JPH082876B2 - 新規ベンジルピリジニウム塩 - Google Patents
新規ベンジルピリジニウム塩Info
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- JPH082876B2 JPH082876B2 JP13117088A JP13117088A JPH082876B2 JP H082876 B2 JPH082876 B2 JP H082876B2 JP 13117088 A JP13117088 A JP 13117088A JP 13117088 A JP13117088 A JP 13117088A JP H082876 B2 JPH082876 B2 JP H082876B2
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- benzylpyridinium salt
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Description
【発明の詳細な説明】 本発明の背景 これまでカチオン重合し得るモノマーのカチオン重合
反応の開始剤としては、塩化アルミニウム等のフリーデ
ルクラフト触媒、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯
体、光で開裂するオニウム塩(イオウ、セレン、テル
ル)またはジアリルヨードニウム塩、熱的に開裂する芳
香族または脂肪族スルホニウム塩などが知られている。
これらのうち熱的に開裂してカルボニウムカチオンを生
じ得る開始剤(熱潜在性カチオン開始剤)は、例えば一
液型エポキシ樹脂の硬化剤として使用すると常温では反
応せず、120℃以上のような高温において重合反応を開
始させるので、ポットライフおよび貯蔵安定性を向上さ
せる硬化剤として注目されている。特開昭58−37003お
よび同58−37004参照。しかしながらスルホニウム塩型
開始剤は副生するイオウ化合物が悪臭を発し、使用面で
制約を受ける。
反応の開始剤としては、塩化アルミニウム等のフリーデ
ルクラフト触媒、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯
体、光で開裂するオニウム塩(イオウ、セレン、テル
ル)またはジアリルヨードニウム塩、熱的に開裂する芳
香族または脂肪族スルホニウム塩などが知られている。
これらのうち熱的に開裂してカルボニウムカチオンを生
じ得る開始剤(熱潜在性カチオン開始剤)は、例えば一
液型エポキシ樹脂の硬化剤として使用すると常温では反
応せず、120℃以上のような高温において重合反応を開
始させるので、ポットライフおよび貯蔵安定性を向上さ
せる硬化剤として注目されている。特開昭58−37003お
よび同58−37004参照。しかしながらスルホニウム塩型
開始剤は副生するイオウ化合物が悪臭を発し、使用面で
制約を受ける。
そこで本発明は、このような欠点のない熱潜在性カチ
オン重合開始剤として有用な新規ベンジルピリジニウム
塩を提供することを課題とする。
オン重合開始剤として有用な新規ベンジルピリジニウム
塩を提供することを課題とする。
本発明の開示 本発明は、式I のベンジルピリジニウム塩を提供する。
式中R1,R2,R3は水素、ハロゲン、アルキル、アルコキ
シ、ニトロ、アミノまたはヒドロキシである。
シ、ニトロ、アミノまたはヒドロキシである。
R4はハロゲンまたはアルカノイルである。
MはAs,Sb,BまたはPである。
Xはハロゲンである。
nはMがBである時は4であり、他の場合は6であ
る。
る。
式Iにおいて、アルキルおよびアルコキシの炭素数は
好ましくは4以下である。
好ましくは4以下である。
式Iの化合物は、式II (式中、R4は前記に同じ。)のピリジンを、式III (式中、R1,R2,R3およびXは前記に同じ。)の置換ベン
ジルハライドで4級化し、生成するピリジニウムハライ
ドのハライド陰イオンをMXn-イオンで交換することによ
って合成することができる。すなわち、式Iのピリジニ
ウム塩に対応するピリジニウムハライドに、MXn-イオン
のアルカリ金属塩を反応させることによって式Iの化合
物が得られる。
ジルハライドで4級化し、生成するピリジニウムハライ
ドのハライド陰イオンをMXn-イオンで交換することによ
って合成することができる。すなわち、式Iのピリジニ
ウム塩に対応するピリジニウムハライドに、MXn-イオン
のアルカリ金属塩を反応させることによって式Iの化合
物が得られる。
式Iの化合物は、温度が上昇するとき開裂して対応す
るカルボニウムカチオン、式 を生じ、オレフィン類、ビニルエーテル、スチレン誘導
体、ジエン類、カルボニル化合物、環状エーテル、エポ
キシド、環状エステル、環状アミドなどのカチオン重合
