】さらにインライン型カラー受像管装置の場
合、上記のようにセンタービーム5G の軌道が基準軸1
1に対して傾くと、一対のサイドビーム5B ,5R にも
その影響が現れる。すなわち、3電子ビーム5B ,5G
,5R を放出するカラー受像管装置では、センタービ
ーム5G の軌道を調整すると、一対のサイドビーム5
B,5R もその調整の影響を受ける。つまり、センター
ビーム5G が基準軸11に対して傾いた状態で偏向中心
を通ると、一対のサイドビーム5B ,5R も、それに応
じた角度で偏向中心を通る。その結果、3電子ビーム5
B ,5G ,5R のコンバーゼンス特性が劣化する。この
ことは、偏向装置7自体が完全に調整不要の条件を満た
す特性をもっていても、これを真空外囲器に取付ける
と、偏向装置7以外の誤差により、3電子ビーム5B ,
5G ,5R のコンバーゼンスに影響を及ぼすことを意味
している。
【0010】そのため、従来は上記画面品位の劣化を補
正するために、センタービーム5Gが偏向中心を通るよ
うに調整したのち、偏向装置7に補正素子を付加して上
下左右の画像歪のバランスを調整したり、永久磁石を取
付けて局部的な磁界を発生させ、その局部的な磁界によ
り部分的に画像を調整している。
【0011】しかしこのような手段による補正は、本来
不要の調整であり、かつ調整が複雑で時間がかかる。し
かも調整後の画像品位が、設計上の画像品位よりも劣
る。さらに調整後の画像が、カラー受像管装置ごとに異
なった特性をもち、他のカラー受像管装置との画像の斉
一性が失われる。特にこのカラー受像管装置ごとに画像
の特性が異なるという問題は、通常のカラー受像管装置
ではあまり問題とならないが、たとえば特開平5−36
363号公報などに示されているカラー受像管装置のよ
うに、蛍光体スクリーンを一体化し、この蛍光体スクリ
ーンを複数の電子銃から放出される電子ビームにより複
数の領域に分割して走査することにより、各領域に表示
される分割画像を合成して1つの合成画像を表示するカ
ラー受像管装置の場合、各分割画像の特性が相違し、視
角的な違和感により、全体として合成画像の一体感が損
なわれるようになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、同一平
面上を通るセンタービームおよび一対のサイドビームを
放出するインライン型カラー受像管装置では、そのセン
タービームが偏向装置の偏向中心を通るとき、偏向装置
の発生する磁界により偏向された3電子ビームにより走
査される蛍光体スクリーンの走査領域の中心から垂直に
延びる基準軸および偏向磁界の中心軸に対して傾き、上
下左右の画像歪のバランスがずれ、また3電子ビームの
コンバーゼンス特性が悪くなり、画面品位が劣化する。
この画面品位の劣化を補正するため、従来はセンタービ
ームが偏向中心を通るように調整したのち、偏向装置に
補正素子を付加して上下左右の画像歪のバランスを調整
したり、永久磁石を取付けて、その局部的な磁界により
部分的に画像を調整している。
【0013】しかしこのような手段による補正は、本来
不要の調整であり、かつ調整が複雑で時間がかかる。し
かも調整後の画像品位が、設計上の画像品位よりも劣
る。さらに調整後の画像が、カラー受像管装置ごとに異
なった特性をもち、他のカラー受像管装置との画像の斉
一性が失われる。特にこのカラー受像管装置ごとに画像
の特性が異なるという問題は、通常のカラー受像管装置
ではあまり問題とならないが、蛍光体スクリーンを一体
化し、この蛍光体スクリーンを複数の電子銃から放出さ
れる電子ビームにより複数の領域に分割して走査するこ
とにより、各領域に表示される分割画像を合成して1つ
の合成画像を表示するカラー受像管装置の場合、各分割
画像の特性が相違し、視角的な違和感により合成画像の
一体感が損なわれるようになるという問題がある。
【0014】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、第1の目的は、電子銃から放出さ
れる電子ビームが偏向装置の発生する磁界により偏向さ
れた電子ビームにより走査される蛍光体スクリーンの走
査領域の中心から垂直に延びる基準軸上を通るように容
易に調整することができる陰極線管装置を構成すること
にある。第2の目的は、電子銃から放出される電子ビー
ムが上記基準軸上を通るように容易に調整することがで
きる陰極線管装置の調整方法を得ることにある。第3の
目的は、その調整装置を得ることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
第1の手段:電子銃から放出され偏向装置により偏向さ
れた電子ビームにより走査される蛍光体スクリーンを有
する陰極線管装置において、電子銃から放出される電子
ビームの軌道を偏向装置により偏向された電子ビームに
より走査される蛍光体スクリーンの走査領域の中心から
垂直に延びる基準軸に一致させる実質的に複数の電子ビ
ーム軌道補正手段を設けた。
