JPH08285863A - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡

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JPH08285863A
JPH08285863A JP8800895A JP8800895A JPH08285863A JP H08285863 A JPH08285863 A JP H08285863A JP 8800895 A JP8800895 A JP 8800895A JP 8800895 A JP8800895 A JP 8800895A JP H08285863 A JPH08285863 A JP H08285863A
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displacement
current
voltage
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JP8800895A
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Takeshi Warabe
毅 童
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、制御系を安定させて応答性を速め
ると共に、走査中に探針が試料表面に当たって探針や試
料の表面に損傷を与えないために、圧電体共振点付近の
電流増加量を検出し、この増加量を圧電体にフィードバ
ックして該圧電体に印加する電圧を調節し、圧電体の機
械的な共振ピークを十分に抑圧する。 【構成】プローブ変位検出部15からカンチレバー14
の探針の変位を検出して、変位信号SzをZ変位サーボ
制御部16へ出力する。このZ変位サーボ制御部16で
は、Z制御電圧Vzを印加して円筒型圧電体13を伸縮
させる。円筒型圧電体13に流れている電流izを電流
検出センサ19で検出し、微分回路20にて微分して電
流増加量を算出する。そして、比較器22にて、該電流
増加量を増幅回路21で増幅した補正電圧△VとZ変位
サーボ制御部16からの印加電圧指令を比較して、円筒
型圧電体13に実際に印加する電圧Vzを生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は走査型プローブ顕微鏡
に関し、より詳細には圧電体共振点付近の電流増加量を
検出してこの増加量を円筒型圧電体にフィードバックし
て該圧電体のZ方向の制御を行う走査型プローブ顕微鏡
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧電体を用いた3次元走査機構は、微動
変位移動ステージをナノメートルオーダの分解能で駆動
するために、よく使われている。特に、トンネル電流を
利用して試料表面を原子寸度でなぞって画像化する走査
型トンネル顕微鏡(STM:Scanning Tunneling Micro
scope )や、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic force M
icroscope )等の原子分解能を必要とする走査型プロー
ブ顕微鏡(SPM)に於いては、試料や探針のxyz方
向の位置決めステージを駆動する機構として広く普及し
ている。
【0003】一般に、走査型プローブ顕微鏡は、上述し
たSTMを初めとして、多様化している探針と試料を近
接させ、その間に働く物理量を検出し、それを媒体にし
て試料表面の凹凸をなぞり、試料表面の性質の違いを知
る原子サイズオーダで3次元的な測定装置である。
【0004】また、上述したAFMはSTMに類似して
おり、走査型プローブ顕微鏡の1つとして位置付けられ
ている。AFMでは、自由端に鋭い探針を有するカンチ
レバーを、試料に対向、近接して設けている。そして、
該カンチレバーの探針の先端の原子と試料原子との間に
働く相互作用力によって、変位するカンチレバーの動き
を電気的或いは光学的にとらえて測定しつつ、試料をX
Y方向に走査し、カンチレバーの探針部との位置関係を
相対的に変化させることによって、試料の凹凸情報等を
原子サイズオーダで3次元的に捕らえることができる。
【0005】走査型プローブ顕微鏡に於いては、画素品