し得るモノマーの重合連鎖反応を開始させる。しかし常
温では殆ど不活性であるが、加熱して始めて開始剤とし
ての機能を発揮するので、例えば一液型エポキシ樹脂の
硬化剤などその熱潜在性を利用する用途に適している。
るカルボニウムカチオン、式 を生じ、オレフィン類、ビニルエーテル、スチレン誘導
体、ジエン類、カルボニル化合物、環状エーテル、エポ
キシド、環状エステル、環状アミドなどのカチオン重合
し得るモノマーの重合連鎖反応を開始させる。しかし常
温では殆ど不活性であるが、加熱して始めて開始剤とし
ての機能を発揮するので、例えば一液型エポキシ樹脂の
硬化剤などその熱潜在性を利用する用途に適している。
本発明者らは先に、特願62−255388号(特開平1−96
169号)においてカチオン重合開始剤として有用である
ベンジルピリジニウム塩を開示した。これらは式Iにお
いてR4が水素、アルキル、シアノ、アルコキシカルボニ
ルまたはカルバモイル基である化合物であるが、ピリジ
ン環上の置換基R4として原子サイズの小さい電子吸引性
基、特に2位のクロル基を選択することにより、前記ベ
ンジルピリジニウム塩のカルボニウムカチオンへの開裂
温度が低くなることを見出した。本願発明のベンジルピ
リジニウム塩化合物は先願に開示された化合物に比し、
そのような特徴を持っている。
169号)においてカチオン重合開始剤として有用である
ベンジルピリジニウム塩を開示した。これらは式Iにお
いてR4が水素、アルキル、シアノ、アルコキシカルボニ
ルまたはカルバモイル基である化合物であるが、ピリジ
ン環上の置換基R4として原子サイズの小さい電子吸引性
基、特に2位のクロル基を選択することにより、前記ベ
ンジルピリジニウム塩のカルボニウムカチオンへの開裂
温度が低くなることを見出した。本願発明のベンジルピ
リジニウム塩化合物は先願に開示された化合物に比し、
そのような特徴を持っている。
実施例1 1−(4−メトキシベンジル)−2−クロルピリジニウ
ムヘキサフルオロアンチモネート 4−メトキシベンジルクロライド4.698g(0.03モル)
および2−クロルピリジン10.22g(0.09モル)をメタノ
ール40mlに溶解し、3日間反応させた。反応終了後溶媒
を減圧留去し、残渣へ水−エーテルを加え、未反応原料
をエーテル層へ抽出し、塩化物を含む水層へヘキサフル
オロアンチモン酸ナトリウム7.764g(0.03モル)を加
え、生成する沈澱を吸引ロ過し、洗浄、乾燥して題記化
合物を得た。m.p.122−124℃ 実施例2 1−(4−メチルベンジル)−2−クロルピリジニウム
ヘキサフルオロアンチモネート 4−メチルベンジルクロライド12.654g(0.09モル)
と2−クロルピリジン3.123g(0.03モル)とから実施例
1の操作に準じて題記化合物を合成した。m.p.93−94℃ 実施例3 1−(2,4−ジメチルベンジル)−2−アセチルピリジ
ニウムヘキサフルオロアンチモネート 2,4−ジメチルベンジルクロライド4.638g(0.03モ
ル)と2−アセチルピリジン1.211g(0.01モル)とから
実施例1の操作に準じて題記化合物を合成した。m.p.10
9−112℃ 実施例4 1−ベンジル−2−クロルピリジニウムヘキサフルオロ
フオスフエート ベンジルクロライド11.393g(0.09モル)と2−クロ
ロピリジン10.221g(0.03モル)とを実施例1に準じて
反応させ、生成する塩化物にヘキサフルオロリン酸ナト
リウムを反応させて題記化合物を合成した。m.p.138−1
40℃ 実施例5 1−ベンジル−2−クロルピリジンヘキサフルオロアン
チモネート 実施例4において、ヘキサフルオロリン酸ナトリウム
の代わりに、ヘキサフルオロアンチモン酸ナトリウムを
使用し、題記化合物を合成した。m.p.133−134℃
ムヘキサフルオロアンチモネート 4−メトキシベンジルクロライド4.698g(0.03モル)
および2−クロルピリジン10.22g(0.09モル)をメタノ
ール40mlに溶解し、3日間反応させた。反応終了後溶媒
を減圧留去し、残渣へ水−エーテルを加え、未反応原料
をエーテル層へ抽出し、塩化物を含む水層へヘキサフル
オロアンチモン酸ナトリウム7.764g(0.03モル)を加
え、生成する沈澱を吸引ロ過し、洗浄、乾燥して題記化
合物を得た。m.p.122−124℃ 実施例2 1−(4−メチルベンジル)−2−クロルピリジニウム
ヘキサフルオロアンチモネート 4−メチルベンジルクロライド12.654g(0.09モル)
と2−クロルピリジン3.123g(0.03モル)とから実施例
1の操作に準じて題記化合物を合成した。m.p.93−94℃ 実施例3 1−(2,4−ジメチルベンジル)−2−アセチルピリジ
ニウムヘキサフルオロアンチモネート 2,4−ジメチルベンジルクロライド4.638g(0.03モ
ル)と2−アセチルピリジン1.211g(0.01モル)とから