【0016】また、その電子ビーム軌道補正手段を、電
子銃から放出される電子ビームの軌道を第1の方向に移
動させる補正領域およびこの第1の方向とほぼ同方向ま
たはほぼ反転した第2の方向に移動させる補正領域を形
成するものとした。
【0017】第2の手段:電子銃から放出される電子ビ
ームを偏向装置により偏向された電子ビームにより走査
される蛍光体スクリーンの走査領域の中心から垂直に延
びる基準軸に一致させる陰極線管装置の調整方法におい
て、電子銃から放出される電子ビームの軌道を検出する
電子ビーム軌道検出手段により、この電子ビーム軌道検
出手段の作用前と作用後とにおける電子ビームの軌道の
移動量および移動方向を検出し、その電子ビームの軌道
の移動量および移動方向に基づいて実質的に複数の電子
ビーム軌道補正手段により、電子銃から放出される電子
ビームの軌道を基準軸に一致させるようにした。
【0018】また、その電子銃から放出される電子ビー
ムの軌道を検出する電子ビーム軌道検出手段により、こ
の電子ビーム軌道検出手段の作用前と作用後とにおける
電子ビームの軌道の移動量および移動方向を検出し、そ
の電子ビームの軌道の移動量および移動方向に基づいて
実質的に複数の電子ビーム軌道補正手段により、電子銃
から放出される電子ビームの軌道を基準軸に一致させ、
さらに偏向装置の発生する偏向磁界の中心を基準軸に一
致させるようにした。
【0019】また、その電子銃から放出される電子ビー
ムの軌道を基準軸に一致させる工程を、電子ビームの軌
道を第1の方向に移動させる工程と、その第1の方向を
ほぼ反転した第2の方向に移動させる工程とによりおこ
なうようにした。
【0020】第3の手段:電子銃から放出される電子ビ
ームの軌道を偏向装置により偏向された電子ビームによ
り走査される蛍光体スクリーンの走査領域の中心から垂
直に延びる基準軸に一致させる陰極線管装置の調整装置
において、中心の磁界強度が0となる多極磁界を発生
し、この多極磁界の中心が偏向装置により偏向された電
子ビームにより走査される蛍光体スクリーンの走査領域
の中心から垂直に延びる基準軸上に位置するように配置
される電子ビーム軌道検出手段を設けた。
【0021】
【作用】電子ビームが偏向装置の偏向中心を通るとき、
偏向装置により偏向された電子ビームにより走査される
蛍光体スクリーンの走査領域の中心から垂直に延びる基
準軸および偏向磁界の中心軸に対して傾くために生ずる
前述の問題点をなくすためには、電子ビームの軌道を基
準軸と一致させ、かつ偏向磁界の中心軸を基準軸上に位
置させればよい。
【0022】しかし電子ビームの軌道を基準軸と一致さ
せるためには、なんらかの測定手段により電子ビームの
軌道を明確にする必要がある。また電子ビームの軌道を
変化させるために、従来のカラー受像管装置では、ネッ
ク外周の1か所に2極磁界を発生する2枚1組のピュリ
ティ・マグネットを配置しているが、このようにピュリ
ティ・マグネットでは、基準軸に対して傾きをもつ電子
ビームの軌道を基準軸に一致させることは、特定の場合
を除いて不可能である。すなわち、電子ビームが偏向磁
界に入る前に基準軸と交差し、この交際位置にピュリテ
ィ・マグネットを正確に配置できる場合は、電子ビーム
の軌道を基準軸に一致させることができる。しかしこの
ようにカラー受像管装置を組立てることは、電子ビーム
の軌道が、あらかじめ正確にわかっている場合のみであ
り、一般的には電子ビームの軌道は正確にはわからず、
また組立誤差が生ずるため、不可能である。また電子ビ
ームの軌道を基準軸に一致させることができても、画面
品位を良好にするには、蛍光体スクリーン上に描かれる
画像が、蛍光体スクリーンの走査領域の中心、水平軸お
よび垂直軸に対して完全に対称となるなるように、偏向
磁界の中心を基準軸上に位置させなければならない。し
かし偏向装置の発生する磁界の分布は、偏向装置の組立
誤差や電気的特性の相違により、個々の偏向装置で異な
る。そのため、偏向装置の外形を基準にして、偏向装置
の中心軸を基準軸と一致させても、偏向磁界の中心が基
準軸と一致するとは限らず、直接偏向磁界の中心が基準
軸に一致させることが必要である。
【0023】その解決手段として、上記第3の手段のよ
うに、中心の磁界強度が0となる多極磁界を発生し、こ
の多極磁界の中心が偏向装置により偏向された電子ビー
ムにより走査される蛍光体スクリーンの走査領域の中心
から垂直に延びる基準軸上に位置するように配置される
電子ビーム軌道検出手段を設けると、電子ビームが基準
軸上を通る場合は、電子ビーム軌道検出手段の発生する
多極磁界の中心を通り、多極磁界の作用を受けないた
め、蛍光体スクリーン上のビームスポットの位置は変わ
らないが、基準軸からずれた位置を通る場合は、多極磁
界の影響を受け、蛍光体スクリーン上のビームスポット
の位置が移動する。このビームスポットの移動量および
移動方向は、多極磁界に対する電子ビームの通過位置、
およびその通過位置における磁界の方向により異なる。