質の劣化を防止するために、高速応答の位置制御技術の
開発が要求されている。特に、生物分野では、SPMの
高速走査性、且つ試料表面の微細な力変化の検出が求め
られている。
【0006】走査型プローブ顕微鏡に於ける高速走査、
高速応答を実現するための基本的考え方は、Z軸微動機
構用圧電体の共振周波数をできるだけ高くし、且つ共振
時の振幅(Q値)をできるだけ小さくすることにある。
【0007】図5は、従来の走査型プローブ顕微鏡の構
成の一例を示したブロック図である。試料走査型プロー
ブ顕微鏡は、測定する試料1を支持する試料台2と、こ
の試料台2を支持して且つ試料台2を移動させる円筒型
圧電体3と、自由端に探針を有するカンチレバー4と、
プローブ変位検出部5と、Z変位サーボ制御部6と、
X,Y信号走査部7と、画像表示装置8とから構成され
る。
【0008】上記プローブ変位検出部5は、カンチレバ
ー4の探針と試料1との間の相互作用によって生じるカ
ンチレバー4の変位を、光学的及び電気的に検出し、変
位信号SzをZ変位サーボ制御部6へ出力する。
【0009】Z変位サーボ制御部6は、試料1の表面と
カンチレバー4の探針先端を一定距離に保つようにフィ
ードバック制御するためのものである。上記Z変位サー
ボ制御部6は、Z制御電圧Vzを円筒型圧電体3に印加
して円筒型圧電体3を伸縮させて試料1をZ方向に移動
させる。それと共に、X,Y信号走査部7から出力され
るX,Y走査信号が円筒型圧電体3に印加されて2次元
方向に走査される。このときのZ制御信号Vz、つまり
試料1の凹凸情報が画像表示装置8に転送される。すな
わち、XY面内を走査するX,Y走査制御部に同期し
て、Z変位サーボ制御部6の制御電圧が測定される。
【0010】画像表示装置8は、転送された測定データ
を格納し、試料表面の凹凸情報の3次元画像形成、及び
試料表面情報分析を行うためのものである。図6は、図
5に示された走査型プローブ顕微鏡のZサーボ制御部6
及びその周辺部の構成を示すブロック図である。
【0011】このフィードバック制御系に於いて、下記
(1)式で表される値のリファレンス信号とプローブ変
位検出部5から検出された変位信号Szとの差が比較器
9で求められる。その後、積分増幅器10で積分され
て、円筒型圧電体3に印加される電圧Vzが生成され
る。
【0012】
【数1】
【0013】図7(a)は、従来例の円筒型圧電体のZ
軸変位量、積分器ゲインと印加電圧周波数の特性を示す
ボード線図である。同図からもわかるように、円筒型圧
電体3は、共振周波数f0 に於いてピークが現れてい
る。共振点の振幅(尖鋭度Q値)は、かなり大きいもの
であり、走査型プローブ顕微鏡の位置制御は、減衰性が
悪い機械振動系であることがわかる。
【0014】図6に示される従来のZ軸サーボ制御系で
は、積分ゲインKiの増大と共に不安定となる。したが
って、図7(a)に示されるように、Z軸圧電体の第1
次共振周波数付近での影響をできるだけ小さくするよう
に、積分器の時定数Ti=1/Kiを大きく設定する必
要がある。つまり、Z制御の周波数特性は、図7(b)
に示されるように、共振点に於ける合成した閉ループの
ゲイン特性のピークを0dB以下に抑えるように設定し
なければならない。したがって、実用的には、Kiをか
なり小さな値で使わなくてはならない。
【0015】また、図8は、圧電体の電流−周波数特性
を示したものである。この図8からもわかるように、円
筒型圧電体3には共振周波数f0 付近で大きな共振電流
が流れている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】走査型プローブ顕微鏡
は、試料表面と探針先端を一定距離に保つように、試料
1をZ方向に制御しながらXY2次元方向に走査し、こ
のときの円筒型圧電体3に印加する電圧信号を試料表面
の凹凸情報として画像形成している。
【0017】しかしながら、円筒型圧電体3の特性とし
て、変位と印加電圧周波数の関係に、図7に示されるよ
うな固有振動特性があるために、Z方向の制御を高速に
行おうとすると、円筒型圧電体3が発振して安定したZ
方向の制御が行えないという課題を有している。
【0018】また、図6に示される従来のサーボ制御系
では、円筒型圧電体3の第1次共振ピークの影響を避け
るために、積分器の時定数Tiが大きく設定される。し
かしながら、制御ループのゲインを大きくとることがで