実施例1の操作に準じて題記化合物を合成した。m.p.10
9−112℃ 実施例4 1−ベンジル−2−クロルピリジニウムヘキサフルオロ
フオスフエート ベンジルクロライド11.393g(0.09モル)と2−クロ
ロピリジン10.221g(0.03モル)とを実施例1に準じて
反応させ、生成する塩化物にヘキサフルオロリン酸ナト
リウムを反応させて題記化合物を合成した。m.p.138−1
40℃ 実施例5 1−ベンジル−2−クロルピリジンヘキサフルオロアン
チモネート 実施例4において、ヘキサフルオロリン酸ナトリウム
の代わりに、ヘキサフルオロアンチモン酸ナトリウムを
使用し、題記化合物を合成した。m.p.133−134℃
Claims (1)
- 【請求項1】式 のベンジルピリジニウム塩。 式中R1,R2およびR3は水素、ハロゲン、アルキル、アル
コキシ、ニトロ、アミノまたはヒドロキシであり、R4は
ハロゲンまたはアルカノイルであり、MはAs,Sb,Bまた
はPであり、Xはハロゲンであり、nはMがBであると
きは4であり、他の場合は6である。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13117088A JPH082876B2 (ja) | 1988-05-27 | 1988-05-27 | 新規ベンジルピリジニウム塩 |
US07/356,903 US5070161A (en) | 1988-05-27 | 1989-05-25 | Heat-latent, cationic polymerization initiator and resin compositions containing same |
CA000600832A CA1329607C (en) | 1988-05-27 | 1989-05-26 | Heat-latent, cationic polymerization initiator and resin compositions containing the same |
EP89109665A EP0343690B1 (en) | 1988-05-27 | 1989-05-29 | Heat-latent, cationic polymerization initiator and resin compositions containing the same |
DE68921243T DE68921243T2 (de) | 1988-05-27 | 1989-05-29 | Wärmelatenter, kationischer Polymerisationsinitiator und diesen enthaltende Harzzusammensetzungen. |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13117088A JPH082876B2 (ja) | 1988-05-27 | 1988-05-27 | 新規ベンジルピリジニウム塩 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01299270A JPH01299270A (ja) | 1989-12-04 |
JPH082876B2 true JPH082876B2 (ja) | 1996-01-17 |
Family
ID=15051646
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13117088A Expired - Fee Related JPH082876B2 (ja) | 1988-05-27 | 1988-05-27 | 新規ベンジルピリジニウム塩 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH082876B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100334848B1 (ko) * | 1999-07-03 | 2002-05-04 | 김충섭 | 저 함량으로 높은 부피 팽창 반응을 수반하는 잠재성 촉매형경화제를 함유하는 에폭시 수지 경화계 |
-
1988
- 1988-05-27 JP JP13117088A patent/JPH082876B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01299270A (ja) | 1989-12-04 |
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Legal Events
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