したがって上記蛍光体スクリーン上のビームスポットの
移動量および移動方向から基準軸に対する電子ビームの
軌道のずれを検出することができる。
【0024】したがって上記第2の手段のように、電子
ビーム軌道検出手段の作用前と作用後とにおける電子ビ
ームの軌道の移動量および移動方向を検出し、その電子
ビームの軌道の移動量および移動方向に基づいて、実質
的に複数の電子ビーム軌道補正手段により、電子銃から
放出される電子ビームの軌道を基準軸に一致させるよう
にすることにより、基準軸と交差する電子ビームの軌道
を基準軸に一致させることができる。
【0025】さらに偏向装置の発生する偏向磁界の中心
を基準軸に一致させることにより、画像歪や、カラー受
像管装置における3電子ビームのコイバーゼンス特性を
向上させることができる。
【0026】また、電子銃から放出される電子ビームの
軌道を基準軸に一致させる工程を、電子ビームの軌道を
第1の方向に移動させる工程と、その第1の方向とほぼ
同じ方向またはほぼ反転した第2の方向に移動させる工
程とによりおこなうようにすると、容易かつ短時間に電
子ビームの軌道を基準軸に一致させることができる。
【0027】したがって上記第1の手段のように、陰極
線管装置にその電子銃から放出される電子ビームの軌道
を基準軸に一致させる実質的に複数の電子ビーム軌道補
正手段を設けると、簡単に画像歪やカラー受像管装置に
おける3電子ビームのコイバーゼンス特性を良好にする
ことができる。
【0028】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。
【0029】図1にその一実施例であるカラー受像管装
置とともに、その調整装置を示す。この図1に示したカ
ラー受像管装置20は、インライン型カラー受像管装置
であり、パネル1およびファンネル2からなる真空外囲
器のパネル1の内面に青、緑、赤に発光する3色蛍光体
層からなる蛍光体スクリーン9が形成され、この蛍光体
スクリーン9に対向して、その内側にシャドウマスク8
が配置されている。一方、ファンネル2のネック3内
に、同一平面上を通るセンタービーム5G および一対の
サイドビーム5B ,5R からなる一列配置の3電子ビー
ム5B ,5G ,5R を放出する電子銃4が封止されてい
る。またファンネル2の径大部6には陽極端子21が設
けられている。さらにネック3と径大部6との境界部付
近の外側に偏向装置7が装着されている。そして、電子
銃4の所定の電極にはソケット22を介して、また蛍光
体スクリーン9、シャドウマスク8および電子銃4の最
終加速電極には陽極端子21を介して、駆動回路(図示
せず)から所定の電圧が供給され、また偏向装置7には
偏向電源(図示せず)から所定の電圧が供給され、それ
により、電子銃4から放出される3電子ビーム5B ,5
G ,5R を偏向装置7の発生する磁界により偏向し、シ
ャドウマスク8を介して蛍光体スクリーン9を水平、垂
直走査することにより、カラー画像を表示する構造に形
成されている。
【0030】さらにこのカラー受像管装置においては、
ファンネル2のネック3の外側に電子ビーム軌道補正手
段23が配置されている。この電子ビーム軌道補正手段
23は、上記偏向装置7の発生する磁界により偏向され
た3電子ビーム5B ,5G ,5R により走査される蛍光
体スクリーン9の走査領域の中心から垂直に延びる軸を
基準軸(z軸)として、この基準軸に沿ってネック3の
外周に固定された一対のマグネット24a ,24b から
なる。その各マグネット24a ,24b は、従来のピュ
リティ・マグネットと同様に、2極磁界を発生する2枚
1組の環状のマグネットからなる。
【0031】調整装置25は、基台26と、この基台2
6上に設けられたカラー受像管装置21を位置決め固定
する固定部27と、この固定部27により位置決め固定
されたカラー受像管装置20の電子銃4から放出される
一列配置の3電子ビーム5B,5G ,5R のうち、セン
タービーム5G の軌道を検出する電子ビーム軌道検出手
段28とから構成されている。
【0032】その電子ビーム軌道検出手段28は、上記
固定部27により位置決め固定されたカラー受像管装置
20に配置された電子ビーム軌道補正手段23の一対の
マグネット24a ,24b 間のネック3の外周まわりに
配置される4極子コイル30、この4極子コイル30の
駆動および残留磁気を脱磁する後述する電源回路部、上
記4極子コイル30を保持して、固定部27により位置
決め固定されたカラー受像管装置20の基準軸に対する
位置を調整する調整部31、および上記4極子コイル3
0を調整部31を介して移動可能に支持する基台26上
に設けられた支持部32からなる。この支持部32は、
4極子コイル30の発生する磁界の干渉や渦電流による
損失などを抑えるため、導電性をもたない絶縁材料によ
り形成されている。
【0033】上記4極子コイル30は、図2に示すよう
に、内側に90度の等間隔で4個の突出部34が設けら
