JPH082869Y2 - セキュリティセンサ付容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、磁気テープや磁気ディスク等の磁気媒体を
収容する容器、詳しくは、この磁気媒体が例えばコンピ
ュータ管理室から持ち出されるを防止するセキュリティ
センサを備えた容器に関するものである。

（従来の技術） 磁気テープや磁気ディスク等の磁気媒体が貴重な情報
を記憶していることが多く、これらがコンピュータ管理
室等の保管場所から自由に外に持ち出されることは管理
上好ましくない。

そこで、盗難防止用の監視システム（例えば、特公昭
57-24598号）を利用し、この容器に特定の電磁波に反応
するセンサを備えた標札状の素子を貼付し、この容器が
所定の電磁波を発生している検知エリアを通過するとそ
の素子のセンサを検出装置が検知して警報等を鳴らし、
その容器が持ち出されるのを防止するようにした考案が
提案されている。（実開昭64-13594号） （考案が解決しようとする課題） 上記考案に使用されているセンサの素子（以下セキュ
リティセンサという）は、ダイオード部とアンテナ部か
らなり、シート状の支持層に固定されて全体としてシー
ル状に形成されていて、磁気媒体のケーシングの内側に
接着層をもって貼付されるようになっている。この種の
セキュリティセンサは、盗難防止の目的から、外部から
すぐには見えないようにした方がよいので、ケーシング
の内側に設けられるのが普通である。

しかし、このような構成ではセンサのアンテナ部もケ
ーシングの内部に収容されるので、ときとして感度が不
足して検知ができない場合がある。また、磁気テープを
巻いたリールや、ディスク等の回転する磁気記録媒体が
そのセンサに接触して、センサを痛めたりすることもあ
る。

そこで、本考案は、検知の感度を高く保ちつつ、かつ
回転する磁気記録媒体がセンサに接触することもない耐
久性に富む高感度のセキュリティセンサ付容器を提供す
ることを目的とするものである。

（課題を解決するための手段） 本考案によるセキュリティセンサ付容器は、ケーシン
グ内に回転する磁気記録媒体を収容する円形状収容域を
有し、持出し防止用セキュリティセンサを内蔵した容器
てあって、前記セキュリティセンサが、前記円形状収容
域外の前記ケーシング内に配され、該セキュリティセン
サのアンテナ部の一部が該ケーシングの外部に露出して
いることを特徴とするものである。

ここで、回転する磁気記録媒体を収容する円形状収容
域というのは、磁気テープを巻いたリールやディスクの
回転する円筒型の空間を意味するもので、通常ケーシン
グは角状に形成されているので、ケーシング内のこの円
形状収容域の外側には４隅に空間が形成される。そこで
本考案はセキュリティセンサをこの空間に配し、該セキ
ュリティセンサが、回転する磁気記録媒体によって損傷
を受けることのないようにしたことを特徴とするもので
ある。

なお、容器の形態によっては、前記ケーシングの外形
が前記円形状収容域に外接する正方形より大きい長方形
である場合もあり、そのときは前記セキュリティセンサ
が配される空間は前記４隅の空間でなくてもよく、ケー
シングと円形状収容域の間の空間であればどこでもよ
い。

また、前記セキュリティセンサのアンテナ部の一部が
ケーシングの外部に露出しているというのは、導線状の
アンテナの長さ方向の中間部分や自由端部が露出してい
る場合のみならず、アンテナ端部の端面のみが露出して
いる場合も含むものとする。また、このアンテナ部の一
部が露出しているというのは、アンテナ部の全体がケー
シング外に露出しているものも含む。

（作用および効果） 本考案のセキュリティセンサ付容器は、セキュリティ
センサが、前記円形状収容域外の前記ケーシング内、す
なわち回転する磁気記録媒体のない空間に配されている
ので、回転する磁気記録媒体がセンサに接触することを
なくして、耐久性を高めることができる。また、セキュ
リティセンサのアンテナ部の一部がケーシングの外部に
露出しているので、検知の感度を高く保つことができ
る。

