JPH082865Y2 - ディジタルオーディオテープカートリッジのスライダーロッキング装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ディジタルオーディオテープカートリッジ
（Digital Audio Tape Cartridge）のスライダーロッキ
ング装置に関し、とくにカートリッジの底面にスライド
可能に設けられ、リール側挿入孔を開閉するとともにリ
ッドの開閉を制限するスライダーを開放位置と閉鎖位置
とでロッキングさせるためのディジタルオーディオテー
プカートリッジのスライダーロッキング装置に関する。

［従来の技術］ 一般にディジタルオーディオテープカートリッジ（2
1）は、第６図および第７図に示すごとく、１対のリー
ルに捲取られたテープ（図示せず）が収納される上下部
シェル（22）、（23）と、下部シェル（23）の底面にス
ライド可能に設けられるスライダー（24）と、カートリ
ッジ（21）の前方側を開閉するためのリッド（25）とか
ら構成される。

前記下部シェル（23）の底面には、内部のテープリー
ルに挿入されるディジタルオーディオテープ記録再生装
置（Digital Audio Tape Recorder）のデッキ（図示せ
ず）に設けられたリール軸が挿入される１対のリール軸
挿入孔（26）が穿設されており、前記スライダー（24）
には開放位置でリール軸挿入孔（26）に一致される連通
孔（27）が穿設されている。

前記スライダー（24）およびリッド（25）は、スプリ
ングなどにより常時閉鎖位置に弾設されている。

前記下部シェル（23）およびスライダー（24）には、
スライダー（24）を開放位置と閉鎖位置とでロッキング
させるためのスライダーロッキング装置が設けられてい
る。従来のスライダーロッキング装置は、下部シェル
（23）に一体に形成された弾性片（29）およびその先端
に下方に突出形成されたロッキング突起（30）を有する
１対の弾性ロッカー（28）と、スライダー（24）に穿孔
されて弾性ロッカー（28）のロッキング突起（30）が開
放位置と閉鎖位置とで選択的にロッキングされるそれぞ
れ１対の開放位置のロッキング孔（31）と閉鎖位置ロッ
キング孔（32）とから構成されている。

［考案が解決しようとする課題］ このようなディジタルオーディオテープカートリッジ
（21）においては、常時スライダー（24）が前方に弾性
復帰され、前記連通孔（27）がリール軸挿入孔（26）と
ずれた状態でリール軸挿入孔（26）を閉鎖している。さ
らにこれと連動してリッド（25）が閉鎖状態に保持され
る閉鎖位置で、下部シェル（23）に形成された弾性ロッ
カー（28）のロッキング突起（30）とスライダー（24）
に穿設された閉鎖位置ロッキング孔（32）との係止によ
りスライダーがロッキングされた状態に保持される。

この状態においては、カートリッジ（21）内部のリー
ルがスライダー（24）により閉鎖されるために露出され
ず、内部のテープはリッド（25）により閉鎖されて外部
からの塵や異物質から保護されると共に、外部からのテ
ープへの接近（触手）が防止される。

カートリッジ（21）をディジタルオーディオテープ記
録再生装置のデッキ（図示せず）に装填するばあいに
は、カートリッジ（21）が挿入されるにしたがいデッキ
内に設けられたロック解除手段により前記ロッキング突
起（30）と閉鎖位置のロッキング孔（32）との間のロッ
キングが解除される。そしてスライダー（24）が後退し
ながら連通孔（27）が下部シェル（23）のリール軸挿入
孔（26）と一致し、リール軸挿入孔（26）が開放される
と同時にこれと連動して、リッド（25）は開放された状
態で前記ロッキング突起（30）と開放位置ロッキング孔
（31）との係止によりロッキングされた状態に保持され
る。

この状態において、前記連通孔（27）とリール軸挿入
孔（26）とを通ってくるデッキのリール軸がカートリッ
ジ内のリールに挿入され、かつリッド（25）が開放され
るのでカートリッジ（21）はテープが露出された状態で
装着される。

一方、デッキに装着されたカートリッジ（21）を抽出
（EJECT）させるばあいは、カートリッジ（21）が後退
させられることによって、デッキのロック解除手段によ
りロッキング突起（30）と開放位置ロッキング孔（31）
間のロッキングが解除される。ついでスライダー（24）
は弾性的に前進復帰されてリール軸挿入孔（26）が閉鎖
されるとともに、これと連動してリッド（25）が閉鎖位
置に保持される状態で、カートリッジ（21）が抽出され
て前述の常時の状態となる。