れた環状のフェライトコア35を有し、このフェライト
コア35の各突出部34間にコイル36が同一巻数で巻
付けられた構造に形成されている。その相対向する突出
部35間の間隔は、上記カラー受像管装置に取付けられ
た電子ビーム軌道補正手段のマグネットの外径よりも大
きく、少なくともそのネック端部側に配置されたマグネ
ットをカラー受像管装置に取付けたまま、電子ビーム軌
道補正手段のマグネットやネックに接触することなく挿
通可能となっている。そして後述する位置調整方法によ
り中心軸が上記固定部により位置決め固定されたカラー
受像管装置のネックと非接触、かつこのカラー受像管装
置の基準軸と一致するように配置される。また上記フェ
ライトコア34に巻付けられた4個のコイル36は、切
換えスイッチ37(SW)、このスイッチ37を介して
各コイル36に直流電流を供給する駆動電源38および
フェライトコア35の残留磁気を脱磁する脱磁回路39
からなる電源回路部に接続されている。
【0034】このような電源回路部の接続により、スイ
ッチ37の切換えにより4極子コイル30に駆動電源3
8に接続すると、各コイル36に駆動電源38から供給
される同一大きさの直流電流が流れ、4個の突出部34
を磁極とする4極磁界40が安定に形成される。この4
極磁界40は、4個の突出部35が等間隔に設けられ、
4極子コイル30の中心軸に対して回転対称の磁界とな
る。その磁界の強度は、4極子コイル30の中心軸上で
は0となり、中心軸から離れた位置では、位置によって
強度および方向が異なる。またスイッチ37の切換えに
よりこの4極子コイル30を脱磁回路39に接続する
と、この脱磁回路39から得られる振幅が次第に減衰す
る正弦波形電流が供給され、フェライトコア34に残留
する残留磁気を脱磁することができる。したがって4極
子コイル30は、スイッチ37の切換えにより駆動電源
38に接続することにより、常に上記4極磁界40を形
成し、スイッチ37の切換えにより脱磁回路39に接続
して脱磁したのち、そのスイッチ37を解放状態とする
ことにより、4極子コイル30による磁界の影響をなく
すことができ、スイッチ37の切換えにより、選択的に
4極磁界40および磁界のない状態を形成することがで
きる。この場合、各コイル34に流れる電流値は、各コ
イル34の巻数、各コイル34の断面積などを考慮し
て、あらかじめ許容電流値を決定しておくとよい。
【0035】なお、上記4極子コイル30の各コイル3
4に、直流電流のかわりに交流電流を供給すると、後述
する電子ビーム(センタービーム)の軌道調整時に、カ
ラー受像管装置の基準軸(4極磁界40の中心と一致)
に対するセンタービームの通過位置が不明確となる。
【0036】つぎに、上記調整装置によりカラー受像管
装置の電子ビームの軌道を調整する方法について説明す
る。この電子ビームの軌道調整は、あらかじめ4極子コ
イル30の位置を調整しておき、この位置調整された4
極子コイル30を用いておこなわれる。
【0037】図3にその4極子コイル30の位置調整方
法を示す。この4極子コイル30の位置調整は、基台2
6に設けられた固定部にカラー受像管装置を固定するこ
となくおこなわれる。まず調整部31を介して4極子コ
イル30を支持する支持部32にプローブ固定部42を
取付け、このプローブ固定部42に磁界測定用プローブ
43を取付け、その先端の測定部を4極子コイル30の
内側に位置させる。この場合、プローブ43は、固定部
27に位置決め固定されるカラー受像管装置の基準軸と
一致する位置に取付けられる。つぎに駆動電源から4極
子コイル30に直流電流を供給して4極子コイル30の
突出部間に4極磁界を発生させ、この4極磁界の強度を
プローブ43に接続されたガウスメータ44で読取る。
そしてこのガウスメータ44により読取られる4極磁界
の強度が0になるように、調整部31により4極子コイ
ル34の位置を調整する。その4極磁界の強度が0にな
る位置は、前述したように4極子コイル34の中心軸上
であるから、上記のように調整することにより、4極子
コイル34は、その中心軸が固定部27に位置決め固定
されるカラー受像管装置の基準軸と一致する位置に配置
されることになる。なお、上記のように4極子コイル3
0の位置を調整したのち、プローブ固定部42およびこ
のプローブ固定部42に取付けられたプローブ43は、
支持部32から取外される。
【0038】つぎに上記位置調整された4極子コイル3
0を用いてカラー受像管装置の電子ビームの軌道を調整
する。この電子ビームの軌道調整は、図1に示したよう
に、カラー受像管装置20のネック3の外側に電子ビー
ム軌道補正手段23の一対のマグネット24a ,24b
をそれぞれ発生する磁界が最小になるようにセットし
て、それらを所定間隔離して仮止めしておき、これらマ
グネット24a ,24b間に上記位置調整された4極子
コイル30が位置するように、調整装置20の固定部2
7にカラー受像管装置20を位置決め固定する。
【0039】そして駆動回路からソケット22を介して