きないため、サーボ系の応答が遅くなり、位置決め精度
が高くできないという課題がある。したがって、大きい
段差がある試料に対しては、高速な2次元走査が行え
ず、高速な測定はできない。
【0019】更に、凹凸の差の大きい試料の場合、サー
ボの応答が遅いために走査中に探針が試料表面に当たっ
てしまい、探針及び試料の表面に損傷を与える虞れがあ
った。
【0020】この発明は上記課題に鑑みてなされたもの
で、制御系を安定させて応答性を速めると共に、走査中
に探針が試料表面に当たって探針や試料の表面に損傷を
与える虞れがない走査型プローブ顕微鏡を提供すること
を目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、圧
電体を用いた走査型プローブ顕微鏡に於いて、上記圧電
体のZ方向の変位を検出するZ方向変位検出手段と、上
記圧電体のZ方向の変位を制御すべく所定の印加電圧を
与えるZ方向変位制御手段と、上記圧電体をZ方向に駆
動するための駆動電流を検出する電流検出手段と、この
電流検出手段によって検出された共振電流の変化率を算
出して補正電圧を求める算出手段と、この算出手段で求
められた補正電圧に基いて、上記Z方向変位制御手段か
ら圧電体へ供給される印加電圧を調整する調整手段とを
具備することを特徴とする。
【0022】
【作用】この発明の走査型プローブ顕微鏡では、Z変位
サーボ制御系に於いて、カンチレバーの変位△Zと圧電
体に流れる共振電流izを検出し、上記△Zを積分器で
積分して、下記(2)式で表される電圧指令を生成す
る。
【0023】
【数2】 そして、共振電流信号izをバンドパスフィルタ或いは
ハイパスフィルタを通し、微分回路に入力して得られる
補正電圧信号△Vとゲイン定数K1から、円筒型圧電体
の印加電圧指令Vzを下記(3)式及び(4)式が成立
するように制御する。
【0024】
【数3】
【0025】
【数4】
【0026】すなわち、図8に示されるように、圧電体
の共振点付近での電流が大きく変化するという特性を利
用して、円筒型圧電体の機械振動系の固有周波数f0
近で圧電体に印加する電圧Vzを減少させることによっ
て、共振ピーク振幅値を下げる。
【0027】このように、この発明の走査型プローブ顕
微鏡に於いては、円筒型圧電体共振点付近の電流増加量
を検出し、この増加量を円筒型圧電体にフィードバック
することによって、円筒型圧電体に印加する電圧を調節
し、圧電体の機械的な共振ピークを十分に抑圧する。そ
の結果、制御帯域が拡大されて、制御ループのゲインを
高く設定することができるので、サーボ制御系の応答を
速くすると共に、精度を高め、圧電体のXY2次元走査
速度及びZ方向の制御速度及びZ方向の制御速度を遅く
せずに、安定で且つ高速な試料表面の微細な力の変化を
検出することが可能となる。特に、凹凸の大きい場合、
走査中に、探針及び試料表面に大きな損傷を与える虞れ
もなくなる。
【0028】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例を説
明する。図1は、この発明の第1の実施例で、走査型プ
ローブ顕微鏡による位置制御系の構成を示すブロック図
である。
【0029】図1に於いて、走査型プローブ顕微鏡は、
測定する試料11を支持する試料台12と、この試料台
12を支持して且つ試料台12を移動させる円筒型圧電
体13と、自由端に探針を有するカンチレバー14と、
プローブ変位検出部15と、Z変位サーボ制御部16
と、X,Y信号走査部17と、画像表示装置18と、電
流検出部(電流検出センサ)19と、共振電流の増加率
算出部を構成する微分回路20、増幅回路21及び比較
器22とを有して構成される。
【0030】上記プローブ変位検出部15は、カンチレ
バー14の探針と試料11との間の相互作用によって生
じるカンチレバー14の探針の変位を、光学的及び電気
的に検出し、変位信号SzをZ変位サーボ制御部16へ
出力する。
【0031】このZ変位サーボ制御部16は、試料11
の表面とカンチレバー14の探針先端を一定距離保つよ
うにフィードバック制御するためのものであり、Z制御
電圧Vzを円筒型圧電体13に印加してこの円筒型圧電
体13を伸縮させる。
【0032】上記電流検出部19は、電流検出センサか
ら円筒型圧電体13に流れている電流izを検出するた