このようなカートリッジ（21）の使用において、スラ
イダーロッキング装置のロッキング作用は弾性ロッカー
（28）の弾性片（29）の弾性力によりなされるものであ
るため、弾性片（29）は、少くともカートリッジ（21）
内のテープの寿命が尽きるまでは適正な弾性力を保持す
ることが要求される。

しかしながら従来のカートリッジ（21）においては、
スライダーロッキング装置を構成する弾性ロッカー（2
8）の弾性片（29）は、その一端が下部シェル（23）に
一体に形成され、ロッキング突起（30）が形成された他
端は自由端の片持ばり状を呈している。そのため使用に
より弾性片（29）の弾性力が徐々に弱化し弾性ロッカー
（28）のロッキング作用が正確に行なわれず、これによ
りディジタルオーディオテープ記録再生装置の誤動作と
機能の故障を招くという問題点を有している。

本考案は、カートリッジを長期間使用してもスライダ
ーロッキング装置を構成する弾性ロッカーの弾性片の弾
性力が適正値に保持されて弾性ロッカーのスライダーロ
ッキング作用が正確に行なわれ、それによりカートリッ
ジの使用寿命を延長し、さらにカートリッジの誤動作に
よるディジタルオーディオテープ記録再生装置の誤動作
と機能の故障を予防可能にした、ディジタルオーディオ
テープカートリッジのスライダーロッキング装置を提供
することを目的とするものである。

［課題を解決するための手段］ 本考案のディジタルオーディオテープカートリッジの
スライダーロッキング装置はテープが収納される上下部
シェルと、下部シェルの底面にスライド可能に設けられ
るスライダーと、開閉リッドとを有し、前記下部シェル
に、弾性片とその先端のロッキング突起とを有する弾性
ロッカーが一体に形成され、前記スライダーに、前記ロ
ッキング突起が選択的にロッキングされる開放位置ロッ
キング孔と閉鎖位置ロッキング孔とが穿設され、前記弾
性ロッカーの弾性片の両端が下部シェルに両端固定ばり
状に一体に固定され、その中間部に前記ロッキング突起
が形成されていることを特徴としている。

前記弾性ロッカーの弾性片は、両端が下部シェルに一
体に固定された形態であればどのようなものでもよく、
たとえば「へ」の字形や「１」の字形などにするのが好
ましい。

本考案の他の特徴および長所は添付された図面による
実施例の詳細な説明により明白になるであろう。

［作用］ 上述のごとく構成された本考案のディジタルオーディ
オテープカートリッジのスライダーロッキング装置が適
用されたディジタルオーディオテープカートリッジは、
常時スライダーが前方に弾性復帰され、かつ前記連通孔
がリール軸挿入孔とずれながらリール軸挿入孔を閉鎖
し、それと連動してリッドが閉鎖状態に保持される閉鎖
位置で、下部シェルに形成された弾性ロッカーのロッキ
ング突起とスライダーに穿設された閉鎖位置ロッキング
孔との係止によりロッキングされた状態に保持される。

この状態においては、カートリッジ内部のリールがス
ライダーによって閉鎖されることにより露出されず、内
部のテープはリッドにより閉鎖されて外部からの塵や異
物質から保護されるとともにテープへの接近（触手）が
防止される。

カートリッジをディジタルオーディオテープ記録再生
装置のデッキ（図示せず）に装填するばあいには、カー
トリッジが挿入されることによりデッキ内に設けられた
ロック解除手段により前記ロッキング突起と閉鎖位置ロ
ック孔との間のロッキングが解除される。そしてスライ
ダーが後退しながら連通孔が下部シェルのリール軸挿入
孔と一致し、リール軸挿入孔が開放されるとともに、こ
れと連動して、リッドは開放された状態で前記ロッキン
グ突起と開放位置ロッキング孔との係止によりロッキン
グされた状態に保持される。

この状態において、カートリッジは、前記連通孔とリ
ール軸挿入孔を通してデッキのリール軸がカートリッジ
内のリールに挿入され、リッドの開放によりテープが露
出された状態で装着される。

一方、デッキに装着されたカートリッジを抽出させる
ばあいは、カートリッジが後退させられることによっ
て、デッキのロック解除手段によりロッキング突起と開
放位置ロッキング孔間のロッキングが解除される。つい
でスライダーは弾性的に前進復帰されてリール軸挿入孔
が閉鎖されるとともに、これと連動してリッドが閉鎖位
置に保持される状態で、カートリッジが抽出され、前述
のもとの状態となるのである。

このような作用において、スライダーのロッキング作
用は弾性ロッカーの弾性片の弾性力によりなされるもの
であるため、本考案における弾性ロッカーは、弾性片が
その両端が下部シェルに一体に固定されて両端固定ばり
状（Both End Fixed Beam）を呈しており、その中間部
にロッキング突起が形成されているため、スライダーロ
ッキングのための弾性力を適正値に設定できる。また長
期間の使用においても弾性片の弾性力がたやすく減少さ
れず、長期間保持されながら円滑なロッキング作用を発
揮することになる。