電子銃4の所定の電極に、また陽極端子21を介して蛍
光体スクリーン9、シャドウマスク8および電子銃4の
最終加速電極に所定の電圧を供給し、偏向装置7を動作
させることなく、電子銃4からセンタービーム5G のみ
を放出させる。この場合、図4に示すように、電子銃4
から放出されるセンタービーム5G がカラー受像管装置
の基準軸と交差する軌道を通り、蛍光体スクリーン9上
の走査領域の中心Oからずれた位置46a に衝突してビ
ームスポットを形成するとする。その衝突位置は、必ず
しも緑蛍光体層とは限らず、他の蛍光体層を発光させる
こともある。
【0040】この状態で4極子コイル30の各コイルに
所定の直流電流を供給して4極磁界を発生させる。この
場合、もしセンタービーム5G がその4極磁界の中心を
通るならば、4極磁界の中心Om は、磁界強度が0であ
るから、4極磁界の影響を受けず、したがってビームス
ポットの位置は変化しない。しかし図示したように4極
磁界の中心からずれた位置を通るときは、4極磁界の影
響を受け、図5に示したように、ビームスポットは、位
置46a から位置46b に移動する。この場合、前述し
たように4極子コイルの発生する4極磁界は、磁界の中
心では0であるが、それ以外の位置では、たとえ中心に
近い位置でも強度および方向が位置によって異なるた
め、上記ビームスポットの移動距離および方向から、基
準軸に対するセンタービーム5G の軌道がわかる。
【0041】すなわち、図6に示すように、蛍光体スク
リーン側からみて、4極子コイル30に4極磁界を発生
させない場合、センタービームがその4極磁界の中心O
m (基準軸と一致)に対して右側の位置47a を通ると
きは、4極磁界の発生により位置47b と、また左側の
位置47c を通るときは、位置47d と、放射方向外側
に偏向される。また4極磁界の中心Om に対してたとえ
ば下側の位置47e を通るときは、4極磁界の発生によ
り位置47f と、放射方向内側に偏向される。その偏向
距離は、4極磁界を発生させないとき、4極磁界の中心
Om から離れた位置を通るセンタービームほど大きくな
る。
【0042】したがって上記ビームスポットの位置46
a ,46b から、センタービームが4極子コイル30の
位置で4極磁界の中心Om 、すなわちカラー受像管装置
の基準軸に対して、どの方向にどれだけ離れた位置を通
るか推定できる。
【0043】なお、4極子コイル30が90°回転した
場合など、4極磁界の分布が変化した場合でも、その4
極磁界の分布が判明していれば、同様にセンタービーム
の位置を推定できる。
【0044】そこで、つぎに4極子コイル30の各コイ
ルへの電流供給を停止し、脱磁回路から次第に減衰する
正弦波形電流を供給して、4極子コイル30に残留する
残留磁気を脱磁する。この脱磁によりビームスポット
は、位置46b から元の位置46a に戻る。そのビーム
スポットの移動方向、移動距離から、センタービームの
4極子コイル30での通過位置が検出でき、この検出結
果に基づいて、4極子コイル30におけるセンタービー
ムの軌道を算出することができる。
【0045】つぎに上記センタービームの軌道の算出結
果に基づいて、カラー受像管装置のネック端部側に取付
けられた電子ビーム軌道補正装置23の2極磁界を形成
する2枚1組のマグネット24b を調整して、センター
ビームのビームスポットを図5に示した46c の位置に
移動させる。この状態で再度4極子コイル30の各コイ
ルに所定の直流電流を供給して4極磁界を発生させる。
このとき、上記算出されたセンタービームの軌道が正確
であれば、4極磁界の影響を受けず、ビームスポットの
位置は変化しないが、算出されたセンタービームの軌道
が正しくないときは、4極磁界の影響を受け、たとえば
図5に示した46d の位置に移動する。しかしこのビー
ムスポットの位置46d は、前回の移動位置46c より
はカラー受像管装置の基準軸に接近する。したがって再
度脱磁回路から次第に減衰する正弦波形電流を供給し
て、4極子コイル30に残留する残留磁気を脱磁して、
ビームスポットを46d の位置から46c の位置に戻
し、再度電子ビーム軌道補正装置23のマグネット24
b を調整し、この一連の操作を繰返すことにより、図5
に示したように、位置46c から位置46e と、ビーム
スポットをカラー受像管装置の基準軸に近づけ、図4に
示したように、第1の軌道補正(第1の方向に移動させ
る補正)として、センタービーム5G の軌道を4極子コ
イル30の中心で交差させる。実際には、この第1の軌
道補正は、これを自動化することにより、数回以内の繰
返操作で完了することができる。
【0046】つぎに、第2の軌道補正(第2の方向に移
動させる補正)をおこなうために、図3に一点鎖線で示
したように、4極子コイル30を電子ビーム軌道検出手
段28を支持部32に沿ってカラー受像管装置のネック
端部側に後退させ、その4極子コイル30のあつた位置