めのものである。そして、検出された電流から、共振電
流増加量算出部の微分回路20及び増幅器回路21にて
電流増加量が算出され、補正電圧△Vが得られる。この
補正電圧△Vは、比較器22に出力される。
【0033】このような構成に於いて、上記プローブ変
位検出部15により、カンチレバー14の探針の変位が
検出されると、変位信号SzがZ変位サーボ制御部16
へ出力される。すると、Z変位サーボ制御部16では、
Z制御電圧Vzを円筒型圧電体13に印加してこの円筒
型圧電体13を伸縮させる。
【0034】このとき、電流検出センサ19では、円筒
型圧電体13に流れている電流izが検出される。高い
周波数の電圧が印加されると、円筒型圧電体13の共振
を引起こし、圧電体13の機械変位は急激的に増加され
ると共に、電流も急激的に大きく増加されるが、その電
流は上記電流検出センサ19で検出された後、共振電流
増加量算出部に出力される。
【0035】この共振電流増加量算出部では、上記電流
検出センサ19で検出された電流が微分回路20にて微
分されて電流増加量が算出される。この電流増加量が増
幅回路21で適当に増幅されて、補正電圧△Vが生成さ
れる。そして、比較器22に於いて、この補正電圧△V
が上記(2)式で表される印加電圧指令との間で引算さ
れることにより、円筒型圧電体13に実際に印加される
電圧Vzが生成される。すなわち、共振点付近で円筒型
圧電体13に印加される電圧が減少されて、円筒型圧電
体13の機械的な共振ピークの影響が抑えられる。
【0036】このように、円筒型圧電体共振点付近の電
流増加量が検出され、この電流増加量が円筒型圧電体に
フィードバックされることによって、円筒型圧電体に印
加される電圧が調節され、圧電体の機械的な共振ピーク
が十分に抑圧される。その結果、図2(a)及び(b)
に太線で示されるように、制御ループのゲインKi´を
高く設定することができるので、制御帯域が従来の0〜
Aの範囲から0〜A´の範囲にまで広げられる。
【0037】その結果、制御帯域が拡大され、制御ルー
プのゲインを高く設定することができるので、サーボ制
御系の応答を速くすると共に、精度を高め、円筒型圧電
体のXY2次元走査速度及びZ方向の制御速度を遅くせ
ずに、安定で且つ高速な試料表面の微細な力の変化を検
出することが可能となる。
【0038】また、凹凸の差の大きい試料の場合、走査
中に探針及び試料表面に大きな損傷を与える虞れがなく
なる。更に、上述した実施例に於いて、電流検出部とし
て電流検出センサ19の後段にハイパスフィルタを挿入
してもよいものである。
【0039】次に、この発明の第2の実施例について説
明する。図3は、この発明の第2の実施例で、カンチレ
バー走査型の走査型プローブ顕微鏡による位置制御系の
構成を示すブロック図である。
【0040】第2の実施例による走査型プローブ顕微鏡
は、図3に示されるように、測定する試料11を支持す
る試料台12′と、自由端に探針を有するカンチレバー
14′と、このカンチレバー14′の基板を支持する基
板を移動させる円筒型圧電体13′と、探針と試料との
間の相互作用によって生じるカンチレバーの変位を光学
的に検出する光てこ変位検出部23と、Z変位サーボ制
御部16と、X,Y信号走査部17と、画像表示装置1
8と、電流検出部を構成する電流検出センサ19及びバ
ンドパスフィルタ24と、共振電流の増加率算出部を構
成する微分回路20、増幅回路21及び比較器22とを
有して構成される。
【0041】このような構成に於いて、上記光てこ変位
検出部23にて、カンチレバー14′の変位が検出され
ると、変位信号SzがZ変位サーボ制御部16へ出力さ
れる。このZ変位サーボ制御部16では、試料11の表
面とカンチレバー14′の探針先端を一定距離に保つよ
うにフィードバック制御され、Z制御電圧Vが円筒型圧
電体13′に印加されて円筒型圧電体13が伸縮され
る。
【0042】そして、電流検出センサ19に於いて、円
筒型圧電体133に流れている電流izが検出され、こ
の検出された電流信号izがバンドパスフィルタ24に
入力される。
【0043】カンチレバー走査型プローブ顕微鏡では、
円筒型圧電体13に乗る荷重が一定で、円筒型圧電体1
3の共振点が変動しないため、バンドパスフィルタ24
の中心周波数を円筒型圧電体13の機械共振周波数に合
わせるのは容易である。