［実施例］ つぎに添付図面を参照しながら本考案のディジタルオ
ーディオテープカートリッジのスライダーロッキング装
置について説明する。

第１図は本考案の装置を有するカートリッジの一実施
例を示す分解斜視図、第２図は第１図のカートリッジの
スライダーを除去した状態の要部底面図、第３図は第２
図の（Ａ）−（Ａ）線に沿う結合状態断面図、第４図は
第２図の（Ｂ）−（Ｂ）線に沿う結合状態断面図、第５
図は本考案の装置の他の実施例を示す要部底面図であ
る。

第１〜４図は本考案のディジタルオーディオテープカ
ートリッジのスライダーロッキング装置の一実施例を示
すものである。ディジタルオーディオテープカートリッ
ジ（１）は、１対のリールに捲取られたテープ（図示せ
ず）が収納される上下部シェル（２）、（３）と、下部
シェル（３）の底面にスライド可能に設置されるスライ
ダー（４）と、上下部シェル（２）、（３）の前方側を
開閉するリッド（５）とから構成されている。

前記下部シェル（３）の底面には、内部のテープリー
ルに挿入されるディジタルオーディオテープ記録再生装
置のデッキ（図示せず）に設けられたリール軸が挿入さ
れる１対のリール軸挿入孔（６）が穿設されている。前
記スライダー（４）には、開放位置においてリール軸挿
入孔（６）と一致する連通孔（７）が穿設されている。

前記スライダー（４）およびリッド（５）はスプリン
グなどにより常時閉鎖位置に弾設されている。

前記下部シェル（３）およびスライダー（４）には、
スライダー（４）を開放位置と閉鎖位置とにおいてロッ
キングするためのスライダーロッキング装置が設けられ
ている。スライダーロッキング装置は下部シェル（３）
に一体に形成された１対の弾性ロッカー（８）を有す
る。弾性ロッカー（８）は弾性片（９）と、その先端に
下方に突出形成されたロッキング突起（10）を有する。
さらにスライダーロッキング装置は、スライダー（４）
に穿設され、前記弾性ロッカー（８）のロッキング突起
（10）が開放位置と閉鎖位置において選択的にロッキン
グされるそれぞれ１対の開放位置ロッキング孔（11）
と、閉鎖位置ロッキング孔（12）とから構成されてい
る。

このようなディジタルオーディオテープカートリッジ
（１）は、常時スライダー（４）が前方に弾性復帰され
ている。その状態では前記連通孔（７）がリール軸挿入
孔（６）とずれているのでリール軸挿入孔（６）を閉鎖
し、それと連動してリッド（５）が閉鎖状態に保持され
る閉鎖位置で、下部シェル（３）に形成された弾性ロッ
カー（８）のロッキング突起（10）とスライダー（４）
に穿設された閉鎖位置ロッキング孔（12）との係止によ
りロッキング状態に保持される。

この状態においては、カートリッジ（１）内部のリー
ルがスライダー（４）により閉鎖されることにより露出
されず、内部のテープはリッド（５）により閉鎖され外
部からの塵や異物質から保護されるとともにテープへの
接近（触手）が防止される。カートリッジ（１）をディ
ジタルオーディオテープ記録再生装置のデッキ（図示せ
ず）に装填するばあいには、カートリッジ（１）が挿入
されるにしたがいデッキ内に設けられたロック解除手段
により前記ロッキング突起（10）と閉鎖位置ロッキング
孔（12）間のロッキングが解除される。そしてスライダ
ー（４）が後退しながら連通孔（７）が下部シェル
（３）のリール軸挿入孔（６）と一致される。またリー
ル軸挿入孔（６）が開放されるとともにこれと連動し
て、リッド（５）は開放された状態で前記ロッキング突
起（10）と開放位置ロッキング孔（11）との係止により
ロッキングされた状態に保持される。

この状態においてカートリッジ（１）は、前記連通孔
（７）とリール挿入孔（６）を通してデッキのリール軸
がカートリッジ内のリールに挿入されかつリッド（５）
の開放によりテープが露出された状態で装着されるので
ある。

一方、デッキに装着されたカートリッジ（１）を抽出
させるばあいは、カートリッジ（１）が後退させられる
ことによって、デッキのロッキング解除手段によりロッ
キング突起（10）と開放位置ロッキング孔（11）間のロ
ッキングが解除される。ついで、スライダー（４）は弾
性的に前進復帰され、リール軸挿入孔（６）が閉鎖され
るとともに、これと連動してリッド（５）が閉鎖位置に
保持される状態で、カートリッジ（１）が抽出され、前
述の常時の状態となるのである。