に電子ビーム軌道補正装置23のマグネット24a を移
動する。そしてこのマグネット24a の発生する2極磁
界を調整して、図4に示したように、上記4極子コイル
30の中心で交差させたセンタービーム5G の軌道を基
準軸に一致させる。この場合、この第2の軌道補正は、
上記第1の軌道補正の最終の補正方向に対して、ほぼ反
転した方向となっている。
【0047】つぎに、偏向電源から偏向装置7に所定の
電圧を供給して偏向磁界を発生させ、この偏向磁界の中
心軸がカラー受像管装置の基準軸と一致するように偏向
装置7の位置を調整する。この偏向装置7の位置調整
は、蛍光体スクリーン9上に描かれる画像の歪特性、す
なわち上下および左右の歪量がそれぞれほぼ完全にバラ
ンスし、かつ台形状の歪が生じない状態に調整すること
によりおこなわれ、上記上下および左右の歪量がほぼ完
全にバランスしかつ台形状の歪が生じない状態になった
とき、基準軸に偏向磁界の中心軸が一致したと判断す
る。実際には、この偏向装置7の位置調整は、偏向装置
7の上下左右方向への移動、回転、首振りなどによりお
こなわれる。この偏向装置7の位置調整も自動化するこ
とにより、正確かつ短時間におこなうことができる。
【0048】なお、上記のようにセンタービーム5G の
軌道を補正すると、一対のサイドビームの軌道も、それ
に応じて補正される。なお、一対のサイドビームの軌道
の補正が不足している場合は、さらに111グネットを
配置して、一対のサイドビームが所定の軌道となるよう
に補正すればよい。
【0049】したがって上記のようにインライン型カラ
ー受像管装置20のネック3の外側に一対のマグネット
24a ,24b からなる電子ビーム軌道補正手段23を
配置し、このカラー受像管装置20のネック3の外側に
電子ビーム軌道検出手段28の4極子コイル30を配置
すると、この4極子コイル30の発生する4極磁界の特
性を利用して、簡単にカラー受像管装置20の基準軸に
対するセンタービーム5G の軌道のずれを検出できる。
そして電子ビーム軌道補正手段23を一対のマグネット
24a ,24b により、基準軸からずれているセンター
ビーム5G の軌道を正確かつ短時間に基準軸に一致させ
ることができる。その結果、画像歪や3電子ビームのコ
ンバーゼンスが良好となり、画面品位を向上させること
がてき、従来おこなわている補正素子の付加や永久磁石
の取付けが不要となり、調整を簡単かつ短時間におこな
うことができる。また蛍光体スクリーンを一体化し、こ
の蛍光体スクリーンを複数の電子銃から放出される電子
ビームにより複数の領域に分割して走査するカラー受像
管装置に適用して、隣接領域間の違和感を軽減でき、実
用性の高いカラー受像管装置とすることができる。
【0050】つぎに上記実施例の変形例について説明す
る。
【0051】(1) 上記実施例では、電子ビーム軌道
補正手段を2極磁界を発生する2枚1組のマグネットで
構成したが、この電子ビーム軌道補正手段は、電子ビー
ムの軌道を変化させるものであれば、たとえば静電偏向
板など、他の手段でもよい。 (2) 上記実施例では、電子ビーム軌道補正手段の一
対のマグネットを互いに離して配置し、その1つを調整
の途中で移動させたが、たとえば調整前に電子ビーム軌
道検出手段を用いて、カラー受像管装置の基準軸上で磁
界が0となるような状態にして配置すれば、一対のマグ
ネットを一体化して配置することが可能である。またこ
の場合、他の電子ビーム軌道補正手段でも、同様に一体
化して配置することが可能である。
【0052】(3) 上記実施例では、電子ビーム軌道
検出手段として、4極磁界を発生し、その中心で磁界強
度が0となる4極子コイルを用いたが、電子ビーム軌道
検出手段としては、電子ビームの軌道を検出できる磁界
および磁界分布をもつものであればよく、たとえば6極
子コイルなど、発生する磁界の中心で磁界強度が0とな
る他の多極子コイルも用いることができる。
【0053】(4) 上記実施例では、電子ビーム軌道
検出手段の4極子コイルを環状のフェライトコアにコイ
ルを巻付けて構成したが、コアは、フェライト以外の他
の磁性材料でもよい。また形状も、中心で磁界強度が0
となる多極磁界を発生するものであれば、他の形状でも
よい。
【0054】(5) 上記実施例では、電子ビーム軌道
検出手段の4極子コイルを偏向装置よりも、カラー受像
管装置のネック端部側の後方に配置したが、この電子ビ
ーム軌道検出手段の配置位置は、電子ビームの発生位置
よりも、蛍光体スクリーン側であれば、他の位置でもよ
い。
【0055】(6) 上記実施例では、電子ビーム軌道
検出手段の4極子コイルを調整部を介して支持部に取付
け、プローブにより4極子コイルの発生する磁界を測定
することにより、4極子コイルの位置を調整したが、4
極子コイルの組立ておよび取付精度を高めれば、特にプ
ローブを用いて取付位置を調整することなく4極子コイ
ルの発生する磁界の中心をカラー受像管装置の基準軸上
に位置させることができる。
【0056】(7) 上記実施例では、電子ビーム軌道