【0044】図4に示されるように、バンドパスフィル
タ24の中心周波数は、円筒型圧電体13の共振周波数
と同じものを選択する。すなわち、高い周波数の電圧を
円筒型圧電体13に印加すると、円筒型圧電体13の共
振が生じて共振電流が流れている。その共振電流は、電
流検出センサ19及びバンドパスフィルタ24によって
検出され、電流増加量算出部に入力される。
【0045】電流増加量算出部では、検出された共振電
流が微分回路20で微分されて電流増加量が算出され
る。この電流増加量が、増幅回路21にて適当に増幅さ
れて補正電圧△Vが生成される。そして、この補正電圧
ΔVが比較器22に出力されて下記(5)式で表される
印加電圧指令との間で引算される。
【0046】
【数5】
【0047】すなわち、共振点付近で印加する電圧が減
少されて共振ピークの影響が抑えられる。このように、
円筒型圧電体13の共振点付近の電流増加量が検出さ
れ、この増加量が円筒型圧電体13にフィードバックさ
れることによって、円筒型圧電体13に印加される電圧
が調節され、円筒型圧電体13の機械的な共振ピークが
十分に抑圧される。その結果、図2(a)及び(b)に
太線で示されるように、制御ループのゲインKi´を高
く設定することができるので、制御帯域が従来の0〜A
の範囲から0〜A´の範囲にまで広げられる。
【0048】その結果、制御帯域が拡大され、制御ルー
プのゲインを高く設定することができるので、サーボ制
御系の応答を速くすると共に、精度を高め、円筒型圧電
体のXY2次元走査速度及びZ方向の制御速度を遅くせ
ずに、安定で且つ高速な試料表面の微細な力の変化を検
出することが可能となる。
【0049】また、凹凸の差の大きい試料の場合、走査
中に探針及び試料表面に大きな損傷を与える虞れがなく
なる。上述したように、従来は、走査型プローブ顕微鏡
の位置制御系の振動Q値が高いため、制御ゲインを高め
ると制御系の振動が発生する虞れがあった。この振動の
振幅は、位置制御系の応答を速くするほど大きくなり、
測定に悪影響を及ぼすため、高速走査は望めないもので
あった。
【0050】しかしながら、上述した制御を適用するこ
とにより、共振ピークは大幅に抑圧され、且つ制御ゲイ
ンも大きくすることができるため、サーボ制御系の応答
を速くすると共に、精度を高め、安定で且つ高速な試料
凹凸測定が可能となった。また、凹凸の差の大きい試料
の場合、走査中に探針及び試料表面に大きな損傷を与え
る虞れがなくなる。
【0051】この発明によれば、圧電体の電流を検出
し、検出された電流を機械振動系の固有周波数f0 付近
で微分した量を圧電体にフィードバックすることによっ
て、圧電体に印加する電圧を調節し、圧電体の機械的な
共振ピークを十分に抑圧するので、制御帯域が拡大さ
れ、制御ループのゲインを高く設定することができるた
め、サーボ制御系の応答を速くすると共に、精度を高め
ることができる。
【0052】また、圧電体の微動手段を走査型プローブ
顕微鏡の位置制御応用することによって、走査型プロー
ブ顕微鏡の圧電体のXY2次元走査速度及びZ方向の制
御速度を遅くせずに、安定で且つ高速な試料表面の微細
な力の変化を検出することが可能となる。
【0053】尚、上述した実施例では、走査型プローブ
顕微鏡のZ方向のサーボ制御に用いていたが、XY走査
制御にも本発明を用いることが可能である。また、圧電
体は、上述したように円筒型圧電体を用いたが、積層型
圧電体、ユニモルフ構造の圧電体、バイモルフ構造の圧
電体、単板素子の圧電体にも適用可能である。
【0054】更に、上述した実施例では走査型プローブ
顕微鏡として用いたが、半導体構造に於ける露光装置の
位置決め装置にもこの発明が適用可能であるのは勿論で
ある。
【0055】尚、この発明の上記実施態様によれば、以
下の如き構成が得られる。 (1) 圧電体を用いた走査型プローブ顕微鏡に於い
て、上記圧電体のZ方向の変位を検出するZ方向変位検
出手段と、上記圧電体のZ方向の変位を制御すべく所定
の印加電圧を与えるZ方向変位制御手段と、上記圧電体
をZ方向に駆動するための駆動電流を検出する電流検出
手段と、この電流検出手段によって検出された共振電流
の変化率を算出して補正電圧を求める算出手段と、この
算出手段で求められた補正電圧に基いて、上記Z方向変
位制御手段から圧電体へ供給される印加電圧を調整する
調整手段とを具備することを特徴とする走査型プローブ