（実施例） 以下、図面により本考案の実施例を詳細に説明する。

第１図は本考案の一実施例の構成の概略を示す平面図
である。これは、略正方形のケーシング２内に、回転す
る磁気ディスク４を収容する円形状収容域３を有し、持
出し防止用セキュリティセンサ５を内蔵したセキュリテ
ィセンサ付容器であって、前記セキュリティセンサ５
が、前記円形状収容域３の外の前記ケーシング２内の空
間６内に配され、該セキュリティセンサ５のアンテナ部
5Aの一部5aが該ケーシング２の外部に露出しているもの
である。

このセキュリティセンサ５は、第2A図および第2B図に
示すように、ダイオードからなるセンサ本体5Bと、その
両端から外方に延びた一対のアンテナ部5A、5Aからなっ
ている。そして、第１図の実施例では、両アンテナ部5A
の自由端の一部5a、5aが前記ケーシング２の内側から外
方へ貫通して外部に露出している。

この実施例の要部を拡大して第３図に示す。前記セキ
ュリティセンサ５のアンテナ部5Aは、前記ケーシング２
を構成する上下一対のハーフ２、2bの整合面間に挟持さ
れ、該アンテナ部5A、5Aの自由端部は該ケーシング２の
外面に沿って延び、ここに固定されている。この固定の
方法は接着でも機械的固着でも何でもよいが、例えば、
第４図に示すようにアンテナ部5A、5Aの端部5a′を、前
記ケーシング２の内方へ折り返して固定するようにすれ
ば、接着剤を用いることなく組込み時に簡単に固定する
ことができる。

次に、本考案の第２の実施例を、第５図および第６図
によって説明する。

この実施例では、大き目の略正方形のケーシング２内
に円形状収容域３が設けられ、この中に、回転するリー
ル４′に巻回された磁気テープが収容されている。前記
持出し防止用セキュリティセンサ５は、前記円形状収容
域３の外の前記ケーシング２内の空間６内に配され、該
セキュリティセンサ５のアンテナ部5Aの端面5aが該ケー
シング２の壁面に形成された孔８から外部に露出してい
る。

このセキュリティセンサ５のアンテナ部5Aは、第６図
に示すように、前記ケーシング２の下ハーフ2bのリブ2
b′に設けた切欠部９に係合し、上ハーフ（図示せず）
のリブに同様に設けられた切欠部とこの切欠部９との間
に保持されて固定される。

本考案のセキュリティセンサ付容器は、このようにセ
キュリティセンサ５が前記円形状収容域３外、すなわち
前記ケーシング２内の磁気記録媒体４、４′のない空間
６に配されているので、回転する磁気記録媒体４、４′
がセキュリティセンサ５に接触して該セキュリティセン
サ５を損傷することをなくすことができる。また前記セ
キュリティセンサ５のアンテナ部5Aの一部がケーシング
２の外部に露出しているので、検知の感度を高くするこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例によるセキュリティセンサ付
容器の構成の概略を示す平面図、 第2A図は本考案のセキュリティセンサ付容器に使用され
るセキュリティセンサの概念図、 第2B図はその斜視図、 第３図は第１図に示されたセキュリティセンサ付容器の
要部斜視図、 第４図は、その変更例を示す部分平面図、 第５図は、本考案の第２の実施例によるセキュリティセ
ンサ付容器を示す斜視図、 第６図は、その要部を示す部分斜視図である。 ２……ケーシング ３……円形状収容域 ４……磁気ディスク ５……セキュリティセンサ 5A……アンテナ部 5B……センサ本体部 ６……空間

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ケーシング内に、回転する磁気記録媒体を
   収容する円形状収容域を有し、持出し防止用セキュリテ
   ィセンサを内蔵したセキュリティセンサ付容器におい
   て、 前記セキュリティセンサが、前記円形状収容域外の前記
   ケーシング内に配され、該セキュリティセンサのアンテ
   ナ部の一部が該ケーシングの外部に露出していることを
   特徴とするセキュリティセンサ付容器。