検出手段の4極子コイルを調整部を介して支持部に取付
け、調整部によりカラー受像管装置の基準軸に対する4
極子コイルの位置を調整したが、たとえばCCDカメラ
で4極子コイルの中心軸の位置を求め、プローブや4極
子コイルの中心軸をカラー受像管装置の基準軸と一致さ
せように調整することも可能である。
【0057】(8) 上記実施例では、電子ビーム軌道
検出手段の4極子コイルを支持部に移動可能に支持し、
調整の途中で支持部に沿ってカラー受像管装置のネック
端部側に移動するようにしたが、この4極子コイルは、
支持部に対して取外し可能に構成してもよい。
【0058】(9) 上記実施例では、電子ビーム軌道
検出手段の4極子コイルを電子ビーム軌道補正手段の所
定間隔離れて配置された一対のマグネット間に配置した
が、この一対のマグネットとの位置関係は、調整時、電
子ビームの軌道を算出できる位置であれば、他の位置で
もよい。
【0059】(10) 上記実施例では、電子ビーム軌
道検出手段の4極子コイルを脱磁回路に接続し、4極子
コイルに残留する磁気を脱磁する構成としたが、4極子
コイルが磁気の残らない構造あるいは材料で形成されて
いるときは、その脱磁回路を省略することができる。
【0060】(11) 上記実施例では、センタービー
ムが緑蛍光体層を励起する電子ビームであるカラー受像
管装置について説明したが、この発明は、センタービー
ムが緑蛍光体層以外の蛍光体層を励起する電子ビームで
あるカラー受像管装置にも適用できる。
【0061】(12) 上記実施例では、インライン型
カラー受像管装置について説明したが、この発明は、シ
ャドウマスクないカラー受像管装置など、他のカラー受
像管装置にも適用でき、またモノクロ受像管装置にも適
用できる。
【0062】
【発明の効果】電子銃から放出され偏向装置により偏向
された電子ビームにより走査される蛍光体スクリーンを
有する陰極線管装置において、電子銃から放出される電
子ビームの軌道を偏向装置により偏向された電子ビーム
により走査される蛍光体スクリーンの走査領域の中心か
ら垂直に延びる基準軸に一致させる実質的に複数の電子
ビーム軌道補正手段を設け、より具体的には、その電子
ビーム軌道補正手段を、電子銃から放出される電子ビー
ムの軌道を第1の方向に移動させる補正領域およびこの
第1の方向とほぼ同方向またはほぼ反転した第2の方向
に移動させる補正領域を形成するものとすると、電子銃
から放出される電子ビームの軌道を簡単に陰極線管装置
の基準軸に一致させることができ、それにより画像歪や
3電子ビームのコンバーゼンスを良好にして画面品位を
向上させることができる。また従来おこなわている補正
素子の付加や永久磁石の取付けが不要となり、調整を簡
単かつ短時間におこなうことができる。また蛍光体スク
リーンを一体化し、この蛍光体スクリーンを複数の電子
銃から放出される電子ビームにより複数の領域に分割し
て走査するカラー受像管装置に適用して、隣接領域間の
違和感を軽減でき、実用性の高いカラー受像管装置とす
ることができる。
【0063】また、電子銃から放出される電子ビームを
偏向装置により偏向された電子ビームにより走査される
蛍光体スクリーンの走査領域の中心から垂直に延びる基
準軸に一致させる陰極線管装置の調整方法において、電
子銃から放出される電子ビームの軌道を検出する電子ビ
ーム軌道検出手段により、この電子ビーム軌道検出手段
の作用前と作用後とにおける電子ビームの軌道の移動量
および移動方向を検出し、その電子ビームの軌道の移動
量および移動方向に基づいて実質的に複数の電子ビーム
軌道補正手段により、電子銃から放出される電子ビーム
の軌道を基準軸に一致させるようにし、より具体的に
は、その電子銃から放出される電子ビームの軌道を基準
軸に一致させる工程を、電子ビームの軌道を第1の方向
に移動させる工程と、その第1の方向に対してほぼ反転
した第2の方向に移動させる工程とによりおこなうと、
陰極線管装置の基準軸と交差する電子ビームの軌道を正
確かつ短時間に基準軸に一致させることができる。さら
にこの調整方法において、偏向装置の発生する偏向磁界
の中心を基準軸に一致させることにより、上記所望の陰
極線管装置を容易に構成することができる。
【0064】また、電子銃から放出される電子ビームの
軌道を電子銃から放出され偏向装置により偏向された電
子ビームにより走査される蛍光体スクリーンの走査領域
の中心から垂直に延びる基準軸に一致させる陰極線管装
置の調整装置において、中心の磁界強度が0となる多極
磁界を発生し、この多極磁界磁界の中心が電子銃から放
出され偏向装置により偏向された電子ビームにより走査
される蛍光体スクリーンの走査領域の中心から垂直に延
びる基準軸上に位置するように配置される電子ビーム軌
道検出手段を設けると、蛍光体スクリーン上のビームス
ポットの移動量および移動方向から基準軸に対する電子
ビームの軌道のずれを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例であるカラー受像管装置の