顕微鏡。
【0056】(2) 上記電流検出手段は、電流検出セ
ンサで構成されることを特徴とする上記(1)に記載の
走査型プローブ顕微鏡。 (3) 上記電流検出手段は、更にハイパスフィルタ若
しくはバンドパスフィルタを備えることを特徴とする上
記(2)に記載の走査型プローブ顕微鏡。
【0057】(4) 上記算出手段は、微分回路及び増
幅回路で構成されることを特徴とする上記(1)に記載
の走査型プローブ顕微鏡。 (5) 上記調整手段は、上記Z方向変位制御手段から
圧電体へ供給される印加電圧から上記補正電圧を減算し
て該印加電圧を調整することを特徴とする上記(1)に
記載の走査型プローブ顕微鏡。
【0058】上記(1)〜(5)の構成によれば、圧電
体の電流を検出し、検出した電流を機械振動系の固有周
波数付近で微分した量を圧電体にフィードバックするこ
とによって、圧電体に印加する電圧を調節し、圧電体の
機械的な共振ピークを十分に抑圧するので、制御帯域が
拡大され、制御ループのゲインを高く設定することがで
きる。したがって、サーボ制御系の応答を速くすると共
に、精度を高めることができる。
【0059】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、制御系
を安定させて応答性を速めると共に、走査中に探針が試
料表面に当たって探針や試料の表面に損傷を与える虞れ
がない走査型プローブ顕微鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例で、走査型プローブ顕
微鏡による位置制御系の構成を示すブロック図である。
【図2】(a)は印加電圧周波数に対する第1の実施例
による走査型プローブ顕微鏡の圧電体のZ軸変位量及び
積分器ゲインの特性を示すボード線図、(b)は同図
(a)の各要素を合成した閉ループ周波数特性を示した
ボード線図である。
【図3】この発明の第2の実施例で、カンチレバー走査
型の走査型プローブ顕微鏡による位置制御系の構成を示
すブロック図である。
【図4】第2の実施例による走査型プローブ顕微鏡の圧
電体の共振電流及びバンドパスフィルタの印加電圧周波
数特性を示した図である。
【図5】従来の走査型プローブ顕微鏡の構成の一例を示
したブロック図である。
【図6】図5の走査型プローブ顕微鏡のZサーボ制御部
6及びその周辺部の構成を示すブロック図である。
【図7】(a)は印加電圧周波数に対する従来例の円筒
型圧電体のZ軸変位量、積分器ゲインの特性を示すボー
ド線図、(b)は同図(a)の各要素を合成した閉ルー
プ周波数特性を示したボード線図である。
【図8】従来の走査型プローブ顕微鏡の圧電体の共振時
の機械変位及び電流特性を示した図である。
【符号の説明】
11…試料、12、12′…試料台、13、13′…円
筒型圧電体、14、14′…カンチレバー、15…プロ
ーブ変位検出部、16…Z変位サーボ制御部、17…
X,Y信号走査部、18…画像表示装置、19…電流検
出センサ、20…微分回路、21…増幅回路、22…比
較器、23…光てこ変位検出部、24…バンドパスフィ
ルタ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電体を用いた走査型プローブ顕微鏡に
    於いて、 上記圧電体のZ方向の変位を検出するZ方向変位検出手
    段と、 上記圧電体のZ方向の変位を制御すべく所定の印加電圧
    を与えるZ方向変位制御手段と、 上記圧電体をZ方向に駆動するための駆動電流を検出す
    る電流検出手段と、 この電流検出手段によって検出された共振電流の変化率
    を算出して補正電圧を求める算出手段と、 この算出手段で求められた補正電圧に基いて、上記Z方
    向変位制御手段から圧電体へ供給される印加電圧を調整
    する調整手段とを具備することを特徴とする走査型プロ
    ーブ顕微鏡。
  2. 【請求項2】 上記電流検出手段は、電流検出センサで
    構成されることを特徴とする請求項1に記載の走査型プ
    ローブ顕微鏡。
  3. 【請求項3】 上記電流検出手段は、更にハイパスフィ
    ルタ若しくはバンドパスフィルタを備えることを特徴と
    する請求項2に記載の走査型プローブ顕微鏡。
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