前記弾性ロッカーの弾性片は両端が下部シェルに一体
に固定された両端固定ばり状に形成され、前記ロッキン
グ突起は弾性片の中間部に形成されている。

前記弾性片（９）は、第１図および第２図に示すよう
に両端が下部シェルに一体に固定されて「へ」の字形を
呈することによりスライダーのロッキング力で作用する
弾性片（９）の弾性力を適正値に設定することができ、
また長期間の使用においても最初に設定された弾性力が
たやすく減少されず、長期間保持されながら円滑なロッ
キング作用を行なうことができる。

第５図は本考案の他の実施例を示すものであって、前
記弾性ロッカー（８）の弾性片（９）がその両端を下部
シェル（３）に一体に固定されて両端固定ばり状を呈し
ている。弾性片は、そのように「１」の字形に形成され
ることにより、スライダー（４）のロッキング力として
作用する弾性ロッカー（８）の弾性片（９）の弾性力を
適正値に設定することができ、長期間の使用においても
設定された弾性力が減少されることなく長期間保持され
うる。

その他の構成部分は、前述の実施例におけるものと同
様であるため、同一部分については同一符号を付して具
体的な説明は省くことにする。

［考案の効果］ 以上のごとく、本考案によれば、スライダーのロッキ
ング力を与える弾性ロッカーの弾性片はその両端が下部
シエルに固定された両端固定ばり状を呈し、その中央部
にロッキング突起が形成されているため、弾性力を適正
値に設定することができる。また長期間の使用において
も弾性片は最初に設定された弾性力がたやすく減少され
ず、同じ状態で保持されながらスライダーのロッキング
作用を行いうる。加えて、カートリッジをディジタルオ
ーディオテープ記録再生装置に装填および抽出する際、
スライダーの開閉作動上の誤動作を防止することができ
る。さらに、カートリッジの寿命が延長され、かつディ
ジタルオーディオテープ記録再生装置の誤動作および機
能の故障をも予防することができる。

【図面の簡単な説明】

第１〜４図は本考案のディジタルオーディオテープカー
トリッジのスライダーロッキング装置の一実施例を示す
ものであって、第１図はカートリッジの分解斜視図、第
２図はスライダーを除去した状態の要部底面図、第３図
は第２図の（Ａ）−（Ａ）線に沿う結合状態断面図、第
４図は第２図の（Ｂ）−（Ｂ）線に沿う結合状態断面図
であり、第５図は本考案の他の実施例を示す要部底面図
であり、 第６図および第７図は従来のディジタルオーディオテー
プカートリッジのスライダーロッキング装置の一例を示
すものであって、第６図はカートリッジを示す分解斜視
図、第７図は第６図のカートリッジを示す要部断面図で
ある。 （図面の主要符号） （１）：カートリッジ （２）：上部シェル （３）：下部シェル （４）：スライダー （５）：リッド （８）：弾性ロッカー （９）：弾性片 （10）：ロッキング突起 （11）、（12）：ロッキング孔

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 洪 淳国 大韓民国忠清南道天原郡聖居邑 天興里聖 居住宅ビー棟203号 (72)考案者 洪 昌義 大韓民国忠清南道天安市院城洞275‐６ (72)考案者 柳 洙善 大韓民国忠清南道天原郡成歓邑 又新里１ 区76

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】テープが収納される上下部シェルと、下部
   シェルの底面にスライド可能に設けられるスライダー
   と、開閉リッドとを有し、前記下部シェルに、弾性片と
   その先端のロッキング突起とを有する弾性ロッカーが一
   体に形成され、前記スライダーには前記ロッキング突起
   が選択的にロッキングされる開放位置ロッキング孔と閉
   鎖位置ロッキング孔とが穿設され、前記弾性ロッカーの
   弾性片の両端が下部シェルに両端固定ばり状に一体に固
   定され、その中間部に前記ロッキング突起が形成されて
   いることを特徴とするディジタルオーディオテープカー
   トリッジのスライダーロッキング装置。
2. 【請求項２】前記弾性ロッカーの弾性片が、その両端が
   下部シェルに一体に固定されて「へ」の字形を呈するこ
   とを特徴とする請求項１記載のディジタルオーディオテ
   ープカートリッジのスライダーロッキング装置。
3. 【請求項３】前記弾性ロッカーの弾性片が、その両端が
   下部シェルに一体に固定されて「１」の字形を呈するこ
   とを特徴とする請求項１記載のディジタルオーディオテ
   ープカートリッジのスライダーロッキング装置。