調整装置の構成を示す図である。
【図2】上記調整装置の電子ビーム軌道検出手段の4極
子コイルの構成を示す図である。
【図3】上記4極子コイルの位置調整方法を説明するた
めの図である。
【図4】図1に示した調整装置によるカラー受像管装置
の電子ビームの軌道調整方法を説明するための図であ
る。
【図5】上記4極子コイルによる蛍光体スクリーン上の
ビームスポットの移動を説明するための図である。
【図6】上記4極子コイルによる電子ビームの移動を説
明するための図である。
【図7】従来のカラー受像管装置の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
2…ファンネル 3…ネック 4…電子銃 5B ,5R …一対のサイドビーム 5G …センタービーム 7…偏向装置 9…蛍光体スクリーン 20…カラー受像管装置 23…電子ビーム軌道補正手段 24a ,24b …一対のマグネット 25…調整装置 28…電子ビーム軌道検出手段 30…4極子コイル 31…調整部 32…支持部 34…突出部 35…フェライトコア 36…コイル 40…4極磁界 43…プローブ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子銃と、 上記電子銃から放出される電子ビームを偏向する偏向装
    置と、 上記偏向装置により偏向された電子ビームにより走査さ
    れる蛍光体スクリーンと、 上記電子銃から放出される電子ビームの軌道を上記電子
    ビームにより走査される蛍光体スクリーンの走査領域の
    中心から垂直に延びる基準軸に一致させる実質的に複数
    の電子ビーム軌道補正手段とを具備することを特徴とす
    る陰極線管装置。
  2. 【請求項2】 電子ビーム軌道補正手段は電子銃から放
    出される電子ビームの軌道を第1の方向に移動させる補
    正領域およびこの第1の方向とほぼ同方向またはほぼ反
    転した第2の方向に移動させる補正領域を形成すること
    を特徴とする請求項1記載の陰極線管装置。
  3. 【請求項3】 電子銃から放出される電子ビームを偏向
    装置により偏向された電子ビームにより走査される蛍光
    体スクリーンの走査領域の中心から垂直に延びる基準軸
    に一致させる陰極線管装置の調整方法において、 上記電子銃から放出される電子ビームの軌道を検出する
    電子ビーム軌道検出手段によりこの電子ビーム軌道検出
    手段の作用前と作用後とにおける電子ビームの軌道の移
    動量および移動方向を検出する工程と、上記電子ビーム
    の軌道の移動量および移動方向に基づいて実質的に複数
    の電子ビーム軌道補正手段により上記電子銃から放出さ
    れる電子ビームの軌道を上記基準軸に一致させる工程と
    からなることを特徴とする陰極線管装置の調整方法。
  4. 【請求項4】 電子銃から放出される電子ビームを偏向
    装置により偏向された電子ビームにより走査される蛍光
    体スクリーンの走査領域の中心から垂直に延びる基準軸
    に一致させる陰極線管装置の調整方法において、 上記電子銃から放出される電子ビームの軌道を検出する
    電子ビーム軌道検出手段によりこの電子ビーム軌道検出
    手段の作用前と作用後とにおける電子ビームの軌道の移
    動量および移動方向を検出する工程と、上記電子ビーム
    の軌道の移動量および移動方向に基づいて実質的に複数
    の電子ビーム軌道補正手段により上記電子銃から放出さ
    れる電子ビームの軌道を上記基準軸に一致させる工程
    と、上記偏向装置の発生する偏向磁界の中心を上記基準
    軸に一致させる工程とからなることを特徴とする陰極線
    管装置の調整方法。
  5. 【請求項5】 電子ビームの軌道を基準軸に一致させる
    工程が上記電子ビームの軌道を第1の方向に移動させる
    工程と、上記第1の方向とほぼ同じ方向またはほぼ反転
    した第2の方向に移動させる工程とからなることを特徴
    とする請求項3または請求項4記載の陰極線管装置の調
    整方法。
  6. 【請求項6】 電子銃から放出される電子ビームの軌道
    を偏向装置により偏向された電子ビームにより走査され
    る蛍光体スクリーンの走査領域の中心から垂直に延びる
    基準軸に一致させる陰極線管装置の調整装置において、 中心の磁界強度が0となる多極磁界を発生しこの多極磁
    界の中心が偏向装置により偏向された電子ビームにより
    走査される蛍光体スクリーンの走査領域の中心から垂直
    に延びる基準軸上に位置するように配置される電子ビー
    ム軌道検出手段を有することを特徴とする陰極線管装置
    の調整装置。
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